以下、買物支援システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、スーパーマーケット等の実存する店舗において、健康的な買物ができるように買物客を支援するシステムである。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態における買物支援システム10の全体構成を概略的に示すブロック図である。買物支援システム10は、POS(Point Of Sales)サーバ11、会員サーバ12、買物支援サーバ(以下、支援サーバと称する)13、POS端末14、情報端末15、中継器16及びLAN(Local Area Network)等のネットワーク17を含む。そして、ネットワーク17を介してPOS端末14、情報端末15及び中継器16に各サーバ11,12,13を接続することにより、買物支援システム10が構築される。ネットワーク17は、例えば有線LANでもよいし、無線LANでもよい。中継器16は、買物客が所持するユーザ端末20と無線を利用してデータ通信を行う。
かかる構成の買物支援システム10は、スーパーマーケット等のように食品を販売する実存の店舗に構築される。買物支援システム10は、買物客がユーザ端末20を操作して買上商品のデータを登録することで、栄養バランスに優れた健康的な買物ができているか評価し、できていない場合に健康的な買物ができるように買物客を支援するシステムである。また買物支援システム10は、買物客がユーザ端末20を操作して買上商品のデータを登録することで、POS端末14での登録操作を簡略化できる。
各サーバ11,12,13は、例えば店舗の事務所に設置される。POS端末14、情報端末15及び中継器16とデータ通信が可能であれば、各サーバ11,12,13の設置場所は特に限定されない。店舗外の任意の場所に各サーバ11,12,13が設置されてもよい。例えば、インターネット上のクラウドコンピューティングとして、各サーバ11,12,13が設置されてもよい。
POS端末14は、例えば店舗の会計場(レジ)に設置される。POS端末14は、買物客が買い上げる商品(買上商品)の販売データをメモリに登録処理する。この登録処理により、買上商品の代金が算出される。またPOS端末14は、買上商品の代金を決済する決済処理を行う。決済処理には、現金支払いに対する決済処理、クレジット支払いに対する決済処理等がある。このような登録処理及び決済処理は、周知の処理であるため、詳細な説明は省略する。
因みにPOS端末14は、通常、キャッシャと称される店員によって操作される。POS端末14は、買物客が自ら操作するセルフ方式であってもよい。また、登録処理を行う登録部と決済処理を行う決済部とを分離し、登録部については店員が操作し、決済部については買物客が操作するセミセルフ方式であってもよい。
情報端末15は、例えば店舗の売場あるいは出入口の近傍に設置される。情報端末15は、マンマシンインターフェースとしてタッチパネルを有し、買物客が必要なサービス情報を取得するために利用する。情報端末15は、バーコードを読み取るためのスキャナを備えている。情報端末15は、プリンタを搭載してもよい。あるいはプリント機能を有する外部機器、例えば複合機と電気的に接続されていてもよい。
中継器16は、例えば店舗の売場に設置される。中継器16は、売場で買物中の買物客が所持するユーザ端末20との間で無線通信網を確立する。そして中継器16は、ユーザ端末20から発信された無線データ信号を受信し、ネットワーク17を介していずれかのサーバ11,12,13に転送する。また中継器16は、いずれかのサーバ11,12,13から受けたユーザ端末20宛のデータ信号を無線データ信号に変換して、宛先のユーザ端末20に送信する。
ユーザ端末20は、無線通信機能を有するコンピュータ機器である。ユーザ端末20は、店舗で買物をする際に買物客が携帯して使用する。例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話機等がユーザ端末20として用いられる。
なお、図1では、POS端末14、情報端末15及び中継器16をいずれも1台のみ示すが、これらは1台に限定されるものではない。典型的には、2台以上のPOS端末14、情報端末15及び中継器16がネットワーク17に接続されて、買物支援システム10が構築される。また図1では、中継器16とデータ通信が可能なユーザ端末20を2台しか示していない。しかしユーザ端末20は、各買物客がそれぞれ所持するものである。このため、中継器16は同時に多くのユーザ端末20との間で無線データ信号の中継を行うことができるのは言うまでもない。
POSサーバ11は、商品情報データベース31と栄養情報データベース32とを有する。
商品情報データベース31は、商品毎に作成される商品情報レコード31Rを保存する。商品は、食品に限らない。食品以外の商品の商品情報レコード31Rが商品情報データベース31に保存される場合もある。POSサーバ11は、商品情報データベース31にアクセスして、商品情報レコード31Rの読込みまたは書込みを行う。
商品情報レコード31Rは、図2に示すように、商品ID、分類ID、商品名、単価及び重量等で構成される。商品IDは、各商品を個々に識別するために商品毎に割り当てられた固有のコードである。分類IDは、商品を分類する分類項目を個々に識別するために分類項目毎に割り当てられた固有のコードである。分類項目は、食品の場合、「穀物類」、「豆類」、「肉類」、「魚介類」、「海草類」、「野菜類」、「果物類」、「茸類」、「乳製品」等である。商品名は、対応する商品IDで識別される商品の名称である。単価は、同商品の1点当たりの価格であり、重量は、1点当たりの平均的な重さである。
栄養情報データベース32は、食品に分類される商品に対して商品毎に作成される栄養情報レコード32Rを保存する。POSサーバ11は、栄養情報データベース32にアクセスして、栄養情報レコード32Rの読込みまたは書込みを行う。
栄養情報レコード32Rは、図3に示すように、商品IDと、N(N≧2)個の栄養素IDと成分数値との対データと、等で構成される。栄養素IDは、食品に含まれる各種の栄養素を個々に識別するために栄養素毎に割り当てられた固有のコードである。成分数値は、対応する商品IDで識別される商品(食品)に対しての、対データをなす栄養素IDで識別される栄養成分の値である。例えば、14gのたんぱく質と32gの脂質とを含む30kcalの食品の場合、カロリーを識別する栄養素IDと成分数値30kcalとの対データと、たんぱく質を識別する栄養素IDと成分数値14gとの対データと、脂質を識別する栄養素IDと成分数値32gとの対データと、を含む栄養情報レコード32Rが栄養情報データベース32に保存される。
会員サーバ12は、会員情報データベース33と購入履歴データベース34とを有する。
会員情報データベース33は、会員毎に作成される会員情報レコード33Rを保存する。会員サーバ12は、会員情報データベース33にアクセスして、会員情報レコード33Rの読込みまたは書込みを行う。
会員情報レコード33Rは、図4に示すように、会員ID、個人データ、評価区分、項目数n、及び項目数n分の項目ID等で構成される。会員IDは、各会員を個々に識別するために会員毎に割り当てられた固有のコードである。個人データは、対応する会員IDで識別される会員の会員名、性別、年齢等である。
評価区分は、対応する会員IDで識別される会員が、栄養バランスに優れた健康的な買物であるか否かの評価を、食材のカテゴリを基準に行うか、栄養素を基準に行うかを区分する。本実施形態では、カテゴリを基準に評価する場合の評価区分を“1”とし、栄養素を基準に評価する場合の評価区分を“2”とする。
項目数nは、買物を評価する際の基準となる食材のカテゴリまたは栄養素の数である。評価区分が“1”のとき、すなわちカテゴリを基準に買物を評価する場合には、項目IDとして、項目数n分の分類IDがセットされる。評価区分が“2”のとき、すなわち栄養素を基準に買物を評価する場合には、項目IDとして、項目数n分の栄養素IDがセットされる。
会員は、予め、栄養バランスに優れた健康的な買物ができているか否かを評価するための基準(以下、買物の評価基準と称する)をカテゴリとするか栄養素とするかを決める。そして、買物の評価基準をカテゴリとする会員は、健康のためにバランスよく摂取したいカテゴリの分類IDを1つ以上選択する。買物の評価基準を栄養素とする場合には、健康のためにバランスよく摂取したい栄養素の栄養素IDを1つ以上選択する。その結果、例えば野菜類と茸類とをバランスよく摂取したい会員については、評価区分が“1”、項目数nが“2”、項目IDとして野菜類の分類IDと茸類の分類IDとが設定された会員情報レコード33Rが会員情報データベース33に保存される。例えば、鉄分をバランスよく摂取したい会員については、評価区分が“2”、項目数nが“1”、項目IDとして鉄分の栄養素IDが設定された会員情報レコード33Rが会員情報データベース33に保存される。
なお、上記の説明では、会員が買物の評価基準を決めるとしたが、デフォルトの評価基準を定めてもよい。一般に、栄養バランスの観点から見て野菜類または果物類を多く摂取することが望ましい。そこで、野菜類と果物類とをデフォルトの評価基準とする。そしてデフォルト以外の評価基準を望む買物客だけ、任意の評価基準を設定する。この場合、デフォルトの設定が有効な会員に対しては、評価区分が“1”、項目数nが“2”、項目IDとして野菜類の分類IDと果物類の分類IDとが設定された会員情報レコード33Rが会員情報データベース33に保存される。デフォルトから変更した会員については、前述したような任意の評価区分、項目数n、項目IDが設定された会員情報レコード33Rが会員情報データベース33に保存される。
購入履歴データベース34は、各会員の購入履歴レコード34Rを保存する。会員サーバ12は、購入履歴データベース34にアクセスして、購入履歴レコード34Rの読込みまたは書込みを行う。
