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JP2018128679A - リニアフレネルレンズシート、透過型表示装置およびリニアフレネルレンズシートの製造方法 - Google Patents

リニアフレネルレンズシート、透過型表示装置およびリニアフレネルレンズシートの製造方法 Download PDF

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JP2018128679A
JP2018128679A JP2018026434A JP2018026434A JP2018128679A JP 2018128679 A JP2018128679 A JP 2018128679A JP 2018026434 A JP2018026434 A JP 2018026434A JP 2018026434 A JP2018026434 A JP 2018026434A JP 2018128679 A JP2018128679 A JP 2018128679A
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linear fresnel
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sheet
light
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原 一 紘 笹
Kazuhiro Sasahara
原 一 紘 笹
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Abstract

【課題】映像光により形成される画像を滑らかに表示するとともに、安価に製造可能な複数のフレネルレンズ部をもつフレネルレンズシートを提供する。
【解決手段】リニアフレネルレンズシート3は、一体に成形された複数のリニアフレネルレンズ部13を備え、各リニアフレネルレンズ部13は、光学中心Oを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源から投射された映像光を出光側に出射するリニアフレネルレンズシート、並びに、このリニアフレネルレンズシートを備えた透過型表示装置に関する。
背面投射型映像表示装置では、拡大投射される映像光を表示する透過型スクリーンが使用されている。特許文献1に開示された透過型スクリーンは、光源から拡大投射される映像光を略平行光となるように偏向させるリニアフレネルレンズシートと、リニアフレネルレンズシートから出射した映像光を拡散させて視野角を拡げる拡散シートと、を含んでいる。このうち、リニアフレネルレンズシートは、所定の方向に沿って複数のレンズ面を配列したリニアフレネルレンズ面を有している。典型的には、リニアフレネルレンズ面は、出光側の面に配置される。
特開2000−292864号公報
昨今では、光源と透過型スクリーンとの間の距離を短くして、背面投射型映像表示装置をコンパクトに構成する試みがなされてきている。光源と透過型スクリーンとの間の距離が短くなると、光源から大きく離間した位置にあるレンズ面に入射する映像光の入射角度が大きくなる。レンズ面に入射する映像光の入射角度が大きくなると、当該レンズ面における反射率が大きくなり、当該レンズ面を透過する光の光量が低下してしまう。この結果、光源から大きく離間した領域において、映像光により形成される画像が暗く視えてしまう、という問題があった。
そこで、本件発明者は、映像光のレンズ面への入射角度を抑えるべく、映像光を複数の光源から投射するように分割すると共に、各映像光に対応した数のフレネルレンズ部をもつフレネルレンズシートを作製することを試みた。ここで、フレネルレンズシートは、複数の枚葉状のサーキュラーフレネルレンズ層を並べ、隣り合うサーキュラーフレネルレンズ層を接合させることにより作製した。
しかしながら、上記のフレネルレンズシートの作製方法では、複数の枚葉状のサーキュラーフレネルレンズ層を精度よく位置決めすることができず、隣り合う光源からの映像光により形成される画像を滑らかに表示することができない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、映像光により形成される画像を滑らかに表示することができ、容易に製造可能な複数のフレネルレンズ部をもつフレネルレンズシートを提供することを目的とする。
