JP2018132830A - ニューラルネットワーク構築方法、ニューラルネットワーク装置及びニューラルネットワーク装置更新方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ニューラルネットワークを構築するニューラルネットワーク構築方法は、畳み込みニューラルネットワークを設計し、所定の学習データを用いて学習させることによって、前記畳み込みニューラルネットワークを構築する構築ステップと、前記構築した前記畳み込みニューラルネットワークを論理回路でハードウェア化するハードウェア化ステップと、を含む。前記畳み込みニューラルネットワークは、ディープラーニングによって学習され、FPGAに畳み込みニューラルネットワークのパラメータを書き込むことによって、論理回路でハードウェア化した前記畳み込みニューラルネットワークを構築することができる。
【選択図】図1
Description
畳み込み層は、一般的な画像処理におけるフィルター(例えば、ラプラシアンフィルター等)とほぼ同様の処理を実行するが、フィルターの内容が学習によって決定していく点が、通常のフィルターと異なる。ここで、そのフィルターの値がニューラルネットにおける重みに相当する。
プーリング層は、例えば、画像中の一定の領域内の最大値を取る等の手法で、画像解像度を落とす処理が実行される。プーリングとは、例えば画像処理の場合、フィルター結果について物体の画像中の位置への依存性を減らすために、画素を間引く処理と考えることもできる。
その結果、NN、特にディープラーニングを実現しうるCNN等のコンピュータ装置は大規模なものとなりがちであり、一般的な家庭電化製品に実装することは困難であった。
例えば、CNNを1チップから数チップのLSIで実現できれば、小型の家庭電化製品等にも実装しやすくなり、好適であるが、そのような手法は未だ知られていない。そのため、小型の家庭電化製品等や、産業機器にも搭載可能なCNNを実現する手法が望まれている。
3層程度のレイヤー構造を採用するNNをハードウェア化しようとする試みは、既に種々の提案がなされている。例えば、下記特許文献1においては、3層のNNのシナプスの荷重に上限値と下限値とを与える構成が開示されている。このような構成によって、学習によるシナプス荷重が収束しやすくなり、ハードウェア化を行いやすくなると記述されている。
また、下記特許文献2においては、ソフトウェアで実現されている3層のNNを、効率よくハードウェア化する技術が開示されている。そして、NNのニューロンを、その応答関数を記録したROM又はRAMで構成することによって、NNを効率よくハードウェア化できると記載されている。
本発明は上記事情に鑑み、ディープラーニングに用いられるCNNを、より小型のハードウェアで実現し、家庭電化製品や産業機器等に容易に実装できる仕組みを提供することを目的とする。
このニューラルネットワーク装置(以下、NN装置と呼ぶ)は、例えば家庭電化製品、オフィス製品等を想定している。なお、NN装置としてはこれらにとどまらず、例えば産業機器など、今後新たに登場する各種機器・装置も含めることができる。
まず、ニューラルネットワーク開発者は、ディープラーニング技術に基づき、所定の目的のNNの構築(ここでは、例えばCNNの構築)を行う(ステップS1)。NNの構築は、NNの設計、すなわち、CNNの構成、ニューロン数、レイヤー数等の設計が含まれる。さらに、NNの構築には、目的に応じた学習も含まれる。この学習に際して、学習用のデータの作成、及びそれを用いたディープラーニング技術による学習等を行う。これらのNNの構築(設計・学習含む)は、既存の仕組みを用いて行って良く、例えば上述したGPU等でCNNを構成し、学習させることによってCNNを構築することが好適である。このステップS1は、請求の範囲の構築ステップの好適な一例に相当する。
BCNNは、例えば、次の論文にその一例が詳しい内容が記載されている。
"Mohammad et al.,: XNOR-Net:ImageNet Classification Using Binary Convolution Neural Networks. arXiv reprint arXiv:1603.05279v4(2 Aug. 2016)"
この論文におけるBCNNは、CNNのweightsとinputとをBinarization(2値化)したものであり、メモリ使用量が1/32、演算速度が58倍高速化されると記載されている。従来のCNNのデータやパラメータは、32ビット〜64ビットの浮動小数点データであるのに対して、大幅なデータ量、パラメータ量の削減をすることが可能である。この結果、後述するようなハードウェア化を容易に行うことができる。
QCNNは、例えば、次の論文にその一例の詳しい内容が記載されている。
"Wu et al.,: Qantized Convolutional Neural Networks: Training Neural Networks with Low Precision Weights and Activations. arXiv reprint arXiv:1609.07061v1(22 Sep. 2016)"
