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JP2019086671A - 鏡筒、レンズユニットおよびカメラモジュール - Google Patents

鏡筒、レンズユニットおよびカメラモジュール Download PDF

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JP2019086671A JP2017215281A JP2017215281A JP2019086671A JP 2019086671 A JP2019086671 A JP 2019086671A JP 2017215281 A JP2017215281 A JP 2017215281A JP 2017215281 A JP2017215281 A JP 2017215281A JP 2019086671 A JP2019086671 A JP 2019086671A
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浩之 平間
Hiroyuki Hirama
浩之 平間
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Abstract

【課題】鏡筒内に圧入嵌合されるレンズの変形を防止できる鏡筒、レンズユニットおよびカメラモジュールを提供する。【解決手段】本発明のレンズユニット11Aの鏡筒12は、複数のレンズ14,15,16,17が圧入によって内側に組み付けられて成る樹脂製のものであり、圧入されるレンズ14,15,16を嵌合状態で保持する保持部40,42,44を有し、保持部40,42,44には、該保持部に径方向で作用する応力を緩和するための溝50,52,54が設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、特に自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成する鏡筒、レンズユニットおよびカメラモジュールに関する。
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
従来、前記レンズユニット、とりわけ、樹脂によって形成される鏡筒内に樹脂製のレンズを組み込んで成るレンズユニットでは、振動や衝撃等によってレンズがずれて解像性能劣化や光軸ずれが生じないように、一般にレンズが鏡筒内に所定の直径差を伴って軽圧入されている。
特開2013−231993号公報
ところで、樹脂製の鏡筒内に樹脂製のレンズが圧入嵌合されて成る前述したレンズユニットでは、そのレンズ組み込み状態で、径方向内側に向かう圧縮応力がレンズに対して常に作用する。したがって、レンズが容易に変形しないように、一般に、変形し易いレンズの凹部領域(薄肉領域)を径方向内側に伴わないレンズ外周部位(厚肉部位)でレンズと鏡筒とを嵌合させるようにしている。
しかしながら、そのような嵌合形態であっても、特に高温環境下では、鏡筒の線膨張係数とレンズの線膨張係数との間の違いやクリープ等に起因してレンズが変形し(特に凹レンズでは、該レンズを特にその凹領域で径方向内側に撓ませるように変形する)、それにより、所望の解像性能が得られなくなったり、焦点がずれるなどの不具合が生じ得る。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、鏡筒内に圧入嵌合されるレンズの変形を防止できる鏡筒、レンズユニットおよびカメラモジュールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズが圧入によって内側に組み付けられて成る樹脂製の鏡筒であって、圧入される前記レンズを嵌合状態で保持する保持部を有し、前記保持部には、該保持部に径方向で作用する応力を緩和するための溝が設けられることを特徴とする。
本発明において、レンズを圧入嵌合状態で保持する鏡筒の保持部には、該保持部に径方向で作用する応力を緩和するための溝(すなわち、応力を少なくとも部分的に逃がすための逃げ溝)が設けられるため、鏡筒内に圧入嵌合されるレンズの圧縮応力や熱膨張等に伴う変形(例えば、レンズをその凹領域で径方向内側に撓ませるような変形)を抑制できる。そのため、特に高温環境下であっても、鏡筒の線膨張係数とレンズの線膨張係数との間の違い(熱膨張時の径の差)やクリープ等に起因してレンズが変形することを抑制もしくは防止でき、したがって、所望の解像性能を維持して、焦点ずれなどの不具合が生じることを回避できる。
