[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図3から図7までを参照して説明する。図3は、本発明の第1の実施形態であるストレージシステムの構成の一例を示すブロック図である。図4は、ファイルリスト341の一例を示す図である。図5は、セグメント参照数情報342の一例を示す図である。図6は、ファイル選択手段321がファイルを選択する際の処理の一例を示すフローチャートである。図7は、ファイル選択手段321が生成した参照数1のセグメントを持つファイルリストの一例である。
第1の実施形態では、1つまたは複数のセグメントから構成されるファイルを記憶する階層型ストレージを有するストレージ装置3について説明する。本実施形態におけるストレージ装置3は、高速だが容量単価の高いストレージである上位Tierストレージ34と、上位Tierストレージ34よりも読み書き速度が低速であるが容量単価の安いストレージである下位Tierストレージ35と、を有している。ストレージ装置3は、サーバ2などからの要求に応じて、ファイルを上位Tierストレージ34に記憶する。また、ストレージ装置3は、ファイル選択手段321を有する階層管理手段32により、予め定められた所定の条件を満たすなど所定の場合、上位Tierストレージ34が記憶するファイルを下位Tierストレージ35に移行させる。後述するように、本実施形態で説明するファイル選択手段321は、セグメントを参照しているファイルの数である参照数を示すセグメント参照数情報342を参照して、上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択する。なお、セグメントとは、ファイルを構成するデータ単位のことを示している。
図3は、ストレージ装置3を含むシステムであるストレージシステムの構成の一例を示している。図3を参照すると、本実施形態におけるストレージシステムは、管理端末1と、サーバ2と、ストレージ装置3と、から構成されている。
図3で示すように、管理端末1とストレージ装置3とは、互いに通信可能なよう接続されている。また、サーバ2とストレージ装置3とは、互いに通信可能なよう接続されている。
管理端末1は、ストレージ装置3を管理する情報処理装置である。管理端末1は、ストレージ装置3に対して運用開始指示や運用停止指示を送信するなど、ストレージ装置3の全体的な管理を行う。管理端末1は、ストレージ装置3に対して、上位Tierストレージ34が記憶するファイルを下位Tierストレージ35に移行する旨を指示するファイル移行指示を送信するよう構成しても構わない。また、管理端末1は、ファイルの移行により上位Tierストレージ34に確保することを希望するセグメントの数を示す(確保することを希望する容量を示す)希望確保容量情報を上記ファイル移行指示とともにストレージ装置3に対して送信するよう構成しても構わない。
サーバ2は、ストレージ装置3内のデータへアクセスする情報処理装置である。サーバ2は、ストレージ装置3に対して、ファイルの書き込みを要求するライト要求やファイルの読み込みを要求するリード要求など様々な要求を送信する。
なお、本実施形態においては、管理端末1やサーバ2の具体的な構成は、特に限定しない。管理端末1やサーバ2は、上記例示した以外の様々な構成を有していて構わない。
ストレージ装置3は、上位Tierストレージ34と下位Tierストレージ35とを有する階層型ストレージである。ストレージ装置3は、例えば、サーバ2などからの要求に応じて、ファイルを上位Tierストレージ34に格納する。また、ストレージ装置3は、予め定められた所定の条件を満たすなど所定の場合、上位Tierストレージ34が記憶するファイルを下位Tierストレージ35に移行させる。
図3を参照すると、ストレージ装置3は、ストレージ管理手段31と、ファイル選択手段321を有する階層管理手段32(移行手段)と、重複排除管理手段33と、上位Tierストレージ34と、下位Tierストレージ35と、を有している。なお、例えば、ストレージ装置3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などの演算装置と記憶装置とを有しており、記憶装置が記憶するプログラムを演算装置が実行することで、上記各処理手段を実現する。
ストレージ管理手段31は、ストレージ装置3を総合的に管理する。例えば、ストレージ管理手段31は、管理端末1から運用開始指示や運用停止指示、ファイル移行指示など各種指示を受信する。また、ストレージ管理手段31は、サーバ2からリード要求やライト要求など各種要求を受信する。すると、ストレージ管理手段31は、受信した指示や要求に応じた処理を実行するよう、例えば階層管理手段32に必要な指示を行う。なお、ストレージ管理手段31は、既知の構成を採用することが出来る。そのため、ストレージ管理手段31の構成の詳細は省略する。
階層管理手段32は、上位Tierストレージ34と下位Tierストレージ35とを階層管理する。例えば、階層管理手段32は、ストレージ管理手段31からの指示に応じてファイルの書き込みを行う場合、書き込み対象のファイルを上位Tierストレージ34に書き込むよう処理する。つまり、階層管理手段32は、重複排除管理手段33を経由して、書き込み対象のファイルを重複排除した状態で上位Tierストレージ34に書き込む。また、階層管理手段32は、予め定められた所定の条件を満たすなど所定の場合、上位Tierストレージ34が記憶するファイルを下位Tierストレージ35に移行させる。また、階層管理手段32は、例えば、サーバ2などから下位Tierストレージ35に格納されているファイルに対してリード要求があった場合などにおいて、下位Tierストレージ35に格納されているファイルを上位Tierストレージ34に移行する。
例えば、階層管理手段32は、予め定められた所定の条件を満たすなど所定の場合、上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行させるファイルを選択するようファイル選択手段321に対して指示する。この際、階層管理手段32は、上記指示とともに、上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行させるセグメントの数を示す希望確保容量情報をファイル選択手段321に送信する。上記指示に応じて、ファイル選択手段321は、希望確保容量情報が示す容量を満たす、1つまたは複数のファイルを選択して、選択したファイルを示す移行ファイルリストを階層管理手段32に出力する。その後、階層管理手段32は、ファイル選択手段321が出力した移行ファイルリストが示すファイルを上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行させる。換言すると、階層管理手段32は、移行ファイルリストが示すファイルを下位Tierストレージ35に記憶させるとともに、上位Tierストレージ34から移行対象のファイルを削除する。この際、階層管理手段32は、ファイルを構成するセグメントのうち削除対象のファイル以外が参照していないセグメントを上位Tierストレージ34から削除する。
