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JP2019051681A - 成形体の製造方法 - Google Patents

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JP2019051681A JP2017179271A JP2017179271A JP2019051681A JP 2019051681 A JP2019051681 A JP 2019051681A JP 2017179271 A JP2017179271 A JP 2017179271A JP 2017179271 A JP2017179271 A JP 2017179271A JP 2019051681 A JP2019051681 A JP 2019051681A
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藤田 志朗
Shiro Fujita
志朗 藤田
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Fujimori Kogyo Co Ltd
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Fujimori Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】被着体に、樹脂膜を均一に被覆できる、成形体の製造方法の提供。【解決手段】アクリル系ポリマーと、重合開始剤と、を含む接着シートを樹脂膜の表面に積層し、前記樹脂膜と前記接着シートとが積層した樹脂積層体を製造する工程と、前記樹脂積層体を被着体に押圧し、前記被着体の表面形状に倣って前記樹脂膜を延伸させながら前記被着体を前記樹脂膜で被覆する工程と、を備え、前記樹脂積層体を平面視したときの形状は、前記被着体を平面視したときの形状よりも大きく、前記被覆する工程は、前記樹脂積層体を加熱し、減圧環境下において平面的に前記樹脂積層体を前記被着体に重ねて押圧した後、前記樹脂膜に対して前記被着体とは反対側の環境を加圧することを特徴とする、成形体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、成形体の製造方法に関する。
アクリル系の接着剤は、タッチパネル、携帯電話、ディスプレイ、貼り合せガラス等の基材を積層して接着するために使用される。
特許文献1には、携帯電話やタッチパネルなどの携帯情報端末のパネル保護フィルム用、特にガラス製パネル用として好適で、パネルの形状に倣って接着できる保護フィルム用粘着シートが記載されている。特許文献1には、ハードコート層、透明基材フィルム、接着剤層、ポリエステル系フィルム、粘着剤層及び剥離シートが順に積層されてなる保護フィルム用粘着シートが開示されている。
特許文献2には、タッチパネルに使用されるアクリル系粘着剤として、架橋性官能基を有する主ポリマーと、水素結合性官能基を有する低分子量ポリマーと、イソシアネート系架橋剤を含有する粘着剤が記載されている。
特開2012−35431号公報 特開2013−1769号公報
ところで、接着剤により接着する被着体と積層物の形状や種類は多岐にわたる。例えば、複雑な形状の被着体に接着層を介して樹脂膜を被覆する場合には、被着体の形状に倣って樹脂膜を接着でき、均一にムラなく接着することが求められる。
特許文献1に記載の保護フィルム用粘着シートは、層構成が複雑であり、コストが高い上、樹脂フィルムの弾性力により、高い段差に倣って接着しにくいという課題がある。
特許文献2では、効果として、透明導電膜の電気的特性の変動が少ないと共に、耐湿熱安定性と段差追従性が良好で、白化、発泡が発生しにくいことが記載されているが、高い段差に倣って接着しにくいと予想される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、被着体に、樹脂膜を均一に被覆できる、成形体の製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1]アクリル系ポリマーと、重合開始剤と、を含む接着シートを樹脂膜の表面に積層し、前記樹脂膜と前記接着シートとが積層した樹脂積層体を製造する工程と、前記樹脂積層体を被着体に押圧し、前記被着体の表面形状に倣って前記樹脂膜を延伸させながら前記被着体を前記樹脂膜で被覆する工程と、を備え、前記樹脂積層体を平面視したときの形状は、前記被着体を平面視したときの形状よりも大きく、前記被覆する工程は、前記樹脂積層体を加熱し、減圧環境下において平面的に前記樹脂積層体を前記被着体に重ねて押圧した後、前記樹脂膜に対して前記被着体とは反対側の環境を加圧することを特徴とする、成形体の製造方法。
[2]前記接着シートが、さらにアクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーを含む、[1]に記載の成形体の製造方法。
[3]前記アクリル系モノマーが水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマー又は水酸基を有する多官能アクリレートモノマーである[2]に記載の成形体の製造方法。
[4]前記アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーの少なくとも一部として、硬化性ウレタンアクリレートを含有する[2]に記載の成形体の製造方法。
