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JP2019049303A - ダンパ - Google Patents

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JP2019049303A JP2017173455A JP2017173455A JP2019049303A JP 2019049303 A JP2019049303 A JP 2019049303A JP 2017173455 A JP2017173455 A JP 2017173455A JP 2017173455 A JP2017173455 A JP 2017173455A JP 2019049303 A JP2019049303 A JP 2019049303A
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紘章 末▲崎▼
Hiroaki Suezaki
紘章 末▲崎▼
務 関根
Tsutomu Sekine
務 関根
恒夫 請井
Tsuneo Ukei
恒夫 請井
陽一 大井
Yoichi Oi
陽一 大井
貴生 坂本
Takao Sakamoto
貴生 坂本
大樹 長井
Hiroki Nagai
大樹 長井
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Abstract

【課題】中間質量要素の共振による振動や騒音を抑制できる新規なダンパを得る。【解決手段】実施形態のダンパは、回転中心回りに回転可能な第一回転要素と、回転中心回りに回転可能であり、エンジンの回転が第一回転要素を介して伝達される第二回転要素と、第一回転要素と第二回転要素との間に介在して回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第一弾性要素と、第一回転要素と第二回転要素との間に第一弾性要素と並列に介在して周方向に弾性的に伸縮する第二弾性要素と、第一弾性要素の周方向の途中位置に設けられた中間質量要素と、第一回転要素に設けられた第一ストッパと、中間質量要素に設けられ、第一ストッパとの当接によって、第一回転要素に対する中間質量要素のエンジンの正転方向の捩れを制限する、第二ストッパと、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、ダンパに関する。
従来、第一回転要素と、エンジンの回転が第一回転要素を介して伝達される第二回転要素と、第一回転要素と第二回転要素との間に介在した第一弾性要素と、第一回転要素と第二回転要素との間に第一弾性要素と並列に介在した第二弾性要素と、第一弾性要素の周方向の途中位置に設けられた中間質量要素と、を備えたダンパが、知られている。
国際公開第2016/021669号
この種のダンパでは、エンジンの始動時に、回転速度が0から中間質量要素が共振する回転速度を経て常用回転速度まで上昇するため、当該共振による音や振動を抑制するのが難しい場合があった。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、中間質量要素の共振による振動や騒音を抑制できる新規なダンパを得ることである。
本発明の実施形態のダンパは、例えば、回転中心回りに回転可能な第一回転要素と、上記回転中心回りに回転可能であり、エンジンの回転が上記第一回転要素を介して伝達される第二回転要素と、上記第一回転要素と上記第二回転要素との間に介在して上記回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第一弾性要素と、上記第一回転要素と上記第二回転要素との間に上記第一弾性要素と並列に介在して上記周方向に弾性的に伸縮する第二弾性要素と、上記第一弾性要素の上記周方向の途中位置に設けられた中間質量要素と、上記第一回転要素に設けられた第一ストッパと、上記中間質量要素に設けられ、上記第一ストッパとの当接によって、上記第一回転要素に対する上記中間質量要素の上記エンジンの正転方向の捩れを制限する、第二ストッパと、を備える。例えば、エンジンが、ダンパを挟んでエンジンの反対側に設けられたモータによって始動される場合にあっては、中間質量要素は第一回転要素に対してエンジンの正転方向に捩れる。本発明によれば、第一ストッパおよび第二ストッパによって中間質量要素の第一回転要素に対する正転方向の捩れを制限することができ、これにより、第一弾性要素の弾性変形を部分的に制限して中間質量要素が共振することを回避できる。よって、本発明によれば、例えば、モータによる始動時に回転速度が0から常用回転速度まで上昇する間の中間質量要素の共振による振動を抑制することができる。
また、本発明の実施形態のダンパは、例えば、回転中心回りに回転可能な第一回転要素と、上記回転中心回りに回転可能であり、エンジンの回転が上記第一回転要素を介して伝達される第二回転要素と、上記第一回転要素と上記第二回転要素との間に介在して上記回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第一弾性要素と、上記第一回転要素と上記第二回転要素との間に上記第一弾性要素と並列に介在して上記周方向に弾性的に伸縮する第二弾性要素と、上記第一弾性要素の上記周方向の途中位置に設けられた中間質量要素と、上記第二回転要素に設けられた第一ストッパと、上記中間質量要素に設けられ、上記第一ストッパとの当接によって、上記中間質量要素に対する上記第二回転要素の上記エンジンの正転方向の捩れを制限する、第二ストッパと、を備える。例えば、エンジンが、ダンパを挟んでエンジンの反対側に設けられたモータによって始動される場合にあっては、第二回転要素は中間質量要素に対してエンジンの正転方向に捩れる。本発明によれば、第一ストッパおよび第二ストッパによって第二回転要素の中間質量要素に対する正転方向の捩れを制限することができ、これにより、第一弾性要素の弾性変形を部分的に制限して中間質量要素が共振することを回避できる。よって、本発明によれば、例えば、モータによる始動時に回転速度が0から常用回転速度まで上昇する間の中間質量要素の共振による振動を抑制することができる。
また、上記ダンパでは、例えば、上記中間質量要素は、錘を有し、上記錘に、上記第二ストッパが設けられる。このような構成によれば、第二ストッパが中間質量要素の錘とは別の部材や部位に設けられた場合と比べて、構成がより簡素化されうる。
