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JP2019023681A - 定着装置 - Google Patents

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JP2019023681A
JP2019023681A JP2017142434A JP2017142434A JP2019023681A JP 2019023681 A JP2019023681 A JP 2019023681A JP 2017142434 A JP2017142434 A JP 2017142434A JP 2017142434 A JP2017142434 A JP 2017142434A JP 2019023681 A JP2019023681 A JP 2019023681A
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高田 成明
Shigeaki Takada
高田  成明
昭吉 品川
Akiyoshi Shinagawa
昭吉 品川
光一 覚張
Koichi Kakuhari
光一 覚張
寛人 伊東
Hiroto Ito
寛人 伊東
明志 浅香
Akishi Asaka
明志 浅香
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Abstract

【課題】小サイズ記録材が中央通紙基準線から横に位置ずれした状態で片側基準搬送のように画像形成装置内に給紙・搬送されてしまう場合、大きい定着ベルトの寄り力が発生する。定着ベルトの寄り力が大きい場合には、定着ベルトやベルト規制板が短寿命になってしまう。更に定着ベルトの寄り力が強い場合には定着ベルトの端部が破損したり、定着ベルトが座屈してしまう
【解決手段】転写材が中央基準で通紙される定着装置で、定着部材に送風することで定着部材を冷却する複数の冷却手段が長手方向両端部付近に配置され、定着部材の長手方向両端部付近で小サイズ通紙時に非通紙領域となる位置に配置された複数の定着部材温度検知手段の検知結果に基づき、それぞれの冷却手段が個別に制御することで、小サイズ記録材が中央通紙基準線から横に位置ずれした状態で片側基準搬送のように画像形成装置内に給紙・搬送されても、加圧ローラの左右温度差を低減し、定着ベルトの寄り力を低お減する
【選択図】図4

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真式の画像形成装置の定着装置に関し、特に、互いに回転しながら圧接する圧接領域により定着領域を形成する加熱回転部材および加圧回転部材を有し、未定着トナー像が形成された転写材が前記定着領域を通過する際に前記未定着トナー像を加熱定着する定着装置に関する。
従来、前記画像形成装置で未定着トナー像を用紙( 転写材) に定着する定着方式として、定着性のよさなどから用紙の未定着トナー像を加熱、溶融して用紙に定着させる熱定着方式が一般に用いられている。
また、近年では、クイックスタートや省エネルギーの観点からベルト加熱方式の加熱装置が実用化されている。即ち、加熱体としての例えばセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に加熱部材としての耐熱性樹脂ベルト( 以下、定着ベルトと記す) を挟ませて圧接ニップ部( 以下、定着ニップ部と記す) を形成させ、該定着ニップ部の定着ベルトと加圧ローラとの間に未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して定着ベルトと一緒に挟持搬送させることで、定着ベルトを介してセラミックヒータの熱を与えながら定着ニップ部の加圧力で未定着トナー画像を記録材面に定着させるものである。
このベルト加熱方式の加熱装置は、スタンバイ中のヒータへの通電を必要とせず、画像形成装置がプリント信号を受信してから、ヒータへの通電を行っても記録材が加熱装置に到達するまでに加熱可能な状態にすることが可能である。よって省エネの観点からベルト加熱方式の加熱装置はエネルギーを無駄にしない、優れた加熱定着装置となる。さらには、定着ローラに対向するようにベルトを介して加圧部材を配置する定着方式も提案されている。上記いずれの定着方式を用いた場合にも、紙を定着領域で定着する場合、加熱ロールの通紙域通過表面は略均一な温度分布となる。
しかしながら、最大サイズ紙より幅の小さい小サイズ紙を定着領域で連続定着した場合に、加熱ロールの非通紙域通過表面の温度が過度に上昇する。これは、小サイズ紙を連続的に通紙すると、用紙の通過しない非通紙域では紙による奪熱が無い分だけ、部分的に蓄熱されるためである。この現象は定着装置の端部昇温あるいは非通紙部昇温と称され、定着装置の端部昇温が高温になると、定着部材構成部品や加圧ローラの温度上昇限度を超えるためにこれらの部品のダメージにつながる。
