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JP2019021726A - プレーナ型コイル及びその製造方法並びにプレーナ型トランス - Google Patents

プレーナ型コイル及びその製造方法並びにプレーナ型トランス Download PDF

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JP2019021726A
JP2019021726A JP2017137964A JP2017137964A JP2019021726A JP 2019021726 A JP2019021726 A JP 2019021726A JP 2017137964 A JP2017137964 A JP 2017137964A JP 2017137964 A JP2017137964 A JP 2017137964A JP 2019021726 A JP2019021726 A JP 2019021726A
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Japan
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pattern
coil
conductor pattern
conductor
substrate
Prior art date
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JP2017137964A
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English (en)
Inventor
文洋 岡▲崎▼
Fumihiro Okazaki
文洋 岡▲崎▼
悟司 小笠原
Satoshi Ogasawara
悟司 小笠原
寛人 船渡
Hiroto Funato
寛人 船渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Utsunomiya University
Hokkaido University NUC
Marelli Corp
Original Assignee
Utsunomiya University
Hokkaido University NUC
Calsonic Kansei Corp
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】基板上のコイルパターンにおける電流密度分布の偏りを効果的に抑える。【解決手段】表面側パターン51のループ部61の各導体部分64と、裏面側パターン53のループ部66の各導体部分69とを、ループ部61,66の内周縁及び外周縁に位置する端部において、内周側連絡パターン55及び外周側連絡パターン57により1対1でそれぞれ接続する。これにより、コイルパターン5のループ部59を、スリット63,68を挟んで平行に配置された、表面側パターン51の導体部分64、内周側連絡パターン55、裏面側パターン53の導体部分69、外周側連絡パターン57、表面側パターン51の導体部分64…と続く螺旋状の複数本の導体パターンで構成する。【選択図】図3

Description

本発明は、導体によるコイルパターンを基板上に形成したプレーナ型のコイル及びトランスに関する。
導体によるコイルパターンを基板上に形成したプレーナ型コイルを高周波の電流が流れると、表皮効果の影響で、コイルパターンの電流密度の分布が偏ることが知られている。この表皮効果は、コイルパターンを電流が流れることでコイルパターンの内部に生じる渦電流の影響で、電流密度の高い部分がコイルパターンの表面側に偏るというもので、コイルパターンを電流が高周波であるほど表皮効果が顕著に現れる。
そこで、電流の流れる方向に沿ったスリットをコイルパターンに形成してコイルパターンを幅方向に複数の導体部分に分割することが提案されている。
この提案によれば、コイルパターンの全幅に亘るような大きな渦電流が発生せず、各導体部分に小さな渦電流がそれぞれ発生するようになるので、渦電流の影響による電流密度分布の偏りを抑えることができる。また、表皮効果が各導体部分でそれぞれ起こるので、電流密度分布の偏りをコイルパターンの幅方向に分散させることができる(例えば、特許文献1)。
特開平8−203736号公報
