JP2018128617A - 波長変換部材及びled発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LEDから発光した光の波長を変換して、異なる波長の光を発光する蛍光体を含有し、LEDから発光した光が直接照射される内面を有し、内面が、LEDから照射された光の照射方向の前方側と、照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲むことが可能なように形成され、LEDが設置された基体と共に、LEDを内包可能、かつ内面の内側にLEDから照射された光が通過する空間を形成可能なように、照射方向の後方側が開口した形状を有し、内面が、可展面で構成された(a)部分を含み、(a)部分以外の部分である(b)部分の面積が、内面全体の面積の20%以下である波長変換部材。【効果】発光特性、特に、発光効率が高いリモートフォスファー型のLED発光装置、更には、波長変換部材を通過した光の放射面である外面における色度や色温度のばらつきが小さいリモートフォスファー型のLED発光装置を提供することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、LEDから発光した光の波長を変換して、異なる波長の光を発光する蛍光体を含有する波長変換部材、及びこの波長変換部材を備えるリモートフォスファー型のLED発光装置に関する。
一般的な白色LEDは、青色LED素子と、この素子から発光した光を、より長波長の可視光成分に変換する蛍光体とにより構成されている。このような白色LEDにおいては、蛍光体に入射した励起光である青色光が波長変換されることにより生じた、青色光より長波長の光と、蛍光体に吸収されなかった青色光とが合わさることで、白色光が生成される。白色LEDでは、発光した光の色度、色温度及び発光効率などの特性は、蛍光体の種類及び濃度に大きく依存しており、発光光の特性は、通常、蛍光体の種類と濃度により調整される。
このようなLED発光装置において、発光した光の色度、色温度、発光効率などの発光特性は、波長変換部材の形状や厚みによっても変化する。このような波長変換部材に用いられる蛍光体は、比較的高価なものであるから、その使用量を削減することが求められているが、波長変換部材の形状や厚みによって発光特性を改善して、蛍光体の使用量を低減しようとする場合、LED素子を封止する樹脂などの封止材に蛍光体を分散させたLEDパッケージでは、波長変換部材をなす封止材の形状や厚みを大きく変更することができないため、限界がある。
これに対して、LED素子又はLED素子が封止材で封止されたLEDパッケージとは別の部材として形成された波長変換部材を用いるリモートフォスファー型のLED発光装置であれば、波長変換部材の形状や厚み、更には、LED素子又はLED素子パッケージに対する波長変換部材の配置を変更して、より少ない量の蛍光体で、より高い発光特性を得ることが可能であり、波長変換部材の態様変更の自由度が高い。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、より少ない量の蛍光体で、より高い発光特性、特に、より高い発光効率を与えることができる波長変換部材、及びこのような波長変換部材を備える、発光効率の高いリモートフォスファー型のLED発光装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、リモートフォスファー型のLED発光装置に用いる波長変換部材として、LEDから発光した光の波長を変換して、この波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を含有する波長変換部材の形状、厚み、LEDに対する波長変換部材の配置などについて鋭意検討を重ねた結果、波長変換部材のLEDから発光した光が直接照射される内面の形状が、波長変換部材の発光特性に影響することを見出した。
そして、波長変換部材の内面を、LEDから照射された光の照射方向の前方側と、上記照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲むことが可能な形状とし、波長変換部材を、LEDが設置された基体と共に、LEDを内包できるように、かつ波長変換部材の内面の内側にLEDから照射された光が通過する空間が形成されるように、上記照射方向の後方側が開口した形状とし、更に、波長変換部材の内面を、可展面で形成された(a)部分を含むようにし、かつ(a)部分以外の部分である(b)部分の占有面積を小さくすること、例えば、波長変換部材の内面が、(b)部分として、球表面の一部に相当する曲面、楕円球表面の一部に相当する曲面、断面が円形又は楕円形の円形又は楕円形リングの表面の一部に相当する曲面などの、波長変換部材の上記空間側に向けた集光性を与える曲面を含む場合、これらの曲面の占有面積を小さくすることにより、この波長変換部材を用いたリモートフォスファー型のLED発光装置が、発光特性、特に、発光効率が高いリモートフォスファー型のLED発光装置となり、更に、必要に応じて波長変換部材の各部の厚みを調整すれば、リモートフォスファー型のLED発光装置の、波長変換部材を通過した光の放射面である外面における色度や色温度のばらつきを小さくできることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の波長変換部材及びLED発光装置を提供する。
請求項1:
LEDから発光した光の波長を変換して、該波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を含有し、上記LEDから発光した光が直接照射される内面と、上記波長変換部材を通過した光の放射面である外面とを有し、上記内面が、上記LEDから照射された光の照射方向の前方側と、該照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲むことが可能なように形成され、上記LEDが設置された基体と共に、上記LEDを内包可能、かつ上記内面の内側に上記LEDから照射された光が通過する空間を形成可能なように、上記照射方向の後方側が開口した形状を有する波長変換部材であって、
上記内面が、可展面で構成された(a)部分を含み、上記(a)部分以外の部分である(b)部分の面積が、上記内面全体の面積の20%以下であることを特徴とする波長変換部材。
請求項2:
上記内面が、上記(a)部分のみで構成されていることを特徴とする請求項1記載の波長変換部材。
請求項3:
上記内面が、上記(b)部分として、上記波長変換部材の上記空間側に向けた集光性を与える曲面を含み、該曲面の面積が、上記内面全体の面積の20%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の波長変換部材。
請求項4:
上記波長変換部材の上記空間側に向けた集光性を与える曲面が、球表面の一部に相当する曲面、楕円球表面の一部に相当する曲面、及び断面が円形又は楕円形の円形又は楕円形リングの表面の一部に相当する曲面から選ばれることを特徴とする請求項3記載の波長変換部材。
請求項5:
上記可展面が、平面、円周面、楕円周面、円錐周面及び楕円錐周面から選ばれる面の一部又は全部に相当する面から選ばれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の波長変換部材。
請求項6:
上記内面の全体が、接線を介して接合した複数の面で構成された多面形状の不連続な面であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の波長変換部材。
請求項7:
厚みが0.6mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の波長変換部材。
