JP2019025641A - 打込み工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】打込み工具において、打込み動作の開始指示に対する実際の打込み動作開始の応答性の向上に資する技術を提供する。
【解決手段】釘打ち機1は、モータ2、フライホイール4、ドライバ3、作動機構7、コンタクトアーム13、コンタクトアームスイッチ、トリガ140、トリガスイッチ141、コントローラ18を備える。ドライバ3は、フライホイール4から伝達された回転エネルギによって、打込み動作を行う。作動機構7は、ドライバ3を、初期状態から、回転エネルギの伝達が可能な伝達可能状態に移行させる。コントローラ18は、モータ2の起動スイッチとしてのトリガスイッチ141がオン状態とされた場合にモータ2の駆動を開始するとともに、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチ141がオン状態とされたことを条件として、作動機構7を作動させることで、ドライバ3に打込み動作を行わせる。
【選択図】 図1
【解決手段】釘打ち機1は、モータ2、フライホイール4、ドライバ3、作動機構7、コンタクトアーム13、コンタクトアームスイッチ、トリガ140、トリガスイッチ141、コントローラ18を備える。ドライバ3は、フライホイール4から伝達された回転エネルギによって、打込み動作を行う。作動機構7は、ドライバ3を、初期状態から、回転エネルギの伝達が可能な伝達可能状態に移行させる。コントローラ18は、モータ2の起動スイッチとしてのトリガスイッチ141がオン状態とされた場合にモータ2の駆動を開始するとともに、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチ141がオン状態とされたことを条件として、作動機構7を作動させることで、ドライバ3に打込み動作を行わせる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ドライバによって打込み材を被加工物に打ち込む打込み工具に関する。
使用者によるコンタクトアームの被加工物に対する押し付け操作およびトリガの引き操作に応じてコンタクトアームスイッチとトリガスイッチがオン状態とされた場合に、ドライバによる打込み動作の開始指示が入力されたものとして、打込み動作を開始する打込み工具が知られている。例えば、特許文献1に開示されている打込み工具は、コンタクトアームスイッチと、トリガスイッチと、ドライバと、モータアセンブリと、コントローラを備えている。モータアセンブリは、モータによって駆動されるフライホイールと、ドライバをフライホイールに係合させて移動させるためのアクチュエータとを含む。コントローラは、コンタクトアームスイッチおよびトリガスイッチの何れか一方が起動されるとモータを起動し、両スイッチが起動されるとアクチュエータを起動する。
上記の打込み工具には、選択スイッチを介して選択可能な複数のモードが設定されており、アクチュエータの起動条件として、コンタクトアームスイッチおよびトリガスイッチの起動順が定められている。複数のモードのうち、シーケンシャルフィードモードが選択された場合には、コントローラは、コンタクトアームスイッチおよびトリガスイッチがこの順番で起動され、モータアセンブリ中の要素の運動エネルギが閾値を超えると、アクチュエータを作動させ、ドライバに打込み動作を開始させる。一方で、コンタクトアームスイッチの起動に応じてモータが起動された後、十分な運動エネルギが蓄積されるまでにはある程度の時間が必要となる。よって、コンタクトアームの押し付け操作とトリガの引き操作をほぼ同時に行う使用者にとっては、トリガスイッチ起動から実際の打込み動作の開始までのタイムラグが長く感じられる場合がある。
本発明は、かかる状況に鑑み、コンタクトアームスイッチとトリガスイッチがこの順番で起動されることを条件として打込み動作を開始する打込み工具において、打込み動作の開始指示に対する実際の打込み動作開始の応答性の向上に資する技術を提供することを目的とするものである。
本発明の一態様によれば、打込み材を射出口から射出し、打込み材を被加工物に打ち込むように構成された打込み工具が提供される。この打込み工具は、モータと、フライホイールと、ドライバと、作動機構と、モータの起動スイッチと、コンタクトアームと、コンタクトアームスイッチと、トリガと、トリガスイッチと、コントローラとを備えている。
フライホイールは、モータによって回転駆動されるように構成されている。ドライバは、フライホイールの外周に対向するように配置されている。また、ドライバは、フライホイールから伝達された回転エネルギによって、打込み工具の前後方向に延在する動作線に沿って、初期位置から直線状に前方へ移動することで、打込み材を被加工物に打込む打込み動作を行うように構成されている。なお、本態様において、フライホイールの回転エネルギは、フライホイールから直接ドライバに伝達されてもよいし、フライホイールとドライバの間に配置された伝達部材を介してドライバに伝達されてもよい。
作動機構は、ドライバを、初期位置に配置された初期状態から、回転エネルギの伝達が可能な伝達可能状態に移行させるように構成されている。コンタクトアームは、射出口の近傍に前後方向に移動可能に配置されている。また、コンタクトアームは、使用者による被加工物に対する押し付けに応じて後方へ移動するように構成されている。コンタクトアームスイッチは、コンタクトアームの後方への移動に応じてオン状態とされるように構成されている。トリガは、使用者による引き操作が可能に構成されている。トリガスイッチは、トリガの引き操作に応じてオン状態とされるように構成されている。
コントローラは、モータおよび作動機構の動作を制御するように構成されている。コントローラは、起動スイッチがオン状態とされた場合にモータの駆動を開始するとともに、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチがオン状態とされたことを条件として、作動機構を作動させることで、ドライバに打込み動作を行わせるように構成されている。
本態様の打込み工具では、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチがオン状態とされたことが、ドライバの打込み動作開始の条件とされている。つまり、使用者にとって、コンタクトアームの被加工物に対する押し付け操作とトリガの引き操作を順に行うことが、打込み動作の開始指示の入力のための操作(以下、単に、打込み動作の開始指示操作という)である。使用者は、打込み動作の開始指示操作の前に、起動スイッチを予めオン状態としてモータの駆動を開始させることができる。打込み動作の開始指示操作は、使用者が実際に打込み材を打込む位置を特定した上で行うため、通常、コンタクトアームの押し付け操作までにはある程度の時間がかかる。よって、本態様に係る打込み工具は、この間にフライホイールに十分な回転エネルギを蓄積させておくことができる。その結果、コンタクトアームの被加工物に対する押し付け操作とトリガの引き操作とがほぼ同時に行われた場合であっても、打込み動作の開始指示の完了後、速やかにドライバの打込み動作を開始することができる。つまり、打込み動作の開始指示に対する実際の打込み動作開始の応答性を向上させることができる。
本発明の一態様において、トリガスイッチは、モータの起動スイッチを兼用するように構成されていてもよい。本態様によれば、使用者は、モータの駆動開始の指示の入力のための操作と、打込み動作の開始指示の入力のための操作とを、同じ部材であるトリガの引き操作によって容易に実現することができる。また、打込み工具の部品点数の増加を回避することができる。
本発明の一態様において、コントローラは、モータの非駆動時にトリガスイッチがオン状態とされた場合には、モータの起動スイッチがオン状態とされたと判断してモータの駆動を開始し、モータの駆動中であって、且つ、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチがオン状態とされた場合には、作動機構を作動させるように構成されていてもよい。本態様によれば、1つのトリガスイッチを、モータの起動スイッチと、打込み動作の開始指示の入力用のスイッチとしてコントローラが適切に使い分けることができる。
本発明の一態様において、コントローラは、起動スイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘ってモータの駆動を継続するように構成されていてもよい。本態様によれば、起動スイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘って、フライホイールに回転エネルギを蓄積する状態が維持される。よって、1回の打込み動作の後、使用者は、モータの駆動の継続中に改めて打込み動作の開始指示操作(つまり、コンタクトアームの被加工物に対する押し付け操作に続くトリガの引き操作)を行うことで、速やかに次の打込み動作を開始させることができる。つまり、短期間で複数回の打込み動作を連続して行うことができる。なお、ここでいう「所定期間」は、典型的には、何からのイベント(例えば、モータの駆動開始、モータの駆動開始後の起動スイッチまたはコンタクトアームスイッチのオン・オフ状態の切替え)から所定時間(例えば、3.5秒、5秒、7秒)が経過するまでの期間とされればよい。
本発明の一態様によれば、打込み材を射出口から射出し、打込み材を被加工物に打ち込むように構成された打込み工具が提供される。この打込み工具は、モータと、フライホイールと、ドライバと、作動機構と、コンタクトアームと、コンタクトアームスイッチと、トリガと、トリガスイッチと、コントローラとを備えている。
フライホイールは、モータによって回転駆動されるように構成されている。ドライバは、フライホイールの外周に対向するように配置されている。また、ドライバは、フライホイールから伝達された回転エネルギによって、打込み工具の前後方向に延在する動作線に沿って、初期位置から直線状に前方へ移動することで、打込み材を被加工物に打込む打込み動作を行うように構成されている。なお、本態様において、フライホイールの回転エネルギは、フライホイールから直接ドライバに伝達されてもよいし、フライホイールとドライバの間に配置された伝達部材を介してドライバに伝達されてもよい。
作動機構は、ドライバを、初期位置に配置された初期状態から、回転エネルギの伝達が可能な伝達可能状態に移行させるように構成されている。コンタクトアームは、射出口の近傍に前後方向に移動可能に配置され、使用者による被加工物に対する押し付けに応じて後方へ移動するように構成されている。コンタクトアームスイッチは、コンタクトアームの後方への移動に応じてオン状態とされるように構成されている。トリガは、使用者による引き操作が可能に構成されている。トリガスイッチは、トリガの引き操作に応じてオン状態とされるように構成されている。
コントローラは、モータおよび作動機構の動作を制御するように構成されている。コントローラは、トリガスイッチがオン状態とされた後でオフ状態とされた場合にモータの駆動を開始するとともに、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチがオン状態とされたことを条件として、作動機構を作動させることで、ドライバに打込み動作を行わせるように構成されている。
本態様の打込み工具では、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチがオン状態とされたことが、ドライバの打込み動作開始の条件とされている。つまり、使用者にとって、コンタクトアームの被加工物に対する押し付け操作とトリガの引き操作を順に行うことが、打込み動作の開始指示操作である。使用者は、打込み動作の開始指示操作の前に、トリガを引き操作した後に引き操作を解除することで、モータの駆動を開始させることができる。打込み動作の開始指示操作は、使用者が実際に打込み材を打込む位置を特定した上で行うため、通常、コンタクトアームの押し付け操作までにはある程度の時間がかかる。よって、本態様に係る打込み工具は、この間にフライホイールに十分な回転エネルギを蓄積させておくことができる。その結果、コンタクトアームの被加工物に対する押し付け操作とトリガの引き操作とがほぼ同時に行われた場合であっても、打込み動作の開始指示の完了後、速やかにドライバの打込み動作を開始することができる。つまり、打込み動作の開始指示に対する実際の打込み動作開始の応答性を向上させることができる。
また、従来の打込み工具には、コンタクトアームの被加工物に対する押し付け操作とトリガの引き操作の順番にかかわらず、両方の操作が行われた場合に(つまり、コンタクトアームスイッチとトリガスイッチの両方がオン状態とされた場合に)ドライバの打込み動作を開始するものが存在する。このため、コンタクトアームの押し付け操作前に、トリガが引き操作された状態でモータが駆動されていると、使用者は、その後、コンタクトアームの押し付け操作をするだけで打込み動作が開始されると誤認する可能性がある。これに対し、本態様の打込み工具によれば、使用者が一旦トリガの引き操作を解除しない限り、モータの駆動が開始されない。このため、使用者は、モータが駆動された状態でコンタクトアームを被加工物に押し付けた後でトリガを引き操作する必要があることを容易に理解することができる。このように、本態様の打込み工具は、優れた操作性を発揮することができる。
本発明の一態様によれば、コントローラは、モータの駆動中にトリガスイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘ってモータの駆動を継続するように構成されていてもよい。本態様では、トリガスイッチがオン状態とされた後でオフ状態とされた場合にモータの駆動が開始されるため、モータの駆動中にトリガスイッチをオフ状態にできるのは、打込み動作の開始指示操作の後、つまり、打込み動作が行われた後ということになる。本態様によれば、打込み動作の後でトリガスイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘って、フライホイールに回転エネルギを蓄積する状態が維持される。よって、1回の打込み動作の後、使用者は、モータの駆動の継続中に改めて打込み動作の開始指示操作を行うことで、速やかに次の打込み動作を開始させることができる。つまり、短期間で複数回の打込み動作を連続して行うことができる。なお、ここでいう「所定期間」は、典型的には、何からのイベント(例えば、モータの駆動開始、モータの駆動開始後の起動スイッチまたはコンタクトアームスイッチのオン・オフ状態の切替え)から所定時間(例えば、3.5秒、5秒、7秒)が経過するまでの期間とされればよい。