しかし、コイルパターンを幅方向に複数の導体部分に分割すると、今度は、隣接する導体部分で発生した磁束が通過する他の導体部分において、電流密度の高い部分が隣接する導体部分から離れた部分に集中する近接効果が生じ、コイルパターンにおける新たな電流密度分布の偏りの原因となってしまう。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、基板上のコイルパターンにおける電流密度分布の偏りを効果的に抑えることができるプレーナ型コイル及びプレーナ型トランスを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様によるプレーナ型コイルは、
ループ部を有するコイルパターンが形成される基板と、
前記ループ部の内周縁及び外周縁のうちいずれか一方から他方に向けて前記基板の第1面に形成され、前記コイルパターンの向きに対し傾斜した方向に延在する第1導体パターン部と、
前記ループ部の内周縁及び外周縁のうちいずれか他方から一方に向けて前記基板の第2面に形成された第2導体パターン部と、
前記基板を貫通して前記第1導体パターン部と前記第2導体パターン部とを接続する接続部とを備え、
前記第1導体パターン部、第2導体パターン部、及び、前記接続部によって螺旋状に通電される。
また、本発明の第2の態様によるプレーナ型トランスは、
本発明の第1の態様によるプレーナ型コイルを積層して一次側コイル及び二次側コイルとしたものである。
さらに、本発明の第3の態様によるプレーナ型コイルの製造方法は、
本発明の第1の態様によるプレーナ型コイルにおいて、
前記接続部が、
前記ループ部の内周縁において、前記基板を跨いで前記第1導体パターン部と前記第2導体パターン部とを接続する第3導体パターン部と、
前記ループ部の外周縁において、前記基板を跨いで前記第1導体パターン部と前記第2導体パターン部とを螺旋状に接続する第4導体パターン部とを備える、
プレーナ型コイルを製造する方法であって、
ループ部を有するコイルパターンが形成される基板の第1面と第2面とに、
前記ループ部の内周縁及び外周縁のうちいずれか一方から他方に向けて、前記コイルパターンの向きに対し傾斜した方向に延在する第1導体パターン部と、
前記ループ部の内周縁及び外周縁のうちいずれか他方から一方に向けて延在する第2導体パターン部と、
をそれぞれ形成する表面パターン形成工程と、
前記基板を前記第1面から前記第2面に亘って貫通するスルーホールにより、
前記ループ部の内周縁において前記第1導体パターン部と前記第2導体パターン部とを接続する第3導体パターン部と、
前記ループ部の内周縁において前記第3導体パターン部により前記第2導体パターン部と接続された前記第1導体パターン部と、前記ループ部の内周縁において前記第3導体パターン部により前記第1導体パターン部と接続された前記第2導体パターン部とを、前記ループ部の外周縁において、前記基板を跨いで螺旋状に接続する第4導体パターン部と、
をそれぞれ形成する内部パターン形成工程と、
を含む。
本発明によれば、基板上のコイルパターンにおける電流密度分布の偏りを効果的に抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係るプレーナ型コイルを積層したトランスユニットを示す縦断面図である。 (a)は図1のトランスユニットのI−I線断面図、(b)は同II−II線断面図、(c)は同III−III線断面図である。 図2(a)のコイルユニットの基板に形成されるコイルパターンの一部を拡大して示す斜視図、(b)は(a)のコイルパターンのループ部をさらに拡大して示す斜視図である。 図2(a)のコイルユニットの基板に形成されるコイルパターンを従来技術で構成した場合のコイルパターンの一部を拡大して示す斜視図、(b)は(a)のコイルパターンの一部をさらに拡大して示す斜視図である。 図1のコイルユニットの製造手順を示すフローチャートである。 図1のコイルユニットの製造工程を示すもので、(a)は表面側コイルパターン部を形成した基板の表面側の平面図、(b)は裏面側コイルパターン部を形成した基板の裏面側の平面図、(c)は表面側及び裏面側の各コイルパターン部をそれぞれ形成した基板の表面及び裏面を保護フィルムで被覆したコイル組立体の平面図である。 図1のコイルユニットの製造工程を示すもので、(a)は保護フィルムの上から基板の表裏両面を貫通するスルーホールを形成したコイル組立体の平面図、(b)はスルーホール形成後のコイル組立体の表面及び裏面を保護カバーで被覆したコイルユニットの平面図である。 本発明の第2実施形態に係るプレーナ型コイルを積層したトランスユニットの縦断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るプレーナ型コイルを積層したトランスユニットについて図面を参照して説明する。本実施形態では、変圧器として用いるトランスユニットの一次側及び二次側の各コイルに本発明のプレーナ型コイルを適用した場合を例に取って説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプレーナ型コイルを積層したプレーナ型トランスを示す縦断面図である。