購入履歴レコード34Rは、図5に示すように、会員ID、購入日時、店舗ID及び買上商品リスト等で構成される。購入日時は、対応する会員IDで識別される会員が店舗で買い物をした日付と時刻である。店舗IDは、同会員が買物をした店舗を特定するための店舗固有のIDである。買上商品リストは、同会員が、購入日時において店舗IDで特定される店舗で購入した商品のリストである。リストには、商品ID、商品名、単価、数量、価格、合計金額等が含まれる。
支援サーバ13は、クーポン情報データベース35とレシピ情報データベース36とを有する。
クーポン情報データベース35は、買物客に対して店舗等から発行されるクーポンの内容を表すクーポン情報レコード35Rを保存する。支援サーバ13は、クーポン情報データベース35にアクセスして、クーポン情報レコード35Rの読込みまたは書込みを行う。
クーポン情報レコード35Rは、図6に示すように、クーポンID、対象ID、区分ID、値及び画像等で構成される。クーポンIDは、種々のクーポンを識別するためにクーポン毎に割り当てられた固有のコードである。対象IDは、対応するクーポンIDで識別されるクーポンの対象となる商品の識別コードである。単一の商品がクーポン対象の場合、対象IDは商品IDとなる。特定の分類に属する商品が全てクーポン対象となる場合、対象IDは分類IDとなる。区分は、クーポンの種類(値引、割引、価格変更等)を区分する。本実施形態では、値引クーポンの区分を“1”、割引クーポンの区分を“2”、価格変更クーポンの区分を“3”とする。値は、値引クーポンの場合は値引額であり、割引クーポンの場合は割引率であり、価格変更クーポンの場合は変更後価格である。画像は、クーポンの画像を表す。
レシピ情報データベース36は、料理品目毎に作成されるレシピ情報レコード36Rを保存する。支援サーバ13は、レシピ情報データベース36にアクセスして、レシピ情報レコード36Rの読込みまたは書込みを行う。
レシピ情報レコード36Rは、図7に示すように、レシピIDと、レシピ名及び画像と、調理手順情報と、複数の材料商品IDと分量との対データと、等で構成される。レシピIDは、種々の料理品目を識別するために料理品目毎に割り当てられた固有のコードである。レシピ名及び画像は、対応するレシピIDで識別される料理品目の名称及び画像である。調理手順情報は、同料理品目の調理手順を表すテキストデータである。材料商品IDと分量との対データは、同料理品目で使用する食材の商品IDとその食材の分量とを示す。
図8は、ユーザ端末20の要部構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、プロセッサ201、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、タッチパネル204、カメラユニット205及び無線ユニット206等を備える。プロセッサ201と、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、タッチパネル204、カメラユニット205及び無線ユニット206とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路207によって接続される。
ユーザ端末20は、プロセッサ201、メインメモリ202及び補助記憶デバイス203と、これらを接続するシステム伝送路207とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ201は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ201は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、ユーザ端末20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ202は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ202は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ202は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ202は、プロセッサ201が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ202は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ201によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス203は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス203は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)である。HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)などが補助記憶デバイス203として使用されてもよい。補助記憶デバイス203は、プロセッサ201が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ201での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス203は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
タッチパネル204は、ユーザ端末20の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。タッチパネル204には、上記のアプリケーションプログラムを起動するためのアイコンが表示される。
カメラユニット205は、バーコードを撮影可能な解像度を有する。
無線ユニット206は、中継器16との間で無線通信を利用してデータの送受信を行う。例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の携帯型の情報処理装置のうち、カメラユニット205及び無線ユニット206を内蔵した情報処理装置が、ユーザ端末20として利用される。
このような構成のユーザ端末20は、買物支援端末プログラムP1をインストールすることによって、買物支援システム10で利用可能な端末となる。買物支援端末プログラムP1は、ユーザ端末20が買物支援システム10で利用可能な端末となるように、プロセッサ201を制御する。買物支援端末プログラムP1は、補助記憶デバイス203に保存される。
図9は、POS端末14の要部構成を示すブロック図である。POS端末14は、プロセッサ141、メインメモリ142、補助記憶デバイス143、通信インターフェース144及びI/O(Input / Output)インターフェース145等を備える。プロセッサ141と、メインメモリ142、補助記憶デバイス143、通信インターフェース144及びI/Oインターフェース145とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路146によって接続される。
POS端末14は、プロセッサ141、メインメモリ142及び補助記憶デバイス143と、これらを接続するシステム伝送路146とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ141は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ141は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、POS端末14としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ142は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ142は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ142は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ142は、プロセッサ141が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ142は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ141によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス143は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス143は、例えばEEPROM、HDD、SSDなどである。補助記憶デバイス143は、プロセッサ141が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ141での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス143は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
通信インターフェース144は、LAN17を介して接続される各サーバ11.12.13等との間で行うデータ通信のインターフェースである。
I/Oインターフェース145は、種々の入出力デバイスとの間で行うデータ通信のインターフェースである。一般に、スキャナ、キーボード、オペレータ用のディスプレイ、客用のディスプレイ、レシート印字用のプリンタ等が、I/Oインターフェース145に接続される。