請求項8:
LEDと、該LEDが設置された基体と、波長変換部材とを備え、該波長変換部材が、上記LEDと気体層又は真空層を介して離間するように配設されたリモートフォスファー型のLED発光装置であって、
上記波長変換部材が、請求項1〜7のいずれか1項記載の波長変換部材であり、
上記波長変換部材の内面が、上記LEDから照射された光の照射方向の前方側と、上記照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲み、上記波長変換部材が、上記基体と共に、上記LEDを内包し、かつ上記LEDから照射された光が通過する空間を形成していることを特徴とするLED発光装置。
請求項9:
上記LEDの光軸上における上記LEDと上記波長変換部材との距離が5mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項8記載のLED発光装置。
請求項1:
LEDから発光した光の波長を変換して、該波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を含有し、上記LEDから発光した光が直接照射される内面と、上記波長変換部材を通過した光の放射面である外面とを有し、上記内面が、上記LEDから照射された光の照射方向の前方側と、該照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲むことが可能なように形成され、上記LEDが設置された基体と共に、上記LEDを内包可能、かつ上記内面の内側に上記LEDから照射された光が通過する空間を形成可能なように、上記照射方向の後方側が開口した形状を有する波長変換部材であって、
上記内面が、可展面で構成された(a)部分を含み、上記(a)部分以外の部分である(b)部分の面積が、上記内面全体の面積の20%以下であることを特徴とする波長変換部材。
請求項2:
上記内面が、上記(a)部分のみで構成されていることを特徴とする請求項1記載の波長変換部材。
請求項3:
上記内面が、上記(b)部分として、上記波長変換部材の上記空間側に向けた集光性を与える曲面を含み、該曲面の面積が、上記内面全体の面積の20%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の波長変換部材。
請求項4:
上記波長変換部材の上記空間側に向けた集光性を与える曲面が、球表面の一部に相当する曲面、楕円球表面の一部に相当する曲面、及び断面が円形又は楕円形の円形又は楕円形リングの表面の一部に相当する曲面から選ばれることを特徴とする請求項3記載の波長変換部材。
請求項5:
上記可展面が、平面、円周面、楕円周面、円錐周面及び楕円錐周面から選ばれる面の一部又は全部に相当する面から選ばれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の波長変換部材。
請求項6:
上記内面の全体が、接線を介して接合した複数の面で構成された多面形状の不連続な面であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の波長変換部材。
請求項7:
厚みが0.6mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の波長変換部材。
請求項8:
LEDと、該LEDが設置された基体と、波長変換部材とを備え、該波長変換部材が、上記LEDと気体層又は真空層を介して離間するように配設されたリモートフォスファー型のLED発光装置であって、
上記波長変換部材が、請求項1〜7のいずれか1項記載の波長変換部材であり、
上記波長変換部材の内面が、上記LEDから照射された光の照射方向の前方側と、上記照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲み、上記波長変換部材が、上記基体と共に、上記LEDを内包し、かつ上記LEDから照射された光が通過する空間を形成していることを特徴とするLED発光装置。
請求項9:
上記LEDの光軸上における上記LEDと上記波長変換部材との距離が5mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項8記載のLED発光装置。
本発明によれば、発光特性、特に、発光効率が高いリモートフォスファー型のLED発光装置、更には、波長変換部材を通過した光の放射面である外面における色度や色温度のばらつきが小さいリモートフォスファー型のLED発光装置を提供することができる。
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
本発明の波長変換部材は、LEDから発光した光の波長を変換して、この波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を含有する。本発明において、LEDは、LED素子のみ、即ち、LED半導体チップのみの場合を対象としてもよいが、通常は、LED素子(LED半導体チップ)が基材又は基板の上に設置され、リード線、端子などの配線部材と共に、樹脂などの封止材で封止されたLEDパッケージが用いられる。LEDパッケージとしては、通常、封止材中に、LED素子から発光した光の波長を変換して、この波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を含まないものが用いられるが、封止材中に蛍光体を含むものを用いてもよい。
本発明の波長変換部材は、LEDから発光した光の波長を変換して、この波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を含有する。本発明において、LEDは、LED素子のみ、即ち、LED半導体チップのみの場合を対象としてもよいが、通常は、LED素子(LED半導体チップ)が基材又は基板の上に設置され、リード線、端子などの配線部材と共に、樹脂などの封止材で封止されたLEDパッケージが用いられる。LEDパッケージとしては、通常、封止材中に、LED素子から発光した光の波長を変換して、この波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を含まないものが用いられるが、封止材中に蛍光体を含むものを用いてもよい。
LEDとしては、発光光が赤色光の赤色LED、発光光が緑色の緑色LED、発光光が青色の青色LED、発光光が黄色の黄色LED、発光光が白色の白色LEDなどの可視光を発光するダイオードや、紫外光を発光する紫外線LEDなどを用いることができるが、青色LED、特に、ピーク波長が440〜470nmの青色光を発光する青色LEDが好適である。
蛍光体の種類は、LEDは発光する励起光の波長と、LED発光装置から発光させる光の色に応じて、適宜選択することができる。例えば、青色発光ダイオードを用いる場合、青色発光ダイオードを用いて白色を発光するLED発光装置を構成するために用いられる蛍光体が好適である。このような蛍光体としては、励起光である青色光で励起されて、黄色、緑色、橙色、赤色などの光を発光する蛍光体が挙げられる。具体的には、Y3Al5O12:Ce、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12、(Y,Gd)3Al5O12:Ce、Lu3Al5O12:Ce、(Lu,Y)3Al5O12:Ce、Y3(Al,Ga)5O12:Tb、(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Eu、β−SiAlON:Euなどの黄色蛍光体又は緑色蛍光体などが挙げられる。
また、5000K以下の低い色温度が求められる場合は、黄色蛍光体又は緑色蛍光体と共に、赤色蛍光体を用いることができる。赤色蛍光体としては、CaAlSiN:Eu2+、Sr−CaAlSiN3:Eu3+などが挙げられるが、特に演色性に優れた白色のLED発光装置とする場合には、マンガン賦活複フッ化物蛍光体を用いることが好ましい。
