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JP2019014767A - 硬化性組成物および硬化物 - Google Patents

硬化性組成物および硬化物 Download PDF

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JP2019014767A JP2015231014A JP2015231014A JP2019014767A JP 2019014767 A JP2019014767 A JP 2019014767A JP 2015231014 A JP2015231014 A JP 2015231014A JP 2015231014 A JP2015231014 A JP 2015231014A JP 2019014767 A JP2019014767 A JP 2019014767A
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fluorene
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圭介 ▲高▼木
Keisuke Takagi
室伏 英伸
Hidenobu Murofushi
英伸 室伏
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Abstract

【課題】屈折率が高く、かつアッベ数が低い硬化物を得ることができる低粘度の硬化性組成物、および屈折率が高く、かつアッベ数が低い硬化物の提供。【解決手段】(メタ)アクリロイル基およびフルオレン構造を有する化合物(A)と;重合性官能基を有さず、フルオレン構造を有する化合物(B)と;(メタ)アクリロイル基およびビフェニル構造を有する化合物(C)と;重合開始剤(D)とを含み;すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量%のうち、化合物(A)が1〜20質量%であり、化合物(B)が9〜40質量%であり、化合物(C)が45〜89質量%であり;すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量部に対して、重合開始剤(D)が、0.01〜10質量部である、硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物、および硬化性組成物を硬化した硬化物に関する。
硬化性組成物を硬化した硬化物は、(i)インプリント法、注型成形法等によって硬化性組成物から様々な形状の硬化物を短時間で形成できる、(ii)ガラスに比べ割れにくい、(iii)ガラスに比べ軽量である、等の利点を有することから、ガラスに代わる光学部材用の材料として注目されている。従来熱可塑性樹脂も同様の理由から使用されてきたが射出成型プロセスにおけるスプール、ランナーによる歩留まりの悪さが指摘されている。
カメラ等の光学系においては、色収差の補正等を目的に、アッベ数の異なるレンズを組み合わせることがある。そこで、アッベ数が高いレンズとともに、アッベ数が低いレンズも求められる。そのため、硬化性組成物としては、屈折率が高く、かつアッベ数が低い硬化物を得ることができるものが求められることがある。
屈折率が高く、かつアッベ数が低い硬化物を得ることができる硬化性組成物としては、たとえば、下記のものが提案されている。
(1)(メタ)アクリロイルオキシ基およびフルオレン構造を有する化合物の40〜78質量%と、(メタ)アクリロイル基を有し、フルオレン構造を有しない化合物の20〜59質量%と、重合開始剤の0.1〜5質量%とを含み、硬化物のアッベ数が10〜40である硬化性組成物(特許文献1)。
しかし、(メタ)アクリロイルオキシ基およびフルオレン構造を有する化合物は、高粘度であり、しかも(1)の硬化性組成物における該化合物の含有率が高いため、(1)の硬化性組成物は、粘度が高く、取扱性が悪い。
屈折率が高い硬化物を得ることができる低粘度の硬化性組成物としては、たとえば、下記のものが提案されている。
(2)ポリオールに由来する構造単位を有しないウレタン(メタ)アクリレートと、ビフェニル構造および重合性官能基を有する化合物と、フルオレン構造および重合性官能基を有する化合物と、重合開始剤とを含む硬化性組成物(特許文献2)。
(3)ビフェニル構造および重合性官能基を有する化合物と、フルオレン構造および重合性官能基を有する化合物と、重合開始剤とを含む硬化性組成物(特許文献3)。
特開2010−037470号公報 特開2009−132842号公報 特開2012−082387号公報
ビフェニル構造および重合性官能基を有する化合物は、屈折率が高く、低粘度であるため、硬化物の屈折率の低下を抑えつつ、(2)、(3)の硬化性組成物の粘度を下げることができる。しかし、(2)、(3)の硬化性組成物を硬化した硬化物は、屈折率の高さがいまだ不充分である。
本発明は、屈折率が高く、かつアッベ数が低い硬化物を得ることができる低粘度の硬化性組成物、および屈折率が高く、かつアッベ数が低い硬化物を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>(メタ)アクリロイル基を有し、かつ下式(1)で表されるフルオレン構造を有する化合物(A)と;重合性官能基を有さず、かつ下式(1)で表されるフルオレン構造を有する化合物(B)と;(メタ)アクリロイル基を有し、かつ下式(2)で表されるビフェニル構造を有する化合物(C)(ただし、前記化合物(A)を除く。)と;重合開始剤(D)とを含み;すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と前記化合物(B)との合計100質量%のうち、前記化合物(A)が、1〜20質量%であり、前記化合物(B)が、9〜40質量%であり、前記化合物(C)が、45〜89質量%であり;すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と前記化合物(B)との合計100質量部に対して、前記重合開始剤(D)が、0.01〜10質量部である、硬化性組成物。