POS端末14は、補助記憶デバイス143でPOSIDを記憶する。POS端末14は、メインメモリ142でPOSIDを記憶してもよい。POSIDは、POS端末14に対して固有な情報である。買物支援システム10が複数のPOS端末14を含む場合、POSIDは、POS端末14の間で重複しない。各サーバ11,12,13は、POSIDによってPOS端末14を識別する。
POS端末14には、自らのPOSIDを表すバーコードが表記される。例えば、対面式またはセミセルフ式のPOS端末14の場合には、筐体のキャッシャが操作する面とは反対側、すなわち買物客側にバーコードが表記される。セルフ式のPOS端末の場合には、買物客と対峙する筐体の正面側にバーコード7が表記される。なお、上述したバーコードの位置は、あくまでも一例である。買物客がユーザ端末20のカメラユニット205を用いて読み取ることができるのであれば、バーコードの位置は特に限定されない。また、バーコードの代わりに二次元データコードを用いてもよい。
図10は、支援サーバ13の要部構成を示すブロック図である。支援サーバ13は、プロセッサ131、メインメモリ132、補助記憶デバイス133及び通信インターフェース134等を備える。プロセッサ131と、メインメモリ132、補助記憶デバイス133及び通信インターフェース134とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路135によって接続される。
支援サーバ13は、プロセッサ131、メインメモリ132及び補助記憶デバイス133と、これらを接続するシステム伝送路135とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ131は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ131は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、支援サーバ13としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ132は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ132は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ132は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ132は、プロセッサ131が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ132は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ131によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス133は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス133は、例えばEEPROM、HDD、SSDなどである。補助記憶デバイス133は、プロセッサ131が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ131での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス133は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
通信インターフェース134は、LAN17を介して接続される他のサーバ11,12、POS端末14、情報端末15または中継器16との間で行うデータ通信のインターフェースである。
このような構成の支援サーバ13は、補助記憶デバイス133に買物支援サーバプログラムP2を実装する。また支援サーバ13は、取引ファイル領域W1を補助記憶デバイス133に形成する。
買物支援サーバプログラムP2は、支援サーバ13に常駐する。買物支援サーバプログラムP2は、ユーザ端末20で実行される買物支援端末プログラムP1と協働して、栄養バランスに優れた健康的な買物ができるように買物客を支援する。
取引ファイル領域W1は、図11に示すデータ構造の取引ファイル40を格納する領域である。取引ファイル40は買物客毎に生成される。支援サーバ13は、取引ファイル領域W1に複数の取引ファイル40を同時に格納することができる。
取引ファイル40のデータは、会員情報41と、買上商品リスト42と、クーポンリスト43と、レシピリスト44とを含む。これらのデータの詳細については、買物支援システム10の動作説明において、明らかになろう。
次に、買物支援システム10の動作について、図12乃至図26を用いて説明する。図12乃至図14は、ユーザ端末20のプロセッサ201が、買物支援端末プログラムP1にしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図15乃至図17は、支援サーバ13のプロセッサ131が、買物支援サーバプログラムP2にしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図18は、POS端末14のプロセッサ141が、制御プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図19乃至図25は、ユーザ端末20のタッチパネル204に表示される画面例を示す模式図である。図26は、POS端末14から発行されるレシートの一例を示す模式図である。
なお、図12乃至図18の流れ図で示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。また、図19乃至図25で示される画面及び図26で示されるレシートもその内容は一例であって、レイアウト等は適宜変更できるものである。
買物客は、店舗で買物を始める前にユーザ端末20のタッチパネル204を操作して、買物支援端末プログラムP1を起動する。すなわち買物客は、タッチパネル204に表示される買物支援端末プログラムP1のアイコンにタッチする。買物支援端末プログラムP1が起動すると、ユーザ端末20のプロセッサ201は、図12の流れ図に示される処理を開始する。
先ずプロセッサ201は、支援サーバ13に対してログイン中か否かを判断する(Act1)。買物支援端末プログラムP1の前回起動時にログアウトしないまま買物支援端末プログラムP1を終了させると、ログイン状態が維持される場合がある。ログイン状態が維持されている場合、すなわちログイン中のとき、認証用IDである会員IDが補助記憶デバイス203に格納されている。
ログイン中でない場合(Act1にてNO)、プロセッサ201は、タッチパネル204にログイン画面を表示して、ログインを受け付ける(Act2)。買物客は、ログイン画面に自らの会員IDを入力して、ログインを行う。買物客は、会員IDとともにパスワードを入力してもよい。
ログインが行われると、プロセッサ201は、会員IDを含むログイン情報を支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する。この制御により、無線ユニット206から支援サーバ13を宛先とするログイン情報が無線送信される。このログイン情報は、中継器16で受信され、LAN17を経由して支援サーバ13に伝送される。
支援サーバ13は、ログイン認証を行う。そして支援サーバ13は、その認証結果を、ログイン情報と逆の経路でユーザ端末20宛に通知する。
ログインが承認された場合、プロセッサ201は、ログインで使用された会員IDを補助記憶デバイス203に格納する(Act3)。なお、会員IDは、補助記憶デバイス203でなくメインメモリ202に格納されてもよい。
一方、ログイン中の場合には(Act1にてYES)、プロセッサ201は、上述したAct2及びAct3の処理を実行しない。
Act2及びAct3にてログインが承認されるか、ログイン中である場合、プロセッサ201は、登録開始要求コマンドを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する(Act4)。この制御により、無線ユニット206から支援サーバ13を宛先とする登録開始要求コマンドが無線送信される。登録開始要求コマンドには、ログインで使用された会員IDが含まれる。登録開始要求コマンドは、中継器16で受信され、LAN17を経由して支援サーバ13に伝送される。
買物支援サーバプログラムP2が常駐する支援サーバ13のプロセッサ131は、登録開始要求コマンドを待機する。登録開始要求コマンドを受信すると、プロセッサ131は、図15及び図16の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ず、プロセッサ131は、補助記憶デバイス133の取引ファイル領域W1に取引ファイル40を作成する(Act51)。この時点では、取引ファイル40に、会員情報41、買上商品リスト42、クーポンリスト43及びレシピリスト44の各データは格納されていない。
プロセッサ131は、会員サーバ12に対して会員情報を要求するように通信インターフェース134を制御する(Act52)。この制御により、通信インターフェース134から会員サーバ12を宛先とする会員情報要求コマンドがLAN17上に送信される。会員情報要求コマンドには、登録開始要求コマンドに含まれていた会員IDが含まれる。
会員情報要求コマンドは、会員サーバ12で受信される。すると会員サーバ12は、会員情報データベース33にアクセスし、会員情報要求コマンドに含まれる会員IDが設定された会員情報レコード33Rを読み出す。そして会員サーバ12は、この会員情報レコード33Rを、会員情報要求コマンド送信元の支援サーバ13宛に送信する。
会員情報要求コマンドを送信した支援サーバ13のプロセッサ131は、会員情報レコード33Rを待機する。そして通信インターフェース134を介して会員情報レコード33Rを受信すると、プロセッサ131は、この会員情報レコード33Rに設定された情報を、Act51の処理で作成した取引ファイル40に格納する(Act53)。この処理により、取引ファイル40には、個人データ、評価区分、項目数n、項目数n分の項目ID等の会員情報41が格納される。