本発明による第1のリニアフレネルレンズシートは、
一体に成形された複数のリニアフレネルレンズ部を備え、
各リニアフレネルレンズ部は、光学中心を有している。
本発明による第1のリニアフレネルレンズシートにおいて、各リニアフレネルレンズ部は、第1方向に沿って配列された複数のレンズ面を有し、
前記複数のリニアフレネルレンズ部は、前記第1方向に沿って並べて配置されていてもよい。
本発明による第2のリニアフレネルレンズシートは、一体に成形された複数のリニアフレネルレンズ部を備え、
各リニアフレネルレンズ部は、第1レンズ面群と、当該第1レンズ面群よりも一方の側に配置された第2レンズ面群と、を含み、
前記第1レンズ面群は、当該リニアフレネルレンズシートのシート面への法線方向に関して互いに同一の側に傾斜している複数の第1レンズ面を含み、
前記第2レンズ面群は、当該リニアフレネルレンズシートのシート面への法線方向に関して前記第1レンズ面とは逆の側に傾斜している複数の第2レンズ面を含んでもよい。
本発明による第2のリニアフレネルレンズシートにおいて、前記複数の第1レンズ面及び前記複数の第2レンズ面は、それぞれ、第1方向に沿って配列され、
前記複数のリニアフレネルレンズ部は、前記第1方向に沿って並べて配置されていてもよい。
本発明による第1または第2のリニアフレネルレンズシートにおいて、各リニアフレネルレンズ部の前記第1方向における長さは、同一であってもよい。
本発明による第1または第2のリニアフレネルレンズシートにおいて、前記複数のリニアフレネルレンズ部は、互いに同一に形成されていてもよい。
本発明による透過型表示装置は、前記いずれかの特徴を有するリニアフレネルレンズシートを備える。
本発明による透過型表示装置は、前記リニアフレネルレンズシートに映像光を投射する複数の投射面を有する光源をさらに備え、
各投射面は、対応するリニアフレネルレンズ部に映像光を投射してもよい。
あるいは、本発明による透過型表示装置は、前記リニアフレネルレンズシートに映像光を投射する投射面を有する複数の光源をさらに備え、
各光源の投射面は、対応するリニアフレネルレンズ部に映像光を投射してもよい。
本発明によれば、複数のリニアフレネルレンズ部が一体に成形されているため、複数のリニアフレネルレンズ部を容易に精度よく位置決めすることができる。このため、複数のフレネルレンズ部をもつフレネルレンズシートを容易に製造することができ、当該リニアフレネルレンズシートを用いて、光源からの映像光により形成される画像を滑らかに接続することができる。
本発明の一実施の形態による透過型表示装置を示す概略斜視図である。 図1に示す透過型表示装置の概略平面図である。 図1に示す透過型表示装置のリニアフレネルレンズシートのリニアフレネルレンズ部を拡大して示す概略図である。 図1に示す透過型スクリーンのレンズ層を製造する方法の一例を示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1乃至図3は、本発明の一実施の形態によるリニアフレネルレンズシートを説明するための図である。このうち図1及び図2は、それぞれ、本発明の一実施の形態によるリニアフレネルレンズシートを備えた透過型スクリーンを示す概略斜視図及び概略平面図である。
図1及び図2に示すように、透過型スクリーン2は、光源7から投射された映像光Lを観察側に投影して表示するためのものである。透過型スクリーン2は、図1に示すように、光源7の投射面8から投射された映像光Lを観察側へ略平行光となるように偏向させるリニアフレネルレンズシート3と、当該リニアフレネルレンズシート3の観察側に配置され、映像光Lを拡散させて広い範囲の観察者へ向けて映像光Lを出射させる拡散シート4と、を備えている。拡散シート4のリニアフレネルレンズシート3とは反対側の面が、観察者へ向けて映像光Lを出射する透過型スクリーン2の出光側の面2aをなしている。このような透過型スクリーン2は、背面投射型の透過型表示装置1に組み込んで使用することができる。
図1及び図2に示すように、透過型表示装置1は、透過型スクリーン2と、透過型スクリーン2のリニアフレネルレンズシート3に向けて映像光Lを投射する投射面8を有した複数の光源(映像光源)7と、を備えている。このうち、光源7は、LCDやDLPなどの映像源、映像源に光を照射するランプ、映像源を介して出射される映像光を拡大投射するための投射レンズなどを有している。