図1に示す本実施形態のトランスユニット1(請求項中のプレーナ型トランスに相当)は、2組のコイルユニット2,2を積層して構成されている。
各コイルユニット2(請求項中のプレーナ型コイルに相当)は、基板3、コイルパターン5、保護フィルム7、保護カバー9及びコア11を有している。
基板3は、セラミックやエポキシ樹脂等の絶縁部材で矩形状に形成されている。基板3の表面31(請求項中の第1面に相当)には、図1のI−I線断面図である図2(a)に示すように、中央と長辺方向の両側とに、基板3を貫通するコア挿入孔35及びコア挿入孔37,37がそれぞれ開口している。これらのコア挿入孔35及びコア挿入孔37,37は、図1に示す基板3の裏面33(請求項中の第2面に相当)の対応する箇所にもそれぞれ開口している。
図1のコイルパターン5は、基板3の表裏両面31,33に跨がって形成されている。このコイルパターン5は、基板3の表面31の表面側パターン51と、裏面33の裏面側パターン53と、基板3を貫通するコア挿入孔35側の内周側連絡パターン55及びコア挿入孔37側の外周側連絡パターン57とを有している。
表面側パターン51は、基板3の表面31にエッチング等によって形成されている。表面側パターン51は、図2(a)に示すように、基板3の表面31のコア挿入孔35とコア挿入孔37,37との間を通ってコア挿入孔35を囲むループ部61と、ループ部61の両端から基板3の表面31の長辺に延出する端子部62とを有している。
ループ部61は、複数のスリット63によって複数の導体部分64(請求項中の第1導体パターン部に相当)に分割されている。各導体部分64は、ループ部61の時計回り方向における手前側の外周縁箇所から奥側の内周縁箇所にかけて延在するように、表面側パターン51のループ部61における向きに対して傾斜してそれぞれ延在している。
裏面側パターン53は、図1に示すように、基板3の裏面33にエッチング等によって形成されている。裏面側パターン53は、図1のII−II線断面図である図2(b)に示すように、ループ部66と端子部67とを有している。
なお、図2(b)では、裏面側パターン53を、基板3を表面31側から裏面33側に透視したときの形状、つまり、裏面33に当接する面側から見たときの形状として示している。したがって、基板3を裏面33側から見たときの裏面側パターン53は、図2(b)に示す形状を表裏反転させた形状となる。
また、図2(b)では、裏面側パターン53を基板3の裏面33に当接する面側から見たときの形状として示しているため、裏面側パターン53の背後に、基板3の裏面33に被覆された後述の保護フィルム7が図示されている。但し、裏面側パターン53が形成されるのはあくまで基板3の裏面33であり、図2(b)は、保護フィルム7に裏面側パターン53が形成されることを意味するものではない。
ループ部66は、図2(a)に示す表面側パターン51のループ部61と同様に、図1に示す基板3の裏面33に、コア挿入孔35とコア挿入孔37,37との間を通ってコア挿入孔35を囲むように配置されている。
図2(b)に示す端子部67は、図2(a)に示す表面側パターン51の端子部62と同様に、図1に示す基板3の裏面33において、ループ部66の両端から裏面33の長辺に延出するように配置されている。
図2(b)に示すように、ループ部66は、複数のスリット68によって複数の導体部分69(請求項中の第2導体パターン部に相当)に分割されている。裏面側パターン53を裏面33に当接する面側から見た場合、各導体部分69は、図2(a)に示す表面側パターン51のループ部61とは逆に、図2(b)に示すループ部66の時計回り方向における手前側の内周縁箇所から奥側の外周縁箇所にかけて延在するように、裏面側パターン53のループ部66における向きに対して傾斜してそれぞれ延在している。
図1に示すように、表面側パターン51及び裏面側パターン53をそれぞれ形成した後の基板3の表面31及び裏面33には、絶縁性の保護フィルム7,7がそれぞれ被覆されている。各保護フィルム7には、基板3のコア挿入孔35,37に対応するコア挿入孔75,77がそれぞれ形成されている。