[5]前記接着シートのヘイズ値が1.0%以下であり、全光透過率が85%以上である[1]〜[4]のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
[6]前記接着シートの膜厚が20μm以上200μm以下である[1]〜[5]のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
[7]前記接着シートの加熱後の接着強度が30N/25mm以上である、[1]〜[6]のいずれか1つに成形体の製造方法。
[8]前記重合開始剤が熱重合開始剤である[1]〜[7]のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
[9]前記熱重合開始剤の重合開始温度が、前記被覆する工程における加熱温度よりも10℃以上50℃以下低い、[8]に記載の成形体の製造方法。
[10]前記樹脂積層体を製造する工程の前に、アクリル系ポリマーと、重合開始剤とを混合して接着剤原料組成物を製造し、前記接着剤原料組成物をセパレーター上に塗布し、さらに他のセパレーターを重ねて挟持し、接着シート挟持体を製造する工程を有し、前記樹脂積層体を製造する工程は、前記接着シート挟持体の一方のセパレーターを剥離して樹脂膜に積層し、その後他方のセパレーターを剥離する工程である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
[11]前記樹脂積層体を製造する工程の前に、前記樹脂膜の上に印刷層又は蒸着層を形成する工程を備える、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
[12]前記樹脂膜の形成材料が、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂からなる群より選択される1種以上である[1]〜[11]のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
[13]前記被着体において樹脂膜を被覆する面が、角度が90度以上の段差を含む、[1]〜[12]のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
[14]前記被着体の形成材料が、炭素繊維強化プラスチック、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂からなる群より選択される1種以上である[1]〜[13]のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
本発明によれば、被着体に、樹脂膜を均一に被覆できる、成形体の製造方法を提供することができる。
本実施形態に用いる積層体の断面図の一例を示す図である。 本実施形態に用いる樹脂積層体の断面図の一例を示す図である。 本実施形態に用いる真空成型装置の一例の概略断面図である。 本実施形態に用いる真空成型装置の一例の概略断面図である。 本実施形態に用いる真空成型装置の一例の概略断面図である。 本実施形態に用いる真空成型装置の一例の概略断面図である。 本実施形態の成形体の製造方法により樹脂膜を被覆した被着体の一例の概略断面図である。
<成形体の製造方法>
本実施形態の成形体の製造方法は、アクリル系ポリマーと、重合開始剤と、を含む接着シートを樹脂膜の表面に積層し、前記樹脂膜と前記接着シートとが積層した樹脂積層体を製造する工程と、前記樹脂積層体を被着体に押圧し、前記被着体の表面形状に倣って前記樹脂膜を延伸させながら前記被着体を前記樹脂膜で被覆する工程と、を備え、前記樹脂積層体を平面視したときの形状は、前記被着体を平面視したときの形状よりも大きく、前記被覆する工程は、前記樹脂積層体を加熱し、減圧環境下において平面的に前記樹脂積層体を前記被着体に重ねて押圧した後、前記樹脂膜に対して前記被着体とは反対側の環境を加圧することを特徴とする。
本実施形態の成形体の製造方法によれば、例えば曲面や段差を有する被着体の形状に倣って樹脂膜を被覆することができる。このため、例えば意匠性の付与を目的とし、デザイン性に富んだ樹脂膜を複雑な形状の被着体の形状に倣って被覆することができる。
以下、本実施形態の成形体の製造方法の各工程について説明する。
≪樹脂積層体を製造する工程≫
樹脂積層体を製造する工程は、アクリル系ポリマーと、重合開始剤と、を含む接着シートを樹脂膜の表面に積層し、前記樹脂膜と前記接着シートとが積層した樹脂積層体を製造する工程である。
本工程においては、シート状の接着層を製造する。本実施形態の成形体の製造方法においては、シート状の接着層を使用することにより、被着体の表面形状に倣って樹脂膜で被覆することができる。
本工程においては、まず、アクリル系ポリマーと、重合開始剤と、を含む接着剤原料組成物を製造することが好ましい。接着剤原料組成物は、有機溶剤に溶解している方が、より厚みの精度良く塗布することが可能となるため、有機溶剤を含むことが好ましい。接着剤原材料組成物から溶剤を乾燥することで、接着シートが得られる。つまり、接着剤原材料組成物の組成は、接着シートを構成する接着性樹脂組成物の組成に、溶剤を加えたものであってもよい。接着シートは、常温では(熱硬化前)、粘着層として機能する。
本発明における接着剤シートは、接着剤原材料組成物をセパレーターフィルムに溶媒を含んだ状態で塗布し、乾燥し、さらにセパレーターフィルムにより保護されることで製造することができる。
