JP2019092533A - アダプタおよび医療用マニピュレータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】術具交換の容易性を高めるとともに、係合の確実性を高めやすいアダプタおよび医療用マニピュレータシステムを提供する。【解決手段】動力部10と術具20の間に配置される筺体31と、筺体31に配置されるものであって、動力部10の駆動部11、および、術具20の従動部21に対して係合離脱可能であって駆動部11の動きを従動部21に伝達可能とする伝達部41と、筺体31に対して相対移動可能に配置された操作部61と、操作部61の相対移動を術具20に対して接近離間する方向に変換して伝達部41に伝える変換部51と、が設けられていることを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、アダプタおよび医療用マニピュレータシステムに関する。
マスタースレーブ型の手術ロボットにおいては、安全性向上や医師の操作習得時間の短縮が求められている。そのために、ロボット鉗子(術具)にはたらく外力を高精度に推定し、隔離された場所でロボットを操作する術者に推定した外力を伝える技術が要望されている(例えば、特許文献1参照。)。
高精度な外力推定を行うためには、手術ロボットにおける機構的なガタを可能な限り小さくすることが求められる。特に、患者の体内で操作される術具と術具に動力を供給する動力部の間のガタを小さくすることが求められる。
このように上記ガタを可能な限り小さくすることで、術者が術具を意図するように正確に動かすことが可能になる。そのため、力覚推定を行わない場合でも安全性の向上につなげることが可能となる。
上述の特許文献1に記載された外科手術アダプタでは、外科手術器具(術具)を装着する際に、動力を術具に伝達する機構部の係合をバネ反力により行う構成となっている。
上記構成においてはバネ反力による確実な係合を行うために係合部にガタ(言い換えると隙間)を意図的に設ける必要があり、ガタの発生を抑えることが出来ず、安全性の向上、高精度な力覚推定の妨げになるという問題があった。
また、ロボット鉗子を安全に運用するためには、上記機構部の係合が正常に行われたかどうかの検出が必要となり、センサやスイッチ等のシステムにより機構や配線が煩雑になるという問題もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、術具交換の容易性を高めるとともに、係合の確実性を高めやすくすることができるアダプタおよび医療用マニピュレータシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様に係るアダプタは、動力部と術具の間に配置される筺体と、前記筺体に配置されるものであって、前記動力部の駆動部、および、前記術具の従動部に対して係合離脱可能であって前記駆動部の動きを前記従動部に伝達可能とする伝達部と、前記筺体に対して相対移動可能に配置された操作部と、前記操作部の相対移動を前記術具に対して接近離間する方向に変換して前記伝達部に伝える変換部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係るアダプタは、動力部と術具の間に配置される筺体と、前記筺体に配置されるものであって、前記動力部の駆動部、および、前記術具の従動部に対して係合離脱可能であって前記駆動部の動きを前記従動部に伝達可能とする伝達部と、前記筺体に対して相対移動可能に配置された操作部と、前記操作部の相対移動を前記術具に対して接近離間する方向に変換して前記伝達部に伝える変換部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る医療用マニピュレータシステムは、駆動部の移動により動力を伝達する動力部と、前記動力部から伝達される駆動力により駆動される術具と、上記本発明の第1の態様に係るアダプタと、が設けられていることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係るアダプタおよび第2の態様に係る医療用マニピュレータシステムによれば、操作部における相対移動の方向を変換部によって変換することにより、伝達部が術具に対して接近離間する方向に移動する。そのため、操作部を筺体に対して相対移動させることにより、伝達部が術具に対して接近離間する方向に移動して駆動部および従動部と係合する。
バネ反力を用いて伝達部を駆動部および従動部と係合させる場合と比較して、ガタ(隙間)を設ける必要性を低減することが可能となる。さらに、筺体に対する操作部の相対姿勢によって、伝達部と駆動部および従動部との係合状態を把握することができる。そのため、当該係合が正常に行われているかの検出が容易となる。
上記発明の第1の態様において前記変換部には、前記筺体に沿って延びる板状の部材であるとともに前記伝達部を保持し、前記操作部の動きに応じて前記筺体に対して相対移動する保持部と、前記保持部の相対移動を、前記術具に対して接近離間する方向に規制する規制部と、が設けられていることが好ましい。
このように変換部に保持部および規制部を設けることにより、保持部の筺体に対する相対移動を、伝達部が術具に接近離間する方向に変換しやすくなる。保持部は伝達部を保持するものであるため、伝達部は保持部とともに術具に接近離間する方向へ移動する。そのため、伝達部は、駆動部および従動部と係合離脱可能となる。
上記発明の第1の態様において前記筺体における前記術具と対向する面には、前記術具と係合される係合部が設けられている構成を有することが好ましい。
このように係合部を設けて、術具と筺体とを係合させることにより、術具と筺体との間の相対的な位置関係を所定の位置関係に保ち易くなる。また、係合により術具と筺体が離間しにくくなる。