このような透過型表示装置1において、光源7の投射面8から投射された映像光Lは、リニアフレネルレンズシート3のシート面3aへの法線方向ndに対して所定の投射角度をなす方向からリニアフレネルレンズシート3の各位置に入射するようになっている。リニアフレネルレンズシート3に入射する光の進行方向が法線方向ndに対してなす角度である投射角度は、リニアフレネルレンズシート3への入射位置に応じて変化する。そして、光源7からリニアフレネルレンズシート3の各位置に入射する光の投射角度は、光源7とリニアフレネルレンズシート3との相対位置関係を適切に選定することにより、調整され得る。本実施の形態の透過型表示装置1では、装置全体をコンパクトに構成すべく、リニアフレネルレンズシート3と光源7との間の距離vを短く設定している。このため、映像光Lを複数の光源7から投射するようにして、各光源7から投射される映像光Lの投射角度を抑えている。
各光源7から投射される映像光Lの投射角度は、後述するリニアフレネルレンズ部13との組み合わせに応じて決定される。各映像光Lにより表示される画像は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。とりわけ、各映像光Lにより表示される画像が互いに異なる場合、各映像光Lにより表示される画像を組み合わせることによって、全体として1つの映像を表示してもよい。
次に、透過型スクリーン2について詳述する。上述したように、透過型スクリーン2は、リニアフレネルレンズシート3と、拡散シート4と、を備えている。まず、リニアフレネルレンズシート3について、図1乃至図3を参照して説明する。図3は、図1に示す透過型表示装置1のリニアフレネルレンズシート3の一部を拡大して模式的に示す拡大図である。図1乃至図3に示すように、リニアフレネルレンズシート3は、各光源7の投射面8から投射された映像光Lを観察側へ略平行光となるように偏向させるためのものである。リニアフレネルレンズシート3は、拡散シート4側に配置されたレンズ層10と、レンズ層10よりも光源7側に配置された基材30と、を備えている。
図3に示すように、レンズ層10は、拡散シート4側を向く第1面11と、当該第1面11に対向し光源7側を向く第2面12と、を有している。レンズ層10の第1面11には、複数のリニアフレネルレンズ部13が配置されている。各リニアフレネルレンズ部13は、対応する光源7からの映像光Lを観察側へ略平行光となるように偏向させる。この複数のリニアフレネルレンズ部13は、一体に形成されている。すなわち、後述する製造方法から明らかなように、各リニアフレネルレンズ部13を構成する部材同士に継ぎ目が形成されていない。このような形態によれば、複数のリニアフレネルレンズ部13を容易に精度よく位置決めすることができるため、隣り合う光源7からの映像光Lにより形成される画像を滑らかに接続することができる。
図3に示すように、各リニアフレネルレンズ部13は、ストライプ状に配列された複数のレンズ面14を有している。リニアフレネルレンズ部13は、複数のレンズ面14の組み合わせにより、入射光に対して凸レンズと同様のレンズ作用を発揮することが期待されている。具体的には、リニアフレネルレンズ部13は、当該リニアフレネルレンズシート3のシート面3aへの法線方向ndに関して互いに同一の側に傾斜した複数の第1レンズ面14aを含む第1レンズ面群13aと、前記法線方向ndに対して第1レンズ面14aとは逆の側に傾斜した複数の第2レンズ面14bを含む第2レンズ面群13bと、を含んでいる。第1レンズ面群13aは、第2レンズ面群13bよりも、第1方向d1に沿って一方の側に配置され、逆に、第2レンズ面群13bは、第1レンズ面群13aよりも、第1方向d1に沿って他方の側に配置されている。この複数の第1レンズ面14aと複数の第2レンズ面14bとにより、リニアフレネルレンズシート3の複数のレンズ面14が構成される。
なお、本明細書において、「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。本実施の形態では、リニアフレネルレンズシート3のシート面3aと、レンズ層10のシート面と、基材30のシート面とは、互いに平行となっている。以下の説明では、図3に示すように、レンズ層10の第2面12を、リニアフレネルレンズシート3のシート面3aとして図示する。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」や「直交」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、目視での判断において区別不可能な程度に同様な光学的機能を期待し得る範囲内の誤差を含めて解釈することとする。