図1に示す内周側連絡パターン55(請求項中の第3導体パターン部に相当)及び外周側連絡パターン57(請求項中の第4導体パターン部に相当)は、基板3の表裏両面31,33を保護フィルム7でそれぞれ被覆したコイル組立体の両保護フィルム7,7間に形成された内周側スルーホール71及び外周側スルーホール73によって構成されている。
詳しくは、内周側スルーホール71及び外周側スルーホール73の基板3を貫通する部分によって、内周側連絡パターン55及び外周側連絡パターン57がそれぞれ構成されている。これらの内周側連絡パターン55及び外周側連絡パターン57は、請求項中の接続部に相当している。
内周側スルーホール71(請求項中のスルーホールに相当)は、図2(a),(b)に示す表面側パターン51及び裏面側パターン53の各ループ部61,66の内周縁に対応して、図1のIII−III線断面図である図2(c)に示すように、保護フィルム7のコア挿入孔75を囲むように、一定の間隔をおいて複数形成されている。
外周側スルーホール73(請求項中のスルーホールに相当)は、図2(a),(b)に示す表面側パターン51及び裏面側パターン53の各ループ部61,66の外周縁に対応して、図2(c)に示すように、保護フィルム7の各内周側スルーホール71の外側を囲むように、一定の間隔をおいて複数形成されている。
各内周側スルーホール71の基板3を貫通する部分で構成される図1の内周側連絡パターン55は、コイルパターン5の一部を拡大した図3(a)の斜視図に示すように、表面側パターン51のループ部61の各導体部分64と、裏面側パターン53のループ部66の各導体部分69とを、ループ部61,66の内周縁に位置する端部において1対1で接続している。
同様に、各外周側スルーホール73の基板3を貫通する部分で構成される外周側連絡パターン57は、表面側パターン51の各導体部分64と裏面側パターン53の各導体部分69とを、ループ部61,66の外周縁に位置する端部において1対1で接続している。
したがって、表面側パターン51の導体部分64と裏面側パターン53の導体部分69とは、内周側連絡パターン55及び外周側連絡パターン57によって、基板3の表裏両面31,33に跨がって螺旋状に延在する1本の導体パターンとして接続されている。
即ち、コイルパターン5は、表面側パターン51の導体部分64、内周側連絡パターン55、裏面側パターン53の導体部分69、外周側連絡パターン57、表面側パターン51の導体部分64…と続く螺旋状の導体パターンを、図3(a)のコイルパターン5の一部をさらに拡大した図3(b)の斜視図に示すように、スリット63,68を挟んで平行に複数本配置したループ部59(請求項中のループ部に相当)を有している。
なお、図1のループ部59の各螺旋状の導体パターンは、両端の端子部62,67に対する接続により、互いに並列接続されている。
そして、基板3の表裏両面31,33の各保護フィルム7,7間に内周側スルーホール71及び外周側スルーホール73を形成した後のコイル組立体の表裏両面は、基板3や保護フィルム7のコア挿入孔35,37,75,77に対応するコア挿入孔91,93を形成した絶縁性の保護カバー9でそれぞれ被覆されている。
このようにして、表裏両面31,33に跨がるコイルパターン5を形成した基板3の表裏両面31,33を保護フィルム7で被覆したコイル組立体を、表裏両面とも保護カバー9で被覆することで、コイルユニット2が形成される。但し、一方のコイルユニット2の他方のコイルユニット2側に位置する保護カバー9は、他方のコイルユニット2の一方のコイルユニット2側に位置する保護カバー9として共用する。
コア11は、本実施形態では、I型コア111とE型コア113とによるEIコアを用いている。但し、コア11はEEコア等の他の形状のものを用いてもよい。E型コア113は、積層した2つのコイルユニット2,2の基板3や保護フィルム7、保護カバー9の中央のコア挿入孔35,75,91に挿入されるセンターポール115と、両側のコア挿入孔37,77,93にそれぞれ挿入される一対のヨーク117,117とを有している。
このように構成された本実施形態のトランスユニット1では、積層した2つのコイルユニット2,2を一次側及び二次側の各コイルとして使用する。
本実施形態のトランスユニット1のように高周波の電流を流すコイルとして一般によく用いられる空芯コイルでは、通電により発生した磁束が空芯コイルの外部に漏れて、空芯コイルの周辺の機器や部品に悪影響を及ぼすことがある。
これに対し、本実施形態のトランスユニット1では、コイルパターン5を形成した基板3を含むコイル組立体をI型コア111とE型コア113とでサンドイッチしているので、コイルパターン5で発生した磁束が外部に漏れず、トランスユニット1の周辺の機器や部品に悪影響を及ぼすことがない。