本実施形態においては、樹脂積層体を製造する工程の前に、アクリル系ポリマーと、重合開始剤とを混合して接着剤原料組成物を製造し、前記接着剤原料組成物をセパレーター上に塗布し、さらに他のセパレーターを重ねて挟持し、接着シート挟持体を製造する工程を有することが好ましい。
接着剤原材料組成物は、ダイやパイプドクターを用いて塗布することが好ましい。溶剤の乾燥においては、加熱、送風、減圧又はこれらの組み合わせ等で乾燥させることが好ましい。溶媒の乾燥時間に関しては、生産性を考慮すると、10分間以下であることが好ましく、2〜5分間であることがさらに好ましい。また、有機溶媒を十分に乾燥することが必要なため、有機溶媒の沸点以上の温度で乾燥させることが好ましく、熱重合開始剤の1分間半減期温度以下での乾燥をすることが好ましい。
以下、接着剤層を構成する各材料について説明する。
・アクリル系ポリマー
アクリル系ポリマーを構成するモノマーは、エステル基(−COO−)を有するアクリル系モノマー、カルボキシル基(−COOH)を有するアクリル系モノマー、アミド基(−CONR,Rは水素原子又はアルキル基等の置換基)を有するアクリル系モノマー、ニトリル基(−CN)を有するアクリル系モノマー、オレフィン類、スチレン、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルシラン等の非アクリル系モノマーが挙げられる。アクリル系ポリマーは、2種以上のモノマーからなる共重合体が好ましい。光重合前におけるアクリル系ポリマーの数平均分子量は、例えば5〜100万程度が好ましい。粘度は、例えば1000〜10000mPa・s程度が挙げられる。
エステル基(−COO−)を有するアクリル系モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基(水酸基)を有する(メタ)アクリレート、アルコキシ基又はポリエーテル基を有する(メタ)アクリレート、アミノ基又は置換アミノ基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
カルボキシ基(−COOH)を有するアクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシル基(−COOH)を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミド基(−CONR,Rは水素原子又はアルキル基等の置換基)を有するアクリル系モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基(−CN)を有するアクリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
アクリル系ポリマーは、構成モノマーの50重量%以上が、アクリル系モノマーからなることが好ましい。特に、構成モノマーの50重量%以上が、一般式CH=CR−COOR(式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜14のアルキル基を示す。)で表わされるアルキル(メタ)アクリレートの1種又は2種以上からなることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。特に、アルキル基Rの炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートを必須として(例えば50〜100モル%)用いることが好ましい。
また、水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクタン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上が挙げられる。
・アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマー
アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーのうち、アクリル系モノマーとしては、前記アクリル系ポリマーを構成するモノマーと同様なモノマー、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基を含有する(メタ)アクリレート、アクリルアミド等の1種又は2種以上が挙げられる。1分子中の(メタ)アクリロイル基等の重合性官能基の数は、ひとつでも2以上でもよい。
特に、アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーの少なくとも一部として、水酸基を有する(メタ)アクリレートのモノマーを含有する場合、極性を有する水酸基が接着シートの全体に分散しやすくなる。これにより、湿度の高い(さらに高温の)環境でも、水分が凝集しにくく、接着シートの白濁が抑制されるため、好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレートにおいて、1分子中の水酸基の数は、ひとつでも2以上でもよい。
