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JP2019071898A - コク感が増強された麦芽発酵飲料 - Google Patents

コク感が増強された麦芽発酵飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】醸造過程において麦芽発酵飲料に含まれるアミノ基置換芳香族ケトンの量を増加させる手段を提供すること。【解決手段】麦芽又は麦芽を含む穀類及び温水を混合する工程;該麦芽又は麦芽を含む穀類を糖化して糖液を得る工程;糖液にホップを加えて煮沸する工程;及び煮沸糖液に酵母を接種して発酵させる工程;を包含する、麦芽発酵飲料の製造方法であって、該煮沸糖液が3ppb以上の濃度で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽発酵飲料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は麦芽発酵飲料に関し、特に、コク感が増強された麦芽発酵飲料に関する。
麦芽発酵飲料とは、原料として麦芽又は麦汁を使用し、製造過程で発酵を行う飲料をいう。麦芽発酵飲料の代表例はビールテイスト麦芽飲料である。ここで、「ビールテイスト」とは、風味がビールと同様であることをいう。「ビール」とは麦芽、ホップ、及び水を原料として、これらを発酵させて得られる飲料をいう。例えば、麦芽又は麦芽を含む穀類を糖化して得られた麦汁を、酵母を用いて発酵させた場合は、ビールテイスト麦芽飲料が得られる。
麦芽発酵飲料の原料としての麦汁は、麦芽を含む穀類を粉砕し、副原料及び水と混合して加熱することによりデンプンを糖化し、得られる糖液にホップを加えて更に煮沸して製造される。麦芽等を水と共に加熱する過程は、一般に、糖化と呼ばれ、糖液を煮沸する過程は麦汁煮沸と呼ばれる。麦汁煮沸前の麦汁と麦汁煮沸後の麦汁とを区別する必要が有る場合、本願明細書では、麦汁煮沸前の麦汁を「糖液」と、麦汁煮沸後の麦汁を「煮沸糖液」と表記することがある。
麦汁は、麦芽及びホップに由来する風味を有し、そのために、ビールテイスト麦芽飲料にはビール特有のコク感、飲み応え、及び香気が実現される。本願出願人は、ビールのもつ味のふくらみ、コクに寄与する成分としてアミノ基置換芳香族ケトンを見出し、アミノ基置換芳香族ケトンの中でも2−アミノアセトフェノンについて、ビールらしさ、味の厚み、コクを増強する効果を実証した(特許文献1)。しかしながら、ビールテイスト麦芽飲料のアミノ基置換芳香族ケトン濃度を増加させる手段は、アミノ基置換芳香族ケトンをビールテイスト麦芽飲料に添加すること以外に、未だ知られていない。
特願2014−205147号
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、醸造過程において麦芽発酵飲料のアミノ基置換芳香族ケトン濃度を増加させる手段を提供することにある。
本発明は、麦芽又は麦芽を含む穀類及び温水を混合する工程;
該麦芽又は麦芽を含む穀類を糖化して糖液を得る工程;
糖液にホップを加えて煮沸する工程;及び
煮沸糖液に酵母を接種して発酵させる工程;
を包含する、麦芽発酵飲料の製造方法であって、
該煮沸糖液が3ppb以上の濃度で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽発酵飲料の製造方法を提供する。
ある一形態においては、前記麦芽が、15ng/g以上の含有量で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽を含む。
ある一形態においては、前記麦芽が、15ng/g以上の含有量で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽から成る。
ある一形態においては、前記麦芽が、セバスティアン種、エクスプローラー種、ベリーニ種及びティップル種からなる群から選択される少なくとも一種の大麦から得られたものである。
ある一形態においては、麦芽又は麦芽を含む穀類と混合する温水の温度が76℃以上である。
ある一形態においては、糖液の煮沸時間が40〜80分である。
また、本発明は、上記いずれかに記載の方法により得られる麦芽発酵飲料を提供する。
ある一形態においては、上記麦芽発酵飲料は、2−アセトアミノフェノンを3ppb以上の濃度で含有する。
また、本発明は、麦芽又は麦芽を含む穀類及び温水を混合する工程;
