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JP2019030644A - 優先的な屈曲を示す関節リンク構造及び関連方法 - Google Patents

優先的な屈曲を示す関節リンク構造及び関連方法 Download PDF

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Abstract

【課題】構造の全体的な寸法を比較的小さく維持しながら、より制御可能に曲げ得る、結合リンク構造を提供する。【解決手段】外科装置は、第1の対の関節動作可能に結合されるリンク120と、第2の対の関節動作可能に結合されるリンクと、張力部材内の張力を変更することが、第1の対のリンク及び第2の対のリンクを曲げるために、第1の対のリンク及び第2の対のリンクを関節動作させる傾向を有する力を加えるように、第1の対のリンクと第2の対のリンクとに結合される張力部材とを含む。張力部材内の張力の変更後に第1の対のリンクが第2の対のリンクよりも少ない曲げに対する抵抗を有するように外科装置を構成し得る。【選択図】図1A

Description

本教示は、隣接するリンクの間の継手を介して互いに関節接続し合う一連のリンクを含む可撓な操縦可能な器具に関する。具体的には、本教示は、ロボット支援を含む様々の最小侵襲的な外科手術を行うのに使用されるそのような器具に関する。
細長いリンケージ構造をもたらすために、運動力学的な鎖(チェーン)が様々の用途において使用される。そのような運動力学的な鎖を利用する構造の例は、ロボット制御器具及び/又は最小侵襲的な外科器具を含むが、それらに限定されない。最小侵襲的な外科器具は手動制御され、或いは、ロボット制御される。運動力学的な鎖は、鎖全体又はその1つ又はそれよりも多くの部分として、人間の骨格に類似し且つ(椎骨に類似する)一連の相互接続されるリンクで形成される構造を含み得る。隣接するリンクの互いに対する関節接続を1つ又はそれよりも多くの自由度(DOF)において許容するために、継手を介してリンクを互いに結合し得る。この関節接続を通じて、これらの関節リンク構造は、蛇のような動作に類似する様々の湾曲形状において配置されるよう、(例えば、縦揺れ及び/又は偏揺れ曲げを含む)1つ又はそれよりも多くの自由度において曲がり得る。関節リンク構造の所望の全体的な屈曲及び湾曲形状をもたらすようリンクを互いに関節動作させる傾向を有する作動力を加えるために、例えば、張力部材(例えば、ケーブル、ワイヤ、及び/又はプッシュロッド)及び/又は圧縮部材(例えば、プッシュロッド、ボーデンケーブル)のような、力移転素子が、一連のリンクを相互接続させ得る。
最少侵襲的な外科技法は、手動で行われようが、ロボット支援システムを介して行われようが、健康な組織に対する損傷を最小限化しながら外科手術を行うことを試みるのが一般的である。この目標を達成するための1つの具体的な技法は、例えば、患者の消化管、血液運搬管腔、気管支、又は他の管腔のような、自然の管腔に少なくとも部分的に従うことによって患者の内側の標的作業部位に達し得る関節リンク構造で形成される、曲げ可能で操縦可能なアーム(腕部)、リスト(手関節部)等を有する、外科装置を利用する。自然の管腔に従うことは、外科装置が自然の管腔に入り或いは出る場所で切開を必要とし得るが、例えば、外科医が、健康な組織を通じるより少ない及び/又はより小さい切開を作りながら、作業部位で手術することを可能にし得る。従って、自然の管腔又は他の蛇行経路に従い得る外科装置は、曲がり(例えば、湾曲)を許容するよう可撓でなければならず、そのような曲がりに対する制御を許容するよう操縦可能でもなければならない。様々の外科用途、特に、例えば、とりわけ、肺用途及び/又は神経学的用途において直面させられるような、例えば、小さな管腔及び/又は厳格な曲がり又は分枝を有する管腔に関連付けられる外科用途は、曲げのときに、具体的には最終的な作業部位に達するために、細長い外科装置の一部が比較的小さい曲率半径を示すことを要求し得る。一般的には、用途に依存して、様々の曲率及び曲率の程度が、屈曲可能で操縦可能な装置の長さに沿って望まれ得る。
一部の場合には、関節リンク構造を細長い外科器具の遠位端部(即ち、器具の使用中に作業部位に最も近接する器具の端部)に配置し得る。遠位端部では、制御された操縦、小さい曲率半径を伴う曲がり、並びに/或いは大きな及び/又は多数のDOF運動が有益であり得る。従って、エンドエフェクタ(例えば、クランプ、刃、鋏、焼灼部材等、及びそれらの組み合わせ)を支持するために、関節リンク構造によって形成されるリストを長い外科装置の遠位端部に向かって設け得る。外科器具及び工具の挿入及び除去を容易化し且つ最小侵襲的な外科手術の標的作業部位に達することを容易化する進入ガイド(例えば、案内管)及び/又は他の類似の内視鏡構造も関節リンク構造で形成して、それらの装置が横断し且つ例えば体腔のような蛇行経路に沿って操縦されることを可能にするよう、所望の可撓性及び曲がりをもたらし得る。進入ガイドは、他の外科器具を挿入し且つ除去し得る1つ又はそれよりも多くのの通路を含むのが一般的である。進入ガイドを使用することは、毎回異なる器具が必要とされる専用の操縦手順を必要とせずに、器具が交換されることも可能にし得る。
狭く蛇行する経路を横断する能力とは別に、最少侵襲的な外科器具の全体的な大きさは、そのような器具の設計に対する制約を提起する。一般的には、そのような器具の外側横方向寸法(例えば、直径)を含む全体的な大きさは、狭い管腔及び他の通路内に適合するように比較的小さいことが望ましい。従って、一部の場合には、関節リンク構造の全体的な大きさを減少させるよう力移転素子の数及び配置を選択することが望ましい。例えば、構造の曲がりを制御する作用力をもたらすよう一連の関節接続可能に結合されるリンクを相互接続させる力移転素子の数及び配置は、1つ又はそれよりも多くの力移転素子が、そのようなリンクで直接的に付着したり終端したりせずに、1つ又はそれよりも多くのリンクを貫通するような数及び配置であり得る。例えば、1つ又はそれよりも多くの力移転素子は、一連のリンクの1つ又はそれよりも多くの近位リンク(「中間」リンク)を貫通し、最終的に終端し、その連続の遠位リンク(「終端」リンク)に直接的に付着し、その連続のリンクの中間リンクは、終端し且つそこに直接的に付着する如何なる力移転素子も有さない。従って、その連続中の複数の継手(又はリンク対)の曲がり及び操縦は、単一の力移転素子(又は、多数の曲がり方向及び/又はDOFの場合には、単一の組の力移転素子)を通じて作動させられ、各継手又はリンク対は終端リンクを含まず、よって、そのようなリンク対に直接的に取り付けられる力移行素子の作動による個々の直接的な曲がりを可能としない。そのような構造を「低制約」構造(“underconstrained”)と呼ぶことがある。換言すれば、多数のリンク対の操縦及び曲げは、単一の力移転素子又は一連のそのようなリンク対におけるリンク対のうちの1つのリンク対のリンクに取り付けられ且つ終端する単一の組の力移転素子によって作動させられる。しかしながら、そのような「低制約」構造は、制御可能に操縦し且つ曲げる試みに挑戦を提示し、それによって、このリンクの予測不能及び/又は制御不能な動作(関節動作)をもたらす。
低制約構造を含むそのようなリンク構造の制御は、所謂「等角推定」に基づくことがあり、その場合には、例えば、終端リンクによって境界付けられる中間リンクを含む、一連のリンク対は、終端リンクに直接的に取り付けられる1つ又はそれよりも多くの力移転素子の作動に応答してそれらの夫々の継手についてほぼ同じ角度で曲げられると推定される。リンクに対して作用し得る様々の力、例えば、継手摩擦、及び構造の外皮及び/又は正味重量に起因する抵抗に依存して、等角推定はリンク対の実際の向きを正確に反映し得ない。その上、一部の場合には、特に、そのような構造が極めて小さい管腔及び他の通路内で使用されるときには、全てほぼ同じ角度で曲がる一連の相互接続されるリンク対を設けることは望ましくない場合があり得る。何故ならば、そのようにすることは、一連のリンク対のより大きな全体的な曲率半径をもたらし得るからである。等角推定に基づく制御システムを組み込む関節リンクシステムの更なる説明のために、ここにその全文を参照として援用する(2002年6月28日に出願された「Surgical Tool Having Positively Positionable Tendon-Actuated Multi-Disk Wrist Joint」という名称の)米国特許第6,817,974B2号を参照のこと。