本発明の一態様において、コントローラは、トリガスイッチがオフ状態にあって、且つ、モータの非駆動中にコンタクトアームスイッチがオン状態とされた場合にも、モータの駆動を開始するとともに、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチがオン状態とされたことを条件として、作動機構を作動させることで、ドライバに打込み動作を行わせるように構成されていてもよい。つまり、本態様では、モータの起動指示が、起動スイッチまたはトリガスイッチのみならず、コンタクトアームスイッチからも入力可能である。本態様によれば、モータの起動指示および打込み動作の開始指示の多様化により、打込み工具の利便性を高めることができる。
本発明の一態様において、コントローラは、モータの駆動開始の契機とされたコンタクトアームスイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘ってモータの駆動を継続するように構成されていてもよい。本態様によれば、モータの駆動開始の契機とされたコンタクトアームスイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘って、フライホイールに回転エネルギを蓄積する状態が維持される。よって、1回の打込み動作の後、使用者は、モータの駆動の継続中に改めて打込み動作の開始指示操作(つまり、コンタクトアームの被加工物に対する押し付け操作に続くトリガの引き操作)を行うことで、速やかに次の打込み動作を開始させることができる。つまり、短期間で複数回の打込み動作を連続して行うことができる。なお、ここでいう「所定期間」は、典型的には、何からのイベント(例えば、モータの駆動開始、モータの駆動開始後の起動スイッチまたはコンタクトアームスイッチのオン・オフ状態の切替え)から所定時間(例えば、3.5秒、5秒、7秒)が経過するまでの期間とされればよい。
本発明の一態様において、コントローラは、モータの駆動開始から所定期間に亘って、モータの駆動を継続するように構成されていてもよい。本態様によれば、モータの駆動を継続する期間を簡便に計測することができる。
本発明の一態様において、コントローラは、打込み動作の完了から所定期間に亘って、モータの駆動を継続するように構成されていてもよい。なお、ここでいう「打込み動作の完了」とは、ドライバが実際に打込み材を被加工物に打込んだ時点であってもよいし、打込み動作に対応するイベントに基づいて打込み動作の完了に相当するとみなせる時点(例えば、トリガスイッチがオン状態またはオフ状態とされてから一定の時間が経過した時点、作動機構の作動から一定の時間が経過した時点等)であってもよい。本態様によれば、打込み動作の完了後にモータの駆動を継続する期間を確実に設けることができる。
本発明の一態様によれば、コントローラは、コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチがオン状態とされた場合、モータの駆動を一時的に停止し、打込み動作の完了後にモータの駆動を再開するように構成されていてもよい。コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後でトリガスイッチがオン状態とされた場合、つまり、打込み動作の開始指示操作が行われた場合、モータの駆動が停止されても、フライホイールは慣性で回転を継続することができる。本態様によれば、打込み動作が行われるときにモータの回転速度が急激に低下することでモータに負荷がかかるのを抑制し、モータの保護を図ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
以下、図1〜図13を参照して、第1実施形態に係る釘打ち機1について説明する。釘打ち機1は、打込み工具の一例であって、打込み材の一例としての釘101を直線状に打ち出すことで、被加工物(例えば、木材)100)に釘101を打込むことが可能な工具である。
以下、図1〜図13を参照して、第1実施形態に係る釘打ち機1について説明する。釘打ち機1は、打込み工具の一例であって、打込み材の一例としての釘101を直線状に打ち出すことで、被加工物(例えば、木材)100)に釘101を打込むことが可能な工具である。
まず、図1を参照して、釘打ち機1の概略構成について説明する。図1に示すように、釘打ち機1の外郭は、主に、工具本体10と、ハンドル14と、マガジン17とを主体として形成されている。
工具本体10は、本体ハウジング11とノーズ部12とを含む。本体ハウジング11には、モータ2、ドライバ3、ドライバ駆動機構400、戻し機構(図示せず)等が収容されている。ドライバ3は、所定の動作線Lに沿って移動可能に配置されている。ドライバ駆動機構400は、動作線Lに沿ってドライバ3を直線状に移動させることで、釘101を釘打ち機1から打ち出させる機構である。戻し機構は、釘101を打ち出した後のドライバ3を元の位置に復帰させるように構成されている。ノーズ部12は、動作線Lの延在方向(以下、単に動作線L方向という)における本体ハウジング11の一端に連結されている。ノーズ部12は、本体ハウジング11とは反対側の端部に、釘101が打ち出される射出口123を有する。また、ノーズ部12には、動作線L方向に進退可能なコンタクトアーム13が配置されている。本体ハウジング11内には、常時にはオフ状態で維持され、コンタクトアーム13の押込みに応じてオン状態とされるコンタクトアームスイッチ131(図7参照)が配置されている。
ハンドル14は、動作線L方向において本体ハウジング11の中央部から動作線Lと交差する方向に突出している。ハンドル14は、使用者によって把持される部位である。ハンドル14の基端部(本体ハウジング11に接続された端部)には、作業者による引き操作が可能に構成されたトリガ140が設けられている。ハンドル14内には、常時にはオフ状態で維持され、トリガ140の引き操作に応じてオン状態とされるトリガスイッチ141が配置されている。また、ハンドル14の先端部(基端部とは反対側の端部)には、端子等を備えたバッテリ装着部15が設けられている。バッテリ装着部15には、充電式のバッテリ19が取り外し可能に装着されている。ハンドル14先端部の内部には、釘打ち機1の動作を制御するためのコントローラ18等が配置されている。
マガジン17は、複数の釘101を充填可能に構成されており、ノーズ部12に装着されている。マガジン17に充填された釘101は、釘送り機構(図示せず)によって、ドライバの移動経路上に一本ずつ供給される。なお、マガジン17の構成は周知であるため、その説明は省略する。
本実施形態では、釘打ち機1は、使用者がコンタクトアーム13を被加工物100に押し付けることでコンタクトアームスイッチ131をオン状態とし、その後、トリガ140を引き操作することでトリガスイッチ141をオン状態とした場合にのみ、ドライバ3によって釘101を被加工物100に打込む動作(以下、打込み動作という)を開始するように構成されている。コンタクトアーム13の被加工物100に対する押し付け操作のみ、または、トリガ140の引き操作のみでは、打込み動作は行われない。また、トリガ140の引き操作の後でコンタクトアーム13の押し付け操作が行われても、打込み動作は行われない。以下では、コンタクトアーム13の被加工物100に対する押し付け操作と、トリガ140の引き操作とを順に行うこと(2つの操作をほぼ同時に行う場合を含む)を、打込み動作の開始指示操作ともいう。
以下、釘打ち機1の詳細構成について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、動作線L方向(図1の左右方向)を釘打ち機1の前後方向と規定し、射出口123が設けられている側(図1の右側)を釘打ち機1の前側、反対側(図1の左側)を後側と規定する。また、動作線L方向に直交し、ハンドル14の延在方向に対応する方向(図1の上下方向)を釘打ち機1の上下方向と規定し、ハンドル14の基端部側(図1の上側)を上側、ハンドル14の先端部側(図1の下側)を下側と規定する。また、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向と規定する。
まず、図1および図2を参照して、打込み動作の開始指示操作に用いられるコンタクトアーム13とトリガ140について説明する。
図1に示すように、コンタクトアーム13は、ノーズ部12の上側に配置されている。より詳細には、コンタクトアーム13は、全体としては前後方向に延在する長尺状部材として形成されており、前端部132が射出口123の近傍に位置するように、ノーズ部12の上面に沿って前後方向に摺動可能に配置されている。また、詳細な図示は省略するが、コンタクトアーム13の後端部には、後方に延在するスイッチ作動ロッドが連結されている。コンタクトアームスイッチ131(図7参照)は、スイッチ作動ロッドの後側に配置されている。
コンタクトアーム13は、図示しない弾性部材(例えば、圧縮コイルバネ)によって前方へ付勢されており、前方からの外力が付与されていない状態では、図1に示すように、前端部132が射出口123よりも前方に突出する初期位置に保持される。このときスイッチ作動ロッドはコンタクトアームスイッチ131に作用せず、コンタクトアームスイッチ131はオフ状態で維持される。一方、図2に示すように、使用者によって前端部132が被加工物100に押し付けられると、コンタクトアーム13は弾性部材の付勢力に抗して後方へ移動する。押し付けに応じてコンタクトアーム13が初期位置よりも後方の所定位置(以下、オン位置という)まで移動すると、コンタクトアームスイッチ131がスイッチ作動ロッドの後端部に押圧され、オン状態に切り替えられる。コンタクトアームスイッチ131は、配線(図示せず)を介してコントローラ18に接続されており、オン状態またはオフ状態に対応する信号をコントローラ18に出力する。
なお、本実施形態では、コンタクトアーム13が不測の外力によって後方へ押圧されることを防止するために、コンタクトアーム13の後側部分(ノーズ部12の上面よりも上方へ突出している部分)は、コンタクトアームカバー9によって覆われている。
図1に示すように、トリガ140は、ハンドル14の上前端部に配置されている。トリガ140は、常時には、弾性部材(例えば、圧縮コイルバネ)によって前方へ付勢されており、前方からの外力が付与されていない状態では、図1に示す初期位置に保持されている。このときトリガ140はトリガスイッチ141に作用せず、トリガスイッチ141はオフ状態で維持される。一方、図2に示すように、使用者によってトリガ140が引き操作されると、トリガ140は弾性部材の付勢力に抗して後方へ移動する。引き操作に応じてトリガ140が初期位置よりも後方の所定位置(以下、オン位置という)まで移動すると、トリガスイッチ141がトリガ140の後端部に押圧され、オン状態に切り替えられる。トリガスイッチ141は、配線(図示せず)を介してコントローラ18に接続されており、オン状態またはオフ状態に対応する信号をコントローラ18に出力する。
次に、本体ハウジング11の内部に収容されたモータ2、ドライバ3、およびドライバ駆動機構400について順に説明する。
まず、モータ2について説明する。図3に示すように、モータ2は、本体ハウジング11の後下部に収容されている。また、モータ2は、出力シャフト(図示せず)の回転軸が動作線Lに直交して左右方向に延在するように配置されている。本実施形態では、モータ2として、小型で高出力であることから、ブラシレスDCモータが採用されている。モータ2の出力シャフトには、出力シャフトと一体的に回転するプーリ21が連結されている。なお、本実施形態では、モータ2の駆動はコントローラ18(図1参照)によって制御される。モータ2の制御の詳細に関しては、後述する。
ドライバ3について説明する。図4に示すように、ドライバ3は、長尺状の部材であって、長軸に関して左右対称形状に形成されている。ドライバ3は、全体として概ね矩形薄板状に形成された本体部30と、本体部30よりも左右方向の幅が細く形成され、本体部30の前端から前方に延在する打撃部31と、本体部30の後部から左右に突出する一対のアーム部35とを含む。
本体部30は、後述する押圧ローラ83(図3参照)によって押圧されてリング部材5(図3参照)に摩擦係合する部位である。本体部30は、一対のローラ当接部301と、レバー当接部305と、一対のリング係合部306とを有する。以下、これらの部分について順に説明する。
一対のローラ当接部301は、本体部30の上面から上方へ突出し、本体部30の左右の端に沿って前後方向に延在するように、本体部30に一体的に形成されている。ローラ当接部301の突出端(上端)に形成された面部は、押圧ローラ83の外周面に当接する当接面として形成されている。また、ローラ当接部301の前端部は、後方に向けて高さ(上下方向の厚み)が漸増する傾斜部302として形成されている。一方、ローラ当接部301のうち傾斜部302の後側部分は、一定の高さを有する。レバー当接部305は、本体部30の上面から上方へ突出するように設けられ、本体部30の後部において左右のローラ当接部301をつなぐように、左右方向に延在する。レバー当接部305は、後述する押出しレバー711が後方から当接する部位である。