本発明の上記構成において、溝は、径方向の応力を効果的かつ効率的に径方向で緩和する(逃がす)ためにレンズの光軸に沿って延びることが好ましい。この場合、特に溝が周方向に延びる環状溝として形成されていれば、溝をレンズと同心的に配置して応力を径方向で均等に緩和する(逃がす)ことができる。
また、本発明の上記構成において、溝は、少なくとも樹脂製のレンズの位置に対応して設けられることが好ましい。このようにすれば、特に高温時に互いに変形し易い樹脂鏡筒と樹脂レンズとの嵌合部で応力を緩和でき、レンズの変形に伴う解像性能の低下や焦点ずれを効果的に防止できる。
さらに、本発明の上記構成において、溝は、保持部の光軸方向の端面から少なくとも保持部とレンズとの嵌合領域の全体にわたって延びていることが好ましい。これにより、保持部の径方向の十分な弾性変形を促すことができ、所望の応力緩和が得られる。
また、本発明は、複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられたレンズ群と、このレンズ群が収納される鏡筒とを備えるレンズユニットであって、
前記鏡筒は、樹脂により形成されるとともに、前記レンズを圧入嵌合状態で保持する保持部を有し、前記保持部には、該保持部に径方向で作用する応力を緩和するための溝が設けられることを特徴とする。
本発明においても、レンズを圧入嵌合状態で保持する鏡筒の保持部には、該保持部に径方向で作用する応力を緩和するための溝が設けられるため、鏡筒内に圧入嵌合されるレンズの圧入や熱膨張等に伴う変形を抑制できる。そのため、特に高温環境下であっても、鏡筒の線膨張係数とレンズの線膨張係数との間の違いやクリープ等に起因してレンズが変形することを抑制もしくは防止でき、したがって、所望の解像性能を維持して、焦点ずれなどの不具合が生じることを回避できる。
また、本発明に係るカメラモジュールは、前記レンズユニットを備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、前述のレンズユニットの作用効果をカメラモジュールで得ることができる。
本発明によれば、レンズを圧入嵌合状態で保持する鏡筒の保持部に、径方向で作用する応力を緩和するための溝が設けられるため、レンズの変形を防止でき、したがって、レンズの変形に伴う解像性能の低下や焦点ずれを効果的に防止できる。
本発明の第1の実施の形態に係るレンズユニットの概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るレンズユニットの概略断面図である。 第2の実施の形態に係るカメラモジュールの概略断面図である。 図3に示されるカメラモジュールの第1の変形例の概略断面図である。 図3に示されるカメラモジュールの第2の変形例の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下で説明される本実施の形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1〜図3において複数のレンズについてはハッチングを省略している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズユニット11を示している。図示のように、本実施の形態のレンズユニット11は、樹脂製の円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、第1のレンズ13、第2のレンズ14、第3のレンズ15、第4のレンズ16および第5のレンズ17から成る5つのレンズと、図示しない絞り部材とを備えている。絞り部材は、透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
鏡筒12に固定されて支持されている複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる1群のレンズ群Lを構成している。このうち、最も像面側(内側収容空間Sの最も内奥側)に位置される2つの第4および第5のレンズ16,17は貼り合わせレンズである。また、最も物体側に位置される第1のレンズ13および貼り合わせレンズを構成する像面側の第5のレンズ17はガラスレンズであり、その他の第2〜第4のレンズ14,15,16は樹脂レンズであるが、これに限定されない。また、これらのレンズ13,14,15,16,17の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