ところで、トランスユニット1の使用に伴い、コイルユニット2のコイルパターン5に高周波の電流が流れると、コイルパターン5に渦電流が発生する。このとき、コイルパターン5のループ部59がスリット63,68により複数の導体パターンに分割されているので、コイルパターン5の渦電流は、コイルパターン5の全幅に亘る大きさでは発生せず、分割された各導体パターンにそれぞれ小さい規模で発生する。したがって、各導体部分64,69において表皮効果により電流密度が表面側に偏る度合いは小さくなる。
また、コイルパターン5に高周波の電流が流れると、表面側パターン51や裏面側パターン53のループ部61,66において、スリット63,68を介してループ部61,66の幅方向に隣り合う2つの導体部分64,69の間で近接効果が生じる。この近接効果では、各導体部分64,69の電流密度の高い部分が、隣の導体部分64,69の磁束によって、隣の導体部分64,69から離れた部分に集中する。
ここで、仮に、先行技術文献として挙げた特許文献1の構成を適用して、図4(a)の斜視図に示すように、コイルパターン5の表面側パターン51や裏面側パターン53のループ部61,66を、コイルパターン5の延在方向(電流が流れる方向)に沿ったスリットSによって複数の導体部分Cにそれぞれ分割した場合について検討する。
この場合、ある導体部分Cの磁束による近接効果で、ループ部61,66の幅方向における隣の導体部分Cの電流密度の高い部分が、磁束の発生した導体部分Cとは反対側の隣の導体部分Cに近い部分に集中すると、その導体部分Cの磁束も電流密度の高い部分に集中する。このため、電流密度の高い部分に隣接した導体部分Cに、集中した磁束の強さに応じた近接効果が生じる。
このような現象が繰り返されるので、図4(a)に示す例のコイルパターン5では、コイルパターン5を流れる電流の向き次第で、ループ部61,66の内周縁側又は外周縁側のどちらかの端部に配置された導体部分Cに、各導体部分Cの近接効果による影響が累積して及ぶ。そのため、ループ部61,66の内周縁側又は外周縁側の端部に配置された導体部分Cの電流密度が、他の各導体部分Cの電流密度に対して極端に高くなってしまう。
なお、図4(a)や、コイルパターン5の一部をさらに拡大して示す図4(b)の斜視図では、コイルパターン5の導体部分Cを、電流密度が高い部分ほど色を濃くして示している。即ち、図4(a),(b)の例では、コイルパターン5の内周縁側の導体部分Cの電流密度が、他の導体部分Cの電流密度よりも高くなった場合を示している。
これに対し、本実施形態のコイルパターン5では、図3(a),(b)に示すように、表面側パターン51や裏面側パターン53のループ部61,66において、スリット63,68を介して平行に配置された複数本の導体部分64,69が、ループ部61,66の延在方向に対して傾斜する向きで配置されている。
このため、表面側パターン51や裏面側パターン53のループ部61,66の延在方向における位置が変わると、ループ部61,66の幅方向における内周縁側や外周縁側の端部に位置する導体部分64,69が順次入れ替わる。
したがって、ある導体部分64,69に近接効果によって生じた電流密度分布の偏りで集中した磁束が隣の導体部分64,69を通ることで、その導体部分64,69に近接効果によって生じる電流密度分布の偏りが、磁束の発生元の導体部分64,69で生じた電流密度分布の偏りよりも累積的に強くなっても、その繰り返しによって、電流密度分布の偏りが特定の導体部分64,69に集中することがない。
図3(a),(b)でも、図4(a),(b)と同様に、導体部分64,69を、電流密度が高い部分ほど色を濃くして示している。この図3(a),(b)から明らかなように、本実施形態のコイルパターン5では、導体部分64,69における電流密度の高い部分の位置が、コイルパターン5のループ部59の延在方向の位置が変わるにつれてループ部59の幅方向に変化し、ループ部59の幅方向の全体に分散している。
よって、表面側パターン51や裏面側パターン53のループ部61,66を、表皮効果の低減のためにスリット63,68により複数の導体部分64,69に分割しても、表皮効果による渦電流の抑制と同時に、近接効果による電流密度分布の偏りが特定の導体部分64,69に集中するのを抑制することができる。これにより、コイルパターン5における電流密度分布の偏りを効果的に抑えることができる。
次に、本実施形態のトランスユニット1のコイルユニット2の製造方法について、図5乃至図7を参照して説明する。
図5はコイルユニット2の製造手順を示すフローチャートである。図1に示す本実施形態のコイルユニット2は、図5に示す表面パターン形成工程(ステップS1)と内部パターン形成工程(ステップS3)とを含んだ製造手順によって製造することができる。