また、アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーの少なくとも一部として、硬化性ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。ウレタンアクリレートは、同一分子中にウレタン結合(−NH−COO−)及び(メタ)アクリロイルオキシ基(X=H又はCHとして、CH=CX−COO−)を有する化合物である。硬化性ウレタンアクリレートは、ウレタンアクリレートのうち、重合性官能基である(メタ)アクリロイルオキシ基により硬化性を有する化合物である。1分子中のウレタン結合の数は、ひとつでも2以上でもよい。また、1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、ひとつでも2以上でもよい。
ウレタンアクリレートとしては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とイソシアネート化合物とを反応させて得られる化合物、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られる化合物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーは、重合開始剤による硬化によりポリマーの一部になり、かつポリマーよりも粘度が低い液体(流動体)であることが好ましい。アクリル系モノマー及びアクリル系オリゴマーを併用することも可能である。アクリルオリゴマーとして、ウレタンアクリレートオリゴマー等のアクリレートオリゴマーが挙げられる。アクリルモノマー又はアクリルオリゴマーの有する重合性官能基の数は、例えば1〜10、あるいは2〜5である。本実施形態においては、多官能アクリレートモノマーを使用することが好ましい。
接着性樹脂組成物は、アクリル系ポリマー100重量部に対して、アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーを5〜50重量部含有することが好ましい。アクリルモノマー又はアクリルオリゴマーの添加量が多すぎると、重合させたときに、接着性樹脂層の接着力が低下しすぎる場合がある。
アクリル系モノマーもしくはアクリル系オリゴマーを接着性樹脂組成物に含むと、接着性樹脂組成物の流動性が増す。接着性樹脂組成物の流動性が高いと、本発明における被着体の表面が荒れていて微細な凹凸があっても表面に接着性樹脂組成物がよくなじみ、被覆後の被着体の表面を平滑にすることができ、仕上がり後の見た目を改善することができる。
・重合開始剤
重合開始剤としては、熱重合開始剤が好ましく、熱により分解して、モノマーの重合(ラジカル重合)と樹脂の硬化を開始するラジカル開始剤が挙げられる。ラジカル開始剤としては、接着シートの取り扱いを容易にする観点では、(有機)過酸化物系、アゾ系等が好ましい。
本実施形態において、熱重合開始剤の重合開始温度は、後述する被覆する工程における加熱温度よりも10℃以上50℃以下低いことが好ましい。重合開始温度が前記の条件を満たすことにより、被覆する工程における加熱処理により、同時に接着シートに含まれるポリマー成分の重合反応を行うことができる。
(有機)過酸化物系の熱重合開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル等のジアシルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等のアルキルペルオキシエステル、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド等が挙げられる。好ましい有機過酸化物としては、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、ジラウロイルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジスクシニックアシッドペルオキシド、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシマレイン酸、t−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ヘキシルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド等が挙げられる。
アゾ系の熱重合開始剤としては、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−シアノバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレート)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。
アクリル系ポリマー100質量部に対して、熱重合開始剤の添加量が0.001〜0.5質量部であることが好ましい。
接着シートには、重合遅延剤を加えることができる。重合遅延剤の使用により、重合度の制御が容易になる。また、基材の変形に対する追従性を向上させる観点から好ましい。
接着性樹脂組成物は、上記以外の任意成分をさらに含有することができる。
例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート化合物等の架橋剤(硬化剤)は、アクリル系ポリマーを、又はアクリルモノマー又はアクリルオリゴマーの重合により生成するポリマーを架橋させるため、好適に用いられる。この場合、必要に応じて、アクリル系ポリマー又はアクリルモノマー又はアクリルオリゴマーの少なくとも一部として、架橋剤と反応する官能基を有するポリマー又はモノマーが使用される。架橋剤と反応する官能基は、例えばイソシアネート系架橋剤の場合、水酸基やカルボキシル基等である。架橋剤の添加量は、ポリマーの官能基に対して例えば1.5当量以下が好ましい。
