JP2019044606A - 立軸ポンプ用軸受装置および立軸ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】無潤滑状態で待機運転を行う立軸ポンプにおいて、待機運転時(空転運転時)でも安定して回転軸(立軸)を支持可能な立軸ポンプ用軸受装置を提供する。【解決手段】回転軸表面を覆うスリーブと、前記スリーブから前記回転軸の径方向に第1の間隔を隔てて配置される軸受摺動部材と、前記軸受摺動部材の下部側に設けられ、前記スリーブから前記回転軸の径方向に第2の間隔を隔てて配置されるシールと、前記軸受摺動部材および前記シールを支持する軸受ハウジングと、を備える立軸ポンプ用軸受装置であって、前記シールは、前記回転軸の径方向において、前記スリーブと前記軸受ハウジングとの間に、内周側から外周側に向かって順に、シールリング、シール支持部材、ゴムを有することを特徴とする。【選択図】 図2
Description
本発明は、立軸ポンプの構造に係り、特に、無潤滑状態で待機運転を行う先行待機ポンプに適用して有効な技術に関する。
近年急速な都市化に伴い、集中豪雨時の都市排水機場への雨水流入は、大量かつ急激なものとなっており、都市型洪水発生の危険性が高くなっている。このような問題を回避するためには、緊急時でも速やかに排水する立軸ポンプが必要である。そこで、雨水が排水機場に流入する以前に、ポンプを先行して空転運転させ、雨水が流入してきたら即座に排水運転を行う、先行待機ポンプの需要が高まっている。
この先行待機ポンプにおける軸受は、空転運転時における無潤滑摺動、排水運転時における異物等を含む水潤滑摺動が、繰り返し行われるような環境下において、回転軸を支持する。従来では、空転運転時においても外部注水装置を用いて水潤滑状態を維持し、軸受が焼損するのを防止していた。しかしながら、コストやメンテナンス性の観点から、空転運転時においても外部注水装置を使用せず、無注水軸受を用いるのが現在の主流となっている。
無注水軸受は、回転軸及び回転軸を覆うように設置されたスリーブから、一定の間隔を隔てて支持する円筒状の軸受と、軸受ハウジングにより構成されている。また、スリーブには高強度材料(超硬等)が主に用いられ、軸受には摺動性の良い材料(樹脂等)が主に用いられており、無潤滑摺動及び異物摩耗に長時間耐え得ることができる。
しかしながら、無潤滑摺動と耐摩耗性の両者を完全に両立させることは難しい。そのため、より運転条件の厳しい無潤滑摺動の対処に重点を置くことが多い。例えば無潤滑摺動では、発熱量の過大による軸受の焼損や、スリーブ及び軸受の熱膨張によってクリアランスが消失しスリーブと軸受が接触すること、回転軸のアンバランスや組立時のミスアライメントによってスリーブと軸受が部分的に摺動し周方向において回転軸が局所的に温度上昇し、それに伴い回転軸が曲がり、振動増加や軸受荷重が増加するなどの問題が挙げられる。
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には「異物侵入防止部材(シールリング)を金属ケースの内周側に焼き嵌め、金属ケースの軸方向両端面にOリングを設けて弾性支持する軸受装置」が開示されている。(特許文献1の段落[0036]−[0037]参照)
上記特許文献1では、軸受摺動部材の下部に、軸受隙間よりも隙間が小さく、半径方向に微小に可動できるシールを設けている。これにより、軸受の摺動性を失うことなく、排水運転時に軸と軸受の隙間に侵入する異物を低減でき、スリーブや軸受摺動部材が摩耗により劣化する速度を遅らせることができる。
上記特許文献1では、軸受摺動部材の下部に、軸受隙間よりも隙間が小さく、半径方向に微小に可動できるシールを設けている。これにより、軸受の摺動性を失うことなく、排水運転時に軸と軸受の隙間に侵入する異物を低減でき、スリーブや軸受摺動部材が摩耗により劣化する速度を遅らせることができる。