なお、本実施形態においては、上位Tierストレージ34が記憶するファイルを下位Tierストレージ35に移行させる判断を階層管理手段32がどのような場合において行うかは、特に限定しない。階層管理手段32は、例えば、上位Tierストレージ34が使用中の容量が予め定められた閾値を超えた場合や上位Tierストレージ34の空き容量が予め定められた閾値以下となった場合、ファイルを上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行する。また、階層管理手段32は、管理端末1からファイル移行指示を受信した場合、ファイルを上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行する。換言すると、予め定められた所定の条件を満たすなど所定の場合とは、例えば、上位Tierストレージ34が使用中の容量が予め定められた閾値を超えた場合、上位Tierストレージ34の空き容量が予め定められた閾値以下となった場合、管理端末1からファイル移行指示を受信した場合、などのうちのいずれか又は複数を指す。予め定められた所定の条件を満たすなど所定の場合とは、例えば予め定められた所定の間隔ごと、サーバ2によるアクセスの少ない時間帯などの場合など、上記例示した場合以外であっても構わない。
また、本実施形態においては、希望確保容量情報が示すセグメントの移行数を階層管理手段32がどのように決定するかについても特に限定しない。階層管理手段32は、例えば、上位Tierストレージ34が使用中の容量や空き容量、容量や空き容量と予め定められた閾値との乖離具合などに応じて、移行させるセグメントの数を決定することが出来る。希望確保容量情報が示すセグメントの移行数は、一定であっても構わない。また、希望確保容量情報が示すセグメントの移行数は、管理端末1から指示された数であっても構わない。
ファイル選択手段321は、階層管理手段32からの指示に応じて、上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行させるファイルを選択して、選択したファイルを示す移行ファイルリストを階層管理手段32に出力する。後述するように、ファイル選択手段321は、ファイルを選択する際に、上位Tierストレージ34に格納されたファイルリスト341とセグメント参照数情報342とを活用する。なお、ファイル選択手段321により行われるファイル選択処理の詳細は、後述する。
重複排除管理手段33は、階層管理手段32から書込みを依頼されたファイルを重複排除した状態で上位Tierストレージ34に格納する。つまり、重複排除管理手段33は、書込み対象のファイルのうち、上位Tierストレージ34に格納されていないセグメントのみを上位Tierストレージ34に書き込み、既に上位Tierストレージ34に格納されているセグメントは新たに書き込まない。
なお、本実施形態においては、重複排除管理手段33が重複排除を行う際の具体的な処理については特に限定しない。例えば、重複排除管理手段33は、セグメントのデータのハッシュ値を算出し、上位Tierストレージ34に既に格納されているセグメントのハッシュ値と比較することで、記憶対象のセグメントが上位Tierストレージ34に既に確保しているか確認する。このように、重複排除管理手段33は、重複排除を行う上での一般的な処理を行うよう構成することが出来る。
上位Tierストレージ34は、SSD(solid state drive)に代表されるような高速だが容量単価の高い記憶装置である。上位Tierストレージ34には、重複排除管理手段33により重複排除された状態で、記憶対象のファイルが記憶される。
また、上位Tierストレージ34には、ファイルリスト341とセグメント参照数情報342とが記憶されている。ファイルリスト341やセグメント参照数情報342は、例えば、上位Tierストレージ34にファイルを記憶する際や上位Tierストレージ34からファイルを削除する際に、重複排除管理手段33などにより更新される。
ファイルリスト341は、上位Tierストレージ34が記憶しているファイルの一覧を示している。図4は、ファイルリスト341の一例である。図4を参照すると、ファイルリスト341では、例えば、ファイル名と最終アクセス日時と参照セグメントとが対応付けられている。
具体的には、例えば、図4の1行目では、ファイル名「File 1」と、最終アクセス日時「2017/07/07 12:34:56」と、参照セグメント「A,B」と、が対応付けられている。つまり、図4の1行目は、ファイル名「File 1」のファイルへの最終アクセス日時が「2017/07/07 12:34:56」であり、ファイル名「File 1」のファイルは、セグメント「A」とセグメント「B」から構成されていることを示している。また、例えば、図4の2行目では、ファイル名「File 2」と、最終アクセス日時「2017/02/02 03:04:05」と、参照セグメント「D」と、が対応付けられており、図4の3行目では、ファイル名「File 3」と、最終アクセス日時「2017/05/05 06:07:08」と、参照セグメント「C」と、が対応付けられている。また、例えば、図4の4行目では、ファイル名「File 4」と、最終アクセス日時「2017/01/01 02:03:04」と、参照セグメント「A,B,C」と、が対応付けられおり、図4の5行目では、ファイル名「File 5」と、最終アクセス日時「2017/03/03 07:08:09」と、参照セグメント「A,E」と、が対応付けられている。
このように、ファイルリスト341には、各ファイルの最終アクセス日時を示す情報、及び、各ファイルが参照するセグメントを示す情報、などが含まれている。
セグメント参照数情報342は、上位Tierストレージ34が記憶しているセグメントごとの、当該セグメントを参照しているファイルの数を示す参照数を示している。図5は、セグメント参照数情報342の一例である。図5を参照すると、セグメント参照数情報342では、例えば、セグメントと、参照数と、が対応付けられている。
具体的には、例えば、図5の1行目では、セグメント「A」と、参照数「3」とが対応付けられている。つまり、図5の1行目は、セグメント「A」を参照しているファイルの数が「3」であることを示している。また、例えば、図5の2行目では、セグメント「B」と、参照数「2」とが対応付けられており、図5の3行目では、セグメント「C」と、参照数「2」とが対応付けられている。また、例えば、図5の4行目では、セグメント「D」と、参照数「1」とが対応付けられており、図5の5行目では、セグメント「E」と、参照数「1」とが対応付けられている。
下位Tierストレージ35は、ニアラインストレージやテープストレージなどの容量単価の安い記憶装置である。下位Tierストレージ35の読み書き速度は、上位Tierストレージ34の読み書き速度よりも低速となる。下位Tierストレージ35には、階層管理手段32により上位Tierストレージ34から移行されるファイルが記憶される。
また、下位Tierストレージ35には、ファイルリスト351が記憶されている。ファイルリスト351は、例えば、下位Tierストレージ35にファイルを記憶する際や下位Tierストレージ35からファイルを削除する際に、階層管理手段32などにより更新される。
ファイルリスト351は、下位Tierストレージ35が記憶しているファイルの一覧を示している。ファイルリスト351の構成は、例えば、図4を参照して説明したファイルリスト341と同様に、最終アクセス日時を示す情報を含んでいる。一方で、ファイルリスト351には、ファイルリスト341の参照セグメントに相当する構成は含んでいない。このように、ファイルリスト351は、ファイルリスト341のうちの一部の構成に相当する構成を有している。