架橋剤(硬化剤)によるアクリル系ポリマーの硬化は、被着体に貼合する前の接着シートを製造する段階で、エージングにより進行させてもよい。
その他の任意成分としては、例えば、酸化防止剤、充填剤、可塑剤等が挙げられる。接着性樹脂層の製造に用いられる接着剤原材料組成物は、水や有機溶剤等の溶剤を含んでもよく、無溶剤のシロップ状組成物でもよい。基材上にITO等の酸化物導電膜や卑金属等、腐食の可能性がある材料が存在し、これに接着性樹脂層が接触する場合、接着性樹脂組成物の材料としては酸等の腐食性成分を削減し、例えば酸価の低いポリマーを使用することが好ましい。
本実施形態においては、接着シート挟持体を製造する工程により得られた接着シートは、2枚のセパレーターに挟持された状態であることが好ましい。後述する樹脂積層体を製造する工程において、前記接着シート挟持体の一方のセパレーターを剥離して樹脂膜に積層し、その後他方のセパレーターを剥離する。
≪樹脂膜で被覆する工程≫
図1に、積層体10の一例の断面図を示す。積層体10は、2枚のセパレーター12、13と、これらの間に積層された接着シート11とを有することが好ましい。接着シート11を構成する接着性樹脂組成物は、上述の通りである。接着シート11の両面11a、11bは、常温で粘着性を有する(粘着面となっている)。
接着シート11は、厚さ方向の全体にわたり、接着性樹脂組成物からなる。要件を満たす接着性樹脂組成物からなるのであれば、接着シート11が、同種又は異種の接着性樹脂組成物からなる2層以上から構成されてもよい。接着シート11が単層の接着性樹脂層からなる場合、層構成を単純化してコストを低減できるので、好ましい。接着性樹脂組成物は、アクリル系の接着性樹脂(ポリマー)を含む。接着性樹脂組成物の光学特性は限定されないが、透明性を有してもよく、半透明や不透明でもよい。
セパレーター12、13は、接着シート11と接する側の表面12a、13aに、剥離性を有する(剥離面となっている)。セパレーター12、13の構成としては、樹脂フィルムの片面又は両面に剥離剤層を設けた構成や、樹脂フィルムの樹脂内に剥離剤を含む構成が挙げられる。樹脂フィルムの代わりに、紙、合成紙、金属箔、各種シート等を用いることもできる。セパレーター12、13が透明性を有すると、セパレーター12、13が剥離されない積層体10のまま、接着シート11の光学的な検査を行うことができるので、好ましい。
図1に示す積層体10は、接着シート11からセパレーター12、13を剥離して露出される粘着面11a、11bにより、被着体と樹脂膜とを貼合することができる。
図2に、接着シート11上に樹脂膜21を積層した樹脂積層体20の一例を示す。
図2のような樹脂積層体20を形成する際、セパレーター12、13を剥離する順序は、特に限定されない。例えば一方のセパレーターを剥離して露出される一方の粘着面に、樹脂膜を貼り合せてればよい。
接着シート11は、ヘイズ値は3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、1.0以下が特に好ましい。また接着シート11の全光透過率は80%以上であることが好ましく、82%以上がより好ましく、85%以上が特に好ましい。
接着シート11のヘイズ値が上記の範囲であると、例えば透明な樹脂膜を被覆する場合に、成形体の透明度を確保できる。
接着シート11は、膜厚は20μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましく、30μm以上が特に好ましい。接着シート11は、200μm以下が好ましく、190μm以下がより好ましく、185μm以下が特に好ましい。
上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
接着シート11は、加熱後の接着強度が30N/25mm以上であることが好ましく、35N/25mm以上であることがより好ましく、40N/25mm以上であることが特に好ましい。接着強度は、JIS C6471に規定された測定方法(引き剥がし測定方法A)により測定した値とする。
本実施形態においては、後述する被覆する工程における加熱により、接着シートの接着強度が向上する。
本実施形態において、樹脂膜の形成材料は、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。中でもアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂であることが特に好ましい。
・任意の構成
本実施形態において、意匠性や強度の向上等を目的として樹脂積層体を製造する工程の前に、樹脂膜の上に印刷層又は蒸着層を形成する工程を備えることが好ましい。樹脂膜に常法によりデザインを印刷することにより、被着体に樹脂膜を被覆した際に被着体に意匠性を付与できる。また、アルミニウム等の金属成分を樹脂膜に蒸着することにより、被着体に樹脂膜を被覆した際に被着体に金属光沢を付与できる。
≪被覆する工程≫
被覆する工程は、樹脂積層体を加熱し、減圧環境下において平面的に樹脂積層体を被着体に重ねて押圧した後、樹脂膜に対して被着体とは反対側の環境を加圧する工程である。
本工程においては、真空成型装置を使用することが好ましい。図3に本実施形態において好適に用いることができる真空成型装置30の一例を示す。