会員情報41を取引ファイル40に格納したプロセッサ131は、登録開始要求コマンドの送信元であるユーザ端末20宛に許諾応答を送信するように通信インターフェース134を制御する(Act54)。この制御により、通信インターフェース134から登録開始要求コマンド送信元のユーザ端末20を宛先とする許諾応答信号がLAN17上に送信される。この許諾応答信号は、中継器16から無線送信され、登録開始要求コマンド送信元のユーザ端末20における無線ユニット206で受信される。
登録開始要求コマンドを送信したユーザ端末20のプロセッサ201は、許諾応答を待機する(Act5)。無線ユニット206を介して支援サーバ13からの許諾応答信号を受信すると(Act5にてYES)、プロセッサ201は、カメラユニット205を起動する(Act6)。また、プロセッサ201は、タッチパネル204の画面を開始画面SC1とする(Act7)。
図19は、開始画面SC1の一例である。図示するように、開始画面SC1には、ユーザである買物客へのメッセージM1とともに、変更アイコンIC1が表示される。メッセージM1は、買物客に対し、購入する商品のバーコードをユーザ端末20のカメラユニット205で読み取らせることを案内する。変更アイコンIC1は、買物の評価基準を、会員情報レコード33Rにプリセットされている基準から一時的に変更する場合に、買物客がタッチする。
開始画面SC1を表示させたプロセッサ201は、変更アイコンIC1がタッチされたか確認する(Act8)。変更アイコンIC1がタッチされていない場合(Act8にてNO)、プロセッサ201は、カメラユニット205を介してバーコードが読み取られたか確認する(Act9)。バーコードが読み取られていない場合(Act9にてNO)、プロセッサ201は、再び変更アイコンIC1がタッチされたか確認する(Act8)。ここにプロセッサ201は、Act8及びAct9の処理により、変更アイコンIC1がタッチされるかバーコードが読み取られるのを待ち受ける。
買物の評価基準をプリセットの基準から変更する場合、買物客は、変更アイコンIC1にタッチする。タッチパネル204からの信号により変更アイコンIC1がタッチされたことを検知すると(Act8にてYES)、プロセッサ201は、図13の流れ図に示す手順の処理を実行する。すなわちプロセッサ201は、タッチパネル204の画面を開始画面SC1から設定画面SC2に切り替える。
図20は、設定図面SC2の一例である。図示するように設定画面SC2には、ユーザである買物客へのメッセージM2とともに、カテゴリアイコンIC2と栄養素アイコンIC3と戻りアイコンIC4とが表示される。メッセージM2は、買物客に対し、プリセットされている評価基準を通知する。すなわち図20は、食品のカテゴリである「野菜類」と「果物類」とが買物の評価基準として会員情報レコード12Rにプリセットされている買物客に対する設定画面SC2である。カテゴリアイコンIC2は、購入する食材のカテゴリを基準として買物を評価する場合に、買物客がタッチする。栄養素アイコンIC3は、購入する食材の栄養素を基準として買物を評価する場合に、買物客がタッチする。戻りアイコンIC4は、設定画面SC2から開始画面SC1に戻す場合に、買物客がタッチする。
設定画面SC2を表示させたプロセッサ201は、戻りアイコンIC4がタッチされたか確認する(Act22)。戻りアイコンIC4がタッチされていない場合(Act22にてNO)、プロセッサ201は、カテゴリアイコンIC2がタッチされたか確認する(Act23)。カテゴリアイコンIC2がタッチされていない場合(Act23にてNO)、プロセッサ201は、栄養素アイコンIC3がタッチされたか確認する(Act24)。栄養素アイコンIC3がタッチされていない場合(Act24にてNO)、プロセッサ201は、再び戻りアイコンIC4がタッチされたか確認する(Act22)。ここにプロセッサ201は、Act22,Act23及びAct24の処理により、戻りアイコンIC4がタッチされるか、カテゴリアイコンIC2がタッチされるか、栄養素アイコンIC3がタッチされるのを待ち受ける。
評価基準を変更しない場合、買物客は、戻りアイコンIC4にタッチする。タッチパネル204からの信号により戻りアイコンIC4がタッチされたことを検知すると(Act22にてYES)、プロセッサ201は、図12のAct7に戻る。すなわちプロセッサ131は、タッチパネル204の画面を開始画面SC1に戻す。
評価基準を変更する場合、買物客は、カテゴリアイコンIC2または栄養素アイコンIC3にタッチする。すなわち、食材のカテゴリを新たな基準とする場合には、買物客はカテゴリアイコンIC2にタッチする。栄養素を新たな基準とする場合には、買物客は栄養素アイコンIC3にタッチする。
タッチパネル204からの信号によりカテゴリアイコンIC2がタッチされたことを検知した場合(Act23にてYES)、プロセッサ201は、タッチパネル204にカテゴリリストを表示させる(Act25)。カテゴリリストは、食品を分類するカテゴリの項目を一覧にしたものである。買物客は、買物の評価基準とするカテゴリの項目を選択して、その項目にタッチする。その際、1つの項目だけを選択してもよいし、複数の項目を選択してもよい。
プロセッサ201は、カテゴリリストからカテゴリの項目が選択されるのを待機する(Act26)。そして、タッチパネル204からの信号により項目が選択されたことを確認したならば(Act26にてYES)、プロセッサ201は、第1の変更指令コマンドを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する(Act27)。この制御により、無線ユニット206から支援サーバ13を宛先とする第1の変更指令コマンドが無線送信される。第1の変更指令コマンドには、会員IDとともに、買物の評価基準がカテゴリであること、その評価基準の項目がカテゴリリストから選択されたカテゴリの項目であること、を示すデータが含まれる。第1の変更指令コマンドは、中継器16で受信され、LAN17を経由して支援サーバ13に伝送される。
一方、タッチパネル204からの信号により栄養素アイコンIC3がタッチされたことを検知した場合には(Act24にてYES)、プロセッサ201は、タッチパネル204に栄養素リストを表示させる(Act28)。栄養素リストは、食品に含まれる栄養素の項目を一覧にしたものである。買物客は、買物の評価基準とする栄養素の項目を選択して、その項目にタッチする。その際、1つの項目だけを選択してもよいし、複数の項目を選択してもよい。
プロセッサ201は、栄養素リストから栄養素の項目が選択されるのを待機する(Act29)。そして、タッチパネル204からの信号により項目が選択されたことを確認したならば(Act29にてYES)、プロセッサ201は、第2の変更指令コマンドを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する(Act30)。この制御により、無線ユニット206から支援サーバ13を宛先とする第2の変更指令コマンドが無線送信される。第2の変更指令コマンドには、会員IDとともに、買物の評価基準が栄養素であること、その評価基準の項目が栄養素リストから選択された栄養素の項目であること、を示すデータが含まれる。第2の変更指令コマンドは、中継器16で受信され、LAN17を経由して支援サーバ13に伝送される。
図15のAct54において、許諾応答信号の送信を指令した支援サーバ13のプロセッサ131は、第1または第2の変更指令コマンドを受信したか確認する(Act55)。変更指令コマンドを受信していない場合(Act55にてNO)、プロセッサ131は、商品IDを受信したか確認する(Act56)。商品IDを受信していない場合(Act56にてNO)、プロセッサ131は、再び変更指令コマンドを受信したか確認する(Act55)。ここにプロセッサ131は、Act55及びAct56の処理により、変更指令コマンドを受信するか、商品IDを受信するのを待ち受ける。
Act55及びAct56の待ち受け状態において、第1の変更指令コマンドを受信した場合(Act55にてYES)、プロセッサ131は、そのコマンドに含まれる会員IDがセットされた取引ファイル40の会員情報41を構成する評価基準の情報を変更する(Act57)。すなわちプロセッサ131は、評価区分を、カテゴリを表す区分“1”に変更する。またプロセッサ131は、項目数nを、カテゴリリストから選択されたカテゴリの数に変更する。さらにプロセッサ201は、項目IDを、カテゴリリストから選択されたカテゴリの分類IDに変更する。
第2の変更指令コマンドを受信した場合も同様に(Act55にてYES)、プロセッサ131は、そのコマンドに含まれる会員IDがセットされた取引ファイル40の会員情報41を構成する評価基準の情報を変更する(Act57)。すなわちプロセッサ131は、評価区分を、栄養素を表す区分“2”に変更する。またプロセッサ201は、項目数nを、栄養素リストから選択された栄養素の数に変更する。さらにプロセッサ201は、項目IDを、栄養素リストから選択された栄養素の栄養素IDに変更する。
図13のAct27またはAct28にて第1または第2の変更指令コマンドの送信を制御したプロセッサ201は、図12のAct7に戻る。すなわちプロセッサ131は、タッチパネル204の画面を開始画面SC1に戻す。このとき、メッセージM2によって示される買物の評価基準は、変更後の基準となる。
開始画面SC1にメッセージM2として表示された評価基準を確認した買物客は、買物を開始する。すなわち買物客は、本日の買物で購入しようとする商品、いわゆる購入予定商品のバーコードをカメラユニット205で撮影してからカート等に収容する。