Figure 2019014767
ただし、*印は結合手を表し、フルオレン構造およびビフェニル構造は、置換基を有していてもよい。
<2>フッ素原子を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する化合物(E)(ただし、前記化合物(A)および前記化合物(C)を除く。)をさらに含み;すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と前記化合物(B)との合計100質量%のうち、前記化合物(E)が、0.01〜5質量%である、<1>の硬化性組成物。
<3>前記<1>または<2>の硬化性組成物を硬化した硬化物。
本発明の硬化性組成物によれば、屈折率が高く、かつアッベ数が低い硬化物を得ることができる。また、本発明の硬化性組成物は、低粘度である。
本発明の硬化物は、屈折率が高く、かつアッベ数が低い。
本明細書において、式(A1)で表される化合物を化合物(A1)とも記す。他の式で表される化合物についても同様に記す。
「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
「光」とは、紫外線、可視光線、赤外線、電子線および放射線の総称である。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、化合物(A)と、化合物(B)と、化合物(C)と、重合開始剤(D)とを必須成分として含む。
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて化合物(E)、化合物(F)、添加剤、溶剤等を含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物の25℃における粘度は、20Pa・s以下が好ましく、0.1〜15Pa・sがより好ましく、1〜12Pa・sがさらに好ましい。硬化性組成物の粘度が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物の取扱性がよくなり、硬化性組成物をインプリント用のモールドに容易に接触させたり、注型成形用のモールドに容易に注入したりできる。硬化性組成物の粘度が前記範囲の下限値以上であれば、硬化性組成物が基材の表面から流れ出すことなく、硬化性組成物を簡便に基材の表面に塗布できる。
(化合物(A))
化合物(A)は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ下式(1)で表されるフルオレン構造を有するものである。
Figure 2019014767
ただし、*印は結合手を表し、フルオレン構造は、置換基を有していてもよい。
化合物(A)としては、合成のしやすさ、入手のしやすさの点から、化合物(A1)が好ましい。
Figure 2019014767
は、水素原子またはメチル基である。
は、−CH−、−CHCH−、−CHCH(CH)−、CHCHCH−、−CHCH(OH)CH−、または−CHCH(OR)CH−(ただし、Rは(メタ)アクリロイル基である。)である。Rとしては、−CHCH−、−CHCH(OH)CH−、または−CHCH(OR)CH−が好ましく、−CHCH−が特に好ましい。
aは、0〜4の整数である。aとしては、1または2が好ましく、1が特に好ましい。
は、水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、またはプロピル基が好ましい。Rとしては、水素原子が特に好ましい。
化合物(A)としては、下記の化合物が挙げられる。
9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジメトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−(2−ヒドロキシ)プロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−(2−ヒドロキシ)プロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−(2−ヒドロキシ)プロポキシエトキシフェニル)フルオレン等。
化合物(A)の市販品としては、大阪ガスケミカル社製のEA−0200、EA−0500、EA−1000等、新中村化学工業社製のA−BPEF等が挙げられる。
化合物(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化合物(B))
化合物(B)は、重合性官能基を有さず、かつ下式(1)で表されるフルオレン構造を有するものである。
Figure 2019014767
ただし、*印は結合手を表し、フルオレン構造は、置換基を有していてもよい。重合性官能基は、重合性の炭素−炭素二重結合を有する基であり、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
化合物(B)としては、合成のしやすさ、入手のしやすさの点から、化合物(B1)が好ましい。
Figure 2019014767
Xは、水酸基、−O(RO)H(ただし、Rは−CH−、−CHCH−、−CHCH(CH)−、CHCHCH−、または−CHCH(OH)CH−であり、bは1〜4の整数である。)、グリシジルオキシ基、またはアミノ基である。Xとしては、水酸基または2−ヒドロキシエトキシが好ましく、水酸基が特に好ましい。
は、水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、またはプロピル基が好ましい。Rとしては、水素原子が特に好ましい。
化合物(B)としては、下記の化合物が挙げられる。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等。