また、上記ダンパでは、例えば、上記第一回転要素の一部を構成する第一回転部材と、上記第二回転要素の一部を構成する第二回転部材と、上記第一弾性要素の一部を構成し上記第一回転部材と上記中間質量要素との間に介在して上記周方向に弾性的に伸縮する第一弾性部材と、上記第一弾性要素の一部を構成し上記中間質量要素と上記第二回転部材との間に介在して上記周方向に弾性的に伸縮する第二弾性部材と、を有した第一ダンパと、上記第一回転要素の一部を構成する第三回転部材と、上記第二回転要素の一部を構成する第四回転部材と、上記第二弾性要素の少なくとも一部を構成し上記第三回転部材と上記第四回転部材との間に介在して上記周方向に弾性的に伸縮する第三弾性部材と、を有し、上記第一ダンパと上記回転中心の軸方向に並んで配置された第二ダンパと、を備え、上記錘は、上記第一ダンパと上記第二ダンパとの間に渡って設けられる。このような構成によれば、例えば、第二ダンパ側の部材を利用して中間質量要素の捩れを制限できるとともに、錘の慣性をより高めることができる。
図1は、第1実施形態のダンパの例示的かつ模式的な断面図であって、図3,6におけるI−I断面図である。 図2は、第1実施形態のダンパの回転速度とトルク変動との相関関係を示す例示的かつ模式的なグラフである。 図3は、第1実施形態のダンパの第一ダンパの例示的かつ模式的な正面図である。 図4は、図3のIV−IV断面図である。 図5は、第1実施形態のダンパの第一ダンパに含まれる中間プレートの例示的かつ模式的な正面図である。 図6は、第1実施形態のダンパの第一ダンパに含まれる第一ストッパと第二ストッパとが互いに離間した状態の例示的かつ模式的な正面図である。 図7は、第1実施形態のダンパの第一ダンパに含まれる第一ストッパと第二ストッパとが互いに当接した状態の例示的かつ模式的な正面図である。 図8は、第1実施形態のダンパの第二ダンパの例示的かつ模式的な正面図である。 図9は、第2実施形態のダンパの例示的かつ模式的な断面図である。 図10は、図9のX−X断面図であって、第一ストッパと第二ストッパとが互いに離間した状態の図である。 図11は、図10の第一ストッパと第二ストッパとが互いに当接した状態の図である。 図12は、第3実施形態のダンパの例示的かつ模式的な断面図である。 図13は、図12のXIII−XIII断面図であって、第一ストッパと第二ストッパとが互いに離間した状態の図である。 図14は、図13の第一ストッパと第二ストッパとが互いに当接した状態の図である。 図15は、第4実施形態のダンパの例示的かつ模式的な構成図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。
なお、以下の説明では、便宜上、エンジン(不図示)に近い方(図1では左方)をフロントと称し、エンジンから遠い方(図1では右方)をリヤと称している。以下の説明におけるフロントおよびリヤは、車載状態における前後とは必ずしも一致しない。
また、回転中心Axの軸方向を、単に軸方向と称し、回転中心Axの径方向を、単に径方向と称し、回転中心Axの周方向を、単に周方向と称する。
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
<第1実施形態>
[ダンパの概略構成および機能]
図1は、ダンパ100の断面図であって、図3,6におけるI−I断面図である。ダンパ100は、第一ダンパ200と、第二ダンパ300と、を備えている。第一ダンパ200および第二ダンパ300は、いずれも回転中心Ax回りに回転可能であり、軸方向に並んでいる。第一ダンパ200は第二ダンパ300よりもエンジン(不図示)から遠くに位置されている。言い換えると、第二ダンパ300は、エンジンと第一ダンパ200との間に位置されている。また、第一ダンパ200の第二ダンパ300とは反対側には不図示のモータが設けられうる。本実施形態では、例えば、エンジンの始動時にあっては、モータの駆動トルクが、第一ダンパ200に伝達され、当該駆動トルクが、第二ダンパ300を介して、エンジンに伝達される。
第一ダンパ200および第二ダンパ300は、互いに並列なトルク伝達経路を構成している。まず、本実施形態では、結合具101によって、第一ダンパ200の第一ドライブプレート210と第二ダンパ300の第二ドライブプレート310とが結合され、回転中心Ax回りを一体に回転する。第一ドライブプレート210および第二ドライブプレート310は、第一回転要素(入力回転要素)の一例である。なお、結合具101は、錘233よりも径方向の内方に位置されている。結合具101は、例えばリベットであるが、ボルトおよびナット等の他の結合具であってもよい。
また、第一ダンパ200の第一ドリブンプレート220と、第二ダンパ300の第二ドリブンプレート320とが互いに周方向に一体化されるとともに、第二ダンパ300がシャフト(不図示)と周方向に一体化され、これにより、第一ドリブンプレート220と第二ドリブンプレート320とが、シャフトとともに回転中心Ax回りを一体に回転する。第一ドリブンプレート220および第二ドリブンプレート320は、第二回転要素(出力回転要素)の一例である。
第一ダンパ200にあっては、第一ドライブプレート210と第一ドリブンプレート220との間には、周方向に弾性的に伸縮可能な第一コイルスプリング240と第二コイルスプリング250とが直列に介在し、第一コイルスプリング240と第二コイルスプリング250との間に、錘233を有した中間プレート230が介在している。第一コイルスプリング240および第二コイルスプリング250は、第一弾性要素の一例である。中間プレート230および錘233は、第一ドライブプレート210と第一ドリブンプレート220との間に介在する第一弾性要素の、周方向の途中に設けられた、中間質量要素の一例である。
他方、第二ダンパ300にあっては、第二ドライブプレート310と第二ドリブンプレート320との間には、第一ダンパ200のような中間プレートや錘は設けられず、周方向に弾性的に伸縮可能なコイルスプリング340が介在している。コイルスプリング340は、第二弾性要素の一例である。
このように、ダンパ100は、第一ダンパ200として構成された中間質量要素を含んだ第一トルク伝達経路と、第二ダンパ300として構成された中間質量要素を含まない第二トルク伝達経路と、備え、これら伝達経路の周方向の共振現象を利用することにより、トルク変動を抑制する。第一ダンパ200は、第一経路構成部の一例であり、第二ダンパ300は、第二経路構成部の一例である。
図2は、ダンパ100の回転速度とトルク変動との相関関係を示すグラフである。回転速度N1は、第一ダンパ200の共振点であり、回転速度N2は、ダンパ100の反共振点である。反共振点では、第一ダンパ200における回転振動の位相と、第二ダンパ300における回転振動の位相とが逆位相となるため、トルク変動が抑制される。したがって、エンジンの回転速度の使用範囲が、回転速度N2近傍およびそれよりも高い回転速度となるよう、ダンパ100を構成することにより、ダンパ100は、より広い回転速度の範囲においてトルク変動を抑制することができる。
[第1ダンパ]