また、QNNについては、例えば、下記の論文にその一例の詳細が記載されている。
"Hubara et al.,: Qantized Neural Networks: Training Neural Networks with Low Precision Weights and Activations. arXiv reprint arXiv:1609.07061v1(22 Sep. 2016)”
この論文のQNNにおいては、CNNのweightsとactivationnsとがさまざまに量子化されている。例えば、特に1ビット幅に量子化することも好適であり、メモリやパラメータの演算量等を大幅に減少させることができると記載されている。1ビットに量子化の場合は、32ビットの数値演算を行う例(例えばAlexNet)との比較で、51%の正確性が実現されると上記QNNの論文には記載されている。
次に、ステップS1で構築(設計・学習を含む)したCNNを、ハードウェア化する(ステップS2)。ハードウェア化は、構築したCNNのパラメータを用いて、そのCNNと同様の動作を実行するハードウェアを製作することによって実行される。製作したハードウェアを特に、ハードウェア化NNと呼ぶ。このステップS2は請求の範囲のハードウェア化ステップの好適な一例に相当する。
従来、NNの構築には、上述したように、コンピュータのソフトウェアを利用して仮想的に構築する場合や、GPU等を利用して構築する場合等があるが、いずれにしても大型の装置となりがちである。したがって、従来は、NNを小型の装置(例えば家庭電化製品等)に実装することは困難であった。
なお、ステップS3における製造の対象であるNN装置は、NNを実装することができる全ての装置を含む。家庭電化製品以外にも、各種産業機器、運輸・交通機器、各種工作機械や重機等、種々の装置を、本実施形態における製造対象(NN装置)とすることができる。
このようにして入力されたデータが、研究製造会社が管理している登録データベースに登録される。登録データベースは、研究製造会社(の管理サーバ)が管理してよいが他の主体が管理してもよい。なお、登録データベースへの登録はインターネット経由以外の方法でもよい。例えばエンドユーザは、上記エンドユーザの氏名や住所、NNのバージョン情報等の情報を書面に記入して郵送やFAXで研究製造会社又は登録データベースの管理会社に送付してもよい。
図1で説明したように、NNは、ある所定の学習が完了したことを以て、そのNNが完成する。そして、完成したNNを実装したNN装置が製造・販売される。しかし、製造・販売後も上記研究販売会社が当該NNの学習を続行し、よりよいNNを構築することも好ましい。例えば、調理器においては、新しい食材が利用できる場合は、新しい食材に対する学習が必要である。そのため、調理器(NN装置)を製造・販売後も学習を続行し、新しい食材や、新しいメニューに対応させた(改良された)NNを構築することも好適である。そして、この改良されたNNを、既に販売されたNN装置に新たに導入させることができればエンドユーザにとって調理器(NN装置)の利便性が向上して好ましい。このような処理を実現するためには、例えば、そのNN装置がNN装置の研究販売会社と通信可能に構成されていることが好適である。
通信部12は、研究製造会社と通信を行い、上述したステップS5における登録や、NNの更新データ(後に詳述する)を受信する通信のための手段である。例えば、インターネットに接続する通信インターフェースとそのドライバソフトウェア等で構成することが好適であるが、他の通信手段でもよい。外部のネットワーク接続し、NNの更新データを受信することができればどのような手段でもよい。
したがって、周囲にインターネット通信環境が利用できない場合(上記通信部12が使用できない場合)等でも、更新データが格納された外部記憶装置15から更新データを入力する(読み出す)ことができる。例えば、外部入出力部14として、USBメモリインターフェースを用いて、USBメモリを介してNNの更新データを入力してもよい。外部入出力部14は、USBメモリ等の外部記憶装置15から、NNの更新データを入力することができればどのような手段でもよい。
NN制御部16は、例えば、NN装置10のCPUと、このCPUが実行するプログラムと、から構成することができる。本実施形態で説明するNN制御部16の動作はこのプログラムで記述されている。
装置制御部20は、NN装置10のCPUと、このCPUが実行するプログラムと、から構成してよい。また、例えば、NN制御部16と共通のプログラムで実現されていてもよい。
上述したように、研究製造会社は、NN装置10を販売した後も、そこに実装されているNN(NN−FPGA18で実現されているCNN)の学習を続行し、改良を行うことが好適である(ステップS10)。