本実施形態において好適に用いることができる真空成型装置は、上下に成型室を具備すると共に、2つの成型室間で樹脂積層体の真空成型を行なうようにしている。上下の成型室には、真空回路と空気回路がそれぞれ配管されている。
上成型室31と下成型室32は、合わせて閉じることと、離反することが可能とされている。すなわち上成型室31には駆動装置34aが設けられており、上昇・下降が可能とされている。また下成型室32の内部にテーブル36が配設されており、前記テーブル36は駆動装置34bにより上昇・下降できるようにしている。各駆動装置34として例えばエアーシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータ等を用いることができる。前記テーブル36には、樹脂積層体20により被覆すべき被着体33を載置する。樹脂積層体20は上成型室31と下成型室32との間にクランプ35により固定して配置する。さらに、真空成型装置30は、気体供給室37と気体吸引室38とを備える。
上成型室31内にはヒータ39が組み込まれており、合わせて閉じた両成型室間でヒータ39により樹脂積層体20を加熱するようにしている。ヒータ39として近赤外線ヒータが挙げられる。
この真空成型装置30の使用方法は、次の通りである。
図3に示すように、下成型室32内のテーブル36上に被着体33を載置セットする。樹脂積層体20を下成型室32上面にクランプ35で固定セットする。この時上成型室内と下成型室内はいずれも大気圧状態である。
図4に示すように、上成型室31を降下させ、上成型室と下成型室を閉じて合わせ、成形室内を閉塞状態とする。上成型室内と下成型室内を大気圧状態から、真空タンク(不図示)により共に真空吸引状態又は減圧状態(図中、黒のドットで表現)にする。
図4に示すように、上成型室内と下成型室内は共に真空吸引状態又は減圧状態である。ヒータ39を点灯( 図中、黒ベタで表現)させて樹脂積層体20の加熱を行なう。樹脂積層体20は加熱されると自重により垂れ下がろうとする( 二点鎖線参照)。
ヒータ39により樹脂積層体20を加熱することにより、樹脂膜の軟化と、接着シートの硬化が同時に進行する。加熱により樹脂膜が軟化することにより、押圧した際に被着体の表面形状に倣って樹脂膜が延伸し、被着体の表面形状に倣って樹脂膜を被覆できる。
図5に示すように、その後下成型室32内のテーブル36を上昇させる。この時上成型室内と下成型室内は略真空状態である。
図5に示すように、上成型室31内の真空を開放し大気を入れることにより、樹脂積層体20は、矢印に示すように接着シートを介して被着体33により被覆される。
図6に示すように、被覆が完了するとヒータ39を消灯し下成形室内の真空も開放して大気圧状態に戻し、上成形室を上昇させ、被覆された被着体60を取り出して、被覆工程が終了する。
本工程においては、気体供給室37につながるバルブと、気体吸引室38につながるバルブとにより上成型室内加圧し、下成形室内を減圧環境に制御し、樹脂積層体20を水平状態に保つことにより、被着体の表面形状に倣って樹脂膜が延伸させ、被着体に、樹脂膜を均一に被覆することができる。
・被着体
本明細書において、「被着体」とは、接着シートを介して樹脂膜を被覆する対象部材である。
本実施形態に成形体の製造方法によれば、曲面及び段差のいずれか一方又は両方を有する被着体に対し、より好適に樹脂膜を均一に被覆できる。
本実施形態の成形体の製造方法によれば、曲面を有する被着体であっても、上記樹脂積層体を用いて真空成型装置を用いて成形することにより、樹脂積層体が凹曲面や凸曲面の形状に倣い、被着体の表面に均一にムラなく樹脂膜を接着することができる。
本実施形態によれば、角度が90度以上の段差を備える被着体を好適に樹脂膜で被覆することができる。「角度が90度以上」とは、成形体の断面において、表面に接する2つの線分がなす角度であって、成形体の外側の角度が90度以上であることを意味する。被着体が有していてもよい角度が90度以上の段差としては、例えば角度が120度、150度、170度等が挙げられる。
本実施形態においては、被着体の形状に倣って樹脂膜を被覆できるため、90度以上の鋭角な角度を有する被着体であっても、被着体の表面に均一にムラなく樹脂膜を接着することができる。
本実施形態において、被着体の材質は特に限定されないが、炭素繊維強化プラスチック、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
・実施例1
<接着剤製造工程>
アクリル系ポリマーを含むポリマー溶液として、SKダイン(登録商標)2094(綜研化学株式会社)、架橋剤としてE−AX(綜研化学株式会社)を用い、アクリル系ポリマー100重量部に対して、架橋剤0.2重量部の割合で配合した。得られた混合物に、反応性を持つ流動性樹脂成分として、ウレタンアクリレートのUV−3310を20重量部と、熱重合開始剤として、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製;製品名:パーブチル(登録商標)O)0.1重量部とを加えて、接着剤原材料組成物を調製した。
<樹脂積層体製造工程>
その接着剤原材料組成物を、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名:125E−0010DG2.5AS、厚み125μm)の上面に、アプリケーターを用いて、乾燥後における接着剤樹脂層(粘着剤層)の厚みが50μmとなるように塗布した後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で溶剤を乾燥させて接着性樹脂層が積層された積層体を作製した。