一対のリング係合部306は、本体部30の下面から下方へ突出し、本体部30の左右の端部に沿って前後方向に延在するように、本体部30に一体的に形成されている。リング係合部306の前端部は、後方に向けて高さ(上下方向の厚み)が漸増する傾斜部307として形成されている。一対のリング係合部306には、夫々、後述する2つのリング部材5の外周係合部51に係合可能な係合溝308が形成されている。各係合溝308は、リング係合部306の突出端から上方へ凹むように形成され、リング係合部306の全長に亘って前後方向に延在する。また、係合溝308は、左右方向の幅が上方に向けて狭くなるように(言い換えると、係合溝308を規定するリング係合部306の左右方向の壁面が上方へ向けて近づくように)形成されている(図6参照)。なお、ドライバ3とリング部材5との係合態様については後で詳述する。
本体部30の後端32は、ドライバ3の後端を規定する。後端32は、本体ハウジング11の後端部内に固定された後方ストッパ部118(図1参照)に当接することで、ドライバ3がそれ以上後方へ移動するのを規制する部位である。打撃部31の前端310は、ドライバの前端を規定する。前端310は、釘101(図1参照)の頭部を打撃し、釘101を前方へ打出して被加工物100に打ち込む部位である。
一対のアーム部35は、本体部30の左右に突出している。アーム部35は、本体ハウジング11前端部の内部に固定された一対の前方ストッパ部117(図2参照)に当接することで、ドライバ3がそれ以上前方へ移動するのを規制する部位である。なお、詳細説明および図示は省略するが、アーム部35は、接続部材によって、戻し機構に接続されている。本実施形態の釘打ち機1では、戻し機構として、いかなる公知の構成が採用されてもよい。例えば、打込み位置まで前方へ移動されたドライバ3を、接続部材を介して弾性部材(例えば、圧縮コイルバネや捩りコイルバネ)の弾性力で動作線Lに沿って初期位置へ引き戻すように構成された戻し機構を採用することができる。
以上のように構成されたドライバ3は、その長軸が動作線Lに沿って釘打ち機1の前後方向に延在するように配置される。また、ドライバ3は、動作線Lに沿って(釘打ち機1の前後方向に、またはドライバ3の長軸方向にとも言い換えられる)移動可能に保持されている。
ここで、図1および図2を参照して、ドライバ3の初期位置および打込み位置について説明する。初期位置とは、ドライバ駆動機構400が作動していない状態(以下、初期状態という)でドライバ3が保持される位置である。本実施形態では、図1に示すように、ドライバ3の初期位置は、ドライバ3の後端32が、後方ストッパ部118に当接する位置に設定されている。打込み位置とは、ドライバ駆動機構400によって前方へ移動されたドライバ3が釘101を被加工物に打ち込む位置である。本実施形態では、図2に示すように、ドライバ3の打込み位置は、ドライバ3の前端310が射出口123から僅かに突出した位置に設定されている。打込み位置は、一対のアーム部35の前端が、一対の前方ストッパ部117に後方から当接する位置でもある。上記の配置から、本実施形態では、初期位置と打込み位置は、ドライバ3の移動可能範囲の両端を規定する最後方位置と最前方位置であると言い換えることもできる。
ドライバ駆動機構400の詳細な構成について説明する。図3に示すように、本実施形態では、ドライバ駆動機構400は、フライホイール4と、2つのリング部材5と、保持機構6と、作動機構7と、押圧機構8とを含む。以下、これらの構成の詳細について順に説明する。なお、以下で参照する図1および図3では、説明の便宜上、後述するリング部材5の一部が破断された状態で図示されている。
まず、フライホイール4について説明する。図3に示すように、円筒状に形成されたフライホイール4は、本体ハウジング11内のモータ2の前側で、回転可能に支持されている。フライホイール4は、モータ2によって回転軸A1周りに回転駆動される。回転軸A1は、モータ2の回転軸と平行に、ドライバ3の動作線Lに直交する左右方向に延在する。フライホイール4の支持シャフトには、フライホイール4と一体的に回転するプーリ41が連結されている。プーリ21とプーリ41にはベルト25が架け渡されている。よって、モータ2が駆動されると、モータ2の回転がベルト25を介してフライホイール4に伝達され、フライホイール4は図3の時計回り方向に回転する。また、図5および図6に示すように、フライホイール4の外周45には、フライホイール4の全周に亘って延在する一対の係合溝47が形成されている。係合溝47には、リング部材5が係合可能である。係合溝47は、左右方向の幅が径方向内側に向けて狭くなるように形成されている。
リング部材5について説明する。図3に示すように、各リング部材5は、フライホイール4よりも大径のリング状に形成されている。本実施形態では、リング部材5の内径は、フライホイール4の外径(厳密には、フライホイール4の回転軸A1から係合溝47の底部までの径)よりも大きく設定されている。図5に示すように、2つのリング部材5は、夫々、フライホイール4の外周45に設けられた一対の係合溝47に対して径方向外側に配置されている。本実施形態では、2つのリング部材5は、後述する保持機構6によって、フライホイール4の外周45(より詳細には係合溝47)から離間した離間位置と、外周45(係合溝47)に一部が接触する接触位置との間で移動可能に保持されている。
各リング部材5は、フライホイール4の回転エネルギをドライバ3に伝達するための伝達部材であって、ドライバ3およびフライホイール4と摩擦係合可能に構成されている。具体的には、図6に示すように、リング部材5の外周側部分および内周側部分には、夫々、ドライバ3の係合溝308およびフライホイール4の係合溝47に係合可能な外周係合部51および内周係合部53が設けられている。外周係合部51は、リング部材5の径方向外側へ向けて突出する凸部として形成される一方、内周係合部53は、リング部材5の径方向内側へ向けて突出する凸部として形成されている。なお、リング部材5の径方向の断面形状は、概ね六角形状に形成されており、外周係合部51は、リング部材5の径方向外側へ向けて厚みが小さくなるように形成される一方、内周係合部53は、リング部材5の径方向内側へ向けて軸方向の厚みが小さくなるように形成されている。つまり、外周係合部51および内周係合部53は、いずれも先端に向けて断面が先細り形状に形成されている。なお、リング部材5と、ドライバ3およびフライホイール4との係合態様については後で詳述する。
保持機構6について説明する。保持機構6は、リング部材5を、フライホイール4の外周45(係合溝47)から離間した離間位置と、外周45(係合溝47)に接触する接触位置との間で移動可能に保持するように構成されている。図3および図5に示すように、本実施形態の保持機構6は、一対のリング付勢部60と、一対のストッパ66とで構成されている。一対のリング付勢部60は、リング部材5に対して斜め前下方と斜め後ろ下方に配置され、リング部材5を板バネによって下側から上方へ付勢した状態で回転可能に支持している。一対のストッパ66は、夫々、ドライバ3の下方、且つ、リング部材5に対して斜め前上方と斜め後ろ上方に配置され、リング部材5の回転を許容しつつ、リング部材5の上方への移動を規制するように構成されている。
ここで、保持機構6によるリング部材5の保持態様について説明する。図5に示すように、初期状態においては、リング付勢部60は下方からリング部材5に当接し、リング部材5を上方へ付勢する一方、ストッパ66はリング部材5に対して上方から当接し、リング部材5がそれ以上上方へ移動することを規制する。これにより、図6に示すように、リング部材5は、フライホイール4の全周に亘って、外周45(係合溝47)から離間した離間位置で保持される。なお、フライホイール4の上端部のみが図示されているが、フライホイール4の全周に亘って、同様に、リング部材5はフライホイール4の外周45(より詳細には係合溝47)から離間している。一方、詳細は後述するが、作動機構7によってドライバ3が前方へ移動されるのに伴って、リング部材5がドライバ3によって下方へ押圧されると、リング付勢部60の付勢力に抗してリング部材5が下方へ移動し、フライホイール4の上部において、外周45(係合溝47)に接触する接触位置で保持されることになる(図12参照)。
作動機構7について説明する。図3に示すように、作動機構7は、本体ハウジング11内において、ドライバ3よりも上方、且つ、フライホイール4よりも後方に配置されている。作動機構7は、初期位置に配置されたドライバ3を、後述する伝達位置に移動させるように構成された機構である。本実施形態では、作動機構7は、前後方向に進退可能なロッドを有するソレノイド715と、ソレノイド715のロッドによって回動される押出しレバー711とを主体として構成されている。押出しレバー711は、一端部が回動可能に支持されている。初期状態では、押出しレバー711の他端部は、引張コイルバネ713によって、ドライバ3のレバー当接部305に対して斜め上後方に保持されている。ソレノイド715が作動されると、引張コイルバネ713の付勢力に抗して押出しレバー711が下方へ回動される。これに伴って、押出しレバー711の先端部がレバー当接部305を後方から前方へ押圧することで、ドライバ3を前方へ移動させる(図11参照)。なお、本実施形態では、ソレノイド715の作動はコントローラ18(図1参照)によって制御される。ソレノイド715の制御の詳細に関しては、後述する。
押圧機構8について説明する。図3に示すように、押圧機構8は、本体ハウジング11内で、フライホイール4とドライバ3との対向方向において、フライホイール4とは反対側でドライバ3と対向するように配置されている。押圧機構8は、ドライバ3が初期位置から前方へ移動する過程で、リング部材5に向けて(つまり、フライホイール4に近づく方向に)ドライバ3を押圧することで、リング部材5を介したフライホイール4からドライバ3への回転エネルギの伝達を可能とするように構成されている。図3および図6に示すように、本実施形態では、押圧機構8は、ローラ支持部材81と、ローラ支持部材81に回転可能に支持された押圧ローラ83と、本体ハウジング11に支持されたホルダ85と、ローラ支持部材81とホルダ85の間に介在状に配置された弾性部材87とを含む。以下、これらの構成部材の詳細について順に説明する。
ローラ支持部材81は、バネ保持部811と、バネ受け部813と、ローラ支持部815とを含む。バネ保持部811は、上下方向を軸方向とする円柱状に形成された、ローラ支持部材81の上部を構成する部分である。バネ受け部813は、バネ保持部811の下端部から径方向外側に突出するフランジ状の部分である。ローラ支持部815は、バネ受け部813から下方に突出する、ローラ支持部材81の下部を構成する部分である。ローラ支持部815は、左右方向に延在するローラシャフト84を介して、左右一対の押圧ローラ83を回転可能に支持している。
ホルダ85は、本体ハウジング11に支持され、ローラ支持部材81を上下方向に相対移動可能に保持している。本実施形態では、ホルダ85は、収容部851と、バネ受け部853と、ストッパ部854とを含む。収容部851は、概ね円筒状に形成されており、内部にローラ支持部材81の一部と弾性部材87を収容可能な収容空間852を有する(図6参照)。バネ受け部853は、収容部851の上部を覆う上壁部によって構成されている。バネ受け部853の中央部には、ローラ支持部材81の円柱状のバネ保持部811と概ね同径の貫通孔が形成されている。バネ保持部811は、この貫通孔内で上下方向に移動可能である。ストッパ部854は、収容部851の下端部から径方向内側に突出する部分である。
弾性部材87は、ローラ支持部材81とホルダ85の間に介在状に配置されている。本実施形態では、弾性部材87は、ローラ支持部材81のバネ保持部811の外周に直列状に配置された4つの皿バネで構成されている。ローラ支持部材81は、バネ保持部811に弾性部材87が外装された状態で、ホルダ85の収容部851(収容空間852)内に配置されている。弾性部材87は、ホルダ85のバネ受け部853とローラ支持部材81のバネ受け部813との間に、僅かに圧縮された状態で配置されている。これにより、押圧ローラ83を介してローラ支持部材81を上方に押し上げる外力が付与されていない場合、バネ受け部813は、弾性部材87の弾性力によって下方へ付勢され、ストッパ部854に上方から当接した状態で保持される。つまり、ストッパ部854によって、ローラ支持部材81および押圧ローラ83は、下方への移動が規制され、最下方位置で保持される。
以下、釘打ち機1の電気的構成について説明する。図7に示すように、釘打ち機1は、釘打ち機1の動作を制御するコントローラ18を備えている。本実施形態では、コントローラ18は、CPU、ROM、RAM、タイマ等を含むマイクロコンピュータとして構成されている。コントローラ18には、三相インバータ201と、ホールセンサ203が電気的に接続されている。本実施形態では、三相インバータ201は、6つの半導体スイッチング素子を用いた三相ブリッジ回路を備えており、コントローラ18からの制御信号が示すデューティ比に従って三相ブリッジ回路の各スイッチング素子をスイッチング動作させることで、そのデューティ比に応じたパルス状の電流(駆動パルス)をモータ2に供給する。なお、コントローラ18と三相インバータ201は、基板180に搭載されて、ハンドル14の下端部に収容されている(図1参照)。ホールセンサ203は、モータ2の各相に対応して配置される3つのホール素子を備えており、モータ2のロータの回転角度を示す信号を出力するように構成されている。
更に、コントローラ18には、コンタクトアームスイッチ131と、トリガスイッチ141と、作動機構7のソレノイド715が電気的に接続されている。上述のように、コンタクトアームスイッチ131およびトリガスイッチ141は、夫々、オン状態またはオフ状態に対応する信号をコントローラ18に出力する。本実施形態では、コントローラ18は、コンタクトアームスイッチ131およびトリガスイッチ141からの信号に基づいて、適宜、三相インバータ201およびソレノイド715に対して制御信号を出力することで、モータ2およびソレノイド715の動作を制御する。