以上が、ストレージシステムの構成の一例である。続いて、図6を参照して、ファイル選択手段321が上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択する際の処理の一例について説明する。なお、以下においては、希望確保容量情報が示すセグメントの移行数(希望確保容量)が「2」であり、ファイルリスト341が図4で示す内容を記憶しており、セグメント参照数情報342が図5で示す内容を記憶している場合におけるファイル選択手段321の動作の一例について説明する。
ファイル選択手段321は、例えば、希望容量確保情報とともに、上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択するよう階層管理手段32から指示される。
当該指示に応じて、ファイル選択手段321は、上位Tierストレージ34に格納されているファイルリスト341とセグメント参照数情報342とを取得する。そして、ファイル選択手段321は、ファイルリスト341が示す全ファイルの中からセグメント参照数情報342が示す参照数「1」のセグメントを有するファイルを選別して、図7で示すような参照数「1」のセグメントを有するファイルのリストを作成する(ステップS101)。
例えば、図5を参照すると、参照数が「1」のセグメントはセグメント「D」とセグメント「E」である。そこで、ファイル選択手段321は、図4で示すファイルリストのうちセグメント「D」を有するファイル名「File 2」のファイルとセグメント「E」を有するファイル名「File 5」のファイルとを選別する。その結果、ファイル選択手段321は、図7で示すような参照数が「1」のセグメントを有するファイルのリストを作成する。
続いて、ファイル選択手段321は、図7で示す参照数「1」のセグメントを持つファイルリストのファイル順に従ってファイルを1個選択し、移動ファイルリストへ追加する(ステップS102)。例えば、図7で示す場合、ファイル選択手段321は、移動ファイルリストにファイル名「File 2」に対応する情報を追加する。
続いて、ファイル選択手段321は、移動ファイルリストの参照数「1」のセグメント数の合計と希望確保容量情報が示す希望確保容量とを比較する。現段階において、移動ファイルリストはファイル名「File 2」のファイルについての情報のみを有している。また、ファイル名「File2」のファイルが有する参照数「1」のセグメント数は1(セグメント「D」)である。そのため、現段階においては、移動ファイルリストの参照数「1」のセグメント数の合計は「1」であり、希望確保容量の2セグメントに満たない。このように、移動ファイルリストの参照数1のセグメントの数が希望確保容量より少ない場合(ステップS103、No)、ファイル選択手段321は、再度ステップS102の処理を行う。つまり、ファイル選択手段321は、図7で示す参照数「1」のセグメントを持つファイルリストのファイル順に従ってもう一つファイルを選択して移動ファイルリストに追加する(ステップS102)。図7で示す場合、ファイル選択手段321は、ファイル名「File 5」に対応する情報を移動ファイルリストに追加する。
ファイル名「File 5」に対応する情報を移動ファイルリストに追加することで、移動ファイルリストはファイル名「File 2」のファイルについての情報とファイル名「File 5」のファイルについての情報を有していることになる。その結果、移動ファイルリストの参照数「1」のセグメント数の合計は「2」となり、希望確保容量の2セグメント以上となる。このように、移動ファイルリストの参照数1のセグメントの数が希望確保容量以上となる場合(ステップS103、Yes)、ファイル選択手段321は、移動ファイルリストを階層管理手段32に対して出力する。つまり、今回説明した状態の場合、ファイル選択手段321は、ファイル名「File 2」のファイルについての情報とファイル名「File 5」のファイルについての情報を有する移動ファイルリストを階層管理手段32に対して出力する(ステップS104)。そして、ファイル選択手段321は、処理を終了する。
その後、上述したように、階層管理手段32は、移行ファイルリストが示すファイルを下位Tierストレージ35に記憶させるとともに、上位Tierストレージ34から移行対象のファイルを削除する。このように、階層管理手段32により移行ファイルリストに挙げられたファイルを削除することで、希望確保容量の2セグメントの空きを確保できる。
以上が、ファイル選択手段321が上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択する際の処理の一例である。
以上説明したように、本実施形態におけるストレージ装置3は、ファイル選択手段321を有する階層管理手段32を有している。このような構成により、ファイル選択手段321は、ファイルリスト341とセグメント参照数情報342とに基づいて、上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択することが出来る。また、階層管理手段32は、ファイル選択手段321により選択されたファイルを上位Tierストレージ34から下位Tierストレージ35に移行することが出来る。その結果、参照数が「1」のセグメントを有するファイルのみを移行する対象とすることが出来る。これにより、上位Tierストレージ34からファイルを削除することにより上位Tierストレージ34からセグメントを確実に削除することが可能となり、上位Tierストレージ34のファイルを下位Tierストレージ35に移行させても希望通りの空き容量を確保することが出来ないおそれがある、という問題を解決することが可能となる。
なお、本実施形態で例示した構成は、あくまで一例である。本発明を適用するストレージシステムの構成は、上述した場合に限定されない。
例えば、本実施形態の場合、ストレージ装置3は、上位Tierストレージ34と下位Tierストレージ35との2段階の記憶装置を有するとした。しかしながら、ストレージ装置3は、例えば、Tier1とTier2とTier3のストレージを有するなど、3段階以上の階層の記憶装置から構成されていても構わない。このように多段階の階層を有する場合、例えば、より上位の階層からより下位の階層にファイルを移行する際などにおいて本発明を適用して構わない。
また、本実施形態では、ストレージ装置3が上位Tierストレージ34と下位Tierストレージ35とを有するとした。しかしながら、上位Tierストレージ34や下位Tierストレージ35に相当する構成は、例えば、ストレージ装置3の外部に設けられていても構わない。このように、ストレージ装置3は必ずしも一つの情報処理装置である必要はない。また、本実施形態においては、ストレージ装置3は管理端末1やサーバ2と異なる装置であるとした。しかしながら、ストレージ装置3は、管理端末1やサーバ2のうちのいずれか一方、又は、両方と一体的に構成されていても構わない。
また、ファイルリスト341やセグメント参照数情報342が記憶する内容は、本実施形態で例示した場合に限定されない。また、本実施形態においては、ファイルリスト341やセグメント参照数情報342が表形式のデータである場合について例示した。しかしながら、ファイルリスト341やセグメント参照数情報342は、最終アクセス日時や参照セグメント、参照数などを格納可能であれば、本実施形態で例示した以外の構成で各種データを記憶していても構わない。
[第2の実施形態]
