JP2019061100A - トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電安定性及び耐熱保存性の両方に優れるトナー及びその製造方法を提供する。【解決手段】トナーが、結着樹脂を含有するトナー母粒子11と、トナー母粒子11の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む。外添剤は、第1樹脂粒子と、それぞれ第1樹脂粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備える複合粒子13の粉体を含む。複合粒子13の粉体において、第1樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、100nm以上120nm以下であり、第2樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、10nm以上20nm以下である。第1樹脂粒子の表面領域のうち、第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合は、30%以上50%以下である。結着樹脂のSP値であるSPTと、第1樹脂粒子のSP値であるSPCと、第2樹脂粒子のSP値であるSPSとは、「SPT<SPS<SPC」又は「SPC<SPS<SPT」の関係を満足する。【選択図】図5
Description
本発明は、トナー及びその製造方法に関し、特に静電潜像現像用トナー及びその製造方法に関する。
特許文献1には、トナー粒子の外添剤として有機微粒子を使用したトナーが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、トナーの帯電安定性及び耐熱保存性の両立は難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、帯電安定性及び耐熱保存性の両方に優れるトナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るトナーは、結着樹脂を含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む。前記外添剤は、第1樹脂粒子と、それぞれ前記第1樹脂粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備える複合粒子の粉体を含む。前記複合粒子の粉体において、前記第1樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、100nm以上120nm以下であり、前記第2樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、10nm以上20nm以下である。前記第1樹脂粒子の表面領域のうち、前記第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合は、30%以上50%以下である。前記結着樹脂のSP値であるSPTと、前記第1樹脂粒子のSP値であるSPCと、前記第2樹脂粒子のSP値であるSPSとは、「SPT<SPS<SPC」又は「SPC<SPS<SPT」の関係を満足する。
本発明に係るトナーの製造方法は、本発明に係るトナーを製造する方法である。本発明に係るトナーの製造方法は、前記トナー母粒子を準備することと、前記複合粒子を準備することと、前記トナー母粒子の表面に、前記複合粒子を含む外添剤を付着させることとを含む。前記複合粒子を準備することは、次に示す準備工程と被覆工程と脱離工程とを含む。
前記準備工程では、前記第1樹脂粒子の粉体と前記第2樹脂粒子の粉体とを準備する。
前記被覆工程では、複合化処理により前記第1樹脂粒子の表面に前記第2樹脂粒子を付着させて、前記第1樹脂粒子の表面領域のうち前記第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合が80%以上である第1複合粒子の粉体を得る。
前記脱離工程では、前記第1複合粒子の粉体を粉砕メディアと一緒に混合することにより、前記第1樹脂粒子から前記第2樹脂粒子を部分的に脱離させて、前記第1樹脂粒子の表面領域のうち前記第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合が30%以上50%以下である第2複合粒子の粉体を得る。
本発明によれば、帯電安定性及び耐熱保存性の両方に優れるトナー及びその製造方法を提供することが可能になる。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、トナー、又はキャリア等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、その粉体に含まれる相当数の粒子について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。
SP値(溶解度パラメーター)は、何ら規定していなければ、Fedorsの計算方法(R.F.Fedors,「Polymer Engineering and Science」,1974年,第14巻,第2号,p147−154)に従って算出した値(単位:(cal/cm3)1/2、温度:25℃)である。SP値は、式「SP値=(E/V)1/2」(E:分子凝集エネルギー[cal/mol]、V:分子容[cm3/mol])で表される。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。また、帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。また、結晶性ポリエステル樹脂は「結晶性ポリエステル樹脂」と記載し、非結晶性ポリエステル樹脂は、単に「ポリエステル樹脂」と記載する。
本願明細書中では、未処理のシリカ粒子(以下、「シリカ基体」と記載する)も、シリカ基体に表面処理を施して得たシリカ粒子(すなわち、表面処理されたシリカ粒子)も、「シリカ粒子」と記載する。また、表面処理剤で疎水化されたシリカ粒子を「疎水性シリカ粒子」と、表面処理剤で正帯電化されたシリカ粒子を「正帯電性シリカ粒子」と、それぞれ記載する場合がある。
本実施形態に係るトナーは、正帯電性トナーである。正帯電性トナーは、複数のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含む粉体である。本実施形態に係るトナーは、静電潜像の現像に好適に用いることができる。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤を調製してもよい。画像形成に適したキャリアの例としては、フェライトキャリア(詳しくは、フェライト粒子の粉体)が挙げられる。また、長期にわたって高画質の画像を形成するためには、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する樹脂層とを備える磁性キャリア粒子を使用することが好ましい。長期にわたってトナーに対するキャリアの十分な帯電付与性を確保するためには、樹脂層がキャリアコアの表面を完全に覆っていること(すなわち、樹脂層から露出するキャリアコアの表面領域がないこと)が好ましい。キャリア粒子に磁性を付与するためには、磁性材料(例えば、フェライトのような強磁性物質)でキャリアコアを形成してもよいし、磁性粒子を分散させた樹脂でキャリアコアを形成してもよい。また、キャリアコアを被覆する樹脂層中に磁性粒子を分散させてもよい。樹脂層を構成する樹脂の例としては、フッ素樹脂(より具体的には、PFA又はFEP等)、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂が挙げられる。高画質の画像を形成するためには、2成分現像剤におけるトナーの量は、キャリア100質量部に対して、5質量部以上15質量部以下であることが好ましい。キャリアの個数平均1次粒子径は、20μm以上120μm以下であることが好ましい。なお、2成分現像剤に含まれる正帯電性トナーは、キャリアとの摩擦により正に帯電する。
本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、電子写真装置の像形成部(例えば、帯電装置及び露光装置)が、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。続けて、電子写真装置の現像装置(詳しくは、トナーを含む現像剤が充填された現像装置)が、トナーを感光体に供給して、感光体に形成された静電潜像を現像する。トナーは、感光体に供給される前に、現像装置内で、キャリア、現像スリーブ、又はブレードとの摩擦により帯電する。正帯電性トナーは正に帯電する。現像工程では、感光体の近傍に配置された現像スリーブ(例えば、現像装置内の現像ローラーの表層部)上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体に供給され、供給されたトナーが感光体の静電潜像に付着することで、感光体上にトナー像が形成される。現像工程で消費されたトナーの量に対応する量のトナーが、補給用トナーを収容するトナーコンテナから現像装置へ補給される。