ここで、本実施形態におけるモータ2およびソレノイド715の制御の概要について説明する。まず、本実施形態では、上述のように、使用者の打込み動作の開始指示操作が行われない限り、つまり、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされた後でトリガスイッチ141がオン状態とされない限り、打込み動作は開始されない。使用者がコンタクトアーム13の押し付け操作とトリガ140の引き操作とを、この順番でほぼ同時に行った場合、打込み動作の開始指示操作としては適切である。一方で、ドライバ3による釘101の打込みを可能とするに足る回転エネルギをフライホイール4に蓄積するためには、モータ2の駆動後にある程度の時間がかかる。このため、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされるのに応じてモータ2の駆動が開始されると、打込み動作の開始指示操作の後、直ちに打込み動作を開始できない場合がありうる。そこで、本実施形態では、トリガスイッチ141をモータ2の起動スイッチとして利用することで、打込み動作の開始指示操作の前に予めモータ2の駆動を開始させることを可能としている。
具体的には、モータ2の非駆動時にトリガスイッチ141がオン状態とされた場合には、コントローラ18は、これをモータ2の起動指示の入力として認識し、モータ2の駆動を開始する。コントローラ18は、その後、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされた後でトリガスイッチ141がオン状態とされた場合には、これを打込み動作の開始指示の入力として認識し、ソレノイド715を作動させてドライバ3に打込み動作を開始させる。また、コントローラ18は、モータの非駆動時にコンタクトアームスイッチ131がオン状態とされた場合にも、これをモータ2の起動指示の入力として認識し、モータ2の駆動を開始する。この場合、その後に続けてトリガスイッチ141がオン状態とされた場合には、コントローラ18は、これを打込み動作の開始指示の入力として認識し、ソレノイド715を作動させてドライバ3に打込み動作を開始させる。
以下、図8〜図13を参照して、コントローラ18(詳細には、CPU)によって実行される打込み制御処理の詳細と、処理中の釘打ち機1の具体的な動作について説明する。なお、図8〜図10に示す打込み制御処理は、バッテリ19がバッテリ装着部15に装着されることで釘打ち機1への電力供給が開始されると開始され、電力供給が停止されると終了される。なお、以下の説明および図では、処理中の各「ステップ」を「S」と簡略表記する。また、図では、「スイッチ」を「SW」とも簡略表記する。
打込み制御処理の開始時点では、コンタクトアーム13およびトリガ140はいずれも初期位置にあって、コンタクトアームスイッチ131およびトリガスイッチ141はいずれもオフ状態である。モータ2は駆動されていない非駆動状態にある。図1に示すように、ドライバ3は、戻し機構によって初期位置に戻されて保持されている。図6に示すように、リング部材5は、保持機構6によって、フライホイール4の外周45(より詳細には係合溝47)から径方向外側に僅かに離間した離間位置に保持されている。このとき、押圧ローラ83は最下方位置で保持され、ドライバ3の本体部30の前端部に上方から滑り状態で接触しているが、ドライバ3を下方へ押圧している状態ではない。この状態では、リング部材5は、ドライバ3からも離間した位置に保持されている。より詳細には、リング部材5は、外周係合部51がドライバ3の係合溝308に対して僅かに下方へ離間した位置で保持されている。
図8に示すように、コントローラ18はまず、トリガスイッチ141がオン状態とされたか否かを判断する(S1)。コントローラ18は、使用者によってトリガ140がオン位置まで引き操作され、トリガスイッチ141がオン状態とされた場合(S1:YES)、これをモータ2の起動指示(駆動開始指示)の入力として認識し、後述の第1制御処理に移行する(S3および図9)。一方、コントローラ18は、トリガスイッチ141がオン状態ではない場合(S1:NO)、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされたか否かを判断する(S2)。コンタクトアームスイッチ131もオフ状態の場合(S2:NO)、コントローラ18はS1の処理に戻る。コントローラ18は、使用者によってコンタクトアーム13が被加工物100に押し付けられてオン位置まで後退し、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされた場合(S2:YES)、後述の第2制御処理に移行する(S4および図10)。なお、コントローラ18によって認識されたトリガスイッチ141およびコンタクトアームスイッチ131のオン・オフ状態は、例えば、夫々に対応するフラグがRAMにセットまたはクリアされることで記憶される。
以下、第1制御処理について説明する。図9に示すように、第1制御処理に移行すると、コントローラ18はまず、モータ2の起動指示の入力に応じて、モータ2の駆動を開始する(S31)。具体的には、コントローラ18は、三相インバータ201を介してモータ2への通電を開始する。モータ2によって、フライホイール4が回転駆動され、回転エネルギの蓄積を開始する。なお、この段階では、リング部材5は離間位置に配置されているため、フライホイール4の回転エネルギをドライバ3に伝達不能な状態にある。よって、フライホイール4が回転しても、リング部材5およびドライバ3は動作しない。
コントローラ18は、トリガスイッチ141がオフ状態とされない間は待機する(S32:NO、S32)。なお、この間にコンタクトアームスイッチ131がオン状態とされても、コントローラ18はそれを無効とし、処理を進めない。つまり、コントローラ18は、トリガ140の引き操作が一旦解除されない限り、処理を進めない。トリガスイッチ141がオフ状態とされると(S32:YES)、コントローラ18は、トリガスイッチ141がオフ状態とされてから所定時間が経過したか否かを判断する(S33)。この判断は、例えば、タイマによってトリガスイッチ141がオフ状態とされてからの経過時間が計時され、予めROMに記憶されている所定時間と経過時間とが比較されることで行われる。なお、所定時間は特に限定されるものではないが、本実施形態では、所定時間の一例として、5秒が採用されている。
コントローラ18は、所定時間が経過せず、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされない間は待機する(S33:NO、S34:NO)。この間もモータ2の駆動は継続される。コンタクトアームスイッチ131がオフ状態のまま、所定時間が経過した場合には(S34:NO、S33:YES)、コントローラ18は、モータ2の通電を中止することで、モータ2の駆動を停止する(S37)。これに伴い、フライホイール4の回転が停止する。コントローラ18は、第1制御処理を終了して打込み制御処理(図8参照)に戻り、トリガスイッチ141またはコンタクトアームスイッチ131がオン状態とされるまで待機する(S1〜S2)。
所定時間が経過する前にコンタクトアームスイッチ131がオン状態とされた場合には(S33:NO、S34:YES)、コントローラ18は、トリガスイッチ141がオン状態とされたか否か判断する(S35)。トリガスイッチ141がオン状態とされていなければ(S35:NO)、コントローラ18は、所定時間が経過するまで監視を継続する(S33:NO、S34:YES、S35)。この間もモータ2の駆動は継続される。トリガスイッチ134がオフ状態のまま、所定時間が経過した場合には(S35:NO、S33:YES)、コントローラ18はモータ2の駆動を停止し(S37)、第1制御処理を終了する。
所定時間が経過する前に、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされ、更に、トリガスイッチ141がオン状態とされた場合(S33:NO、S34:YES、S35:YES)、打込み動作の開始指示が入力されたことを意味する。そこで、コントローラ18は、ソレノイド715を作動させる(S36)。なお、コントローラ18は、ホールセンサ203から出力される信号に基づいてモータ2(ひいてはフライホイール4の)回転速度を特定する。コントローラ18は、回転速度に基づき、フライホイール4に十分な回転エネルギが蓄積されていると判断した場合には、直ちにソレノイド715を作動させ、そうでなければ、十分な回転エネルギが蓄積された後、ソレノイド715を作動させる。なお、本実施形態では、使用者のモータ2の起動指示操作に応じてS31でモータ2の駆動が開始されてから、使用者の打込み動作の開始指示操作(コンタクトアーム13の押し付け操作に続くトリガ140の引き操作)がなされるまでに、十分な回転エネルギを蓄積させることができる。このため、コントローラ18は、打込み動作の開始指示操作に応じて、実質的に直ちにソレノイド715を作動させることができる。
ソレノイド715の作動により、押出しレバー711が回動し、押出しレバー711の後端部がドライバ3のレバー当接部305を後方から前方へ押圧する。ドライバ3は、初期位置から打込み位置へ向かって、動作線Lに沿って前方へ移動を開始する。ドライバ3は、離間位置に保持されているリング部材5に対しても相対的に移動する。
押圧ローラ83は、後方へ向けて厚みが漸増する傾斜部302の当接面に前方から当接する。傾斜部302が押圧ローラ83に押圧されつつ前方へ移動するのに伴って、リング部材5の外周係合部51の一部がドライバ3の係合溝308(図6参照)に進入して、係合溝308の開口端に当接する。なお、リング係合部306の前端部に傾斜部307が形成されていること、また、係合溝308の左右方向の幅は、開口端側の方が広いことから、外周係合部51は、係合溝308にスムーズに進入することができる。押圧ローラ83が傾斜部302の当接面に当接し、外周係合部51の一部が係合溝308の開口端に当接した状態で、ドライバ3が更に前方へ移動すると、傾斜部302はカムとして機能し、また、くさび効果を発揮する。このため、離間位置に保持されていたリング部材5がリング付勢部60の板バネの付勢力に抗して下方へ押し下げられると共に、最下方位置に保持されていた押圧ローラ83が弾性部材87の弾性力に抗して上方へ押し上げられる。
ドライバ3が更に前方へ移動し、図11に示す伝達位置に達すると、図12に示すように、下方へ移動されたリング部材5の内周係合部53の一部がフライホイール4の係合溝47に進入して、係合溝47の開口端に当接し、リング部材5は、それ以上下方への移動が禁止された状態となる。このとき、リング部材5は、ストッパ66から離間した状態でリング付勢部60によって最下方位置で回転可能に支持されており、内周係合部53の一部のみがフライホイール4の上部に当接している。つまり、リング部材5は、保持機構6によって接触位置に保持されている。また、傾斜部302によって押圧ローラ83が押し上げられることで圧縮された弾性部材87の弾性力により、リング部材5は、ドライバ3を介してフライホイール4に対して押し付けられている。このため、ドライバ3の係合溝308の開口端において、ドライバ3とリング部材5の外周係合部51の一部が摩擦係合状態に置かれるとともに、フライホイール4の係合溝47の開口端において、フライホイール4とリング部材5の内周係合部53の一部が摩擦係合状態に置かれる。
このように、リング部材5がドライバ3およびフライホイール4と摩擦係合状態に置かれることで、ドライバ3は、リング部材5を介してフライホイール4の回転エネルギを受けることが可能な伝達可能状態となる。なお、「摩擦係合状態」とは、2つの部材が互いに摩擦力によって係合した状態(滑り状態を含む)をいう。リング部材5は、リング部材5の内周係合部53のうち、ドライバ3によってフライホイール4に押し付けられた部分のみがフライホイール4と摩擦係合した状態で、フライホイール4によって回転軸A2周りに回転される。なお、本実施形態では、図11に示すように、リング部材5はフライホイール4よりも大径に形成されており、リング部材5の内径はフライホイール4の外径(厳密には、フライホイール4の回転軸A1から係合溝47の底部までの径)よりも大きい。このため、リング部材5の回転軸A2は、フライホイール4の回転軸A1とは異なっており、回転軸A1よりも下方(ドライバ3から離れる方向)に位置する。なお、回転軸A2は、回転軸A1に対して平行に延在する。リング部材5は、リング部材5と摩擦係合した状態のドライバ3を、図11に示す伝達位置から前方へ向けて押し出す。
ドライバ3が伝達位置から前方へ押し出され、図13に示すように、押圧ローラ83が、ローラ当接部301のうち傾斜部302の後側部分の当接面に当接すると、押圧ローラ83は最上方位置まで押し上げられ、弾性部材87の弾性力により、リング部材5は、ドライバ3を介してフライホイール4に対して更に押し付けられる。よって、ドライバ3と外周係合部51の一部、および、フライホイール4と内周係合部53の一部は、より強固に摩擦係合した状態となる。これにより、リング部材5は、より効率的にフライホイール4の回転エネルギをドライバ3に伝達することができる。なお、図13は、ドライバ3が釘101(図1参照)を打撃する打撃位置に配置された状態を示している。なお、コントローラ18は、第1制御処理のS36(図9参照)においてソレノイド715を作動させた後、ドライバ3が打撃位置まで到達するのに必要な所定時間が経過すると、ソレノイド715への電流供給を停止することで、押出しレバー711を初期位置に戻す。
ドライバ3は、打撃位置に達して釘101を打撃し、更に、図2に示す打込み位置まで移動して、釘101を被加工物100に打ち込む。ドライバ3のアーム部35の前端が前方ストッパ部117に後方から当接することで、ドライバ3の移動が停止される。これに伴い、戻し機構(図示せず)が作動して、ドライバ3を初期位置に復帰させる。