図3は、第一ダンパ200の正面図であり、図4は、図3のIV−IV断面図であり、図5は、第一ダンパ200に含まれる中間プレート230の正面図である。
図1,3に示されるように、第一ダンパ200は、第一ドライブプレート210、第一ドリブンプレート220、中間プレート230、第一コイルスプリング240、第二コイルスプリング250、およびシート260を有している。第一ドライブプレート210は、第一回転部材の一例であり、第一ドリブンプレート220は、第二回転部材の一例である。また、第一コイルスプリング240は、第一弾性部材の一例であり、第二コイルスプリング250は、第二弾性部材の一例である。
図1に示されるように、第一ドライブプレート210は、フロントプレート211と、リヤプレート212と、を有している。フロントプレート211およびリヤプレート212は、結合具213によって一体に結合されている。結合具213は、例えばリベットであるが、ボルトおよびナット等の他の結合具であってもよい。
フロントプレート211は、エンジンとリヤプレート212との間に位置されている。言い換えると、リヤプレート212は、フロントプレート211に対してエンジンの反対側に位置されている。フロントプレート211およびリヤプレート212は、回転中心Axと交差する(直交する)板状である。
フロントプレート211は、周縁部211aと、中央部211bと、二つのアーム部211cと、を有している。周縁部211aの形状は、回転中心Axを中心とするリング状である。中央部211bの形状は、回転中心Axを中心として周縁部211aよりも小さいリング状である。アーム部211cは、径方向に沿って周縁部211aと中央部211bとの間で架け渡されている。中央部211bは、周縁部211aおよびアーム部211cに対してエンジンに近付くように凹んでいる。
リヤプレート212は、フロントプレート211と同様に、周縁部212aと、中央部212bと、二つのアーム部212cと、を有している。周縁部212a、中央部212b、および二つのアーム部212cは、それぞれ、フロントプレート211の周縁部211a、中央部211b、および二つのアーム部211cと軸方向に重なっている。図3に示されるように、周縁部212aの形状は、回転中心Axを中心とするリング状である。中央部212bの形状は、回転中心Axを中心として周縁部212aよりも小さいリング状である。アーム部212cは、径方向に沿って周縁部212aと中央部212bとの間で架け渡されている。ただし、図1に示されるように、中央部212bは、周縁部212aおよびアーム部212cに対してエンジンから遠ざかるように凹んでいる。
フロントプレート211のアーム部211cとリヤプレート212のアーム部212cとによって、第一ドライブプレート210のドライブアーム214が構成されている。図3に示されるように、第一ドライブプレート210は、回転中心Axから径方向に互いに反対方向に延びた二つのドライブアーム214を有している。すなわち、二つのドライブアーム214は、周方向に略180°間隔で配置されている。
図3中に破線で示されるように、第一ドリブンプレート220は、第一ハブ221と、二つのドリブンアーム222と、を有している。図1に示されるように、第一ハブ221の形状は、回転中心Axに沿った円筒状である。第一ハブ221は、その筒内に挿入された第二ダンパ300の第二ハブ321とスプライン結合等によって周方向に一体化される。また、第一ハブ221は、フロントプレート211の中央部211bおよびリヤプレート212の中央部211bに設けられた開口部を貫通している。
ドリブンアーム222は、第一ハブ221の外周面から径方向の外方に突出している。ドリブンアーム222の形状は、回転中心Axと交差する(直交する)板状である。ドリブンアーム222は、センタープレートとも称されうる。第一ドリブンプレート220は、回転中心Axから径方向に互いに反対方向に延びた二つのドリブンアーム222を有している。すなわち、二つのドリブンアーム222は、周方向に略180°間隔で配置されている。
図1,4に示されるように、中間プレート230は、フロントプレート231と、リヤプレート232と、錘233と、を有している。フロントプレート231、リヤプレート232、および錘233は、結合具234によって一体に結合されている。結合具234は、例えばリベットであるが、ボルトおよびナット等の他の結合具であってもよい。
フロントプレート231は、エンジンとリヤプレート232との間に位置されている。言い換えると、リヤプレート232は、フロントプレート231に対してエンジンの反対側に位置されている。フロントプレート231およびリヤプレート232は、回転中心Axと交差する(直交する)板状である。
図5に示されるように、フロントプレート231は、周縁部231aと、中央部231bと、二つのアーム部231cと、を有している。周縁部231aの形状は、回転中心Axを中心とするリング状である。中央部231bの形状は、回転中心Axを中心として周縁部231aよりも小さいリング状である。アーム部231cは、径方向に沿って周縁部231aと中央部231bとの間で架け渡されている。図4に示されるように、中央部231bは、周縁部231aおよびアーム部231cに対してエンジンに近付く方向に凹んでいる。
図4,5に示されるように、リヤプレート232は、フロントプレート231と同様に、周縁部232aと、中央部232bと、二つのアーム部232cと、を有している。周縁部232a、中央部232b、および二つのアーム部232cは、それぞれ、フロントプレート231の周縁部231a、中央部231b、および二つのアーム部231cと軸方向に重なっている。周縁部232aの形状は、回転中心Axを中心とするリング状である。中央部232bの形状は、回転中心Axを中心として周縁部232aよりも小さいリング状である。アーム部232cは、フロントプレート231のアーム部231cと軸方向に重なり、径方向に沿って周縁部232aと中央部232bとの間で架け渡されている。ただし、中央部232bは、周縁部232aおよびアーム部232cに対してエンジンから遠ざかる方向に凹んでいる。
図4,5に示されるように、フロントプレート231のアーム部231cとリヤプレート232のアーム部232cとによって、中間プレート230の中間アーム235が構成されている。中間プレート230は、回転中心Axから径方向に互いに反対方向に延びた二つの中間アーム235を有している。すなわち、二つの中間アーム235は、周方向に略180°間隔で配置されている。