化合物(B)の市販品としては、大阪ガスケミカル社製のBPF、BCF、BPEF等、JFEケミカル社製のビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、ビスアミノフェニルフルオレン等が挙げられる。
化合物(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化合物(C))
化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ下式(2)で表されるビフェニル構造を有するもの(ただし、化合物(A)を除く。)である。
Figure 2019014767
ただし、*印は結合手を表し、ビフェニル構造は、置換基を有していてもよい。
化合物(C)としては、合成のしやすさ、入手のしやすさの点から、化合物(C1)または化合物(C2)が好ましく、硬化性組成物の低粘度化の点から、化合物(C1)が特に好ましい。
Figure 2019014767
は、水素原子またはメチル基である。
なお、化合物(C1)において−CHOC(O)CR=CHは、2つのフェニル基のうち左側のフェニル基に対して右側のフェニル基のオルト位またはメタ位に結合する。
は、水素原子またはメチル基である。
は、水素原子またはメチル基である。
mは、1または2である。mとしては、1が特に好ましい。
化合物(C)としては、下記の化合物が挙げられる。
o−フェニルベンジル(メタ)アクリレート、m−フェニルベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート等。
なお、p−フェニルベンジル(メタ)アクリレートは25℃で固体であるが、o−フェニルベンジル(メタ)アクリレートまたはm−フェニルベンジル(メタ)アクリレートに溶解させて用いることができる。
化合物(C)の市販品としては、DIC社製のEKZ−948、新中村化学工業社製のA−LEN−10、東亞合成社製のTO−1463等が挙げられる。
化合物(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合開始剤(D))
重合開始剤(D)は、硬化方法(光硬化または熱硬化)等に応じて適宜選択される。
重合開始剤(D)としては、光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。重合開始剤(D)としては、硬化物の製造のしやすさの点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光を吸収することによってラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤としては、硬化物の製造のしやすさの点から、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、オキシフェニル酢酸エステル系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。感度および相溶性の点から、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤またはベンゾフェノン系光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等が挙げられる。分解温度の点から、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシドが好ましい。
熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化合物(E))
化合物(E)は、フッ素原子を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を1つ以上有するものである(ただし、化合物(A)および化合物(C)を除く)。
化合物(E)としては、他の成分との相溶性の点から、フルオロ(メタ)アクリレートが好ましい。
フルオロ(メタ)アクリレートとしては、下記の化合物が挙げられる。
CH=CHC(O)OCHCH(OH)CHCFCFCF(CF
CH=C(CH)C(O)OCHCH(OH)CHCFCFCF(CF
CH=CHC(O)OCH(CF
CH=C(CH)C(O)OCH(CF
CH=CHC(O)O(CH(CF10F、
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CF10F、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)OCH(CFF、
CH=C(CH)C(O)OCH(CFF、
CH=CHC(O)OCH(CFF、
CH=C(CH)C(O)OCH(CFF、
CH=CHC(O)OCHCFCFH、
CH=CHC(O)OCH(CFCFH、
CH=CHC(O)OCH(CFCFH、
CH=C(CH)C(O)OCHCFCFH、
CH=C(CH)C(O)OCH(CFCFH、
CH=C(CH)C(O)OCH(CFCFH、
CH=CHC(O)OCHCFOCFCFOCF
CH=CHC(O)OCHCFO(CFCFO)CF
CH=C(CH)C(O)OCHCFOCFCFOCF
CH=C(CH)C(O)OCHCFO(CFCFO)CF
CH=CHC(O)OCHCF(CF)OCFCF(CF)O(CFF、
CH=CHC(O)OCHCF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFF、
CH=C(CH)C(O)OCHCF(CF)OCFCF(CF)O(CFF、
CH=C(CH)C(O)OCHCF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFF、
CH=CFC(O)OCHCH(OH)CH(CFCF(CF
CH=CFC(O)OCHCH(CHOH)CH(CFCF(CF
CH=CFC(O)OCHCH(OH)CH(CF10F、
CH=CFC(O)OCHCH(CHOH)CH(CF10F、
CH=CHC(O)OCHCF(OCFCFOCFCHOC(O)CH=CH(ただし、pは1〜20の整数である。)、
