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JP2019056118A - ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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JP2019056118A JP2018216125A JP2018216125A JP2019056118A JP 2019056118 A JP2019056118 A JP 2019056118A JP 2018216125 A JP2018216125 A JP 2018216125A JP 2018216125 A JP2018216125 A JP 2018216125A JP 2019056118 A JP2019056118 A JP 2019056118A
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Abstract

【課題】成形時のホルムアルデヒド発生量を十分に抑えたポリオキシメチレン樹脂組成物を、粗オキシメチレン共重合体の不安定末端基を安定化する安定化処理を行うことなく提供する。【解決手段】本発明では、共重合終了後に重合触媒を失活させているが、不安定末端基を安定化していない粗オキシメチレン共重合体に対し、不安定末端基を安定化する安定化処理を行うことなく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれらの塩とを溶融混錬し、ポリオキシメチレン樹脂組成物を製造する。このポリオキシメチレン樹脂組成物を押出成形しても、長期変色、長期物性低下を抑えられるため、本発明で得られるポリオキシメチレン樹脂組成物は、押出成形品形成用として好適である。【選択図】なし

Description

本発明はポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリオキシメチレン(ポリアセタールとも称され、POMと略称される。)樹脂は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、かつ、その加工が容易であることにより、代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品、その他の各種機械部品等を中心として広く利用されている。
ポリオキシメチレン重合体としてコポリマーがあり、コポリマーは、ホルムアルデヒド又はその環状多量体を主モノマーとし、環状エーテル及び/又は環状ホルマールをコモノマーとして、触媒の存在下で重合して製造される。
しかしながら、得られる粗ポリオキシメチレン共重合体は、一部の分子末端が不安定末端基であるため、熱的に不安定であり、成形時に熱分解してホルムアルデヒドを発生するため、環境上問題になり得る。また、発生したホルムアルデヒドが成形中に酸化されてギ酸となり、このギ酸がポリオキシメチレン共重合体を分解したり、樹脂成形品を発泡させたりする等の問題になり得る。さらに、ギ酸は、樹脂成形品に接する金属部品を腐食する要因ともなり得る。
上記を受け、オキシメチレン共重合体に対し、ホルムアルデヒド捕捉剤、酸化防止剤、加工安定剤及び耐熱安定剤等の各種添加剤を添加してポリオキシメチレン樹脂ペレットを得るにあたり、通常、粗オキシメチレン共重合体の不安定末端基を安定化し、この安定化によって得られる安定化ポリオキシメチレン共重合体に上記添加剤を添加してポリオキシメチレン樹脂ペレットを得ている。
粗ポリオキシメチレン共重合体を安定化する方法として、不安定末端基とそれに続く不安定末端部を分解・除去する方法等が知られている。
例えば、粗ポリオキシメチレン共重合体を加水分解すること、より詳しくは、粗ポリオキシメチレン共重合体をその融点以上の温度に加熱して溶融状態で処理して粗ポリオキシメチレン共重合体から不安定末端基を分解除去することや、不溶性液体媒体中で不均一系を保って80℃以上の温度で粗ポリオキシメチレン共重合体を加熱し、粗ポリオキシメチレン共重合体から不安定末端基を分解除去すること等が知られている(特許文献1参照)。
また、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン若しくはトリエタノールアミン等の脂肪族アミン、水酸化テトラブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機弱酸塩若しくは有機酸塩等を使用し、その存在下で不安定末端部を分解することも知られている(特許文献2参照)。また、四級ホスホニウム塩、PN結合含有化合物、複素環式四級アンモニウム塩、ベタイン、ベタイン誘導体、アミンオキシド又はヒドラジニウム塩等の存在下で不安定末端部を分解することも提案されている(特許文献2〜5参照)。
特開2010−37445号公報 特開2008−1850号公報 特開2008−31348号公報 特開2007−332227号公報 特開2007−112959号公報
しかしながら、粗オキシメチレン共重合体に対し、不安定末端基を安定化する安定化処理を行うことなく各種の添加剤を加えたものをポリオキシメチレン樹脂組成物として供給できれば、製造工程を大幅に簡略化できる点で好ましい。