図1,4に示されるように、周縁部231aおよび周縁部232aならびにアーム部231cおよびアーム部232cは、それぞれ略密着した状態で、結合具234によって一体に結合されている。中央部231bと中央部232bとの間には軸方向に隙間が形成されており、当該隙間に、第一ドリブンプレート220のドリブンアーム222が収容されている。また、図1に示されるように、周縁部231aおよび周縁部232aを結合する結合具234は、錘233の結合に共用されている。図5に示されるように、錘233は円環状である。
図1に示されるように、第一ドライブプレート210および中間プレート230は、第一ドリブンプレート220の第一ハブ221の外周に設けられたブッシュ201(カラー)を介して、回転中心Ax回りに回動可能に、第一ハブ221に支持されている。ブッシュ201は、摩擦係数の低い合成樹脂材料である。ブッシュ201は、第一ドライブプレート210の中央部211b,212bおよび中間プレート230の中央部231b,232b、すなわちそれぞれの開口部の周縁部を摺動可能に支持することにより、第一ドライブプレート210および中間プレート230を、回転中心Axにセンタリングする機能を有している。
図1,3に示されるように、第一ダンパ200は、第一ドライブプレート210と中間プレート230との相対回転に応じて摺動する摩擦抵抗要素202a,202bを有している。これら摩擦抵抗要素202a,202bにより、第一ドライブプレート210と第一ドリブンプレート220との相対回転により、第一ドライブプレート210と第一ドリブンプレート220との間で摩擦抵抗トルクが生じるよう、構成されている。なお、皿ばね203は、摩擦抵抗要素202a,202bを、第一ドライブプレート210、第一ドリブンプレート220、および中間プレート230のうちのいずれかに、軸方向に弾性的に押し付けることによって、摩擦抵抗トルクを生じさせている。
また、図3に示されるセット状態(初期状態)において、第一ドライブプレート210と第一ドリブンプレート220との相対的な角度差(捩れ角)は0である。図3では、第一ドライブプレート210のドライブアーム214は、回転中心Axから右上の径方向および回転中心Axから左下の径方向に延びている。また、第一ドリブンプレート220のドリブンアーム222も、回転中心Axから右上の径方向および回転中心Axから左下の径方向に延びている。すなわち、第一ダンパ200の、図3における回転中心Axから右上方向に延びる位置、および回転中心Axから左下方向に延びる位置において、第一ドライブプレート210のドライブアーム214と、第一ドリブンプレート220のドリブンアーム222とが軸方向に重なっている。
また、図3に示されるセット状態において、中間プレート230の中間アーム235は、回転中心Axから左上の径方向および回転中心Axから右下の径方向に延びている。すなわち、中間アーム235は、ドライブアーム214およびドリブンアーム222とは、軸方向に重ならず、周方向に角度をあけて配置されている。
図3に示されるように、第一ダンパ200は、二つの第一コイルスプリング240と、二つの第二コイルスプリング250と、を有している。図3において第一ドライブプレート210が第一ドリブンプレート220に対して時計回り方向に相対回転する正方向のトルクが作用した状態にあっては、二つの第一コイルスプリング240は、ドライブアーム214と中間アーム235との間に介在して周方向に弾性的に圧縮され、ドライブアーム214および中間アーム235に周方向に弾性力(圧縮反力)を与える。また、この状態にあっては、二つの第二コイルスプリング250は、中間アーム235とドリブンアーム222との間に介在して周方向に沿って弾性的に圧縮され、中間アーム235およびドリブンアーム222に周方向に弾性力(圧縮反力)を与える。
他方、図3において第一ドライブプレート210が第一ドリブンプレート220に対して反時計回り方向に相対回転する逆方向のトルクが作用した状態にあっては、二つの第一コイルスプリング240は、中間アーム235とドリブンアーム222との間に介在して周方向に弾性的に圧縮され、中間アーム235およびドリブンアーム222に周方向に弾性力(圧縮反力)を与える。また、この状態にあっては、二つの第二コイルスプリング250は、ドライブアーム214と中間アーム235との間に介在して周方向に弾性的に圧縮され、ドライブアーム214および中間アーム235に周方向に弾性力(圧縮反力)を与える。
また、第一コイルスプリング240とドライブアーム214(第一ドライブプレート210)およびドリブンアーム222(第一ドリブンプレート220)との間(図3には不図示)、第一コイルスプリング240と中間アーム235(中間プレート230)との間、第二コイルスプリング250とドライブアーム214およびドリブンアーム222との間(図3には不図示)、第二コイルスプリング250と中間アーム235(中間プレート230)との間には、それぞれ、シート260が介在している。
[ストッパ]
図6は、第一ダンパ200に含まれるストッパ215aとストッパ235aとが互いに離間した状態の正面図であり、図7は、第一ダンパ200に含まれるストッパ215aとストッパ235aとが互いに当接した状態の正面図である。なお、エンジンの正転方向は、トランスミッション側からダンパ100を見た視線(図6,7)では反時計回り方向であり、エンジン側からダンパ100を見た視線では時計回り方向である。
図1,6に示されるように、第一ドライブプレート210は、ストッパプレート215を有している。ストッパプレート215は、周縁部211aと周縁部212aとの間に位置され、フロントプレート211およびリヤプレート212とともに結合具213によって一体に結合されている。ストッパプレート215は、回転中心Axと交差(直交)し、周方向に沿って延びた帯板状である。図3にも示されるように、第一ドライブプレート210は、周方向に略180°間隔で配置された二つのストッパプレート215を有している。なお、図3では、便宜上、周縁部212aの一部が切り欠かれ、ストッパプレート215が軸方向に露出している。
また、周縁部211aと周縁部212aとの間の隙間は、ストッパプレート215と周方向にずれた位置でストッパプレート215の厚さよりも軸方向に広がっており、当該広がった部分に、中間アーム235が収容されている。これにより、ストッパプレート215と中間アーム235とが、互いに周方向に重なって配置されている。
また、図6に示されるように、ストッパプレート215は、中間プレート230の周縁部231a,232aと第一コイルスプリング240との間のスペースに収容されている。そして、ストッパプレート215におけるエンジンの逆転方向、すなわち図6の時計回り方向の端部には、ストッパ215aが設けられている。他方、中間アーム235におけるエンジンの正転方向の端部には、ストッパ215aと面したストッパ235aが設けられている。