鏡筒12の物体側の端部(図1において上端部)には、当該端部を径方向内側にカシメてなるカシメ部23が設けられており、このカシメ部23によってレンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13が鏡筒12の物体側の端部に固定されている。
また、鏡筒12の像面側(結像側)の端部(図1において下端部)には、第5のレンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13、14、15、16,17と絞り部材22a,22bとが保持されている。
最も物体側に位置される第1のレンズ13の外周面には、当該レンズ13の像面側部分に径が小さくなった縮径部が設けられ、当該縮径部にシール部材としてのOリング26が設けられ、レンズ13の外周面と鏡筒12の内周面との間を、鏡筒12の物体側端部で封止した状態となっている。これにより、レンズユニット11の物体側の端部から鏡筒12内に水や塵埃等の微粒子が浸入するのを防止している。
鏡筒12は、その内径および外径が物体側から像面側に向かって段階的に小さくなっている。すなわち、鏡筒12は、第1および第2のレンズ13,14を収容保持する大径部12Aと、第3〜第5のレンズ15,16,17を収容保持する小径部12Bとを有する。また、このような鏡筒12の段付き形状に対応して、レンズ13,14,15,16,17は、物体側から像面側に向かうにつれて、外径が小さくなっている。基本的に、レンズ13,14,15,16,17それぞれの外径と、鏡筒12の各レンズ13,14,15,16,17が支持(保持)される部分それぞれの内径とが略等しくなっている。なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部25が鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
また、本実施の形態において、特に樹脂製の第2〜第4のレンズ14,15,16は、樹脂製の鏡筒12の内側収容空間S内に圧入によって組み付けられている。無論、ガラス製の第1および第5のレンズ13,17も鏡筒12の内側収容空間S内に圧入によって組み付けられてもよい。そのようにガラスレンズ13,17も圧入によって組み付けることは、特に高温時に、ガラスレンズ13,17が変形せずに樹脂製の鏡筒12が変形することによってこれらの間にガタが生じて光学特性に悪影響を及ぼすことを回避でき、有益である。
以下、樹脂製の第2〜第4のレンズ14,15,16と樹脂製の鏡筒12との圧入による組み付け態様について、図1を参照しながら具体的に説明する。
鏡筒12の大径部12A内に収容保持される樹脂製の第2のレンズ14は、像面側(図1の下側)と対向するその面に、光軸O方向に沿って物体側(図1の上側)へ向けて凹む凹部14aを有する。そして、この第2のレンズ14は、径方向内側に凹部14aを伴なわないその外周部位14bが、内側収容空間Sの内面を形成する鏡筒12の第1の保持部40に圧入嵌合されている。この場合、圧入の程度(鏡筒12の内径と第2のレンズ14の外径との間の差)は、常温常湿において例えば30μm程度に設定されている。これに対し、径方向内側に凹部14aを伴なう第2のレンズ14の外周部位14cは、第1の保持部40によって保持されない。すなわち、変形し易い凹部(薄肉領域)14aを径方向内側に伴なう外周部位(厚肉部位)14cでレンズ14を鏡筒12に圧入嵌合させないようにしている。
また、鏡筒12の小径部12B内に収容保持される樹脂製の第3のレンズ15は、物体側と対向するその面に光軸O方向に沿って物体側へ向けて突出する凸部15aを有するとともに、像面側と対向するその面に光軸O方向に沿って像面側へ向けて突出する凸部15bを有する。そして、凹部を有さないこの第3のレンズ15は、その外周部位15cの少なくとも一部(全部であってもよいが、本実施の形態では、レンズ厚のほぼ半分に相当する領域)が、内側収容空間Sの内面を形成する鏡筒12の第2の保持部42に圧入嵌合されている。