次に、図8から図13までを参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、ストレージ装置4を有するストレージシステムの構成の一例を示すブロック図である。図9は、ファイルリスト441の一例を示す図である。図10は、セグメント参照数情報442の一例を示す図である。図11は、ファイル選択手段421がファイルを選択する際の処理の一例を示すフローチャートである。図12は、ファイル選択手段421が生成した参照数1のセグメントを持つファイルリストの一例である。図13は、ファイル選択手段421が生成した参照数2のセグメントを持つファイルリストの一例である。
本発明の第2の実施形態では、参照数「1」のセグメントを有するファイルのみでなく参照数「n」のセグメントを有するファイルも選別・選択することが可能なファイル選択手段421を有するストレージ装置4について説明する。ファイル選択手段421が参照数「n」のセグメントを持つファイルを選別・選択することで、参照数「1」のセグメントを持つファイルが希望確保容量を満たすだけ存在しなかった場合でも、希望確保容量を確保することが可能となる。
図8は、本実施形態におけるストレージシステムの構成の一例を示している。図8を参照すると、ストレージシステムは、管理端末1とサーバ2とストレージ装置4とを有している。なお、本実施形態においては、第1の実施形態で説明した構成と同様の構成については同じ符号を付すものとする。また、本実施形態においては、第1の実施形態と同様の構成に対する説明を省略し、第2の実施形態の構成について主に説明する。
ストレージ装置4は、上位Tierストレージ44と下位Tierストレージ35とを有する階層型ストレージである。ストレージ装置4は、第1の実施形態で説明したストレージ装置3と比較して、ファイル選択手段321の代わりにファイル選択手段421を有している。なお、ファイル選択手段421は、ファイル選択手段321と同様に、例えば、ストレージ装置4が有する図示しない演算装置が図示しない記憶装置に格納されたプログラムを実行することで実現される。
階層管理手段42は、上位Tierストレージ44と下位Tierストレージ35とを階層管理する。階層管理手段42は、第1の実施形態で説明した階層管理手段32と同様の処理を行う。そのため、詳細な説明は省略する。
ファイル選択手段421は、階層管理手段42からの指示に応じて、上位Tierストレージ44から下位Tierストレージ35に移行させるファイルを選択して、選択したファイルを示す移行ファイルリストを階層管理手段42に出力する。後述するように、ファイル選択手段421は、ファイルを選択する際に、上位Tierストレージ44に格納されたファイルリスト441とセグメント参照数情報442とを活用する。本実施形態におけるファイル選択手段421は、参照数「1」のみならず参照数「n」のセグメントを有するファイルも選別・選択することが出来る。なお、ファイル選択手段421により行われるファイル選択処理の詳細は、後述する。
上位Tierストレージ44は、SSD(solid state drive)に代表されるような高速だが容量単価の高い記憶装置である。上位Tierストレージ44の構成は、第1の実施形態で説明した上位Tierストレージ34と同様の構成で構わない。
上位Tierストレージ44には、第1の実施形態で説明した上位Tierストレージ34と同様に、ファイルリスト441とセグメント参照数情報442とが記憶されている。
ファイルリスト441は、上位Tierストレージ44が記憶しているファイルの一覧を示している。図9は、ファイルリスト441の一例である。ファイルリスト441の構成は、第1の実施形態で説明したファイルリスト341の構成と同様である。図9を参照すると、ファイルリスト441では、例えば、ファイル名と最終アクセス日時と参照セグメントとが対応付けられている。
具体的には、例えば、図9の1行目では、ファイル名「File 1」と、最終アクセス日時「2017/07/07 12:34:56」と、参照セグメント「A,B」と、が対応付けられている。つまり、図9の1行目は、ファイル名「File 1」のファイルへの最終アクセス日時が「2017/07/07 12:34:56」であり、ファイル名「File 1」のファイルは、セグメント「A」とセグメント「B」から構成されていることを示している。また、例えば、図9の2行目では、ファイル名「File 2」と、最終アクセス日時「2017/02/02 03:04:05」と、参照セグメント「A,B,C」と、が対応付けられており、図9の3行目では、ファイル名「File 3」と、最終アクセス日時「2017/05/05 06:07:08」と、参照セグメント「A,B,C,E」と、が対応付けられている。また、例えば、図9の4行目では、ファイル名「File 4」と、最終アクセス日時「2017/01/01 02:03:04」と、参照セグメント「A,B,D」と、が対応付けられおり、図9の5行目では、ファイル名「File 5」と、最終アクセス日時「2017/03/03 07:08:09」と、参照セグメント「B,C,E」と、が対応付けられている。
セグメント参照数情報442は、上位Tierストレージ44が記憶しているセグメントごとの、当該セグメントを参照しているファイルの数を示す参照数を示している。図10は、セグメント参照数情報442の一例である。セグメント参照数情報442の構成は、第1の実施形態で説明したセグメント参照数情報342の構成と同様である。図10を参照すると、セグメント参照数情報442では、例えば、セグメントと、参照数と、が対応付けられている。
具体的には、例えば、図10の1行目では、セグメント「A」と、参照数「4」とが対応付けられている。つまり、図10の1行目は、セグメント「A」を参照しているファイルの数が「4」であることを示している。また、例えば、図10の2行目では、セグメント「B」と、参照数「4」とが対応付けられており、図10の3行目では、セグメント「C」と、参照数「3」とが対応付けられている。また、例えば、図10の4行目では、セグメント「D」と、参照数「1」とが対応付けられており、図10の5行目では、セグメント「E」と、参照数「2」とが対応付けられている。
以上が、第2の実施形態におけるストレージシステムの構成の一例である。このように、第2の実施形態におけるストレージシステムは、ファイル選択手段321の代わりにファイル選択手段421を有している。続いて、図11を参照して、ファイル選択手段421が上位Tierストレージ44から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択する際の処理の一例について説明する。なお、以下においては、希望確保容量情報が示すセグメントの移行数(希望確保容量)が「2」であり、ファイルリスト441が図9で示す内容を記憶しており、セグメント参照数情報442が図10で示す内容を記憶している場合におけるファイル選択手段421の動作の一例について説明する。
ファイル選択手段421は、例えば、希望容量確保情報とともに、上位Tierストレージ44から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択するよう階層管理手段42から指示される。
当該指示に応じて、ファイル選択手段421は、上位Tierストレージ44に格納されているファイルリスト441とセグメント参照数情報442とを取得する。そして、ファイル選択手段421は、ファイルリスト441が示す全ファイルの中からセグメント参照数情報442が示す参照数「1」のセグメントを有するファイルを選別して、図12で示すような参照数「1」のセグメントを有するファイルのリストを作成する(ステップS201)。このように、ファイル選択手段421は、まず、参照数がnの初期値である「1」であるセグメントを有するファイルを選別してリストを作成する。