このような、前記非通紙部昇温を防止するべく、定着装置に送風ファンを設けて、非通紙部の加熱ローラおよび加圧ローラに送風することにより、その温度上昇を押さえる構成が知られている。
特開昭60-136779号公報には、定着装置に配置した冷却用ファンから前記非通紙域側に、冷却風を送風している。また、小サイズ通紙時に、非通紙領域の温度を検出する素子を備え、その信号値により、送風ファンのON-OFF制御を行っている。
特開昭60-136779号公報
転写材搬送において、転写材の長手方向中央と定着部材の長手方向中央が一致する中央基準通紙と、転写材の長手方向の一方の端部と定着部材の長手方向の一方の端部が一致する片側基準通紙とがある。小サイズ紙を通紙する場合、中央基準通紙の場合は非通紙領域が長手方向の両端部に振り分けられ、片側基準通紙の場合は非通紙領域が一方の端部となるため、片側基準通紙の場合は一方が非通紙領域がほぼ無く、他方は中央基準通紙に対して非通紙領域の幅が倍となる。非通紙部昇温は非通紙部領域の幅が広いほど高温となるため、片側基準通紙の方が非通紙部昇温の温度は高くなる。
片側基準通紙の方が小サイズ通紙時の両端の温度差が大きくなることから、両端の加圧ローラの膨張量に差ができてしまい、定着ベルトが回転方向に直進せず、長手方向の非通紙部昇温の温度が低い方に寄ってしまうという、所謂、定着ベルトの寄り現象が発生する。中央基準通紙の場合は通常であれば定着ベルトの寄りは発生しないか、もしくは非常に弱い力である。しかしながら、給紙部に対する記録材のセットの際の操作誤りで、小サイズ記録材が中央基準で正しくセットされていない事態を往々にして生じ得る。
このことにより、小サイズ記録材が中央通紙基準線から横に位置ずれした状態で片側基準搬送のように画像形成装置内に給紙・搬送されてしまう可能性がある。この定着ベルトの寄りに対し、ベルト端部を規制ガイドに当てて寄りを防止するいわゆるガイド規制方式が採用されている。ガイド規制方式の場合、ベルトの位置検知手段や、ベルトの位置制御手段が必要なく、定着装置を簡易にでき、安価な装置を提供できる。しかしながらガイド規制方式の場合、ベルト端部が規制ガイドに当接するため、定着ベルトの端部やガイド規制板自身が耐久に因って削れていく。
定着ベルトの寄り力が大きい場合には、この削れる量が多くなるため、定着ベルトやベルト規制板が短寿命になってしまう。更に定着ベルトの寄り力が強い場合には定着ベルトの端部が破損したり、定着ベルトが座屈してしまうという問題が発生する場合もある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、定着部材に送風することで定着部材を冷却する複数の冷却手段が長手方向両端部付近に配置され、定着部材の長手方向両端部付近で小サイズ通紙時に非通紙領域となる位置に配置された複数の定着部材温度検知手段の検知結果に基づき、それぞれの冷却手段が個別に制御される定着装置
請求項2に記載の発明は定着部材の定着部材の長手方向両端部付近の温度が同じになるように制御することを特徴とする。
定着部材を冷却する複数の冷却手段を長手方向両端部付近に配置し、定着部材の長手方向両端部付近で小サイズ通紙時に非通紙領域となる位置に配置された複数の定着部材温度検知手段の検知結果に基づき、それぞれの冷却手段を個別に制御する。これにより、例え給紙部に対する記録材のセットが正しく行われなくても、非通紙部昇温の長手差を小さくすることが可能となる。したがって加圧ベルトの長手膨張差を小さくできなることから、定着ベルトの寄り力を小さくすることが可能となり、定着ベルト端部やベルト規制板の摩耗が少なくなり、定着ベルト端部破損や挫屈も防止できるため、定着ベルトの長寿命化が可能となる。
画像形成装置の構成の説明図 定着装置の概略構成模型図 フランジ部材と、補給板金の分解斜視図である 実施例1の温度制御のフローチャートである 本実施例の定着装置を転写材Pの進入方向から見た図 定着ベルトおよび加圧ローラの表面温度のグラフ 加圧ローラの表面温度と外径の関係を示すグラフ 加圧ローラの室温時と小サイズ通紙時の外径分布を示す 小サイズ記録材が中央基準で正しくセットされなかった場合の、定着装置を転写材Pの進入方向から見た図 小サイズ記録材が中央基準で正しくセットされなかった場合の、本実施例1の温度制御のフローチャートである 小サイズ記録材が中央基準で正しくセットされなかった場合の、加圧ローラの室温時と小サイズ通紙時の外径分布を示す 左右外形差と寄り力の関係を示すグラフ 実施例2の温度制御のフローチャートである
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置について説明するが、本発明は、定着済み画像又は半定着画像を担持した記録材を加熱加圧して画像の表面性状を調整する加熱処理装置としても実施できる。