さらに、鏡筒12の小径部12B内に収容保持される樹脂製の第4のレンズ16は、物体側と対向するその面に光軸O方向に沿って像面側へ向けて凹む凹部16aを有するとともに、像面側と対向するその面に光軸O方向に沿って物体側へ向けて凹む凹部16bを有する。そして、この第4のレンズ16は、径方向内側に凹部16a,16bを伴なわないその外周部位16cが、内側収容空間Sの内面を形成する鏡筒12の第3の保持部44に圧入嵌合されている。これに対し、径方向内側に凹部16a,16bを伴なう第4のレンズ16の外周部位16d,16eは、第3の保持部44によって保持されない。すなわち、変形し易い凹部(薄肉領域)16a,16bを径方向内側に伴なう外周部位(厚肉部位)16d,16eでレンズ16を鏡筒12に圧入嵌合させないようにしている。
また、このようにして樹脂製のレンズ14,15,16を圧入嵌合状態で保持する鏡筒12の保持部40,42,44の少なくとも1つには、該保持部に径方向で作用する応力を緩和するための溝(すなわち、応力を少なくとも部分的に逃がすための逃げ溝)が設けられる。図1に示される第1の実施の形態では、鏡筒12の強度を高く保つべく、肉厚がある鏡筒12の大径部12Aに位置される第1の保持部40に対応してそのような応力緩和溝が設けられる。一方、図2に示される第2の実施の形態(応力緩和溝の形成形態以外は第1の実施の形態と同一のレンズユニット構成を成す)では、鏡筒12の大径部12Aおよび小径部12Bの両方に位置される全ての保持部40,42,44にそのような応力緩和溝が設けられる。以下、応力緩和溝の形成形態について図1および図2を参照しながら具体的に説明する。
図1に示される第1の実施の形態において、第2のレンズ14を圧入嵌合状態で保持する第1の保持部40には、該保持部40に径方向で作用する応力を緩和するための第1の応力緩和溝50が設けられる。この第1の応力緩和溝50は、レンズ群L(第2のレンズ14)の光軸Oに沿って延びており、特にこの実施の形態では、第2のレンズ14を外側から取り囲むように周方向に延びる環状溝(レンズ14と略同心的な環状溝)として形成される。したがって、第1の保持部40は、応力緩和溝50の幅寸法分だけ径方向に離間する同心的な2つの壁を形成している。
また、この応力緩和溝50は、第1の保持部40の物体側端面(光軸方向の端面)40aから第2のレンズ14と嵌合する保持部40の部位(第1の保持部40と第2のレンズ14の外周部位14bとの嵌合領域)の全体にわたって延びており、第1の保持部40が径方向に均等に弾性変形できるようにしている。しかしながら、応力緩和溝50は、第2のレンズ14と嵌合する保持部40の部位の一部のみにわたって延在していても構わない。
なお、応力緩和溝50の幅寸法(径方向に沿う寸法)は、例えば0.5mmに設定され、また、応力緩和溝50の深さ(光軸方向に沿う寸法)は、例えば1.5mmに設定される。
一方、図2に示される第2の実施の形態においては、第1の保持部40のみならず、第2および第3の保持部42,44にも応力緩和溝が設けられる。すなわち、第3のレンズ15を圧入嵌合状態で保持する第2の保持部42には、該保持部42に径方向で作用する応力を緩和するための第2の応力緩和溝52が設けられる。この第2の応力緩和溝52も、第1の応力緩和溝50と同様に、レンズ群L(第3のレンズ15)の光軸Oに沿って延びており、第3のレンズ15を外側から取り囲むように周方向に延びる環状溝(レンズ15と略同心的な環状溝)として形成される。したがって、この第2の保持部42も、応力緩和溝52の幅寸法分だけ径方向に離間する同心的な2つの壁を形成している。
また、第1の応力緩和溝50と同様に、この第2の応力緩和溝52も、第2の保持部42の物体側端面42aから第3のレンズ15と嵌合する保持部42の部位(第2の保持部42と第3のレンズ15の外周部位15cとの嵌合領域)の全体にわたって延びており、第2の保持部42が径方向に均等に弾性変形できるようにしている。しかしながら、第2の応力緩和溝52は、第3のレンズ15と嵌合する保持部42の部位の一部のみにわたって延在していても構わない。
なお、応力緩和溝52の幅寸法(径方向に沿う寸法)は、例えば0.4mmに設定され、また、応力緩和溝52の深さ(光軸方向に沿う寸法)は、例えば0.8mmに設定される。
また、第4のレンズ16を圧入嵌合状態で保持する第3の保持部44には、該保持部44に径方向で作用する応力を緩和するための第3の応力緩和溝54が設けられる。この第3の応力緩和溝54も、第1および第2の応力緩和溝50,52と同様に、レンズ群Lの光軸Oに沿って延びており、第4のレンズ16及び第5のレンズ17を外側から取り囲むように周方向に延びる環状溝(レンズ16,17と略同心的な環状溝)として形成される。したがって、この第3の保持部44も、応力緩和溝54の幅寸法分だけ径方向に離間する同心的な2つの壁を形成している。