本発明では、成形時のホルムアルデヒド発生量を十分に抑えたポリオキシメチレン樹脂組成物を、上記安定化処理を行うことなく提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の添加剤を用いることで上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、共重合終了後に重合触媒を失活させているが、不安定末端基を安定化していない粗オキシメチレン共重合体に対し、前記不安定末端基を安定化する安定化処理を行うことなく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれらの塩と、アルカリ土類金属化合物とを溶融混錬し、ポリオキシメチレン樹脂組成物を製造する方法である。
(2)また、本発明は、前記アルカリ土類金属化合物が脂肪族カルボン酸金属の塩又は酸化物である、(1)に記載の製造方法である。
(3)また、本発明は、前記アルカリ土類金属化合物がステアリン酸カルシウムであり、かつ、前記粗オキシメチレン共重合体に対し、前記ステアリン酸カルシウムを0.003重量%以上0.020重量%以下の範囲で使用する、(1)又は(2)に記載の製造方法である。
(4)また、本発明は、前記ポリオキシメチレン樹脂組成物が押出成形品形成用である、(1)から(3)のいずれかに記載の製造方法である。
本発明によると、成形時のホルムアルデヒド発生量を十分に抑えたポリオキシメチレン樹脂組成物を、上記安定化処理を行うことなく提供できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法>
本発明は、共重合終了後に重合触媒を失活させているが、不安定末端基を安定化していない粗オキシメチレン共重合体に対し、上記安定化処理を行うことなく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれらの塩と、アルカリ土類金属化合物とを溶融混錬し、ポリオキシメチレン樹脂組成物を製造する。
[粗オキシメチレン共重合体]
本発明において、原料となる共重合体は、共重合終了後に重合触媒を失活させているが、不安定末端基を安定化していない粗共重合体である。
粗オキシメチレン共重合体は、オキシメチレン基(−OCH−)を主たる構成単位とし、オキシメチレン単位以外に他のコモノマー単位を有する樹脂である。一般的に、粗オキシメチレン共重合体は、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを主モノマーとし、環状エーテルや環状ホルマールから選ばれた化合物をコモノマーとして共重合させることによって製造される。
主モノマーとして、ホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンを用いるのが一般的である。トリオキサンは、一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させることにより得られ、これを蒸留等の方法で精製して使用される。
コモノマーである環状エーテル及び環状ホルマールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられる。さらに、分岐構造や架橋構造を形成可能な化合物をコモノマー(あるいはターモノマー)として使用することが可能であり、かかる化合物としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のアルキル又はアリールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
中でも、粗ポリオキシメチレン共重合体の熱安定性が好適である点で、コモノマーは、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール又はジエチレングリコールホルマールであることが好ましい。これらのコモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
コモノマーの量は、粗ポリオキシメチレン共重合体の熱安定性に大きく影響する。主モノマーとコモノマーとの重量比は、99.9:0.1〜80.0:20.0であることが好ましく、99.5:0.5〜90.0:10.0であることがより好ましい。
ところで、主モノマー、コモノマーの双方において、水、メタノール、ギ酸等の不純物の含有量が極力少ない方が好ましい。不純物は、重合系で不安定末端を形成するためである。不純物の総量は、反応系中の全モノマーに対して1×10−2mol%以下であることが好ましく、5×10−3mol%以下であることがより好ましい。
粗オキシメチレン共重合体は、一般には適量の分子量調整剤を添加し、カチオン重合触媒を用いてカチオン重合することにより得ることができる。使用される分子量調整剤、カチオン重合触媒、重合方法、重合装置等は多くの文献によって公知であり、基本的にはそれらを何れも利用できる。例えば、メチラールの如き両末端がアルコキシ基を有する低分子量線状アセタール等は、不安定末端を形成しないため、粗ポリオキシメチレン共重合体の分子量を調整する目的で任意の量を含有させることができる。