上記構成において前記筺体には、前記係合部と係合された前記術具における前記筺体に対する相対的な移動を規制する固定部が設けられていることが好ましい。
このように固定部を設けることにより、係合部のみが設けられた場合と比較して、更に術具と筺体との間の相対的な位置関係を所定の位置関係に保ち易くなる。また、係合により術具と筺体が更に離間しにくくなる。
上記発明の第1の態様においては、前記伝達部と前記駆動部との間の係合状態、および、前記伝達部と前記従動部との間の係合状態を維持する維持部が設けられていることが好ましい。
このように維持部を設けることにより、維持部が設けられていない場合と比較して、伝達部と駆動部との間の係合状態が維持されるとともに、伝達部と従動部との間の係合状態が維持されやすくなる。そのため、駆動部から従動部へ駆動力が確実に伝達されやすくなる。
上記発明の第1の態様においては、前記筺体に設けられるものであって、前記術具が配置される清潔領域と、前記動力部が配置される不潔領域と、の間を区画するドレープが設けられていることが好ましい。
このようにドレープを設けることにより、例えば、動力部にアダプタを取りつけた状態で、術具をアダプタから着脱することが可能となる。術具をアダプタから着脱する際に、清潔領域に動力部が晒されることを防ぎやすい。
本発明のアダプタおよび医療用マニピュレータシステムによれば、操作部における相対移動の方向を変換部によって変換し、伝達部が術具に対して接近離間する方向に移動させることにより、術具交換の容易性を高めるとともに、係合の確実性を高めやすくするという効果を奏する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る医療用マニピュレータシステム1及びアダプタ30について、図1から図4を参照しながら説明する。本実施形態の医療用マニピュレータシステム1は、マスタースレーブ型の手術ロボットに用いられるものであって鉗子などの術具20の操作に用いられるシステムである。なお、医療用マニピュレータシステム1の操作対象である術具は上述の鉗子に限定されるものではなく、その他の種々の術具であってもよい。
本発明の第1の実施形態に係る医療用マニピュレータシステム1及びアダプタ30について、図1から図4を参照しながら説明する。本実施形態の医療用マニピュレータシステム1は、マスタースレーブ型の手術ロボットに用いられるものであって鉗子などの術具20の操作に用いられるシステムである。なお、医療用マニピュレータシステム1の操作対象である術具は上述の鉗子に限定されるものではなく、その他の種々の術具であってもよい。
医療用マニピュレータシステム1には、図1および図2に示すように、動力を発生させる動力部10と、伝達される駆動力により駆動される術具20と、動力部10および術具20の間に配置されるアダプタ30と、が主に設けられている。動力部10、術具20およびアダプタ30は、例えば、医療用マニピュレータシステム1のアーム(図示せず。)に配置されるものである。
動力部10は、術具20を操作するのに用いられる駆動力を発生させるものである。動力部10には、動力の伝達に用いられる駆動部11が設けられている。駆動部11は、図1および図2に示すZ軸方向に沿って往復移動することにより動力を伝達する棒状に形成された部材である。
駆動部11の端部12には、アダプタ30および術具20に向かって(Y軸の正方向に向かって)棒状にのびる駆動凸部13が設けられている。本実施形態では、一対の駆動凸部13がZ軸方向に沿って間隔をあけて配置されている例に適用して説明する。
本実施形態では、動力部10が外部から空気などの気体や液体などの流体の供給を受けて駆動力を発生させるものである例に適用して説明する。なお、動力部10は電動機などの電力の供給を受けて駆動力を発生させるものであってもよい。
術具20は、例えば、外科手術に用いられる鉗子であり、図1および図2では、Z軸方向に沿って延びて配置されている。当該鉗子は、駆動部11から伝達される駆動力により先端(Z軸の正方向の端部)に設けられた把持部(図示せず。)が開閉され、屈曲部(図示せず。)が屈曲されるものである。術具20におけるアダプタ30が配置される面には、駆動力が伝達される従動部21が設けられている。
従動部21は、術具20に対してZ軸に沿う方向へ相対的に直線移動可能に配置されている。また従動部21は、術具20におけるアダプタ30が配置される面から、アダプタ30および動力部10に向かって(Y軸の負方向に向かって)突出する凸部を有している。従動部21の凸部におけるZ軸に沿う方向の寸法は、一対の駆動凸部13の間隔よりも小さく設定されている。
アダプタ30は、動力部10と術具20の間に配置されるものである。アダプタ30には、図1から4に示すように、筺体31と、伝達部41と、変換部51と、操作部61と、ドレープ71と、が主に設けられている。
筺体31は、アダプタ30の外形を構成するものであり、本実施形態では筺体31が直方体状の形状を有している例に適用して説明する。筺体31は、一方の面(Y軸の負側の面)に動力部10に取り付けられるものであるとともに、一方の面とは反対側の他方の面(Y軸の正側の面)で術具20を保持するものである。筺体31の内部には、伝達部41や保持部52などが筺体31に対して相対移動可能に配置されている。
筺体31におけるZ軸方向に延びる一対の側面には、後述する規制部53が挿通される4つのガイド溝32が設けられている。またガイド溝32は、規制部53と対応した位置に形成されている。
ガイド溝32には、Z軸に沿う方向に延びる直線部32aと、Z軸の負の方向に向かってY軸の正の方向に延びる傾斜部32bとが設けられている。また、直線部32aはZ軸の正側に配置され、傾斜部32bはZ軸の負側に配置され、両者は一体に形成されている。