また、この第3の応力緩和溝54は、鏡筒12の像面側端面12bから、第5のレンズ17と嵌合する保持部44の部位、第4のレンズ16の像面側(第4のレンズ16の外周部位16e)と嵌合しない保持部44の部位および第4のレンズ16と嵌合する保持部44の部位(第3の保持部44と第4のレンズ16の外周部位16cとの嵌合領域)の全体にわたって延びており、第3の保持部44が径方向に均等に弾性変形できるようにしている。しかしながら、第3の応力緩和溝54は、第4のレンズ16と嵌合する保持部44の部位の一部のみにわたって延在していても構わない。なお、この第3の応力緩和溝54の幅寸法(径方向に沿う寸法)は、例えば0.7mmに設定され、また、応力緩和溝54の深さ(光軸方向に沿う寸法)は、例えば4.2mmに設定される。
また、図3は、以上のような構成を成すレンズユニットを有する本実施の形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、このカメラモジュール300は、フィルタ100が装着された図2の第2の実施の形態に係るレンズユニット11Aを含んで構成されるが、図1の第1の実施の形態に係るレンズユニット11を含んで構成されても構わない。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子)304を備えている。
上ケース301は、レンズユニット11の物体側の端部を露出させるとともに他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面12aとの間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11Aを通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
図4は、図3に示されるカメラモジュール300の第1の変形例を示している。図示のように、本変形例のカメラモジュール300Aでは、マウント(センサホルダ)302が鏡筒12に螺合される図3の場合とは異なり、マウント(センサホルダ)302が鏡筒12に対して直接に接着されるアクティブアライメント方式が採用されている。具体的には、鏡筒12の大径部12Aと小径部12Bとの間の段差部12cでマウント302と鏡筒12とが接着される。なお、それ以外の構成は図3と同様であり、したがって、図3と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。このような構成においても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
図5は、図3に示されるカメラモジュール300の第2の変形例を示している。図示のように、本変形例のカメラモジュール300Bでは、図3の場合と同様にマウント302と鏡筒12とが螺着されるが、第2のレンズ14に対応して設けられる第1の応力緩和溝が、前述した実施の形態のように第1の保持部40の物体側端面40aから延びるのではなく、これとは反対側から、すなわち、第1の保持部40の像面側端面(光軸方向の端面)40bから延びている点が図1〜図4の構成とは異なる。具体的には、この変形例に係る第1の応力緩和溝50Aは、第1の保持部40の像面側端面(光軸方向の端面)40bから、第2のレンズ14と略同心的な環状溝を成して、第2のレンズ14の外周部位14cを越えつつ第2のレンズ14と嵌合する保持部40の部位(第1の保持部40と第2のレンズ14の外周部位14bとの嵌合領域)の全体にわたって延びており、第1の保持部40が径方向に均等に弾性変形できるようにしている。このような構成においても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、このように延在する形態の応力緩和溝50Aは、図4に示されるようなアクティブアライメント方式の接着形態において採用するとその接着面積が減ってしまうため、マウント302が鏡筒12にねじ込まれる図5(図1〜図3)の螺合方式において採用することが好ましい。
以上説明したように、前述した実施の形態において、レンズ14(15,16)を圧入嵌合状態で保持する鏡筒12の保持部40(42,44)には、該保持部40(42,44)に径方向で作用する応力を緩和するための溝50(52,54)が設けられるため、鏡筒12内に圧入嵌合されるレンズ14(15,16)の圧縮応力や熱膨張等に伴う変形(例えば、レンズをその凹領域で径方向内側に撓ませるような変形)を抑制できる。そのため、特に高温環境下であっても、鏡筒12の線膨張係数とレンズ14(15,16)の線膨張係数との間の違い(熱膨張時の径の差)やクリープ等に起因してレンズ14(15,16)が変形することを抑制もしくは防止でき、したがって、所望の解像性能を維持して、焦点ずれなどの不具合が生じることを回避できる。
