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JP2019094265A - ヘアコンディショニング剤及びその製造方法 - Google Patents

ヘアコンディショニング剤及びその製造方法 Download PDF

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JP2019094265A JP2017222023A JP2017222023A JP2019094265A JP 2019094265 A JP2019094265 A JP 2019094265A JP 2017222023 A JP2017222023 A JP 2017222023A JP 2017222023 A JP2017222023 A JP 2017222023A JP 2019094265 A JP2019094265 A JP 2019094265A
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Abstract

【課題】カチオン界面活性剤と高級アルコール、高重合シリコーン、高重合アミノ変性シリコーンとを含有するヘアコンディショニング剤において、髪にしなやかさ、艶、指通りの良さ、ハリ・コシ感、ボリューム感を与えつつ、同時に経時的な粘度・硬度変化を抑制し、安定性の良いヘアコンディショニング剤を提供すること。【解決手段】カチオン界面活性剤と高級アルコールとを含有するヘアコンディショニング剤において、高重合シリコーンと高重合アミノ変性シリコーンとを別々に分散させることで、毛髪のコンディショニング効果を損なうことなく、濡れた状態の毛髪にハリ・コシ感を与え、かつ乾燥後の毛髪にもハリ・コシ感を与えると共にボリューム感も付与できるヘアコンディショニング剤を得ることができる。【選択図】なし

Description

本願発明は、毛髪用化粧料に関し、更に詳細には、洗い流し時の指通り性が良好で、毛髪のコンディショニング効果を損なうことなく、濡れた状態の毛髪にハリ・コシ感を与え、かつ乾燥後の毛髪にもハリ・コシ感を与えると共にボリューム感も付与することができるヘアコンディショニング剤及びその製造方法に関する。
ヒトの毛髪は、ヘアカラーやパーマ処理、日々のブラッシング等の様々な要因で、表面や内部が損傷し、パサつきや滑りの悪さが現れるとともに、ツヤやハリ・コシが失われてくる。そのため、ヘアリンスやヘアコンディショニング剤には、滑らかさ、しっとり感等のより高いコンディショニング効果が求められ、様々な技術が開発されてきた。
従来、ヘアコンディショニング剤は、カチオン界面活性剤、高融点脂肪化合物、低融点油剤、シリコーン化合物等の組成物として提供されてきた。また、ヘアコンディショニング剤には、毛髪にツヤや滑らかさ、しっとり感、髪型維持効果、髪の拡がり抑制効果を与える目的でシリコーンが使用され、高重合シリコーンやアミノ変性シリコーンの併用も数多く報告されている(特許文献1、2)。しかしながら、シリコーンを使用することによって毛髪に滑らかさやしっとり感を与えられるものの、ハリ・コシ感を与えることは難しく、毛髪にハリ・コシ感を与えるためにはポリマーの併用が提案されてきた(特許文献3)。
また、カチオン界面活性剤や高級アルコールによって毛髪に滑らかさやしっとり感は付与できるものの、毛量の減少や毛髪強度の低下が見られる使用者にとっては、これらの付着による髪の重さが原因でハリ・コシ感や髪全体のボリューム感が低下することが問題となることがあった。しかしながら、カチオン界面活性剤や高級アルコールの量が少ないと、滑らかさや髪のまとまり改善等の効果が得られにくい上、経時的に安定な乳化物を得ることが難しく、ヘアコンディショニング剤として適当な粘度が出しにくいという問題があった。
また、シリコーン類に関しては、分散粒子が大きいと経時的な安定性が悪くなる一方で、分散粒子を小さくするために界面活性剤の量を相対的に多くすると、髪に付着して残るシリコーン類の量が減り、付着感が弱くなるため、適度な分散粒子径の制御が課題であった。更に、高重合シリコーンは高粘度であるため、化粧料基剤へ分散しようとすると、小さな機械力では粒子径が揃わず、含有量に比例した効果が感じられにくくなる。そのため、より強い機械力を持つ製造設備が必要になったり、高重合シリコーンの含有量を増やす必要が生じるなど、満足な効果を発揮するためには不経済となることが課題であった。
また、一般的に高重合シリコーンは高粘度であるため分散しにくく、予め高重合シリコーンを低粘度のシリコーンや相溶性のある液状油と混合したり、高重合シリコーンをエマルション化して使用される。また、アミノ基を有しない高重合シリコーンを、アミノ基を有するシリコーン及び低粘度シリコーンと予め混合してから基剤中に添加する方法も提案されている(特許文献4)。しかしながら、アミノ基を有する高重合シリコーンと比べてアミノ基を有しない高重合シリコーンは分散しにくく、アミノ基を有する高重合シリコーンとアミノ基を有しない高重合シリコーンとを別々に添加することで、分散状態だけでなく毛髪のコンディショニング効果をも改善できることは知られておらず、製造方法も提案されていなかった。