図12のAct8またはAct9の待ち受け状態において、カメラユニット205で撮影された画像からバーコードが読み取られると(Act9にてYES)、プロセッサ201は、そのバーコードのデータを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する(Act10)。この制御により、無線ユニット206から支援サーバ13を宛先とするバーコードデータが無線送信される。バーコードデータには、会員IDが含まれる。バーコードデータは、中継器16で受信され、LAN17を経由して支援サーバ13に伝送される。
図15のAct55またはAct56の待ち受け状態において、ユーザ端末20から受信したバーコードデータが商品IDである場合(Act56にてYES)、プロセッサ131は、評価中フラグを“0”にリセットする(Act58)。評価中フラグは、後述する健康評価処理を実行中か否かを識別するためのもので、メインメモリ132の揮発性領域に記憶される1ビットのデータである。
プロセッサ131は、POSサーバ11に対して商品情報を要求するように通信インターフェース134を制御する(Act59)。この制御により、通信インターフェース134からPOSサーバ11を宛先とする商品情報要求コマンドがLAN17上に送信される。商品情報要求コマンドには、バーコードデータから得られた商品IDが含まれる。
商品情報要求コマンドは、POSサーバ11で受信される。するとPOSサーバ11は、商品情報データベース31にアクセスし、商品情報要求コマンドに含まれる商品IDが設定された商品情報レコード31Rを読み出す。そしてPOSサーバ11は、この商品情報レコード31Rを、商品情報要求コマンド送信元の支援サーバ13宛に送信する。
商品情報要求コマンドを送信した支援サーバ13のプロセッサ131は、商品情報レコード31Rを待機する。そして通信インターフェース134を介して商品情報レコード31Rを受信すると、プロセッサ131は、Act51の処理で作成した取引ファイル40の買上商品リスト42を更新する(Act60)。具体的にはプロセッサ131は、商品情報レコード31Rの商品ID、分類ID、商品名及び単価に、数量、価格及び値引額を付加して買上商品データを作成する。この時点では、数量は“1”である。価格は単価に数量を乗算した金額である。値引額は“0”である。プロセッサ131は、買上商品データを買上商品リスト42に追加する。ただし、既に商品IDが同一の買上商品データが買上商品リスト42に存在する場合には、その既存の買上商品データに今回のデータの数量、価格及び値引額を加算し、買上商品データを追加しない。
かくしてプロセッサ131は、Act56乃至Act60の処理により、買物客の購入予定商品を特定する特定手段を構成する。
買上商品リスト42を更新した後、プロセッサ131は、買上商品データの分類IDから、買上商品が食品であるか否かを判定する(Act61)。買上商品が食品である場合(Act61にてYES)、プロセッサ131は、健康評価処理を実行する(Act62)。買上商品が食品でない場合には(Act61にてNO)、プロセッサ131は、健康評価処理を実行しない。なお、健康評価処理については、後で詳細に説明する。
健康評価処理を終了するか、買上商品が食品でないために健康評価処理を実行しない場合、プロセッサ131は、バーコードデータの送信元であるユーザ端末20宛に登録画面データを送信するように通信インターフェース134を制御する(Act63)。この制御により、通信インターフェース134からバーコードデータ送信元のユーザ端末20を宛先とする登録画面データがLAN17上に送信される。登録画面データには、Act60の処理で作成された買上商品データと、買上商品リスト42に登録されている買上商品データの合計金額とが含まれる。登録画面データは、中継器16から無線送信され、バーコードデータ送信元のユーザ端末20における無線ユニット206で受信される。
バーコードデータを送信したユーザ端末20のプロセッサ201は、支援サーバ13からのデータを待機する(Act11)。データを受信すると(Act11にてYES)、プロセッサ201は、そのデータが登録画面データであるか確認する(Act12)。登録画面データでない場合(Act12にてNO)、プロセッサ201は、そのデータが後述する終了コマンドであるか確認する(Act13)。終了コマンドでもない場合(Act13にてNO)、プロセッサ201は、受信データに応じた処理を実行する。
受信データが登録画面データである場合(Act12にてYES)、プロセッサ131は、タッチパネル204の画面を登録画面SC3に切り替える(Act14)。
図21は、登録画面SC3の一例である。図示するように登録画面SC3には、買上商品データD1に含まれる商品名、単価、数量、価格、値引額等が表示される。また、現時点の合計金額も表示される。さらに登録画面SC3には、ユーザである買物客へのメッセージM3とともに、健康アイコンIC5が表示される。メッセージM3は、買物客に対し、買物を続ける場合には購入する商品のバーコード(商品ID)をカメラユニット205で読み取らせ、会計を行う場合にはPOS端末14に表記されるバーコード(POSID)をカメラユニット205で読み取らせることを案内する。健康アイコンIC5は、健康レポートの閲覧を要求する場合に、ユーザがタッチする。
登録画面SC3を表示させたプロセッサ201は、健康アイコンIC5がタッチされたか確認する(Act15)。健康アイコンIC5がタッチされていない場合(Act15にてNO)、プロセッサ201は、カメラユニット205で撮影された画像からバーコードが読み取られたか確認する(Act16)。バーコードが読み取られていない場合(Act16にてNO)、プロセッサ201は、再び健康アイコンIC5がタッチされたか確認する(Act15)。ここにプロセッサ201は、Act15及びAct16の処理により、健康アイコンIC5がタッチされるかバーコードが読み取られるのを待ち受ける。
Act15及びAct16の待ち受け状態において、タッチパネル204からの信号により健康アイコンIC5がタッチされたことを検知した場合(Act15にてYES)、プロセッサ201は、図14の流れ図に示す手順の処理を実行する。すなわちプロセッサ201は、健康レポート要求コマンドを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する(Act41)。この制御により、無線ユニット206から支援サーバ13を宛先とする健康レポート要求コマンドが無線送信される。健康レポート要求コマンドには、会員IDが含まれる。健康レポート要求コマンドは、中継器16で受信され、LAN17を経由して支援サーバ13に伝送される。
また、Act15及びAct16の待ち受け状態において、バーコードが読み取られた場合には(Act16にてYES)、プロセッサ201は、Act10に戻る。そしてプロセッサ201は、前述したAct10以降の処理と同様の処理を繰り返す。すなわちプロセッサ201は、バーコードデータを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する。
登録画面データを送信したプロセッサ131は、図16に示すように、健康レポート要求コマンドを受信したか確認する(Act64)。健康レポート要求コマンドを受信していない場合(Act64にてNO)、プロセッサ131は、商品IDを受信したか確認する(Act65)。商品IDを受信していない場合(Act65にてNO)、プロセッサ131は、POSIDを受信したか確認する(Act66)。POSIDを受信していない場合(Act66にてNO)、プロセッサ131は、再び健康レポート要求コマンドを受信したか確認する(Act64)。ここにプロセッサ131は、Act64乃至Act66の処理により、健康レポート要求コマンドを受信するか、商品IDを受信するか、POSIDを受信するのを待ち受ける。
Act64乃至Act66の待ち受け状態において、健康レポート要求コマンドを受信した場合には(Act64にてYES)、プロセッサ131は、健康レポート要求コマンドの送信元であるユーザ端末20宛に健康レポートを送信するように通信インターフェース134を制御する(Act67)。この制御により、通信インターフェース134から健康レポート要求コマンド送信元のユーザ端末20を宛先とする健康レポートのデータがLAN17上に送信される。この健康レポートのデータは、中継器16から無線送信され、健康レポート要求コマンド送信元のユーザ端末20における無線ユニット206で受信される。因みに、健康レポートは、後述する健康評価処理によって作成される。
Act64乃至Act66の待ち受け状態において、ユーザ端末20から受信したバーコードデータが商品IDである場合には(Act65にてYES)、プロセッサ131は、図15のAct59に戻る。そしてプロセッサ131は、前述したAct59以降の処理と同様の処理を繰り返す。すなわちプロセッサ131は、POSサーバ11に対して商品情報を要求するように通信インターフェース134を制御する。そして商品情報レコード31Rを受信すると、プロセッサ131は、買上商品リスト42を更新する。また、買上商品が食品である場合には、プロセッサ131は、健康評価処理を実行する。
ここで、健康評価処理について、図17を用いて説明する。
ユーザ端末20で食品の商品IDが読み取られたことにより、支援サーバ13でその食品の買上商品データが生成され、買上商品リストが更新されると、支援サーバ13のプロセッサ131は、健康評価処理を開始する。
先ずプロセッサ131は、評価中フラグが“1”にセットされているか確認する(Act81)。評価中フラグが“0”にリセットされていた場合(Act81にてNO)、プロセッサ131は、メインメモリ132のワークエリアA,B,C,Dをいずれも“0”に初期化する(Act82)。またプロセッサ131は、評価中フラグを“1”にセットする(Act83)。なお、Act82及びAct83の処理は、前後が逆であってもよい。