図9に示すように、コントローラ18は、S36でソレノイド715を作動させた後、トリガスイッチ141がオフ状態とされたか否かの判断処理に戻る(S32)。この間、モータ2の駆動は継続されている。トリガスイッチ141がオフ状態とされると(S32:YES)、コントローラ18は、上述のように、コンタクトアームスイッチ131およびトリガスイッチ141がオン状態とされたか否かの判断処理に戻る(S33〜S35)。所定時間が経過する前に、使用者が改めて打込み動作の開始指示操作を行い、コンタクトアームスイッチ131およびトリガスイッチ141がオン状態とされると、コントローラ18はソレノイド715を作動させ、ドライバ3に打込み動作を行わせる(S33:NO、S34:YES、S35:YES、S36)。なお、前回の打込み動作によって、一旦、フライホイール4に蓄積された回転エネルギは減少するものの、上述のように、次の打込み動作の開始指示操作までモータ2の駆動が継続され、フライホイール4には回転エネルギが蓄積されている。このため、コントローラ18は、モータ2の起動後、2回目以降の打込み動作の開始指示操作についても、実質的に直ちにソレノイド715を作動させることができる。
トリガスイッチ141がオフ状態とされた後、所定時間が経過すると(S33:YES)、コントローラ18は、モータ2の通電を中止することで、モータ2の駆動を停止する(S37)。これに伴い、フライホイール4の回転が停止する。コントローラ18は、第1制御処理を終了して打込み制御処理(図8参照)に戻り、トリガスイッチ141またはコンタクトアームスイッチ131がオン状態とされるまで待機する(S1〜S2)。
以下、第2制御処理について説明する。なお、モータ2の駆動およびソレノイド715の作動によるドライバ駆動機構400およびドライバ3の動作自体は、基本的に第1制御処理と同様であるため、以下では、コントローラ18(詳細にはCPU)の動作を主として説明する。図10に示すように、第2制御処理に移行すると、コントローラ18はまず、モータ2の起動指示の入力に応じて、モータ2の駆動を開始する(S41)。コントローラ18は、トリガスイッチ141がオフ状態、且つ、コンタクトアームスイッチ131がオン状態の間は、何れかのスイッチが切り替えられるまで待機する(S42:NO、S43:NO)。
コンタクトアームスイッチ131は既にオン状態とされているため、トリガスイッチ141がオン状態とされた場合(S42:YES)、コントローラ18は、打込み動作の開始指示が入力されたと認識し、ソレノイド715を作動させる(S44)。なお、第2制御処理では、コンタクトアーム13の被加工物への押し付け操作とトリガ140の引き操作とがほぼ同時に続けて行われた場合には、フライホイール4に十分な回転エネルギが蓄積されていない場合がありうる。この場合には、コントローラ18は、十分な回転エネルギが蓄積された後でソレノイド715を作動させる。第2制御処理と同様、コントローラ18は、ドライバ3が打撃位置まで到達するのに必要な所定時間が経過すると、ソレノイド715への電流供給を停止する。
コントローラ18は、ソレノイド715を作動させた後、コンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされるまで待機する(S45:NO)。つまり、コントローラ18は、コンタクトアーム13の押し付け操作が一旦解除されない限り、処理を進めない。コンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされると(S45:YES)、コントローラ18は、コンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされてから所定時間を経過したか否か判断する(S46)。モータ2の駆動開始後に、トリガスイッチ141がオフ状態のままコンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされた場合も(S42:NO、S43:YES)、コントローラ18は、S46の処理に移行する。コントローラ18は、所定時間が経過しておらず、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされない間は待機する(S46:NO、S47:NO)。なお、S46で使用される所定時間は、第1制御処理と同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、所定時間の一例として、第1制御処理と同じ5秒が採用されている。
所定時間が経過する前に、コンタクトアームスイッチ131が再びオン状態とされた場合(S46:NO、S47:YES)、コントローラ18は、トリガスイッチ141がオン状態とされたか否かの判断に戻る(S42)。トリガスイッチ141がオン状態とされた場合には、コントローラ18は、打込み動作の開始指示が入力されたと認識し、再びソレノイド715を作動させ、ドライバ3に打込み動作を行わせる(S42:YES、S44)。なお、上述のように、前回の打込み動作時からモータ2の駆動が継続されており、十分な回転エネルギが蓄積されているため、トリガスイッチ141がオン状態とされるとソレノイド715は実質的に直ちに作動される。
一方、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされないまま、所定時間が経過すると(S47:NO、S46:YES)、コントローラ18は、モータ2の駆動を停止する(S48)。コントローラ18は、第2制御処理を終了して打込み制御処理(図8参照)に戻り、トリガスイッチ141またはコンタクトアームスイッチ131がオン状態とされるまで待機する(S1〜S2)。
以上に説明したように、本実施形態における第1制御処理は、モータ2の非駆動時にトリガスイッチ141がオン状態とされると(つまり、使用者がトリガ140を引き操作すると)開始される。そして、モータ2の駆動が開始された後、コンタクトアームスイッチ131、トリガスイッチ141が順にオン状態とされると(つまり、使用者が、コンタクトアーム13の押し付け操作とトリガ140の引き操作を順に行うと)、ソレノイド715が作動され、ドライバ3による打込み動作が行われる。よって、使用者は、予めトリガ140を引き操作してモータ2の駆動を開始させておくことで、その後、釘101を打込む位置を特定し、コンタクトアーム13の押し付け操作とトリガ140の引き操作(打込み動作の開始指示操作)を完了するまでに、フライホイール4に十分な回転エネルギを蓄積させておくことができる。よって、釘打ち機1は、打込み動作の開始指示操作の完了後、速やかにドライバ3の打込み動作を開始することができる。特に、打込み動作の開始指示操作として、コンタクトアーム13の押し付け操作とトリガ140の引き操作とがほぼ同時に行われた場合であっても、速やかに打込み動作を開始することができる。つまり、打込み動作の開始指示操作に対するドライバ3の打込み動作開始の応答性を向上させることができる。
また、一旦モータ2が駆動されると、打込み動作が行われた後も、トリガスイッチ141がオフ状態とされてから所定時間が経過するまで、モータ2の駆動が継続される。つまり、この間はフライホイール4に回転エネルギを蓄積する状態が維持される。よって、使用者は、この間に新たに打込み動作の開始指示操作を行うことで、速やかに2回目以降の打込み動作を開始させることができる。つまり、使用者は、短期間で複数回の打込み動作を連続して行うことができる。
一方、本実施形態における第2制御処理は、モータ2の非駆動時にコンタクトアームスイッチ131がオン状態とされると(つまり、使用者がコンタクトアーム13の押し付け操作をすると)開始される。そして、モータ2の駆動が開始された後、トリガスイッチ141がオン状態とされると(つまり、使用者がトリガ140の引き操作を行うと)、ソレノイド715が作動され、ドライバ3による打込み動作が行われる。また、一旦モータ2が駆動されると、打込み動作が行われた後も、コンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされてから所定時間が経過するまで、モータ2の駆動が継続される。よって、第2制御処理によれば、フライホイール4の回転エネルギの蓄積状況によっては、1回目の打込み動作の開始は第1制御処理と比べて若干遅くなるものの、2回目以降の打込み動作の開始指示がモータ2の駆動継続中に行われる場合には、第1制御処理と同様、打込み動作の開始指示操作に対するドライバ3の打込み動作開始の応答性を向上させることができる。
本実施形態では、上述のように、モータ2の起動指示が、トリガスイッチ141およびコンタクトアームスイッチ131から入力可能であって、夫々に対応する第1制御処理と第2制御処理においてモータ2やソレノイド715の制御が行われる。このように、モータ2の起動指示および打込み動作の開始指示の多様化により、釘打ち機1の利便性が高められている。使用者は、予めトリガ140を引き操作してモータ2の駆動を開始させた後、コンタクトアーム13の押し付け操作とトリガ140の引き操作を行ってもよいし、コンタクトアーム13の押し付け操作によってモータ2の駆動を開始させ、続けてトリガ140の引き操作を行ってもよい。
また、本実施形態では、1つのトリガスイッチ141が、モータ2の起動指示の入力のためのスイッチと、打込み動作の開始指示の入力のためのスイッチとして兼用されている。よって、使用者は、モータ2の起動指示操作と、打込み動作の開始指示操作とを、同じ部材であるトリガ140の引き操作によって容易に実現することができる。また、釘打ち機1の部品点数の増加を回避することができる。また、本実施形態では、コントローラ18が、モータ2の非駆動時にトリガスイッチ141がオン状態とされた場合には、モータ2の駆動開始指示が入力されたと判断し、モータ2の駆動時に、コンタクトアームスイッチ131の後でトリガスイッチ141がオン状態とされた場合には、打込み動作の開始指示が入力されたと判断することで、夫々の場合に応じた適切な制御を実現している。
[第2実施形態]
以下、図14〜図18を参照して、第2実施形態に係る釘打ち機1Aについて説明する。なお、本実施形態の釘打ち機1Aの構成は、照明ユニット113を更に備える点において、第1実施形態の釘打ち機1とは異なっている。また、釘打ち機1Aのコントローラ18によって実行される打込み制御処理の内容は、第1実施形態における打込み制御処理の内容と一部が異なっている。以下では、第1実施形態と同一の構成および処理の内容については、図示および説明を省略または簡略化し、主に異なる構成および処理の内容について図を参照して説明する。
以下、図14〜図18を参照して、第2実施形態に係る釘打ち機1Aについて説明する。なお、本実施形態の釘打ち機1Aの構成は、照明ユニット113を更に備える点において、第1実施形態の釘打ち機1とは異なっている。また、釘打ち機1Aのコントローラ18によって実行される打込み制御処理の内容は、第1実施形態における打込み制御処理の内容と一部が異なっている。以下では、第1実施形態と同一の構成および処理の内容については、図示および説明を省略または簡略化し、主に異なる構成および処理の内容について図を参照して説明する。
まず、照明ユニット113について説明する。図14に示すように、釘打ち機1Aは、本体ハウジング11の前端部に設けられた照明ユニット113を備えている。詳細な図示は省略するが、本実施形態の照明ユニット113は、光源としての発光ダイオード(LED)114(図15参照)と、LEDを収容する透光材料製(透明樹脂、ガラス等)のケースを主体として構成されている。照明ユニット113は、LED114が発する光が射出口123の近傍領域(言い換えると、釘101が打込まれる場所を含む領域)を照らすように、光の照射方向が設定されている。
図15に示すように、照明ユニット113のLED114は、コントローラ18に電気的に接続されている。処理の詳細な説明は省略するが、本実施形態では、コントローラ18は、モータ2の起動指示の入力に応じて、モータ2の駆動開始と同時にLED114を点灯し、モータ2の起動指示に用いられたトリガスイッチ141またはコンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされた後、所定時間が経過すると、LED114を消灯する。なお、LED114を消灯するまでの所定時間は、例えば、モータ2の駆動停止までの所定時間と同じであってもよいし、モータ2の駆動停止までの所定時間よりも長くてもよい。
以下、本実施形態における打込み制御処理について説明する。なお、モータ2の駆動およびソレノイド715の作動によるドライバ駆動機構400およびドライバ3の動作自体は、基本的に第1実施形態で説明した通りであるため、以下では、コントローラ18(詳細にはCPU)の動作を主として説明する。
図16に示すように、本実施形態の打込み制御処理では、第1実施形態の打込み制御処理と同様、コントローラ18は、トリガスイッチ141およびコンタクトアームスイッチ131の何れもオフ状態の間は待機する(S101:NO、S102:NO)。コントローラ18は、トリガスイッチ141がオン状態とされた場合(S101:YES)、第1実施形態とは異なり、モータ2の駆動を開始することなく、トリガスイッチ141がオフ状態とされるまで待機する(S102:NO)。コントローラ18は、トリガスイッチ141がオフ状態とされた場合(S102:YES)、つまり、モータ2が駆動されていない状態で、トリガスイッチ141がオン状態とされた後にオフ状態とされた場合(使用者によるトリガ140の引き操作の後、引き操作が解除された場合)、これをモータ2の起動指示(駆動開始指示)の入力として認識し、後述の第1制御処理に移行する(S300および図17)。一方、コントローラ18は、トリガスイッチ141がオフ状態で、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされた場合(S101:NO、S201:YES)、後述の第2制御処理に移行する(S400および図18)。
以下、第1制御処理について説明する。図17に示すように、第1制御処理に移行すると、コントローラ18はまず、モータ2の起動指示の入力に応じて、モータ2の駆動を開始する(S301)。これにより、フライホイール4も回転駆動され、回転エネルギの蓄積を開始する。また、上述のように、トリガスイッチ141およびコンタクトアームスイッチ131は何れもオフ状態である。コントローラ18は、トリガスイッチ141がオフ状態とされてから所定時間が経過したか否かを判断する(S303)。なお、ここで用いられる所定時間は特に限定されるものではないが、本実施形態では、第1実施形態のS33と同様、5秒が採用されている。