例えば、図10を参照すると、参照数が「1」のセグメントはセグメント「D」である。そこで、ファイル選択手段421は、図9で示すファイルリストのうちセグメント「D」を有するファイル名「File 4」のファイルを選別する。その結果、ファイル選択手段421は、図12で示すような参照数が「1」のセグメントを有するファイルのリストを作成する。
続いて、ファイル選択手段421は、図12で示す参照数「1」のセグメントを持つファイルリストのファイル順に従ってファイルをn個選択し、移動ファイルリストへ追加する(ステップS202)。現段階においては、n=1である。そのため、ファイル選択手段421は、図12で示す参照数「1」のセグメントを持つファイルリストのファイル順に従ってファイルを1個選択し、移動ファイルリストへ追加する。例えば、図12で示す場合、ファイル選択手段421は、移動ファイルリストにファイル名「File 4」に対応する情報を追加する。
続いて、ファイル選択手段421は、移動ファイルリストの参照数「n(n=1)」以下のセグメント数の合計と希望確保容量情報が示す希望確保容量とを比較する(ステップS203)。現段階において、移動ファイルリストはファイル名「File 4」のファイルについての情報のみを有している。また、ファイル名「File4」のファイルが有する参照数「1」のセグメント数は1(セグメント「D」)である。そのため、現段階においては、移動ファイルリストの参照数「1」以下のセグメント数の合計は「1」であり、希望確保容量の2セグメントに満たない。このように、移動ファイルリストの参照数1以下のセグメントの数が希望確保容量より少ない場合(ステップS203、No)、ファイル選択手段421は、参照数「1」のセグメントを持つファイルのリスト末尾まで選別処理を行ったか確認する(ステップS205)。
参照数「1」のセグメントを持つファイルのリスト末尾まで選別処理を行っていない場合(ステップS205、No)、ファイル選択手段421は、再度ステップS202の処理を行う。一方、図12で例示している場合、参照数「1」のセグメントを持つファイルリストには、ファイル名「File 4」のファイル一つしか記載されていない。そのため、現段階において参照数「1」のセグメントを持つファイルのリスト末尾まで選別処理を行っていることになる。このように、参照数「1」のセグメントを持つファイルのリスト末尾まで選別処理を行っている場合(ステップS205、Yes)、ファイル選択手段421は、nに1を加え(ステップS206)、n+1の参照数のセグメントを有するファイルを選別して、参照数「n+1」のセグメントを有するファイルのリストを作成する(ステップS201)。例えば、今回の場合、ファイル選択手段421は、参照数1に1を加えた参照数「2」であるセグメントを有するファイルを選別して、図13で示すようなリストを作成する。
例えば、図10を参照すると、参照数が「2」のセグメントはセグメント「E」である。そこで、ファイル選択手段421は、図9で示すファイルリストのうちセグメント「E」を有するファイル名「File 3」のファイルとファイル名「File 5」のファイルとを選別する。その結果、ファイル選択手段421は、図13で示すような参照数が「2」のセグメントを有するファイルのリストを作成する。
続いて、ファイル選択手段421は、図13で示す参照数「2」のセグメントを持つファイルリストの例えばファイル順に従ってファイルをn個選択し、移動ファイルリストへ追加する(ステップS202)。現段階においては、n=2である。そのため、ファイル選択手段421は、図12で示す参照数「2」のセグメントを持つファイルリストからファイルを2個選択し、移動ファイルリストへ追加する。例えば、図13で示す場合、ファイル選択手段421は、移動ファイルリストにファイル名「File 3」に対応する情報とファイル名「File 5」に対応する情報とを追加する。なお、nが2以上である場合、ファイル選択手段421は、複数のファイルを一度に選択することになる。このような場合、ファイル選択手段421は、互いに対応するセグメントを有するファイルを一度に選択することが望ましい。例えば、参照数「2」のセグメントαを持つファイル1、ファイル3と、参照数「2」のセグメントβを持つファイル2、ファイル4とが、あるとする。この場合、ファイル選択手段421は、例えば、対応するセグメントαを持つファイル1、ファイル3、又は、対応するセグメントβを持つファイル2、ファイル4のいずれか一方を選択することが望ましい。セグメントαとセグメントβのうちのいずれを選択するかは、例えば、ファイル順に従って決定される。
続いて、ファイル選択手段421は、移動ファイルリストの参照数「n(n=2)」以下のセグメント数の合計と希望確保容量情報が示す希望確保容量とを比較する(ステップS203)。現段階において、移動ファイルリストはファイル名「File 4」のファイルについての情報とファイル名「File 3」のファイルについての情報とファイル名「File 5」のファイルについての情報とを有している。そのため、現段階において、移動ファイルリストの参照数「2」以下のセグメント数の合計は「2」であり、希望確保容量の2セグメント以上である。このように、移動ファイルリストの参照数n以下のセグメントの数が希望確保容量以上となる場合(ステップS203、Yes)、ファイル選択手段421は、移動ファイルリストを階層管理手段42に対して出力する。つまり、今回説明した状態の場合、ファイル選択手段421は、ファイル名「File 3」のファイルについての情報と、ファイル名「File 4」のファイルについての情報と、ファイル名「File 5」のファイルについての情報とを有する移動ファイルリストを階層管理手段42に対して出力する(ステップS204)。そして、ファイル選択手段421は、処理を終了する。
以上が、ファイル選択手段421が上位Tierストレージ44から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択する際の処理の一例である。
以上説明したように、本実施形態におけるストレージ装置4は、第1の実施形態で説明したファイル選択手段321の代わりにファイル選択手段421を有している。このような構成により、ファイル選択手段421は、希望確保容量を確保するために必要となる、参照数「n」までのセグメントを持つファイルを選別して、選別したファイルの中から、上位Tierストレージ44から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択することが出来る。このような構成により、仮に参照数「1」のセグメントを持つファイルが希望確保容量を確保するために必要となるだけの数存在しなかった場合でも、希望通りの容量を確保することが可能となる。また、ファイル選択手段421は、選別する際の基準となった参照数に1加えた参照数であるセグメントを有するファイルの選別を、希望確保容量を確保するまで繰り返すよう構成されている。そのため、例えば、ファイル選択手段421は、参照数が無駄に大きいセグメントのみから構成されるファイルを選択することなく希望確保容量まで移行するファイルを選択することが出来る。その結果、容量を確保するために無駄にファイルを削除するおそれを低減させることが出来る。
なお、本実施形態で例示した構成は、第1の実施形態と同様にあくまで一例である。第2の実施形態で説明したストレージシステムは、第1の実施形態で説明した場合と同様の様々な変形を行うことが出来る。