特開平6−145029 特表2001−504136 特開2014−231489 特許第4578487号
かかる状況に鑑み、本願発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、アミノ基を有しない高重合シリコーンとアミノ基を有する高重合シリコーンとを含有するヘアコンディショニング剤において、洗い流し時の良好な指通りやコンディショニング効果を保ちつつ、洗い流し時にも乾燥した髪にもハリ・コシ感を与え、更に乾燥した髪にボリューム感も与えられるヘアコンディショニング剤を提供することを課題とする。
本願発明者は、上記課題の解決に向けて鋭意検討を行った結果、(A)カチオン界面活性剤、(B)炭素数16〜22の高級アルコール、及び(C)液状油の含有量が少なく、(D)カチオン化グアーガム、及び(E)水を含有する水系基剤中に、(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンと(H)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物の液滴と、(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンと(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物の液滴とが別々に分散しているヘアコンディショニング剤に、毛髪へのコンディショニング効果を損なうことなく、毛髪にハリ・コシ感とボリューム感を与えられる効果があることを見出した。
また、本願発明者は、水系基剤中に(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンと(H)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物を分散させた後、続いて(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンと(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物を分散させる手順を経ることによって、ホモミキサーを用いた場合の撹拌翼の周速600m/分以下のせん断力より小さな機械力によって高重合シリコーンの分散粒子径を30μm以下にできることを見出した。
また、本願発明は、前記成分(A)カチオン界面活性剤の含有量が3.0重量%以下であり、(A)と(B)炭素数16〜22の高級アルコールの重量比(B)/(A)が2〜8であり、(C)25℃で液状の油剤の含有量が0.05〜3重量%であり、(D)カチオン化グアーガムの含有量が0.05〜3重量%であることを特徴とするヘアコンディショニング剤を提供する。
また、本願発明は、前記成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンの含有量が0.1〜5重量%であり、(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンの含有量が0.03〜3重量%であることを特徴とするヘアコンディショニング剤を提供する。
また、本願発明は、前記成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンが、アミノ基を有しない高重合ジメチコン、アミノ基を有しない高重合ジメチコノール、及びモノマーの一部にジメチコンを有するポリマーからなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とするヘアコンディショニング剤を提供する。
また、本願発明は、前記成分(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンが、アミノ基を有する高重合ジメチコン、アミノ基を有する高重合ジメチコノール、及びモノマーの一部にジメチコン及びアミノ基を有するポリマーからなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とするヘアコンディショニング剤を提供する。
また、本願発明は、前記成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンと(H)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物の液滴と、(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンと(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物の液滴が、いずれも粒子径30μm以下で分散していることを特徴とするヘアコンディショニング剤を提供する。