なお、ステップS11は、請求の範囲の送信ステップの好適な一例に相当する。また、研究製造会社の管理サーバは、請求の範囲の更新サーバの好適な一例に相当する。言い換えれば、研究製造会社の管理サーバは、登録データベースを関しており、請求の範囲の更新サーバとして機能する。そして、この管理サーバが、ステップS11の送信の動作(請求の範囲の送信ステップの動作)を実行することが好適である。本実施形態では、管理サーバが登録データベースを備えており、更新サーバとして動作する例を説明する。しかし、登録データべースを他のユーザのアフターサービス等で利用し、管理サーバ・更新サーバとは別体に構成してもよい。
また、ステップS12は、請求の範囲の受信ステップの好適な一例に相当する。すなわち、受信とは、外部記憶装置15に更新データが書き込まれるまでの動作をいう。また、SDカードやUSBメモリメモリは、請求の範囲の外部記憶装置15の好適な一例に相当する。外部記憶装置15としては、磁気的(ハードディスク装置、磁気カード)、光学的(DVD記憶装置、CD記憶装置)、電気的(半導体記憶装置、ICカード)にデータを記憶可能な手段であれば、その他種々の記憶手段を用いることができる。
なお、インターネットを介した更新を行わない場合は、NNの更新データが格納されたUSBメモリ(SDカード、その他不揮発性記憶手段でよい)を、NN装置10のエンドユーザに郵送することも好適である。このように郵送されてきた場合は、エンドユーザが郵送物(USBメモリ)を受け取り、そのUSBメモリを外部入出力部14に接続する。外部入出力部14はUSBインターフェースを含み、接続されたUSBメモリ内の更新データをNN制御部16に送信することができる。
NN制御部16は、いずれの場合も、外部入出力部14から更新データを受信し、受信した更新データをNN−FPGA18に書き込む。NN−FPGA18に書き込むことによってNNの内容を更新する(ステップS13)。
これによって、NN装置10は、より優れたNNが実装され、エンドユーザにとってより便利なNN装置10が実現される。ステップS13は、請求の範囲の更新ステップの好適な一例に相当する。また、NN制御部16は、請求の範囲のニューラルネットワーク制御部の好適な一例に相当する。
更新が完了した後、NN制御部16は、更新が完了した旨のメッセージを返すように通信部12に指示を行う。通信部12は、当該メッセージをインターネット等を介して研究製造会社に送信する(ステップS14)。ステップS14は、請求の範囲の更新完了送信ステップの好適な一例に相当する。
研究製造会社は、更新が完了した旨のメッセージを受信すると、それに基づき、登録データベース中にNNの内容が更新された旨の情報や、NNの更新データのバージョン番号等を登録し、更新する(ステップS15)。更新が完了した旨のメッセージが郵送で送られてきたときも、同様に登録データベースを更新することが好適である。また、ステップS15は、請求の範囲の登録データベース更新ステップの好適な一例に相当する。
このような図3に示す処理によって、販売された後でもNNの内容を更新することができ、エンドユーザに対してより優れたNN装置10を提供することができる。
上で説明した図3に示す構成では、通信部12と外部入出力部14と、が備えられている例を示したが、通信部12は通常は備えていないような形態を採用してもよい。この場合は、SDカード等からのみNNの更新を行うことができる。また、NN装置10とは別体のパソコン等において、更新データをSDカードにダウンロードし、更新データをダウンロードしたSDカードを用いてNN装置10の更新を行ってもよい。
また、図3における説明では、研究製造会社の更新サーバが更新データを送信する構成を説明したが、更新データのアクセス先アドレスのみをNN装置10に送信し、NN装置10の通信部12が、そのアドレスにアクセスし、更新データをダウンロードするように構成してもよい。このようにNN装置10側がダウンロードしにいくような構成でも、実質的には「更新データの送信、更新データの受信」と同等であり、本発明の範囲に含まれる。
また、更新データは、NN装置10のNN(NN−FPGA18)の全てのパラメータ等を更新するデータでもよいし、一部の更新部分のみを更新するデータであってもよい。
また、上記実施形態では、ハードウェア化したNNとして、FPGAを用いる例を説明したが、プログラム可能なデバイスであれば他のデバイスを用いてもよいし、当該他のデバイスと、FPGAとを組み合わせて構成としてもよい。
12…通信部
14…外部入出力部
15…外部記憶装置
16…NN制御部
18…NN−FPGA
20…装置制御部
Claims (14)
- ニューラルネットワークを構築するニューラルネットワーク構築方法であって、
畳み込みニューラルネットワークを設計し、所定の学習データを用いて学習させることによって、前記畳み込みニューラルネットワークを構築する構築ステップと、
前記構築した前記畳み込みニューラルネットワークを論理回路でハードウェア化するハードウェア化ステップと、
を含み、論理回路でハードウェア化した前記畳み込みニューラルネットワークを構築する