マンガン賦活複フッ化物蛍光体は、複フッ化物の構成元素の一部が、賦活元素であるマンガン(Mn)で置換された構造を有し、例えば、A2MF6(式中、AはLi、Na、K、Rb及びCsから選ばれ、かつ少なくともNa及び/又はKを含む1種又は2種以上のアルカリ金属、MはSi、Ti、Zr、Hf、Ge及びSnから選ばれる1種又は2種以上の4価元素である。)で表される複フッ化物の構成元素の一部が、賦活元素であるマンガン(Mn)で置換された構造を有するものが挙げられる。このようなものとしては、A2(M1-x,Mnx)F6(式中、A及びMは、上記と同じであり、xは0.001〜0.3の範囲の正数である。)で表されるマンガン賦活複フッ化物蛍光体が好適である。このマンガン賦活複フッ化物蛍光体は、Mで表される4価元素のサイトの一部がマンガンで置換された構造、即ち、4価のマンガン(Mn4+)として置換された構造であることから、A2MF6:Mn4+と表記してもよい。
本発明においては、このようなマンガン賦活複フッ化物蛍光体のなかでも、AがK、MがSiであるK2(Si1-x,Mnx)F6(式中、xは上記と同じ。)で表されるマンガン賦活ケイフッ化カリウム蛍光体(一般に、KSF蛍光体と呼ばれる。)が、励起波長域や耐候性の観点から特に好ましい。KSF蛍光体は、青色光により励起されて波長600〜660nmの範囲に発光ピーク又は最大発光ピークを有する蛍光を発する。一方、KSF蛍光体の光吸収特性は、上述したCaAlSiN:Eu2+、Sr−CaAlSiN3:Eu3+などの赤色蛍光体とは異なり、波長が460nmより長くなると、吸収率が急激に低下する特性を有している。
蛍光体は、通常、粒子状(例えば、平均粒径D50(体積基準)が1μm以上、特に2μm以上で、30μm以下、特に18μm以下)のものを用いることが好ましい。波長変換部材は、蛍光体のみで構成すること(例えば、粒子状の蛍光体を成型して焼結するなどの方法で得ることができる。)も可能であるが、粒子状の蛍光体を、無機又は有機の透明材料又は半透明材料、具体的には、ガラスなどの無機材料や、樹脂、ゴム、エラストマー等の有機高分子材料などの有機材料に分散させたものが好適である。蛍光体は、波長変換部材の基材をなす透明材料又は半透明材料に均一に分散させることが好ましい。
透明材料又は半透明材料としては、有機高分子材料の中でも、樹脂、特に硬質樹脂を用いることが好ましい。樹脂としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、アクリルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET樹脂等のエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂、特に硬質の熱可塑性樹脂が好適である。
特に、蛍光体として、マンガン賦活複フッ化物蛍光体を用いる場合は、上記で例示した熱可塑性樹脂の中でも、エステル系樹脂以外の樹脂が好適である。マンガン賦活複フッ化物蛍光体とエステル系樹脂を用いると、加水分解反応により、樹脂が溶解又は脆化する場合がある。これに対して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、アクリルイミド樹脂においては、マンガン賦活複フッ化物蛍光体に対して、上記の問題を引き起こさずに、特に効果的な練り込みと高い分散性が得られる。
波長変換部材中の蛍光体の濃度は、用いる蛍光体の種類、粒径、透明材料又は半透明材料の種類、LED発光装置としたときに得られる発光の色温度、厚み、LED素子と蛍光部材との配置、その他の諸条件により異なるが、蛍光体の総量として、2質量%以上、特に3質量%以上で、30質量%以下、特に20質量%以下、とりわけ15質量%以下であることが好ましい。
例えば、Y3Al5O12:Ce蛍光体を樹脂に分散させて、厚み0.5〜5mmの波長変換部材とし、色温度6000Kの白色光を得ようとする場合、Y3Al5O12:Ce蛍光体の濃度は、概ね2〜8質量%である。より具体的には、厚み2mmの波長変換部材とし、色温度6000Kの白色光を得ようとする場合、Y3Al5O12:Ce蛍光体の濃度は、概ね4〜6質量%である。
また、Y3Al5O12:Ce蛍光体と共に、マンガン賦活複フッ化物蛍光体を用いる場合、マンガン賦活複フッ化物蛍光体の濃度は、Y3Al5O12:Ce蛍光体の、概ね2〜4倍である。具体的には、例えば、Y3Al5O12:Ce蛍光体と、マンガン賦活複フッ化物蛍光体とを樹脂に分散させて、厚み0.5〜5mmの波長変換部材とし、色温度3500Kの白色光を得ようとする場合、Y3Al5O12:Ce蛍光体の濃度は、概ね2〜5質量%、マンガン賦活複フッ化物蛍光体の濃度は、概ね6〜13質量%である。より具体的には、厚み2mmの波長変換部材とし、色温度3500Kの白色光を得ようとする場合、Y3Al5O12:Ce蛍光体の濃度は、概ね2〜5質量%、マンガン賦活複フッ化物蛍光体の濃度は、概ね5〜10質量%である。
本発明の波長変換部材は、LEDから発光した光が直接照射される内面と、波長変換部材を通過した光の放射面である外面とを有する。リモートフォスファー型のLED発光装置に用いられる波長変換部材としては、従来、例えば、LEDを収容する部材の上部に設置することを想定した平板状のものがあり、この場合、LEDから発光した光が直接照射される内面は、全体が平坦な形状を有している。これに対して、本発明の波長変換部材では、波長変換部材を用いてリモートフォスファー型のLED発光装置を構成したときに、内面が、LEDから照射された光の照射方向の前方側と、LEDから照射された光の照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲むことができる形状となっている。
また、本発明の波長変換部材は、波長変換部材を用いてリモートフォスファー型のLED発光装置を構成したときにLEDから照射された光の照射方向の後方側に位置する部分が、開口した形状を有しており、波長変換部材を用い、LEDと、LEDが設置された基体と共にリモートフォスファー型のLED発光装置を構成したときに、LEDが設置された基体と共に、LEDを内包でき、かつ波長変換部材の内面の内側にLEDから照射された光が通過する空間が形成された形状となっている。立体形状の波長変換部材は、配光分布、即ち、方向による発光強度が広角に亘って均一となり、使用時に不快な陰影の少ないLED発光装置となる。
更に、本発明の波長変換部材は、その内面の形状に特徴がある。本発明の波長変換部材の内面は、可展面で構成された(a)部分を含む。可展面とは、面の各部を伸縮することなしに平面に展開することができる面である。可展面としては、平面の他、可展面であれば、曲面であってもよい。(a)部分全体における、曲面の割合には、特に制限はなく、可展面全体が曲面であってもよい。可展面として具体的には、平面、円周面、楕円周面、円錐周面及び楕円錐周面から選ばれる面の一部又は全部に相当する面が挙げられる。波長変換部材の内面の形状として具体的には、側面である周面のみからなる形状、又は頂面と、側面である周面とからなる形状が挙げられる。周面は、垂直面でも傾斜面でもよく、また、不連続な2以上の面で形成されていてもよい。一方、頂面は、周面の形状に応じた平面形状とすることができる。
(a)部分がLED発光装置の光学特性を高くできる理由は、特に限定されるものではないが、波長変換部材の内面において(a)部分は、斜めに入射する励起光の割合が高くなり、斜入射光は、波長変換部材を通過する経路が長いため、所望の色温度を得るための、波長変換部材中の蛍光体の量を少なく又は波長変換部材中の蛍光体の濃度を低く設定することができ、蛍光体の量が少ない又は蛍光体の濃度が低いので、波長変換部材の内面で反射され、再度、波長変換部材に入射する光が、必要以上に吸収されたり、減衰したりすることが回避でき、波長変換部材全体として、光の損失が少なくなるためであると考えられる。