筺体31における操作部61の操作凸部63と対向する位置には、操作凸部63が挿通される貫通孔33が設けられている。貫通孔33は、操作凸部63の動きに対応した円弧状に延びて形成される長孔である。
筺体31における術具20と対向する面(Y軸の正側の面)の操作部61と反対側の端部(Z軸の正側の端部)には、係合部35が設けられている。係合部35は、筺体31からY軸の正方向に突出して設けられた部分であり、筺体31に配置される術具20と係合されるものである。
伝達部41は、筺体31の内部に配置されるものであり、筺体31に対してZ軸に沿う方向およびY軸に沿う方向へ相対移動可能に配置されるものである。また伝達部41は、駆動部11および従動部21に対して係合離脱可能なものであり、駆動部11の動きを従動部21に伝達可能とするものである。
具体的には、伝達部41における駆動部11と対向する領域には、伝達部41がY軸に沿う方向に移動することにより、一対の駆動凸部13のそれぞれが挿入離脱される一対の駆動穴部(図示せず。)が設けられている。当該駆動穴部に駆動凸部13が挿入された状態では、駆動部11におけるZ軸に沿う方向の移動が伝達部41に伝えられる。
伝達部41における従動部21と対向する領域には、伝達部41がY軸に沿う方向に移動することにより、従動部21の凸部が係合離脱される従動凹部42が設けられている。従動凹部42に従動部21の凸部が係合された状態では、伝達部41におけるZ軸に沿う方向の移動が従動部に伝えられる。
変換部51は、操作部61の相対移動を術具20に対して接近離間する方向に変換して伝達部41に伝えるものである。変換部51には、保持部52と、規制部53と、変換溝54と、が主に設けられている。
保持部52は、筺体31の内部に配置される筺体31に沿って延びる矩形板状の部材であり、伝達部41を保持するものである。また保持部52は、操作部61の動きに応じて筺体31に対して相対移動、具体的には、Z軸に沿う方向およびY軸に沿う方向に相対移動するものである。
規制部53は、保持部52の4つの角の近傍からX軸に沿う方向に突出する円柱状の部材である。規制部53は、筺体31のガイド溝32に挿入され、ガイド溝32に沿って移動することにより、保持部52の相対移動を術具20に対して接近離間する方向に規制するものである。
変換溝54は、保持部52における操作部61側、言い換えるとZ軸の負側に形成されたY軸方向に延びる溝である。変換溝54は、操作部61の操作凸部63が挿入される溝である。また、変換溝54に挿入された操作凸部63が変換溝54に沿ってY軸方向へ移動可能とするとともに、操作凸部63におけるZ軸方向の移動を保持部52に伝達するものである。
操作部61は、筺体31のZ軸の負側端部から負方向に突出して設けられたU字状に形成された部材である。また操作部61は、筺体31に対して相対に回動可能に配置されるものであり、相対的な回動により伝達部41をY軸に沿う方向に移動させるものである。
操作部61におけるU字形状における一対の端部(Z軸の正側の端部)には、操作部61を筺体31に対して相対的に回動可能に支持する回転軸部62と、変換溝54に挿入される操作凸部63とが設けられている。また、操作部61におけるZ軸の負方向の端部(言い換えるとX軸方向に延びる部分)は、固定部64とされている。
ドレープ71は筺体31に設けられる膜状の部材である。ドレープ71は、術具20が配置される清潔領域CRと、動力部10が配置される不潔領域URと、の間を区画するものである。ドレープ71を構成する材料および形状としては、公知の材料および形状を用いることができ特に限定するものではない。
次に、上記の構成からなる医療用マニピュレータシステム1における取り付け方法について説明する。まず、図3に示すように、動力部10に対してアダプタ30が配置される。動力部10に対してアダプタ30が配置される際に、駆動部11の一対の駆動凸部13が伝達部41の一対の駆動穴部(図示せず。)に挿入される。
そして配置されたアダプタ30に対して術具20が取り付けられる。取り付けの際に、筺体31の係合部35に対して、Z軸の負方向側から術具20が係合される。この係合により、アダプタ30と術具20とのZ軸方向およびX軸方向の相対的な位置が定められる。
その後、操作部61の操作により従動部21と伝達部41との係合が行われる。具体的には、操作部61の固定部64をY軸正方向に移動させる(言い換えると引き上げる)操作を行う。この操作により操作部61は筺体31に対して相対的に回動する。
固定部64は、図4に示すように、術具20のZ軸の負側にまで引き上げられる。これにより、術具20の一部は、係合部35および固定部64により挟まれ、Z軸方向へのアダプタ30に対する相対移動が規制される。
操作部61の回動に伴い操作凸部63も回動する。具体的には、操作凸部63は、回転軸部62を中心としたY軸の負側に凸な円弧を描きながらZ軸の負側に向かって回動する。操作凸部63の回動は、変換溝54を介して変換部51のZ軸の負方向への移動として伝達される。
変換部51がZ軸の負方向へ移動すると、規制部53がガイド溝32の直線部32aに位置する間は、変換部51はZ軸に沿って負方向へ移動する。その後、規制部53がガイド溝32の傾斜部32bに入ると、図4に示すように、変換部51はZ軸の負方向へ移動するとともにY軸の正方向へ移動する(斜めに移動する)。
変換部51が術具20に対して斜めに移動すると、伝達部41は従動部21に接近する。この動きにより、伝達部41の従動凹部42に従動部21の凸部が係合され、駆動部11から伝達部41を介して従動部21へ駆動力の伝達が可能となる。