複数のレンズ面14は、リニアフレネルレンズシート3のシート面3a内を延びる第1方向d1に沿って配列されている。すなわち、複数の第1レンズ面14a及び複数の第2レンズ面14bは、それぞれ、第1方向d1に沿って配列されている。そして、各第1レンズ面14a及び各第2レンズ面14bは、第1方向d1に交差する方向、より詳細には、第1方向d1に直交する方向に直線状に延びている。
レンズ面14がリニアフレネルレンズシート3のシート面3aに対してなす角度であるレンズ角αは、第1方向d1に沿ってしだいに変化していく。具体的には、各リニアフレネルレンズ部13内において、任意の一つの第1レンズ面14aのレンズ角αは、当該一つの第1レンズ面14aよりも第1方向d1に沿って第2レンズ面群13bに近接して配置された他の第1レンズ面14aのレンズ角α以上になっている。一方、各リニアフレネルレンズ部13内において、任意の一つの第2レンズ面14bのレンズ角αは、当該一つの第2レンズ面14bよりも第1方向d1に沿って第1レンズ面群13aに近接して配置された他の第2レンズ面14bのレンズ角α以上になっている。従って、各リニアフレネルレンズ部13内において、第1レンズ面群13aに含まれる第1レンズ面14aのうち、第1方向d1に沿って第2レンズ面群13bに最も近接して配置された第1レンズ面14aのレンズ角αが、最も小さくなる。同様に、各リニアフレネルレンズ部13内において、第2レンズ面群13bに含まれる第2レンズ面14bのうち、第1方向d1に沿って第1レンズ面群13aに最も近接して配置された第2レンズ面14bのレンズ角αが、最も小さくなる。
各リニアフレネルレンズ部13において、この第1レンズ面群13aと第2レンズ面群13bとの間または境界となる位置に、光学中心Oが位置している。ここでいう光学中心Oとは、リニアフレネルレンズ部13を構成する複数のレンズ面14の組み合わせにより、入射光に対してレンズ作用を及ぼす、光学的な中心を意味する。典型的なリニアフレネルレンズでは、各リニアフレネルレンズ部13の光学中心Oは、当該リニアフレネルレンズ部13の光軸Ax上に位置する。図示する例では、光学中心Oは、第1方向d1に沿って最も第2レンズ面群13bに近接して配置された第1レンズ面14aと、第1方向d1に沿って最も第1レンズ面群13aに近接して配置された第2レンズ面14bと、の境界上に位置している。
また、リニアフレネルレンズ部13は、隣り合う二つのレンズ面14の間に設けられたライズ面15を含んでいる。このライズ面15の長さは、隣り合うレンズ面14のピッチPとレンズ面14のレンズ角αによって概ね決定される。上記の通り、レンズ角αは、レンズ面14の第1方向d1に沿って光学中心Oから離間して配置されたレンズ面14の方が大きくなっていく。従って、レンズ面14のピッチPが一定であれば、複数のライズ面15のうち、より第1方向d1に沿って光学中心Oから離間して配置されたライズ面15の方が、法線方向ndに沿った長さが長くなっていく。具体的には、ライズ面15は、隣り合う二つの第1レンズ面14aの間を延びる第1ライズ面15aと、隣り合う二つの第2レンズ面14bの間を延びる第2ライズ面15bと、により構成されている。なお、このライズ面15は、光のレンズ作用を期待されていない面である。
ところで、本実施の形態では、光源7とリニアフレネルレンズシート3との距離vに比べて、リニアフレネルレンズシート3の第1方向d1における長さが格段に大きい。この場合、単一の光源の単一の投射面からリニアフレネルレンズシートに映像光Lを直接投射すると、第1方向d1に沿って光源から大きく離間した位置にあるレンズ面14に入射する映像光Lの入射角度がかなり大きくなる。このため、当該離間した位置にあるレンズ面14における反射率が大きくなり、第1方向d1に沿って光源から大きく離間した領域において、映像光Lにより形成される画像が暗く視えてしまう。つまり、単一の光源の単一の投射面を使用する一般的な背面投射型の透過型表示装置1では、光源7とリニアフレネルレンズシート3との距離vを短くすると、透過型スクリーン2の第1方向d1における長さを長く確保することができない。加えて、映像光Lのレンズ面14への入射角度が大きくなると、当該入射角度に応じてレンズ面14のレンズ角αも大きくなる。とりわけ、レンズ面14のレンズ角αが70°を越えると、当該レンズ面14を賦型するためのロール状の型134(図4参照)を、量産性のある条件で切削することが困難になる。したがって、光源7とリニアフレネルレンズシート3との距離vに比べて、リニアフレネルレンズシート3の第1方向d1における長さが格段に大きくなるような透過型表示装置において、単一の光源の投射面からリニアフレネルレンズシートに映像光を直接投射する場合、そもそも、光源から大きく離間した位置にあるレンズ面を、量産性のある条件で賦型することができない。