図7に示されるように、本実施形態では、ストッパ215aとストッパ235aとの当接によって、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230の正転方向の捩れが制限される。換言すると、ストッパ215aおよびストッパ235aによって、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230の正転方向の捩れ角度θ1(図6参照)が所定角度に制限されている。なお、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230の正転方向の捩れは、中間プレート230に対する第一ドライブプレート210の逆転方向の捩れとも称される。ストッパ215aは、第一ストッパの一例であり、ストッパ235aは、第二ストッパの一例である。なお、捩れトルクは、図6,7の視線で、中間プレート230(第一ドリブンプレート220)が第一ドライブプレート210に対して時計回り方向に相対回転した場合に正側となり、中間プレート230(第一ドリブンプレート220)が第一ドライブプレート210に対して反時計回り方向に相対回転した場合に負側となる。よって、上述したストッパ215a,235aは、負側のトルク負荷の時に機能する。
また、ストッパプレート215におけるエンジンの正転方向、すなわち図6の反時計回り方向の端部には、ストッパ215bが設けられている。ストッパ215bは、中間プレート230に設けられた突出部236と周方向に重なって位置されている。突出部236は、周縁部231a,232aのそれぞれから径方向の内方に延びている。また、突出部236におけるエンジンの逆転方向の端部には、ストッパ215bと面したストッパ236aが設けられている。
本実施形態では、ストッパ215bとストッパ236aとの当接によって、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230の逆転方向の捩れが制限される。換言すると、ストッパ215bおよびストッパ236aによって、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230の逆転方向の捩れ角度θ2(図6参照)が所定角度に制限されている。これにより、第一コイルスプリング240が過度に圧縮されるのが抑制されている。なお、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230の逆転方向の捩れは、中間プレート230に対する第一ドライブプレート210の正転方向の捩れとも称される。本実施形態では、ストッパ215a,235aによって制限される捩れ角度θ1の大きさは、ストッパ215b,236aによって制限される捩れ角度θ2の大きさよりも小さい。ストッパ215bは、第三ストッパの一例であり、ストッパ236aは、第四ストッパの一例である。
[第2ダンパ]
図8は、第二ダンパ300の正面図である。図1,8に示されるように、第二ダンパ300は、第二ドライブプレート310、第二ドリブンプレート320、コントロールプレート330、コイルスプリング340、およびシート360を有している。第二ドライブプレート310は、第三回転部材の一例であり、第二ドリブンプレート320は、第四回転部材の一例である。また、コイルスプリング340は、第三弾性部材の一例である。
第二ドライブプレート310は、フロントプレート311と、リヤプレート312と、を有している。フロントプレート311とリヤプレート312とは、結合具313によって一体に結合されている。結合具313は、例えばリベットであるが、ボルトおよびナット等の他の結合具であってもよい。
フロントプレート311は、エンジンとリヤプレート312との間に位置されている。言い換えると、リヤプレート312は、フロントプレート311に対してエンジンの反対側に位置されている。フロントプレート311およびリヤプレート312は、回転中心Axと交差する(直交する)板状である。
図1に示されるように、フロントプレート311は、周縁部311aと、中央部311bと、四つのアーム部311cと、を有している。周縁部311aの形状は、回転中心Axを中心とするリング状である。中央部311bの形状は、回転中心Axを中心として周縁部311aよりも小さいリング状である。アーム部311cは、径方向に沿って周縁部311aと中央部311bとの間で架け渡されている。中央部311bは、周縁部311aおよびアーム部311cに対してエンジンに近付くように凹んでいる。
図1,8に示されるように、リヤプレート312は、フロントプレート311と同様に、周縁部312aと、中央部312bと、四つのアーム部312cと、を有している。周縁部312a、中央部312b、および四つのアーム部312cは、それぞれ、フロントプレート311の周縁部311a、中央部311b、および四つのアーム部311cと軸方向に重なっている。周縁部312aの形状は、回転中心Axを中心とするリング状である。中央部312bの形状は、回転中心Axを中心として周縁部312aよりも小さいリング状である。アーム部312cは、径方向に沿って周縁部312aと中央部312bとの間で架け渡されている。ただし、中央部312bは、周縁部312aおよびアーム部312cに対してエンジンから遠ざかる方向に凹んでいる。
図1に示されるように、フロントプレート311のアーム部311cとリヤプレート312のアーム部312cとによって、第二ドライブプレート310のドライブアーム314が構成されている。図8に示されるように、第二ドライブプレート310は、回転中心Axから径方向に互いに反対方向に延びた四つのドライブアーム314を有している。すなわち、四つのドライブアーム314は、周方向に略90°間隔で配置されている。
図1に示されるように、第二ドリブンプレート320は、第二ハブ321と、四つのドリブンアーム322(ただし、図1には二つのドリブンアーム322のみ)と、を有している。第二ハブ321の形状は、回転中心Axに沿った円筒状である。第二ハブ321は、その筒内に挿入されたシャフト(不図示)とスプライン結合等によって周方向に一体化される。また、第二ハブ321は、フロントプレート311の中央部311bおよびリヤプレート312の中央部312bに設けられた開口部を貫通している。
ドリブンアーム322は、第二ハブ321の外周面から径方向の外方に突出している。ドリブンアーム322の形状は、回転中心Axと交差する(直交する)板状である。ドリブンアーム322は、センタープレートとも称されうる。第二ドリブンプレート320は、回転中心Axから径方向に互いに反対方向に延びた四つのドリブンアーム322を有している。すなわち、四つのドリブンアーム322は、周方向に略90°間隔で配置されている。四つのドリブンアーム322は、それぞれ、ドライブアーム314と軸方向に重なっている。