また、本発明の波長変換部材の内面は、(a)部分以外の部分である(b)部分の面積が、上記内面全体の面積の20%以下である。(b)部分としては、例えば、波長変換部材の内面の内側に形成された空間側に向けた集光性を与える曲面が挙げられ、この曲面の面積を、波長変換部材の内面全体の面積の20%以下とすることが好適である。ここで、波長変換部材の内面の内側に形成された空間側に向けた集光性を与える曲面形状とは、例えば、光学焦点を形成する凸レンズ又は凹面鏡のような集光レンズ又は集光鏡の表面の一部又は全部の曲面形状のような、三次元に湾曲した曲面形状であって、この曲面上の各々の点において、曲面に対する法線を設定したとき、一部又は全部の法線により、波長変換部材の内面の内側(LEDから照射された光が通過する空間側)に焦点が形成されるような形状である。従って、(b)部分の形状は、基本的に波長変換部材の内面の内側に向かって概ね凹型(断面円弧型又は断面楕円弧型)の形状となる。この三次元に湾曲した曲面の曲率半径は、通常、100mm以下である。
波長変換部材の内面の内側に形成された空間側に向けた集光性を与える曲面として具体的には、球表面の一部に相当する曲面、楕円球表面の一部に相当する曲面、断面が円形又は楕円形の円形又は楕円形リングの表面の一部に相当する曲面などが挙げられる。ここで、断面が円形又は楕円形の円形又は楕円形リングとは、周回方向に直交する断面が円形又は楕円形であり、かつリングの周回形状が円形又は楕円形であるものを意味する。従って、例えば、内面全体が、球表面の一部に相当する曲面形状である図2に示されるような波長変換部材や、内面全体が、断面が楕円形の円形リングの表面の一部に相当する曲面形状である図9に示されるような波長変換部材は、いずれも(b)部分の面積が、内面全体の面積の100%であり、本発明の波長変換部材に該当しない。
波長変換部材の内面における(b)部分の存在は、LED発光装置の光学特性の低下につながる。特に、上述した焦点が、LEDの近傍で形成されるようなLED発光装置の場合に、光学特性が顕著に低下する。(b)部分の存在がLED発光装置の光学特性を低くする理由は、特に限定されるものではないが、このような形状の波長変換部材では、内面に対して垂直に入射する励起光の割合が高く、波長変換部材を通過する経路が短いため、所望の色温度を得るためには、波長変換部材中の蛍光体の量を多く、又は波長変換部材中の蛍光体の濃度を高く設定する必要があり、波長変換部材中の蛍光体の量を多く又は波長変換部材の蛍光体濃度を高くすると、垂直入射光に対しては過不足なく波長変換がなされる一方で、波長変換部材の内面で反射され、再度、波長変換部材に斜入射する光は、多量又は高濃度の波長変換部材を長い距離に亘って通過することになり、多量又は高濃度の蛍光体により、必要以上に光の吸収や減衰が生じてしまうためと考えられる。
本発明の波長変換部材は、(b)部分の面積、具体的には、波長変換部材の内面の内側に形成された空間側に向けた集光性を与える曲面の面積が、内面全体の面積の20%以下であるが、(b)部分の面積は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下であり、波長変換部材の内面が、(b)部分を含まないこと(即ち、(b)部分の面積が0%であること)が特に好ましい。一方、(b)部分は(a)以外の部分であるから、可展面で形成された(a)部分の面積は、(b)部分に対して残部であり、内面全体の面積の80%以上であるが、(a)部分の面積は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上であり、波長変換部材の内面が、(a)部分のみ、即ち、波長変換部材の内面が、可展面のみで構成されていること(即ち、(a)部分の面積が100%であること)が、更に好ましい。
また、本発明の波長変換部材では、その内面の全体が、接線を介して接合した複数の面で構成された多面形状の不連続な面であること、(b)部分を含む場合は、(b)部分を構成する形状の部分及び(a)部分を構成する形状の部分が、(b)部分を含まない場合は、(a)部分を構成する形状の部分のみで、内面の全体が、接線を介して接合した複数の面で構成された多面形状の不連続な面となっていることが好ましい。接線を介して接合した複数の面を構成する個々の面は、(a)部分及び(b)部分に含まれる形状として例示した各種の面の単一の面で構成することができる。波長変換部材の内面をこのように構成することで、LEDからの光が波長変換部材の内面で反射された場合であっても、波長変換部材の内面の他の部分に直接到達する確率が高まり、LED発光装置の発光効率などの光学特性に、より良好な効果が得られる。
本発明の波長変換部材の内面形状として典型的な例を挙げれば、円柱又は楕円柱の表面から底面を除いた形状、多角(3角以上、以下同じ。)柱から底面を除いた形状、円錐又は楕円錐の表面から底面を除いた形状、多角錐から底面を除いた形状、円錐台又は楕円錐台の表面から頂面又は底面を除いた形状、多角錐台から頂面又は底面を除いた形状などが挙げられ、これらの形状の一部分が(a)部分又は(b)部分の特徴を満たす他の形状で置換されたものであってもよい。なお、本発明において、円錐には直円錐及び斜円錐、楕円錐には直楕円錐及び斜楕円錐、角錐には直角錐及び斜角錐、円錐台には直円錐台及び斜円錐台、楕円錐台には直楕円錐台及び斜楕円錐台、角錐台には直角錐台及び斜角錐台が含まれる。
本発明の波長変換部材の内面形状は、円形リング状又は多角形リング状のものであってもよい。このようなものとして具体的には、側面である内周面及び外周面のみからなる形状、頂面と、側面である内周面及び外周面とからなる形状が挙げられる。内周面及び外周面は、円形周面でも、楕円形周面でも、多角形周面でもよい。また、内周面及び外周面は、いずれも、垂直面でも傾斜面でもよく、また、各々、不連続な2以上の面で形成されていてもよい。一方、頂面は、内周面及び外周面の形状に応じた円形リング状又は多角形リング状の平面形状とすることができる。
リモートフォスファー型のLED発光装置に用いる波長変換部材は、LEDとは別の部材として製造されるため、形状、寸法、LEDに対する配置などを、LED発光装置に求められる光学特性に応じて、波長変換部材側で独自に調整することが可能である。本発明の波長変換部材では、その厚みを0.6mm以上、特に1mm以上で、4mm以下、特に2mm以下とすることが好ましい。これは、波長変換部材の厚みが0.6mmより薄いと、寸法誤差の影響が大きくなり、また、蛍光体の分散のばらつきの影響を大きく受けるため、波長変換部材全体での光学特性の均一化が容易でなくなるおそれがあるからであり、波長変換部材の厚みが4mmを超えると、蛍光体の量が増加するため蛍光体の利用効率が低下するおそれがあるからである。なお、厚みは、通常、実効厚み、即ち、LEDからの励起光が直接入射する位置での厚みを対象とする。
また、本発明の波長変換部材においては、その外面の形状は、通常、外面の大部分、通常は全体を、内面と相似形状に形成されるが、内面の形状が本発明の特徴を満たしていれば、外面の形状は、必ずしも内面と相似形状に形成される必要はない。そのため、波長変換部材の厚みを部分的に薄く又は厚くすることが可能である。
波長変換部材の厚みと、蛍光体の量又は濃度が同じであれば、発生する蛍光の量と透過する励起光との比率は、理論上は、入射する励起光の光量によらず一定である。しかし、実際の波長変換部材では、波長変換部材の各部において、この比率が異なり、発光色の色温度にばらつきが生じる。これは、LEDの光軸の近傍の励起の光量が多く、この光量に応じて発生した多量の蛍光が、LEDの光軸及びその近傍から光軸から離間する方向に伝搬することで、光軸から離間する周辺部での蛍光量が多くなってしまうことが原因であると考えられる。