[第3の実施形態]
次に、図14から図19までを参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図14は、ストレージ装置5を有するストレージシステムの構成の一例を示すブロック図である。図15は、ファイルリスト541の一例を示す図である。図16は、セグメント参照数情報542の一例を示す図である。図17は、ファイル選択手段521がファイルを選択する際の処理の一例を示すフローチャートである。ファイル選択手段521がソートしたファイルリストの一例である。図19は、ファイル選択手段521が生成した参照数1のセグメントを持つファイルリストの一例である。
本発明の第3の実施形態では、ファイルリスト541を最終アクセス日時の古い順にソート(並び替え)した後、選別処理を行うファイル選択手段521を有するストレージ装置5について説明する。ファイル選択手段521が最終アクセス日時を古い順にソートしてから選別処理を行うことで、最終アクセス日時の古いファイルを優先的に選択することが可能となる。
図14は、本実施形態におけるストレージシステムの構成の一例を示している。図14を参照すると、ストレージシステムは、管理端末1とサーバ2とストレージ装置5とを有している。なお、本実施形態においては、第1の実施形態や第2の実施形態で説明した構成と同様の構成については同じ符号を付すものとする。また、本実施形態においては、第1の実施形態、第2の実施形態と同様の構成に対する説明を省略し、第3の実施形態の構成について主に説明する。
ストレージ装置5は、上位Tierストレージ54と下位Tierストレージ35とを有する階層型ストレージである。ストレージ装置5は、第1の実施形態で説明したストレージ装置3や第2の実施形態で説明したストレージ装置4と比較して、ファイル選択手段321やファイル選択手段421の代わりにファイル選択手段521を有している。なお、ファイル選択手段521は、ファイル選択手段321と同様に、例えば、ストレージ装置5が有する図示しない演算装置が図示しない記憶装置に格納されたプログラムを実行することで実現される。
階層管理手段52は、上位Tierストレージ54と下位Tierストレージ35とを階層管理する。階層管理手段52は、第1の実施形態で説明した階層管理手段32と同様の処理を行う。そのため、詳細な説明は省略する。
ファイル選択手段521は、階層管理手段52からの指示に応じて、上位Tierストレージ54から下位Tierストレージ35に移行させるファイルを選択して、選択したファイルを示す移行ファイルリストを階層管理手段52に出力する。後述するように、ファイル選択手段521は、ファイルを選択する際に、上位Tierストレージ54に格納されたファイルリスト541とセグメント参照数情報542とを活用する。本実施形態におけるファイル選択手段521は、ファイルリスト541を最終アクセス日時の古い順にソートした後、選別、選択処理を行うことになる。なお、ファイル選択手段521により行われるファイル選択処理の詳細は、後述する。
上位Tierストレージ54は、SSD(solid state drive)に代表されるような高速だが容量単価の高い記憶装置である。上位Tierストレージ54の構成は、第1の実施形態で説明した上位Tierストレージ34と同様の構成で構わない。
上位Tierストレージ54には、第1の実施形態で説明した上位Tierストレージ34と同様に、ファイルリスト541とセグメント参照数情報542とが記憶されている。
ファイルリスト541は、上位Tierストレージ54が記憶しているファイルの一覧を示している。図15は、ファイルリスト541の一例である。ファイルリスト541の構成は、第1の実施形態で説明したファイルリスト341の構成と同様である。図15を参照すると、ファイルリスト541では、例えば、ファイル名と最終アクセス日時と参照セグメントとが対応付けられている。
具体的には、例えば、図15の1行目では、ファイル名「File 1」と、最終アクセス日時「2017/03/03 07:08:09」と、参照セグメント「E」と、が対応付けられている。つまり、図15の1行目は、ファイル名「File 1」のファイルへの最終アクセス日時が「2017/03/03 07:08:09」であり、ファイル名「File 1」のファイルは、セグメント「E」から構成されていることを示している。また、例えば、図15の2行目では、ファイル名「File 2」と、最終アクセス日時「2017/07:07 12:34:56」と、参照セグメント「A,C」と、が対応付けられており、図15の3行目では、ファイル名「File 3」と、最終アクセス日時「2017/05/05 06:07:08」と、参照セグメント「A,B」と、が対応付けられている。また、例えば、図15の4行目では、ファイル名「File 4」と、最終アクセス日時「2017/01/01 02:03:04」と、参照セグメント「A,B,C」と、が対応付けられおり、図15の5行目では、ファイル名「File 5」と、最終アクセス日時「2017/02/02 03:04:05」と、参照セグメント「D」と、が対応付けられている。
セグメント参照数情報542は、上位Tierストレージ54が記憶しているセグメントごとの、当該セグメントを参照しているファイルの数を示す参照数を示している。図16は、セグメント参照数情報542の一例である。セグメント参照数情報542の構成は、第1の実施形態で説明したセグメント参照数情報342の構成と同様である。図16を参照すると、セグメント参照数情報542では、例えば、セグメントと、参照数と、が対応付けられている。
具体的には、例えば、図16の1行目では、セグメント「A」と、参照数「3」とが対応付けられている。つまり、図16の1行目は、セグメント「A」を参照しているファイルの数が「3」であることを示している。また、例えば、図16の2行目では、セグメント「B」と、参照数「2」とが対応付けられており、図16の3行目では、セグメント「C」と、参照数「2」とが対応付けられている。また、例えば、図16の4行目では、セグメント「D」と、参照数「1」とが対応付けられており、図16の5行目では、セグメント「E」と、参照数「1」とが対応付けられている。
以上が、第3の実施形態におけるストレージシステムの構成の一例である。このように、第3の実施形態におけるストレージシステムは、ファイル選択手段321の代わりにファイル選択手段521を有している。続いて、図17を参照して、ファイル選択手段521が上位Tierストレージ54から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択する際の処理の一例について説明する。なお、以下においては、希望確保容量情報が示すセグメントの移行数(希望確保容量)が「1」であり、ファイルリスト541が図15で示す内容を記憶しており、セグメント参照数情報542が図16で示す内容を記憶している場合におけるファイル選択手段521の動作の一例について説明する。
ファイル選択手段521は、例えば、希望容量確保情報とともに、上位Tierストレージ54から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択するよう階層管理手段52から指示される。
当該指示に応じて、ファイル選択手段521は、上位Tierストレージ54に格納されているファイルリスト541を取得する。すると、ファイル選択手段521は、取得したファイルリスト541を最終アクセス日時の古い順にソートする(ステップS301)。その結果、図15で示すファイルリスト541は、図18で示すように最終アクセス日時の古い順に並び替えられることになる。