続く転写工程では、電子写真装置の転写装置が、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、電子写真装置の定着装置(定着方式:加熱ローラー及び加圧ローラーによるニップ定着)がトナーを加熱及び加圧して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。転写工程の後、感光体上に残ったトナーは、クリーニング部材(例えば、クリーニングブレード)により除去される。なお、転写方式は、感光体上のトナー像を、中間転写体を介さず、記録媒体に直接転写する直接転写方式であってもよい。
本実施形態に係るトナーは、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有する。
(トナーの基本構成)
トナーが、結着樹脂を含有するトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を複数含む。外添剤は、第1樹脂粒子と、それぞれ第1樹脂粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備える複合粒子の粉体を含む。複合粒子の粉体において、第1樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、100nm以上120nm以下であり、第2樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、10nm以上20nm以下である。第1樹脂粒子の表面領域のうち、第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合は、30%以上50%以下である。結着樹脂のSP値(以下、「SPT」と記載する場合がある)と、第1樹脂粒子のSP値(以下、「SPC」と記載する場合がある)と、第2樹脂粒子のSP値(以下、「SPS」と記載する場合がある)とは、「SPT<SPS<SPC」又は「SPC<SPS<SPT」の関係を満足する。
トナーが、結着樹脂を含有するトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を複数含む。外添剤は、第1樹脂粒子と、それぞれ第1樹脂粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備える複合粒子の粉体を含む。複合粒子の粉体において、第1樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、100nm以上120nm以下であり、第2樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、10nm以上20nm以下である。第1樹脂粒子の表面領域のうち、第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合は、30%以上50%以下である。結着樹脂のSP値(以下、「SPT」と記載する場合がある)と、第1樹脂粒子のSP値(以下、「SPC」と記載する場合がある)と、第2樹脂粒子のSP値(以下、「SPS」と記載する場合がある)とは、「SPT<SPS<SPC」又は「SPC<SPS<SPT」の関係を満足する。
以下、上記基本構成における、第1樹脂粒子を「外添剤コア粒子」と、第2樹脂粒子を「外添剤シェル粒子」と、それぞれ記載する場合がある。また、第1樹脂粒子の表面領域のうち、第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合を、「被覆率」と記載する場合がある。
図1〜図6を参照して、上記基本構成を有するトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、上記基本構成を有するトナーに含まれるトナー粒子の一例を示している。
図1に示されるトナー粒子10は、トナー母粒子11と、トナー母粒子11の表面に付着した外添剤とを備える。トナー母粒子11は、結着樹脂として、例えばポリエステル樹脂を含有する。外添剤は、複数の無機粒子12と、複数の複合粒子13とを含む。複数の無機粒子12は、例えば、個数平均1次粒子径3nm以上35nm以下のシリカ粒子の粉体である。
図2に、複合粒子13の構成を示す。図2に示すように、複合粒子13は、球状の外添剤コア粒子13aと球状の外添剤シェル粒子13bとを備える。外添剤コア粒子13aの表面に複数の外添剤シェル粒子13bが付着している。複合粒子13の被覆率は30%以上50%以下である。詳しくは、外添剤コア粒子13aの表面領域のうち、外添剤シェル粒子13bが覆っている領域の面積割合は、30%以上50%以下である。複合粒子13は、その表面に凹凸を有する。複合粒子13の表面には、外添剤シェル粒子13bに応じた凸部が形成されている。詳しくは、複合粒子13の表面において、外添剤シェル粒子13bが存在する部分は、外添剤シェル粒子13bが存在しない部分(すなわち、外添剤コア粒子13aの表面)に対して突出している。
トナー母粒子11の表面に付着した複数の複合粒子13において、外添剤コア粒子13aの個数平均1次粒子径は100nm以上120nm以下であり、外添剤シェル粒子13bの個数平均1次粒子径は10nm以上20nm以下である。また、トナー母粒子11に含有される結着樹脂のSP値(SPT)と、外添剤コア粒子13aのSP値(SPC)と、外添剤シェル粒子13bのSP値(SPS)とは、「SPT<SPS<SPC」又は「SPC<SPS<SPT」の関係を満足する。前述した複合粒子13の被覆率の要件に加えて、こうした粒子径及びSP値の要件を満たすことで、帯電安定性及び耐熱保存性の両方に優れるトナーが得られることを、本願発明者は見出した。
トナー母粒子11(粉体)と複合粒子13(粉体)とを一緒に攪拌することで、図3に示すように、トナー母粒子11に向かって複合粒子13を衝突させることができる。この衝突により、トナー母粒子11の表面に複合粒子13を付着させることができる。トナー母粒子11の表面に複合粒子13が存在することで、トナーの帯電性及び耐熱保存性が向上する。詳しくは、一般に樹脂の帯電性は強いため、複合粒子13はトナーの帯電性を向上させる。また、複合粒子13は、トナー粒子10間でスペーサーとして機能し、トナー粒子10同士の凝集を抑制する。
複合粒子13が、トナー母粒子11から脱離したり、あるいはトナー母粒子11中へ埋没したりすると、複合粒子13による上記効果が十分に得られなくなる。図4は、複合粒子13が脱離し易い状態でトナー母粒子11の表面に付着しているトナー粒子を示す図である。図5は、複合粒子13が、脱離しにくく、かつ、埋没していない状態で、トナー母粒子11の表面に付着しているトナー粒子を示す図である。図6は、複合粒子13が埋没した状態でトナー母粒子11の表面に付着しているトナー粒子を示す図である。
例えば、SPTとSPSとの差が大きいと、複合粒子13は図4に示すような状態でトナー母粒子11の表面に付着し易くなる。この理由は、トナー母粒子11の結着樹脂と外添剤シェル粒子13bとが相溶しにくくなり、外添剤シェル粒子13bがトナー母粒子11中へ入り込みにくくなるからであると考えられる。
また、SPTとSPSとの差、及び、SPTとSPCとの差が、いずれも小さいと、複合粒子13は図6に示すような状態でトナー母粒子11の表面に付着し易くなる。この理由は、トナー母粒子11の結着樹脂が、外添剤コア粒子13aと外添剤シェル粒子13bとの両方と相溶し易いため、複合粒子13全体がトナー母粒子11中へ埋没し易くなるからであると考えられる。
複合粒子13を図5に示すような状態でトナー母粒子11の表面に付着させるためには、「SPT<SPS<SPC」又は「SPC<SPS<SPT」の関係を満足することが好ましい。こうした関係を満足すれば、SPTとSPSとの差、及び、SPCとSPSとの差は、いずれも小さく、かつ、SPTとSPCとの差は大きくなる。トナー母粒子11の結着樹脂と外添剤シェル粒子13bとは相溶し易いため、外添剤シェル粒子13bはトナー母粒子11中へ入り込むものの、トナー母粒子11の結着樹脂と外添剤コア粒子13aとは相溶しにくいため、外添剤コア粒子13aはトナー母粒子11中へ埋没しにくくなる。
図5に示すトナー粒子では、トナー母粒子11の結着樹脂と外添剤シェル粒子13bとが相溶し、外添剤シェル粒子13bがトナー母粒子11中へ入り込むことで、トナー母粒子11と複合粒子13との間に十分な接続強度を確保することができる。また、複合粒子13では、外添剤コア粒子13aと外添剤シェル粒子13bとが相溶し易いため、外添剤コア粒子13aと外添剤シェル粒子13bとが分離しにくい。このため、複合粒子13は、トナー母粒子11から脱離しにくい。