<画像形成装置>
図1は本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例である電子写真フルカラープリンタの概略構成を示す縦断面模式図である。まず、画像形成部の概略を説明する。
このプリンタは、制御回路部(制御基板:CPU)100と通信可能に接続した外部ホスト装置(不図示)からの入力画像情報に応じて作像動作して、記録材上にフルカラー画像を形成して出力することができる。 外部ホスト装置は、コンピュータ、イメージリーダー等である。制御回路部100は、外部ホスト装置と信号の授受をする。また各種作像機器と信号の授受をし、作像シーケンス制御を司る。
8は無端状でフレキシブルな中間転写ベルトであり、二次転写対向ローラ9とテンションロ−ラ10との間に張架されていて、ローラ9が駆動されることにより矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。11は二次転写ローラであり、上記の二次転写対向ローラ9に対して中間転写ベルト8を介して圧接させてある。中間転写ベルト8と二次転写ローラ11との当接部が二次転写部である。
1Y・1M・1C・1Bkは第1〜第4の4つの画像形成部であり、中間転写ベルト8の下側においてベルト移動方向に沿って所定の間隔をおいて一列に配置されている。各画像形成部はレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、それぞれ、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと略記する)2を有する。
各ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、ドラムクリーナ装置6が配置されている。各転写ローラ5はベルト8の内側に配置してあり、中間転写ベルト8の下行き側ベルト部分を介して対応するドラム2に対して圧接させてある。各ドラム2と中間転写ベルト8との当接部が一次転写部である。7は各画像形成部のドラム2に対するレーザ露光装置であり、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
制御回路部100は外部ホスト装置から入力されたカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部を作像動作させる。これにより、第1〜第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkにおいて、それぞれ回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー像が形成される。なお、ドラム2にトナー像を形成する電子写真作像原理・プロセスは公知に属するからその説明は省略する。
各画像形成部のドラム2の面に形成される上記のトナー像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されている中間転写ベルト8の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、中間転写ベルト8の面に上記の4つのトナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
一方、所定の給紙タイミングにて、それぞれ大小各種幅サイズの記録材Pを積載収容させた上下多段のカセット給紙部13A・13B・13Cのうちの選択された段位の給紙カセットの給紙ローラ14が駆動される。これにより、その段位の給紙カセットに積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。手差し給紙が選択されているときには、給紙ローラ18が駆動される。これにより、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)17上に積載セットされている記録材が1枚分離給紙されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。
レジストローラ16は、回転する中間転写ベルト8上の上記のフルカラートナー像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像が一括して記録材Pの面に順次に二次転写されていく。二次転写部を出た記録材は、中間転写ベルト8の面から分離され、縦ガイド19に案内されて、定着装置(定着器)20に導入される。
この定着装置20により、上記の複数色のトナー像が溶融混色されて記録材表面に永久固着像として定着される。定着装置20を出た記録材はフルカラー画像形成物として搬送パス21を通って排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出される。