一方、評価中フラグが“1”にセットされていた場合には(Act81にてYES)、プロセッサ131は、Act82及びAct83の処理を実行しない。Act82及びAct83の処理を終えるか、評価中フラグがセットされていた場合、プロセッサ131は、ワークエリアAに買上商品データの価格を加算する(Act84)。
次いでプロセッサ131は、買上商品データがクーポン対象の商品に係るデータか否かを判定する(Act85)。すなわちプロセッサ131は、取引ファイル40のクーポンリスト43を検索し、買上商品データの商品IDがクーポンリスト43に存在するか否かを判定する。
クーポンリスト43には、後述するAct94の処理において、クーポン情報データベース35に保存されているいずれかのクーポン情報レコード35Rが登録される場合がある。買上商品データの商品IDが、クーポンリスト43内のクーポン情報レコード35Rに含まれる商品IDと一致する場合、プロセッサ131は、買上商品データの商品IDがクーポンリスト43に存在すると判定する。
買上商品データの商品IDがクーポンリスト43に存在する場合(Act85にてYES)、プロセッサ131は、そのクーポン情報レコード35Rの区分と値とから値引額を算出する。すなわち区分が“1”の場合には、プロセッサ131は、値を値引額とする。区分が“2”の場合には、プロセッサ131は、値を割引率として買上商品データの単価と割引率と数量とから値引額を算出する。区分が“3”の場合には、プロセッサ131は、値を変更後価格として買上商品データの単価と変更後価格と数量とから値引額を算出する。プロセッサ131は、買上商品データの値引額を算出値に変更するとともに、ワークエリアBに算出値を加算する(Act86)。またプロセッサ131は、そのクーポン情報レコード35Rに適用フラグを付加する(Act87)。適用フラグは、クーポンが適用されたか否かを識別するための1ビットデータである。なお、Act86及びAct87の処理は、前後が逆であってもよい。
一方、買上商品データの商品IDがクーポンリスト43に存在しない場合には(Act85にてNO)、プロセッサ131は、Act86及びAct87の処理を実行しない。Act86及びAct87の処理を終えるか、買上商品データの商品IDがクーポンリストに存在しない場合、プロセッサ131は、買上商品データが評価対象に該当する商品のデータか否かを判定する(Act88)。すなわちプロセッサ131は、取引ファイル40の会員情報41を検索し、買上商品データの商品IDが会員情報41の項目IDで特定される評価対象商品のものか否かを判定する。
項目IDが商品IDの場合、評価対象商品は、その商品IDで識別される商品である。項目IDが分類コードの場合、評価対象商品は、その分類コードで特定されるカテゴリに属する商品である。
かくしてプロセッサ131は、Act88の処理により、購入予定商品が評価対象の商品であるか否かを判定する判定手段を構成する。
買上商品データが評価対象に該当する商品のデータでない場合(Act88にてNO)、プロセッサ131は、買上商品データの重量をワークエリアCにだけ加算する(Act89)。ワークエリアDには加算しない。これに対し、買上商品データが評価対象に該当する商品のデータである場合には(Act88にてYES)、プロセッサ131は、買上商品データの重量をワークエリアCとワークエリアDとに加算する(Act90)。
Act89またはAct90の処理を終えると、プロセッサ131は、次の(1)式により評価値E%を算出する(Act91)。なお、(1)式において、Cは、ワークエリアCの値であり、Dは、ワークエリアDの値である。
E=(D/C)*100 …(1)
(1)式から明らかなように、評価値E%は、買上商品の総重量に対する評価対象商品の総重量の比率である。この比率が高ければ高いほど、買上商品に含まれる評価対象商品の比重が大きい。つまりは、健康的な買物が実施されていると見做すことができる。
かくしてプロセッサ131は、Act89,Act90及びAct91の処理により、購入予定商品に対する評価対象であると判定された商品の比率を算出する演算手段を構成する。
プロセッサ131は、評価値E%が所定の閾値F未満か否かを判定する(Act92)。閾値Fは、栄養バランスに優れた健康的な買物が実施されているか否かを判定する際の基準値である。評価値E%が閾値F以上のとき、栄養バランスに優れた健康的な買物が実施されていると見做される。逆に、価値E%が閾値F未満のときには、栄養バランスに優れた健康的な買物が実施されていないと見做される。閾値Fは、固定である。あるいは会員情報データベース33に登録されている会員情報レコード33R毎に閾値Fのデータを追加することで、買物客毎に任意の閾値Fを設定できるようにしてもよい。
評価値E%が閾値F未満の場合(Act92にてYES)、プロセッサ131は、取引ファイル40のレシピリスト44を更新する(Act93)。すなわちプロセッサ131は、レシピ情報データベース36を検索する。そして、買上商品リスト42に存在する商品IDを含むもので、レシピリスト44に未登録のレシピ情報レコード36Rを1つ選択する。その際、プロセッサ131は、評価対象商品の商品IDを1つでも多く含むレシピ情報レコード36Rを優先的に選択する。そしてプロセッサ131は、選択したレシピ情報レコード36Rをレシピリスト44に追加する。なお、選択すべきレシピ情報レコード36Rが存在しない場合には、プロセッサ131は、レシピリスト44の更新を行わない。
かくしてプロセッサ131は、Act93の処理により、購入予定商品を食材とするレシピを決定する決定手段を構成する。
次いでプロセッサ131は、取引ファイル40のクーポンリスト43を更新する(Act94)。すなわちプロセッサ131は、クーポン情報データベース35を検索する。そして、レシピリスト44に追加されたレシピ情報レコード36Rに含まれる商品IDのうち評価対象商品の商品IDを対象IDとするもので、クーポンリスト43に未登録のクーポン情報レコード35Rを1つ選択し、クーポンリスト43に追加する。なお、登録すべきクーポン情報レコード35Rが存在しない場合には、プロセッサ131は、クーポンリスト43の更新を行わない。
かくしてプロセッサ131は、Act94の処理により、比率が閾値よりも低いとき、評価対象の商品に対するクーポンを発行する発行手段を構成する。より詳しくは、比率が所定の閾値よりも低いとき、前記決定手段により決定されたレシピに示された食材の中で評価対象の商品でかつ購入予定商品として特定されていない商品に対するクーポンを発行する発行手段を構成する。
一方、評価値E%が閾値F以上の場合には(Act92にてNO)、プロセッサ131は、Act93及びAct94の処理を実行しない。Act93及びAct94の処理を終えるか、評価値E%が閾値F以上の場合、プロセッサ131は、取引ファイル40のデータと、Act91の処理で算出された評価値E%とを基に健康レポートの画像データを作成する(Act95)。以上で、プロセッサ131は、健康評価処理を終了する。
健康評価処理により作成された健康レポートの画像データは、前述したように、その後のAct67の処理で健康レポート要求コマンドを送信したユーザ端末20宛に送信される。
すなわち図14のAct41において、健康レポート要求コマンドを送信したユーザ端末20のプロセッサ201は、健康レポートの画像データを待機する。そして無線ユニット206を介して健康レポートの画像データを受信したならば、プロセッサ201は、タッチパネル204の画面を健康レポート画面SC4とする(Act42)。
図22〜図24は、健康レポート画面SC4の一例である。健康レポート画面SC4は、図22に示すバランス画面SC41と、図23に示すクーポン画面SC42と、図24に示すレシピ画面SC43とからなる。これらの画面SC41,SC42,SC43は、スワイプ操作によって切り替わる。例えば図22において、バランス画面SC41を左側へスワイプ操作することにより、健康レポート画面SC4は、図23のクーポン画面SC42に切り替わる。このクーポン画面SC42を右側へスワイプ操作すると、健康レポート画面SC4は、図21のバランス画面SC41に戻り、左側へスワイプ操作すると、健康レポート画面SC4は、図24のレシピ画面SC43に切り替わる。また、レシピ画面SC43を左側へスワイプ操作すると、健康レポート画面SC4は、図23のクーポン画面SC42に戻る。
バランス画面SC41には、評価値E%を表わすチャートC1と、金額の対比データD2とが表示される。チャートC1は、バランス画面SC41に向かって左端を評価値E=0%の目盛とし、右端を評価値E=100%の目盛とする。そしてその間を目標ガイドGが左右に移動し、現時点の評価値E%を示すポイントで停止する。
かくしてプロセッサ131は、Act67の処理により、比率を買物客に対して報知する報知手段を構成する。
対比データD2は、分数表示のデータであり、その分母の値を合計金額とし、その分子の値をクーポンによる値引額とする。合計金額は前述したワークエリアAの値であり、値引額はワークエリアBの値である。
クーポン画面SC42には、クーポンリスト43に登録されているクーポン情報レコード35Rのうち、適用フラグが付加されていないクーポン情報レコード35Rの画像CPが表示される。適用フラグが付加されていないクーポン情報レコード35Rが複数登録されている場合、クーポン画面SC42には、それぞれの画像CPが表示される。
レシピ画面SC43には、レシピリスト44に登録されているレシピ情報レコード36Rの画像MPが表示される。レシピ情報レコード36Rが複数登録されている場合、レシピ画面SC43には、それぞれの画像MPが表示される。レシピ画面SC43の画像MPは、その画像MPの料理品目(メニュー)を調理するためのレシピを取得するためのアイコンとして機能する。