上記のように、外添剤シェル粒子13bは、トナー母粒子11と外添剤コア粒子13aとの間で接着剤として機能する。外添剤シェル粒子13bの粒子径が小さ過ぎる場合には、外添剤シェル粒子13bの量が不十分になり、外添剤シェル粒子13bによってトナー母粒子11と複合粒子13との間に十分な接続強度を確保することが難しくなる。外添剤シェル粒子13bの粒子径が大き過ぎる場合には、外添剤シェル粒子13bがトナー母粒子11中へ入り込みにくくなり、外添剤シェル粒子13bが接着剤として機能しにくくなる。また、複合粒子13の被覆率が小さ過ぎると、複合粒子13に対して横からの力(すなわち、トナー母粒子11の表面に対して平行な力)が加わり易くなるため、複合粒子13がトナー母粒子11から脱離し易くなる。
図5に示すトナー粒子では、外添剤コア粒子13aが埋没せず、外添剤コア粒子13aの大部分がトナー母粒子11の表面から突出している。このため、複合粒子13は、トナー粒子10間でスペーサーとして機能し、トナー粒子10同士の凝集を抑制する。外添剤コア粒子13aの粒子径が小さ過ぎる場合には、外添剤コア粒子13aの突出量が不十分になり、外添剤コア粒子13aがスペーサーとして機能しにくくなる。外添剤コア粒子13aの粒子径が大き過ぎる場合には、複合粒子13がトナー母粒子11から脱離し易くなる。また、複合粒子13の被覆率が高過ぎると、複合粒子13に対して上からの力(すなわち、複合粒子13をトナー母粒子11中へ押し込むような力)が加わり易くなるため、複合粒子13がトナー母粒子11中へ埋没し易くなる。
複合粒子13の脱離及び埋没の両方を抑制するためには、SPSとSPCとの差が、絶対値で0.2(cal/cm3)1/2以上0.5(cal/cm3)1/2以下であり、かつ、SPSとSPTとの差が、絶対値で0.2(cal/cm3)1/2以上0.5(cal/cm3)1/2以下であることが特に好ましい。
前述の基本構成において、トナー母粒子にポリエステル樹脂を含有させることで、低温で溶融するトナー母粒子(ただし、後述するカプセルトナー母粒子では、トナーコア)が得られる。また、前述の基本構成において、外添剤が、個数平均1次粒子径3nm以上35nm以下のシリカ粉体(すなわち、シリカ粒子の粉体)をさらに含むことで、トナーの流動性を向上させることができる。適度に粒子径の小さいシリカ粉体は、トナーに流動性を付与し易い。しかし、低温で溶融するトナー母粒子(カプセルトナー母粒子では、トナーコア)を使用している場合、熱的なストレスによって、トナー母粒子(又は、トナーコア)中にシリカ粒子が埋没し易い。こうしたシリカ粒子の埋没は、トナーの流動性及び帯電性を変動させる傾向がある。前述の基本構成を有するトナーでは、外添剤が、粒子径の大きい複合粒子を含む。トナー母粒子の表面に、粒子径の小さいシリカ粒子だけでなく、粒子径の大きい複合粒子も存在することで、ストレスがシリカ粒子に加わりにくくなり、トナー母粒子中へのシリカ粒子の埋没が抑制される。
帯電安定性及び耐熱保存性の両方に優れるトナーを得るためには、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とが、各々独立して、スチレン系モノマー及び/又はアクリル酸系モノマーと、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤とを含む単量体(樹脂原料)の重合物を含有することが特に好ましい。ビニル化合物は、炭素二重結合「C=C」により付加重合して、高分子(樹脂)になり得る。ビニル化合物の重合物中に架橋構造を形成することで、十分な樹脂粒子の強度を確保し易くなる。
なお、ビニル化合物は、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された基を有する化合物である。ビニル化合物の例としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、又はスチレンが挙げられる。
スチレン系モノマーの例としては、スチレン、アルキルスチレン(より具体的には、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、又は4−tert−ブチルスチレン等)、又はハロゲン化スチレン(より具体的には、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、又はp−クロロスチレン等)が挙げられる。
アクリル酸系モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
2個以上の不飽和結合を有する架橋剤の例としては、不飽和結合を含む官能基を2個以上有する単環化合物(より具体的には、ジビニルベンゼン等)、又は、それぞれ不飽和結合を含む官能基を有する2以上の1価カルボン酸と1つの多価アルコールとの縮合物(より具体的には、エチレングリコールジメタクリレート、又はブタンジオールジメタクリレート等)が挙げられる。不飽和結合を含む官能基の例としては、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された官能基が挙げられる。
第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とが、各々独立して、スチレン系モノマー及び/又はアクリル酸系モノマーと、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤とを含む単量体(樹脂原料)の重合物を含有する場合において、SPC、SPS、及びSPTの各々の数値範囲としては、次に示す数値範囲が特に好ましい。
「SPC<SPS<SPT」の関係を満足するトナーの好適な第1の例では、SPTが9.5(cal/cm3)1/2以上9.8(cal/cm3)1/2以下であり、SPCが8.5(cal/cm3)1/2以上9.0(cal/cm3)1/2以下である。
「SPT<SPS<SPC」の関係を満足するトナーの好適な第2の例では、SPTが9.5(cal/cm3)1/2以上9.8(cal/cm3)1/2以下であり、SPCが10.0(cal/cm3)1/2以上10.5(cal/cm3)1/2以下である。
トナー母粒子は、シェル層を備えないトナー母粒子(以下、非カプセルトナー母粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー母粒子(以下、カプセルトナー母粒子と記載する)であってもよい。非カプセルトナー母粒子(トナーコア)の表面にシェル層を形成することで、カプセルトナー母粒子を製造することができる。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂のみからなってもよいし、実質的に熱可塑性樹脂のみからなってもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。シェル層の形成方法の例としては、in−situ重合法、液中硬化被膜法、又はコアセルベーション法が挙げられる。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナーの体積中位径(D50)が4μm以上9μm以下であることが好ましい。
次に、非カプセルトナー粒子の構成について説明する。詳しくは、トナー母粒子(結着樹脂及び内添剤)及び外添剤について、順に説明する。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
(結着樹脂)
一般に、結着樹脂は、トナーの主成分となる。磁性粉を含む磁性トナーの好適な一例では、トナー母粒子の約60質量%を結着樹脂が占める。磁性粉を含まない非磁性トナーの好適な一例では、トナー母粒子の約85質量%を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子はアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基を有する場合には、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
一般に、結着樹脂は、トナーの主成分となる。磁性粉を含む磁性トナーの好適な一例では、トナー母粒子の約60質量%を結着樹脂が占める。磁性粉を含まない非磁性トナーの好適な一例では、トナー母粒子の約85質量%を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子はアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基を有する場合には、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナー母粒子が、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。トナー母粒子に含有される熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂が好ましい。また、上記樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂のいずれかの繰返し単位と同一のモノマーに由来する繰返し単位を1種以上含む共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)も、トナー母粒子の結着樹脂として好ましい。