従って、作業部位への小さい蛇行性の経路の横断(traversal)を必要とするものを含む、広範囲の最少侵襲的外科手術を行うためにより制御可能に曲げ得る関節リンク構造を提供することが望ましくあり得る。構造の全体的な(例えば、直径を含む)寸法を比較的小さく維持しながら、より制御可能に曲げ得る、結合リンク構造を提供することも望ましくあり得る。その上、設計が比較的頑強(ロバスト)であり且つ製造が比較的安価であり、比較的簡単な機械的設計の使用を通じて制御された曲げを達成し得る、関節リンク構造を提供することが望ましくあり得る。
本教示は、上述の問題の1つ又はそれよりも多くを解決し、且つ/或いは、上述の望ましい機能の1つ又はそれよりも多くを実証し得る。他の機能及び/又は利点は、後続の記載から明らかになるであろう。
本教示の様々の例示的な実施態様によれば、外科装置は、第1の対の関節動作可能に結合されるリンクと、第2の対の関節動作可能に結合されるリンクと、張力部材内の張力を変更することが、第1の対のリンク及び第2の対のリンクを曲げるために、第1の対のリンク及び第2の対のリンクを関節動作させる傾向を有する力を加えるように、第1の対のリンクと第2の対のリンクとに結合される張力部材とを含む。張力部材内の張力の変更後に第1の対のリンクが第2の対のリンクよりも少ない曲げに対する抵抗を有するように外科装置を構成し得る。
本教示の様々の例示的な実施態様によれば、張力部材を介して接続される関節動作可能に結合される複数のリンクを含む外科装置の動作を制御するための方法を想定し、装置は、第1の端部と、第2の端部と、構造が直線向きにあるときの第一端部と第二端部との間の長手軸とを有する。当該方法は、リンクを曲げ向きに配置するために関節動作可能に結合されるリンクを関節動作させる力を加えるよう張力部材内の張力を変更することを含んでもよく、第1の対のリンクは、張力部材内の張力を変更することに応じて、第2の対のリンクよりも少なく、曲げ向きへの関節動作に抗する。
本教示の追加的な目的及び利点は、部分的には後続の記載中に示され、部分的には該記載から明らかであり、或いは、本発明の実施によって知らされるであろう。本発明のそれらの目的及び利点の少なくとも一部は、付属の請求項中に特に挙げられる素子及び組み合わせを用いて実現され且つ得られるであろう。
前述の一般的な記載及び後続の詳細な記載の両方は例示的であるに過ぎず、本発明の教示及び請求される発明の限定ではないことが理解されるべきである。
単独で或いは添付の図面と共に、後続の詳細な記載から本教示を理解し得る。図面は本発明の更なる理解をもたらすために含められ、この明細書に組み込まれ、この明細書の一部を形成する。図面は本教示の1つ又はそれよりも多くのの例示的な実施態様を例示し、本記載と共に、特定の原理及び動作を説明する働きをする。
操縦可能な関節リンク構造の例示的な実施態様を概略的に示す斜視図である。 図1の例示的な実施態様中の視野から取られたリンクを示す断面図である。 案内管内に受け入れられる外科器具を備える関節リンク案内管の例示的な実施態様を示す部分斜視図である。 本教示に従った優先的な曲がりを示す直線向きにおける一連の関節リンク対の例示的な実施態様を概略的に示す部分断面図である。 曲げ向きにあるリンク対を示す図3Aの例示的な実施態様を概略的に示す部分断面図である。 本教示に従った優先的な曲がりを示す直線向きにおける一連の関節リンク対の他の例示的な実施態様を概略的に示す部分断面図である。 本教示に従った優先的な曲がりを示す直線向きにおける一連の関節リンク対の他の例示的な実施態様を概略的に示す部分断面図である。 本教示に従った優先的な曲がりを示す直線向きにおける一連の関節リンク対の他の例示的な実施態様を概略的に示す部分断面図である。 本教示に従った優先的な曲がりを示す直線向きにおける一連の関節リンク対の他の例示的な実施態様を概略的に示す部分断面図である。 本教示に従った優先的な曲がりを示す直線向きにおける一連の関節リンク対の他の例示的な実施態様を概略的に示す部分断面図である。 (力移転素子を伴わずに示される)エンドエフェクタを支持するリストを含む外科器具の他の例示的な実施態様を概略的に示す斜視図であり、リストを本教示に従った優先的な曲げのために構成される関節リンク構造で構成し得る。 本教示の例示的な実施態様に従った関節リンク構造を使用するロボット外科システムの遠隔操作部分を示すブロック図である。
例示的な実施態様を例示する本記載及び添付図面は限定として解釈されてはならず、請求項が本教示の範囲を定める。この記載及び均等物を含む請求項の発明の範囲から逸脱せずに、様々の機械的な、組成に関する、構造的な、電気的な、動作的な変更を行い得る。一部の場合には、開示を不明瞭にしないように、周知の構造及び技法を詳細に示したり説明したりしない。2つ又はそれよりも多くの図面中の同等の番号は、同一又は類似の素子を示している。更に、実用的であるときにはいつでも、1つの実施態様を参照して詳細に記載する素子及びそれらの関連素子を、それらを特別に示したり記載したりしない他の実施態様中に含め得る。例えば、ある素子が1つの実施態様を参照して詳細に記載されるが、第2の実施態様を参照して記載されないならば、それに拘わらず、その素子が第2の実施態様中に含まれるものとして、その素子を請求項において請求し得る。
本明細書及び付属の請求項の目的のために、特段の断りのない限り、量、割合、又は比率を表現する全ての数字、及び明細書及び請求項中で使用される他の数値は、全ての場合において、それらが既にそのように変更されていない限り、「約」という用語によって変更されるものと理解されるべきである。従って、逆のことが示されていない限り、後続の明細書及び付属の請求項中に示される数字パラメータは、本発明によって得られることが探求される所望の特徴に依存して異なり得る近似である。少なくとも、請求項の範囲に対する均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数字パラメータは、少なくとも、報告される有効桁の数の観点から並びに通常の丸め技法の適用によって解釈されるべきである。
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似であるにも拘わらず、特定の実施例中に示される数値は、可能な限り精密に報告されている。しかしながら、如何なる数値も、それらの試験測定中に発見される標準偏差に起因する特定の誤差を固有に含む。その上、個々に開示する全ての範囲は、ここに包含されるありとあらゆる部分範囲を含むもと理解されるべきである。
本明細書及び付属の請求項において使用されるとき、単数の形態及び任意の単語の任意の単数形使用は、1つの指示物に明示的に且つ明解に限定されない限り、複数の指示物を含む。ここで使用されるとき、「含む」という単語及びその文法的変形は、非限定的であるよう意図されている。あるリストにおける品目の引用が、リスト品目と置換し得る或いはリスト品目に追加し得る他の同等の品目の排除することは意図されていない。