すなわち、図14のAct42にてタッチパネル204の画面を健康レポート画面SC4としたプロセッサ201は、レシピ画面SC43の画像MPが選択されたか確認する(Act43)。画像MPが選択されていない場合(Act43にてNO)、プロセッサ201は、カメラユニット205で撮影された画像からバーコードが読み取られたか確認する(Act44)。バーコードが読み取られていない場合(Act44にてNO)、プロセッサ201は、再びレシピ画面SC43の画像MPが選択されたか確認する(Act43)。ここにプロセッサ201は、Act43及びAct44の処理により、画像MPが選択されるかバーコードが読み取られるのを待ち受ける。
Act43及びAct44の待ち受け状態において、バーコードが読み取られた場合には(Act44にてYES)、プロセッサ201は、Act10に戻る。そしてプロセッサ201は、前述したAct10以降の処理と同様の処理を繰り返す。
一方、Act43及びAct44の待ち受け状態において、タッチパネル204からの信号により画像MPが選択されたことを検知した場合(Act43にてYES)、プロセッサ201は、レシピ要求コマンドを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する(Act45)。この制御により、無線ユニット206から支援サーバ13を宛先とするレシピ要求コマンドが無線送信される。レシピ要求コマンドには、選択された画像MPを含むレシピ情報レコード36RのレシピIDと会員IDとが含まれる。レシピ要求コマンドは、中継器16で受信され、LAN17を経由して支援サーバ13に伝送される。
支援サーバ13のプロセッサ131は、レシピ要求コマンドを受信すると、このコマンドに含まれるレシピIDが設定されたレシピ情報レコード36Rのレシピ名、画像、調理手順、材料商品ID、分量等の情報を基にレシピ情報画面の画像データを作成する。そしてプロセッサ131は、レシピ要求コマンドの送信元であるユーザ端末20宛にこの画像データを送信するように通信インターフェース134を制御する。この制御により、通信インターフェース134からレシピ要求コマンド送信元のユーザ端末20を宛先とするレシピ情報画面の画像データがLAN17上に送信される。この画像データは、中継器16から無線送信され、レシピ要求コマンド送信元のユーザ端末20における無線ユニット206で受信される。
レシピ要求コマンドを送信したユーザ端末20のプロセッサ201は、画像データを待機する。無線ユニット206を介してレシピ情報画面の画像データを受信すると、プロセッサ201は、タッチパネル204の画面をレシピ情報画面SC5とする(Act46)。
図25は、レシピ情報画面SC5の一例である。図示するように、レシピ情報画面SC5には、レシピ画面SC43で選択された画像MPと、その画像MPで示される料理品目の名称(レシピ名)、食材と分量、調理手順などの情報が表示される。また、レシピ情報画面SC5には保存アイコンIC6が表示される。保存アイコンIC6は、レシピ情報画面SC5のレシピ情報を保存したい場合に買物客がタッチする。
レシピ情報画面SC5を表示させたプロセッサ201は、保存アイコンIC6がタッチされたか確認する(Act47)。保存アイコンIC6がタッチされていない場合(Act47にてNO)、プロセッサ201は、カメラユニット205で撮影された画像からバーコードが読み取られたか確認する(Act48)。バーコードが読み取られていない場合(Act48にてNO)、プロセッサ201は、再び保存アイコンIC6がタッチされたか確認する(Act47)。ここにプロセッサ201は、Act47及びAct48の処理により、保存アイコンIC6がタッチされるかバーコードが読み取られるのを待ち受ける。
Act47及びAct48の待ち受け状態において、バーコードが読み取られた場合には(Act48にてYES)、プロセッサ201は、Act10に戻る。そしてプロセッサ201は、前述したAct10以降の処理と同様の処理を繰り返す。
一方、Act47及びAct48の待ち受け状態において、タッチパネル204からの信号により保存アイコンIC6がタッチされたことを検知した場合には(Act47にてYES)、プロセッサ201は、レシピ情報画面SC5の画像データを補助記憶デバイス203で保存するとともに、保存要求コマンドを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する(Act49)。この制御により、無線ユニット206から支援サーバ13を宛先とする保存要求コマンドが無線送信される。保存要求コマンドには、レシピ情報画面SC5を生成するレシピ情報レコード36RのレシピIDと会員IDとが含まれる。保存要求コマンドは、中継器16で受信され、LAN17を経由して支援サーバ13に伝送される。
支援サーバ13のプロセッサ131は、保存要求コマンドを受信すると、この保存要求コマンドに含まれる会員IDで特定される取引ファイル40のレシピリスト44を検索する。そしてプロセッサ131は、保存要求コマンドに含まれるレシピIDが設定されたレシピ情報レコード36Rに保存フラグを付加する。保存フラグは、レシピ情報の保存が指示されたか否かを識別するための1ビットデータである。
保存要求コマンドを送信したユーザ端末20のプロセッサ201は、Act42に戻る。すなわちプロセッサ201は、タッチパネル204の画面を健康レポート画面SC4に戻す。以後、プロセッサ201は、前述したAct43以降の処理と同様の処理を繰り返す。
このように、図17のAct95の処理で作成される健康レポートには、チャートC1に係るデータと、対比データD2と、クーポン情報レコード35Rの画像CPと、レシピ情報レコード36Rの画像MPとが含まれる。
買物客は、バランス画面SC41のチャートC1から、今回の買物で購入しようとする食品の分類または含有栄養素から求まる現時点の評価値Eを確認することができる。この評価値Eが所望の値よりも低い場合、買物客は、健康的な食品の購入比率が少ないと認識できる。その場合、買物客は、評価対象商品となる食品を購入することで、評価値Eを高めることができる。
評価対象商品となる食品を購入する際、買物客は、クーポン画面SC42を確認する。クーポン画面SC42には、評価対象商品に対するクーポンの画像CPが表示されている。したがって買物客は、クーポン対象の食品を購入することで、評価値Eを高めることができる。このように、買物客にとっては健康的な買物が支援されるだけでなく、クーポンによる値引の特典も得られるので、購買意欲が高まることが期待される。
しかも、バランス画面SC41の対比データD2を見ることによって、買物客は、買上商品の合計金額に対するクーポン値引額の比率を知ることができる。したがって、クーポンによる値引効果を目視により実感することができるので、購買意欲がより一層高まることが期待される。
また買物客は、レシピ画面SC43を閲覧することによって、購入する食品を食材として調理可能な料理の品目を知ることができる。しかも、その料理を調理する上で不足している食材のうち評価対象商品となる食品が、クーポン画面SC42に表示されるクーポンの対象となる。すなわち買物客は、クーポンの特典を受けつつ購入する食品で健康に良い料理品目を知ることができるので、この点からも購買意欲がより一層高まることが期待される。
ところで、ユーザ端末20においては、レシピ画面SC43に表示される料理品目の画像MPにタッチするだけで、その料理品目のレシピ情報が示されるレシピ情報画面SC5が表示される。そして、レシピ情報画面SC5の情報は、この画面SC5の保存アイコンIC6にタッチすることで、補助記憶デバイス203に保存することができる。また、この保存されたレシピ情報画面SC5の情報は、店舗内の情報端末15からプリントアウトすることも可能である。以下、レシピ情報をプリントアウトするまでの動作について、説明する。
買物を終えた買物客は、買上商品の代金を会計するためにPOS端末14に表記されるバーコード(POSID)をカメラユニット205で読み取らせる。このとき、ユーザ端末20のプロセッサ201は、図12のAct16にてバーコードが読み取られたことを認識する。そしてプロセッサ201は、会員IDとともにバーコードデータを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット206を制御する。
支援サーバ13のプロセッサ131は、図16のAct66にてユーザ端末20から受信したバーコードデータがPOSIDであることを認識した場合(Act66にてYES)、そのPOSIDで特定されるPOS端末14宛に、会員IDで特定される取引ファイル40のデータを送信するように通信インターフェース134を制御する(Act68)。この制御により、通信インターフェース134から会員IDで特定される取引ファイル40のデータが、POSIDで特定されるPOS端末14を宛先としてLAN17上に送信される。
POS端末14のプロセッサ141は、通信インターフェース144を介して、補助記憶デバイス143に設定されたPOSIDを宛先とする取引ファイルのデータを受信すると、図18の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ず、プロセッサ141は、取引ファイル40の買上商品リスト42を表示デバイスに表示する(Act101)。そしてプロセッサ141は、代金の支払いデータが入力されるのを待機する(Act102)。キーボードなどの入力デバイスを介して支払いデータが入力されると(Act102にてYES)、プロセッサ141は、決済処理を行う(Act103)。
プロセッサ141は、取引ファイル40のレシピリストを検索し、保存フラグが付加されたレシピ情報レコード36Rが含まれているか確認する(Act104)。保存フラグが付加されたレシピ情報レコード36Rが含まれていない場合(Act104にてNO)、プロセッサ141は、通常レシートの発行を制御する(Act105)。これに対し、保存フラグが付加されたレシピ情報レコード36Rが含まれている場合には(Act104にてYES)、プロセッサ141は、そのレシピ情報レコード36RのレシピIDをバーコード化したレシピID付のレシートの発行を制御する(Act106)。