そこで、本実施の形態では、複数のリニアフレネルレンズ部13を、第1方向d1に沿って並べて配置している。複数のリニアフレネルレンズ部13の配列に対応して、複数の光源7が、第1方向d1に沿って並べて配置されている。このような透過型表示装置1によれば、単一の光源の投射面から単一のリニアフレネルレンズ部を有したリニアフレネルレンズシートに映像光が投射される場合に比べて、各光源7の投射面8から投射される映像光Lの、法線方向ndに対して第1方向d1に傾斜する最大角度を抑えることができる。これにより、各レンズ面14における反射率を低く抑えることができ、この結果、映像光Lにより形成される画像が暗く視えてしまうことを効果的に抑制することができる。
本実施の形態では、各リニアフレネルレンズ部13の第1方向d1における長さuは、互いに同一である。もっとも、各リニアフレネルレンズ部13の第1方向d1における長さuは、互いに異なっていてもよい。さらに、本実施の形態では、複数のリニアフレネルレンズ部13は、互いに同一に形成されている。すなわち、各リニアフレネルレンズ部13は、同一の大きさを有し、各リニアフレネルレンズ部13のレンズ面14も、同一の配列になっている。もっとも、複数のリニアフレネルレンズ部13は、互いに異なるように形成されていてもよい。また、隣り合う2つのリニアフレネルレンズ部13は、ほぼ隙間なく配置されている。具体的には、隣り合う2つのリニアフレネルレンズ部13の間の間隔は、2.0mm以下、好ましくは1.0mm以下になっている。
このような複数のリニアフレネルレンズ部13を有するレンズ層10を構成する樹脂材料として、例えば、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系等のアクリレート系樹脂が好ましく用いられる。一例として、レンズ層10を構成する樹脂材料の屈折率は、1.55〜1.65程度に調整される。
次に、レンズ層10の光源7側に積層された基材30について説明する。基材30は、レンズ層10のリニアフレネルレンズ部13を安定して成形するために設けられている。本実施の形態の基材30は、単一の部材として構成され、継ぎ目が形成されていない。基材30を構成する材料としては、例えば、PETフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルムを用いることができる。なお、基材30は、リニアフレネルレンズ面13の賦型方法に応じて選択されるものであり、必ずしも設けられていなくてもよい。
次に、リニアフレネルレンズシート3と共に透過型スクリーン2を構成する拡散シート4について、図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2に示すように、拡散シート4は、光制御層41、接着層44、出光側拡散層45、基材46及びハードコート層47を、入光側から出光側に向かってこの順で含んでいる。
このうち、最もリニアフレネルレンズシート3に近接して配置された光制御層41は、拡散シート4に入射する外光を吸収して画面のコントラストを高める機能を有している。加えて、本実施の形態の光制御層41は、リニアフレネルレンズシート3からの映像光を拡散させて上下方向の広い範囲へ向けて映像光を出射させるようになっている。具体的な構成として、光制御層41は、水平方向に延びる複数の溝42aが形成された主部42を有している。主部42に形成された複数の溝42aは、上下方向に並べて配列されている。各溝42aは、光制御層41の厚み方向に沿って基材46から離間するにつれて先細になっていく。主部42の各溝42aには、樹脂材からなる単位光学要素43が充填されている。単位光学要素43は、主部42との間で屈折率差を有する界面を形成する。当該界面によって、リニアフレネルレンズシート3から拡散シート4の光制御層41に入射した映像光Lの少なくとも一部が反射されることによって、ハードコート層47からなる出光側の面2aから映像光Lを拡散して出射させるようになっている。