二次転写部にて記録材分離後の中間転写ベルト8の面はベルトクリーニング装置12により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
モノ黒プリントモードの場合には、ブラックトナー像を形成する第4の画像形成部Bkのみが作像動作制御される。両面プリントモードが選択されている場合には、第1面プリント済みの記録材が排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出されていき、後端部が排紙ローラ22を通過する直前時点で排紙ローラ22の回転が逆転に変換される。
これにより、記録材はスイッチバックされて再搬送パス24に導入される。そして、表裏反転状態になって再びレジストローラ16に搬送される。以後は、第1面プリント時と同様に、二次転写部、定着装置20に搬送されて、両面プリント画像形成物として排紙トレイ23上に送り出される。
(2)定着装置20
図2は、定着装置20の概略構成模型図である。ヒーターユニット60は、加熱体としてのヒーター600と、該ヒーター600を支持する支持体としての横断面半円弧桶形のフィルムガイド660(ヒーターステー)と、ヒーターユニット60が、加圧ローラー70により加圧された際に変形しないために設けられた逆U字形の補給板金670と、円筒形状の耐熱性フィルムからなる定着ベルト650とを備えている。
上記ヒーター600は、記録材Pの搬送方向に直交する方向を長手とする絶縁性、耐熱性、低熱容量の窒化アルミニウムやアルミナ等で形成された、厚み1mmの基板610と、例えばAg/Pd(銀/パラジウム)等の電気抵抗材料を約10μm、幅1〜5mmにスクリーン印刷等により塗工して設けた抵抗発熱体620、温度検知素子としてのサーミスター630〜632とを備えており、上記フィルムガイド660に、固定的に支持されている。
ヒータ600はフィルムガイド660に固定して支持される。更に、定着ベルト650との接触面側の基板610には摺動層として厚さ10μm程度のポリイミド層が設けられている。このポリイミド層により、定着ベルト650と定着ヒータ600との摺擦抵抗を低減することで、駆動トルクの低減および定着ベルト650内面の磨耗を防止している。定着ベルト650は、内面側から外面側に順に、基層、弾性層、離型層の3層複合構造である。
基層は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、ベルト膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性ベルトを使用できる。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、PES、PPS、PTFE、PFA、FEP等のベルトを使用できる。本実施例では、厚さ40μm、直径25mmの円筒状ポリイミドベルトを用いた。弾性層は、ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率4.18605×10−1W/m・℃(1×10−3[cal/cm.sec.deg])、厚さ200μmのシリコーンゴムを用いた。離型層203は厚さ20μmのPFAコート層を用いた。
離型層33cは厚さ20μmのPFAコート層を用いた。PFAチューブを用いても良い。PFAコートは、厚さが薄く出来、材質的にもPFAチューブに比較してトナーをつつみ込む効果がより大きい点が優れている。一方、機械的及び電気的強度はPFAチューブがPFAコートよりも優っているので、場合により使い分けることが出来る。また、以上のようなヒーターユニット60の下方には、加圧部材としての加圧ローラー70が配設されており、該加圧ローラー70は、芯金71と、シリコーンゴムからなる弾性層72と、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂からなる表層73とで構成される。
本実施例ではステンレス製の芯金上71に、厚み約3mmのシリコーンゴム層72、さらに厚み約40μmのPFA樹脂チューブ73が順に積層された多層構造とされていて外径はおよそ30mmであり、紙シワ防止のため長手方向に150μm程度の逆クラウン形状がつけられている。
この加圧ローラ70の芯金の両端部が装置フレームの不図示の奥側と手前側の側板間に回転可能に軸受保持されている。この加圧ローラー70は、ヒーターユニット60に対し、加圧手段(図示せず)により総圧90〜420Nの圧力で加圧されており、記録材Pの搬送方向に、駆動系(図示せず)により回転駆動(反時計回り)される。
これにより、円筒形定着ベルト650がヒーター600の発熱体表面に密着摺動して、フィルムガイド660の周囲を回動する。本実施例においてはベルトの走行速度が普通紙用の300mm/sと厚紙やコート紙用の150mm/sの2つの走行速度にすることが可能となっている。ヒータ600は、ヒータホルダ660の下面に該ヒータホルダの長手に沿って固定されており、定着ベルトとその加熱面が摺動可能な構成とされている。