重合反応時に使用する触媒としては、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の無機及び有機酸、トリエチルオキソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラフロロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等のアルキル金属塩、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等が挙げられる。その中でも特に三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素配位化合物、ヘテロポリ酸、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。これらの触媒は有機溶剤等で予め希釈して用いることもできる。
触媒の量は、三フッ化ホウ素又はその配位化合物からなる触媒を用いる場合、全モノマーに対して1×10−3mol%以上1×10−2mol%以下の範囲であることが好ましく、5×10−3mol%以上7×10−3mol%以下の範囲であることがより好ましい。触媒量をかかる限定範囲とすることは、不安定末端部の生成を防ぐ上で有効である。触媒量が多すぎると、重合温度の適正な制御を困難にし、重合中の分解反応が優勢となり、結果として、不安定末端部が多く過剰に生成することになる。一方、触媒量が少なすぎると、重合反応速度の低下や重合収率が低下をまねき得るため、好ましくない。
重合法としては、従来公知の方法が何れも可能であるが、液状モノマーを用いて重合の進行とともに固体粉塊状のポリマーを得る連続式塊状重合法が工業的には好ましい。重合温度は、60℃以上105℃以下に保つことが好ましく、特に、65℃以上100℃以下に保つことが望ましい。
重合後の触媒の失活法は特に限定されるものでなく、従来公知の方法が何れも可能である。例えば、三フッ化ホウ素又はその配位化合物からなる触媒を用いた場合、塩基性化合物を含む水溶液等に重合後のポリマーを加える等の方法が可能である。該塩基性化合物として、アンモニア、あるいは、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン等のアミン類、あるいは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又は塩類、あるいは、その他公知の触媒失活剤が挙げられる。塩基性化合物は、0.001重量%以上0.5重量%以下の水溶液として加えるのが好ましく、特に0.02重量%以上0.3重量%以下の水溶液として加えるのが好ましい。また、好ましい水溶液の温度は10℃以上80℃以下であるのが好ましく、特に好ましくは15℃以上60℃以下である。また、重合終了後、これらの水溶液に速やかに投入し触媒を失活させることが好ましい。
粗オキシメチレン共重合体の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が10,000以上400,000以下のものが好ましい。また、樹脂の流動性の指標となるメルトインデックスが0.1/10分以上100g/10分以下であるものが好ましく、さらに好ましくは0.5/10分以上80g/10分以下である。本明細書において、メルトインデックスは、ASTM−D1238に準じ、190℃、荷重2.16kgで測定したときの値であるものとする。
〔安定化処理を行っていない粗オキシメチレン共重合体〕
本発明において、粗オキシメチレン共重合体は、共重合終了後に重合触媒を失活させているが、不安定末端基を安定化していない。そして、不安定末端基を安定化する安定化処理を行うことなく、粗オキシメチレン共重合体と、各種の添加剤とを溶融混錬する。
ここで、粗オキシメチレン共重合体の末端基、及び不安定末端基の安定化処理について説明する。粗オキシメチレン共重合体の安定末端基は、メトキシ基(−OCH)等のアルコキシ基、及びヒドロキシエチル基(−CHCHOH)、ヒドロキシブチル基(−CHCHCHCHOH)等の炭素数2以上のヒドロキシアルキル基である。一方、粗オキシメチレン共重合体の不安定末端基は、ヘミアセタール末端基(ヒドロキシメトキシ末端基、ヘミホルマール末端基とも称され、−OCHOHで表される。)及びホルミル末端基(−CHOで表される。)である。
一般に、安定化工程を経ることで、オキシメチレン共重合体に含まれる不安定末端基の割合を低減でき、安定化オキシメチレン共重合体が得られる。安定化処理として、ポリオキシメチレン共重合体をその融点以上の温度に加熱して溶融状態で処理して不安定部分のみを分解除去することや、不溶性液体媒体中で不均一系を保って80℃以上の温度で加熱処理することで不安定末端部分のみを分解除去すること等が知られている。
また、粗ポリオキシメチレン共重合体を、不安定末端基分解処理剤の存在下で熱処理することも知られている。不安定末端基分解処理剤として、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族アミン、水酸化テトラブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機弱酸塩又は有機酸塩等のほか、四級ホスホニウム塩、PN結合含有化合物、複素環式四級アンモニウム塩、ベタイン、ベタイン誘導体、アミンオキシド又はヒドラジニウム塩等も提案されている(特許文献2〜5参照)。