ところで、上記特許文献1に記載された構造の場合、シールリング(異物侵入防止部材)をゴム(Oリング)によって支持しているため、シールリング(異物侵入防止部材)の剛性が大き過ぎてしまい、軸がシールリングに接触したとしても半径方向に可動できず、シールリングやスリーブが損傷する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、無潤滑状態で待機運転を行う立軸ポンプにおいて、待機運転時(空転運転時)でも安定して回転軸(立軸)を支持可能な立軸ポンプ用軸受装置とそれを用いた立軸ポンプを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、回転軸表面を覆うスリーブと、前記スリーブから前記回転軸の径方向に第1の間隔を隔てて配置される軸受摺動部材と、前記軸受摺動部材の下部側に設けられ、前記スリーブから前記回転軸の径方向に第2の間隔を隔てて配置されるシールと、前記軸受摺動部材および前記シールを支持する軸受ハウジングと、を備える立軸ポンプ用軸受装置であって、前記シールは、前記回転軸の径方向において、前記スリーブと前記軸受ハウジングとの間に、内周側から外周側に向かって順に、シールリング、シール支持部材、ゴムを有することを特徴とする。
また、本発明は、回転軸表面を覆うスリーブと、前記スリーブから前記回転軸の径方向に第1の間隔を隔てて配置される軸受摺動部材と、前記軸受摺動部材の下部側に設けられ、前記スリーブから前記回転軸の径方向に第2の間隔を隔てて配置されるシールと、前記軸受摺動部材および前記シールを支持する軸受ハウジングと、を備える立軸ポンプ用軸受装置であって、前記シールは、前記回転軸の径方向において、前記スリーブと前記軸受ハウジングとの間に、内周側から外周側に向かって順に、シールリング、シール支持部材、バネを有することを特徴とする。
また、本発明は、一端に羽根車が設けられ、他端に駆動モータが設けられた回転軸と、前記羽根車および前記回転軸を内包し、駆動時に流体の流路となるポンプケーシングと、前記回転軸を前記ポンプケーシングに回転可能に支持する軸受と、を有する立軸ポンプであって、前記軸受に、上記のいずれかの立軸ポンプ用軸受装置を用いることを特徴とする。
本発明によれば、無潤滑状態で待機運転を行う立軸ポンプにおいて、待機運転時(空転運転時)でも安定して回転軸(立軸)を支持可能な立軸ポンプ用軸受装置とそれを用いた立軸ポンプを実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において、同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1から図3および図8,図9を参照して、実施例1の立軸ポンプ用軸受装置とそれを用いた立軸ポンプについて説明する。図1は本発明の対象となる立軸ポンプの全体概要を示している。図2は本実施例の軸受構造を示す縦断面図である。図3は本実施例の立軸ポンプの軸受部の水平断面図であり、本図のA−A’部断面が図2に相当する。図8は本発明を分かり易くするために示す代表的な立軸ポンプの軸受構造(比較例)を示す図であり、図9はその拡大図である。
先ず、図1を用いて本発明の対象となる立軸ポンプについて説明する。図1に示すように、立軸ポンプ1は、鉛直方向に延び回転する回転軸2の下端部に、羽根車3が固定されており、羽根車3の下方から羽根車3の外周部を覆い、さらに上方にまでポンプケーシング4が延びている。ポンプケーシング4は、羽根車3の部分を除いてほぼ円筒形に形成されており、中心部を回転軸2が貫通している。ポンプケーシング4の内部は、揚水の流路を形成する。
ポンプケーシング4の内部を貫通する回転軸2は、上下方向の複数個所(本実施例では5a,5bの2ヶ所)において、無注水軸受5(5a,5b)によって回転可能に支持されている。図1の立軸ポンプ1では、羽根車3の近傍において、一方の無注水軸受5aが設けられており、立軸ポンプ1の設置面である床面(図1のハッチング部分)よりも下方であって、この立軸ポンプ1を駆動する駆動モータ6にカップリング7を介して接続される回転軸2の途中に、無注水軸受5bが設置されている。