該麦芽又は麦芽を含む穀類を糖化して糖液を得る工程;
糖液にホップを加えて煮沸する工程;及び
煮沸糖液に酵母を接種して発酵させる工程;
を包含する、麦芽発酵飲料のコク感を増強する方法であって、
該煮沸糖液が3ppb以上の濃度で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽発酵飲料のコク感を増強する方法を提供する。
本発明の方法によれば、醸造過程において麦芽発酵飲料のアミノ基置換芳香族ケトン濃度を増加させる手段が提供される。
本発明の方法において麦芽又は麦芽を含む穀類を糖化する操作は、ビールを製造する際に通常行われる方法及び条件に準じて行われる。例えば、まず、麦芽の破砕物、大麦等の副原料、及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製する。マイシェには、必要に応じて、主原料と副原料以外にも、後述する糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤や、スパイスやハーブ類等の香味成分等を添加してもよい。
醸造原料、即ち、糖化に供される穀類、として使用する麦芽は2−アミノアセトフェノンを含有するものを選択する。好ましい麦芽は2−アミノアセトフェノンを多く含有するものである。2−アミノアセトフェノンの含有量が麦芽1g当たり0.05ng以上の麦芽が好ましい。麦芽中の2−アミノアセトフェノンの含有量が麦芽1g当たり0.05ng未満であると、麦芽発酵飲料に含まれる2−アミノアセトフェノンが充分に増加しない場合がある。2−アミノアセトフェノンの含有量が麦芽1g当たり0.08ng以上の麦芽がより好ましい。2−アミノアセトフェノンの含有量が麦芽1g当たり0.1ng以上の麦芽が更に好ましい。
麦芽の2−アミノアセトフェノン含有量は、一定量の麦芽を使用して麦汁を作製した後、ジクロロメタンを用いて液液抽出し、抽出液を濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析計にて定量することにより、決定することができる。
2−アミノアセトフェノンを多く含有する麦芽には、具体的には、セバスティアン種(Sebastian種、フランス産)、エクスプローラー種(Explorer種、フランス産)、ベリーニ種(Bellini種、フランス産)及びティップル種(Tipple種、フランス産)等の大麦から得られた麦芽が挙げられる。中でも、セバスティアン種及びベリーニ種の大麦から得られた麦芽は2−アミノアセトフェノンの含有量が多く、より好ましい麦芽である。
醸造原料中の2−アミノアセトフェノンを多く含有する麦芽の含有量は、麦芽発酵飲料の2−アミノアセトフェノン濃度を充分に増加させる観点から、10重量%以上である。醸造原料中の2−アミノアセトフェノンを多く含有する麦芽の含有量は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。醸造原料は麦芽から成るもの(即ち、麦芽100%)であってよく、2−アミノアセトフェノンを多く含有する麦芽から成るものであってもよい。
麦芽の破砕物及び温水を仕込槽に加える際に、温水の温度は、麦芽発酵飲料の2−アミノアセトフェノン濃度を充分に増加させる観点から、40℃以上に調節することが好ましい。仕込み時に麦芽の破砕物に接触させる温水の温度は、好ましくは、50℃以上、より好ましくは65〜100℃、更に好ましくは76〜100℃である。
その後、マイシェを温度調節して、所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素やマイシェに添加した酵素を利用して、澱粉質を糖化させる。糖化処理時の温度や時間は、用いる酵素の種類やマイシェの量、目的とする麦芽アルコール飲料の品質等を考慮して、適宜決定することができ、例えば、60〜72℃にて30〜90分間保持することにより行うことができる。糖化処理後、76〜78℃で10分間程度保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な糖液を得る。
上記副原料とは、麦芽とホップ以外の原料を意味する。該副原料として、例えば、大麦、小麦、コーンスターチ、コーングリッツ、米、こうりゃん等の澱粉原料や、液糖や砂糖等の糖質原料がある。ここで、液糖とは、澱粉質を酸又は糖化酵素により分解、糖化して製造されたものであり、主にグルコース、マルトース、マルトトリオース等が含まれている。その他、香味を付与又は改善することを目的として用いられるスパイス類、ハーブ類、及び果物等も、副原料に含まれる。