本発明は、これらの安定化処理を行うことなく、粗オキシメチレン共重合体に特定の添加剤を加えてポリオキシメチレン樹脂組成物を得ることを特徴としている。以下では、その特定の添加剤について説明する。
[ヒンダードフェノール系酸化防止剤]
本発明は、上記粗オキシメチレン共重合体に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を加えている。
本発明において使用するヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、単環式ヒンダードフェノール化合物、炭化水素基又はイオウ原子を含む基で連結された多環式ヒンダードフェノール化合物、エステル基又はアミド基を有するヒンダードフェノール化合物等が挙げられる。
これらの具体的化合物としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−2−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ジヒドロシンナムアミド)、N,N’−エチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−テトラメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−エチレンビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート等を例示することができる。
これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量は特に限定されるものでないが、粗オキシメチレン共重合体に対して0.01重量%以上3重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以上2重量%以下であることがより好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量が0.01重量%未満であると、加工性や長期使用時の材料特性が低下する可能性があるため、好ましくない。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量が3重量%を超えると、成形品から染み出す可能性があるため、またコストの面からも好ましくない。
ところで、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤のほか、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系二次酸化防止剤及びイオウ系二次酸化防止剤も知られている。本発明は、これらの酸化防止剤を添加することを妨げるものでなく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤のほか、ヒンダードアミン系酸化防止剤を併せて添加するものであってもよい。
[エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれらの塩]
本発明は、上記粗オキシメチレン共重合体に対し、エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又それらの塩を加えている。エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれらの塩を加えることで、安定化処理を行うことなく、粗オキシメチレン共重合体に添加剤を加えた場合であっても、樹脂組成物を成形する際に生じるホルムアルデヒドの量を好適に抑えることができる。
エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれらの塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれぞれの塩の添加量は特に限定されるものでないが、粗オキシメチレン共重合体に対して0.01重量%以上2重量%以下であることが好ましく、0.015重量%以上1重量%以下であることがより好ましい。エチレンメタアクリル酸共重合樹脂又はエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれぞれの塩の添加量が0.01重量%未満であると、十分な効果が得られないため、好ましくない。エチレンメタクリル酸共重合樹脂又はその塩の添加量が2重量%を超えると、成形品からの剥離が起こる可能性があるため、好ましくない。
[アルカリ土類金属化合物]
アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)と有機カルボン酸との塩;CaO、MgO等の金属酸化物;CaCO、MgCO等の金属炭酸塩;アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)とホウ酸やリン酸との塩等の金属無機酸塩等を例示できる。
前記カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸としては、炭素数が1以上36以下の飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸等を使用できる。また、これらの脂肪族カルボン酸はヒドロキシル基を有していてもよい。