そして、定着ベルト650はこのヒータホルダ660にルーズに外嵌されている。ヒータホルダ660は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成されており、ヒータ600を保持するとともに定着ベルト650をガイドする役割を果たしている。本例では、液晶ポリマーとして、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。ヒータホルダ660の両端部は不図示の加圧機構によりその一端側が156.8N(16kgf)、総圧313.6N(32kgf)の力で加圧ローラ70の軸線方向に付勢されている。
その結果、ヒータ600の下面(加熱面)を、定着ベルト650を介して加圧ローラ70の弾性層に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nが形成されている。630〜632は、それぞれ温度検知手段としてのサーミスタである。サーミスタ630(ヒータ温度センサ、第1の温度検知素子)は、熱源であるヒータ600の裏面(加熱面とは反対側の面)に設置され、ヒータ600の長手中央の温度を検知する機能を担っている。サーミスタ630〜632は、それぞれA/Dコンバータを介して制御手段としての制御回路部(CPU)100に接続されている。
この制御回路部100はそれぞれのサーミスタからの出力を所定の周期でサンプリングしており、このように得られた温度情報を温度制御および端部冷却ファン制御に反映させる構成となっている。つまり、制御回路部100は、サーミスタ630の出力をもとに、ヒータ600の温調制御内容を決定し、電力供給部であるヒータ駆動回路部51によってヒータ600への通電を制御する。また、制御回路部100は、サーミスタ631および632の出力をもとに、端部冷却ファンのモータの通電を制御する。
送風部80および81はそれぞれファン82(送風部材)とファン83と、ファン82および83からの送風をヒーターユニット60まで導くダクト84および85を有する。ファン82および83は、電力が供給されるとモータ(不図示)が回転し羽根車が回転することで送風することができる構成である。実施例1のファン82及び83は軸流ファンであるが、遠心ファンであっても良い。加圧ローラ70は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。これと圧接された関係にある定着ベルト650は加圧ローラ70によって従動し所定の速度で回転する。
このとき、定着ベルト650の内面がヒータ600の下面に密着して摺動しながらヒータホルダ660の外回りを矢印の方向に従動回転状態になる。定着ベルト650内面にはグリスが塗布され、ヒータホルダ660と定着ベルト650内面との摺動性を確保している。左右のフランジ部材680は、定着ベルト650の回転過程における長手に沿う左方或いは右方への寄り移動及びベルト周方向の形状を規制する規制部材である。左右のフランジ部材680は左右対称形状であり、それぞれ、補給板金670の左右の外方延長腕部に嵌着されている。
図3は、右側のフランジ部材680と、補給板金670の右側の外方延長腕部との分解斜視図である。左右のフランジ部材680の上記の嵌着状態において、左右のフランジ部材680内面側に配設した円盤状のベルト内側ガイド部680が、それぞれ、定着ベルト650の左端部側の開口部と右端部側の開口部から定着ベルト650の内側に進入している。これにより、定着ベルト650の回転過程におけるベルト周方向の形状が規制される。また、左右のフランジ部材680の内面に対して、それぞれ、ベルト21の左端面と右端面が僅少な隙間を存して対向している。
これにより、定着ベルト650の回転過程における長手に沿う左方或いは右方への寄り移動が規制される。加圧ローラ70が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト650が従動回転状態になると、ヒータ600に通電が行われる。そして、ヒータ600の温度が設定温度に立ち上げり温調された状態のとき、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した記録材Pが入り口ガイドに沿って案内されて導入される。定着ニップ部Nにおいて、記録材P上のトナー像担持面側が定着ベルト650の外面に密着し、記録材Pが定着ベルト650と共に移動する。
記録材Pが定着ニップでの挟持搬送過程において、ヒータ600からの熱が定着ベルト650を介して記録材Pに付与され、未定着トナー像が記録材P上に溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト650から分離され排出される。