図1に示されるように、コントロールプレート330は、フロントプレート331と、リヤプレート332と、を有している。フロントプレート331およびリヤプレート332は、結合具333によって一体に結合されている。結合具333は、例えばリベットであるが、ボルトおよびナット等の他の結合具であってもよい。フロントプレート331は、エンジンとリヤプレート332との間に位置されている。言い換えると、リヤプレート332は、フロントプレート331に対してエンジンの反対側に位置されている。フロントプレート331およびリヤプレート332は、回転中心Axと交差する(直交する)板状である。
図1に示されるように、第二ドライブプレート310およびコントロールプレート330は、第二ドリブンプレート320の第二ハブ321の外周に設けられた摺動部材301a,301bを介して、回転中心Ax回りに回動可能に支持されている。摺動部材301a,301bは、例えば、合成樹脂材料で構成される。
摺動部材301aは、第二ドライブプレート310の中央部311b,312bおよびコントロールプレート330の中央部、すなわちそれぞれの開口部の周縁部を摺動可能に支持することにより、第二ドライブプレート310を、回転中心Axにセンタリングする機能を有している。摺動部材301bは、第二ドリブンプレート320のドリブンアーム322とコントロールプレート330とを摺動可能に支持することにより、コントロールプレート330を、回転中心Axにセンタリングする機能を有している。
また、摺動部材301aは、第二ドライブプレート310とコントロールプレート330との間に介在し、第二ドライブプレート310とコントロールプレート330との相対回転および第二ドリブンプレート320とコントロールプレート330との相対回転に応じて摺動する摩擦抵抗要素としても機能している。なお、皿ばね303は、摺動部材301aを、第二ドライブプレート310、第二ドリブンプレート320、およびコントロールプレート330のうちのいずれかに、軸方向に弾性的に押し付けることによって、摩擦抵抗トルクを生じさせている。このような摺動部材301aによって、例えば、エンジンの始動時に発生する比較的大きな振動や騒音等を抑制することができる。
また、摺動部材301bは、ドリブンアーム322とコントロールプレート330との間に介在し、ドリブンアーム322とコントロールプレート330との相対回転に応じて摺動する摩擦抵抗要素としても機能している。このような摺動部材301bによって、例えば、エンジンの始動後の通常走行時に発生する比較的小さな振動や騒音等を抑制することができる。
また、図8に示されるセット状態(初期状態)において、第二ドライブプレート310と第二ドリブンプレート320との相対的な角度差(捩れ角)は0である。図8では、第二ドライブプレート310のドライブアーム314は、回転中心Axから右上、左上、左下、および右下の径方向に延びている。また、第二ドリブンプレート320のドリブンアーム322も、回転中心Axから右上、左上、左下、および右下の径方向に延びている。すなわち、第二ダンパ300の、図8における回転中心Axから右上方向に延びる位置、左上方向に延びる位置、左下方向に延びる位置、および右下方向に延びる位置において、第二ドライブプレート310のドライブアーム314と、第二ドリブンプレート320のドリブンアーム322とが軸方向に重なっている。
図8に示されるように、第二ダンパ300は、四つのコイルスプリング340を有している。四つのコイルスプリング340は、それぞれドライブアーム314とドリブンアーム322との間に介在し、周方向に沿って弾性的に伸縮し、ドライブアーム314およびドリブンアーム322に周方向に弾性力を与える。四つのコイルスプリング340は、第一コイルスプリング240および第二コイルスプリング250のそれぞれと軸方向に重なって位置されている。
また、コイルスプリング340とドライブアーム314(第二ドライブプレート310)およびドリブンアーム322(第二ドリブンプレート320)との間には、それぞれ、シート360が介在している。
[リミッタ]
図1に示されるように、リミッタ400は、入力要素であるフライホイール10と、ダンパ100の第一回転要素である第一ドライブプレート210および第二ドライブプレート310のうちフライホイール10(エンジン)に近い第二ドライブプレート310との間に設けられている。リミッタ400は、リミッタドライブプレート410と、リミッタドリブンプレート420と、摩擦抵抗要素430と、推力印加機構440と、を有している。
リミッタドリブンプレート420は、第二ドライブプレート310のフロントプレート311とリヤプレート312とを結合する結合具313によって、フロントプレート311およびリヤプレート312と一体に結合され、第二ドライブプレート310から径方向の外方に突出している。リミッタドリブンプレート420は、円環状かつ板状である。リミッタドリブンプレート420の軸方向両側には、それぞれ、円環状の摩擦抵抗要素430が固定されている。円環状のプレッシャプレート441とリミッタドライブプレート410の円環状のリヤプレート412とが、二つの摩擦抵抗要素430およびリミッタドリブンプレート420を軸方向に挟持している。
リミッタドライブプレート410を構成するフロントプレート411およびリヤプレート412は、摩擦抵抗要素430およびプレッシャプレート441よりも径方向の外方で、不図示のリベットによって締結されている。また、リミッタドライブプレート410とフライホイール10とは、結合具413によって結合されている。なお、結合具413は、例えばボルト等であるが、ボルト以外の結合具であってもよい。また、結合具413は、錘233よりも径方向の外方に位置されている。
皿ばね442は、プレッシャプレート441とフロントプレート411との間に介在し、プレッシャプレート441をリヤプレート412に向けて軸方向に弾性的に押し付けている。プレッシャプレート441および皿ばね442は、推力印加機構440を構成し、リミッタドリブンプレート420および摩擦抵抗要素430を、リミッタドライブプレート410のリヤプレート412に向けてエンジンから離れる方向に押し付けている。なお、推力印加機構440は、リミッタドリブンプレート420および摩擦抵抗要素430を、リミッタドライブプレート410のフロントプレート411に向けてエンジンに近付く方向に押し付けてもよい。