また、本願発明は、ホモミキサーを用いた場合の撹拌翼の周速600m/分のせん断力以下の機械力によって、水系基剤中に(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンと(H)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物を分散させた後、続いてホモミキサーを用いた場合の撹拌翼の周速600m/分のせん断力以下の機械力によって、(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンと(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物を分散させることを特徴とするヘアコンディショニング剤の製造方法を提供する。
本願発明のヘアコンディショニング剤は、アミノ基を有しない高重合シリコーンとアミノ基を有する高重合シリコーンとを含有するヘアコンディショニング剤において、洗い流し時の良好な指通りを保ちつつ、洗い流し時にも乾燥した髪にもハリ・コシ感を与え、更に乾燥した髪にはボリューム感も与えられる優れたものである。また、本願発明の製造方法によれば、組成物中に含まれる界面活性剤量が少ない場合においても、シリコーンの分散粒子を小さな機械力によって細かくすることができるため、経時的に安定で、かつ各シリコーンはそれぞれの含有量に見合った付着感を与えることができ、各シリコーンの効果を効率的に発揮することができるため、経済的にも優れた方法である。
本願発明に用いる成分(A)カチオン界面活性剤としては、例えば第4級アンモニウム塩が挙げられる。いかなるアルキル鎖長を持つ第4級アンモニウム塩も用いることができる。例えば、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリドである「コータミン E−80K」(花王株式会社製)、ベヘントリモニウムクロリドである「NIKKOL CA−2580」(日光ケミカルズ株式会社製)等が挙げられる。
成分(A)の含有量は特に限定されないが、ヘアコンディショニング剤全体に対して0.5〜3重量%が好ましい。0.5重量%より少ないとヘアコンディショニング剤として適した粘度・硬度が得られにくく、使用性が悪くなることや、乳化物が得られない場合がある。3重量%を超えるとしっとり感が強くなりやすく、ハリ・コシ感やボリューム感が得られにくく本願発明の効果が表れにくくなる場合がある。
本願発明に用いる成分(B)炭素数16〜22の高級アルコールは、毛髪化粧料に一般的に含有される高級アルコールであれば特に限定されない。例えば、セチルアルコールである「NAA−44」(日油株式会社製)や、ステアリルアルコールである「ステアリルアルコール NX」(高級アルコール工業株式会社製)、ベヘニルアルコールである「ベヘニルアルコール」(高級アルコール工業株式会社製)等が挙げられる。
成分(B)は、ヘアコンディショニング剤の粘度・硬度、使用性から炭素数16〜22である。炭素数が16よりも少ない高級アルコールで調製すると、コンディショニング効果が弱くなり使用性が悪くなる場合がある。また、炭素数が22より多い高級アルコールで調製すると、ヘアコンディショニング剤が固くなり、使用性が悪くなる場合がある。本願発明で使用する高級アルコールは、1種でも2種以上含有しても良い。
成分(A)と(B)の重量比(B)/(A)は、特に限定されないが、ヘアコンディショニング剤としての効果や経時安定性の観点から、2〜8が好ましい。2より小さいとしっとり感が強くなりやすく、ハリ・コシ感が得られにくい場合がある。8より大きいと、ヘアコンディショニング剤の乳化安定性が低下する場合がある。
本願発明に用いる成分(C)25℃で液状の油剤としては、例えば、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、スクワラン等の炭化水素油、オリーブ油、マカデミアナッツ油等のトリグリセリド、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル等のエステル油、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の分岐又は不飽和高級アルコールが挙げられる。なお、これらの液状油は、1種でも2種以上含有しても良い。
成分(C)の含有量は、特に限定されないが、ヘアコンディショニング剤全体に対して0.05〜3重量%が好ましい。0.05重量%より少ないとコンディショニング効果が現れにくい場合がある。3重量%を超えると、ヘアコンディショニング剤として適した粘度・硬度が得られにくく、使用性が悪くなったり、使用後の髪がしっとり重くなり、ハリ・コシ感が得られにくい場合がある。