図4及び図5を使って、本実施例の動作を説明する。図4は本実施例のフローチャートであり、図5は本実施例の定着装置を転写材Pの進入方向から見た図で、A4Rサイズ(小サイズ)の転写材Pが定着装置の中央付近を通過する場合を示している。
まず、ジョブが開始(000)されると、サーミスタ630による検知温度Th1に基づき温度制御が行われる。またサーミスタ631およびサーミスタ632により温度検知が開始される(001)。本実施例では104gsmのA4Rの転写材を通紙している。小サイズ紙が通紙開始されると中央部はTh1に基づいて制御されるため一定の温度であるが、非通紙部の温度は上昇する。サーミスタ631で検知される温度Th2が260℃以下の場合、定着ベルト650の表面温度はおよそ230℃以下であるため、定着ベルト650や加圧ローラ70の破損の心配が無いため、ファンは動作させない。
転写材の通紙枚数が少なく、Th2が260℃に達する前に通紙が終了した場合(004)はジョブを終了する(005)。通紙枚数が多い場合は、サーミスタ631で検知される温度Th2が260を超える(002)ため、冷却ファン82のモータに通電を開始し、ファンを回転させる(006)。ファン82で発生した風は、ダクト84に案内され定着ベルト表面に吹きつけられることで、定着ベルト表面の温度が低下する。所定の間隔でTh2を確認することで、冷却ファンはOFF/ON制御され、冷却部80に対向する定着ベルト表面の温度は230℃程度に維持される。
同様にサーミスタ632で検知される温度Th3が260℃以下の場合、ファンは動作させない(008)。転写材の通紙枚数が少なく、Th3が260℃に達する前に通紙が終了した場合(009)はジョブを終了する(005)。通紙枚数が多い場合は、サーミスタ632で検知される温度Th3が260を超える(007)ため、冷却ファン83のモータに通電を開始し、ファンを回転させる(010)。ファン83で発生した風は、ダクト85に案内され定着ベルト表面に吹きつけられることで、定着ベルト表面の温度が低下する。
所定の間隔でTh3を確認することで、冷却ファンはOFF/ON制御され、冷却部81に対向する定着ベルト表面の温度は230℃程度に維持される。また、通紙枚数が多い場合の定着ベルト650の表面温度、加圧ローラ70の表面温度分布を図6に示す。図中の破線は定着ベルトの表面温度分布であり、実線は加圧ローラの表面温度分布である。加圧ローラは通紙領域が90℃程度なのに対し、非通紙部の温度が210℃まで上がり、その温度差は120℃程度になる。また加圧ローラは充分なニップ幅を得るために、厚い弾性層を有するため、温度上昇時の熱膨張が大きい。
したがって小サイズ通紙時の非通紙部の熱膨張が大きい。図7に本実施例の加圧ローラの表面温度と外径の関係を示す。このグラフから100℃の温度上昇で0.7mm程度外径が大きくなるこが分かる。図8に加圧ローラの室温時と小サイズ通紙時の外径分布を示す。非通紙領域で熱膨張により外径が大きく変化しているが、外径の左右差は殆ど無いため、定着ベルトの寄りという問題は発生しない。
次に図4及び図9を使い小サイズ記録材が中央基準で正しくセットされず、小サイズ記録材が中央通紙基準線から横に位置ずれした状態で片側基準搬送のように画像形成装置内に給紙・搬送されてしまう場合を説明する。
まず、ジョブが開始(000)されると、サーミスタ630による検知温度Th1に基づき温度制御が行われる。またサーミスタ631およびサーミスタ632により温度検知が開始される(001)。本実施例では104gsmのA4Rの転写材を通紙している。小サイズ記録材Pが通紙開始されると中央部はTh1に基づいて制御されるため一定の温度であるが、非通紙部の温度は上昇する。本実施例では小サイズ記録材Pが冷却部80に近い側に位置ずれした状態で通紙されている。非通紙部昇温は非通紙部の幅が広いほど温度が高くなるため、冷却部81側の非通紙部の方が早く昇温する。
したがってサーミスタ632で検知される温度Th3が先に260℃を検知し(007)、冷却ファン83のモータに通電を開始し、ファンを回転させる(010)。ファン83で発生した風は、ダクト85に案内され定着ベルト表面に吹きつけられることで、定着ベルト表面の温度が低下する。所定の間隔でTh3を確認することで、冷却ファンはOFF/ON制御され、冷却部81に対向する定着ベルト表面の温度は230℃程度に維持される。
この状態で通紙を継続すると、冷却部80側も昇温し、サーミスタ631で検知される温度Th2も260℃を検知し(002)、冷却ファン82のモータに通電を開始し、ファンを回転させる(006)。ファン82で発生した風は、ダクト84に案内され定着ベルト表面に吹きつけられることで、定着ベルト表面の温度が低下する。所定の間隔でTh2を確認することで、冷却ファンはOFF/ON制御され、冷却部80に対向する定着ベルト表面の温度は230℃程度に維持される。