また、波長変換部材の内面の全体が、接線を介して接合した複数の面で構成された多面形状の不連続な面である場合、上述した蛍光の伝搬が、接線の部分で分断され、その点においては、このような不連続な面は、波長変換部材全体における光学特性の均一性に寄与するが、その反面、この接線の部分において、入射する励起光の光量及び蛍光の伝搬が変化するため、この部分での発光が、他の部分と、許容範囲を超えて異なってしまう場合があり、この場合、波長変換部材全体における光学特性の均一性が低くなってしまう。
このような場合でも、本発明の波長変換部材では、波長変換部材の厚みを部分的に薄く又は厚くして、その部分の光学特性を調整することにより、波長変換部材全体におけるばらつきを抑えることができる。波長変換部材の厚みを部分的に薄く又は厚くする場合、内面と外面との最短距離に相当する厚み(最も薄い部分の厚み)に対して、内面と外面との最長距離に相当する厚み(最も厚い部分の厚み)が101%以上、好ましくは105%以上、より好ましくは110%以上、更に好ましくは120%以上とすることで、波長変換部材全体におけるばらつきを抑える効果が得られる。この厚みの比率の上限は、特に限定されるものではないが、通常150%以下である。
波長変換部材の製造には、樹脂等の有機高分子材料を基材とする場合は、圧縮成形、押出成形、射出成形など、従来公知の成形方法が適用でき、特に限定されないが、熱可塑性樹脂を用いる場合は、成形寸法及び成型密度のばらつきが小さく、成形時に蛍光体が凝集又は沈降する時間を与えずに形成し、硬化させることが可能な射出成形が好ましい。
熱可塑性樹脂を用いた波長変換部材の通常の成形工程としては、例えば、熱可塑性樹脂と、蛍光体と、必要に応じて助剤などとを混練機により混合した後、波長変換部材の所望の発光に合わせて、所定の形状に熱成形する。この場合、例えば、混練時にそのまま白色光源の波長変換部材の所定の形状に成形してもよいが、混練後に、一旦ペレットとする方法も好適である。この場合、ペレットを1種作製した後、又は配合の成分や濃度が異なる2種以上のペレットを作製して、それらを適宜混合した後、波長変換部材の所望の発光に合わせて、所定の形状に熱成形すれば、良好な発光特性の波長変換部材を、効率良く、かつ精度良く製造することができる。
また、波長変換部材の製造には、3Dプリント成形法の代表的な方式である熱溶融積層法(FDM法)を適用することもできる。FDM法は、原料となる熱可塑性樹脂フィラメントを、三軸移動可能な溶融ノズルに給送することで、熱溶融した熱可塑性樹脂を押出して積層し、所望の形状の樹脂成形体を得る成形方法である。FDM法は、金型を用いる成形方法では、離型などに制約があり、製造条件が複雑になる形状の波長変換部材の製造に有利であり、また、金型を用意する必要がないので、波長変換部材の少量多品種の製造に適している。熱溶融した樹脂原料をノズルから吐出させつつ、積層し、硬化させることで、所望の形状の樹脂成形体を得るFDM法は、一般的な金型を用いた射出成形法などに比べて、内面が3次元形状、特に、より深い3次元形状の内面を有する波長変換部材の成形に有利である。
FDM法では、熱可塑性樹脂に所定の蛍光体粒子を分散させた細線状のフィラメント(以下、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントと称する。)を用いる。蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントは、例えば、押出成形により製造することができる。蛍光体は、溶融押出成形の過程で、熱可塑性樹脂に所定の濃度に練りこまれるが、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメント中に蛍光体を均一に分散させるためには、2軸スクリュータイプの押出成形機の使用が好ましい。また、分散した蛍光体粒子による摩耗による蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントへの鉄分などの混入を防ぐため、超硬合金等の硬質の材料や非鉄材料で形成された内壁やスクリューを用いた押出成形機を用いることも有効である。
FDM法により波長変換部材を製造する場合、上述した熱可塑性樹脂を用いることが可能ではあるが、成形時における熱可塑性樹脂に対する蛍光体の良好な分散性に加え、所定の加熱で速やかな溶融、積層後の速やかな硬化、積層時の層間の溶接特性、基準台座への密着性、溶融及び硬化にともなう波長変換部材内部に蓄積される圧縮応力への耐久性などを考慮する必要がある。このような観点からは、FDM法による波長変換部材の製造では、アクリル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン共重合体、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などの熱可塑性樹脂が特に好適である。
蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントに分散させる蛍光体の粒子径は、成形する波長変換部材中の蛍光体の粒子径に合わせて設定され、通常、平均粒径D50(体積基準)が1μm以上、特に2μm以上で、30μm以下、特に18μm以下のものを用いることが好ましい。また、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントに分散させる蛍光体の濃度は、成形する波長変換部材中の蛍光体の濃度に合わせて設定され、蛍光体の総量として、2質量%以上、特に3質量%以上で、30質量%以下、特に20質量%以下、とりわけ15質量%以下であることが好ましい。蛍光体濃度が高すぎると、溶融ノズルが閉塞する可能性が高くなると共に、溶融時のコシがなくなり、成形時にダレが生じるおそれがある。なお、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントの径は、現在用いられているFDM法を適用した3Dプリンターにおいては、通常φ1.75mm又はφ3mmである。
蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントは、波長変換部材の成形時に水分を多く含んでいると、溶融し、積層する際に、溶融ヘッド内で水蒸気が発生し、これが積層時に細かな気泡となって、波長変換部材のヘイズなどとなって、光学特性の変動の要因となるおそれがあり、また、密度が低下するおそれがある。特に、押出成形により蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを製造する場合、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントが冷却水槽を経由して水と接触することになるため、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントの内部に水が取り込まれる場合がある。そのため、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントは、その含有水分量を低減した後に使用することが好ましい。例えば、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを、例えば70℃以上、特に80℃以上で、好ましくは100℃以下の温度で、大気雰囲気などのガス雰囲気や、真空雰囲気などで、例えば6時間以上加熱することで、水分量を低減することができる。加熱時間の上限は、通常24時間以下である。なお、この加熱には、真空炉などの加熱炉などを用いることができる。