Act105またはAct106の処理を終えると、プロセッサ141は、会員サーバ12に対して取引ファイル40の会員情報41と買上商品リスト42とを含む購買履歴更新データを送信するように通信インターフェース144を制御する(Act107)。この制御により、通信インターフェース144から会員サーバ12を宛先とする購買履歴更新データがLAN17上に送信される。
購買履歴更新データは、会員サーバ12で受信される。会員サーバ12は、受信した購買履歴更新データを購入履歴データベース34に追加する。
一方、購買履歴更新データを送信したプロセッサ141は、支援サーバ13に対して終了コマンドを送信するように通信インターフェース144を制御する(Act108)。この制御により、通信インターフェース144から支援サーバ13を宛先とする終了コマンドLAN17上に送信される。
図16のAct68にて取引ファイル40のデータを送信し終えた支援サーバ13のプロセッサ131は、終了コマンドを待機する(Act69)。通信インターフェース134を介して、POS端末14からの終了コマンドを受信すると(Act69にてYES)、プロセッサ131は、バーコードデータ送信元のユーザ端末20宛に終了コマンドを転送するように通信インターフェース134を制御する(Act70)。この制御により、通信インターフェース134からバーコードデータ送信元のユーザ端末20を宛先とする終了コマンドがLAN17上に送信される。この終了コマンドは、中継器16から無線送信され、バーコードデータ送信元のユーザ端末20における無線ユニット206で受信される。
ユーザ端末20のプロセッサ201は、図12のAct12及びAct13の待ち受け状態において、終了コマンドを受信すると(Act13にてYES)、登録画面を消去する(Act17)。
図26は、POS端末14から発行されるレシピID付レシートRC1の一例である。図示するように、レシートRC1には、レシピIDを示すバーコードMBが印刷されている。買物客は、このレシートRC1のバーコードMBを、情報端末15のスキャナで読み取らせる。そうすると、情報端末15は、バーコードMBから得られるレシピIDで特定されるレシピ情報レコード36Rを支援サーバ13から取得し、プリントアウトする。プリントアウトは、情報端末15が備えているプリンタから行ってもよいし、情報端末15に対して電気的に接続された複合機等から行ってもよい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分には共通の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
図27は、第2の実施形態における取引ファイル400のデータ構造を示す模式図である。図示するように、取引ファイル400は、会員情報41、買上商品リスト42、クーポンリスト43、レシピリスト44に加えて、購入履歴データ45を含む。購入履歴データ45は、購入履歴データベース34に保存されている購入履歴レコード34Rのうち、会員情報41で特定される会員の過去数日分の買上商品リストである。購入履歴データ45の日数は、例えば7日間というように固定でもよい。あるいは、買物の評価基準をプリセットの基準から変更する際に、日数を任意に設定できるようにしてもよい。
支援サーバ13のプロセッサ131は、図15のAct53の処理で会員情報41を取引ファイル400に格納した後、会員サーバ12に対して所定日数分の購入履歴データを要求するように通信インターフェース134を制御する。この制御により、通信インターフェース134から会員サーバ12を宛先とする購入履歴データの要求コマンドがLAN17上に送信される。購入履歴データには、登録開始要求コマンドに含まれていた会員IDが含まれる。
購入履歴データの要求コマンドは、会員サーバ12で受信される。すると会員サーバ12は、購入履歴データベース34にアクセスし、要求コマンドに含まれる会員IDが設定された所定日数分の購入履歴レコード34Rを一括して読み出す。そして会員サーバ12は、一括して読み出した購入履歴レコード34Rを、要求コマンド送信元の支援サーバ13宛に送信する。
購入履歴データの要求コマンドを送信した支援サーバ13のプロセッサ131は、購入履歴レコード34Rを待機する。そして通信インターフェース134を介して購入履歴レコード34Rを受信すると、プロセッサ131は、この購入履歴レコード34Rに含まれる買上商品リストを、購入履歴データ45として取引ファイル40に格納する。以上の処理により、取引ファイル40には、個人データ、評価区分、項目数n、項目数n分の項目ID等の会員情報41と、過去所定日数分の買上商品リストとが格納される。
かくしてプロセッサ131は、買物客の購入履歴データを取得する取得手段を構成する。
取引ファイル400に格納された購入履歴データ45は、評価値Eを算出する際に用いられる。すなわち支援サーバ13のプロセッサ131は、図17のAct82にてワークエリアA,B,C,Dを“0”に初期化した後、購入履歴データ45について、図17のAct88、Act89及びAct90の各処理と同様の処理を実行する。これらの処理を実行することにより、ワークエリアCには、購入履歴データ45に含まれる買上商品の総重量が記憶される。ワークエリアDには、購入履歴データ45に含まれる買上商品のうち評価対象商品の総重量が記憶される。
したがって、図17のAct91において求まる評価値Eは、本日購入予定商品の総重量に過去所定日数の間に購入した商品の総重量を加えた重量値Cに対する、本日購入予定商品のうちの評価対象商品の総重量に過去所定日数の間に購入した評価対象商品の総重量を加えた重量値Dの比率となる。
その結果、第2の実施形態では、過去所定日数分の購入履歴も考慮して、栄養バランスの良い健康的な買物ができるように買物客を支援することができる。
なお本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、評価値Eを商品の重量から求めたが、別の方法で評価値Eを求めてもよい。例えば購入する全商品の個数とそのうちの評価対象商品の個数とから評価値Eを求めてもよい。また、購入する全商品の金額とそのうちの評価対象商品の金額とから評価値Eを求めることも可能である。
また、前記実施形態では、評価値EをチャートCの形式でユーザ端末20の表示デバイスに表示させることで報知したが、評価値Eの報知方式はこれに限定されるものではない。例えば、評価値Eの値をそのままユーザ端末20の表示デバイスに表示させたり、ユーザ端末20のスピーカ機能を利用して音声により評価値E報知させるようにしてもよい。
なお、支援サーバ13等の装置の譲渡は一般に、買物支援サーバプログラムP2等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡されたプログラムがユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]買物客の購入予定商品を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された購入予定商品が評価対象の商品であるか否かを判定する判定手段と、前記特定手段により特定された購入予定商品に対する前記判定手段により評価対象であると判定された商品の比率を算出する演算手段と、前記演算手段により算出される比率を前記買物客に対して報知する報知手段と、を具備する買物支援サーバ。
[2]前記演算手段により算出された比率が閾値よりも低いとき、前記評価対象の商品に対するクーポンを発行する発行手段、をさらに具備する付記[1]記載の買物支援サーバ。
[3]前記特定手段により特定された購入予定商品を食材とするレシピを決定する決定手段と、前記演算手段により算出された比率が所定の閾値よりも低いとき、前記決定手段により決定されたレシピに示された食材の中で前記評価対象の商品でかつ前記購入予定商品として特定されていない商品に対するクーポンを発行する発行手段と、をさらに具備する付記[1]記載の買物支援サーバ。
[4]買物客の購買履歴データを取得する取得手段、をさらに備え、前記演算手段は、前記特定手段により特定された買物客の購入予定商品と前記取得手段により取得した同一買物客の購買履歴データとから前記比率を算出する付記[1]乃至[3]のうちいずれか1に記載の買物支援サーバ。
[5]各商品を識別する情報を入力可能な入力デバイスと表示デバイスとを備えたユーザ端末とネットワークを介して接続してなり、前記特定手段は、前記入力デバイスを介して入力された前記情報から買物客の購入予定商品を特定し、前記報知手段は、前記比率を表す画像を前記表示デバイスに表示させることで前記比率を前記買物客に対して報知する付記[1]に記載の買物支援サーバ。
[6]各商品を識別する情報を入力可能な入力デバイスと表示デバイスとを備えたユーザ端末とネットワークを介して接続してなるコンピュータに、前記入力デバイスを介して入力された前記情報から買物客の購入予定商品を特定する機能と、前記特定された購入予定商品が評価対象の商品であるか否かを判定する機能と、前記特定された購入予定商品に対する前記評価対象であると判定された商品の比率を算出する機能と、前記比率を表す画像を前記表示デバイスに表示させる機能と、を実現させるための買物支援プログラム。
一実施形態において、買物支援サーバは、登録手段と、判定手段と、演算手段と、報知手段と、を含む。登録手段は、買物客の購入予定商品のデータをリストに登録する。判定手段は、前記リストに登録された購入予定商品が評価対象の商品であるか否かを判定する。演算手段は、前記リストに登録された購入予定商品に係る定量的な値と前記判定手段により評価対象の商品であると判定された商品に係る定量的な値との比率を算出する。報知手段は、前記演算手段により算出された比率を前記買物客に対して報知する。