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナー母粒子が、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有することが特に好ましい。また、トナー母粒子は、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を含有してもよい。
ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、脂肪族ジオール又はビスフェノール等)又は3価以上のアルコールを好適に使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を好適に使用できる。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸(より具体的には、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸等)、α,ω−アルカンジカルボン酸(より具体的には、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸等)、α,ω−アルカンジカルボン酸に側鎖が付与されたジカルボン酸(より具体的には、アルキルコハク酸、又はアルケニルコハク酸等)、不飽和ジカルボン酸(より具体的には、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はグルタコン酸等)、又はシクロアルカンジカルボン酸(より具体的には、シクロヘキサンジカルボン酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
結着樹脂としては、アルコール成分として炭素数3以上8以下のα,ω−アルカンジオール(例えば、炭素数6の1,6−ヘキサンジオール)を含み、酸成分として炭素数6以上16以下のα,ω−アルカンジカルボン酸(例えば、炭素数10のセバシン酸)を含むポリエステル樹脂が特に好ましい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤(より具体的には、有機金属錯体又はキレート化合物等)を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有してもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
トナー母粒子は、磁性粉を含有してもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
[外添剤]
前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子の表面に外添剤(詳しくは、複数の複合粒子を含む粉体)が付着している。複合粒子を構成する第1樹脂粒子及び第2樹脂粒子は、各々独立して、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル酸系樹脂、又は架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を含有することが好ましい。架橋アクリル酸系樹脂としては、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル(例えば、エステル部に炭素数1のアルキル基を有するメタクリル酸メチル)と、架橋剤とを含む単量体(樹脂原料)の重合物が特に好ましい。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂としては、スチレンと、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルと、架橋剤とを含む単量体(樹脂原料)の重合物が特に好ましい。
前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子の表面に外添剤(詳しくは、複数の複合粒子を含む粉体)が付着している。複合粒子を構成する第1樹脂粒子及び第2樹脂粒子は、各々独立して、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル酸系樹脂、又は架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を含有することが好ましい。架橋アクリル酸系樹脂としては、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル(例えば、エステル部に炭素数1のアルキル基を有するメタクリル酸メチル)と、架橋剤とを含む単量体(樹脂原料)の重合物が特に好ましい。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂としては、スチレンと、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルと、架橋剤とを含む単量体(樹脂原料)の重合物が特に好ましい。
トナー母粒子の表面には、上記複合粒子に加えて、無機粒子又は樹脂粒子が付着していてもよい。無機粒子(外添剤)としては、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が好ましく、シリカ粒子及び酸化チタン粒子からなる群より選択される1種以上の粒子が特に好ましい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、又はアルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(例えば、鎖状シラザン化合物又は環状シラザン化合物)、又はシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)を好適に使用できる。表面処理剤としては、シランカップリング剤又はシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン又はアミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。
シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数の水酸基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、水酸基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いてシリカ基体の表面を処理した場合、シランカップリング剤の水酸基(例えば、水分によりシランカップリング剤のアルコキシ基が加水分解されて生成する水酸基)がシリカ基体の表面に存在する水酸基と脱水縮合反応(「A(シリカ基体)−OH」+「B(カップリング剤)−OH」→「A−O−B」+H2O)する。こうした反応により、アミノ基を有するシランカップリング剤とシリカとが化学結合することで、シリカ粒子の表面にアミノ基が付与されて、正帯電性シリカ粒子が得られる。より詳しくは、シリカ基体の表面に存在する水酸基が、端部にアミノ基を有する官能基(より具体的には、−O−Si−(CH2)3−NH2等)に置換される。アミノ基が付与されたシリカ粒子は、シリカ基体(未処理のシリカ粒子)よりも強い正帯電性を有する傾向がある。また、アルキル基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、疎水性シリカ粒子が得られる。より詳しくは、上記脱水縮合反応により、シリカ基体の表面に存在する水酸基を、端部にアルキル基を有する官能基(より具体的には、−O−Si−CH3等)に置換することができる。このように、親水性基(水酸基)の代わりに疎水性基(例えば、炭素数1以上3以下のアルキル基)が付与されたシリカ粒子は、シリカ基体(未処理のシリカ粒子)よりも強い疎水性を有する傾向がある。
[トナーの製造方法]
次に、前述の基本構成を有するトナーを製造する方法の好適な例について説明する。トナーの製造方法は、トナー母粒子を準備することと、複合粒子を準備することと、トナー母粒子の表面に、複合粒子を含む外添剤を付着させることとを含む。