コントローラ18は、所定時間が経過せず、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされない間は待機する(S303:NO、S304:NO)。この間もモータ2の駆動は継続される。コンタクトアームスイッチ131がオフ状態のまま、所定時間が経過した場合には(S304:NO、S303:YES)、コントローラ18はモータ2の駆動を停止し(S310)、第1制御処理を終了して打込み制御処理(図16参照)に戻る。
所定時間が経過する前にコンタクトアームスイッチ131がオン状態とされたものの、トリガスイッチ141がオフ状態の場合(S303:NO、S304:YES、S305:NO)、コントローラ18は、所定時間が経過するまで監視を継続する。この間もモータ2の駆動は継続される。トリガスイッチ141がオフ状態のまま、所定時間が経過した場合には(S305:NO、S303:YES)、コントローラ18はモータ2の駆動を停止し(S310)、第1制御処理を終了する。なお、ここまでで説明したS303〜S305、S310の処理は、第1実施形態のS33〜S35、S37の処理と実質的に同じである。
所定時間が経過する前に、コンタクトアームスイッチ131がオン状態とされ、更に、トリガスイッチ141がオン状態とされた場合(S303:NO、S304:YES、S305:YES)、打込み動作の開始指示が入力されたことを意味する。コントローラ18は、フライホイール4に十分な回転エネルギが蓄積されていると判断した場合には直ちに、そうでなければ十分な回転エネルギが蓄積された後、モータ2への通電を中止することで、モータ2の駆動を停止する(S306)。なお、モータ2の駆動が停止されても、フライホイール4およびモータ2のロータは慣性で回転を継続する。コントローラ18は、ソレノイド715に通電して作動させ(S307)、ドライバ3に打込み動作を行わせる。ドライバ3が打込み位置に到達すると、戻し機構(図示せず)が作動して、ドライバ3を初期位置に復帰させる。
なお、モータ2の駆動停止(S306)とソレノイド715の作動(S307)は、実質的に同じタイミングで行われてもよいし、ソレノイド715の作動が若干遅れて行われてもよい。コントローラ18は、ドライバ3が打撃位置まで到達するのに必要な所定時間が経過すると、ソレノイド715への電流供給を停止する。更に、コントローラ18は、モータ2の駆動を再開する(S308)。なお、モータ2の駆動停止(S306)から駆動再開(S308)までの時間(以下、休止時間ともいう)は、例えば、ソレノイド715が作動され、ドライバ3が打込み位置まで移動して釘101の打込みを完了するのに要する時間に応じて設定されればよい。なお、ドライバ3が打込み位置まで移動して釘101の打込みを完了するのに要する時間は、非常に短い時間である。本実施形態では、一例として、休止時間は、30ミリ秒とされている。
コントローラ18は、S308でモータ2の駆動を再開した後、トリガスイッチ141がオフ状態とされるまで待機する(S309:NO)。使用者によってトリガ140の引き操作が解除され、トリガスイッチ141がオフ状態とされると(S309:YES)、コントローラ18は、S303に戻り、トリガスイッチ141がオフ状態とされてから所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過する前に、使用者が改めて打込み動作の開始指示操作を行った場合には、上述のようにドライバ3による打込み動作が行われる(S303:NO、S304〜S308)。トリガスイッチ141がオフ状態とされた後、所定時間が経過すると、コントローラ18は、モータ2の駆動を停止し(S303:YES、S310)、第1制御処理を終了して打込み制御処理(図16参照)に戻る。
以下、第2制御処理について説明する。図18に示すように、第2制御処理に移行すると、コントローラ18はまず、モータ2の起動指示の入力に応じて、モータ2の駆動を開始する(S401)。コントローラ18は、トリガスイッチ141がオフ状態、且つ、コンタクトアームスイッチ131がオン状態の間は、何れかのスイッチが切り替えられるまで待機する(S402:NO、S403:NO)。コンタクトアームスイッチ131は既にオン状態とされているため、トリガスイッチ141がオン状態とされた場合(S402:YES)、打込み動作の開始指示が入力されたことを意味する。コントローラ18は、フライホイール4に十分な回転エネルギが蓄積されていると判断した場合には直ちに、そうでなければ十分な回転エネルギが蓄積された後、モータ2の駆動を停止する(S404)。コントローラ18は、ソレノイド715に通電して作動させ(S405)、ドライバ3に打込み動作を行わせる。コントローラ18は、ソレノイド715への電流供給を停止した後、モータ2の駆動を再開する(S406)。なお、S404〜S406の処理は、第1制御処理のS306〜S308の処理と同じである。つまり、第1、第2制御処理の何れにおいても、打込み動作の開始指示が入力されると、モータ2の休止時間内にドライバ3によって非加工材に釘101が打ち込まれる。
コントローラ18は、S406でモータ2の駆動を再開させた後、コンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされるまで待機する(S407:NO)。使用者によってコンタクトアーム13の押し付け操作が一旦解除され、コンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされると(S407:YES)、コントローラ18は、コンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされてから所定時間を経過したか否か判断する(S408)。モータ2の駆動開始後に、トリガスイッチ141がオフ状態のままコンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされた場合も(S402:NO、S403:YES)、コントローラ18は、S408の処理に移行する。コントローラ18は、所定時間が経過しておらず、コンタクトアームスイッチ131が再びオン状態とされない間は待機する(S408:NO、S409:NO)。
所定時間が経過する前に、コンタクトアームスイッチ131が再びオン状態とされた場合(S408:NO、S409:YES)、コントローラ18は、トリガスイッチ141がオン状態とされたか否かの判断に戻る(S402)。トリガスイッチ141がオン状態とされた場合には、コントローラ18は、改めて打込み動作の開始指示が入力されたと認識し、上述のようにドライバ3による打込み動作が行われる(S402:YES、S404〜406)。コンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされた後、所定時間が経過すると、コントローラ18は、モータ2の駆動を停止し(S407:YES、S408:YES、S410)、第2制御処理を終了して打込み制御処理(図16参照)に戻る。
以上に説明したように、本実施形態における第1制御処理でも、第1実施形態における第1制御処理と同様、使用者は、予めモータ2の起動指示操作によってモータ2の駆動を開始させておくことで、打込み動作の開始指示操作を完了するまでにフライホイール4に十分な回転エネルギを蓄積させておくことができる。よって、釘打ち機1Aは、打込み動作の開始指示操作の完了後、速やかにドライバ3の打込み動作を開始することができる。
また、第1実施形態では、モータ2の非駆動時にトリガスイッチ141がオン状態とされるだけでモータ2の駆動が開始されたのに対し、本実施形態(第2実施形態)では、モータ2の非駆動時にトリガスイッチ141が一旦オン状態とされた後にオフ状態とされてはじめて、モータ2の駆動が開始される。言い換えると、第1実施形態では、使用者によるトリガ140の引き操作のみがモータ2の起動指示操作であるのに対し、本実施形態では、使用者によるトリガ140の引き操作およびその解除がモータ2の起動指示操作とされている。何れの実施形態においても、モータ2の駆動が開始された後、コンタクトアームスイッチ131とトリガスイッチ141が順にオン状態とされたことを条件として、ドライバ3による打込み動作が行われる。つまり、打込み動作の開始指示操作として、使用者によるコンタクトアーム13の押し付け操作とトリガ140の引き操作がこの順番で行われない限り、ドライバ3による打込み動作は行われない。
一方で、コンタクトアーム13の押し付け操作とトリガ140の引き操作が両方とも行われれば、その順番にかかわらず、打込み動作を行う打込み機も知られている。よって、例えば、使用者が、第1実施形態の釘打ち機1において要求されるコンタクトアーム13とトリガ140の操作順を認識していない場合には、トリガ140の引き操作のみに応じてモータ2の駆動が開始されると、使用者は、トリガ140を引いたままコンタクトアーム13を被加工物に対して押し付けることで打込み動作を開始できるものと誤認する可能性がなくもない。このような場合、使用者は、コンタクトアーム13を被加工物に押し付けても打込み動作が行われないことで混乱する可能性がある。これに対し、本実施形態では、使用者が一旦トリガ140の引き操作を解除しない限り、モータ2の駆動が開始されない。よって、本実施形態の釘打ち機1Aによれば、使用者は、コンタクトアーム13を被加工物に押し付ける時点で、コンタクトアーム13を被加工物に押し付けた後にトリガ140を引き操作する必要があると容易に理解することができる。このように、釘打ち機1Aは、優れた操作性を発揮することができる。
また、本実施形態では、第1制御処理および第2制御処理の何れにおいても、打込み動作の開始指示操作が行われ、コンタクトアームスイッチ131とトリガスイッチ141が順にオン状態とされた後、フライホイール4に十分な回転エネルギが蓄積された時点でモータ2の駆動が一旦停止され、予め定められた休止時間の経過後にモータ2の駆動が再開される。そして、モータ2の休止時間内にドライバ3による打込み動作が行われる。これにより、ドライバ3による打込み動作中に、特に、ドライバ3が釘101を打撃して被加工物100に打ち込むときに、モータ2の回転速度が急激に低下することでモータ2に負荷がかかるのを抑制し、モータ2の保護を図ることができる。なお、モータ2の駆動が休止されても、フライホイール4は慣性で回転を継続するため、ドライバ3は、リング部材5を介して伝達されたフライホイール4の回転エネルギによって釘101を打込むことができる。
また、モータ2の駆動が再開された後、モータ2の駆動開始の契機とされたトリガスイッチ141またはコンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされた場合でも、所定時間が経過するまではモータ2の駆動が継続される。よって、第1実施形態と同様、この間はフライホイール4に回転エネルギを蓄積する状態が維持されるため、使用者は、この間に新たに打込み動作の開始指示操作を行うことで、速やかに2回目以降の打込み動作を開始させることができる。このほか、第1実施形態と同様の構成および処理により、第1実施形態と同様の効果が得られる点は言うまでもない。
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る打込み工具は、例示された釘打ち機1、1Aの構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す釘打ち機1、1A、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
打ち込み工具は、釘101以外の打込み材を打出す工具であってもよい。例えば、鋲、ピン、ステープル等を打出すタッカ、ステープルガンとして具現化されてもよい。また、フライホイール4の駆動源は、特にモータ2に限定されない。例えば、直流モータに代えて交流モータが採用されてもよい。
上記実施形態では、トリガスイッチ141およびコンタクトアームスイッチ131は何れもモータ2の起動スイッチとして機能するように構成されており、何れか一方がオン状態とされるとモータ2が駆動される。しかしながら、例えば、トリガスイッチ141のみがモータ2の起動スイッチとして構成されていてもよい。この場合、打込み制御処理(図8、図16参照)においてS2、S201およびS4、S400(第2制御処理)は省略される。コントローラ18は、トリガスイッチ141がオン状態とされるまで待機し、第1制御処理(図9、図17参照)のみを実行すればよい。
モータ2の起動スイッチは、トリガ140ではなく、個別のスイッチとして構成されていてもよい。この場合、起動スイッチは、一連の打込み動作の開始指示操作のうち、先に操作されるコンタクトアーム13によって起動されるコンタクトアームスイッチ131以外のスイッチであることが好ましい。例えば、起動スイッチは、使用者による外部操作が可能に本体ハウジング11またはハンドル14に設けられていてもよい。
モータ2の駆動が停止されるタイミングは、上記実施形態で例示されたタイミングに限られない。例えば、第1制御処理(図9、図17参照)および第2制御処理(図10、図18参照)では、夫々、トリガスイッチ141およびコンタクトアームスイッチ131(つまり、モータ2の駆動開始の契機とされたスイッチ、またはモータ2の駆動開始の指示が入力されたスイッチ)がオフ状態とされた時点から所定時間が経過した時点で、モータ2の駆動が停止されている。しかしながら、何れの場合も、ソレノイド715が作動されてから所定時間が経過した時点で、モータ2の駆動が停止されてもよいし、モータ2の駆動開始から所定時間が経過した時点で、モータ2の駆動が停止されてもよい。これらの場合、コントローラ18は、図9のS33、図17のS303、図10のS46、図18のS408において、ソレノイド715を作動させた時点(S36、S307、S44、S405)、またはモータ2の駆動を開始した時点(S31、S301、S41、S401)から計時された経過時間が、所定時間を超えたか否かを判断すればよい。なお、この場合の所定時間は、上記実施形態で例示された5秒とは異なる時間が適宜設定されてもよい。また、トリガスイッチ141またはコンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされた後にモータ2の駆動が継続される時間を確実に確保するために、コントローラ18は、トリガスイッチ141またはコンタクトアームスイッチ131がオフ状態とされてから第1の所定時間が経過し、且つ、ソレノイド715の作動またはモータ2の駆動開始から第2の所定時間が経過したか否かを判断することが好ましい。