このうち、ステップS1の表面パターン形成工程では、図6(a),(b)の平面図に示すように、基板3の表裏両面31,33に、エッチングにより表面側パターン51及び裏面側パターン53をそれぞれ形成する。表面側パターン51及び裏面側パターン53は、同時に形成してもよく、どちらか一方を先に形成してもよい。
そして、図5の表面パターン形成工程(ステップS1)の後には、図6(c)の平面図に示すように、表面側パターン51及び裏面側パターン53を形成した基板3の表裏両面31,33を、基板3のコア挿入孔35,37の位置にコア挿入孔75,77の位置を合わせて、保護フィルム7,7でそれぞれ被覆する。
また、ステップS1の表面パターン形成工程に続くステップS3の内部パターン形成工程では、図7(a)の平面図に示すように、基板3の表裏各面31,33の表面側パターン51や裏面側パターン53の内周縁や外周縁に沿って、コイル組立体の両保護フィルム7間に内周側スルーホール71及び外周側スルーホール73を形成する。
これにより、内周側スルーホール71及び外周側スルーホール73のうち基板3の表裏両面31,33を貫通する部分によって、表面側パターン51及び裏面側パターン53の各導体部分64,69を接続する内周側連絡パターン55及び外周側連絡パターン57が形成される。
そして、図5の内部パターン形成工程(ステップS3)の後には、図7(b)の平面図に示すように、内周側スルーホール71及び外周側スルーホール73を形成したコイル組立体の表裏両面の保護フィルム7を、基板3や保護フィルム7のコア挿入孔35,37,75,77にコア挿入孔91,93の位置の位置を合わせて、保護カバー9,9でそれぞれ被覆する。
これにより、基板3の表裏両面31,33に跨がってコイルパターン5を形成したコイル組立体の保護フィルム7に露出した内周側スルーホール71及び外周側スルーホール73を保護カバー9で絶縁被覆したコイルユニット2が完成する。
なお、コイルパターン5の内周側連絡パターン55及び外周側連絡パターン57を、本実施形態のように、コイル組立体の保護フィルム7,7間に形成した内周側スルーホール71及び外周側スルーホール73の一部で構成する代わりに、図8(a)の縦断面図に示すように、基板3の表裏両面31間に埋め込んだインレー金属によって構成してもよい。
また、上述した実施形態では、表面側パターン51や裏面側パターン53のループ部61,66を、複数のスリット63,68により複数の導体部分64,69に分割して、端子部62,67間に並列接続させた。
しかし、ループ部61,66の延在方向において隣り合う2つの内周側連絡パターン55や外周側連絡パターン57が両端に接続される、表面側パターン51や裏面側パターン53の1つの区間を、コイルパターン5のループ部59の延在方向に対して傾斜する方向に延在する1本の導体で構成してもよい。
そのように構成した場合は、コイルパターン5のループ部59が、基板3の表裏両面31,33に跨がって螺旋状に延在する1本の導体パターンによって構成されることになる。
コイルパターン5のループ部59を1本の導体パターンで構成した場合は、近接効果による電流密度分布の偏りが、1本の導体パターンにおけるループ部59の内周縁側に位置する部分と外周縁側に位置する部分とでばらつくので、導体パターンの経路上で電圧のばらつきが生じる。
しかし、螺旋状に延在する1本の導体パターンが複数ターンのコイルを構成することから、例えば、トランスの2次側のコイルとして用いてセンタータップを途中に設ける等、1本の導体パターンを電圧のばらつきが少ない範囲で分割して利用することで、表皮効果及び近接効果による電流密度分布の偏りを抑えたコイルとして利用することができる。
さらに、上述した実施形態では、2つのコイルユニット2を積層してトランスユニット1として利用する場合について説明したが、本発明は、プレーナ型コイルやプレーナ型コイルを用いたプレーナ型トランスの全般に広く適用可能である。
特に、本発明は、少なくとも1MHz以上の高周波数帯の電流を流すことで導体に表皮効果や近接効果が顕著に現れるプレーナ型コイルやプレーナ型トランスに適用して極めて有用である。
本発明は、導体によるコイルパターンを基板上に形成したプレーナ型コイル及びプレーナ型トランスにおいて利用することができる。
1 トランスユニット(プレーナ型トランス)
2 コイルユニット(プレーナ型コイル)
3 基板
5 コイルパターン
7 保護フィルム
9 保護カバー
11 コア
31 基板表面(第1面)
33 基板裏面(第2面)
35,37,75,77,91,93 コア挿入孔