ここに記載する例示的な実施態様は、様々の最少侵襲的な外科装置を含み、それらを、例えば、様々のロボット外科システムと共に使用し得る。ロボット外科システムは既知であり、特定の遠隔ロボット外科機能及び構成部品の実施例を、California州 SunnyvaleのIntuitive Surgical, Inc.によって商品化されているda Vini(R) Surgical System(具体的には、da Vinci(R) SiTMHDTM Surgical Systemとして市販されているModel IS3000)のようなシステム中に見出し得る。例えば、ロボット外科システムの遠隔操作部分のためのブロック図を示す図10を参照すると、例示的な実施態様では、関節リンク構造を電気的及び機械的にロボットアーム1102に結合する電気機械インターフェース1101を介して本教示に従った関節リンク構造を操作し得る。ロボットアーム1102の動作は、入力装置1104の操作者操作に応答して、コントローラ1103によって制御される。インターフェース1101及びロボットアーム1102の一方又は両方は、関節リンク構造を操縦するために使用されるケーブルを駆動するモータを含む。関節リンク構造の曲がりを制御することに加えて、関節リンク構造を患者の孔(例えば、自然な開口又は最少侵襲的な切開)内に挿入し且つ孔から後退させ、関節リンク構造をその中心軸について回転させ、且つ/或いは、電気機械的インターフェース1101を孔で旋回点について回転させるようにも、ロボットアーム1102を構成し得る。コントローラ1103を、1つ又はそれよりも多くのコンピュータ内で、プロセッサ(図示せず)と共に、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア(又はそれらの組み合わせ)として実施し得る。代替的な例示的な実施態様では、操作者が本発明に従った関節リンク構造を手動で操作し得る。そのような場合には、例えば、ハンドルが、関節リンク構造を制御可能に方向付け且つ操縦するための適切なレバー又は他の制御機構を備える機械的及び/又は電気的インターフェースとして働き得る。当業者が精通しているように、関節リンク構造の向き及び操縦は、関節リンク構造と結合される力移転素子(例えば、プルケーブル)を作動させるハンドル上の制御機構を操作することによって起こり得る。よって、以下に更に説明するように、遠隔ロボットシステムと共に使用されるにせよ、手動操作システムと共に使用されるにせよ、関節リンク構造を操縦し且つ方向付けるために、力移転素子を含む関節リンク構造に対して力を加えるよう、関節リンク構造をバックエンド作動システムに機械的及び/又は電気的に結合し得る。
ここで使用するとき、例えば、関節リンク構造のような、機械的構造との関連において、「曲げ可能」及び「可撓」という用語並びにそれらの変形は、広義に解釈されるべきである。その用語は、構造に対する恒久的な変形及び/又は他の損傷を伴わずに反復的に(例えば、様々の湾曲パターンに)曲がり且つその元の形状に回復し得る構造を記述する。当業者が理解するように、多くの「剛性」構造は、材料特性の故に、僅かに固有に弾性的な「曲がり」又は可撓性を有するが、それらの用語をここで使用するとき、そのような構造は曲げられるとは考えられない。
ここで使用するとき、「終端リンク」という用語及びその変形は、1つ又はそれよりも多くの力移転素子が直接的に取り付けられ、1つ又はそれよりも多くの力移転素子が終端するリンクを指す。ここにおける様々の例示的な実施態様において、力移転素子は、近位に配置されるバックエンド機構に接続する近位端部を有し、バックエンド機構から一連のリンク(リンクの連続物)を通じて延び、最終的に連続物の遠位リンクに付着して終端する。そのような遠位リンクは、終端リンクである。様々の例示的な実施態様において、力移転素子は、その力移転素子の端部(即ち、バックエンド機構に付着する端部とは反対の端部)で終端し且つ付着する。様々の代替的な例示的な実施態様では、力移転素子の2つの端部が構造のバックエンド機構のような場所に取り付けられた状態で、力移転素子の折畳み部分でリンクに付着し且つ終端するよう、力移転素子は、循環する折畳み構成(例えば、ループ又はU形状構成)において経路指定されることによって終端リンクに付着し且つ終端する。この代替的な構成は、力移転素子に対する作動力が、力移転経路長においてより大きな(例えば、2倍の)変化をもたらすことを許容する。リンクが終端する場所でリンクに折り重なるケーブルを示す関節リンク構造の例示的な実施態様に関して、参照としてここに援用する米国特許第6,817,974B2を参照のこと。当業者は最終的に終端リンクに付着し且つ終端するよう両方の方法において経路指定される力移転素子に精通している。また、力移転素子の付着は、直接的な接触取付けである必要はなく、例えば、当業者が精通しているプーリ又は他の連結装置を介して、力移転素子をリンクに固定的に取り付ける他の素子を通じて起こり得る。以下に記載するように、1つ又はそれよりも多くの力移転素子が貫通するが、いずれの力移転素子も直接的に固定的に付着されない、この実施例における一連の近位リンクは、「中間リンク」と考えられる。このようにして、1つ又はそれよりも多くの力移転素子を介して移転される作動力は、例えば、関節リンク構造を関節動作させ且つ曲げるよう、その終端場所で、終端リンクに直接的に力を加える。力移転素子によって移転される十分な作動力は、終端リンク及び/又はリンク対を直接的に移動させ、そのリンク及び/又はリンク対と関連付けられる継手について関節動作させる。
ここで使用するとき、「中間リンク」、「中間リンク対」、及びそれらの変形は、1つ又はそれよりも多くの力移転素子が例えば力移転素子経路指定通路を通じて貫通するが、そのようなリンク又はリンク対に直接的に接続せず或いは終端しない、リンク又はリンク対を指し得る。
上で議論したように、例えば、比較的小さい蛇行性の通路(例えば、管腔)を通じて横断して標的作業部位に達するよう、且つ/或いは、作業部位で手術を行う間にエンドエフェクタ又は他の工具を正確に位置付けるよう、外科器具の制御された操縦及び曲げをもたらすために、様々のロボット制御及び/又は他の最少侵襲外科手術は、様々の関節リンク構造を利用する。本教示に従った例示的な関節リンク構造は、とりわけ、外科器具のアーム(腕部)、他の可撓な外科器具を導入する進入ガイド(例えば、内視鏡構造)、及び/又は、外科器具の遠位端部でエンドエフェクタを支持し且つ位置付けるリスト(手関節部)を含み得る。そのような装置は、単一の連続的な関節接続する関節リンク構造、又は、例えば、介在させられる剛的セグメント又は他の可撓な構造によって互いに分離される複数のそのような構造を含み得る。
本教示は、関節リンク構造を曲げ且つ操縦するために使用される力移転素子の作動に応答して、関節リンク構造の長さに沿う所定の場所で(即ち、所定の継手又はリンク対で)優先的(選択的)な曲がりが起こるのを許容する関節リンク構造を提供することを想定する。本教示は、関節リンク構造を構成する一連のリンクにおける各リンクに固定的に取り付けられ且つ終端する個々の力移転素子又は一組の力移転素子(例えば、張力部材)を介して関節リンク構造内で個別に制御し且つ作動する各リンク対に依存せずに、関節リンク構造の優先的な曲げを達成し得る実施態様を更に想定する。本教示の例示的な実施態様に従った優先的な曲げを示す関節リンク構造を提供することは、減少された外径(例えば、直径)を有する装置を使用して広範囲の外科用途が行われることを許容し得る。
本教示の様々の例示的な実施態様は、直列に接続される複数のリンクで形成される操縦可能な外科器具をもたらし、隣接するリンク(リンク対)は夫々の継手を介して互いに関節式に結合されて、関節リンク構造を形成する。リンク対中のリンクは、細長い構造の全体的な曲がりをもたらすよう、継手について互いに対して関節動作させられるよう構成される。様々の例示的な実施態様によれば、曲げに対する異なる抵抗を有する構造の結合リンク対を提供することによって、関節リンク構造の全体的な曲がり及び操縦を制御し得る。このようにして、関節リンク構造は、1つ又はそれよりも多くの力移転素子によって加えられる作動力に応答して、より制御された優先的な曲げを示し得る。