CH=C(CH)C(O)OCHCF(OCFCFOCFCHOC(O)C(CH)=CH(ただし、pは1〜20の整数である。)、
CH=CHC(O)OCH(CFCHOC(O)CH=CH
CH=C(CH)C(O)OCH(CFCHOC(O)C(CH)=CH等。
化合物(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化合物(F))
化合物(F)は、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有するものである(ただし、化合物(A)、化合物(C)および化合物(E)を除く)。
化合物(F)としては、(メタ)アクリロイル基に酸素原子を介して炭素数1〜30の有機基が結合したものが好ましい。有機基の炭素数は4〜20が好ましく、4〜12がより好ましい。
有機基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、橋かけ炭化水素基、オキシアルキレン鎖の繰り返し構造を有する基、芳香族基、複素環基等が挙げられる。これらの基は、炭素原子の一部が窒素原子、酸素原子等のヘテロ原子またはケイ素原子で置換されていてもよく、水素原子の一部が水酸基、アミノ基等の官能基で置換されていてもよく、不飽和結合や遊離カルボキシ基を有していてもよい。有機基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基、橋かけ炭化水素基が好ましい。
化合物(F)としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有する化合物(F1)(ただし、化合物(A)、化合物(C)および化合物(E)を除く。)、または(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する化合物(F2)(ただし、化合物(A)、化合物(C)および化合物(E)を除く。)が挙げられる。
化合物(F1)としては、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。化合物(F1)としては、下記の化合物が挙げられる。
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(2−(tert−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、ベンジル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート等。
化合物(F2)としては、ジオール(グリコール等)の(メタ)アクリレート、トリオール(グリセロール、トリメチロール等)の(メタ)アクリレート、テトラオール(ペンタエリスリトール等)の(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。化合物(F2)としては、下記の化合物が挙げられる。
ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3−ジグリセロレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3−ビス(3−メタクリロイロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアリル酸、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジ(メタ)アクリレート、ペンタリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等。
化合物(F)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(添加剤)
添加剤としては、界面活性剤、酸化防止剤(耐熱安定剤)、チクソトロピック剤、消泡剤、耐光安定剤、ゲル化防止剤、光増感剤、樹脂、樹脂オリゴマー、炭素化合物、金属微粒子、金属酸化物微粒子、シランカップリング剤、他の有機化合物等が挙げられる。
(溶剤)
本発明の硬化性組成物は、溶剤を含んでもよい。ただし、硬化性組成物を硬化する前には、溶剤を除去することが好ましい。
溶剤としては、化合物(A)〜(C)、(E)、(F)および重合開始剤(D)を溶解可能な溶剤であればいずれも用いることができ、エステル構造、ケトン構造、水酸基、エーテル構造のいずれか1つ以上を有する溶剤が好ましい。
本発明において溶剤を使用する場合、硬化性組成物中の溶剤の含有量は、目的の粘度、塗布性、目的とする膜厚等によって適宜調整すればよい。
(硬化性組成物の各成分の割合)
化合物(A)の割合は、すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量%のうち、1〜20質量%であり、3〜15質量%が好ましく、5〜12質量%がより好ましい。化合物(A)の割合が前記範囲の下限値以上であれば、硬化物の屈折率を高くする効果および硬化物のアッベ数を低くする効果が得られる。また、硬化物の機械的特性が良好となる。化合物(A)の割合が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物の粘度が低く抑えられる。
化合物(B)の割合は、すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量%のうち、9〜40質量%であり、15〜37質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。化合物(B)の割合が前記範囲の下限値以上であれば、硬化物の屈折率が高くなり、かつ硬化物のアッベ数が低くなる。化合物(B)の割合が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物の粘度が低く抑えられる。また、硬化物の機械的特性が良好となる。