上記実施形態では、コントローラ18は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータにて構成される例が挙げられているが、コントローラ(制御回路)は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプログラマブル・ロジック・デバイスで構成されていてもよい。また、上記実施形態の打込み制御処理は、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現されればよい。この場合、プログラムは、コントローラ18のROMに予め記憶されていてもよいし、コントローラ18が不揮発性メモリを含む場合は不揮発性メモリに記憶されていてもよい。あるいは、プログラムは、データを読み取り可能な外部の記憶媒体(例えば、USBメモリ)に記録されていてもよい。上記実施形態および変形例の打込み制御処理は、複数の制御回路で分散処理されてもよい。
ドライバ3の形状や、ドライバ3を駆動するドライバ駆動機構400の構成は、適宜、変更可能である。例えば、ドライバ3のローラ当接部301において、傾斜部302は、側面視で全体が直線状に形成されていてもよいし、少なくとも一部が緩やかな円弧状に形成されていてもよい。つまり、傾斜部302の上面(押圧ローラ83との当接面)は、全体が平面であってもよいし、全体が湾曲面であってもよいし、一部が平面で一部が湾曲面であってもよい。また、傾斜部302の傾斜度合いは途中で変化していてもよい。傾斜部302はより長く設けられてもよいし、ローラ当接部301は、後方に向けて厚みが漸増する傾斜部を複数含んでいてもよい。また、ドライバ駆動機構400に代えて、ドライバ3をフライホイール4に摩擦係合させることで、リング部材5を介することなく、フライホイール4からドライバ3に直接回転エネルギを伝達するように構成された駆動機構が採用されてもよい。また、フライホイール4の回転エネルギは、リング部材5以外の伝達部材(例えば、中間ローラ)を介してドライバ3に伝達されてもよい。
リング部材5と、ドライバ3およびフライホイール4との係合態様は、上記実施形態で例示された態様には限られない。例えば、リング部材5の数と、リング部材5に対応するドライバ3の係合溝308およびフライホイール4の係合溝47の数は、1であってもよいし、3以上であってもよい。また、例えば、外周係合部51および内周係合部53、並びに対応する係合溝308および係合溝47の形状、配置、数、係合位置等は、適宜変更が可能である。保持機構6のリング付勢部60およびストッパ66の構成は、何れも適宜変更可能である。
作動機構7は、ドライバ3を、初期位置に配置された初期状態から、フライホイール4の回転エネルギの伝達が可能な状態に移行させることが可能に構成されていればよく、その構成は適宜変更可能である。例えば、作動機構7は、ドライバ3を伝達位置に向けて前方へ押し出すのではなく、初期位置に配置されたドライバ3をフライホイール4に向けて付勢することで、フライホイール4とドライバ3とを、直接的または間接的に(例えば、リング部材5を介して)摩擦係合させるように構成されていてもよい。
上記実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。釘打ち機1、1Aの各々は、本発明の「打込み工具」の一例である。釘101は、本発明の「打込み材」の一例である。射出口123は、本発明の「射出口」の一例である。モータ2は、本発明の「モータ」の一例である。フライホイール4は、本発明の「フライホイール」の一例である。ドライバ3は、本発明の「ドライバ」の一例である。動作線Lは、本発明の「動作線」の一例である。作動機構7は、本発明の「作動機構」の一例である。トリガスイッチ141は、本発明の「起動スイッチ」の一例である。コンタクトアーム13、コンタクトアームスイッチ131は、夫々、本発明の「コンタクトアーム」、「コンタクトアームスイッチの一例である。トリガ140、トリガスイッチ141は、夫々、本発明の「トリガ」、「トリガスイッチ」の一例である。コントローラ18(CPU)は、本発明の「コントローラ」の一例である。
更に、本発明および上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の構成(態様)が構築される。以下の構成のうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、独立して、または実施形態およびその変形例に示す釘打ち機1、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
打込み材を射出口から射出し、前記打込み材を被加工物に打ち込むように構成された打込み工具であって、
モータと、
前記モータによって回転駆動されるフライホイールと、
前記フライホイールの外周に対向するように配置され、前記フライホイールから伝達された回転エネルギによって、前記打込み工具の前後方向に延在する動作線に沿って、初期位置から直線状に前方へ移動することで、前記打込み材を前記被加工物に打込む打込み動作を行うように構成されたドライバと、
前記ドライバを、前記初期位置に配置された初期状態から、前記回転エネルギの伝達が可能な伝達可能状態に移行させるように構成された作動機構と、
前記射出口の近傍に前記前後方向に移動可能に配置され、使用者による前記被加工物に対する押し付けに応じて後方へ移動するように構成されたコンタクトアームと、
前記コンタクトアームの後方への移動に応じてオン状態とされるように構成されたコンタクトアームスイッチと、
前記使用者による引き操作が可能に構成されたトリガと、
前記トリガの引き操作に応じてオン状態とされるように構成されたトリガスイッチと、
前記モータおよび前記作動機構の動作を制御するように構成されたコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記コンタクトアームスイッチがオン状態とされた場合に前記モータの駆動を開始し、その後で前記トリガスイッチがオン状態とされたことを条件として、前記作動機構を作動させることで、前記ドライバに前記打込み動作を行わせるように構成されるとともに、前記コンタクトアームスイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘って前記モータの駆動を継続するように構成されていることを特徴とする打込み工具。
[態様2]
前記トリガスイッチは、常時には初期位置に配置されてオフ状態で維持される一方、前記トリガの引き操作に応じて所定のオン位置に配置されている間は前記オン状態とされるように構成され、
前記コントローラは、前記トリガスイッチが前記オン状態から前記オフ状態とされてから所定期間に亘って、前記モータの駆動を継続してもよい。
[態様3]
前記コンタクトアームスイッチは、常時には初期位置に配置されてオフ状態で維持される一方、前記コンタクトアームの後方への移動に応じて所定のオン位置に配置されている間は前記オン状態とされるように構成され、
前記コントローラは、前記コンタクトアームスイッチが前記オン状態から前記オフ状態とされてから所定期間に亘って、前記モータの駆動を継続してもよい。
[態様4]
前記打込み工具は、前記フライホイールの前記回転エネルギを前記ドライバに伝達可能に構成されたリング部材を更に備え、
前記作動機構は、前記初期位置から、前記初期位置よりも前方の伝達位置へ前記ドライバを移動させることで、前記ドライバを前記初期状態から前記伝達可能状態に移行させるように構成されており、
前記リング部材は、前記ドライバが前記初期位置に配置されている場合には、前記外周に対して遊嵌状に配置されており、
前記リング部材は、前記作動機構によって前記ドライバが前記伝達位置に移動された場合に、前記ドライバおよび前記フライホイールと摩擦係合し、前記フライホイールによって、前記フライホイールの回転軸とは異なる回転軸周りに回転され、前記回転エネルギを前記ドライバに伝達することで、前記ドライバを前記伝達位置から前方へ押し出すように構成されていてもよい。
なお、リング部材5は、本態様における「リング部材」の一例である。
[態様5]
前記打込み工具は、前記リング部材を、前記フライホイールの前記外周から離間した離間位置と、前記外周に一部が接触する接触位置の間で移動可能に保持する保持機構を更に備え、
前記保持機構は、
前記ドライバが前記初期位置に配置されている場合には、前記リング部材を前記離間位置で保持し、且つ、
前記ドライバ移動機構によって前記ドライバが前記伝達位置に移動された場合に、前記ドライバの移動に応じて移動された前記リング部材を前記接触位置で保持してもよい。
なお、保持機構6は、本態様における「保持機構」に対応する構成例である。
[態様6]
前記打込み工具は、前記フライホイールと前記ドライバとの対向方向において、前記フライホイールとは反対側で前記ドライバに対向するように配置され、前記ドライバが前方へ移動する過程で、前記フライホイールに近づく方向に前記ドライバを押圧することで、前記ドライバへの前記回転エネルギの伝達を可能とするように構成された押圧ローラを更に備えてもよい。
なお、押圧ローラ83は、本態様における「押圧ローラ」の一例である。
[態様7]
前記ドライバは、前記ドライバが前記伝達位置から前記打込み材を前記被加工物に打込む打込み位置へ移動する際、前記押圧ローラに当接する当接面を有し、
前記ドライバのうち、前記前後方向において前記当接面に対応する領域の少なくとも一部は、前記対向方向における厚みが後方に向けて漸増するように形成されていてもよい。
なお、ローラ当接部301の上面は、本態様における「当接面」に対応する構成例である。
[態様1]
打込み材を射出口から射出し、前記打込み材を被加工物に打ち込むように構成された打込み工具であって、
モータと、
前記モータによって回転駆動されるフライホイールと、
前記フライホイールの外周に対向するように配置され、前記フライホイールから伝達された回転エネルギによって、前記打込み工具の前後方向に延在する動作線に沿って、初期位置から直線状に前方へ移動することで、前記打込み材を前記被加工物に打込む打込み動作を行うように構成されたドライバと、
前記ドライバを、前記初期位置に配置された初期状態から、前記回転エネルギの伝達が可能な伝達可能状態に移行させるように構成された作動機構と、
前記射出口の近傍に前記前後方向に移動可能に配置され、使用者による前記被加工物に対する押し付けに応じて後方へ移動するように構成されたコンタクトアームと、
前記コンタクトアームの後方への移動に応じてオン状態とされるように構成されたコンタクトアームスイッチと、
前記使用者による引き操作が可能に構成されたトリガと、
前記トリガの引き操作に応じてオン状態とされるように構成されたトリガスイッチと、
前記モータおよび前記作動機構の動作を制御するように構成されたコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記コンタクトアームスイッチがオン状態とされた場合に前記モータの駆動を開始し、その後で前記トリガスイッチがオン状態とされたことを条件として、前記作動機構を作動させることで、前記ドライバに前記打込み動作を行わせるように構成されるとともに、前記コンタクトアームスイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘って前記モータの駆動を継続するように構成されていることを特徴とする打込み工具。
[態様2]
前記トリガスイッチは、常時には初期位置に配置されてオフ状態で維持される一方、前記トリガの引き操作に応じて所定のオン位置に配置されている間は前記オン状態とされるように構成され、
前記コントローラは、前記トリガスイッチが前記オン状態から前記オフ状態とされてから所定期間に亘って、前記モータの駆動を継続してもよい。
[態様3]
前記コンタクトアームスイッチは、常時には初期位置に配置されてオフ状態で維持される一方、前記コンタクトアームの後方への移動に応じて所定のオン位置に配置されている間は前記オン状態とされるように構成され、
前記コントローラは、前記コンタクトアームスイッチが前記オン状態から前記オフ状態とされてから所定期間に亘って、前記モータの駆動を継続してもよい。
[態様4]
前記打込み工具は、前記フライホイールの前記回転エネルギを前記ドライバに伝達可能に構成されたリング部材を更に備え、
前記作動機構は、前記初期位置から、前記初期位置よりも前方の伝達位置へ前記ドライバを移動させることで、前記ドライバを前記初期状態から前記伝達可能状態に移行させるように構成されており、
前記リング部材は、前記ドライバが前記初期位置に配置されている場合には、前記外周に対して遊嵌状に配置されており、
前記リング部材は、前記作動機構によって前記ドライバが前記伝達位置に移動された場合に、前記ドライバおよび前記フライホイールと摩擦係合し、前記フライホイールによって、前記フライホイールの回転軸とは異なる回転軸周りに回転され、前記回転エネルギを前記ドライバに伝達することで、前記ドライバを前記伝達位置から前方へ押し出すように構成されていてもよい。
なお、リング部材5は、本態様における「リング部材」の一例である。
[態様5]
前記打込み工具は、前記リング部材を、前記フライホイールの前記外周から離間した離間位置と、前記外周に一部が接触する接触位置の間で移動可能に保持する保持機構を更に備え、