本願発明に用いる成分(D)カチオン化グアーガムとしては、例えばグアーガムを4級アンモニウム化したグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。市販品として、例えば「ラボールガム CG−M」(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)や、「JAGUAR C−14S」(三晶株式会社製)が挙げられる。
成分(D)の含有量は、特に限定されないが、ヘアコンディショニング剤全体に対して0.05〜3重量%が好ましい。0.05重量%より少ないとコンディショニング剤として適した粘度が得られにくく、経時的な安定性が悪くなる場合がある。3重量%を超えると、ハリ・コシ感ではなく不快なきしみ感として感じられることがあり、滑らかな感触が得られにくく、使用性が悪くなる場合がある。
本願発明に用いる成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンは、アミノ基を有しない高重合ジメチコン、アミノ基を有しない高重合ジメチコノール、及びモノマーの一部にジメチコンを有しアミノ基を有しないポリマーからなる群より選ばれた1種以上の化合物を表わす。重合度は、粘度換算すると25℃における動粘度が10,000mm/s以上であり、好ましくは100,000mm/s以上である。
成分(F)としては、例えば、25℃における動粘度が100,000mm/sの高重合ジメチコンである「KF−96H−10万Cs」(信越化学工業株式会社製)や、25℃における動粘度が22,000mm/sの高重合ジメチコノールである「X−21−5847」(信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
成分(F)の含有量は特に限定されないが、0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%より少ないとコンディショニング効果が現われにくい場合がある。5重量%を超えるとコンディショニング効果は得られるものの、髪への付着量が多くなりやすく、使用後の髪がしっとり重くなり、ハリ・コシ感やボリューム感が得られにくい場合がある。
本願発明に用いられる成分(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンは、アミノ基を有する高重合ジメチコン、アミノ基を有する高重合ジメチコノール、及びモノマーの一部にジメチコン及びアミノ基を有するポリマーからなる群より選ばれた1種以上の化合物を表わす。重合度は、粘度換算すると25℃における動粘度が10,000mm/s以上であり、好ましくは50,000mm/s以上である。
成分(G)としては、例えば25℃における動粘度が50,000〜100,000mm/sである「KF−8015」(信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
成分(G)の含有量は特に限定されないが、0.03〜3重量%が好ましい。0.03重量%より少ないとコンディショニング効果が現われにくい場合がある。3重量%を超えるとコンディショニング効果は得られるものの、髪への付着量が多くなりやすく、使用後の髪がしっとり重くなり、ハリ・コシ感やボリューム感が得られにくい場合がある。
本願発明に用いる成分(H)及び(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンは、アミノ基を有しても有していなくても良く、環状構造を有しても有していなくても良く、25℃における動粘度が500mm/s以下である。また、2種以上のシリコーンを複数混合したものでも良く、更にシリコーンと相溶性があれば、シリコーン以外のオイル成分を混合したものも用いることができ、高重合シリコーンを混合する前の動粘度が500mm/s以下になっているものであれば特に限定されるものではない。また、成分(F)と混合する成分(H)と、成分(G)と混合する成分(H’)とは、同一でも異なっていても良い。
成分(H)及び(H’)の含有量は特に限定されないが、成分(F)と(H)の混合物の動粘度及び成分(G)と(H’)の混合物の動粘度が10〜2,000mm/sとなるのが好ましい。成分(F)と(H)の混合物の動粘度又は成分(G)と(H’)の混合物の動粘度のいずれか一方でも10mm/sより小さいと、成分(F)や成分(G)によるコンディショニング効果やハリ・コシ感が得られにくい場合がある。成分(F)と(H)の混合物の動粘度又は成分(G)と(H’)の混合物の動粘度のいずれか一方でも2,000mm/sを超える場合は、均一な分散が困難な場合がある。
本願発明における動粘度は、25℃においてB型粘度計を用いて測定される動粘度を示す。
本願発明における水系基剤とは、最外相が水である乳化物、又は高分子増粘剤等と水によって増粘されたゲル、又は高分子増粘剤等によって増粘されたゲルが最外相である乳化物、或いはこれらを調製する工程における水を主成分とする成分を指す。