すなわち、立軸ポンプ1は、一端に羽根車3が設けられ、他端に駆動モータ6が設けられた回転軸2と、羽根車3および回転軸2を内包し、立軸ポンプ1の駆動時に流体(水)の流路となるポンプケーシング4と、回転軸2をポンプケーシング4に回転可能に支持する軸受(無注水軸受5)を有している。
次に、図8および図9を用いて、本発明の比較例である代表的な立軸ポンプの軸受部について説明する。図8は図1の立軸ポンプ1が備える無注水軸受5(5a,5b)の縦断面図を示しており、無注水軸受5a,5b部の両方、もしくは少なくともいずれか一方が図8に示す構成を有している。無注水軸受5は、回転軸2の外周面に隣接した、スリーブ8に対向して配置される、リング状(環状)の軸受摺動部材9と、このリング状の軸受摺動部材9を保持する円筒状の軸受ハウジング10とを有している。また、軸受摺動部材9の下部には、同様にスリーブ8に対向して配置される、リング状のシール11が設けられている。
次に、上記シール11の詳細を、図9を用いて説明する。図9は図8のシール11周辺の拡大図である。図9に示すように、シール11は、スリーブ8に対向して配置されたシールリング12と、このシールリング12を保持するリング状のシール支持部材13を備えており、シール支持部材13の上面と下面が、リング状のゴム14を介して、軸受ハウジング10との間に間隙を有して支持されている。ゴム14は、軸受ハウジング10及びシール支持部材13に設けられた溝15aに固定(嵌合)されており、軸受ハウジング10及びシール支持部材13の溝15aに対向する位置にはそれぞれ溝15bが設けられている。なお、溝15bはゴム14の幅に比べて大きく加工されている。また、スリーブ8とシールリング12の隙間(以降、「シール隙間」とも呼ぶ)は、スリーブ8と軸受摺動部材9の隙間(以降、「軸受隙間」とも呼ぶ)よりも小さくなっている。
立軸ポンプ1の下部から吸い上げられた雨水は、そのほとんどが軸受ハウジング10の外側を通過して、揚水されるが、一部は上記のシール隙間および軸受隙間内に流れ込む。ゴム14は、雨水がシール支持部材13の上面と下面の隙間から侵入するのを防ぎ、内部に土砂などの異物が堆積するのを防止している。また、シール隙間が軸受隙間よりも小さいことにより、軸受隙間よりも大きな異物が隙間内に侵入するのを防止し、軸受摺動部材9が摩耗により劣化する速度を遅らせることができる。一方、シール隙間が軸受隙間よりも大きい場合、回転軸2は常に振動しているため、軸受隙間よりも大きい異物が隙間内に侵入する可能性があり、スリーブ8や軸受摺動部材9が摩耗もしくは損傷する恐れがある。
また、裏金(シール支持部材)13と軸受ハウジング10の間の隙間及び、溝15bがゴム14の幅に対して大きいことにより、シール11は回転軸2の回転方向及び半径方向に、微小に可動することができるよう設計されている。これにより、スリーブ8がシールリング12に接触したとしても、回転による軸の片当たりを許容でき、半径方向の移動により、荷重は軸受で負担できるという思想である。
しかしながら、このようなシールの支持方法では、ゴム14の剛性が大き過ぎてしまい、スリーブ8がシールリング12に接触したとしても、半径方向には可動できず、シールリング12での荷重分担が大きくなる。そのため、その部分での発熱量が大きくなり、両者が損傷する可能性が高くなる。特に、立軸ポンプ1の待機運転時(空転運転時)には無潤滑摺動となるため、損傷のリスクは顕著となる。また、排水運転時にゴム14の側面に掛かる水圧が大きく、ゴム14が外れてしまうこともある。
そこで、本実施例の立軸ポンプでは、図2および図3に示す軸受装置(軸受構造)を設けている。上述した比較例(図9)においてシール支持部材13の上面と下面に設けられていたゴム14を、本実施例の軸受構造のシール11では、図2,図3に示すように、シール支持部材13の外周面(シール11の径方向におけるシール支持部材13の外周面側)に接するように設け、さらにゴム14は、ゴム14の外周面側(シール11の径方向における軸受ハウジング10の内周面側)に円周状に複数個設けられた、バネ16により支持されている。