ことを特徴とするニューラルネットワーク構築方法。 - 前記畳み込みニューラルネットワークは、ディープラーニングを実行できる量子化ニューラルネットワークである
ことを特徴とする請求項1記載のニューラルネットワーク構築方法。 - 前記畳み込みニューラルネットワークは、ディープラーニングを実行できる2値化ニューラルネットワークである
ことを特徴とする請求項1記載のニューラルネットワーク構築方法。 - 前記ハードウェア化ステップは、前記論理回路としてプログラマブルロジックデバイスを用い、前記畳み込みニューラルネットワークのパラメータを、前記プログラマブルロジックデバイスに書き込むことによって、ハードウェア化した記畳み込みニューラルネットワークを構築する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のニューラルネットワーク構築方法。 - 前記プログラマブルロジックデバイスは、FPGAである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のニューラルネットワーク構築方法。 - ニューラルネットワークを備えたニューラルネットワーク装置であって、
論理回路を用いてハードウェア化した前記ニューラルネットワークと、
前記ニューラルネットワークの内容を更新するニューラルネットワーク制御部と、
を有し、
前記ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークのパラメータが書き込まれたプログラマブルロジックデバイスであり、
前記ニューラルネットワーク制御部は、前記プログラマブルロジックデバイスに更新された畳み込みニューラルネットワークの更新データを書き込む
ことを特徴とするニューラルネットワーク装置。 - 前記畳み込みニューラルネットワークは、ディープラーニングを実行できる量子化畳み込みニューラルネットワークである
ことを特徴とする請求項6記載のニューラルネットワーク装置。 - 前記畳み込みニューラルネットワークは、ディープラーニングを実行できる2値化畳み込みニューラルネットワークである
ことを特徴とする請求項6記載のニューラルネットワーク装置。 - 前記プログラマブルロジックデバイスは、FPGAである
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のニューラルネットワーク装置。 - 外部記憶装置に対して前記更新データの書き込み及び読み出しを行う外部入出力部、
を備え、
前記ニューラルネットワーク部は、前記外部入出力部が前記外部記憶装置から読み出した前記更新データを前記プログラマブルロジックデバイスに書き込む
ことを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載のニューラルネットワーク装置。 - 外部のネットワークから前記更新データを受信する通信部、
を備え、前記ニューラルネットワーク制御部は、前記通信部が受信した前記更新データを、前記外部入出力部に対して送り、前記外部入出力部は、前記送られてきた前記更新データを前記外部記憶装置に書き込み、
さらに、前記外部入出力部は、前記外部記憶装置から前記更新データを読み出して、読み出した前記更新データを前記ニューラルネットワーク制御部に送り、前記ニューラルネットワーク制御部は、送られてきた前記更新データを、前記プログラマブルロジックデバイスに書き込む
ことを特徴とする請求項10に記載のニューラルネットワーク装置。 - 請求項11に記載のニューラルネットワーク装置の前記ニューラルネットワークを更新するニューラルネットワーク装置更新方法であって、
更新サーバが、前記ニューラルネットワーク装置に対して、前記更新された畳み込みニューラルネットワークの更新データを、送信する送信ステップと、
前記ニューラルネットワーク装置の前記通信部が、前記更新データを受信し、前記ニューラルネットワーク制御部は、前記通信部が受信した前記更新データを、前記外部入出力部に対して送り、前記外部入出力部は、前記送られてきた前記更新データを前記外部記憶装置に書き込む受信ステップと、
前記外部入出力部は、前記外部記憶装置から前記更新データを読み出して、読み出した前記更新データを前記ニューラルネットワーク制御部に送り、前記ニューラルネットワーク制御部は、送られてきた前記更新データを、前記プログラマブルロジックデバイスに書き込む更新ステップと、
を含むことを特徴とするニューラルネットワーク装置更新方法。 - 前記更新ステップの後、前記通信部が、更新が完了した旨のメッセージを前記更新サーバに送信する更新完了送信ステップ、
を含むことを特徴とする請求項12記載のニューラルネットワーク装置更新方法。 - 前記更新サーバは、前記更新更新が完了した旨のメッセージを受信した場合、所定の登録データベース中にニューラルネットワークの内容が更新された旨の情報を登録する登録データベース更新ステップ、
を含むことを特徴とする請求項13記載のニューラルネットワーク装置更新方法。
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