また、前述した実施の形態において、溝50(52,54)は、レンズ14(15,16)の光軸に沿って延びており、そのため、径方向の応力を効果的かつ効率的に径方向で緩和する(逃がす)ことができる。特に、本実施の形態では、溝50(52,54)が周方向に延びる環状溝として形成されているため、溝50(52,54)をレンズレンズ14(15,16)と同心的に配置して応力を径方向で均等に緩和する(逃がす)ことができる。
また、前述した実施の形態において、溝50(52,54)は、樹脂製のレンズ14(15,16)の位置に対応して設けられているため、特に高温時に互いに変形し易い樹脂鏡筒12と樹脂レンズ14(15,16)との嵌合部で応力を緩和でき、レンズ14(15,16)の変形に伴う解像性能の低下や焦点ずれを効果的に防止できる。
さらに、前述した実施の形態において、溝50(52,54)は、保持部40(42,44)の光軸方向の端面から少なくともレンズ14(15,16)と嵌合する保持部40(42,44)の部位の全体にわたって延びているため、保持部40(42,44)の径方向の十分な弾性変形を促すことができ、所望の応力緩和が得られる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状は、前述した実施の形態に限定されない。また、保持部は、レンズを圧入嵌合状態で保持できればよく、保持部の形成形態は任意に設定できる。また、保持部に対するレンズの圧入嵌合形態も前述した実施の形態に限定されない。なお、圧入の程度(鏡筒の内径とレンズの外径との間の差)は、鏡筒やレンズ材の熱膨張率、吸湿に伴う膨張収縮等も考慮して設定されているものであって、常温常湿環境に限定するものではない。使用される環境条件(温湿度範囲)において、圧入状態となり得るのであれば、本発明による効果を得ることができる。また、溝は、径方向の応力を緩和できればよく、溝の形成形態も任意に設定できる。さらに、前述した実施の形態では、樹脂レンズの保持部に溝が設けられるが、ガラスレンズにも同様の保持部および溝が設けられても構わない。
11,11A レンズユニット
12 鏡筒
13,14,15,16,17 レンズ
40,42,44 保持部
50,52,54 溝
300 カメラモジュール
O 光軸

Claims (8)

  1. 複数のレンズが圧入によって内側に組み付けられて成る樹脂製の鏡筒であって、
    圧入される前記レンズを嵌合状態で保持する保持部を有し、前記保持部には、該保持部に径方向で作用する応力を緩和するための溝が設けられることを特徴とする鏡筒。
  2. 前記溝は、前記レンズの光軸に沿って延びることを特徴とする請求項1に記載の鏡筒。
  3. 前記溝が周方向に延びる環状溝として形成されることを特徴とする請求項2に記載の鏡筒。
  4. 前記溝は、少なくとも樹脂製のレンズの位置に対応して設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鏡筒。
  5. 前記溝は、前記保持部の光軸方向の端面から少なくとも前記レンズと嵌合する前記保持部の部位の全体にわたって延びていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鏡筒。
  6. 前記保持部が径方向に弾性的に変形可能である特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の鏡筒。
  7. 複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられたレンズ群と、このレンズ群が収納される鏡筒とを備えるレンズユニットであって、
    前記鏡筒は、樹脂により形成されるとともに、前記レンズを圧入嵌合状態で保持する保持部を有し、前記保持部には、該保持部に径方向で作用する応力を緩和するための溝が設けられることを特徴とするレンズユニット。
  8. 請求項7に記載のレンズユニットを備えていることを特徴とするカメラモジュール。
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