以上のように、本実施形態では、例えば、ダンパ100は、第一ドライブプレート210に設けられたストッパ215aと、中間プレート230に設けられ、ストッパ215aとの当接によって、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230のエンジンの正転方向の捩れを制限する、ストッパ235aと、を備える。例えば、エンジンが、ダンパ100を挟んでエンジンの反対側に設けられたモータによって始動される場合にあっては、中間プレート230は第一ドライブプレート210に対してエンジンの正転方向に捩れる。本実施形態によれば、ストッパ215aおよびストッパ235aによって中間プレート230の第一ドライブプレート210に対する正転方向の捩れを制限することができ、これにより、第一コイルスプリング240の弾性変形を部分的に制限して中間プレート230が共振することを回避できる。よって、本実施形態によれば、例えば、モータによる始動時に回転速度が0から常用回転速度まで上昇する間の中間プレート230の共振による振動を抑制することができる。
また、本実施形態では、例えば、ダンパ100は、第一ドライブプレート210、第一ドリブンプレート220、中間プレート230、第一コイルスプリング240、および第二コイルスプリング250を有した第一ダンパ200と、第二ドライブプレート310、第二ドリブンプレート320、およびコイルスプリング340を有し、第一ダンパ200と軸方向に並んで配置された第二ダンパ300と、を備える。このような構成によれば、第一ダンパ200として構成された中間プレート230を含んだ第一トルク伝達経路と、第二ダンパ300として構成された中間プレート230を含まない第二トルク伝達経路と、を軸方向に分割した構成によって比較的容易に得ることができる。
<第2実施形態>
図9〜11に示される実施形態のダンパ100Aは、上記第1実施形態のダンパ100と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
ただし、本実施形態では、例えば、図9に示されるように、ストッパプレート215Aが第一ドライブプレート210のフロントプレート211と第二ドライブプレート310のリヤプレート312との間に設けられている点が、上記第1実施形態と相違している。ストッパプレート215Aは、フロントプレート211およびリヤプレート312とともに結合具101によって一体に結合されている。図10に示されるように、ストッパプレート215Aは、回転中心Axと交差(直交)し、周方向に沿って延びた帯板状である。ストッパプレート215Aにおけるエンジンの逆転方向、すなわち図10の時計回り方向の端部には、ストッパ215aが設けられ、エンジンの正転方向の端部には、ストッパ215bが設けられている。
また、本実施形態では、錘233Aは、環状のベース部233aと、ベース部233aから径方向の内方に突出した二つの突出部233bと、を有している。突出部233bは、回転中心Axと交差(直交)し、周方向に沿って延びた帯板状である。図9に示されるように、突出部233bの軸方向の厚さは、ベース部233aの軸方向の厚さよりも薄い。突出部233bは、ストッパプレート215Aと周方向に重なって配置されている。また、図10に示されるように、突出部233bおよびストッパプレート215Aは、周方向に交互に配置されている。
そして、突出部233bにおけるエンジンの正転方向の端部には、ストッパ215aと面したストッパ233b1が設けられ、突出部233bにおけるエンジンの逆転方向の端部には、ストッパ215bと面したストッパ223b2が設けられている。図11に示されるように、本実施形態では、ストッパ215aとストッパ233b1との当接によって、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230の正転方向の捩れが制限される。また、ストッパ215bとストッパ233b2との当接によって、第一ドライブプレート210に対する中間プレート230の逆転方向の捩れが制限される。ストッパ215aは、第一ストッパの一例であり、ストッパ233b1は、第二ストッパの一例である。また、ストッパ215bは、第三ストッパの一例であり、ストッパ233b2は、第四ストッパの一例である。
以上のように、本実施形態では、例えば、ストッパ233b1が、中間プレート230の錘233Aに設けられている。このような構成によれば、例えば、ストッパ233b1が中間プレート230の錘233Aとは別の部材や部位に設けられた場合と比べて、構成がより簡素化されうる。
また、本実施形態では、例えば、錘233Aは、ベース部233aと、ベース部233aから突出しストッパ233b1が設けられた突出部233bと、を有する。このような構成によれば、例えば、ストッパ233b1がベース部233aに設けられた場合と比べて、錘233Aの慣性をより高めることができる。
<第3実施形態>
図12〜14に示される実施形態のダンパ100Bは、上記第1実施形態のダンパ100と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
ただし、本実施形態では、例えば、図12に示されるように、錘233Bの突出部233cがベース部233aから軸方向に沿って第二ダンパ300側まで延びている点が、上記第1実施形態と相違している。換言すると、錘233Bは、第一ダンパ200と第二ダンパ300との間に渡って設けられている。図13に示されるように、二つの突出部233cは、それぞれ、周方向に沿って延びている。突出部233cにおけるエンジンの正転方向の端部には、ストッパ233c1が設けられ、エンジンの逆転方向の端部には、ストッパ233c2が設けられている。
また、リミッタドリブンプレート420は、環状のベース部420aと、ベース部420aから径方向の内方に突出した四つの接続部420bと、を有している。図12に示されるように、接続部420bは、突出部233cと周方向に重なって位置されている。また、図13に示されるように、周方向に隣接した二つの接続部420bの間に、突出部233cが配置されている。
そして、接続部420bにおけるエンジンの正転方向の端部には、ストッパ233c2と面したストッパ420b1が設けられ、接続部420bにおけるエンジンの逆転方向の端部には、ストッパ233c1と面したストッパ420b2が設けられている。図14に示されるように、本実施形態では、ストッパ420b2とストッパ233c1との当接によって、第二ドライブプレート310に対する中間プレート230の正転方向の捩れが制限される。また、ストッパ420b1とストッパ233c2との当接によって、第二ドライブプレート310に対する中間プレート230の逆転方向の捩れが制限される。ストッパ420b2は、第一ストッパの一例であり、ストッパ233c1は、第二ストッパの一例である。また、ストッパ420b1は、第三ストッパの一例であり、ストッパ233c2は、第四ストッパの一例である。
以上のように、本実施形態では、例えば、錘233Bが第一ダンパ200と第二ダンパ300との間に渡って設けられている。このような構成によれば、例えば、第二ダンパ300側の部材を利用して中間プレート230の捩れを制限できるとともに、錘233Bの慣性をより高めることができる。