また、主部42に形成された隣り合う溝42aの間には、光透過領域42bが区画される。すなわち、主部42では、溝42aと光透過領域42bとが上下方向に沿って交互に並設される。光透過領域42bを通過する光は、溝42aに入射することなく、そのまま接着層44に進入していく光と、溝42aに入射し単位光学要素43と主部42との界面で反射した後に、接着層44に進入していく光と、を含んでいる。このような光制御層41によれば、入射した映像光Lを単位光学要素43と主部42との界面で反射させて拡散させることができるので、上下方向の広い範囲に映像光Lを出射させることができる。
また、本実施の形態の単位光学要素43は、光吸収性粒子を含んでいる。これにより、透過型スクリーン2に入射する外光を効果的に吸収することができる。このため、透過型スクリーン2に表示される映像のコントラストを向上させることができる。
なお、光制御層41の形態は、このような例に限定されず、拡散シート4に入射する外光を吸収して画面のコントラストを高める機能をもつ層であれば広く適用可能である。例えば、光制御層41は、複数のレンチキュラーレンズを所定の方向に並べて配列させた形態であってもよい。この場合、例えば、各々が水平方向に延びる複数のレンチキュラーレンズを、上下方向に並べて配列してもよい。これにより、拡散シート4に入射する外光を吸収して画面のコントラストを高めることに加えて、リニアフレネルレンズシート3からの映像光を上下方向の広い範囲へ向けて、拡散させて出射させることもできる。あるいは、水平方向の視野角を重視する場合には、各々が上下方向に延びる複数のレンチキュラーレンズを、水平方向に並べて配列してもよい。これにより、拡散シート4に入射する外光を吸収して画面のコントラストを高めることに加えて、リニアフレネルレンズシート3からの映像光を水平方向の広い範囲へ向けて、拡散させて出射させることができる。
一方、接着層44は、光制御層41と出光側拡散層45とに隣接して配置され、光制御層41と出光側拡散層45とを接合している。出光側拡散層45は、リニアフレネルレンズシート3からの映像光Lを拡散させて広い範囲の観察者へ向けて映像光Lを出射させるために設けられている。また、ハードコート層47は、映像光Lによる映像が表示される拡散シート4の表示面を保護するために設けられている。これら拡散シート4をなす各構成要素は、透過型スクリーン2においてそれ自体既知のものを利用することができるため、ここではこれ以上詳細な説明を省略する。
次に、以上のような構成からなる本実施の形態の作用について、図を参照しながら説明する。
図2に示すように、各光源7の投射面8から出射された映像光Lは、リニアフレネルレンズシート3のレンズ層10の第2面12側に入射する。リニアフレネルレンズシート3に入射した各映像光Lは、対応するリニアフレネルレンズ部13のレンズ面14において、リニアフレネルレンズシート3のシート面3aへの法線方向ndとなす角度が小さくなるように、より詳細には略平行となるように、偏向させられる。レンズ面14で偏向させられた各映像光Lは、リニアフレネルレンズシート3のシート面3aへの法線方向ndと略平行な方向に進行方向を維持したまま、拡散シート4に入射する。拡散シート4に入射した各映像光Lは、拡散シート4において種々の方向に向かうように有効に拡散される。これにより、広い範囲の観察者へ向けて映像光Lを出射させることができる。
とりわけ、本実施の形態によれば、複数のリニアフレネルレンズ部13が一体に成形されている。このような形態によれば、複数のリニアフレネルレンズ部13の相対位置を高精度に位置決めすることができる。また、単一のリニアフレネルレンズシート3を光源7に対して位置決めすることにより、リニアフレネルレンズシート3に含まれる各リニアフレネルレンズ部13を、対応する光源7に対して容易且つ高精度に位置決めすることが可能になる。この結果、隣り合う光源7からの映像光Lにより形成される画像を滑らかに接続することができる。
また、本実施の形態によれば、各リニアフレネルレンズ部13の第1方向d1における長さuは、互いに同一である。この場合、各リニアフレネルレンズ部13を透過した映像光Lにより形成される画像の大きさを同じ大きさにすることができる。すなわち、透過型スクリーン2の出光側の面2aに、複数の同じ大きさの画像を表示することができるため、意匠性に優れる。
さらに、本実施の形態によれば、複数のリニアフレネルレンズ部13は、互いに同一に形成されている。この場合、各リニアフレネルレンズ部13に対してそれぞれ用いられる光源7を互いに同一の構成とすることができる。このため、使用する光源7の汎用性が高まり、透過型表示装置1を効率よく製造することができる。