次に、得られた積層体の接着性樹脂層の上面に、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名;38E−0010BDAS、厚み38μm)を貼合して、実施例1の樹脂積層体を作製した。
・実施例2〜3、比較例1〜2
実施例2〜3、比較例1〜2の樹脂積層体については、下記表1に記載のように組成を変更した以外は実施例1と同様の方法により樹脂積層体を製造した。
Figure 2019051681
表1中、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
表1中、「SKダイン2094」及び「SKダイン2147」は、それぞれアクリル系ポリマーの商品名、SKダイン(登録商標)2094(綜研化学株式会社、酸価:33、数平均分子量7万、固形分濃度25%)、SKダイン(登録商標)2147(綜研化学株式会社、酸価:33)を表す。「N−7136」は、アクリル系ポリマーの商品名、コーポニール(登録商標)N−7136(日本合成化学工業株式会社、固形分濃度32%)を表す。「4HBA」は、大阪有機化学工業株式会社のアクリル系モノマーの4−ヒドロキシブチルアクリレートを表す。
「コロネートHX」は、ポリイソシアネート系硬化剤の商品名、コロネート(登録商標)HX(東ソー株式会社)を表す。「E−AX」はエポキシ系硬化剤の商品名(綜研化学株式会社)を示す。「TD−75」はイソシアネート系硬化剤の商品名(綜研化学株式会社)を示す。
「UV−3310」は、ウレタンアクリレートの商品名(日本合成化学工業株式会社)を表す。UV−3310の物性は、60℃での粘度:40000〜70000mPa・s、重量平均分子量Mw:5000、オリゴマー官能基数:2、ガラス転移温度Tg:22℃である。
パーオクタ(登録商標)Oは、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを有効成分とする熱重合開始剤である。パーブチル(登録商標)Oは、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを有効成分とする熱重合開始剤である。パーブチル(登録商標)Oは、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを有効成分とする熱重合開始剤である。パーブチルOの1分間半減期は134℃、パーヘキサVの1分間半減期は172℃である。「Irg651」は、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(別名ベンジルジメチルケタール)を有効成分とする光重合開始剤である。
<被覆工程>
上成形室31、下成形室32をもつ真空成形装置30(商品名NGF−0510−R型、布施真空(株)製)内に装備された上下昇降するテーブル36上に、被着体33を設置した。上記成形装置のクランプ35に、樹脂積層体20をセットした。次に、上下成形室内31、32のそれぞれの真空度が1.0kPa以下になるように減圧しながら、近赤外線ヒータを用いて積層フィルム樹脂積層体20の温度が120℃になるまで加熱したのち、成型基材を上昇させて、被着体33と樹脂積層体20とを圧着させ、その後、上成形室31にのみ300kPaの圧縮空気を導入し、30秒間保持した。保持後に上下成形室31、32を大気圧に開放し、被覆された成形体60を得た。
本実施例において使用した被着体は、縦15cm、横10cm、高さ3cmの、曲面及び段差を有する車の形状の模型を用いた。使用した模型70の概略断面図を図7に記載する。模型70は、符号73及び74に示す部分等に曲面を有する。さらに、符号71に示す部分は、屈曲角度が90°以上である。
<評価>
前記樹脂積層体製造工程で製造した樹脂積層体について、平面部分を取り出しヘイズ値、全光透過率を測定した。ヘイズ、全光線透過率は、日本電色製のヘイズメータ「NDH4000」を使用して測定した。その結果を表2に記載する。
接着強度は、JIS C6471に規定された測定方法(引き剥がし測定方法A)により測定した。
前記被覆工程により得られた被着体について、樹脂積層体の接着性、ムラ、角度が急な部分の際のうき、縦の部分の接着性について下記の項目に従って評価した。
・接着性
接着性は下記の評価基準に従って評価した。
◎:模型70の接着端部に接着方向と逆方向の応力を加えても、いずれのサンプルも剥がれがない。
○:模型70の接着端部に接着方向と逆方向の応力を加えてもほとんど剥がれがない。
△:模型70の接着端部に接着方向と逆方向の応力を加えると、剥がれが生じる部分がある。
×:模型70の接着端部に接着方向と逆方向の応力を加えると、いずれのサンプルも簡単にはがれる。
・ムラ
ムラは樹脂膜で被覆された被着体60を10サンプル作り、下記の評価基準に従って評価した。
◎:10サンプルとも接着性に差異がない。
○:10サンプル中1サンプルで接着性に劣が見られた。
△:10サンプル中2〜5サンプルで接着性に劣が見られた。
×:サンプルの接着性が悪く、もしくは接着性にばらつきが大きい。
・角度が急な部分の際のうき
樹脂膜で被覆された被着体60を10サンプル作り、図7の符号71に示す部分について、樹脂積層体の接着性について下記の評価基準に従って評価した。
◎:10サンプルとも樹脂積層体20のうきが見られない。