次に、前述の基本構成を有するトナーを製造する方法の好適な例について説明する。トナーの製造方法は、トナー母粒子を準備することと、複合粒子を準備することと、トナー母粒子の表面に、複合粒子を含む外添剤を付着させることとを含む。
(トナー母粒子の準備)
トナー母粒子の作製方法の好適な例としては、粉砕法又は凝集法が挙げられる。これらの方法は、結着樹脂中に内添剤を良好に分散させ易い。一般に、トナーは、粉砕トナーと重合トナー(ケミカルトナーとも呼ばれる)とに大別される。粉砕法で得られたトナーは粉砕トナーに属し、凝集法で得られたトナーは重合トナーに属する。
トナー母粒子の作製方法の好適な例としては、粉砕法又は凝集法が挙げられる。これらの方法は、結着樹脂中に内添剤を良好に分散させ易い。一般に、トナーは、粉砕トナーと重合トナー(ケミカルトナーとも呼ばれる)とに大別される。粉砕法で得られたトナーは粉砕トナーに属し、凝集法で得られたトナーは重合トナーに属する。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、離型剤、及び着色剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有する凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含有される成分を合一化させる。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
(複合粒子の準備)
まず、外添剤コア粒子の粉体と外添剤シェル粒子の粉体とを準備する。続けて、複合化処理により外添剤コア粒子の表面に外添剤シェル粒子を付着させて、外添剤コア粒子の表面領域のうち外添剤シェル粒子が覆っている領域の面積割合が80%以上である第1複合粒子の粉体を得る。以下、ここで得られた第1複合粒子を、「処理前粒子」と記載する。
まず、外添剤コア粒子の粉体と外添剤シェル粒子の粉体とを準備する。続けて、複合化処理により外添剤コア粒子の表面に外添剤シェル粒子を付着させて、外添剤コア粒子の表面領域のうち外添剤シェル粒子が覆っている領域の面積割合が80%以上である第1複合粒子の粉体を得る。以下、ここで得られた第1複合粒子を、「処理前粒子」と記載する。
外添剤コア粒子と外添剤シェル粒子との複合化処理には、例えば表面改質機(日本ニューマチック工業株式会社製「メテオレインボー(登録商標)MR−2」)を使用できる。表面改質機(MR−2)は、インジェクションフィーダーと、分散ノズルと、分散板と、2次エアー供給部と、熱風供給部と、冷却エアー供給部とを備える。インジェクションフィーダーは、投入された材料を吸引して分散ノズルに送るように構成される。分散ノズルは、処理部に向けて材料を噴霧するように構成される。分散板は、分散ノズルの出口付近に配置されている。2次エアー供給部は、分散ノズル周辺から分散ノズルの出口付近に2次エアーを噴流させるように構成される。熱風供給部は、分散ノズル周辺から処理部に向けて熱風を供給するように構成される。冷却エアー供給部は、処理部の周囲から処理部に向けて冷却エアーを供給するように構成される。
表面改質機(MR−2)による複合化処理では、上記熱風供給部により、処理部に熱風が供給される。投入された樹脂粒子(詳しくは、外添剤コア粒子と外添剤シェル粒子とを含む粉体)は、インジェクションフィーダーにより吸引され、分散ノズルを通って、熱風中の処理部に噴霧される。そして、熱風中で樹脂粒子の温度は溶融開始温度以上になる。溶融した樹脂粒子は、分散状態で、粒子自身の表面張力により球形化される。また、外添剤シェル粒子(子粒子)は外添剤コア粒子(母粒子)に固定化される。その後、外添剤シェル粒子(子粒子)と外添剤コア粒子(母粒子)との複合粒子は、周囲から導入される冷却エアにより急速冷却される。
上記のようにして得た処理前粒子の粉体を粉砕メディアと一緒に混合することにより、外添剤コア粒子から外添剤シェル粒子を部分的に脱離させて、外添剤コア粒子の表面領域のうち外添剤シェル粒子が覆っている領域の面積割合が30%以上50%以下である第2複合粒子の粉体を得る。以下、こうして得られた第2複合粒子を、外添剤(すなわち、前述の基本構成で規定される複合粒子)として使用することができる。
混合装置としては、任意のミキサーを使用できる。粉砕メディアとしては、例えば、個数平均1次粒子径100nm以上500nm以下のビーズ(より具体的には、ジルコニアビーズ又はアルミナビーズ等)を使用できる。
(外添工程)
混合装置を用いて、トナー母粒子に外添剤が埋め込まれないような条件でトナー母粒子と外添剤とを混合することで、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることができる。混合装置としては、例えば、V型混合機、Q型ミキサー、FMミキサー、レディゲミキサー、マルチパーパスミキサー、スーパーミキサー、ハイブリダイゼーションシステム(登録商標)を使用できる。外添剤としては、前述の基本構成で規定される複合粒子のみを使用してもよいし、他の外添剤(例えば、シリカ粉体及びチタニア粉体)を併用してもよい。
混合装置を用いて、トナー母粒子に外添剤が埋め込まれないような条件でトナー母粒子と外添剤とを混合することで、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることができる。混合装置としては、例えば、V型混合機、Q型ミキサー、FMミキサー、レディゲミキサー、マルチパーパスミキサー、スーパーミキサー、ハイブリダイゼーションシステム(登録商標)を使用できる。外添剤としては、前述の基本構成で規定される複合粒子のみを使用してもよいし、他の外添剤(例えば、シリカ粉体及びチタニア粉体)を併用してもよい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9(それぞれ静電潜像現像用トナー)を示す。なお、表1に示される各トナーの製造に用いられる複合粒子(外添剤)を、表2に示す。また、表2に示される各複合粒子の製造に用いられる外添剤コア粒子C−1〜C−7、外添剤シェル粒子S−1〜S−7を、それぞれ表3、表4に示す。なお、表1〜表4の各々に示すSP値の単位は「(cal/cm3)1/2」である。
表1中の「複合粒子」に関して、「P−1」〜「P−15」はそれぞれ、表2に示す複合粒子P−1〜P−15を意味する。
表2中の「コア粒子」に関して、「C−1」〜「C−7」はそれぞれ、表3に示す外添剤コア粒子C−1〜C−7を意味する。表2中の「シェル粒子」に関して、「S−1」〜「S−7」はそれぞれ、表4に示す外添剤シェル粒子S−1〜S−7を意味する。
表3中及び表4中、「S」、「MMA」、「EGDM」、及び「CTAC」の意味は、下記のとおりである。
(樹脂原料)
S:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
EGDM:エチレングリコールジメタクリレート
(乳化剤)
CTAC:塩化セチルトリメチルアンモニウム
(樹脂原料)
S:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
EGDM:エチレングリコールジメタクリレート
(乳化剤)
CTAC:塩化セチルトリメチルアンモニウム
以下、トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[トナーの製造方法]
(トナー母粒子の作製)
1,6−ヘキサンジオールにセバシン酸を反応させることにより、SP値9.6(cal/cm3)1/2のポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂100質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、成分:銅フタロシアニン顔料)5質量部と、エステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、融点:73℃)5質量部とを、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10C/I」)を用いて混合した。
(トナー母粒子の作製)
1,6−ヘキサンジオールにセバシン酸を反応させることにより、SP値9.6(cal/cm3)1/2のポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂100質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、成分:銅フタロシアニン顔料)5質量部と、エステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、融点:73℃)5質量部とを、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10C/I」)を用いて混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて溶融混練した。続けて、得られた混練物を圧延しながら冷却して、混練チップを得た。その後、得られた混練チップを、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルT250」)を用いて、設定粒子径5.6μmの条件で粉砕した。続けて、得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6μm、円形度0.931、ガラス転移点(Tg)48℃、軟化点(Tm)100℃のトナー母粒子が得られた。