上記糖化酵素とは、澱粉質を分解して糖を生成する酵素を意味する。該糖化酵素として、例えば、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルナラーゼ等がある。
麦汁煮沸の操作は、ビールを製造する際に通常行われる方法及び条件に準じて行う。例えば、必要に応じてpHを調節した糖液を煮沸釜に移し、ホップを加えて煮沸する。ホップは、煮沸開始から煮沸終了前であればどの段階で混合してもよい。
麦汁煮沸の時間は、麦芽発酵飲料に含まれる2−アミノアセトフェノンを充分に増加させる観点から、10〜100分に調節することが好ましい。麦汁煮沸の時間が長すぎると2−アミノアセトフェノンの揮発量が多くなり、麦汁からは減少する可能性がある。麦汁煮沸の時間は、好ましくは、20〜90分、より好ましくは40〜80分である。
煮沸した糖液を、ワールプールと呼ばれる沈殿槽に移し、煮沸により生じたホップ粕や凝固した蛋白質等を除去した後、プレートクーラーにより適切な発酵温度まで冷却する。上記麦汁煮沸の操作により、麦汁が得られる。
煮沸糖液は、3ppb以上の濃度で2−アミノアセトフェノンを含有する。煮沸糖液の2−アミノアセトフェノン濃度が3ppb未満であると、麦芽発酵飲料の2−アミノアセトフェノン濃度が不十分になり、味の厚み又はコク感の増強が不十分になる。煮沸糖液の2−アミノアセトフェノン濃度は、好ましくは4〜15ppbであり、より好ましくは5〜10ppbである。
麦汁煮沸を行った麦汁は、その後、pHを調節することにより麦汁中の蛋白凝固を促進させる。pHは蛋白凝固を促進させる値であればよいが、pH5.0以上に調節することが好ましい。麦汁煮沸を行った麦汁のpHは、好ましくは5.0〜5.4、より好ましくは5.2に調節される。麦汁のpHの調節は、人体に無害な塩基性物質を添加して行う。そのような塩基性物質としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、アンモニア等が挙げられる。
得られた麦汁は、発酵させて、麦芽発酵飲料を製造する原料として使用することができる。麦汁の発酵は常法に従って行えばよい。例えば、冷却した麦汁に酵母を接種して、発酵タンクに移し、発酵を行う。さらに、熟成工程として、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させる。次いで濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより酵母及びタンパク質等を除去して、目的の麦芽発酵飲料が得られる。
尚、本発明の麦芽発酵飲料の製造方法においては、麦芽発酵飲料の原料又は中間生成物に対して2−アミノアセトフェノンを添加する工程は行わない。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
参考例1
カーギル社から市販されている麦芽のうち、表1に示すものについて、2−アミノアセトフェノン(以下、「2AAP」と表記することがある。)の含有量を測定した。測定方法を以下に示す。
麦芽を400g秤量し、常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び55℃の温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。その後、該マイシェの温度を64℃に調節し、該温度で5分保持、さらに70℃にて10分保持することにより、麦芽由来の酵素を利用して、澱粉質を糖化させた。糖化処理後、76℃で5分間保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な糖液約2リットルを得た。得られた糖液は煮沸釜に移し、ホップを添加した。次いで、煮沸釜を加熱することにより、100℃で60分間麦汁煮沸を行った。内容物を煮沸釜からワールプールに移し、不溶物を除去した後、7.0℃まで冷却し、麦芽抽出液2.4リットルを得た。この麦芽抽出液2.0リットルから30ml採取し、ジクロロメタンで2AAPを液液抽出し、得られた抽出液を0.1mlに濃縮した後、ガスクロマトグラフ質量分析計に供試して濃縮液の2AAP濃度を測定した。測定値に基づき、麦芽抽出液の2AAP濃度を計算した。また、麦芽抽出液の2AAP濃度及び使用した麦芽量に基づき、麦芽中の2AAP含有量を計算した。