本願発明には、本願発明の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品又は食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分を含有することができる。
本願発明における、小さな機械力とは、ホモミキサーを用いた場合の撹拌翼の周速600m/分のせん断力以下の機械力を表わす。本願発明におけるヘアコンディショニング剤は、水系基剤中に、アミノ基を有しない高重合シリコーンと低粘度シリコーンを混合する工程、アミノ基を有する高重合シリコーンと低粘度シリコーンを混合する工程のそれぞれの工程で得られたシリコーン系を、混合することなく別々に基剤へ小さな機械力によって混合分散することによって得ることができる。
本願発明を詳細に説明するため、ヘアコンディショニング剤の実施例を挙げるが、本願発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例に示す数値は、重量%を示す。
表1〜3に示した組成に従い、シリコーン以外の成分で調製した乳化物中に、ホモミキサー(撹拌翼の周速600m/分)を用い、以下の手順(イ)〜(ハ)のいずれか(表1〜3に記載)でシリコーンを分散させ、実施例1〜31及び比較例1〜8の各ヘアコンディショニング剤を調製した。
(イ):成分(F)及び(H)を乳化物に加えて分散後、(G)及び(H’)を乳化物に加えて分散
(ロ):成分(G)及び(H’)を乳化物に加えて分散後、(F)及び(H)を乳化物に加えて分散
(ハ):成分(F)、(G)、(H)、(H’)を混合後、乳化物に加えて分散
(評価方法)
これら調製したヘアコンディショニング剤について、下記の方法によって(1)分散状態を評価した。また、専門パネル10名により、各ヘアコンディショニング剤を使用してもらい、(2)濡れた状態でのハリ・コシ感、(3)乾燥後の滑らかさ、(4)乾燥後のべたつき感のなさ、(5)乾燥後のハリ・コシ感、(6)乾燥後のボリューム感について評価を行った。尚、評価基準は以下のとおりである。
(1)分散状態の評価
調製したヘアコンディショニング剤を調製直後に20℃恒温槽で24時間保管して恒温状態にしたものを、顕微鏡観察し均一分散性を評価した。
(評価基準)
◎:シリコーン分散粒子の粒子径が1〜20μmで、非常に良好。
○:シリコーン分散粒子の粒子径が1〜30μmで、良好。
△:シリコーン分散粒子の粒子径が1〜50μm。
×:シリコーン分散粒子の粒子径が50μmより大きいものが存在する。
(2)濡れた状態でのハリ・コシ感
(評価基準)
◎:適度なハリ・コシ感があると評価した人が8人以上。
○:適度なハリ・コシ感があると評価した人が6人又は7人。
△:適度なハリ・コシ感があると評価した人が4人又は5人。
×:適度なハリ・コシ感があると評価した人が3人以下。
(3)乾燥後の滑らかさ
(評価基準)
◎:滑らかで手触りが良好と評価した人が8人以上。
○:滑らかで手触りが良好と評価した人が6人又は7人。
△:滑らかで手触りが良好と評価した人が4人又は5人。
×:滑らかで手触りが良好と評価した人が3人以下。
(4)乾燥後のべたつき感のなさ
(評価基準)
◎:乾燥後のべたつき感がないと評価した人が8人以上。
○:乾燥後のべたつき感がないと評価した人が6人又は7人。
△:乾燥後のべたつき感がないと評価した人が4人又は5人。
×:乾燥後のべたつき感がないと評価した人が3人以下。
(5)乾燥後のハリ・コシ感
(評価基準)
◎:適度なハリ・コシ感があると評価した人が8人以上。
○:適度なハリ・コシ感があると評価した人が6人又は7人。
△:適度なハリ・コシ感があると評価した人が4人又は5人。
×:適度なハリ・コシ感があると評価した人が3人以下。
(6)乾燥後のボリューム感
(評価基準)
◎:ボリューム感があると評価した人が8人以上。
○:ボリューム感があると評価した人が6人又は7人。
△:ボリューム感があると評価した人が4人又は5人。
×:ボリューム感があると評価した人が3人以下。
*1:コータミン E−80K(花王株式会社製)
*2: NIKKOL CA−2580(日光ケミカルズ株式会社製)
*3:セチルアルコール NX(高級アルコール工業株式会社製)
*4:ステアリルアルコール NX(高級アルコール工業株式会社製)
*5:ベヘニルアルコール 65(高級アルコール工業株式会社製)
*6:ODM(高級アルコール工業株式会社製)
*7:CARNATION(島貿易株式会社製)
*8:NIKKOL マカデミアンナッツ油(日光ケミカルズ株式会社製)
*9:ファインオキソコール 180(日産化学工業株式会社製)
*10:ラボールガム CG−M(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)
*11:KF−96H−10万CS(信越化学工業株式会社製)
*12:KF−96L−1.5CS(信越化学工業株式会社製)
*13:KF−8020(信越化学工業株式会社製)