様々の例示的な実施態様において、関節リンク構造は、第1の対のリンクを含み、第1の対のリンクは、第1の対のリンクに近接して配置される第2の対のリンクよりも曲げに対する抵抗が少ない。例えば、相応して大きい平行移動動作を伴わずに、並びに/或いは、結果として得られる構造の全体的に大きい曲率半径を伴わずに、器具のより遠位の端部で比較的大きい程度までの曲げを達成するよう、作業部位への比較的小さい及び/又は複雑な蛇行性の経路を操縦するとき、そのような構成は望ましくあり得る。例えば、肺の気管支及び他の小さく複雑な管腔において、そのような操縦に直面し得る。しかしながら、他の用途では、構造の遠位端部に近接する場所で比較的大きい程度の曲げをもたらすことが望ましくあり得る。これは装置が湾曲経路を回避するのを可能にすると同時に、近位に曲げられるリンク対から延びる1つ又はそれよりも多くの遠位リンク対の精密な運動を許容する。(例えば、隔壁ペーシングリードを配置するときに直面するような)例えば、大きい平面的な表面の上で作業するときに遠位端部で最小の向きの変化を伴う比較的大きい平行移動運動が望ましい用途のために、近位に優先的に曲がり得る関節リンク構造が望ましくあり得る。
よって、一部の状況において、関節リンク構造の先端又は遠位端部でリンク対を優先的に曲げることは、例えば、先端又は遠位端部に近接するリンク対と比べると、さもなければアクセス不能な作業部位に外科器具が達するのを可能にし得る。例えば、先端又は遠位端部を優先的に曲げることは、曲げの間、一連の相互接続させられるリンクの全体的な曲率半径を減少し得る。同様に、関節リンク構造の近位部分を優先的に曲げることは、関節リンク構造の遠位部分と比較すると、向きの変化を最小限化しながら、作業空間を拡大させ得る。よって、関節リンク構造の優先的な曲げを利用する本教示の様々の例示的な実施態様は、最少侵襲的及び/又はロボット制御外科器具が達し得る標的作業部位の数及び/又は場所を増大させ得る。
様々の例示的な実施態様では、関節リンク構造に対して操縦作動力を加えるよう力移転素子(例えば、ケーブル及び/又は他の張力部材)を使用する関節リンク構造において、優先的な曲げを達成し得る。具体的には、関節リンク構造中の各継手(例えば、リンク対)は個別に制御可能でなく、力移転素子によって積極的に関節接続させられるが、それにも拘わらず、継手を介して関節動作可能に結合されるリンク対の曲がり(又はそのための相対的な選択)に対する所望の相対抵抗を示すよう継手を構成することによって、関節リンク構造中の各継手(例えば、リンク対)をより制御可能に操縦し且つ優先的に曲げ得る点で、本教示の例示的な実施態様は、「低制約」(“underconstrained”)の関節リンク構造をもたらす。
図面中に例示し且つ以下に記載する例示的な実施態様は、最少侵襲的な外科出術を行うために標的作業部位に達する可撓な外科器具として構成される関節リンク構造の脈絡において議論されるが、本教示の原理を外科器具及び/又は非外科器具の全て又は一部を形成する様々の他の種類の関節リンク構造に適用し得ることが理解されるべきである。
図1Aを参照すると、細長い構成を有する関節リンク構造100の例示的な実施態様が例示されている。当業者は、図示する構造100が、図面に示すリンクよりも多くのリンク又は少ないリンクを含み得ること、又は、それらの間の剛性の若しくは非剛性のセグメントを介して互いに接続される多数の関節リンク構造100を含み得ることを理解しよう。従って、図1Aは、関節リンク構造の単純化された概略的な表示をもたらすことを意図する。様々の非限定的な実施態様において、関節リンク構造100は可撓で操縦可能なアームであり得る。(例示的な実施態様において、それは各自由度のために2〜5個の継手(リンク対)を含み、関節リンク構造は、例えば、偏揺れ及び縦揺れ動作の両方をもたらすよう構成される構造のために4〜10個の継手(リンク対)を含み得る)。よって、関節リンク構造100は、狭い蛇行経路に従うために様々の湾曲パターンに所望に曲がり得る、可撓な操縦可能な装置として働く。例示的な実施態様において、構造100は、進入ガイド(又は案内管)として働くよう、概ね環状の構成を有し得る。進入ガイド(又は案内管)を介して様々の他の外科器具を導入し且つ最少侵襲的外科出術中に作業部位に前進させ得る。しかしながら、更に以下に説明するように、進入ガイドとしての構造の使用は限定的でなく、例えば、様々の可撓で操縦可能なアーム及びリストとしての使用のように、そのような構造のための様々の使用も想定される。様々の例示的な実施態様において、構造100の外径は、例えば、約3mm〜約25mmに及び、直径は、特に案内管として使用されるときには約18mm〜約22mmであり得る。行われる手術の種類に従って構造100の全長を選択し得る。しかしながら、様々の例示的な実施態様において、その長さは少なくとも約60cm以上、例えば、100cm以上であり得る。
構造100は、図1A中に印されるような視点から近位端部から遠位端部に直列に配置される複数の相互接続させられる剛性リンク110を含む(それらの幾つかだけを図1A中に印している)。連続的なリンク110は、それらの間に配置される継手130を介して互いに対して関節接続され、各リンク−継手−リンク組み合わせは、リンク対120(それらの幾つかだけを図1A中に印している)。図1Aの例示的な実施態様におけるように、一連のリンクにおける各連続的なリンクが継手によって分離されるならば、連続的なリンク対は共通のリンクを共有し得る。図1Aの例示的な実施態様では、直交して配置される軸について連続的なリンク対120の関節接続をもたらすために、連続的な継手130が設けられる。図1A中に見える継手130は、図面の表面内に入る軸「P」についてのそれらの継手を組み込む夫々のリンク対120の関節接続を許容するよう構成されるのに対し、図面中で見えない継手130は、図示の軸「Y」についての夫々の継手対120の関節動作を許容するよう構成される。このようにして、当業者が精通しているように、「縦揺れ」継手及び「偏揺れ」継手の両方がもたらされ、構造100の対応する縦揺れ及び偏揺れ動作を実施し得る。しかしながら、本教示は単一のDOF運動を許容する構造も包含し、平行な軸についての隣接するリンクの旋回をもたらすよう全ての継手を構成し得る。
図1Aの例示的な実施態様において、互いに実質的に正反対に配置される2つの概ね凸状の突起115が各リンク110の対向する軸面の上に設けられる。隣接するリンク110上の突起115の表面は互いに転がり接触において配置されて継手130を創成し、リンク対120は、突起115の接触表面を互いに沿って転動することを介して、継手130について旋回する。継手130を形成するために使用し得る転がり継手構成の他の例示的な実施態様は、ここに参照として援用する(2002年6月28日に出願された「Surgical Tool Having Positively Positionable Tendon-Actuated Multi-Disk Wrist Joint」という名称の)米国特許第6,817,974B2と、ここに参照として全文を援用する(2004年8月26日に出願された「Link Systems and Articulation Mechanism for Remote Manipulation of Surgical or Diagnostic Tools」という名称の)米国特許出願公開第2005/0273084A1とに開示されている。
図1Bの断面図に示すように、例示的な実施態様において、リンク110は、概ね円形又は丸い断面を有する実質的に剛的な構造であり得る。様々の例示的な実施態様では、リンク110を、例えば、ステンレス鋼又はアルミニウムのような金属又は合金から、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなポリマから、或いは、外科装置のために典型的に使用される他の生体適合材料から、並びにそれらの組み合わせから作製し得る。