すなわち、本実施例の軸受装置(無注水軸受5)は、回転軸2の表面を覆うスリーブ8と、スリーブ8から回転軸2の径方向に一定の間隔(第1の間隔)を隔てて配置される軸受摺動部材9と、軸受摺動部材9の下部側に設けられ、スリーブ8から回転軸2の径方向に一定の間隔(第2の間隔)を隔てて配置されるシール11と、軸受摺動部材9およびシール11を支持する軸受ハウジング10を備えている。そして、シール11は、回転軸2の径方向において、スリーブ8と軸受ハウジング10との間に、内周側から外周側に向かって順に、シールリング12、シール支持部材(裏金)13、ゴム14、バネ16を有している。
これにより、シール11の剛性が低減するため、シール11は半径方向に可動し易くなり、スリーブ8やシールリング12の損傷を防止することができる。また、シール支持部材(裏金)13と軸受ハウジング10との間に間隙を設けないため、シール11内に異物が侵入し難くなる。
また、ゴム14に直接掛かる水圧はほとんどなくなるため、ゴム14が外れるのを防止することができる。また、比較例(図9)のような溝15a、15bの加工が必要なくなり、加工コストを削減できる。
以上説明したように、本実施例の立軸ポンプ用軸受装置によれば、比較例(図9)に対して、シール11のシール性能を向上することができる。また、シール性能を損なうことなく、シール11の追従性を向上し、空転運転時でもシールリング12やスリーブ8の損傷を防止することができる。
なお、本実施例では、シール支持部材(裏金)13と軸受ハウジング10との間に間隙を設けないため、シール支持部材13には摺動性のよい樹脂などを用いるのが好適である。
また、スリーブ8とシール11(シールリング12)との間隔(第2の間隔)は、スリーブ8と軸受摺動部材9との間隔(第1の間隔)よりも狭くするのが望ましい。スリーブ8と軸受摺動部材9との間隔(第1の間隔)よりも大きな異物が隙間内に侵入するのを防止し、軸受摺動部材9が摩耗により劣化する速度を遅らせることができる。
また、本実施例においては、本発明の軸受装置(軸受構造)を立軸ポンプに適用する例を示したが、適用可能なポンプの種類はこれに限定されるものではなく、横軸ポンプにも適用することが可能であり、本実施例と同様の効果を得ることができる。
図4を参照して、実施例2の立軸ポンプ用軸受装置について説明する。図4は本実施例の軸受構造を示す縦断面図であり、実施例1の図2に相当する。実施例1(図2)においては、バネ16をゴム14の外周面に接触するよう設けているのに対し、本実施例のシール11では、図4に示すように、バネ16がゴム14を貫通してシール支持部材13に接触するように構成されている点において、実施例1(図2)のシール11の構造とは異なっている。
すなわち、本実施例の軸受装置(無注水軸受5)は、径方向において、回転軸2(スリーブ8)と軸受ハウジング10との間に、内周側から外周側に向かって順にシールリング12、シールリング12を支持するシール支持部材(裏金)13、ゴム14、バネ16を備えており、バネ16はゴム14に設けられた貫通孔を貫通してシール支持部材13と直接連結するように構成されている。シール11を本実施例(図4)のように構成することで、実施例1(図2)よりもシール11の剛性をさらに低減することができる。
なお、(回転軸2の回転軸方向において)シール支持部材13と軸受ハウジング10との隙間がほとんど無いため、異物はほぼ侵入することはないが、漏水の可能性が考えられるため、バネ16は耐食性の高い金属材料を用いて形成するのがより望ましい。その他の構成及び効果は実施例1と同様である。