実施例1〜7では、成分(A)カチオン界面活性剤、成分(B)炭素数16〜22の高級アルコール、成分(C)液状油の種類を代えたとしても、良好な結果が得られた。
実施例8〜14では、成分(A)カチオン界面活性剤と成分(B)炭素数16〜22の高級アルコールの含有量及び重量比(B)/(A)を様々に変えたとしても、良好な結果が得られた。
実施例15〜22では、成分(C)25℃で液状の油剤と成分(D)カチオン化グアーガムの含有量を様々に変えたとしても、良好な結果が得られた。
実施例23〜30では、成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンの含有量や成分(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンの含有量を様々に変えたとしても、良好な結果が得られた。
実施例31では、成分(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンと成分(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物を乳化物に加えて分散後、成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンと成分(H)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物を乳化物に加えて分散させたところ、粒子径が30〜50μmの乳化粒子が見られたが、その他の項目においては良好な結果が得られた。
上記表1〜3において、実施例1〜31の本願発明のヘアコンディショニング剤を使用した場合、濡れた状態の毛髪にハリ・コシ感を与え、かつ乾燥後の毛髪は滑らかでハリ・コシ感があり、更にボリューム感も付与できるものであった。
上記表4において、成分(D)カチオン化グアーガムの代わりにキサンタンガムを含有したもの(比較例2)は、濡れた状態でのハリ・コシ感が弱く、乾燥後もべたつきが感じられ滑らかさやハリ・コシ感、ボリューム感も弱かった。
成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンを含有しない場合(比較例3、4)は、濡れた状態でも乾燥後もハリ・コシ感が弱く、乾燥後のボリューム感が出にくかった。また、成分(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンを含有しない場合(比較例5、6)は、乾燥後の滑らかさが得られなかった。
成分(C)25℃で液状の油剤の代わりにワセリンを含有するもの(比較例7)は、乾燥後にべたつきが感じられ、乾燥後のハリ・コシ感も弱くボリューム感も感じられなかった。
また、成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンと成分(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーン、及び成分(H)及び(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンを混合してから基剤に分散した場合(比較例8)は、シリコーンの分散状態が悪くなり、ハリ・コシ感やボリューム感も弱くなった。
上記表4において、比較例1〜8のヘアコンディショニング剤は、濡れた状態でのハリ・コシ感あるいは乾燥後の滑らかさ、べたつき感のなさ、ハリ・コシ感、ボリューム感のいずれかの項目において、良好な結果が得られないものであった。
(実施例32) ヘアコンディショニング剤(ヘアトリートメント)
(成分) (重量%)
1.ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド *1 1.0
2.ベヘントリモニウムクロリド *2 0.5
3.セチルアルコール *3 1.5
4.ステアリルアルコール *4 1.5
5.ベヘニルアルコール *5 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル *6 1.5
7.1,3−ブチレングリコール 1.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド *10 0.5
10.精製水 全量を100とする
11.高重合ジメチコン *11 1.5
12.低粘度ジメチコン *12 3.0
13.高重合アミノプロピルジメチコン *13 0.5
14.低粘度ジメチコン *12 2.0
15.香料 適量
(製造方法]
成分1〜6及び成分7〜10をそれぞれ均一に加熱溶解(80℃)し、成分1〜6を撹拌しながら、成分7〜10を徐々に加えて乳化する。成分11、12を予め混合したものを、成分1〜10の乳化物に加えてホモミキサー(撹拌翼の周速600m/分)を用いて分散させた後、続いて、成分13、14を予め混合したものを乳化物に加えて、ホモミキサー(撹拌翼の周速600m/分)を用いて分散させる。撹拌しながら冷却し、40℃で成分15を加えて、35℃まで冷却して終了とする。