図1Bに示すように、構造100が案内管であるときのような例示的な実施態様において、リンク100は、外科出術中の使用のための可撓な外科器具を案内し且つ/或いは収容するために、例えば、1つ又はそれよりも多くの比較的より大きい器具通路140(図1Bの例示的な実施態様では2つを例示している)を定め得る。必要とされるときに、関節リンク構造100の近位端部で外科器具を夫々の通路140の開口内に挿入し、通路140を通じて前進させ、最終的に構造100の遠位端部で開口に現れるよう、通路140は関節リンク構造100の長さの大部分を走り得る。このようにして、例えば、鋏、焼灼素子、クランプ、グラスパ、メス、針、ピンセット、センサ、カメラ等、及び/又はそれらの組み合わせを非限定的に含む外科器具を、挿入される各器具のために繊細な操縦操作を行う必要なく、1つ又はそれよりも多くの通路140を介して標的作業部位に送り得る。様々の例示的な実施態様において、1つ又はそれよりも多くの器具通路は、約1mm〜約8mmに及ぶ内径を有し得る。図2は、外科器具を通じて挿入されるエンドエフェクタ250を有する外科器具を案内するための使用における、関節リンク構造100で形成される案内管200の例示的な実施態様の部分的な概略図を例示している。簡潔性のために、図2中の案内管200のリンク210を一連のディスク状のセグメントとして概略的に示している。
関節リンク構造が案内管としてではなくリスト又はアームとして使用される場合には、リンクは図1Bに示す140のような器具通路を含まなくてもよく且つ/或いは、関節リンク構造の中央部分に沿って走る通路はより小さくてよく、他の器具を受け入れるよう構成される必要はない。
図1Bの断面図に同様に示されているのは、リンク110を貫通し且つリンク110を相互接続させる力移転素子を受け入れるよう構成される複数の力移転素子経路指定通路150である。図1Bに描写する経路指定通路150の数は例示的であるに過ぎず、以下に更に詳細に記載するように、システムの操縦を制御するために使用される力移転素子の数に依存して異なり得る。図1Bに示すように、リンク110の内表面によって外接させられる外周領域に向かって概ね配置される経路指定通路150を通じて力移転素子を走らせ得る。力移転素子経路指定通路150は、力移転素子出現場所を定めるリンク110の各面の上に(図1Aに概ね151で印される)開口を定める。
(経路指定通路150を介して)リンクを貫通し且つリンク110を接続するのは、力移転素子135である。例示の容易化のために、2つの力移転素子135のみを図1Aに例示しており、それらの一方は、T1で終端するよう示され、リンク110に取り付けられている。それらの他方は、T2で終端するよう示され、リンク110に取り付けられている。通路150の通過を阻止する力移転素子の端部にある拡大ビード、ノット、溶接物、プーリ等を非限定的に含む、当業者が精通するものを用いて、それらが終端する場所で、様々の取付け機構を介して力移転素子135をリンク110に取り付け得る。図1Aの例示的な実施態様において、力移転素子135は、例えば、撚線ケーブル又は織物ケーブル、単繊維、管、及び/又は関節リンク構造100に対して操縦力を加えるのに十分な強度及び可撓性を備える他の類似の腱状構造のような、張力部材である。力移転素子135は、概略的に190として示すバックエンド作動(駆動)機構に接続される近位端部を有し得る。次いで、関節リンク構造100を操縦するために力移転素子135に対して張力を加えるよう、作動機構190をコンピュータ制御モータパック(図示せず)等に接続し得る。例えば、ロボット制御用途において、制御システムは、外科医によって操作されるユーザインターフェースを含み得る。コンピュータ実行ソフトウェアがモータパックを制御し得る。関節リンク構造100の操縦及び関節動作制御をもたらすよう力移転素子135を作動させるために使用し得る例示的なバックエンド作動機構及び制御システムに関して、(2009年6月30日に出願された「Compliant Surgical Device」という名称の)米国特許出願公開第2010/0331820A1号、(2010年5月14日に出願された「Drive Force Control in Medical Instrument Providing Position Measurement」という名称の米国特許出願第12/780,417号、(2010年11月12日に出願された「Tension Control in Actuation of Multijoint Medical Instrument」という名称の)米国特許出願第12/945,734号、(2006年3月9日に出願された「Connector Device for a Controllable Instrument」という名称の)米国特許出願公開第2006/0052664A1号、及び(2001年9月30日に出願された「Passive Preload Capstan Drive For Surgical Instruments」という名称の)米国特許出願公開第2010/0082041号を参照し、それらの各々をここに参照として援用する。しかしながら、関節リンク構造の関節動作及び操縦を引き起こすよう力移転素子(例えば、張力部材)を介して作動力をもたらすために、当業者に既知の様々の作動方法及び技法を本教示の様々の例示的な実施態様において実施し得る。
当業者は、バックエンドインターフェース等(図示せず)が、図1Aに例示するように、構造100と、或いは様々の外科手術中に構造100の遠隔操作をもたらすよう構造100に結合されるシステムと、機械的及び/又は電気的にも連絡し得ることを理解しよう。
上述のように、様々の例示的な実施態様では、全体的な構造100の大きさを減少させるために、構造100を関節動作させ且つ操縦するために使用される力移転素子の数を減少させることが望ましくあり得る。換言すれば、各継手を個別に作動させる(即ち、各リンク対120を個別に関節動作させる)ために力移転素子135又は力移転素子の組をリンク対120の各遠位リンク100に取り付けるよりもむしろ、一部のリンク対120が1つ又はそれよりも多くの力移転素子135に直接的に取り付けられ且つ1つ又はそれよりも多くの力移転素子135によって作動させられる終端リンク110を含まなくてもよい点において、より少ない力移転素子135が使用され、関節リンク構造100は低制約であり得る。むしろ、そのような「中間」リンク対120の動作(それらの組み込み継手130についての関節動作)は、力移転素子135が直接的に可撓に取り付けられ且つその動作を直接的に作動させるよう終端させられるより遠位の終端リンク対120の動作に概ね応答する。上述のように、図1Aの例示的な実施態様において、リンク110のうちの2つは、(T及びTで終端する力移転素子にそれぞれ関連付けられる)であり、構造100は低制約である。
図3Aは、関節リンク構造300の例示的な実施態様の概略的な部分断面図を示しており、構造300は、以下に説明するように、構造300に沿う所定の場所でのリンク対の優先的な曲がりを可能にし、それを図1A中の全体的な構造100の一部として利用し得る。図3Aの例示的な実施態様は、継手330を介して関節動作可能に結合される一連の相互接続されるリンク310a−310dを含む。継手330は、図1Aを参照して上述したのに類似する方法において、リンク対301−303のリンク310a−310d上の対向する凸状突起315の表面の間の転がり接触によって形成され、相違を以下に更に詳細に説明する。図3Aの図面では、各継手330を形成する1対の転がり接触突起315のみを描写している。何故ならば、他の対は正反対に位置付けられ、よって、図3A中に示されないからである(例えば、図1Aを参照すると、その構造の側面図に見ることができる突起130は、図示の図面中で見える突起130の背後にある類似の突起を遮断する)。