FDM法では、蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを用いてFDM装置(FDM3Dプリンター)により波長変換部材を成形すればよい。溶融ノズルのノズル内径は、φ0.2mm以上φ0.6mm以下が適している。これは、ノズル内径がφ0.2mm未満であると、蛍光体により溶融ノズルが閉塞し易くなる一方で、内径φ0.6mmを超えると波長変換部材の寸法精度が低下するため、成形後に、サイズ調整の加工が必要となる場合があるためである。成形時の溶融ノズルの温度は、190℃以上、特に220℃以上で、280℃以下、特に260℃以下が適している。これは溶融ノズルの温度が上記範囲未満では、熱可塑性樹脂の溶融が不十分となるおそれがある一方、上記範囲を超えると、溶融時のコシがなくなり、また、積層後の硬化が遅くなり、積層時にダレが生じるおそれがあるためである。
本発明のLED発光装置は、LEDと、LEDが設置された基体と、波長変換部材とを備え、波長変換部材が、LEDと気体層又は真空層を介して離間するように配設されたリモートフォスファー型のLED発光装置である。本発明のLED発光装置は、本発明の波長変換部材を用いることにより、波長変換部材の内面が、LEDから照射された光の照射方向の前方側と、照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲み、波長変換部材が、基体と共に、LEDを内包し、かつLEDから照射された光が通過する空間を形成するように構成される。LED発光装置としては、特に、白色光を発光するLED発光装置が好ましいが、赤色光、緑色光、青色光、黄色光などの可視光を発光するLED発光装置でもよい。
本発明のLED発光装置においては、LEDの光軸上におけるLEDと波長変換部材との距離が5mm以上10mm以下であることが好ましい。この距離が上記範囲内となるように、LEDと波長変換部材とを配置することにより、波長変換部材の内面の形状にかかわらず、いずれの内面形状の場合においても、距離が範囲外の場合と比べて、より明るいLED発光装置が得られる。
また、本発明のLED発光装置においては、波長変換部材の一部が、LEDに対して、LEDの光軸からLEDから照射された光の照射方向の後方側75°以上、特に85°以上の範囲に到達するよう配設されていることが好ましい。これは輝度が半分となる1/2配光角が50°前後の通常のLEDパッケージにおいては、発光のうち98%が、LEDの光軸からLEDから照射された光の照射方向の後方側75°以上の範囲に、発光のうち99%が、LEDの光軸からLEDから照射された光の照射方向の後方側85°以下の範囲に放射されるため、波長変換部材でこの範囲を覆うようにすることで、LEDからの励起光のほぼ全てを、波長変換部材に直接入射させることができるためである。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1、比較例1]
ABS樹脂に、蛍光体としてYAG:Ceを練り込み、蛍光体濃度が5質量%又は7.3質量%の蛍光体含有熱可塑性樹脂のペレットを得た。次に、このペレットを、2軸押出機 TEM−18(東芝機械(株)製)に投入し、溶融混練を行った後、押出成形して、平均でφ1.75mmの蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを得た。次に、このフィラメントを用い、FDM法の3Dプリンター Ninjabotシリーズ NJB−300W((株)三豊工業製)で、φ0.25mmの成形ノズルを適用して、図1及び2に示されるような2種のキャップ形状の波長変換部材を作製した。なお、成形には、Simplify 3D社のスライシングソフトを使用した。
ABS樹脂に、蛍光体としてYAG:Ceを練り込み、蛍光体濃度が5質量%又は7.3質量%の蛍光体含有熱可塑性樹脂のペレットを得た。次に、このペレットを、2軸押出機 TEM−18(東芝機械(株)製)に投入し、溶融混練を行った後、押出成形して、平均でφ1.75mmの蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを得た。次に、このフィラメントを用い、FDM法の3Dプリンター Ninjabotシリーズ NJB−300W((株)三豊工業製)で、φ0.25mmの成形ノズルを適用して、図1及び2に示されるような2種のキャップ形状の波長変換部材を作製した。なお、成形には、Simplify 3D社のスライシングソフトを使用した。
図1は、本発明の波長変換部材の一例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図1に示される波長変換部材の内面の形状は、円柱の表面から底面を除いた形状である。内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、可展面である(a)部分に相当する、円形平面(頂面)及び円周面(側面)のみで構成され、頂面と側面とが接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっている。サイズは、内面の外周φ8mm、LEDから内面の上端までの高さを4mmとし、蛍光体濃度が5質量%のものは、図1(B)中の矢印間の距離である厚みの異なる8サンプル、蛍光体濃度が7.3質量%のものは、図2(B)中の矢印間の距離である厚みの異なる2サンプルを作製した。一方、図2は、半球ドーム形状の波長変換部材を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図2に示される波長変換部材の内面は、球表面の一部に相当する形状であり、可展面である(a)部分を含まず、(b)部分のみで構成されている。サイズは、内面の外周φ8mm、LEDから上端までの高さを4mmとし、蛍光体濃度が5質量%及び7.3質量%のものを、各々1サンプルずつ、図2(B)中の矢印間の距離である厚みを表1に示される厚みとして作製した。
次に、基板上に、LED(CR−E royal blue(Cree社製、ピーク波長452nm)を設置し、このLEDが波長変換部材の底部側の中央に位置するように波長変換部材を配設して、リモートフォスファー型のLED発光装置とした。そして、LEDに、安定化電源で3Vの電圧、250mAの電流を印加して、LED発光装置の光学特性を、全光束測定システム HM−9100B(大塚電子(株)製)により評価し、また、目視にて色のばらつきを評価した。結果を表1に示す。
光学特性の評価結果から、本発明の特徴を備える波長変換部材により、発光効率が高く、色度や色温度のばらつきが小さい、高い発光特性を有するLED発光装置となることがわかる。また、厚みを調整することにより、色温度の調整が可能であることがわかる。
[実施例2]
ABS樹脂に、蛍光体としてYAG:Ceを練り込み、蛍光体濃度が5質量%の蛍光体含有熱可塑性樹脂のペレットを得た。次に、このペレットを、2軸押出機 TEM−18(東芝機械(株)製)に投入し、溶融混練を行った後、押出成形して、平均でφ1.75mmの蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを得た。次に、このフィラメントを用い、FDM法の3Dプリンター Ninjabotシリーズ NJB−300W((株)三豊工業製)で、φ0.25mmの成形ノズルを適用して、図3(A)〜(D)に示される断面図のような4種のキャップ形状の波長変換部材を作製した。なお、成形には、Simplify 3D社のスライシングソフトを使用した。