前記飽和脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸等の飽和C1−36モノカルボン酸や、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の飽和C3−36ジカルボン酸、トリカルバリル酸、ブタントリカルボン酸等の飽和C6−36トリカルボン酸等の多価カルボン酸、又はこれらのオキシ酸(例えば、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン酸等)等を例示できる。
前記不飽和脂肪族カルボン酸としては、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和C3−36カルボン酸又はこれらのオキシ酸(例えば、プロピオール酸、ステアロール酸等)等を例示できる。
前記脂肪族カルボン酸として、好ましく使用されるのは、ステアリン酸カルシウムである。
前記アルカリ土類金属化合物は、単独又は二種以上を組合せて使用でき、その割合は、粗オキシメチレン共重合体に対して0.001重量%以上2重量%以下であることが好ましく、さらに好ましい範囲は、0.003重量%以上0.020重量%以下である。
ところで、ホルムアルデヒド捕捉剤として、メラミン等のアミノトリアジン化合物、尿素化合物、カルボン酸ヒドラジド化合物、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂及びポリアミド樹脂等が知られている。本発明は、これらのホルムアルデヒド捕捉剤を添加することを妨げるものではない。
[他の添加剤]
本発明の粗ポリオキシメチレン共重合体に対し、さらに、公知の添加剤を使用することができる。
押出成形用途に用いる場合、摺動性改良剤として、オレフィン系ポリマー(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体、これらの酸無水物等による変性体等)、ワックス類(ポリエチレンワックス等)、シリコーンオイルやシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)、脂肪酸エステル等を使用できる。
さらに、公知の滑剤、耐侯(光)安定剤、耐衝撃性改良剤、光沢性制御剤、充填剤、着色剤、核剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、抗カビ剤、芳香剤、発泡剤、相容化剤、物性改良剤(ホウ酸又はその誘導体等)、香料等を配合することが可能であり、本発明の目的を損なうことなく、それぞれの添加剤に応じた諸特性を向上させることができる。
[ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造]
ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、樹脂組成物の調製法として従来から知られた各種の方法により調製することができる。例えば、(1)組成物を構成する全成分を混合し、これを押出機に供給して溶融混練し、ペレット状の組成物を得る方法、(2)組成物を構成する成分の一部を押出機の主フィード口から、残余成分をサイドフィード口から供給して溶融混練し、ペレット状の組成物を得る方法、(3)押出し等により一旦組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを混合して所定の組成に調整する方法等が挙げられる。
押出機を用いた組成物の調製においては、一カ所以上の脱揮ベント口を有する押出機を用いるのが好ましく、さらに、主フィード口から脱揮ベント口までの任意の場所に水や低沸点アルコール類を粗オキシメチレン共重合体100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下の範囲の程度で供給し、押出工程で発生するホルムアルデヒド等を水や低沸点アルコール類とともに脱揮ベント口から脱揮除去するのが好ましい。これにより、ポリオキシメチレン樹脂組成物及びその成形品から発生するホルムアルデヒド量を低減できる。
なお、樹脂成形品を形成する際に、加工が容易である点で、本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物はペレット形状であることが好適である。
[ポリオキシメチレン樹脂組成物を用いた樹脂成形品の形成]
従来から、樹脂組成物を用いて樹脂成形品を形成する手法として、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形等が知られている。本発明に係る樹脂組成物を用いて成形品を形成する際、これら慣用の成形方法のいずれの方法によっても好適に成形品を形成できる。
ところで、押出成形は、複雑な断面形状を有する樹脂成形品を形成できる点、樹脂組成物にかかる応力が圧縮応力とせん断応力だけであるため、樹脂組成物がもろい素材であっても好適に成形できる点、押出後の成形品表面が非常に滑らかであり、仕上げ処理が不要である点等の利点を有する。一方で、樹脂組成物が成形機内部で滞留する間に、配合成分の変質やホルムアルデヒドとの副反応が起き、これに起因して樹脂成形品の黄変等の外観不良が生じ得るという欠点も有する。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物を用いると、押出成形する場合であっても、配合成分の変質やホルムアルデヒドとの副反応を防止できる。そのため、本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は、特に押出成形品形成用として供することが好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