また、通紙枚数が多い場合の定着ベルト650の表面温度、加圧ローラ70の表面温度分布を図10に示す。図中の破線は定着ベルトの表面温度分布であり、実線は加圧ローラの表面温度分布である。非通紙部の幅が左右で異なっているが、通紙部と非通紙部の温度は小サイズ記録材Pが中央付近を通過した場合と同じで、加圧ローラは通紙領域が90℃程度なのに対し、非通紙部の温度が210℃まで上がり、その温度差は120℃程度になる。
図11に加圧ローラの室温時と小サイズ通紙時の外径分布を示す。非通紙領域で熱膨張により外径が大きく変化している。外形の左右差はないが、外形が大きい領域が左右で異なる。定着ベルトの寄りという現象に対し、外形の影響が強く、外形の大きな領域の差の影響は小さいため、定着ベルトの寄りという問題は発生しない。また、非通紙領域の温度が上昇している間は左右温度差があるため、加圧ローラの左右外形差は発生し、寄り力は発生するが、短時間で解消されるため、定着ベルト寿命や破損への影響は少ない
(比較例)
比較例として1つの温度検知手段で両方の冷却手段を制御した場合を説明する。小サイズ記録材Pが定着装置の中央付近を通過する場合は、左右に温度差ができないため、本実施例の場合と同様になり、寄り力は発生しない。図9を使い小サイズ記録材が中央基準で正しくセットされず、小サイズ記録材が中央通紙基準線から横に位置ずれした状態で片側基準搬送のように画像形成装置内に給紙・搬送されてしまう場合を説明する。まず本比較例ではサーミスタ631のみで制御した場合を説明する。まず、ジョブが開始されると、サーミスタ630による検知温度Th1に基づき温度制御が行われる。
またサーミスタ631により温度検知が開始される。本比較例では104gsmのA4Rの転写材を通紙している。小サイズ記録材Pが通紙開始されると中央部はTh1に基づいて制御されるため一定の温度であるが、非通紙部の温度は上昇する。本実施例では小サイズ記録材Pが冷却部80に近い側に位置ずれした状態で通紙されている。非通紙部昇温は非通紙部の幅が広いほど温度が高くなるため、冷却部81側の非通紙部の方が早く昇温し、冷却部80側の温度上昇が遅い。冷却部81側の温度が260℃となっても、サーミスタ631の検知温度Th2は260℃に達していないため、冷却ファン83のモータに通電は開始されず、温度は260℃以上に上昇する。
通紙が継続され冷却部80側も昇温し、サーミスタ631で検知される温度Th2も260℃を検知し、冷却ファン82および83のモータに通電を開始し、ファンを回転させるまで、冷却部81側の温度は上昇する。その後も冷却部80側を260℃になるようにファン制御されるため、冷却部81側は260℃以上の温度が維持される。本比較例においては、冷却部81側の温度は300℃まで上昇し、定着ベルト表面温度も270℃まで上昇した。定着ベルトの温度が非常に高温になることで、定着ベルトの弾性層や表層にダメージを与えてしまい寿命や破損の原因になる可能性がある。
また、加圧ローラも左右で40℃の温度差がついてしまうため、左右の外形差が0.27mm程度ついてしまう。左右に外形差があるため、定着ベルトに強い寄り力が発生する。図12は左右外形差と寄り力の関係である。このグラフから左右外形差が0.27mmの時は4.4Nの寄り力が発生することがわかる。定着ベルトは加圧の外形が大きい方に寄るため、本比較例では冷却部81側のフランジ部材680が4.4Nで定着ベルトは突き当たる。
この状態を長く続けると、定着ベルトの冷却部81側の端部やフランジ部材680の削れる量が多くなるため、定着ベルトやベルト規制板が短寿命になってしまう。更に定着ベルトの寄り力が強い場合には定着ベルトの端部が破損したり、定着ベルトが座屈してしまうという問題が発生する場合もある。
次に本比較例ではサーミスタ632のみで制御した場合を説明する。まず、ジョブが開始されると、サーミスタ630による検知温度Th1に基づき温度制御が行われる。またサーミスタ631により温度検知が開始される。本比較例では104gsmのA4Rの転写材を通紙している。小サイズ記録材Pが通紙開始されると中央部はTh1に基づいて制御されるため一定の温度であるが、非通紙部の温度は上昇する。本実施例では小サイズ記録材Pが冷却部80に近い側に位置ずれした状態で通紙されている。非通紙部昇温は非通紙部の幅が広いほど温度が高くなるため、冷却部81側の非通紙部の方が早く昇温し、冷却部80側の温度上昇が遅い。
冷却部81側の検知温度Th2が260℃に達すると冷却ファン83のモータに通電は開始され、冷却部81側は260℃に維持される。冷却部80側は260℃に達する前に冷却を開始するため、220℃程度に維持される。これにより定着ベルト表面温度は、冷却部80側で190℃程度、冷却部81側で230℃程度となる。加圧ローラの表面温度も冷却部80側で170℃程度、冷却部81側で210℃程度となり、左右で40℃の温度差がついてしまうため、左右の外形差が0.27mm程度ついてしまう。