[表1]
Figure 2019071898
実施例1
フランス産セバスチャン種(Sebastian)大麦から製造された麦芽(カーギル社製)を準備した。この麦芽の2AAP含有量は50.2ng/gである。この麦芽を400g秤量し、常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び55℃の温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。その後、該マイシェの温度を64℃に調節し、該温度で5分保持、さらに70℃にて10分保持することにより、麦芽由来の酵素を利用して、澱粉質を糖化させた。糖化処理後、76℃で5分間保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な糖液約2リットルを得た。
得られた糖液は煮沸釜に移し、ホップを添加した。次いで、煮沸釜を加熱することにより、100℃で60分間麦汁煮沸を行った。内容物を煮沸釜からワールプールに移し、7.0℃まで冷却した。ガスクロマトグラフ質量分析計を使用して煮沸糖液に含まれる2AAPの量を測定したところ、9.1ppbであった。
冷却した煮沸糖液に酵母を接種して、発酵槽に移し、7日間発酵を行った。さらに、熟成工程として、得られた発酵液を、貯酒槽中で7日間熟成させ、−1.0〜0.0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させた。次いで濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより酵母及びタンパク質等を除去して、ビールテイスト麦芽飲料を製造した。
実施例2〜5
フランス産セバスチャン種(Sebastian)大麦から製造された麦芽(カーギル社製)及びアメリカ産ハーリントン種(Harrington)大麦から製造された麦芽を使用し、比率を変えて両者を混合することにより、表2に示す原料麦芽を調製した。
醸造原料として表2に示した麦芽混合物を使用すること以外は実施例1と同様にして煮沸糖液を調製し、煮沸糖液に含まれる2AAPの濃度を測定した。結果を表2に示す。
[表2]
Figure 2019071898
得られた煮沸糖液を使用すること以外は実施例1と同様にして、各実施例のビールテイスト麦芽飲料を製造した。
比較例1
フランス産セバスチャン種(Sebastian)大麦から製造された麦芽(カーギル社製)の代わりにアメリカ産ハーリントン種(Harrington)大麦から製造された麦芽(カーギル社製)を使用すること以外は実施例1と同様にして煮沸糖液を調製した。ガスクロマトグラフ質量分析計を使用して煮沸糖液に含まれる2AAPの濃度を測定したところ、2.0ppbであった。得られた煮沸糖液を使用すること以外は実施例1と同様にして、ビールテイスト麦芽飲料を製造した。
比較例2
アサヒビール社製のビール「アサヒスーパードライ」(商品名)を準備した。
麦芽飲料の官能評価
専門評価者によって、調製したビールテイスト麦芽飲料の風味について官能評価を行った。その際、比較例1を対照として使用し、評価値は、3人の専門評価者の平均値を採用した。評価基準を表3に、評価結果を表4に示す。
[表3]
穀物香評価基準
Figure 2019071898
[表4]
評価結果
Figure 2019071898
評価結果に示されるように、ビールテイスト麦芽飲料の味の厚み、コクは、煮沸糖液の2AAP濃度に依存して強度が変化する。2AAP含有量が多い麦芽を使用すること、又は2AAP含有量が多い麦芽の使用比率を高めることでビールテイスト麦芽飲料の2AAP濃度を増加させ、ビールテイスト麦芽飲料の味の厚み、コクを増強することができる。
参考例2
麦芽仕込み時水温の検討
フランス産セバスチャン種(Sebastian)大麦から製造された麦芽(カーギル社製)を準備した。この麦芽の2−アミノアセトフェノン含有量は50.2ng/gである。この麦芽を400g秤量し、常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。麦芽を温水と混合する際、温水の温度は、表5に示す通り、バッチ毎に抽出温度を変化させた。該マイシェをそれぞれ各温度で10分間保持した後、急冷させた後、得られたマイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な糖液約2リットルを得た。