ABS樹脂に、蛍光体としてYAG:Ceを練り込み、蛍光体濃度が5質量%の蛍光体含有熱可塑性樹脂のペレットを得た。次に、このペレットを、2軸押出機 TEM−18(東芝機械(株)製)に投入し、溶融混練を行った後、押出成形して、平均でφ1.75mmの蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを得た。次に、このフィラメントを用い、FDM法の3Dプリンター Ninjabotシリーズ NJB−300W((株)三豊工業製)で、φ0.25mmの成形ノズルを適用して、図3(A)〜(D)に示される断面図のような4種のキャップ形状の波長変換部材を作製した。なお、成形には、Simplify 3D社のスライシングソフトを使用した。
図3(A)は、本発明の波長変換部材の一例を示す断面図である。この波長変換部材(No.21)の内面の形状は、円柱の表面から底面を除いた形状である。内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、可展面である(a)部分に相当する円形平面(頂面)及び円周面(側面)のみで構成され、頂面と側面とが接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっている。サイズは、内面の外周φ8.5mmとした。
図3(B)は、本発明の波長変換部材の一例を示す断面図である。この波長変換部材(No.22)の内面の形状は、円錐の表面から底面を除き、円柱周面と組み合わせた形状である。内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、可展面である(a)部分に相当する円錐周面及び円柱周面(側面)のみで構成されている。サイズは、内面の外周φ8.5mmとした。
図3(C)は、本発明の波長変換部材の一例を示す断面図である。この波長変換部材(No.23)の内面の形状は、円錐台の表面から頂面を除いて天地を反転し、円柱周面と組み合わせた形状である。内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、可展面である(a)部分に相当する円形平面(頂面)並びに円錐台周面及び円柱周面(側面)のみで構成され、天地反転後の頂面と側面とが、また、円錐台周面と円柱周面とが、各々、接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっている。サイズは、内面の外周上端でφ17mm、内面の外周下端で8.5mmとした。
図3(D)は、本発明の波長変換部材の一例を示す断面図である。この波長変換部材(No.24)の内面の形状は、円錐台の表面から底面を除き、円柱周面と組み合わせた形状である。内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、可展面である(a)部分に相当する円形平面(頂面)並びに円錐台周面及び円柱周面(側面)のみで構成され、頂面と側面とが、また、円錐台周面と円柱周面とが、各々、接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっている。サイズは、内面の外周上端でφ8.5mm、内面の外周下端で17mmとした。
いずれの波長変換部材も、リモートフォスファー型のLED発光装置としたときの発光の色温度が4600K前後となる厚みに、0.8〜1.7mmの範囲内で調整した。
次に、基板上に、LED(CR−E royal blue(Cree社製、ピーク波長452nm)を設置し、このLEDが波長変換部材の底部側の中央に位置するように波長変換部材を配設して、リモートフォスファー型のLED発光装置とした。そして、LEDに、安定化電源で3Vの電圧、250mAの電流を印加して、LED発光装置の全光束を、全光束測定システム HM−9100B(大塚電子(株)製)により評価した。全光束は、各々のLEDから、波長変換部材の内面の上端までの高さを1〜18mmの範囲内で変化させて測定した。結果を図4に示す。
全光束の評価結果から、本発明の特徴を備える波長変換部材では、LEDの光軸上におけるLEDと波長変換部材との距離が5mm以上10mm以下であれば、内面の形状にかかわらず、いずれの内面形状の場合においても、距離が5mm以上10mm以下の範囲外の場合と比べて、高い全光束となっており、より明るいLED発光装置が得られることがわかる。
[実施例3、比較例2]
アクリル樹脂(デルペット 60N(旭化成(株)製))に、蛍光体としてYAG:Ceと、KSFとを練り込み、YAG:Ce蛍光体濃度が2.8質量%、KSF蛍光体濃度が8.4質量%の蛍光体含有熱可塑性樹脂のペレットを得た。次に、このペレットを、2軸押出機 TEM−18(東芝機械(株)製)に投入し、溶融混練を行った後、押出成形して、平均でφ1.75mmの蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを得た。次に、このフィラメントを用い、FDM法の3Dプリンター Ninjabotシリーズ NJB−300W((株)三豊工業製)で、φ0.25mmの成形ノズルを適用して、図5〜9に示されるような5種のリングキャップ形状の波長変換部材を作製した。なお、成形には、Simplify 3D社のスライシングソフトを使用した。
アクリル樹脂(デルペット 60N(旭化成(株)製))に、蛍光体としてYAG:Ceと、KSFとを練り込み、YAG:Ce蛍光体濃度が2.8質量%、KSF蛍光体濃度が8.4質量%の蛍光体含有熱可塑性樹脂のペレットを得た。次に、このペレットを、2軸押出機 TEM−18(東芝機械(株)製)に投入し、溶融混練を行った後、押出成形して、平均でφ1.75mmの蛍光体含有熱可塑性樹脂フィラメントを得た。次に、このフィラメントを用い、FDM法の3Dプリンター Ninjabotシリーズ NJB−300W((株)三豊工業製)で、φ0.25mmの成形ノズルを適用して、図5〜9に示されるような5種のリングキャップ形状の波長変換部材を作製した。なお、成形には、Simplify 3D社のスライシングソフトを使用した。
図5は、本発明の波長変換部材の一例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図5に示される波長変換部材(No.31)の内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、可展面である(a)部分に相当する円形リング状平面(頂面)、円錐台周面である内周面(側面)及び円周面である外側面(側面)のみで構成され、頂面と側面とが接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっている。図中で示されるa〜fの各部のサイズを表2に示す。なお、外周サイズをφ46mm、LEDから上端までの高さを8.3mmとした。
図6は、本発明の波長変換部材の一例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図6に示される波長変換部材(No.32)の内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、可展面である(a)部分に相当する12角形リング状平面(頂面)、12角錐台周面である内周面(側面)及び12角柱周面である外側面(側面)のみで構成され、頂面と側面とが接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっている。図中で示されるa〜fの各部のサイズを表2に示す。なお、外周サイズを外周最大径46mm、LEDから上端までの高さを5mmとした。
図7は、本発明の波長変換部材の一例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図7に示される波長変換部材(No.33)の内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、可展面である(a)部分に相当する円形リング状平面(頂面)、円柱周面である内周面(側面)及び外側面(側面)のみで構成され、頂面と側面とが接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっている。図中で示されるa〜fの各部のサイズを表2に示す。なお、外周サイズをφ46mm、LEDから上端までの高さを6.3mmとした。