(外添剤コア粒子C−1〜C−7の調製)
攪拌装置、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた容量1Lの4つ口フラスコ内に、イオン交換水600gと、表3に示す樹脂原料と、表3に示す量の乳化剤(CTAC:塩化セチルトリメチルアンモニウム)と、開始剤(BPO:ベンゾイルパーオキサイド)15gとを、フラスコ内容物を攪拌しながら投入した。例えば、外添剤コア粒子C−1の調製では、樹脂原料としてスチレン(S)とエチレングリコールジメタクリレート(EGDM)とを、これらのモル比が40:1(=S:EGDM)になるように投入するとともに、乳化剤として9gの塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を投入した。また、外添剤コア粒子C−5の調製では、樹脂原料としてスチレン(S)とメタクリル酸メチル(MMA)とエチレングリコールジメタクリレート(EGDM)とを、これらのモル比が30:10:1(=S:MMA:EGDM)になるように投入するとともに、乳化剤として14gの塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を投入した。
攪拌装置、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた容量1Lの4つ口フラスコ内に、イオン交換水600gと、表3に示す樹脂原料と、表3に示す量の乳化剤(CTAC:塩化セチルトリメチルアンモニウム)と、開始剤(BPO:ベンゾイルパーオキサイド)15gとを、フラスコ内容物を攪拌しながら投入した。例えば、外添剤コア粒子C−1の調製では、樹脂原料としてスチレン(S)とエチレングリコールジメタクリレート(EGDM)とを、これらのモル比が40:1(=S:EGDM)になるように投入するとともに、乳化剤として9gの塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を投入した。また、外添剤コア粒子C−5の調製では、樹脂原料としてスチレン(S)とメタクリル酸メチル(MMA)とエチレングリコールジメタクリレート(EGDM)とを、これらのモル比が30:10:1(=S:MMA:EGDM)になるように投入するとともに、乳化剤として14gの塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を投入した。
続けて、フラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内に窒素ガスを導入して、フラスコ内を窒素雰囲気にした。さらに、フラスコ内容物を攪拌しながら、窒素雰囲気でフラスコ内容物の温度を90℃に上昇させた。その後、窒素雰囲気かつ温度90℃の条件でフラスコ内容物を3時間反応(詳しくは、重合反応)させて、反応生成物(多数の微粒子)を含むエマルションを得た。続けて、得られたエマルションを冷却し、洗浄工程及び脱水工程を経て、表3に示す個数平均1次粒子径及びSP値を有する、ガラス転移点(Tg)50℃、軟化点(Tm)100℃の外添剤コア粒子C−1〜C−7(それぞれ樹脂粒子の粉体)を得た。
(外添剤シェル粒子S−1〜S−7の調製)
攪拌装置、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた容量1Lの4つ口フラスコ内に、イオン交換水600gと、表4に示す樹脂原料と、表4に示す量の乳化剤(CTAC:塩化セチルトリメチルアンモニウム)と、開始剤(BPO:ベンゾイルパーオキサイド)15gとを、フラスコ内容物を攪拌しながら投入した。例えば、外添剤シェル粒子S−1の調製では、樹脂原料としてスチレン(S)とエチレングリコールジメタクリレート(EGDM)とを、これらのモル比が40:1(=S:EGDM)になるように投入するとともに、乳化剤として32gの塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を投入した。また、外添剤シェル粒子S−5の調製では、樹脂原料としてスチレン(S)とメタクリル酸メチル(MMA)とエチレングリコールジメタクリレート(EGDM)とを、これらのモル比が30:10:1(=S:MMA:EGDM)になるように投入するとともに、乳化剤として33gの塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を投入した。
攪拌装置、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた容量1Lの4つ口フラスコ内に、イオン交換水600gと、表4に示す樹脂原料と、表4に示す量の乳化剤(CTAC:塩化セチルトリメチルアンモニウム)と、開始剤(BPO:ベンゾイルパーオキサイド)15gとを、フラスコ内容物を攪拌しながら投入した。例えば、外添剤シェル粒子S−1の調製では、樹脂原料としてスチレン(S)とエチレングリコールジメタクリレート(EGDM)とを、これらのモル比が40:1(=S:EGDM)になるように投入するとともに、乳化剤として32gの塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を投入した。また、外添剤シェル粒子S−5の調製では、樹脂原料としてスチレン(S)とメタクリル酸メチル(MMA)とエチレングリコールジメタクリレート(EGDM)とを、これらのモル比が30:10:1(=S:MMA:EGDM)になるように投入するとともに、乳化剤として33gの塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を投入した。
続けて、フラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内に窒素ガスを導入して、フラスコ内を窒素雰囲気にした。さらに、フラスコ内容物を攪拌しながら、窒素雰囲気でフラスコ内容物の温度を90℃に上昇させた。その後、窒素雰囲気かつ温度90℃の条件でフラスコ内容物を3時間反応(詳しくは、重合反応)させて、反応生成物(多数の微粒子)を含むエマルションを得た。続けて、得られたエマルションを冷却し、洗浄工程及び脱水工程を経て、表4に示す個数平均1次粒子径及びSP値を有する、ガラス転移点(Tg)50℃、軟化点(Tm)100℃の外添剤シェル粒子S−1〜S−7(それぞれ樹脂粒子の粉体)を得た。
(複合粒子P−1〜P−15の調製)
まず、外添剤コア粒子と外添剤シェル粒子とを、以下の条件で複合化した。
まず、外添剤コア粒子と外添剤シェル粒子とを、以下の条件で複合化した。
容量500mLのビーカー内に、エタノール200gと、表2に示す外添剤コア粒子(外添剤コア粒子C−1〜C−7のいずれか)100gと、表2に示す外添剤シェル粒子(外添剤シェル粒子S−1〜S−7のいずれか)110gとを入れて、ビーカー内容物を十分に混合した。ビーカーから外添剤コア粒子及び外添剤シェル粒子を取り出して乾燥させた。例えば、複合粒子P−1の製造では、外添剤コア粒子C−3と外添剤シェル粒子S−4とを使用した。
続けて、上記のようにして水分を除去した外添剤コア粒子及び外添剤シェル粒子を表面改質機(日本ニューマチック工業株式会社製「メテオレインボー MR−2」)に投入し、その表面改質機(MR−2)を用いて、材料供給速度2kg/時、処理量200g、処理温度160℃の条件で複合化処理を行い、処理前粒子を得た。得られた処理前粒子は、外添剤コア粒子と外添剤シェル粒子との複合粒子であった。処理前粒子では、外添剤コア粒子の表面のほぼ全域に外添剤シェル粒子が付着していた。
続けて、上記のようにして得た処理前粒子5gと、個数平均1次粒子径300nmのジルコニアビーズ(東ソー株式会社製)200gとを、容量500mLの容器に入れた。続けて、その容器内容物を、円錐形混合機(ホソカワミクロン株式会社製「ナウターミキサー(登録商標)」)を用いて、回転速度100rpmの条件で、表2中の「脱離処理」に示す時間だけ攪拌した。この攪拌処理により処理前粒子から所定量の外添剤シェル粒子を脱離させた。続けて、200メッシュ(目開き250μm)の篩を用いて、容器内容物からジルコニアビーズを取り除いた。その後、容器内容物を水に分散させて分散液を得た。続けて、上記攪拌処理により処理前粒子から脱離した外添剤シェル粒子を、遠心分離により分散液から取り除いた。その結果、表2に示す複合粒子P−1〜P−15が得られた。複合粒子P−1〜P−15の各々では、表2に示す被覆率で外添剤コア粒子の表面が外添剤シェル粒子に覆われていた。被覆率の測定方法は、以下のとおりであった。