またこの時、伝達部41および駆動部11のうち伝達部41のみがY軸の正方向へ移動する。そのため、伝達部41の一対の駆動穴部から駆動部11の一対の駆動凸部13の一部が露出する。
以上により、医療用マニピュレータシステム1におけるアダプタ30および術具20の取り付けが完了する。また、アダプタ30から術具20の取り外しは、上述の手順を逆に行うことにより行われる。
上記の構成の医療用マニピュレータシステム1およびアダプタ30によれば、操作部61における相対的な回動を変換部51によって変換することにより、伝達部41が術具20に対して接近離間する方向に移動する。そのため、操作部61を筺体31に対して相対的に回動させることにより、駆動部11および従動部21と係合させることが可能となり、術具20の交換の容易性を高めるとともに、係合の確実性を高めやすくすることができる。
バネ反力を用いて伝達部41を駆動部11および従動部21と係合させる場合と比較して、ガタ(隙間)を設ける必要性を低減することが可能となる。さらに、筺体31に対する操作部61の相対的な回動姿勢によって、伝達部41と駆動部11および従動部21との係合状態を把握することができる。そのため、当該係合が正常に行われているかの検出が容易となる。
変換部51に保持部52および規制部53を設けることにより、保持部52の筺体31に対する相対的な移動を、伝達部41が術具20に接近離間する方向に変換しやすくなる。保持部52は伝達部41を保持するものであるため、伝達部41は保持部52とともに術具20に接近離間する方向へ移動する。そのため、伝達部41は、駆動部11および従動部21と係合離脱可能となる。
係合部35を設けて、術具20と筺体31とを係合させることにより、術具20と筺体31との間の相対的な位置関係を所定の位置関係に保ち易くなる。また、係合により術具20と筺体31が離間しにくくなる。
固定部64を設けることにより、係合部35のみが設けられた場合と比較して、更に術具20と筺体31との間の相対的な位置関係を所定の位置関係に保ち易くなる。また、係合により術具20と筺体31が更に離間しにくくなる。
ドレープ71を設けることにより、例えば、動力部10にアダプタ30を取りつけた状態で、術具20をアダプタ30から着脱することが可能となる。術具20をアダプタ30から着脱する際に、清潔領域CRに動力部10が晒されることを防ぎやすい。
〔第1の実施形態の変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の変形例について図5および図6を参照しながら説明する。本変形例の医療用マニピュレータシステムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、術具の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図5および図6を用いて術具の構成のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
次に、本発明の第1の実施形態の変形例について図5および図6を参照しながら説明する。本変形例の医療用マニピュレータシステムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、術具の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図5および図6を用いて術具の構成のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本変形例の医療用マニピュレータシステム1Aには、図5および図6に示すように、動力を発生させる動力部10と、伝達される駆動力により駆動される術具20Aと、動力部10および術具20Aの間に配置されるアダプタ30と、が主に設けられている。
術具20Aは、例えば、外科手術に用いられる鉗子である。術具20Aには、従動部21と、係合部35と係合された術具20Aにおける筺体31に対する相対的な移動を規制する維持部22Aと、が主に設けられている。維持部22Aには、ピン部23Aと、付勢部24Aと、が主に設けられている。
ピン部23Aは棒状に形成された部材であり、当接することにより操作部61の回動を規制するものである。ピン部23Aは、術具20Aに対してZ軸に沿う方向に相対移動可能に配置され、ピン部23AのZ軸の負側の端部は、術具20Aの端部よりもZ軸の負側に突出して配置されている。
付勢部24Aは、ピン部23AをZ軸の負側に向けて付勢する部材である。本実施形態では、付勢部24Aがバネである例に適用して説明するが、Z軸の負側に向けて付勢力を与えるものであればよく、バネに限定するものではない。
次に、上記の構成からなる医療用マニピュレータシステム1Aにおける取り付け方法について説明する。動力部10に対してアダプタ30を配置する方法や、アダプタ30に対して術具20Aを取り付ける方法については、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。以下では、係合部35と係合された術具20Aにおける筺体31に対する相対的な移動を規制する方法について説明する。
動力部10に配置されたアダプタ30に対して術具20Aが取り付けられた状態では、図5に示すように、操作部61の固定部64は、維持部22Aにピン部23AよりもY軸の負側に配置されている。この状態から、固定部64を引き上げる操作が行われると、図6に示すように、固定部64は、ピン部23AよりもY軸の正側にまで移動する。
この時、ピン部23AはZ軸の正側に押し込まれるため、固定部64は、ピン部23Aを超えてY軸の正側にまで移動する。押し込まれたピン部23Aは、付勢部24Aにより押されて再びZ軸の負側へ突出する。