図8は、本発明の波長変換部材の一例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図8に示される波長変換部材(No.34)の内面は、(b)部分に相当する断面が円形の円形リングの表面の一部に相当する断面円弧型の形状である内周面(側面)、及び可展面である(a)部分に相当する円柱周面である外側面(側面)のみで構成され、頂面と側面とが接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっているが、この波長変換部材の(b)部分の面積は、内面全体の面積の52%である。図中で示されるb,c,e〜gの各部のサイズを表2に示す。なお、外周サイズをφ46mm、LEDから上端までの高さを7mmとした。
図9は、本発明の波長変換部材の一例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。図9に示される波長変換部材(No.35)の内面は、可展面である(a)部分を含まず、(b)部分に相当する断面が楕円形の円形リングの表面の半分に相当する断面半楕円弧型の形状のみで構成されている。図中で示されるb,e〜hの各部のサイズを表2に示す。なお、外周サイズをφ46mm、LEDから上端までの高さを7mmとした。
図10は、波長変換部材(No.31)を用いて作製した本発明のリモートフォスファー型のLED発光装置の一例を示す分解斜視図である。図10に示されるように、白色塗装を施したアルミニウム基板21上に、LED22(PK2N青色(ProLight Opto Technology社製、ピーク波長453nm)を12個、φ38mmの円周上に等間隔に直列接続して設置し、このLEDアレイが波長変換部材1の底部側の内外周面間に位置するように波長変換部材1を配設して、リモートフォスファー型のLED発光装置10とした。この場合、アルミニウム基板表面からLEDの上端までの高さは1.7mmである。そして、LEDに、安定化電源で3Vの電圧、200mAの電流を印加して、LED発光装置の光学特性を、全光束測定システム HM−9100B(大塚電子(株)製)により評価し、また、目視にて色のばらつきを評価した。結果を表2示す。なお、5種のLED発光装置の発光の色温度は4500〜5000K、平均演色評価数Raは91〜93の範囲内にあった。
光学特性の評価結果から、本発明の特徴を備える波長変換部材により、発光効率が高く、色度や色温度のばらつきが小さい、高い発光特性を有するリモートフォスファー型のLED発光装置となることがわかる。
また、波長変換部材(No.31)について、発光の均一性をより厳密に評価するため配光分布及び色温度の発光角分布を調べた。配光分布を図11に、色温度の発光角分布を図12に示す。その結果、輝度が半分となる1/2配光角は、均一面発光の理論値である配向角90°の2倍近い162°となり、本発明の波長変換部材における高い効果が確認された。また、色温度の発光角分布は、配向角142°(発光角71°)までの色温度は、概ね安定で、光軸位置で4950K、角度、配向角142°(発光角71°)で4600Kであった。
本発明の波長変換部材の内面形状の具体例としては、上述した実施例に記載した波長変換部材の内面形状に限られるものではなく、本発明の波長変換部材には、他の様々な変形例が含まれ、例えば、図13に示される波長変換部材の内面形状を挙げることもできる。図13は、本発明の波長変換部材の他の例を示す斜視図である。この波長変換部材の内面に、(b)部分は含まれておらず、内面は、(a)部分に相当する四角形平面(頂面)、並びに四角錐台の周面の一部(4面)及び円錐の周面の一部(4面)で構成される第1周面と、四角柱の周面の一部(4面)及び円柱の周面の一部(4面)で構成される第2周面とを組み合わせた周面(側面)のみで構成され、頂面と側面(第1周面)とが、また、第1周面と第2周面とが、各々、接線を介して接合した多面形状の不連続な面となっている。
1 波長変換部材
10 リモートフォスファー型のLED発光装置
21 基板
22 LED
10 リモートフォスファー型のLED発光装置
21 基板
22 LED
Claims (9)
- LEDから発光した光の波長を変換して、該波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を含有し、上記LEDから発光した光が直接照射される内面と、上記波長変換部材を通過した光の放射面である外面とを有し、上記内面が、上記LEDから照射された光の照射方向の前方側と、該照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲むことが可能なように形成され、上記LEDが設置された基体と共に、上記LEDを内包可能、かつ上記内面の内側に上記LEDから照射された光が通過する空間を形成可能なように、上記照射方向の後方側が開口した形状を有する波長変換部材であって、
上記内面が、可展面で構成された(a)部分を含み、上記(a)部分以外の部分である(b)部分の面積が、上記内面全体の面積の20%以下であることを特徴とする波長変換部材。 - 上記内面が、上記(a)部分のみで構成されていることを特徴とする請求項1記載の波長変換部材。
- 上記内面が、上記(b)部分として、上記波長変換部材の上記空間側に向けた集光性を与える曲面を含み、該曲面の面積が、上記内面全体の面積の20%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の波長変換部材。
- 上記波長変換部材の上記空間側に向けた集光性を与える曲面が、球表面の一部に相当する曲面、楕円球表面の一部に相当する曲面、及び断面が円形又は楕円形の円形又は楕円形リングの表面の一部に相当する曲面から選ばれることを特徴とする請求項3記載の波長変換部材。
- 上記可展面が、平面、円周面、楕円周面、円錐周面及び楕円錐周面から選ばれる面の一部又は全部に相当する面から選ばれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の波長変換部材。
- 上記内面の全体が、接線を介して接合した複数の面で構成された多面形状の不連続な面であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の波長変換部材。
- 厚みが0.6mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の波長変換部材。
- LEDと、該LEDが設置された基体と、波長変換部材とを備え、該波長変換部材が、上記LEDと気体層又は真空層を介して離間するように配設されたリモートフォスファー型のLED発光装置であって、
上記波長変換部材が、請求項1〜7のいずれか1項記載の波長変換部材であり、
上記波長変換部材の内面が、上記LEDから照射された光の照射方向の前方側と、上記照射方向の側方側の一部又は全部とを取り囲み、上記波長変換部材が、上記基体と共に、上記LEDを内包し、かつ上記LEDから照射された光が通過する空間を形成していることを特徴とするLED発光装置。 - 上記LEDの光軸上における上記LEDと上記波長変換部材との距離が5mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項8記載のLED発光装置。
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