<被覆率の測定方法>
複合粒子(測定対象:複合粒子P−1〜P−15のいずれか)を、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)で撮影して、複合粒子の反射電子像(表面撮影像)を得た。FE−SEMの撮影条件は、加速電圧10.0kV、照射電流95μA、倍率250000倍、コントラスト4800、明るさ(ブライトネス)550であった。
複合粒子(測定対象:複合粒子P−1〜P−15のいずれか)を、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)で撮影して、複合粒子の反射電子像(表面撮影像)を得た。FE−SEMの撮影条件は、加速電圧10.0kV、照射電流95μA、倍率250000倍、コントラスト4800、明るさ(ブライトネス)550であった。
続けて、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、反射電子像(XY平面)の画像解析を行い、複合粒子の被覆領域(詳しくは、外添剤シェル粒子で覆われる外添剤コア粒子の表面領域)を特定した。そして、式「被覆率=100×(被覆領域の面積)/(外添剤コア粒子の表面領域の面積)」に基づいて複合粒子の被覆率(単位:%)を算出した。複合粒子の被覆率は、外添剤コア粒子の表面領域のうち、外添剤シェル粒子が覆っている領域の面積割合に相当する。複合粒子1つにつき3個の視野で各被覆率を測定し、得られた3個の測定値の算術平均を、その複合粒子の評価値(被覆率)とした。さらに、測定対象(複合粒子P−1〜P−15のいずれか)に含まれる10個の複合粒子についてそれぞれ各被覆率を測定し、得られた10個の測定値の算術平均を、測定対象の評価値(被覆率)とした。
(外添工程)
トナー母粒子(前述の手順で作製したトナー母粒子)100質量部と、正帯電性シリカ粒子(基体:日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)90G」、表面処理剤:シリコーンオイル及びアミノシラン、個数平均1次粒子径:約20nm)0.4gと、表1に示す複合粒子(各トナーに定められた複合粒子P−1〜P−15のいずれか)0.4gとを、容量5LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合した。
トナー母粒子(前述の手順で作製したトナー母粒子)100質量部と、正帯電性シリカ粒子(基体:日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)90G」、表面処理剤:シリコーンオイル及びアミノシラン、個数平均1次粒子径:約20nm)0.4gと、表1に示す複合粒子(各トナーに定められた複合粒子P−1〜P−15のいずれか)0.4gとを、容量5LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合した。
上記混合処理により、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子及び複合粒子)が付着した。その後、得られた粉体を、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9)が得られた。
[評価方法]
各試料(トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9)の評価方法は、以下のとおりである。
各試料(トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9)の評価方法は、以下のとおりである。
(評価用キャリアの調製)
MnO換算で39.7モル%、MgO換算で9.9モル%、Fe2O3換算で49.6モル%、SrO換算で0.8モル%になるように各原材料(MnO、MgO、Fe2O3、及びSrOの各原材料)を適量配合し、原材料に水を加えた。続けて、湿式ボールミルを用いて原材料を10時間かけて粉砕した後、混合した。続けて、得られた混合物を乾燥させた。続けて、乾燥した混合物に温度950℃の熱処理を4時間行った。
MnO換算で39.7モル%、MgO換算で9.9モル%、Fe2O3換算で49.6モル%、SrO換算で0.8モル%になるように各原材料(MnO、MgO、Fe2O3、及びSrOの各原材料)を適量配合し、原材料に水を加えた。続けて、湿式ボールミルを用いて原材料を10時間かけて粉砕した後、混合した。続けて、得られた混合物を乾燥させた。続けて、乾燥した混合物に温度950℃の熱処理を4時間行った。
続けて、湿式ボールミルを用いて、上記熱処理後の混合物を24時間かけて粉砕して、スラリーを調製した。続けて、得られたスラリーの乾燥及び造粒を、スプレードライヤーで行った。続けて、乾燥した造粒物を、温度1270℃かつ酸素濃度2%の雰囲気中に6時間保持した後、解砕した。その後、粒度調整を行うことで、3000(103/4π・A/m)の印加磁場での飽和磁化が70Am2/kgである個数平均1次粒子径35μmのMn−Mg−Srフェライト粒子(磁性キャリアコア)の粉体が得られた。
続けて、ポリアミドイミド樹脂(無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルメタンとの共重合体)をメチルエチルケトンで希釈して、固形分濃度10質量%の樹脂溶液を調製した。続けて、得られた樹脂溶液中にFEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)を分散させて、さらに樹脂全体量に対して2質量%の割合で酸化珪素を加えて、固形分換算で150gのキャリアコート液を得た。得られたキャリアコート液に関して、ポリアミドイミド樹脂とFEPとの質量比(ポリアミドイミド樹脂:FEP)は2:8であった。
続けて、転動流動層コーティング装置(岡田精工株式会社製「スピラコータ(登録商標)SP−25」)を用いて、上記のようにして得た磁性キャリアコア(Mn−Mg−Srフェライト粒子)10kgを上記キャリアコート液で被覆した。その後、樹脂で被覆された磁性キャリアコアを220℃で1時間焼成した。その結果、評価用キャリアが得られた。樹脂被覆量は、キャリア全体に対して3質量%であった。
(帯電安定性)
温度25℃かつ湿度50%RHの環境下において、上記のようにして得た評価用キャリア0.5gと、トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)10gとを、容量20mLの容器に入れた。続けて、その容器内容物を、円錐形混合機(ホソカワミクロン株式会社製「ナウターミキサー」)を用いて回転速度100rpmの条件で混合した。そして、混合開始から10分が経過したタイミングと、混合開始から30分が経過したタイミングとの各々で、混合物中のトナーの帯電量を下記方法で測定した。
温度25℃かつ湿度50%RHの環境下において、上記のようにして得た評価用キャリア0.5gと、トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)10gとを、容量20mLの容器に入れた。続けて、その容器内容物を、円錐形混合機(ホソカワミクロン株式会社製「ナウターミキサー」)を用いて回転速度100rpmの条件で混合した。そして、混合開始から10分が経過したタイミングと、混合開始から30分が経過したタイミングとの各々で、混合物中のトナーの帯電量を下記方法で測定した。
<混合物中のトナーの帯電量の測定方法>
Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)の測定セルに混合物0.10gを投入し、投入された混合物のうちトナーのみを篩(金網)を介して吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)」に基づいて、トナーの帯電量(単位:μC/g)を算出した。
Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)の測定セルに混合物0.10gを投入し、投入された混合物のうちトナーのみを篩(金網)を介して吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)」に基づいて、トナーの帯電量(単位:μC/g)を算出した。
上記のような方法で、混合開始から10分が経過したタイミングでのトナーの帯電量Q10と、混合開始から30分が経過したタイミングでのトナーの帯電量Q30とを測定した。さらに、これらの値に基づいて、帯電量Q10と帯電量Q30との差(絶対値)である帯電変化量ΔQを算出した。