左右に外形差があるため、定着ベルトに強い寄り力が発生する。定着ベルトは加圧の外形が大きい方に寄るため、本比較例では冷却部81側のフランジ部材680に4.4Nで定着ベルトは突き当たる。この状態を長く続けると、定着ベルトの冷却部81側の端部やフランジ部材680の削れる量が多くなるため、定着ベルトやベルト規制板が短寿命になってしまう。更に定着ベルトの寄り力が強い場合には定着ベルトの端部が破損したり、定着ベルトが座屈してしまうという問題が発生する場合もある。また、冷却部80側では必要以上の端部冷却を行うことで、モータに不要な通電を行ってしまうため、省エネ性も本実施例に対し劣る。
このように1つのサーミスタのみで、両側の端部冷却部材を制御すると、転写材が中央付近を通過する場合は問題ないが、小サイズ記録材が中央基準で正しくセットされず、小サイズ記録材が中央通紙基準線から横に位置ずれした状態で片側基準搬送のように画像形成装置内に給紙・搬送されてしまう場合には、定着ベルトの短寿命化や破損の可能性、省エネ性の低下という問題が発生する場合がある。
以上説明したように、本実施例で左右の冷却部材を個別の温度検知手段で制御することで、定着ベルトの寄りを防止し、定着ベルトやベルト規制板が短寿命になってしまう。更に定着ベルトの寄り力が強い場合には定着ベルトの端部が破損したり、定着ベルトが座屈してしまうという問題を防止することができる。
[実施例2]
本実施例の動作を図13を使い小サイズ記録材Pが中央基準で正しくセットされず、小サイズ記録材が中央通紙基準線から横に位置ずれした状態で片側基準搬送のように画像形成装置内に給紙・搬送されてしまう場合を説明する。本実施例では小サイズ記録材が中央通紙基準線から横に位置ずれした状態の時の左右温度差を低減できるようになっている。
まず、ジョブが開始(000)されると、サーミスタ630による検知温度Th1に基づき温度制御が行われる。またサーミスタ631およびサーミスタ632により温度検知が開始される(001)。本実施例では104gsmのA4Rの転写材を通紙している。小サイズ記録材Pが通紙開始されると中央部はTh1に基づいて制御されるため一定の温度であるが、非通紙部の温度は上昇する。本実施例では小サイズ記録材Pが冷却部80に近い側に位置ずれした状態で通紙されている。非通紙部昇温は非通紙部の幅が広いほど温度が高くなるため、冷却部81側の非通紙部の方が早く昇温する。
したがってサーミスタ632で検知される温度Th3が先に260℃を検知し(007)、冷却ファン83のモータに通電を開始し、ファンを回転させる(011)。ファン83で発生した風は、ダクト85に案内され定着ベルト表面に吹きつけられることで、定着ベルト表面の温度が低下する。次にサーミスタ631で検知される温度Th2とサーミスタ632で検知される温度Th3を比較する(014)。本実施例の場合、小サイズ記録材Pが冷却部80に近い側に位置ずれした状態で通紙されているTh2の温度上昇はおそいため、Th2はTh3より低い温度になっている。
本実施例ではTh2とTh3の温度差が10℃以上であれば、冷却ファン83のモータに通電を継続し、ファンの回転を継続する(011)。Th2とTh3の温度差が10℃以下になったらファンの回転を停止させる(015)。所定の間隔でTh3の温度検知を繰り返すことで、冷却ファンはOFF/ON制御され、冷却部81に対向する定着ベルト表面の温度は230℃以下で、左右の温度差も10℃程度に維持される。この状態で小サイズ記録材P通紙を継続すると、Th2も温度上昇をしていくため、最終的には定着ベルト表面の温度は両側ともに230℃程度を維持するようになる。
したがって、本実施例では非通紙領域の温度が上昇している間も左右温度差を低減できるため、加圧ローラの左右外形差を防止し、寄り力の発生を低減でき、定着ベルトの更なる長寿命化が達成できる。
60:ヒータユニット
650:定着ベルト
630:中央サーミスタ
631:端部サーミスタ
632:端部サーミスタ
70:加圧ローラ
80:送風部
81:送風部
82:ファン
83:ファン
84:ダクト
85:ダクト

Claims (2)

  1. 転写材が中央基準で通紙される定着装置で、定着部材に送風することで定着部材を冷却する複数の冷却手段が長手方向両端部付近に配置され、定着部材の長手方向両端部付近で小サイズ通紙時に非通紙領域となる位置に配置された複数の定着部材温度検知手段の検知結果に基づき、それぞれの冷却手段が個別に制御されることを特徴とした定着装置。
  2. 定着部材の長手両端の温度差を低減するように、それぞれの冷却手段が個別に制御されることを特徴とした請求項1に記載の定着装置。
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