実施例32に示すヘアコンディショニング剤を評価したところ、濡れた状態の毛髪にハリ・コシ感を与え、かつ乾燥後の毛髪は滑らかでハリ・コシ感があり、更にボリューム感も付与できるものであった。
本願発明により、ヘアコンディショニング剤において、毛髪のコンディショニング効果を損なうことなく、濡れた状態の毛髪にハリ・コシ感を与え、かつ乾燥後の毛髪にもハリ・コシ感を与えると共にボリューム感も付与することができるヘアコンディショニング剤を提供することができる。


Claims (8)

  1. 次の成分を含有するヘアコンディショニング剤であって、(A)〜(E)を含有する基剤中に(F)と(H)の混合物の液滴と、(G)と(H’)の混合物の液滴とが分散していることを特徴とするヘアコンディショニング剤。
    (A)カチオン界面活性剤
    (B)炭素数16〜22の高級アルコール
    (C)25℃で液状の油剤
    (D)カチオン化グアーガム
    (E)水
    (F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーン
    (G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーン
    (H)及び(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーン
  2. 前記成分(A)カチオン界面活性剤の含有量が0.5〜3重量%であり、(B)の重量比(B)/(A)が2〜8であり、(C)25℃で液状の油剤の含有量が0.05〜3重量%であり、(D)カチオン化グアーガムの含有量が0.05〜3重量%であることを特徴とする請求項1記載のヘアコンディショニング剤。
  3. 前記成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンの含有量が0.1〜5重量%であり、(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンの含有量が0.03〜3重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のヘアコンディショニング剤。
  4. 前記成分(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンが、アミノ基を有しない高重合ジメチコン、アミノ基を有しない高重合ジメチコノール、及びモノマーの一部にジメチコンを有しアミノ基を有しないポリマーからなる群より選ばれた、25℃における動粘度が10,000mm/s以上の1種以上の化合物であり、請求項1〜3のいずれか1項記載のヘアコンディショニング剤。
  5. 前記成分(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンが、アミノ基を有する高重合ジメチコン、アミノ基を有する高重合ジメチコノール、及びモノマーの一部にジメチコン及びアミノ基を有するポリマーからなる群より選ばれた、25℃における動粘度が10,000mm/s以上の1種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のヘアコンディショニング剤。
  6. 前記(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンと(H)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物の液滴と、(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンと(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物の液滴が、いずれも粒子径1〜30μmで分散していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載のヘアコンディショニング剤。
  7. 水系基剤中に、(F)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有しない高重合シリコーンと(H)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物を分散させた後、続いて(G)25℃における動粘度が10,000mm/s以上でありアミノ基を有する高重合シリコーンと(H’)25℃における動粘度が500mm/s以下である低粘度シリコーンの混合物を分散させることを特徴とするヘアコンディショニング剤の製造方法。
  8. 水系基剤中へシリコーンを分散させる工程が、ホモミキサーを用いた場合の撹拌翼の周速600m/分のせん断力以下の機械力を用いてなされる請求項7記載のヘアコンディショニング剤の製造方法。


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