また、本実施形態では、例えば、ストッパ233c1,233c2は、錘233A(ベース部233a)と軸方向に並んで配置されている。このような構成によれば、ストッパ233c1,233c2のモーメントアームをより長くすることができるため、ストッパ233c1,233c2およびストッパ420b2,420b1に作用する面圧がより小さくなりやすい。また、トルクが結合具101および結合具213に入力されないため、結合具101および結合具213にかかる負荷を軽減できる。
<第4実施形態>
図15に示される実施形態のダンパ100Cは、上記第1実施形態のダンパ100と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
ただし、本実施形態では、例えば、図15に示されるように、ストッパ225aが第一ドリブンプレート220に設けられている点が、上記第1実施形態と相違している。また、中間プレート230には、ストッパ225aと周方向に対向したストッパ237aが設けられている。本実施形態では、ストッパ225aとストッパ237aとの当接によって、中間プレート230に対する第一ドリブンプレート220のエンジンの正転方向、すなわち図15の左方向の捩れが制限される。なお、中間プレート230に対する第一ドリブンプレート220の正転方向の捩れは、第一ドリブンプレート220に対する中間プレート230の逆転方向の捩れとも称される。ストッパ225aは、第一ストッパの一例であり、ストッパ237aは、第二ストッパの一例である。
以上のように、本実施形態では、例えば、ダンパ100Cは、第一ドリブンプレート220に設けられたストッパ225aと、中間プレート230に設けられ、ストッパ225aとの当接によって、中間プレート230に対する第一ドリブンプレート220のエンジンの正転方向の捩れを制限する、ストッパ237aと、を備える。例えば、エンジンが、ダンパ100を挟んでエンジンの反対側に設けられたモータによって始動される場合にあっては、第一ドリブンプレート220は中間プレート230に対してエンジンの正転方向に捩れる。本実施形態によれば、ストッパ225aおよびストッパ237aによって第一ドリブンプレート220の中間プレート230に対する正転方向の捩れを制限することができ、これにより、第二コイルスプリング250の弾性変形を部分的に制限して中間プレート230が共振することを回避できる。よって、本実施形態によれば、例えば、モータによる始動時に回転速度が0から常用回転速度まで上昇する間の中間プレート230の共振による振動を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。本発明は、上記実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成(技術的特徴)によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
100,100A,100B,100C…ダンパ、210…第一ドライブプレート(第一回転部材、第一回転要素)、215a,225a,420b2…ストッパ(第一ストッパ)、220…第一ドリブンプレート(第二回転部材、第二回転要素)、230…中間プレート(中間質量要素)、233,233A,233B…錘、235a,233b1,233c1,237a…ストッパ(第二ストッパ)、240…第一コイルスプリング(第一弾性部材、第一弾性要素)、250…第二コイルスプリング(第二弾性部材、第一弾性要素)、300…第二ダンパ、310…第二ドライブプレート(第三回転部材、第一回転要素)、320…第二ドリブンプレート(第四回転部材、第二回転要素)、340…コイルスプリング(第三弾性部材、第二弾性要素)、Ax…回転中心。

Claims (4)

  1. 回転中心回りに回転可能な第一回転要素と、
    前記回転中心回りに回転可能であり、エンジンの回転が前記第一回転要素を介して伝達される第二回転要素と、
    前記第一回転要素と前記第二回転要素との間に介在して前記回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第一弾性要素と、
    前記第一回転要素と前記第二回転要素との間に前記第一弾性要素と並列に介在して前記周方向に弾性的に伸縮する第二弾性要素と、
    前記第一弾性要素の前記周方向の途中位置に設けられた中間質量要素と、
    前記第一回転要素に設けられた第一ストッパと、
    前記中間質量要素に設けられ、前記第一ストッパとの当接によって、前記第一回転要素に対する前記中間質量要素の前記エンジンの正転方向の捩れを制限する、第二ストッパと、
    を備えた、ダンパ。
  2. 回転中心回りに回転可能な第一回転要素と、
    前記回転中心回りに回転可能であり、エンジンの回転が前記第一回転要素を介して伝達される第二回転要素と、
    前記第一回転要素と前記第二回転要素との間に介在して前記回転中心の周方向に弾性的に伸縮する第一弾性要素と、
    前記第一回転要素と前記第二回転要素との間に前記第一弾性要素と並列に介在して前記周方向に弾性的に伸縮する第二弾性要素と、
    前記第一弾性要素の前記周方向の途中位置に設けられた中間質量要素と、
    前記第二回転要素に設けられた第一ストッパと、
    前記中間質量要素に設けられ、前記第一ストッパとの当接によって、前記中間質量要素に対する前記第二回転要素の前記エンジンの正転方向の捩れを制限する、第二ストッパと、
    を備えた、ダンパ。
  3. 前記中間質量要素は、錘を有し、
    前記錘に、前記第二ストッパが設けられた、請求項1または2に記載のダンパ。
  4. 前記第一回転要素の一部を構成する第一回転部材と、前記第二回転要素の一部を構成する第二回転部材と、前記第一弾性要素の一部を構成し前記第一回転部材と前記中間質量要素との間に介在して前記周方向に弾性的に伸縮する第一弾性部材と、前記第一弾性要素の一部を構成し前記中間質量要素と前記第二回転部材との間に介在して前記周方向に弾性的に伸縮する第二弾性部材と、を有した第一ダンパと、
    前記第一回転要素の一部を構成する第三回転部材と、前記第二回転要素の一部を構成する第四回転部材と、前記第二弾性要素の少なくとも一部を構成し前記第三回転部材と前記第四回転部材との間に介在して前記周方向に弾性的に伸縮する第三弾性部材と、を有し、前記第一ダンパと前記回転中心の軸方向に並んで配置された第二ダンパと、
    を備え、
    前記錘は、前記第一ダンパと前記第二ダンパとの間に渡って設けられた、請求項3に記載のダンパ。
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