ステップS301の処理の後、ファイル選択手段521は、第2の実施形態で説明したファイル選択手段421と同様の処理を行う。つまり、ファイル選択手段521は、並び替える処理を行うとともに、セグメント参照数情報542を取得する。そして、ファイル選択手段521は、ファイルリスト541が示す全ファイルの中からセグメント参照数情報542が示す参照数「1」のセグメントを有するファイルを選別して、図19で示すような参照数「1」のセグメントを有するファイルのリストを作成する(ステップS302)。このように、ファイル選択手段421は、まず、参照数がnの初期値である「1」であるセグメントを有するファイルを選別してリストを作成する。
例えば、図16を参照すると、参照数が「1」のセグメントはセグメント「D」とセグメント「E」である。そこで、ファイル選択手段421は、並び替えた後のファイルリストのうちセグメント「D」を有するファイル名「File 5」のファイルとセグメント「E」を有するファイル名「File 1」のファイルとを選別する。その結果、ファイル選択手段521は、図19で示すような参照数が「1」のセグメントを有するファイルのリストを作成する。
続いて、ファイル選択手段521は、図19で示す参照数「1」のセグメントを持つファイルリストのファイル順に従ってファイルをn個選択し、移動ファイルリストへ追加する(ステップS303)。現段階においては、n=1である。そのため、ファイル選択手段521は、図19で示す参照数「1」のセグメントを持つファイルリストのファイル順に従ってファイルを1個選択し、移動ファイルリストへ追加する。例えば、図19で示す場合、ファイル選択手段521は、移動ファイルリストにファイル名「File 5」に対応する情報を追加する。
続いて、ファイル選択手段521は、移動ファイルリストの参照数「n(n=1)」以下のセグメント数の合計と希望確保容量情報が示す希望確保容量とを比較する(ステップS304)。現段階において、移動ファイルリストはファイル名「File 5」のファイルについての情報を有している。また、ファイル名「File 5」のファイルが有する参照数「1」のセグメント数は1(セグメント「D」)である。そのため、現段階において、移動ファイルリストの参照数「1」以下のセグメント数の合計は「1」であり、希望確保容量の1セグメント以上となる。このように、移動ファイルリストの参照数n以下のセグメントの数が希望確保容量以上となる場合(ステップS304、Yes)、ファイル選択手段521は、移動ファイルリストを階層管理手段52に対して出力する。つまり、今回説明した状態の場合、ファイル選択手段521は、ファイル名「File 5」のファイルについての情報を有する移動ファイルリストを階層管理手段52に対して出力する(ステップS305)。そして、ファイル選択手段421は、処理を終了する。
一方、移動ファイルリストの参照数1以下のセグメントの数が希望確保容量より少ない場合(ステップS304、No)、ファイル選択手段521は、参照数「1」のセグメントを持つファイルのリスト末尾まで選別処理を行ったか確認する(ステップS306)。そして、参照数「1」のセグメントを持つファイルのリスト末尾まで選別処理を行っていない場合(ステップS306、No)、ファイル選択手段521は、再度ステップS303の処理を行う。一方、参照数「1」のセグメントを持つファイルのリスト末尾まで選別処理を行っている場合(ステップS306、Yes)、ファイル選択手段521は、nに1を加え(ステップS307)、n+1の参照数のセグメントを有するファイルを選別して、参照数「n+1」のセグメントを有するファイルのリストを作成する(ステップS302)。その後、ファイル選択手段521は、上述した処理と同様の処理を行う。
以上が、ファイル選択手段521が上位Tierストレージ54から下位Tierストレージ35に移行するファイルを選択する際の処理の一例である。
以上説明したように、本実施形態におけるストレージ装置5は、第1の実施形態で説明したファイル選択手段321や第2の実施形態で説明したファイル選択手段421の代わりにファイル選択手段521を有している。このような構成により、ファイル選択手段521は、ファイルリスト541を最終アクセス日時の古い順にソートした後、選別、選択処理を行うことが出来る。その結果、ファイル選択手段521は、最終アクセス日時の古いファイルを優先的に選択することが可能となる。
なお、本実施形態で例示した構成は、第1の実施形態や第2の実施形態と同様にあくまで一例である。第3の実施形態で説明したストレージシステムは、第1の実施形態や第2の実施形態で説明した場合と同様の様々な変形を行うことが出来る。例えば、図17で示す例では、図11を参照して説明したファイル選択手段421が選別処理を行う前にソートを行う場合について例示した。しかしながら、ファイル選択手段521は、例えば、図6を参照して説明したファイル選択手段321が選択処理を行う前にソートを行うよう構成しても構わない。
[第4の実施形態]
次に、図20を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。図20は、ファイル制御装置6の構成の概要を示すブロック図である。
図6を参照すると、ファイル制御装置6は、移行手段61を有している。例えば、ファイル制御装置6は、図示しない演算装置と記憶装置とを有しており、記憶装置に格納されたプログラムを演算装置が実行することで、上記移行手段61が実現される。
ファイル制御装置6は、移行手段61を用いて、第1の記憶装置が記憶しているファイルを第2の記憶装置に移行させる。なお、ファイルは、1つ又は複数のデータ単位から構成されている。
第1の記憶装置は、ファイルに含まれるデータ単位のうち、既に第1の記憶装置に記憶されているデータ単位を新たに記憶しない重複排除処理を行って、ファイルを記憶する記憶装置である。
第2の記憶装置は、第1の記憶装置から移行されるファイルを記憶する記憶装置である。第1の記憶装置から第2の記憶装置へのファイルの移行は、移行手段61により行われる。
移行手段61は、第1の記憶装置においてデータ単位を参照しているファイルの数である参照数を示す参照数情報に基づいて、第1の記憶装置から第2の記憶装置に移行するファイルを第1の記憶装置が記憶しているファイルの中から選択する。そして、移行手段61は、選択したファイルを第1の記憶装置から第2の記憶装置に移行させる。
このように、本実施形態におけるファイル制御装置6は、移行手段61を有している。このような構成により、移行手段61は、第1の記憶装置においてデータ単位を参照しているファイルの数である参照数を示す参照数情報に基づいて、第1の記憶装置から第2の記憶装置に移行するファイルを第1の記憶装置が記憶しているファイルの中から選択することが出来る。これにより、第1の記憶装置からファイルを削除することにより対応するデータ単位を確実に削除することが可能となり、第1の記憶装置のファイルを第2の記憶装置に移行させても希望通りの空き容量を確保することが出来ないおそれがある、という問題を解決することが可能となる。