化合物(C)の割合は、すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量%のうち、45〜89質量%であり、50〜80質量%が好ましく、55〜70質量%がより好ましい。化合物(C)の割合が前記範囲の下限値以上であれば、硬化性組成物の粘度を低くできる。化合物(C)の割合が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物の屈折率の低下が抑えられる。
重合開始剤(D)の添加量は、すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部であり、0.1〜7質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましい。重合開始剤(D)の添加量が前記範囲の下限値以上であれば、容易に硬化物を形成できる。重合開始剤(D)の添加量が前記範囲の上限値以下であれば、均一に混合することができることから、硬化物に残存する重合開始剤(D)が少なくなり、硬化物の物性の低下が抑えられる。
化合物(E)を含む場合、化合物(E)の割合は、すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量%のうち、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜4質量%がより好ましく、0.3〜3質量%がさらに好ましい。化合物(E)の割合が前記範囲の下限値以上であれば、硬化物の離型性に優れる。化合物(E)の割合が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物の屈折率の低下および硬化物のアッベ数の上昇が抑えられる。
本発明の硬化性組成物は化合物(F)をできるだけ含まないことが好ましい。化合物(F)の割合は、すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量%のうち、0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましい。化合物(F)の割合が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物の屈折率の低下および硬化物のアッベ数の上昇が抑えられる。
添加剤等の他の成分の合計の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲であればよく、すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化合物(B)との合計100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
(作用機序)
以上説明した本発明の硬化性組成物にあっては、以下の理由から、屈折率が高く、かつアッベ数が低い硬化物を得ることができる。また、本発明の硬化性組成物は、低粘度である。
本発明の硬化性組成物は、屈折率が高く、かつアッベ数が低い、(メタ)アクリロイル基およびフルオレン構造を有する特定の化合物(A)を含むため、硬化物の屈折率を高く、かつ硬化物のアッベ数を低くできる。しかし、化合物(A)だけでは硬化物の屈折率を高く、かつ硬化物のアッベ数を低くするには限界がある。
そこで、重合性官能基を有しないことで屈折率がさらに高くされ、かつアッベ数がさらに低くされたフルオレン構造を有する特定の化合物(B)をさらに含ませることによって、硬化物の屈折率をさらに高く、かつ硬化物のアッベ数をさらに低くしている。しかし、化合物(A)は粘度が高く、しかも化合物(B)は25℃で固体のものが多いため、化合物(A)および化合物(B)の混合物は、粘度がかなり高い。
そこで、粘度が低く、屈折率があまり低くなく、かつアッベ数が低い、(メタ)アクリロイル基およびビフェニル構造を有する特定の化合物(C)をさらに含ませることによって、硬化物の屈折率の低下を抑えつつ、硬化性組成物の粘度を低下させている。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を硬化したものである。本発明の硬化物を基材の表面に形成して、本発明の硬化物からなる層と基材からなる層とを有する積層体としてもよい。
硬化物の波長589nmの光に対する屈折率は、1.61以上が好ましく、1.63以上がより好ましい。屈折率が前記範囲の下限値以上であれば、光学部材の材料とした場合、薄肉化が可能となる。上限は特に限定されないが、有機物であることを考慮すると1.85程度である。
硬化物の下式(I)から求めたアッベ数は、24以下が好ましく、23以下がより好ましい。アッベ数が前記範囲の上限値以下であれば、光学部材の材料とした場合、アッベ数の高い材料と組み合わせることで色収差を減少させることができる。アッベ数は低ければ低いほどよく、下限は特に限定されないが、有機物であることを考慮すると19程度である。
ν=(n−1)/(n−n) (I)
ただし、νは、アッベ数であり、nは、波長589nmの光に対する屈折率であり、nは、波長486nmの光に対する屈折率であり、nは、波長656nmの光に対する屈折率である。
(硬化物の製造方法)
本発明の硬化物を製造する方法としては、微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと硬化性組成物とを接触させた状態で該硬化性組成物を硬化させて、微細パターンを表面に有する硬化物を形成する方法(インプリント法);モールドのキャビティ内に硬化性組成物を注入し、該硬化性組成物を硬化させて硬化物を形成する方法(注型成形法)等が挙げられる。
硬化方法は、光硬化または熱硬化が挙げられ、重合開始剤(D)に応じて適宜選択すればよい。硬化方法としては、硬化物の製造のしやすさの点から、光硬化が好ましい。
(作用機序)
以上説明した本発明の硬化物にあっては、本発明の硬化性組成物を硬化したものであるため、屈折率が高く、かつアッベ数が低い。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1〜3は実施例であり、例4、5は比較例である。