ピン部23Aが術具20AよりもZ軸の負側へ突出した状態では、ピン部23Aと固定部64が当接し、操作部61が回動しないように固定される。言い換えると、固定部64がY軸の負側に移動しないように固定される。
操作部61を回動させる場合には、ピン部23AをZ軸の正側に押し込みながら操作部61を回動させる操作を行う。これにより、固定部64がY軸の負側に移動できるようになる。
上記の構成の医療用マニピュレータシステム1Aによれば、維持部22Aを設けることにより、維持部22Aが設けられていない場合と比較して、伝達部41と駆動部11との間の係合状態が維持されるとともに、伝達部41と従動部21との間の係合状態が維持されやすくなる。そのため、駆動部11から従動部21へ駆動力が確実に伝達されやすくなる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図7および図8を参照しながら説明する。本実施形態の医療用マニピュレータシステムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、アダプタの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図7および図8を用いてアダプタの構成を説明し、その他の構成等の説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態について図7および図8を参照しながら説明する。本実施形態の医療用マニピュレータシステムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、アダプタの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図7および図8を用いてアダプタの構成を説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の医療用マニピュレータシステム1Bには、図7および図8に示すように、動力を発生させる動力部10と、伝達される駆動力により駆動される術具20と、動力部10および術具20の間に配置されるアダプタ30Bと、が主に設けられている。
アダプタ30Bは、動力部10と術具20の間に配置されるものである。アダプタ30Bには、図7および図8に示すように、筺体31Bと、伝達部41と、変換部51Bと、操作部61Bと、ドレープ71と、が主に設けられている。
筺体31Bは、アダプタ30Bの外形を構成するものであり、本実施形態では筺体31Bが直方体状の形状を有している例に適用して説明する。筺体31Bは、一方の面(Y軸の負側の面)に動力部10に取り付けられるものであるとともに、一方の面とは反対側の他方の面(Y軸の正側の面)で術具20を保持するものである。筺体31Bの内部には、伝達部41や保持部52などが筺体31Bに対して相対移動可能に配置されている。
筺体31BにおけるZ軸方向に延びる一対の側面には、規制部53と対応した位置に規制部53が挿通される4つの第1ガイド溝32Bが設けられている。また第1ガイド溝32Bは、Y軸に沿って延びて、言い換えると、動力部10や術具20に接近離間する方向に延びて形成されている。
変換部51Bは、操作部61Bとともに伝達部41を術具20に対して接近離間する方向に移動させるものである。変換部51Bには、保持部52と、規制部53と、が主に設けられている。
操作部61Bは、U字状またはY字状に形成された部材である。操作部61Bは、筺体31Bの内部にX−Z平面に沿って配置されるとともに、筺体31Bおよび変換部51Bに対してZ軸方向に相対移動可能に配置されている。操作部61BにおけるZ軸の負方向の端部は、筺体31Bから露出する露出部62Bである。
変換部51Bは、操作部61BにおけるZ軸の正方向に並行に延びる一対の突出部63Bの間に配置されている。突出部63Bにおける規制部53と対応した位置には、規制部53が挿通される4つの第2ガイド溝64Bが設けられている。
第2ガイド溝64Bには、Z軸に沿う方向に延びる直線部64aと、Z軸の負の方向に向かってY軸の正の方向に延びる傾斜部64bとが設けられている。また、直線部64aはZ軸の正側に配置され、傾斜部64bはZ軸の負側に配置され、両者は一体に形成されている。
次に、上記の構成からなる医療用マニピュレータシステム1Bにおける取り付け方法について説明する。動力部10に対してアダプタ30Bを配置する方法については、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。以下では、アダプタ30Bに対して術具20を取り付ける方法について説明する。
動力部10に配置されたアダプタ30Bに対して術具20の取り付けが行われる。具体的には、図7に示すように、筺体31Bの係合部35に対して、Z軸の負方向側から術具20が係合される。この係合により、アダプタ30Bと術具20とのZ軸方向およびX軸方向の相対的な位置が定められる。
その後、操作部61Bの操作により従動部21と伝達部41との係合が行われる。具体的には、露出部62BをZ軸の正方向へ押して、筺体31Bおよび変換部51Bに対して操作部61BをZ軸の正方向へ相対移動させる。
操作部61BのZ軸の正方向への移動に伴い突出部63Bおよび第2ガイド溝64BもZ軸の正方向へ移動する。規制部53は、第2ガイド溝64Bの直線部64aを操作部61Bに対して相対的に移動する。
変換部51Bは、規制部53が第1ガイド溝32Bにも挿入されているので、Z軸に沿う方向への移動は規制されている。そのため、規制部53が直線部64aを移動している間は、筺体31Bに対して相対的に静止している。