○:10サンプル中1サンプルで樹脂積層体20のうきが見られた。
△:10サンプル中2〜5サンプルで樹脂積層体20のうきが見られた。
×:10サンプル中6サンプル以上で樹脂積層体20のうきが見られた。
・縦の部分の接着
樹脂膜で被覆された被着体60を10サンプル作り、図7の符号74に示す部分について、樹脂積層体の接着性について下記の評価基準に従って評価した。
◎:10サンプルとも目視で非常にきれいに貼りついていた。
○:10サンプルとも目視でおおむねきれいに貼りついていた。
△:10サンプル中1サンプルで樹脂積層体20のうきが見られた。
×:10サンプル中2サンプル以上で樹脂積層体20のうきが見られた。
Figure 2019051681
上記結果に記載のとおり、本発明を適用した実施例1〜3は、曲面及び段差を有する被着体に対して、屈曲角度が急な部分でも浮きがなく樹脂膜を、均一にムラなく接着することができた。
10:積層体、11:接着シート、12、13:セパレーター、20:樹脂積層体、21:樹脂膜、30:真空成型室、31:上成形室、32:下成形室、33:被着体、34:駆動装置、35:クランプ、36:テーブル、37:気体供給室、38:気体吸引室、60:樹脂膜で被覆された被着体、70:模型

Claims (14)

  1. アクリル系ポリマーと、重合開始剤と、を含む接着シートを樹脂膜の表面に積層し、前記樹脂膜と前記接着シートとが積層した樹脂積層体を製造する工程と、
    前記樹脂積層体を被着体に押圧し、前記被着体の表面形状に倣って前記樹脂膜を延伸させながら前記被着体を前記樹脂膜で被覆する工程と、を備え、
    前記樹脂積層体を平面視したときの形状は、前記被着体を平面視したときの形状よりも大きく、
    前記被覆する工程は、前記樹脂積層体を加熱し、減圧環境下において平面的に前記樹脂積層体を前記被着体に重ねて押圧した後、前記樹脂膜に対して前記被着体とは反対側の環境を加圧することを特徴とする、成形体の製造方法。
  2. 前記接着シートが、さらにアクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーを含む、請求項1に記載の成形体の製造方法。
  3. 前記アクリル系モノマーが水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマー又は水酸基を有する多官能アクリレートモノマーである請求項2に記載の成形体の製造方法。
  4. 前記アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーの少なくとも一部として、硬化性ウレタンアクリレートを含有する請求項2に記載の成形体の製造方法。
  5. 前記接着シートのヘイズ値が1.0%以下であり、全光透過率が85%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  6. 前記接着シートの膜厚が20μm以上200μm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  7. 前記接着シートの加熱後の接着強度が30N/25mm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に成形体の製造方法。
  8. 前記重合開始剤が熱重合開始剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  9. 前記熱重合開始剤の重合開始温度が、前記被覆する工程における加熱温度よりも10℃以上50℃以下低い、請求項8に記載の成形体の製造方法。
  10. 前記樹脂積層体を製造する工程の前に、アクリル系ポリマーと、重合開始剤とを混合して接着剤原料組成物を製造し、前記接着剤原料組成物をセパレーター上に塗布し、さらに他のセパレーターを重ねて挟持し、接着シート挟持体を製造する工程を有し、
    前記樹脂積層体を製造する工程は、前記接着シート挟持体の一方のセパレーターを剥離して樹脂膜に積層し、その後他方のセパレーターを剥離する工程である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  11. 前記樹脂積層体を製造する工程の前に、前記樹脂膜の上に印刷層又は蒸着層を形成する工程を備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  12. 前記樹脂膜の形成材料が、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂からなる群より選択される1種以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  13. 前記被着体において樹脂膜を被覆する面が、角度が90度以上の段差を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  14. 前記被着体の形成材料が、炭素繊維強化プラスチック、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂からなる群より選択される1種以上である請求項1〜13のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
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