(硬化性組成物の粘度)
硬化性組成物の粘度は、動的粘弾性測定装置(Anton Paar社製、Physica MCR301)を用いて、10s−1の剪断速度における動的粘弾性を25℃で測定し、求めた。
(硬化性組成物の屈折率)
硬化性組成物の屈折率は、アッベ屈折計(アタゴ社製、多波長アッベ屈折計DR−M2)を用い、温度:25℃、波長:589nmにおいて測定した。
(硬化性組成物のアッベ数)
硬化性組成物のアッベ数は、アッベ屈折計(同上)を用い、温度:25℃で、波長:589nm、486nm、および656nmのそれぞれの屈折率を測定し、下式(I)から算出した。
ν=(n−1)/(n−n) (I)
ただし、νは、アッベ数であり、nは、波長589nmの光に対する屈折率であり、nは、波長486nmの光に対する屈折率であり、nは、波長656nmの光に対する屈折率である。
(硬化物の屈折率)
シリコンウエハの表面に硬化性組成物を塗布し、高圧水銀ランプから紫外線を露光量:3000mJ/cmで照射して、膜状の硬化物を形成した。屈折率測定装置(米国メトリコン社製プリズムカプラ:2010/M)を用いて、膜状の硬化物の波長473nm、594nmおよび658nmの光に対する屈折率を測定し、装置付属のMetricon Fitを用いて波長589nmの光に対する屈折率を算出した。
(硬化物のアッベ数)
上述の装置付属のMetricon Fitを用いて各波長における屈折率を算出し、上式(I)からアッベ数を算出した。
(化合物(A))
化合物(A1−1):9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製、オグソール(登録商標)EA−0200、溶剤:トルエン(5質量%)、n:1.608、ν:24.8、25℃における粘度:100000mPa・s以上)。
Figure 2019014767
(化合物(B))
化合物(B1−1):9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製、BPF、n:1.680、ν:19、25℃において固体)。
Figure 2019014767
(化合物(C))
化合物(C1−1):o−フェニルベンジルアクリレート(DIC社製、ユニディック(登録商標)EKZ−948、n:1.585、ν:24.1、25℃における粘度:28mPa・s)。
Figure 2019014767
(重合開始剤(D))
重合開始剤(D−1):光ラジカル重合開始剤(BASFジャパン社製、IRGACURE(登録商標)184)。
(化合物(E))
化合物(E−1):CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF。
(例1)
化合物(A1−1)の1.50g(EA−0200の1.58g:大阪ガスケミカル社製「EA−0200」、揮発分として5質量%のトルエンを含む)、化合物(B1−1)の4.45g、化合物(C1−1)の10.0g、およびメチルエチルケトンの5.0gを均一になるように混合し、40℃で溶媒の減圧留去を行った。得られた溶液に重合開始剤(D−1)の0.48gを混合し、例1の硬化性組成物を得た。各成分の量を表1に示す。粘度、屈折率およびアッベ数を表2に示す。
(例2〜5)
化合物(A1−1)、化合物(B1−1)、化合物(C1−1)、化合物(D−1)および化合物(E−1)の量を表1に示す量に変更した以外は、例1と同様にして硬化性組成物を得た。粘度、屈折率およびアッベ数を表2に示す。
Figure 2019014767
Figure 2019014767
化合物(B)を含む例1〜3は、化合物(B)を含まない例4、5に比べ、硬化物の屈折率が高く、かつアッベ数が低かった。また、化合物(C)を45質量%以上含む例1〜3は、化合物(C)が45質量%未満の例4に比べ、硬化性組成物の粘度が低かった。
本発明の硬化性組成物は、光学部材(レンズ、プリズム、反射防止膜、光導波路、LED封止材等)、記録メディア、半導体デバイス製造等に用いられる材料として有用である。

Claims (3)

  1. (メタ)アクリロイル基を有し、かつ下式(1)で表されるフルオレン構造を有する化合物(A)と、
    重合性官能基を有さず、かつ下式(1)で表されるフルオレン構造を有する化合物(B)と、
    (メタ)アクリロイル基を有し、かつ下式(2)で表されるビフェニル構造を有する化合物(C)(ただし、前記化合物(A)を除く。)と、
    重合開始剤(D)とを含み、
    すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と前記化合物(B)との合計100質量%のうち、前記化合物(A)が、1〜20質量%であり、前記化合物(B)が、9〜40質量%であり、前記化合物(C)が、45〜89質量%であり、
    すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と前記化合物(B)との合計100質量部に対して、前記重合開始剤(D)が、0.01〜10質量部である、硬化性組成物。
    Figure 2019014767
    ただし、*印は結合手を表し、フルオレン構造およびビフェニル構造は、置換基を有していてもよい。
  2. フッ素原子を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する化合物(E)(ただし、前記化合物(A)および前記化合物(C)を除く。)をさらに含み、
    すべての(メタ)アクリロイル基を有する化合物と前記化合物(B)との合計100質量%のうち、前記化合物(E)が、0.01〜5質量%である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 請求項1または2に記載の硬化性組成物を硬化した硬化物。
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