張力部材335及び張力部材経路指定通路350も描写している。しかしながら、簡潔性のために、1組の2つの張力部材335のみを描写しているが、構造300を関節動作させ且つ操縦するための作動力をもたらすために、他の張力部材を構造300と関連付け得る。例えば、一連のリンクの関節動作の自由度に依存して、張力部材335の数を選択し且つ配置し得る。例えば、図1Aを参照して上述したように、張力部材335中に作動力(例えば、制御張力)を加えるために、張力部材335を、それらの近位端部で、バックエンド作動制御システム(図示せず)に取り付け得る。
図3Aに描写するリンク及び継手の例示的な構成は、力移転素子335による図3Aに示す各リンク対301,302,303の直接的な個別の作動がなくても、構造300の優先的な曲げを可能にする。換言すれば、図3Aの例示的な実施態様において、リンク対301は、構造300の遠位端部により近接し、力移転素子335は、リンク310aが終端リンクであるよう、場所Tにあるリンク310aに直接的に取り付けられ且つ終端する。張力部材335が、リンク310b、310c、又は310dに固定的に付着し且つ終端することなく、リンク対302,303を貫通する点において、リンク対301に近接するリンク対302,303のリンク310b−310dは、中間リンク対である。よって、リンク対302,303の動作(関節動作)は、リンク対301のリンク310aの直接的な作動及び動作(関節動作)に概ね応答する。
図3Aに例示するように、各リンク対301,302,303と関連付けられる夫々の継手330の突起315は、異なる構成を有する。より具体的には、リンク対301の突起315は、概ね半球形プロファイルを有し、リンク対302の突起315は、リンク対301の突起315よりも平坦なプロファイルを有する。リンク対303の突起315は、リンク対302のプロファイルよりも一層平坦なプロファイルを有する。各リンク対301,302,303の継手330を形成する突起315の異なるプロファイルは、各リンク対の突起315の間に異なる転がり接触領域をもたらす。より具体的には、図示の実施態様において、リンク対301の突起315は、最小の転がり接触表面積をもたらし、リンク対303の突起315は、最大の転がり接触表面積をもたらす。図3Aに描写するプロファイルは例示的且つ非限定的であり、当業者は、以下により詳細に説明する原理に基づき、リンク対301,302,303の優先的な曲げを達成するために他のプロファイルを使用し得ることを理解しよう。
リンク310a−301dは、実質的に同じ全体的な構成(例えば、外径)を有し、張力部材経路指定通路350は、リンク対301,302,303が図3Aに示す直線の向きにあるとき、互いに実質的に整列する。各リンク対301−303の突起が、描写される異なるプロファイルを備えることによって、張力部材335の1つにおける張力の発揮は、リンク対301−303を関節動作させ且つそれらを図3Aの直線の向きから曲がり向きに移動させる傾向を有するリンク対に対するモーメントを創成する。加えられるモーメントは、リンク対が関節動作するときに夫々のリンク対が旋回する突起315の接点とリンク対の隣接するリンクの対向面の間に延在する張力部材335の支持されない長さ(span)との間の距離Rによって定められるモーメントアームとほぼ比例する。従って、図3Aから分かるように、リンク対301,302,303の各々に対して作用するモーメントは、夫々の距離R1,R2,R3の各々に比例し、それらは図3Aの直線の向きにおいて実質的に等しい。
同じことを達せする構造300における優先的な曲がり及び構造300の動作を示す概略的な例示を図3Bに示す。図3Bに描写するように、様々の実施態様において上述のようなバックエンド作動システム(図示せず)によって生成し得る引張力Fを介して図3Bの図面中の右側の張力部材335を作動することは、図の図面中の右側で張力部材335内に張力を生み出す。終端場所Tでのリンク3010aに対する張力部材335の固定的な取付けは、構造300に対して全体的なモーメントMを加え、リンク対301,302,303をそれらの夫々の継手330について(図3Bにおいて見るときに時計回り方向において)関節動作させる傾向を有する。しかしながら、リンク対301,302,303が夫々の継手330について関節動作し始めると、各継手330を形成する突起315の異なるプロファイルの故に、モーメントアームR1,R2,R3は互いに異なる。より具体的には、図3Bに示すように、R1は、R2及びR3よりも大きい。同様に、R2は、R3よりも大きい。各リンク対301,302,303に対応する異なるモーメントアームR1,R2,R3は、各リンク対301,302,303に対して作用する異なる個々のモーメントを生み出し、リンク対301に対して作用するモーメントは最大であり、リンク対303に対して作用するモーメントは最小である。
リンク対に対して作用する異なるモーメントは、リンク対301を関節動作させ、リンク対302及び303よりも大きい程度まで適用モーメントの方向において曲がらせる。換言すれば、リンク対301は曲がって、リンク対302及び303よりも小さい、その内側曲げ半径(図3B中にIと印す)上の曲率半径をもたらす。このようにして、図3Bに描写するように、張力部材335内の作動及び(Fに起因する)張力が続くと、例えば、その継手限界に達するまで或いは実質的に達するまで、リンク対301を曲げ得る。例示的な実施態様において、継手限界は、図3Bに例示するように、リンク対301の内側曲げ半径上の隣接するリンク301a及び301bの対向する軸方向面が互いに接触する或いは接触しそうになる場所であり得る。この位置において、作用するモーメントが最小であり且つリンク対301よりも高い曲げに対する抵抗を有する、リンク対301に直ぐ近接して配置されるリンク対302は、リンク対301よりも少ない程度まで、その対応する継手330について関節動作する。そして、リンク対303は関節動作させられ、より一層少ない程度まで曲がり、或いは、例えば、実質的に全く曲がらないか或いは少なくとも初期的に実質的に全く曲がらない。完全に曲げられた状態(即ち、リンク対301,302,303の各々が図3B中のリンク対301のように、その夫々の継手限界まで曲げられた状態)において、R1>R2>R3である。この条件は構造300を曲げる作動力の適用を通じて概ね当て嵌まる。従って、異なるリンク対301,302,303は曲げに対する異なる抵抗を有し、所定の場所(例えば、所定のリンク対)での構造300の優先的な曲げを達成し得る。
図3A及び3Bの例示的な実施態様におけるリンク対301−303の各々のリンク対の異なる突起プロファイルは、図3Bに例示するような曲げ中に張力部材の経路長における異なる変化をもたらす。即ち、図3A及び3Bにおいて、リンク対302及び303と比較すると、リンク対301の継手330に亘って測定するとき、力FAが作用する張力部材335の長さ(例えば、リンク310a及び310bの対向面上の張力部材出現場所の間の距離)は、リンク対301が曲がるに応じてより大きな量だけ変化し(即ち、減少する)、リンク対303と比較するとき、リンク対302についても同様である。より遠位の継手330と比較すると、各継手に亘る張力部材経路長を同じ量だけ変更する(減少させる)ために、これはより近位の継手330のためにより大きな曲げ力の適用を必要とする。図3A及び3Bの例示的な実施態様において、リンク対302及び303に対応する継手330でのモーメントアームR2,R3よりもリンク対301に対応する継手330でのモーメントアームR1をより迅速に短くすることは、リンク対301がより迅速に曲がることを促進し、内側曲げ半径I上の曲率半径がリンク対302及び303での曲率半径よりも大きいことを促進する。
例示的な実施態様では、リンク対302が曲げ位置まで関節動作し始める前に、リンク対301がその完全曲がり向きに達する(例えば、その結合限界に達する)よう、リンク対301−303を構成することが望ましくあり得る。リンク対302及び303についても同様である。しかしながら、実際には、これを達成するのが可能でないことがあり、リンク対301及び302がそれらの完全曲がり向きにそれぞれ達する前に、リンク対302及び303が僅かに曲がり始め得る。