また、上述したファイル制御装置6は、当該ファイル制御装置6などの情報処理装置に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、情報処理装置に、1つ又は複数のデータ単位から構成されるファイルに含まれるデータ単位のうち既に記憶されているデータ単位を新たに記憶しない重複排除処理を行ってファイルを記憶する第1の記憶装置が記憶しているファイルの中から、当該第1の記憶装置から移行されるファイルを記憶する第2の記憶装置へと移行するファイルを選択し、選択したファイルを第1の記憶装置から第2の記憶装置に移行させる移行手段を実現させ、移行手段は、データ単位を参照している第1の記憶装置に記憶されているファイルの数である参照数を示す参照数情報に基づいて、第1の記憶装置から第2の記憶装置に移行するファイルを選択する、処理を実現させるためのプログラムである。
また、上述したファイル制御装置6により実行されるファイル制御方法は、1つ又は複数のデータ単位から構成されるファイルに含まれるデータ単位のうち既に記憶されているデータ単位を新たに記憶しない重複排除処理を行ってファイルを記憶する第1の記憶装置が記憶しているファイルの中から、当該第1の記憶装置から移行されるファイルを記憶する第2の記憶装置へと移行するファイルを選択し、選択したファイルを第1の記憶装置から第2の記憶装置に移行させ、第1の記憶装置から第2の記憶装置にファイルを移行させる際には、データ単位を参照している第1の記憶装置に記憶されているファイルの数である参照数を示す参照数情報に基づいて、第1の記憶装置から第2の記憶装置に移行するファイルを選択する、という方法である。
上述した構成を有する、プログラム、又は、ファイル制御方法、の発明であっても、上記ファイル制御装置6と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
なお、ファイル制御装置6は、第1の記憶装置と第2の記憶装置とのうちの少なくとも一方を有するストレージ装置であっても構わない。
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるファイル制御装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
1つ又は複数のデータ単位から構成されるファイルに含まれるデータ単位のうち既に記憶されているデータ単位を新たに記憶しない重複排除処理を行ってファイルを記憶する第1の記憶装置が記憶しているファイルの中から、当該第1の記憶装置から移行されるファイルを記憶する第2の記憶装置へと移行するファイルを選択し、選択したファイルを前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させる移行手段を有し、
前記移行手段は、前記第1の記憶装置において前記データ単位を参照しているファイルの数である参照数を示す参照数情報に基づいて、前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行するファイルを選択する
ファイル制御装置。
(付記2)
付記1に記載のファイル制御装置であって、
前記移行手段は、前記参照数情報に基づいて、前記参照数が1である前記データ単位を含むファイルを選別し、選別したファイルの中から前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させるファイルを選択する
ファイル制御装置。
(付記3)
付記2に記載のファイル制御装置であって、
前記移行手段は、選別したファイルを前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させるファイルとして選択した後、選別する際の基準となった参照数に1加えた参照数である前記データ単位を含むファイルを選別し、選別したファイルの中から前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させるファイルを選択する
ファイル制御装置。
(付記4)
付記1から請求項3までのいずれか1項に記載のファイル制御装置であって、
前記移行手段は、前記第1の記憶装置が記憶しているファイルのリストを、ファイルに最後にアクセスした日時を示す最終アクセス日時に基づいて並び替える処理をした後、前記参照数情報に基づいてファイルを選別し、選別したファイルの中から前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させるファイルを選択する
ファイル制御装置。
(付記5)
付記1から請求項4までのいずれか1項に記載のファイル制御装置であって、
前記移行手段は、選別したファイルのうち最終アクセス日時が古い順から順番に前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させるファイルとして選択する
ファイル制御装置。
(付記6)
付記1から請求項5までのいずれか1項に記載のファイル制御装置であって、
前記第1の記憶装置は前記第2の記憶装置よりも読み書き速度が高速な記憶装置である
ファイル制御装置。
(付記7)
1つ又は複数のデータ単位から構成されるファイルに含まれるデータ単位のうち既に記憶されているデータ単位を新たに記憶しない重複排除処理を行ってファイルを記憶する第1の記憶装置が記憶しているファイルの中から、当該第1の記憶装置から移行されるファイルを記憶する第2の記憶装置へと移行するファイルを選択し、選択したファイルを前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させ、
前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置にファイルを移行させる際には、前記データ単位を参照している前記第1の記憶装置に記憶されているファイルの数である参照数を示す参照数情報に基づいて、前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行するファイルを選択する
ファイル制御方法。
(付記8)
付記7に記載のファイル制御方法であって、
前記参照数情報に基づいて、前記参照数が1である前記データ単位を含むファイルを選別し、選別したファイルの中から前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させるファイルを選択する
ファイル制御方法。
(付記9)
情報処理装置に、
1つ又は複数のデータ単位から構成されるファイルに含まれるデータ単位のうち既に記憶されているデータ単位を新たに記憶しない重複排除処理を行ってファイルを記憶する第1の記憶装置が記憶しているファイルの中から、当該第1の記憶装置から移行されるファイルを記憶する第2の記憶装置へと移行するファイルを選択し、選択したファイルを前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させる移行手段を実現させ、
前記移行手段は、前記データ単位を参照している前記第1の記憶装置に記憶されているファイルの数である参照数を示す参照数情報に基づいて、前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行するファイルを選択する
プログラム。
(付記10)
付記9に記載のプログラムであって、
前記移行手段は、前記参照数情報に基づいて、前記参照数が1である前記データ単位を含むファイルを選別し、選別したファイルの中から前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に移行させるファイルを選択する
プログラム。
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。