帯電変化量ΔQが3μC/g以下であれば○(良い)と評価し、帯電変化量ΔQが3μC/g超であれば×(良くない)と評価した。
(耐熱保存性)
トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)3gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて密閉し、密閉された容器にタッピング処理を5分間行った。その後、容器を、温度60℃に設定された恒温槽内に8時間静置した。続けて、恒温槽から取り出したトナーを室温(約25℃)まで冷却して、評価用トナーを得た。
トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)3gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて密閉し、密閉された容器にタッピング処理を5分間行った。その後、容器を、温度60℃に設定された恒温槽内に8時間静置した。続けて、恒温槽から取り出したトナーを室温(約25℃)まで冷却して、評価用トナーを得た。
続けて、評価用トナーを、300メッシュ(目開き48μm)の篩に載せた。そして、評価用トナーを含む篩の質量を測定し、篩上のトナーの質量(篩別前のトナーの質量)を求めた。続けて、粉体特性評価装置(ホソカワミクロン株式会社製「パウダテスタ(登録商標)」)に篩をセットし、粉体特性評価装置(パウダテスタ)のマニュアルに従い、レオスタッド目盛り5の振動強度で、上記篩を30秒間振動させた。篩別後、トナーを含む篩の質量を測定することで、篩上に残留したトナーの質量(篩別後のトナーの質量)を求めた。そして、篩別前のトナーの質量と篩別後のトナーの質量とに基づいて、次の式に従って凝集率(単位:質量%)を求めた。
凝集率=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
凝集率=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
凝集率が10質量%以下であれば○(良い)と評価し、凝集率が10質量%超であれば×(良くない)と評価した。
[評価結果]
トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9の各々について、帯電安定性(Q10、Q30、及びΔQ)及び耐熱保存性(凝集率)を評価した結果を、表5に示す。
トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9の各々について、帯電安定性(Q10、Q30、及びΔQ)及び耐熱保存性(凝集率)を評価した結果を、表5に示す。
トナーTA−1〜TA−6(実施例1〜6に係るトナー)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。詳しくは、トナーTA−1〜TA−6の各々では、結着樹脂を含有するトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含んでいた。外添剤は、第1樹脂粒子と、それぞれ第1樹脂粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備える複合粒子の粉体を含んでいた。複合粒子の粉体において、第1樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、100nm以上120nm以下であり、第2樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、10nm以上20nm以下であった(表1〜表4参照)。第1樹脂粒子の表面領域のうち、第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合は、30%以上50%以下であった(表1及び表2参照)。SPT(結着樹脂のSP値)と、SPC(第1樹脂粒子のSP値)と、SPS(第2樹脂粒子のSP値)とは、「SPT<SPS<SPC」又は「SPC<SPS<SPT」の関係を満足していた(表1及び表2参照)。
表5に示すように、トナーTA−1〜TA−6の各々に関しては、帯電安定性及び耐熱保存性の両方で、良い評価結果が得られた。
本発明に係るトナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 トナー粒子
11 トナー母粒子
12 無機粒子
13 複合粒子
13a 外添剤コア粒子
13b 外添剤シェル粒子
11 トナー母粒子
12 無機粒子
13 複合粒子
13a 外添剤コア粒子
13b 外添剤シェル粒子
Claims (7)
- 結着樹脂を含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含むトナーであって、
前記外添剤は、第1樹脂粒子と、それぞれ前記第1樹脂粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備える複合粒子の粉体を含み、
前記複合粒子の粉体において、前記第1樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、100nm以上120nm以下であり、前記第2樹脂粒子の個数平均1次粒子径は、10nm以上20nm以下であり、
前記第1樹脂粒子の表面領域のうち、前記第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合は、30%以上50%以下であり、
前記結着樹脂のSP値であるSPTと、前記第1樹脂粒子のSP値であるSPCと、前記第2樹脂粒子のSP値であるSPSとは、「SPT<SPS<SPC」又は「SPC<SPS<SPT」の関係を満足する、トナー。 - 前記トナー母粒子は、前記結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有し、
前記外添剤は、個数平均1次粒子径3nm以上35nm以下のシリカ粒子の粉体をさらに含む、請求項1に記載のトナー。 - 前記第1樹脂粒子及び前記第2樹脂粒子は、各々独立して、スチレン系モノマー及び/又はアクリル酸系モノマーと、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤とを含む単量体の重合物を含有する、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記SPTは、9.5(cal/cm3)1/2以上9.8(cal/cm3)1/2以下であり、前記SPCは、8.5(cal/cm3)1/2以上9.0(cal/cm3)1/2以下である、請求項3に記載のトナー。
- 前記SPTは、9.5(cal/cm3)1/2以上9.8(cal/cm3)1/2以下であり、前記SPCは、10.0(cal/cm3)1/2以上10.5(cal/cm3)1/2以下である、請求項3に記載のトナー。
- 前記SPSと前記SPCとの差は、絶対値で0.2(cal/cm3)1/2以上0.5(cal/cm3)1/2以下であり、
前記SPSと前記SPTとの差は、絶対値で0.2(cal/cm3)1/2以上0.5(cal/cm3)1/2以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナーを製造する方法であって、
前記トナー母粒子を準備することと、
前記複合粒子を準備することと、
前記トナー母粒子の表面に、前記複合粒子を含む外添剤を付着させることと、
を含み、
前記複合粒子を準備することは、
前記第1樹脂粒子の粉体と前記第2樹脂粒子の粉体とを準備することと、
複合化処理により前記第1樹脂粒子の表面に前記第2樹脂粒子を付着させて、前記第1樹脂粒子の表面領域のうち前記第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合が80%以上である第1複合粒子の粉体を得ることと、
前記第1複合粒子の粉体を粉砕メディアと一緒に混合することにより、前記第1樹脂粒子から前記第2樹脂粒子を部分的に脱離させて、前記第1樹脂粒子の表面領域のうち前記第2樹脂粒子が覆っている領域の面積割合が30%以上50%以下である第2複合粒子の粉体を得ることと、
を含む、トナーの製造方法。
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JP2021110809A (ja) * | 2020-01-09 | 2021-08-02 | キヤノン株式会社 | 二成分現像剤 |
-
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- 2017-09-27 JP JP2017186029A patent/JP2019061100A/ja active Pending
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