<粗オキシメチレン共重合体の調製>
二つの円が一部重なった断面形状を有するとともに、外側に熱(冷)媒を通すジャケットを備えたバレルと、このバレル内部の長手方向において、それぞれ撹拌及び推進用パドルを備えた2本の回転軸とを有する連続式混合反応機を用いて、以下のように重合反応を行った。
ジャケットに80℃の温水を通し、2本の回転軸を100rpmの速度で回転させ、酸化防止剤として0.05重量%のトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、コモノマーとして3.3重量%の1,3−ジオキソラン及び連鎖移動剤として700ppm(重量基準)のメチラールを含有するトリオキサンを連続的に反応機に供給するとともに、並行して三フッ化ホウ素・ジブチルエーテラートをシクロヘキサンに溶解させた溶液(1重量%濃度)を、全モノマー(トリオキサン及び1,3−ジオキソランの総量)に対して、三フッ化ホウ素として10ppm(重量基準)の濃度で連続添加して共重合を行った。次いで、反応機の吐出口より排出された粗ポリオキシメチレン共重合体を、0.1重量%のトリエチルアミンを含有する水溶液に添加し、触媒を失活させた。この混合物を遠心分離処理、さらに乾燥して粗オキシメチレン共重合体を得た。
粗オキシメチレン共重合体は、ヘミアセタール末端基量が2.2mmol/kg、ホルミル末端基量が1.7mmol/kg、不安定末端量(末端不安定部分の量)が1.18重量%であった。
なお、本発明において、ヘミアセタール末端基量及びホルミル末端基量は以下の手法で評価するものとする。
粗オキシメチレン共重合体をヘキサフルオロイソプロピルアルコール中に溶解し、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドとピリジンを添加して反応させた後、風乾し、続いて40℃で減圧乾燥させることにより残留した溶媒及び未反応物を除去する。得られた反応物を重水素化へキサフルオロイソプロピルアルコールを溶媒として濃度5重量%に溶解して、溶液をNMR用サンプル管に充填し、室温で、NMRスペクトルを測定する(特開2001−11143号公報参照)。
ヘミアセタール末端基量(mmol/kg)及びホルミル末端基量(mmol/kg)は、各々対応するNMR吸収ピークに基づき算出する。
NMR装置:Bruker社製、AVANCE400型FT−NMR
測定条件:パルスフリップアングル30゜、積算繰り返し時間10sec、積算回数128回
また、本発明において、不安定末端量(末端の不安定部分の量)は以下の手法で評価するものとする。
粗オキシメチレン共重合体約1gを精秤し、水酸化カルシウム15mgと0.5体積%の水酸化アンモニウムを含む60体積%メタノール水溶液100mlとともに耐圧密閉容器に入れ、170℃で60分間加熱処理した後、冷却、開封して内溶液を取り出す。不安定な末端部分の分解によって生じ、溶液中に溶解したホルムアルデヒド量をJIS K0102、29.1項 アセチルアセトン吸光光度法にしたがって定量し、粗オキシメチレン共重合体に対する割合を重量%として算出する。
<安定化オキシメチレン共重合体の調製>
上記粗ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対して、0.01重量部のトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]と2重量部のトリエチルアミン水溶液(0.72重量%濃度:トリエチルアミンは、粗ポリオキシメチレン共重合体1kg当たり3級アミン窒素に換算して1.4mmol)を添加して均一に混合する。
次いで、この混合物を前記の脱揮口付き2軸押出機に供給し、20mmHg(2.7kPa)のベント真空度、200℃のシリンダー温度、300秒の平均滞留時間で、揮発物を(ベント)脱揮口より除去しながら溶融混練し、ペレット状の安定化オキシメチレン共重合体を得た。
安定化オキシメチレン共重合体は、ヘミアセタール末端基量が1.2mmol/kg、ホルミル末端基量が1.3mmol/kg、不安定末端量(末端不安定部分の量)が0.56重量%であった。
<実施例、参考例及び比較例>
Figure 2019056118
表1において、各種材料は次のとおりである。
1.粗POM共重合体
上記<粗オキシメチレン共重合体の調製>によって得た粗オキシメチレン共重合体
2.安定化POM共重合体
上記<安定化オキシメチレン共重合体の調製>によって得た安定化オキシメチレン共重合体
3.ヒンダードフェノール系酸化防止剤
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名:Irganox1010,BASFジャパン社製)
4.エチレンメタクリル酸共重合樹脂
エチレンメタクリル酸共重合樹脂(製品名:ニュクレルN1525,三井・デュポンポリケミカル社製)