図5を参照して、実施例3の立軸ポンプ用軸受装置について説明する。図5は本実施例の軸受構造を示す縦断面図であり、実施例1の図2に相当する。実施例1(図2)においては、ゴム14をシール支持部材(裏金)13の外周面側に配置し、さらにバネ16をゴム14の外周面に接触するように設けているのに対し、本実施例のシール11では、図5に示すように、バネ16をシール支持部材(裏金)13の外周面に直接接触するように設け、さらにゴム14をシール支持部材13の上面もしくは下面のいずれか一方のみに設けている点において、実施例1(図2)のシール11の構造とは異なっている。
すなわち、本実施例の軸受装置(無注水軸受5)は、径方向において、回転軸2(スリーブ8)と軸受ハウジング10との間に、内周側から外周側に向かって順にシールリング12、シールリング12を支持するシール支持部材(裏金)13、バネ16を備えており、シール支持部材(裏金)13の上面もしくは下面(回転軸2の軸方向における上面もしくは下面)と軸受ハウジング10との間にゴム14が設けられている。
シール11を本実施例(図5)のように構成することで、ゴム14の接触面積が小さくなるため、実施例1よりもシールの剛性を低減でき、回転軸2の回転方向にも可動できるようになる。シールリング12の幅は軸受摺動部材9の幅に比べて小さいため、回転方向の移動はあまり必要ないが、シールリング12の幅が大きくなる場合には本実施例の構成は有利である。
なお、ゴム14に掛かる水圧は比較例(図9)と同様になるため、ゴム14がシール支持部材(裏金)13の溝15aから外れるのを防ぐため、溝15aの深さはゴム14の高さの1/2以上とするのが望ましい。その他の構成及び効果は実施例1と同様である。
図6を参照して、実施例4の立軸ポンプ用軸受装置について説明する。図6は本実施例の軸受構造を示す縦断面図であり、実施例1の図2に相当する。実施例1(図2)においては、バネ16をゴム14の外周面に接触するよう設けているのに対し、本実施例のシール11では、図6に示すように、バネ16を設けずに、シール支持部材(裏金)13と軸受ハウジング10の間の隙間を一体物のゴム14で埋めるように構成している点において、実施例1(図2)のシール11の構造とは異なっている。
すなわち、本実施例の軸受装置(無注水軸受5)は、径方向において、回転軸2(スリーブ8)と軸受ハウジング10との間に、内周側から外周側に向かって順にシールリング12、シールリング12を支持するシール支持部材(裏金)13、ゴム14を備えており、ゴム14はシール支持部材(裏金)13と軸受ハウジング10の間の隙間を埋めるように構成されている。シール11を本実施例(図6)のように構成することで、実施例1(図2)よりもシール11の剛性は高くなるものの、ゴム14が外れる可能性がなくなり、無注水軸受5の信頼性を向上することができる。
図7を参照して、実施例5の立軸ポンプ用軸受装置について説明する。図7は本実施例の軸受構造を示す縦断面図であり、実施例2(図4)の変形例である。実施例2(図4)においては、バネ16がゴム14を貫通してシール支持部材13に接触するように構成されているのに対し、本実施例のシール11では、ゴム14を設けずに、バネ16が直接シール支持部材13に接触するように構成されている点において、実施例2(図4)のシール11の構造とは異なっている。
すなわち、本実施例の軸受装置(無注水軸受5)は、径方向において、回転軸2(スリーブ8)と軸受ハウジング10との間に、内周側から外周側に向かって順にシールリング12、シールリング12を支持するシール支持部材(裏金)13、バネ16を備えており、バネ16はシール支持部材13と直接連結するように構成されている。シール11を本実施例(図7)のように構成することで、シール11(シール支持部材(裏金)13)が径方向に対して摺動する際に、実施例2(図4)よりもシール11の剛性をさらに低減することができる。
なお、本実施例においても、実施例2(図4)と同様に、バネ16は耐食性の高い金属材料を用いて形成するのがより望ましい。その他の構成及び効果は実施例2と同様である。