51 表面側パターン
53 裏面側パターン
55 内周側連絡パターン(接続部、第3導体パターン部)
57 外周側連絡パターン(接続部、第4導体パターン部)
59 コイルパターンループ部
61 表面側パターンループ部
62 端子部
62,67 端子部
63,68 スリット
64 表面側パターンの導体部分(第1導体パターン部)
66 裏面側パターンループ部
69 裏面側パターンの導体部分(第2導体パターン部)
71 内周側スルーホール
73 外周側スルーホール
111 I型コア
113 E型コア
115 センターポール
117 ヨーク
C 導体部分
S スリット

Claims (8)

  1. ループ部(59)を有するコイルパターン(5)が形成される基板(3)と、
    前記ループ部(59)の内周縁及び外周縁のうちいずれか一方から他方に向けて前記基板(3)の第1面(31)に形成され、前記コイルパターン(5)の向きに対し傾斜した方向に延在する第1導体パターン部(64)と、
    前記ループ部(59)の内周縁及び外周縁のうちいずれか他方から一方に向けて前記基板(3)の第2面(33)に形成された第2導体パターン部(69)と、
    前記基板(3)を貫通して前記第1導体パターン部(64)と前記第2導体パターン部(69)とを接続する接続部(55,57)とを備え、
    前記第1導体パターン部(64)、第2導体パターン部(69)、及び、前記接続部(55,57)によって螺旋状に通電される、
    プレーナ型コイル(2)。
  2. 前記第2導体パターン部(69)は、前記コイルパターン(5)の向きに対し傾斜した方向に延在する請求項1記載のプレーナ型コイル(2)。
  3. 前記接続部(55,57)は、
    前記ループ部(59)の内周縁において、前記基板(3)を跨いで前記第1導体パターン部(64)と前記第2導体パターン部(69)とを接続する第3導体パターン部(55)と、
    前記ループ部(59)の外周縁において、前記基板(3)を跨いで前記第1導体パターン部(64)と前記第2導体パターン部(69)とを螺旋状に接続する第4導体パターン部(57)とを備える、
    請求項1又は2記載のプレーナ型コイル(2)。
  4. 螺旋状に接続された前記第1乃至第4導体パターン部(64,69,55,57)を複数組備え、各組が並列に接続されて前記コイルパターン(5)を構成している請求項3記載のプレーナ型コイル(2)。
  5. 前記各組の第1乃至第4導体パターン部(64,69,55,57)どうしが互いに平行に配置されている請求項4記載のプレーナ型コイル(2)。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載のプレーナ型コイル(2)を積層して一次側コイル及び二次側コイルとしたプレーナ型トランス(1)。
  7. 前記一次側コイルに少なくとも1MHz以上の高周波数帯の電力が入力される請求項6記載のプレーナ型トランス(1)。
  8. 請求項3、4又は5に記載したプレーナ型コイル(2)を製造する方法であって、
    ループ部(59)を有するコイルパターン(5)が形成される基板(3)の第1面(31)と第2面(33)とに、
    前記ループ部(59)の内周縁及び外周縁のうちいずれか一方から他方に向けて、前記コイルパターン(5)の向きに対し傾斜した方向に延在する第1導体パターン部(64)と、
    前記ループ部(59)の内周縁及び外周縁のうちいずれか他方から一方に向けて延在する第2導体パターン部(69)と、
    をそれぞれ形成する表面パターン形成工程(S1)と、
    前記基板(3)を前記第1面(31)から前記第2面(33)に亘って貫通するスルーホール(71,73)により、
    前記ループ部(59)の内周縁において前記第1導体パターン部(64)と前記第2導体パターン部(69)とを接続する第3導体パターン部(55)と、
    前記ループ部(59)の内周縁において前記第3導体パターン部(55)により前記第2導体パターン部(69)と接続された前記第1導体パターン部(64)と、前記ループ部(59)の内周縁において前記第3導体パターン部(55)により前記第1導体パターン部(64)と接続された前記第2導体パターン部(69)とを、前記ループ部(59)の外周縁において、前記基板(3)を跨いで螺旋状に接続する第4導体パターン部(57)と、
    をそれぞれ形成する内部パターン形成工程(S3)と、
    を含むプレーナ型コイル(2)の製造方法。
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