操作部61Bが更にZ軸の正方向へ移動すると、図8に示すように、規制部53は、第2ガイド溝64Bの傾斜部64bに進入し、傾斜部64bによりY軸の正方向へ押し上げられる。つまり、伝達部41は従動部21に接近する。この動きにより、伝達部41の従動凹部42に従動部21の凸部が係合され、駆動部11から伝達部41を介して従動部21へ駆動力の伝達が可能となる。
以上により、医療用マニピュレータシステム1Bにおけるアダプタ30Bおよび術具20の取り付けが完了する。また、アダプタ30Bから術具20の取り外しは、上述の手順を逆に行うことにより行われる。
〔第2の実施形態の変形例〕
次に、本発明の第2の実施形態の変形例について図9から図13を参照しながら説明する。本変形例の医療用マニピュレータシステムの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、操作部の位置を固定する構成が異なっている。よって、本変形例においては、図9から図13を用いて操作部の位置を固定する構成を説明し、その他の構成等の説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態の変形例について図9から図13を参照しながら説明する。本変形例の医療用マニピュレータシステムの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、操作部の位置を固定する構成が異なっている。よって、本変形例においては、図9から図13を用いて操作部の位置を固定する構成を説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の医療用マニピュレータシステム1Cには、図9および図10に示すように、動力を発生させる動力部10と、伝達される駆動力により駆動される術具20Cと、動力部10および術具20の間に配置されるアダプタ30Cと、が主に設けられている。
術具20Cは、例えば、外科手術に用いられる鉗子であり、図9および図10では、Z軸方向に沿って延びて配置されている。当該鉗子は、駆動部11から伝達される駆動力により先端(Z軸の正方向の端部)に設けられた把持部(図示せず。)が開閉されるものである。術具20Cにおけるアダプタ30Cが配置される面には、駆動力が伝達される従動部21と、固定凹部22Cと、が設けられている。固定凹部22Cは、後述するアダプタ30Cの固定凸部55Cが挿入される凹部である。
アダプタ30Cは、動力部10と術具20Cの間に配置されるものである。アダプタ30Cには、図9から図11に示すように、筺体31Cと、伝達部41と、変換部51Cと、操作部61Cと、ドレープ71と、が主に設けられている。
筺体31Cは、アダプタ30Cの外形を構成するものであり、本実施形態では筺体31Cが直方体状の形状を有している例に適用して説明する。筺体31Cは、一方の面(Y軸の負側の面)に動力部10に取り付けられるものであるとともに、一方の面とは反対側の他方の面(Y軸の正側の面)で術具20Cを保持するものである。筺体31Cの内部には、伝達部41や保持部52などが筺体31Cに対して相対移動可能に配置されている。
筺体31CにおけるZ軸の負側の端部には、図11から図13に示すように、筺体側維持部34Cと、解除部36Cと、が設けられている。筺体側維持部34Cは、後述する操作側維持部65Cとともに、筺体31Cに対する操作部61Cの相対位置を維持させる、言い換えると相対移動を禁止するものである。筺体側維持部34Cには、操作側維持部65Cの爪部67Cが係止離脱可能とされた貫通孔である係止部35Cが設けられている。なお、本実施形態では、係止部35Cが貫通孔である例に適用して説明するが、係止部35Cは貫通孔ではなく凹部であってもよい。
解除部36Cは、筺体側維持部34Cと操作側維持部65Cとの係止を解除する際に用いられるL字状に形成されたものである。解除部36Cは、筺体31CにおけるZ軸に沿って延びる側面のZ軸の負側の端部に露出して配置されるものである。解除部36Cは、Y軸方向に延びる軸線まわりに筺体31Cに対して相対的にスライド可能に取り付けられている。解除部36Cは、筺体31Cに対してスライドした際に、操作側維持部65Cを押圧する構成を有している。
変換部51Cにおける術具20Cと対向する面であってZ軸の負側の端部の中央には、術具20Cに向かって突出する固定凸部55Cが設けられている。固定凸部55Cは、術具20Cに設けられた固定凹部22Cと係合離脱可能に構成されたものである。
操作部61Cは、U字状またはY字状に形成された部材である。操作部61Cは、筺体31Cの内部にX−Z平面に沿って配置されるとともに、筺体31Cおよび変換部51Cに対してZ軸方向に相対移動可能に配置されている。
操作部61CにおけるZ軸の負側の端部における筺体側維持部34Cと対向する位置には、操作側維持部65Cが設けられている。操作側維持部65Cは、Z軸に沿って正方向へ延びる弾性部66Cと、弾性部66Cの正側の端部に設けられた爪部67Cと、が主に設けられている。弾性部66Cは、X軸方向に弾性変形可能な形状を有している。爪部67Cは、Z軸の負側がX軸に沿って延びる壁面を有し、Z軸の正側が傾斜面を有している。
次に、上記の構成からなる医療用マニピュレータシステム1Cにおける取り付け方法について説明する。以下では、アダプタ30Cに対して術具20Cを取り付ける方法のうち、第2の実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分の説明は省略する。
動力部10に配置されたアダプタ30Cに対して術具20Cの取り付けが行われた後、操作部61Cの操作により従動部21と伝達部41との係合が行われる。具体的には、図9に示すように露出部62BをZ軸の正方向へ押すことにより、図10に示すように伝達部41の従動凹部42に従動部21の凸部が係合される。