以上説明した各実施例によれば、無潤滑状態で待機運転を行う立軸ポンプにおいて、待機運転時(空転運転時)でも安定して回転軸(立軸)を支持可能な立軸ポンプ用軸受装置とそれを用いた立軸ポンプを実現することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…立軸ポンプ、2…回転軸、3…羽根車、4…ポンプケーシング、5,5a,5b…無注水軸受、6…駆動モータ、7…カップリング、8…スリーブ、9…軸受摺動部材、10…軸受ハウジング、11…シール、12…シールリング、13…シール支持部材(裏金)、14…ゴム、15a,15b…溝、16…バネ。
Claims (8)
- 回転軸表面を覆うスリーブと、
前記スリーブから前記回転軸の径方向に第1の間隔を隔てて配置される軸受摺動部材と、
前記軸受摺動部材の下部側に設けられ、前記スリーブから前記回転軸の径方向に第2の間隔を隔てて配置されるシールと、
前記軸受摺動部材および前記シールを支持する軸受ハウジングと、を備える立軸ポンプ用軸受装置であって、
前記シールは、前記回転軸の径方向において、前記スリーブと前記軸受ハウジングとの間に、内周側から外周側に向かって順に、シールリング、シール支持部材、ゴムを有することを特徴とする立軸ポンプ用軸受装置。 - 請求項1に記載の立軸ポンプ用軸受装置であって、
前記ゴムと前記軸受ハウジングとの間に、さらにバネを有することを特徴とする立軸ポンプ用軸受装置。 - 請求項2に記載の立軸ポンプ用軸受装置であって、
前記ゴムは、前記回転軸の径方向に貫通する貫通孔を有し、
前記バネは、前記貫通孔を貫通して、前記シール支持部材に直接連結されることを特徴とする立軸ポンプ用軸受装置。 - 請求項2に記載の立軸ポンプ用軸受装置であって、
前記ゴムは、前記回転軸の軸方向において、前記シール支持部材の上面および下面のいずれか一方に配置されることを特徴とする立軸ポンプ用軸受装置。 - 請求項1に記載の立軸ポンプ用軸受装置であって、
前記ゴムは、前記シール支持部材と前記軸受ハウジングとの間の間隙を埋めるように配置されることを特徴とする立軸ポンプ用軸受装置。 - 回転軸表面を覆うスリーブと、
前記スリーブから前記回転軸の径方向に第1の間隔を隔てて配置される軸受摺動部材と、
前記軸受摺動部材の下部側に設けられ、前記スリーブから前記回転軸の径方向に第2の間隔を隔てて配置されるシールと、
前記軸受摺動部材および前記シールを支持する軸受ハウジングと、を備える立軸ポンプ用軸受装置であって、
前記シールは、前記回転軸の径方向において、前記スリーブと前記軸受ハウジングとの間に、内周側から外周側に向かって順に、シールリング、シール支持部材、バネを有することを特徴とする立軸ポンプ用軸受装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の立軸ポンプ用軸受装置であって、
前記第2の間隔は前記第1の間隔よりも狭いことを特徴とする立軸ポンプ用軸受装置。 - 一端に羽根車が設けられ、他端に駆動モータが設けられた回転軸と、
前記羽根車および前記回転軸を内包し、駆動時に流体の流路となるポンプケーシングと、
前記回転軸を前記ポンプケーシングに回転可能に支持する軸受と、を有する立軸ポンプであって、
前記軸受に、請求項1から7のいずれか1項に記載の立軸ポンプ用軸受装置を用いることを特徴とする立軸ポンプ。
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Cited By (1)
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CN111911447A (zh) * | 2020-07-30 | 2020-11-10 | 兖矿集团有限公司 | 一种磁力泵用防震泵轴组件及磁力泵 |
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- 2017-08-30 JP JP2017165273A patent/JP2019044606A/ja active Pending
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