次に、主として図4を参照して、リニアフレネルレンズシート3を製造する方法について説明する。図4は、図3に示すリニアフレネルレンズシート3を製造する方法の一例を示す概略図である。
図4に示すように、リニアフレネルレンズシート3の基材30からなる基材シート131が、ロール状の原反132から繰り出され、リニアフレネルレンズ部13を賦型するためのロール状の型134と加圧ローラ133との間に供給される。このロール状の型134には、複数のリニアフレネルレンズ部13の各レンズ面14と相補的な形状をもつ凹部が形成されている。次に、このロール状の型134と基材シート131との間に、紫外線硬化性樹脂供給部135から供給される紫外線硬化性樹脂142が、供給される。そして、基材シート131と紫外線硬化性樹脂142とが、加圧ローラ133とロール状の型134とによって挟持されて、当該ロール状の型134の外周に沿って搬送される。ロール状の型134の外周近傍には、紫外線ランプ136が配置されており、当該紫外線ランプ136から紫外線が照射され、搬送中の紫外線硬化性樹脂142が硬化させられると共に紫外線硬化性樹脂142に各リニアフレネルレンズ部13が賦型される。硬化した紫外線硬化性樹脂142は、基材シート131に固着する。また、紫外線硬化性樹脂142が固着した基材シート131は、剥離ローラ137によって、ロール状の型134から剥離される。この紫外線硬化性樹脂142と基材シート131とから、複数のリニアフレネルレンズ部13を備えるレンズ層10と基材30とからなるリニアフレネルレンズシート3が得られる。
このような製造方法によれば、複数のリニアフレネルレンズ部13をレンズ層10に精度よく一体に成形することができる。また、ロール状の型134を用いてリニアフレネルレンズシート3を連続的に安定して製造することができるため、安価で製造効率が高い。つまり、いわゆるロールtoロールで、言い換えると、ロール状に巻かれた長尺の材料を用いて、多数のリニアフレネルレンズシート3を互いに接続した状態で作製することができる。このため、多数のリニアフレネルレンズシート3を安価に効率よく製造することができる。
なお、図4に示すリニアフレネルレンズシート3を製造する方法では、ロール状の型134を用いて紫外線硬化性樹脂からなるレンズ層10を形成する例を示したが、このような例に限定されない。例えば、複数のリニアフレネルレンズ部13を備えるレンズ層10が、熱可塑性樹脂を用いて射出成形により製造されてもよい。あるいは、複数のリニアフレネルレンズ部13を備えるレンズ層10が、熱可塑性樹脂を用いて押出成形により製造されてもよい。押出成形によれば、基材30をレンズ層10に積層しなくても、レンズ層10に各リニアフレネルレンズ部13を賦型することができる。
なお、上述した実施の形態では、透過型表示装置1は、リニアフレネルレンズシート3に映像光Lを投射する投射面8を有する複数の光源7を備え、各光源7の投射面8が、対応するリニアフレネルレンズ部13に映像光Lを投射する例を示したが、光源7の数はこのような例に限定されない。透過型表示装置は、リニアフレネルレンズシート3に映像光を投射する複数の投射面を有する単一の光源を備えていてもよい。この場合、単一の光源の各投射面は、対応するリニアフレネルレンズ部13に映像光を投射する。そして、映像光のレンズ面14への入射角度を抑えるべく、光源からの各映像光を、ミラー等の偏向手段を介して、対応するリニアフレネルレンズ部13に入射させてもよい。
1 透過型表示装置
2 透過型スクリーン
2a 出光側の面
3 リニアフレネルレンズシート
3a シート面
4 拡散シート
7 光源
8 投射面
10 レンズ層
11 第1面
12 第2面
13 リニアフレネルレンズ面
13a 第1レンズ面群
13b 第2レンズ面群
14 レンズ面
14a 第1レンズ面
14b 第2レンズ面
15 ライズ面
15a 第1ライズ面
15b 第2ライズ面
30 基材
α レンズ角
d1 第1方向
L 映像光
O 光学中心

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  1. 一体に成形された複数のリニアフレネルレンズ部を備え、
    各リニアフレネルレンズ部は、光学中心を有している、リニアフレネルレンズシート。
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