よって、図3Bは、リンク対302及び303の上にリンク対301を優先的に曲げるために並びにリンク対303の上にリンク対302を優先的に曲げるために、図3Bの関節リンク構造300をどのように使用し得るかを実証している。これは、構造300が、例えば、中間リンク310b−310cを含むインク対302及び303において、リンク対301に対応する継手330を含む遠位端部で、リンク対301により近接して起こるよりも比較的より小さい曲率半径をもたらすことを可能にし得る。
図3A及び3Bの例示的な実施態様において、リンク310a−310dを通じるケーブル経路指定通路は、直線の向きにおいて整列させられるが、異なる突起315プロファイルの結果としてモーメントアームR1,R2,R3は異なり、当業者は、各継手で異なるモーメントアーム及び結果としての関節リンク構造の優先的な曲がりを依然として達成しながら、継手及び/又はケーブル経路指定通路の構成及び配置に対する変更を行い得ることを理解しよう。そのような変更は、本教示の範囲内にあると考えられる。
本教示に従った優先的な曲げのために構成される関節リンク構造の他の例示的な実施態様を図4に例示する。図3A及び3Bと同様に、図4中の関節リンク構造400の図面は、構造400の3つのリンク410を示す部分断面図である。図3A及び3Bの例示的な実施態様と共通する類似の機能をここに再び記載しない。図4の例示的な実施態様では、図3A及び3Bの実施態様におけるような突起表面の転がり接触を介してもたらされるリンク対の継手の代わりに、継手430はピン継手である。優先的な曲がりをもたらすために、各リンク対401,402内の夫々のリンク410を接続するよう、バネ470a,470bが位置付けられる。図4の例示的な実施態様において、バネ470a,470bは捩りバネである。図示のように、バネのアーム471,472の各々がリンク対401,402の夫々のリンク410に接続された状態で、バネ470a,470bのコイル付き部分473を各ピン継手430のピン431について実質的に中心化し得る。リンク対401,402の優先的な曲がりをもたらすために、バネ470a,470bは異なるバネ定数を有し得る。例えば、図4の例示的な実施態様におけるリンク対402に対応するバネ470bは、インク対401に対応するバネ470aよりも高いバネ定数を有し得る。このようにして、作動力が力移行素子に対して加えられるとき、例えば、張力が張力部材435の1つの内に加えられるとき、より高いバネ定数の故に、リンク対402に対応するバネ470bは、リンク対401に対応するバネ470aよりもリンク対402の曲がりに抗する傾向を有する。よって、上述の図3A及び3Bの例示的な実施態様と同様に、図4の実施態様も、ここで議論したように、低制約である一連のリンク対の優先的な曲がりを許容する。異なるバネ定数を有する2つのバネ470a,470bが図4中に描写されているが、他のリンク対に対する優先的な曲がりが望まれるリンク対をバネを用いずに設け得るのに対し、曲げに対するより高い抵抗が望まれる他のリンク対をバネを用いて設け得ることも想定される。
図4に描写される捩りバネは別として、当業者は、様々の他のバネ機構を使用し得ること、リンク対の曲げに対する提供をもたらすようリンク対のリンクの間の継手に配置し得ることを理解しよう。例えば、図5は、リンク510の間の継手530に配置される異なるバネ定数を有する円板バネ(例えば、皿バネ)を利用する他の例示的な実施態様を示している。上述のように、リンク対501と関連付けられる円板バネ570aは、リンク対502と関連付けられる円板バネ570bよりも高いバネ定数の故に、リンク対502に対するリンク対501の優先的な曲げをもたらすために、曲げに対するより大きな抵抗をもたらす。
円板バネの代わりに波形バネを使用する点を除き、図6は図5に類似する。他の例示的な実施態様と同様に、波形バネ670a及び670bは、リンク対601及び602の優先的な曲げをもたらすために、異なるバネ定数を有し得る。例えば、リンク対602がリンク対601よりも曲げに抗するよう、波形バネ670bは、波形バネ670aよりも高いバネ定数を有し得る。その上、波形バネ670a及び670bの概ね非対称的な構成に基づき、一連のリンク610の長手軸について(即ち、時計回り及び反時計回りに)示される曲がりは、互いに異なり得る。このようにして、構造の曲がりは長手軸について非対称的であり、波形ネジの選択的な構成及び配置に依存して、他の方向に対する1つの方向においてリンク対のより多い又はより少ない程度の曲がりを達成し得る。
図7は、リンク対701,702のリンク710の対向面の間に接続され且つリンク対701,702の継手730の周りに位置付けられる線形バネ770a,770bを使用する例示的な実施態様を例示している。例示のように、例示的な実施態様において、バネ770a,770bを通じて張力部材735を経路指定し得る。リンク710の対向面は、例えば、バネ770a,770bを受け入れるよう構成され且つリンク710に対してバネを保持するよう構成される凹部712を含み得る。バネ770a,770bをリンク710に固定するために他の機構、例えば、リンクに対するバネの溶接も使用し得る。図示の例示的な実施態様において、線形バネ770a及び線形バネ770bは、異なるバネ定数を有し得る。例えば、バネ770bは、リンク対702がリンク対701よりも高い曲げに対する抵抗を有するよう、バネ770aよりも高いバネ定数を有し得る。従って、一連のリンク710を曲げるよう張力部材735を作動した後、リンク対701はリンク対702と比べて優先的に曲がり得る。
図7の例示的な実施態様では、継手730についてのバネ770a,770bに起因する曲がりに対する抵抗は、それらの実施態様に示す2つの曲げ方向(即ち、図面の視野における時計回り及び反時計回り)について実質的に対照的であることが想定される。しかしながら、本教示は非対称的な抵抗をもたらす例示的な実施態様も想定する。図8の概略的な例示的な実施態様は、(図7を参照して上述したような)線形バネ870a−870dの使用を描写し、図示の4つのバネ870a−870dの各々は、異なるバネ定数を有する。このようにして、ここに記載のように、他の継手に対する1つの継手の優先的な曲げが起こり得る。各リンク対801,802における非対称的な曲がりは、曲げの方向に依存して起こり得る。例えば、線形バネ870dのバネ定数は、線形バネ870cのバネ定数よりも高く、線形バネ870bのバネ定数は線形バネ870aよりも高くあり得る。そのような構成において、リンク対801,802は、図8の反時計回り方向におけるよりも時計回り方向における曲げに対してより高い抵抗を有する。その上、他の例示的な実施態様と同様に、リンク対801,802が時計回り方向又は反時計回り方向において曲がっているかに拘わらず、リンク対802に対するリンク対801の優先的な曲がりをもたらすよう、線形バネ870c及び870dのバネ定数は、線形バネ870a及び870bのバネ定数よりもそれぞれ高くあり得る。当業者は、リンク対の継手について同様の非対称的な曲げを達成するために、ここに図示し且つ記載する様々の実施態様をどのように変形するかを理解しよう。
図3A及び3Bの例示的な実施態様を参照して上述したように、図4−8の例示的な実施態様において、描写した一連のリンク内の異なるリンク対は、リンク対の継手に亘るケーブル経路長における同じ変化のために大きい程度の曲がりをもたらす。即ち、より遠位の継手と比べてより近位の継手においてより高いバネ定数を有するバネを使用する図4−8に示す実施態様において、遠位のリンク対は、ケーブル経路長における同じ変化のためにより大きい程度に曲がり、より遠位の継手と比べてより近位の継手に亘って同じ量だけ張力部材経路長を変更する(減少させる)ために、より大きい曲げ力が必要とされる。