得られた糖液についてガスクロマトグラフ質量分析計を使用して2AAPの濃度を測定した。結果を表5に示す。
[表5]
Figure 2019071898
麦芽仕込み時水温を76又は100℃に調節することで、2AAPを高含有する糖液を得ることができた。
参考例3
麦汁煮沸時間の検討
フランス産セバスチャン種(Sebastian)大麦から製造された麦芽(カーギル社製)を準備した。この麦芽の2AAP含有量は50.2ng/gである。この麦芽を400g秤量し、常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び55℃の温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。その後、該マイシェの温度を64℃に調節し、該温度で5分保持、さらに70℃にて10分保持することにより、麦芽由来の酵素を利用して、澱粉質を糖化させた。糖化処理後、76℃で5分間保持した後、表6に示す通り、バッチ毎に麦汁煮沸時間を変更した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な糖液約2リットルを得た。
得られた糖液は煮沸釜に移し、ホップを添加した。次いで、煮沸釜を加熱することにより、100℃で麦汁煮沸を行った。麦汁煮沸の時間は、表6に示す通り、バッチ毎に変化させた。その後、内容物を煮沸釜からワールプールに移し、7.0℃まで冷却した。ガスクロマトグラフ質量分析計を使用して煮沸糖液に含まれる2AAPの濃度を測定した。結果を表6に示す。
[表6]
Figure 2019071898
煮沸時間を40〜80分に調節することで、2AAPを高含有する煮沸糖液を得ることができた。

Claims (8)

  1. 麦芽又は麦芽を含む穀類及び温水を混合する工程;
    該麦芽又は該麦芽を含む穀類を糖化して糖液を得る工程;
    糖液にホップを加えて煮沸する工程;及び
    煮沸糖液に酵母を接種して発酵させる工程;
    を包含する、麦芽発酵飲料の製造方法であって、
    前記麦芽が、15ng/g以上の含有量で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽を含み、
    該煮沸糖液が3ppb以上の濃度で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽発酵飲料の製造方法。
  2. 前記麦芽が、15ng/g以上の含有量で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽から成る請求項1に記載の麦芽発酵飲料の製造方法。
  3. 前記麦芽が、セバスティアン種、エクスプローラー種、ベリーニ種及びティップル種からなる群から選択される少なくとも一種の大麦から得られたものである、請求項1又は2に記載の麦芽発酵飲料の製造方法。
  4. 前記麦芽又は前記麦芽を含む穀類と混合する温水の温度が76℃以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の麦芽発酵飲料の製造方法。
  5. 糖液の煮沸時間が40〜80分である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の麦芽発酵飲料の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により得られる麦芽発酵飲料。
  7. 2−アセトアミノフェノンを3ppb以上の濃度で含有する請求項6に記載の麦芽発酵飲料。
  8. 麦芽又は麦芽を含む穀類及び温水を混合する工程;
    該麦芽又は該麦芽を含む穀類を糖化して糖液を得る工程;
    糖液にホップを加えて煮沸する工程;及び
    煮沸糖液に酵母を接種して発酵させる工程;
    を包含する、麦芽発酵飲料のコク感を増強する方法であって、
    前記麦芽が、15ng/g以上の含有量で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽を含み、
    該煮沸糖液が3ppb以上の濃度で2−アミノアセトフェノンを含有する麦芽発酵飲料のコク感を増強する方法。
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