前記保持機構は、
前記ドライバが前記初期位置に配置されている場合には、前記リング部材を前記離間位置で保持し、且つ、
前記ドライバ移動機構によって前記ドライバが前記伝達位置に移動された場合に、前記ドライバの移動に応じて移動された前記リング部材を前記接触位置で保持してもよい。
なお、保持機構6は、本態様における「保持機構」に対応する構成例である。
[態様6]
前記打込み工具は、前記フライホイールと前記ドライバとの対向方向において、前記フライホイールとは反対側で前記ドライバに対向するように配置され、前記ドライバが前方へ移動する過程で、前記フライホイールに近づく方向に前記ドライバを押圧することで、前記ドライバへの前記回転エネルギの伝達を可能とするように構成された押圧ローラを更に備えてもよい。
なお、押圧ローラ83は、本態様における「押圧ローラ」の一例である。
[態様7]
前記ドライバは、前記ドライバが前記伝達位置から前記打込み材を前記被加工物に打込む打込み位置へ移動する際、前記押圧ローラに当接する当接面を有し、
前記ドライバのうち、前記前後方向において前記当接面に対応する領域の少なくとも一部は、前記対向方向における厚みが後方に向けて漸増するように形成されていてもよい。
なお、ローラ当接部301の上面は、本態様における「当接面」に対応する構成例である。
1、1A:釘打ち機
10:工具本体
11:本体ハウジング
113:照明ユニット
114:LED
117:前方ストッパ部
118:後方ストッパ部
12:ノーズ部
123:射出口
13:コンタクトアーム
131:コンタクトアームスイッチ
132:前端部
14:ハンドル
140:トリガ
141:トリガスイッチ
15:バッテリ装着部
17:マガジン
18:コントローラ
180:基板
19:バッテリ
2:モータ
21:プーリ
25:ベルト
201:三相インバータ
203:ホールセンサ
3:ドライバ
30:本体部
301:ローラ当接部
302:傾斜部
305:レバー当接部
306:リング係合部
307:傾斜部
308:係合溝
31:打撃部
310:前端
32:後端
35:アーム部
400:ドライバ駆動機構
4:フライホイール
41:プーリ
45:外周
47:係合溝
5:リング部材
51:外周係合部
53:内周係合部
6:保持機構
60:リング付勢部
66:ストッパ
7:作動機構
711:押出しレバー
713:引張コイルバネ
715:ソレノイド
8:押圧機構
81:ローラ支持部材
811:バネ保持部
813:バネ受け部
815:ローラ支持部
83:押圧ローラ
84:ローラシャフト
85:ホルダ
851:収容部
852:収容空間
853:バネ受け部
854:ストッパ部
87:弾性部材
9:コンタクトアームカバー
100:被加工物
101:釘
A1:回転軸
A2:回転軸
L:動作線
10:工具本体
11:本体ハウジング
113:照明ユニット
114:LED
117:前方ストッパ部
118:後方ストッパ部
12:ノーズ部
123:射出口
13:コンタクトアーム
131:コンタクトアームスイッチ
132:前端部
14:ハンドル
140:トリガ
141:トリガスイッチ
15:バッテリ装着部
17:マガジン
18:コントローラ
180:基板
19:バッテリ
2:モータ
21:プーリ
25:ベルト
201:三相インバータ
203:ホールセンサ
3:ドライバ
30:本体部
301:ローラ当接部
302:傾斜部
305:レバー当接部
306:リング係合部
307:傾斜部
308:係合溝
31:打撃部
310:前端
32:後端
35:アーム部
400:ドライバ駆動機構
4:フライホイール
41:プーリ
45:外周
47:係合溝
5:リング部材
51:外周係合部
53:内周係合部
6:保持機構
60:リング付勢部
66:ストッパ
7:作動機構
711:押出しレバー
713:引張コイルバネ
715:ソレノイド
8:押圧機構
81:ローラ支持部材
811:バネ保持部
813:バネ受け部
815:ローラ支持部
83:押圧ローラ
84:ローラシャフト
85:ホルダ
851:収容部
852:収容空間
853:バネ受け部
854:ストッパ部
87:弾性部材
9:コンタクトアームカバー
100:被加工物
101:釘
A1:回転軸
A2:回転軸
L:動作線
Claims (11)
- 打込み材を射出口から射出し、前記打込み材を被加工物に打ち込むように構成された打込み工具であって、
モータと、
前記モータによって回転駆動されるフライホイールと、
前記フライホイールの外周に対向するように配置され、前記フライホイールから伝達された回転エネルギによって、前記打込み工具の前後方向に延在する動作線に沿って、初期位置から直線状に前方へ移動することで、前記打込み材を前記被加工物に打込む打込み動作を行うように構成されたドライバと、
前記ドライバを、前記初期位置に配置された初期状態から、前記回転エネルギの伝達が可能な伝達可能状態に移行させるように構成された作動機構と、
前記モータの起動スイッチと、
前記射出口の近傍に前記前後方向に移動可能に配置され、使用者による前記被加工物に対する押し付けに応じて後方へ移動するように構成されたコンタクトアームと、
前記コンタクトアームの後方への移動に応じてオン状態とされるように構成されたコンタクトアームスイッチと、
前記使用者による引き操作が可能に構成されたトリガと、
前記トリガの引き操作に応じてオン状態とされるように構成されたトリガスイッチと、
前記モータおよび前記作動機構の動作を制御するように構成されたコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記起動スイッチがオン状態とされた場合に前記モータの駆動を開始するとともに、前記コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後で前記トリガスイッチがオン状態とされたことを条件として、前記作動機構を作動させることで、前記ドライバに前記打込み動作を行わせるように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項1に記載の打込み工具であって、
前記トリガスイッチが前記モータの前記起動スイッチを兼用するように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項2に記載の打込み工具であって、
前記コントローラは、
前記モータの非駆動中に前記トリガスイッチがオン状態とされた場合には、前記起動スイッチがオン状態とされたと判断して前記モータの駆動を開始し、
前記モータの駆動中であって、且つ、前記コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後で前記トリガスイッチがオン状態とされた場合には、前記作動機構を作動させるように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項1〜3の何れか1つに記載の打込み工具であって、
前記コントローラは、前記起動スイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘って前記モータの駆動を継続するように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 打込み材を射出口から射出し、前記打込み材を被加工物に打ち込むように構成された打込み工具であって、
モータと、
前記モータによって回転駆動されるフライホイールと、
前記フライホイールの外周に対向するように配置され、前記フライホイールから伝達された回転エネルギによって、前記打込み工具の前後方向に延在する動作線に沿って、初期位置から直線状に前方へ移動することで、前記打込み材を前記被加工物に打込む打込み動作を行うように構成されたドライバと、
前記ドライバを、前記初期位置に配置された初期状態から、前記回転エネルギの伝達が可能な伝達可能状態に移行させるように構成された作動機構と、
前記射出口の近傍に前記前後方向に移動可能に配置され、使用者による前記被加工物に対する押し付けに応じて後方へ移動するように構成されたコンタクトアームと、
前記コンタクトアームの後方への移動に応じてオン状態とされるように構成されたコンタクトアームスイッチと、
前記使用者による引き操作が可能に構成されたトリガと、
前記トリガの引き操作に応じてオン状態とされるように構成されたトリガスイッチと、
前記モータおよび前記作動機構の動作を制御するように構成されたコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記トリガスイッチがオン状態とされた後でオフ状態とされた場合に前記モータの駆動を開始するとともに、前記コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後で前記トリガスイッチがオン状態とされたことを条件として、前記作動機構を作動させることで、前記ドライバに前記打込み動作を行わせるように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項5に記載の打込み工具であって、
前記コントローラは、前記モータの駆動中に前記トリガスイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘って前記モータの駆動を継続するように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項1〜6の何れか1つに記載の打込み工具であって、
前記コントローラは、前記トリガスイッチがオフ状態にあって、且つ、前記モータの非駆動中に前記コンタクトアームスイッチがオン状態とされた場合にも、前記モータの駆動を開始するとともに、前記コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後で前記トリガスイッチがオン状態とされたことを条件として、前記作動機構を作動させることで、前記ドライバに前記打込み動作を行わせるように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項7に記載の打込み工具であって、
前記コントローラは、前記モータの駆動開始の契機とされた前記コンタクトアームスイッチがオフ状態とされた場合でも、少なくとも所定期間に亘って前記モータの駆動を継続するように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項4、6、8の何れか1つに記載の打込み工具であって、
前記コントローラは、前記モータの駆動開始から所定期間に亘って、前記モータの駆動を継続するように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項4、6、8の何れか1つに記載の打込み工具であって、
前記コントローラは、前記打込み動作の完了から所定期間に亘って、前記モータの駆動を継続するように構成されていることを特徴とする打込み工具。 - 請求項1〜8の何れか1つに記載の打込み工具であって、
前記コントローラは、前記コンタクトアームスイッチがオン状態とされた後で前記トリガスイッチがオン状態とされた場合、前記モータの駆動を一時的に停止し、前記打込み動作の完了後に前記モータの駆動を再開するように構成されていることを特徴とする打込み工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2018/026556 WO2019026592A1 (ja) | 2017-08-01 | 2018-07-13 | 打込み工具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017149371 | 2017-08-01 | ||
JP2017149371 | 2017-08-01 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019025641A true JP2019025641A (ja) | 2019-02-21 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018027416A Pending JP2019025641A (ja) | 2017-08-01 | 2018-02-19 | 打込み工具 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019025641A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021160007A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 工機ホールディングス株式会社 | 打込機 |
WO2021220703A1 (ja) * | 2020-04-28 | 2021-11-04 | 工機ホールディングス株式会社 | 作業機 |
-
2018
- 2018-02-19 JP JP2018027416A patent/JP2019025641A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021160007A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 工機ホールディングス株式会社 | 打込機 |
JP7380388B2 (ja) | 2020-03-31 | 2023-11-15 | 工機ホールディングス株式会社 | 打込機 |
WO2021220703A1 (ja) * | 2020-04-28 | 2021-11-04 | 工機ホールディングス株式会社 | 作業機 |
JPWO2021220703A1 (ja) * | 2020-04-28 | 2021-11-04 | ||
JP7416225B2 (ja) | 2020-04-28 | 2024-01-17 | 工機ホールディングス株式会社 | 作業機 |
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