また、露出部62BをZ軸の正方向へ押すことにより、保持部52および固定凸部55CがY軸の正側、言い換えると術具20C側へ移動する。この移動により固定凸部55Cは、術具20Cの固定凹部22Cと係合する。固定凸部55Cおよび固定凹部22Cの係合と、係合部35と、によりアダプタ30Cと術具20CはZ軸方向において固定され相対移動が禁止される。
操作部61CがZ軸の負側に位置する場合には、図12に示すように、操作側維持部65Cの爪部67Cは、筺体側維持部34Cの係止部35Cに係合されている。この係止により操作部61Cは、更にZ軸の負側に相対移動することがない。この状態から、操作部61Cの露出部62BがZ軸の正方向へ押される。
操作部61CがZ軸の正方向へ移動すると、爪部67Cの傾斜面に押されて操作側維持部65Cの弾性部66Cが弾性変形して、爪部67Cと係止部35Cとの係合が解除される。爪部67Cは係止部35Cを超えて更にZ軸の正方向へ移動する。
図13に示す爪部67Cが係止部35Cを超えた状態は、図10に示す固定凸部55Cおよび固定凹部22Cが係合した状態に対応する。この時、爪部67Cは筺体側維持部34Cの端部と当接しており、操作部61CはZ軸の負方向へ相対移動することがない。言い換えると、固定凸部55Cおよび固定凹部22Cの係合が解除されることがない。
固定凸部55Cおよび固定凹部22Cの係合を解除する場合には、解除部36Cを相対的にスライドさせることにより、弾性部66Cを弾性変形させて爪部67Cと筺体側維持部34Cの端部との当接を解除する。併せて、操作部61Cに対してZ軸の負方向へ付勢するバネ(図示せず。)の付勢力により、操作部61CをZ軸の負方向へ相対移動させることにより解除が行われる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図14および図15を参照して説明する。本実施形態の医療用マニピュレータシステムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、アダプタの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図14および図15を用いてアダプタの構成を説明し、その他の構成等の説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施形態について図14および図15を参照して説明する。本実施形態の医療用マニピュレータシステムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、アダプタの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図14および図15を用いてアダプタの構成を説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の医療用マニピュレータシステム1Dには、図14および図15に示すように、動力を発生させる動力部10と、伝達される駆動力により駆動される術具20と、動力部10および術具20の間に配置されるアダプタ30Dと、が主に設けられている。
アダプタ30Dは、動力部10と術具20の間に配置されるものである。アダプタ30Dには、図14および図15に示すように、筺体31Dと、伝達部41と、変換部51Dと、操作部61Dと、ドレープ71と、が主に設けられている。
筺体31Dは、アダプタ30Dの外形を構成するものであり、本実施形態では筺体31Dが直方体状の形状を有している例に適用して説明する。筺体31Dは、一方の面(Y軸の負側の面)に動力部10に取り付けられるものであるとともに、一方の面とは反対側の他方の面(Y軸の正側の面)で術具20を保持するものである。筺体31Dの内部には、伝達部41や保持部52などが筺体31Dに対して相対移動可能に配置されている。
筺体31DにおけるZ軸方向に延びる一対の側面であって、保持部52と対向する内面には2つの第1ガイド部32Dと、2つの第2ガイド部33Dと、設けられている。第1ガイド部32DはZ軸の正側に配置され、第2ガイド部33DはZ軸の負側に配置されている。
第1ガイド部32Dは直線状に延びた板状の部材である。第1ガイド部32Dの一方の端部は、筺体31Dの側面の内側に回動可能に配置され、他方の端部は保持部52に対して回動可能に配置されている。
第2ガイド部33Dは中央で折れ曲がるL字状に延びた板状の部材である。第2ガイド部33Dの折れ曲がり部分は筺体31Dの側面の内側に回動可能に配置され、他方の端部は保持部52に対して回動可能に配置されている。
変換部51Dは保持部52を有するものである。保持部52におけるZ軸の正側におけるX軸の正側および負側の端部には、第1ガイド部32Dが回動可能に配置されている。保持部52におけるZ軸の負側におけるX軸の正側および負側の端部には、第2ガイド部33Dが回動可能に配置されている。
操作部61Dは、筺体31DのZ軸の負側端部から負方向に突出して設けられた部材である。また操作部61Dは、筺体31Dに対して相対に回動可能に配置されるものであり、相対的な回動により伝達部41をY軸に沿う方向に移動させるものである。
操作部61Dには、操作部61Dの側方に突出して設けられた固定凸部65Dと、筺体31Dおよび操作部61Dに対して相対的に回動可能に配置された棒状に形成された解除部66Dと、が設けられている。
固定凸部65Dは、Z軸の負側に延びて配置されている操作部61DにおけるY軸の正側の側面に設けられている。解除部66Dは回動軸が操作部61Dと共用している。また、解除部66Dは、回動軸からZ軸の正側および負側の両方向に延びて配置されている。