5.エチレンアクリル酸共重合樹脂(製品名:プリマコール 3460、ダウケミカルカンパニー製)
6.エチレンメタクリル酸共重合体樹脂の亜鉛塩
7.アルカリ土類金属化合物
ステアリン酸カルシウム
酸化マグネシウム
8.摺動性改良剤
低分子量ポリエチレン(製品名:サンワックス161−P,三洋化成工業社製)
表1に示す材料を、表1に示す割合(単位は重量部)で押出機TEX30α(日本製鋼所社製)に投入した。次いで、押出機に投入した上記の原料を以下の押出条件で混練した。次いで、混練された原料をストランド状に押出し、冷却後ペレット状に切断し、140℃で4時間乾燥させた。これにより、実施例及び比較例に係るポリオキシメチレン樹脂組成物ペレット(直径:1〜2mm、長さ:2〜3mm)を製造した。
(押出条件)
シリンダー温度:170〜200℃
押出し量:18kg/hr(定量フィーダ使用)
回転数:120rpm
<評価>
[溶融体からのホルムアルデヒド発生量]
5gのペレットを正確に秤量し、金属製容器中に200℃で5分間保持した後、容器内の雰囲気を蒸留水中に吸収させる。この水溶液のホルムアルデヒド量をJISK0102,29.(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、ペレットから発生するホルムアルデヒドガス量(ppm)を算出した。ホルムアルデヒドガス量が70ppm未満である場合を“○”とし、70ppm以上である場合を“×”とした。結果を表2に示す。
[長期色相安定性(ΔE)]
上記の組成物ペレットを用い、30mm単軸固化押出成形機を用いて、押出速度5mm/minで、φ140の丸棒を固化押出した。そして、得られた丸棒より、ISO 527−1 1B型に準じた試験片を切り出した。
その後、上記試験片を140℃オーブンにて長期保持し、色差計で色相を評価した。変色度(ΔE)は、下式にて計算した。
ΔE=〔(L−L+(a−a+(b−b1/2
式中、L、a、bはそれぞれ色差計で計測される色の値であり、L、a、bの下付文字1は140℃のオーブンで20日間保持後の色相であることを、下付文字0はオーブンに入れる直前での色相を意味する。
そして、計算した結果が10未満である場合を“◎”とし、10以上15以下である場合を“○”とした。結果を表2に示す。
上記[長期色相安定性(ΔE)]で作製した試験片を140℃オーブンにて20日保持し、引張強度を評価した。評価はISO527に準ずる。長期保持前の引張強度に対して、長期保持後の引張保持率が100%以上である場合を“○”とし、該引張保持率が100%未満である場合を“×”とした。結果を表2に示す。
Figure 2019056118
実施例1〜6及び参考例1を比較すると、樹脂成形品を形成するための材料として、粗オキシメチレン共重合体に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂又はそれらの塩とを溶融混錬することによって得られるポリオキシメチレン樹脂組成物を用いる場合、不安定末端基を安定化する安定化処理を行っていないにもかかわらず、該安定化処理を行った安定化オキシメチレン共重合体から得られるポリオキシメチレン樹脂組成物を用いる場合と略同程度にホルムアルデヒドの発生量を抑えられるといえる。このことから、本発明によると、成形時のホルムアルデヒド発生量を十分に抑えたポリオキシメチレン樹脂組成物を、上記安定化処理を行うことなく提供できるといえる。
また、ポリオキシメチレン樹脂組成物を押出成形しても、長期変色及び長期物性低下を抑えられるため、本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は、押出成形品形成用としても好適である(実施例1〜6)。
一方、添加剤としてエチレンメタクリル酸共重合樹脂を単独で用いた場合、さらにポリオキシメチレン樹脂組成物を押出成形すると、長期物性保持率の低減を抑えることができない(比較例1)。アルカリ土類金属化合物を用いたとしても、ホルムアルデヒドの発生量を好適に抑えることはできないため不適となり得る(比較例2)。

Claims (2)

  1. 共重合終了後に重合触媒を失活させているが、不安定末端基を安定化していない粗オキシメチレン共重合体に対し、前記不安定末端基を安定化する安定化処理を行うことなく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、エチレンメタクリル酸共重合樹脂若しくはエチレンアクリル酸共重合樹脂と、ステアリン酸カルシウムとを、一カ所以上の脱揮ベント口を有する押出機を用い、さらに、主フィード口から該脱揮ベント口までの任意の場所に水、低沸点アルコール類から選択される少なくとも一種を、該粗オキシメチレン共重合体100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下の範囲で供給して溶融混錬する、ポリオキシメチレン樹脂組成物を製造する方法。
  2. 前記粗オキシメチレン共重合体が、ヘミホルマール末端基量が1.2mmol/kgを超え、ホルミル末端基量が1.3mmol/kgを超え、不安定末端基量が0.56重量%を超える粗オキシメチレン共重合体である、ポリオキシメチレン樹脂組成物を製造する方法。
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