図3−8の例示的な実施態様は、関節リンク構造の一連のリンク対を例示しており、各々のリンク対は同じ軸について関節動作され、従って、図示される構造の一部は、単一のDOF間接接続動作を示す。しかしながら、本教示は、単一のDOF関節接続を有する関節リンク構造に限定されず、例えば、図1A中の構造100のような構造を含む、多数のDOF関節接続を有する構造において実施され得る。そのような場合には、異なる軸について関節動作する中間リンク対によって、同じ軸について関節動作するリンク対を互いに分離し得る。図3−8の実施態様の記載において説明したように、本教示に従って他方のリンク対に対する一方のリンク対の優先的な曲げをもたらすよう、同じ軸について関節動作する分離されるリンク対を依然として構成し得る。
上述のように、優先的な曲がりを示す1つ又はそれよりも多くの関節リンク構造で形成される案内管において、図1−8を参照して図示し且つ記載する様々の例示的な実施態様を使用し得る。しかしながら、本教示はそのような実施態様に限定されるものと考えられるべきではなく、本教示に従った優先的な曲がりをもたらすよう関節リンク構造を利用する他の装置を変更し得る。例えば、外科器具の脈絡において、本教示は関節リンク構造として提供されるリスト及び他のアームに当て嵌まり得る。それらの前者の例示的な実施態様が図9に描写されており、そこでは、関節リンク構造で形成されるリスト900は、エンドエフェクタ950の位置決めを支持し且つ制御するために、細長い外科器具1000(その一部のみが図9に例示され、力移転素子は図示されていない)の遠位端部に設けられる。リスト900は概略的に描写され、当業者は、優先的な曲がりを備える関節リンク構造を提供するために、ここにおける教示に基づき、リスト900の関節リンク構造をどのように構成するかを理解するであろう。図9に示す器具は例示的であるに過ぎず、それらは描写される構成との異なる構成を有する他のリスト付き外科器具に当て嵌まるので、本教示の限定であると考えられるべきではない。
ここに図示し且つ記載する様々の例示的な実施態様は、近位リンク対と比べて曲げに対してより少ない抵抗(優先的な曲げ)を示す遠位リンク対を含む関節リンク構造をもたらすが、当業者は、その構造に沿う他の所定のリンク対の場所で優先的な曲がりを達成するためにその構造に対する変更を所望に行い得ることを理解するであろう。例えば、他のリンク対と比べて曲げに抗する(或いは優先する傾向を有するリンク対を、任意の所望の順序及び/又は構造に沿う場所に配置し得る。当業者は、例えば、関節リンク構造が使用される用途に依存して、本教示に基づき構造に沿う優先的な曲がりの所望の程度及び場所を達成するために、様々の関節リンク構造をどのように変更すべきかを理解するであろう。ほんの一例として、図3−8の例示的な実施態様では、遠位リンク対に対する図示の近位リンク対の優先的な曲がりを達成するために、様々の突起又はバネの配置を逆転し得る。
加えて、関節リンク構造の例示的な実施態様、より具体的には、継手及びリンクの構成は例示的であるに過ぎず、本教示及び請求項を限定するものと解釈されてはならない。それらの構造内の継手及びリンクのために様々の構成を利用する数多くの既存の関節リンク構造が存在する。当業者は、ここにおける本教示に基づき優先的な曲がりを達成するために、既存お関節リンク構造をどのように変更すべきかを理解するであろう。例えば、ここに参照として援用する(2002年6月28日に出願された「Surgical Tool Having Positively Positionable Tendon-Actuated Multi-Disk Wrist Joint」という名称の)米国特許第6,817,974B2中に、関節リンク構造を形成する継手及びリンクの適切な構成の非限定的な実施例を見出し得る。
また、関節リンク構造の優先的な曲がり又は曲げに対する異なる抵抗を備えるリンク対を達成するための例示的な実施態様を参照して記載する特別な機構は非限定的であり、例示的であるに過ぎない。当業者は、リンク対が曲がる傾向の相対的な増大又は減少をもたらすよう、バネ及び転がり突起の接触表面積以外の機構を利用し得ることを認識するであろう。
その上、例えば、上述したような関節リンク構造を利用する外科手術以外の用途も、小さい及び/又は蛇行性の経路に沿って操縦されるよう優先的に曲がる細長い構造又はその一部の能力から利益を受け得る。そのような用途は、例えば、配線、配管、絶縁等を検査するよう壁の間を探求するために、自然災害に続く瓦礫を通じた探索及び救助作業において使用される、様々の種類の低制約ロボットアームや、他の類似の用途を含み得るが、それらに限定されない。
更なる変更及び代替的な実施態様は、ここにおける開示の観点から当業者に明らかであろう。例えば、システム及び方法は、動作の明瞭性のために図面及び記載から省略した追加的な構成部品又はステップを含み得る。従って、この記載は、例示的であるに過ぎないとして解釈されるべきであり、当業者に本教示を実施する一般的な方法を教示する目的のためである。ここに図示し且つ記載する様々の実施態様は例示的であると解釈されるべきであることが理解されるべきある。素子、材料、並びにそれらの素子及び材料の配置を、ここに例示し且つ記載するものと置換し得る。部品及びプロセスを逆転し得る。ここにおける記載の利益を得た後に当業者に全て明らかであるように、本教示の特定の機能を独立して利用し得る。本教示及び後続の請求項の精神及び範囲から逸脱せずに、ここに記載する素子の変更を行い得る。
ここに示す具体的な実施例及び実施態様は非限定的であり、本教示の範囲から逸脱せずに構造、寸法、材料、及び方法論に対する変更を行い得る。
本発明の他の実施態様は、ここに開示する発明の明細の検討及び実施から当業者に明らかである。明細書及び実施例は例示的であるに過ぎず、本発明の真正な範囲及び精神は後続の請求項によって定められることが意図される。

Claims (10)

  1. 第1の曲げ抵抗を有する近位関節と、第2の曲げ抵抗を有する遠位関節とを備え、前記第1の曲げ抵抗は、前記第2の曲げ抵抗よりも大きい、リンク部材を含む、関節リンクアセンブリと、
    前記リンク部材に連結される張力部材とを含み、
    該張力部材における張力を変更することは、前記近位関節及び遠位関節を作動させる力を加え、
    前記リンク部材は、近位軸方向面と、遠位軸方向面とを含み、前記近位軸方向面は、前記近位軸方向面から延びる近位凸状突起を含み、前記遠位軸方向面は、前記遠位軸方向面から延びる遠位凸状突起を含み、前記近位凸状突起及び前記遠位凸状突起は、正反対方向に延び、前記近位関節は、前記近位凸状突起を含み、前記遠位関節は、前記遠位凸状突起を含み、前記近位凸状突起及び前記遠位凸状突起のうちの少なくとも一方は、長さと幅とを有し、前記長さは、前記幅と等しくない、
    医療装置。
  2. 前記近位関節にある第1の付勢要素と、
    前記遠位関節にある第2の付勢要素とを更に含み、
    前記第1の付勢要素は、第1のバネ定数を有し、前記第2の付勢要素は、第2のバネ定数を有する、
    請求項1に記載の医療装置。
  3. 前記第1のバネ定数は、前記第2のバネ定数よりも大きい、請求項2に記載の医療装置。
  4. 前記第1の付勢要素は、捩りバネである、請求項2に記載の医療装置。
  5. 前記第1の付勢要素は、円板バネである、請求項2に記載の医療装置。
  6. 前記第1の付勢要素は、波形バネである、請求項2に記載の医療装置。
  7. 前記第1の付勢要素は、線形バネである、請求項2に記載の医療装置。
  8. 前記近位関節及び前記遠位関節のうちの少なくとも一方は、ピン継手である、請求項1に記載の医療装置。
  9. 前記近位凸状突起及び前記遠位凸状突起は、それぞれ、それぞれの隣接する突起面と転がり接触する、請求項1に記載の医療装置。
  10. 前記第1の曲げ抵抗及び前記第2の曲げのうちの少なくとも一方は、前記関節リンクアセンブリの中心軸に対して非対称である、請求項1に記載の医療装置。
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