次に、上記の構成からなる医療用マニピュレータシステム1Dにおける取り付け方法について説明する。動力部10に対してアダプタ30Dを配置する方法については、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。以下では、アダプタ30Dに対して術具20を取り付ける方法について説明する。
動力部10に配置されたアダプタ30Dに対して術具20の取り付けが行われる。具体的には、図14に示すように、筺体31Dの係合部35に対して、Z軸の負方向側から術具20が係合される。この係合により、アダプタ30Dと術具20とのZ軸方向およびX軸方向の相対的な位置が定められる。
その後、操作部61Dの操作により従動部21と伝達部41との係合が行われる。具体的には、Z軸の負側に延びて配置されている操作部61Dにおいて、Z軸の負側の端部をY軸の正側に回動させる操作を行う。操作部61Dの端部は、図15に示すように、術具20の端部に当接するまで回動される。
術具20は、Z軸の正側が係合部35に係合され、Z軸の負側が操作部61Dの端部と当接する。そのため、術具20はアダプタ30Dに対してZ軸に沿う方向への相対移動を行うことがない。
操作部61Dが回動されると、操作部61Dの固定凸部65Dが第2ガイド部33DにおけるZ軸の負側の端部と当接して、第2ガイド部33Dの当該端部をY軸の負方向へ押し下げる。当該端部を押し下げられた第2ガイド部33Dは、回動軸を中心として回動してZ軸の正側の端部がY軸の正方向へ移動する。この時、第2ガイド部33Dに押されることにより、解除部66Dも回動する。
第2ガイド部33Dの回動により、保持部52および伝達部41はY軸の正方向へ移動する。言い換えると、術具20に近づく方向へ移動する。この時、第1ガイド部32Dは、保持部52の移動に伴い回動する。この動きにより、伝達部41の従動凹部42に従動部21の凸部が係合され、駆動部11から伝達部41を介して従動部21へ駆動力の伝達が可能となる。
従動凹部42と従動部21の凸部との係合を解除する場合には、操作部61Dを図15に示す姿勢から、図14に示す姿勢にまで回動させる操作を行う。操作部61Dが図14に示す姿勢にまで回動されると、解除部66DにおけるZ軸の負側の端部がY軸の負方向へ押し下げられて回動する。
この回動により解除部66DにおけるZ軸の正側の端部は、Y軸の正方向へ移動し、第2ガイド部33DのZ軸の負側の端部をY軸の正方向へ押し上げ、第2ガイド部33Dは回動する。この回動により、第2ガイド部33DのZ軸の正側の端部はY軸の負方向へ移動する。
この移動に伴い、保持部52および伝達部41はY軸の負方向へ移動する。言い換えると、術具20から離れる方向へ移動する。その結果、従動凹部42と従動部21の凸部との係合が解除される。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明を上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
1,1A,1B,1C,1D…医療用マニピュレータシステム、10…動力部、11…駆動部、20,20A,20C…術具、21…従動部、22A…維持部、30,30B,30C,30D…アダプタ、31,31B,31C,31D…筺体、35…係合部、41…伝達部、51,51B,51D…変換部、52…保持部、53…規制部、61,61B,61C,61D…操作部、64…固定部、71…ドレープ、CR…清潔領域、UR…不潔領域
Claims (7)
- 動力部と術具の間に配置される筺体と、
前記筺体に配置されるものであって、前記動力部の駆動部、および、前記術具の従動部に対して係合離脱可能であって前記駆動部の動きを前記従動部に伝達可能とする伝達部と、
前記筺体に対して相対移動可能に配置された操作部と、
前記操作部の相対移動を前記術具に対して接近離間する方向に変換して前記伝達部に伝える変換部と、
が設けられていることを特徴とするアダプタ。 - 前記変換部には、前記筺体に沿って延びる板状の部材であるとともに前記伝達部を保持し、前記操作部の動きに応じて前記筺体に対して相対移動する保持部と、
前記保持部の相対移動を、前記術具に対して接近離間する方向に規制する規制部と、が設けられていることを特徴とする請求項1記載のアダプタ。 - 前記筺体における前記術具と対向する面には、前記術具と係合される係合部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のアダプタ。
- 前記筺体には、前記係合部と係合された前記術具における前記筺体に対する相対的な移動を規制する固定部が設けられていることを特徴とする請求項3記載のアダプタ。
- 前記伝達部と前記駆動部との間の係合状態、および、前記伝達部と前記従動部との間の係合状態を維持する維持部が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアダプタ。
- 前記筺体に設けられるものであって、前記術具が配置される清潔領域と、前記動力部が配置される不潔領域と、の間を区画するドレープが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のアダプタ。
- 駆動部の移動により動力を伝達する動力部と、
前記動力部から伝達される駆動力により駆動される術具と、
請求項1から6のいずれかに記載のアダプタと、
が設けられていることを特徴とする医療用マニピュレータシステム。
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-
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