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JP2018123987A - ベーパーチャンバ - Google Patents

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JP2018123987A
JP2018123987A JP2017014747A JP2017014747A JP2018123987A JP 2018123987 A JP2018123987 A JP 2018123987A JP 2017014747 A JP2017014747 A JP 2017014747A JP 2017014747 A JP2017014747 A JP 2017014747A JP 2018123987 A JP2018123987 A JP 2018123987A
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JP2017014747A
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一樹 宮武
Kazuki Miyatake
一樹 宮武
佐々木 泰海
Yasumi Sasaki
泰海 佐々木
聡 濱川
Satoshi Hamakawa
聡 濱川
義勝 稲垣
Yoshikatsu Inagaki
義勝 稲垣
川畑 賢也
Kenya Kawabata
賢也 川畑
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】気相の作動流体及び液相の作動流体の流動抵抗を低減し、また、気相の作動流体による液相の作動流体の飛散を防止して、液相の作動流体の還流を円滑化することで、優れた熱輸送特性を発揮するベーパーチャンバを提供する。
【解決手段】中空の空洞部が形成されたコンテナと、前記コンテナに接続された、前記空洞部と内部空間の連通した管体と、前記空洞部から前記管体内部までの空間に封入された作動流体と、を有し、前記コンテナと前記管体との接続部に、前記コンテナと一体である隔壁が設けられ、前記隔壁は、一方の面と他方の面を有し、前記一方の面に毛細管力を生じるウィック構造体が形成され、前記一方の面の毛細管力が、前記他方の面の毛細管力よりも大きいベーパーチャンバ。
【選択図】図1

Description

本発明は、液相の作動流体と気相の作動流体の流動抵抗を低減することで、優れた熱輸送特性を発揮するベーパーチャンバに関するものである。
電気・電子機器に搭載されている半導体素子等の電子部品は、高機能化に伴う高密度搭載等により、発熱量が増大し、近年、その冷却がより重要となっている。電子部品等の発熱体の冷却方法として、ベーパーチャンバが使用されることがある。
発熱体を効率的に冷却するためには、ベーパーチャンバの放熱効率を向上させることが要求される。そこで、平面型コンテナである第1のチャンバと、該第1のチャンバの内部と連通した熱伝導性のシリンダーである複数の第2のチャンバと、該第1のチャンバと該第2のチャンバ内部を流通できる作動流体と、を備えたベーパーチャンバが提案されている(特許文献1)。
特許文献1では、第2のチャンバの基部から先端部の方向へ気相の作動流体が流れる間に、作動流体が気相から液相へ相変化することで、第1のチャンバと熱的に接続された発熱体由来の熱が第2のチャンバからベーパーチャンバの外部へ放出される。第2のチャンバにて気相から液相へ相変化した作動流体は、第2のチャンバ内面に形成されたウィック構造体によって、第2のチャンバの先端部から基部の方向へ還流されて第1のチャンバへ返送される。
しかしながら、特許文献1では、第2のチャンバ内部における、気相の作動流体の流路と液相の作動流体の流路との分離が不十分であることから、作動流体の流れに抵抗が生じてしまい、また、液相の作動流体は気相の作動流体の流れの勢いによって飛散してしまうことがあるので、熱輸送効率が十分ではないという問題があった。
米国特許出願公開第2016/0227672号明細書
上記事情に鑑み、本発明は、気相の作動流体及び液相の作動流体の流動抵抗を低減し、また、気相の作動流体による液相の作動流体の飛散を防止して、液相の作動流体の還流を円滑化することで、優れた熱輸送特性を発揮するベーパーチャンバを提供することを目的とする。
本発明の態様は、中空の空洞部が形成されたコンテナと、前記コンテナに接続された、前記空洞部と内部空間の連通した管体と、前記空洞部から前記管体内部までの空間に封入された作動流体と、を有し、前記コンテナと前記管体との接続部に、前記コンテナと一体である隔壁が設けられ、前記隔壁は、一方の面と他方の面を有し、前記一方の面に毛細管力を生じるウィック構造体が形成され、前記一方の面の毛細管力が、前記他方の面の毛細管力よりも大きいベーパーチャンバである。
本発明の態様は、中空の空洞部が形成されたコンテナと、前記コンテナに接続された、前記空洞部と内部空間の連通した管体と、前記空洞部から前記管体内部までの空間に封入された作動流体と、を有し、前記コンテナと前記管体との接続部に、前記管体と一体化された隔壁が設けられ、前記隔壁は、一方の面と他方の面を有し、前記一方の面に毛細管力を生じるウィック構造体が形成され、前記一方の面の毛細管力が、前記他方の面の毛細管力よりも大きいベーパーチャンバである。
上記各態様では、コンテナ外面に被冷却体である発熱体が熱的に接続され、また、コンテナには管体が取り付けられている。コンテナの内部空間である空洞部と管体の内部空間は連通しているので、作動流体は、空洞部から管体内部にわたって形成された空間に封入されることとなる。また、管体の内部空間は、空洞部と同様に、脱気処理により減圧された状態となっている。
また、上記各態様では、ベーパーチャンバの内部空間のうち、コンテナと管体との接続部に、それぞれ、コンテナに対して一体である隔壁、管体に対して一体である隔壁が設けられている。ここで、「一体」とは、着脱できない状態で固定されていることを意味する。
本発明の態様は、前記コンテナが、一方の板状体と該一方の板状体と対向する他方の板状体とにより形成されたベーパーチャンバである。
本発明の態様は、前記隔壁の前記他方の面に、ウィック構造体が形成されていないベーパーチャンバである。
本発明の態様は、前記隔壁の前記一方の面の毛細管力の大きさが、前記管体内面の毛細管力の大きさ以上であるベーパーチャンバである。
本発明の態様は、前記隔壁の前記一方の面側の形状が、該一方の面と対向する前記管体の部位の内面側形状に対応しているベーパーチャンバである。
本発明の態様は、前記隔壁の前記一方の面のウィック構造体が、前記コンテナ内面の底部に接しているベーパーチャンバである。
本発明の態様は、前記隔壁の前記一方の面のウィック構造体が、熱源から遠い側の前記管体内面と接しているベーパーチャンバである。
本発明の態様は、前記管体の先端部に、前記隔壁が設けられていないベーパーチャンバである。
本発明の態様は、前記管体の先端部及び中央部に、前記隔壁が設けられていないベーパーチャンバある。
上記態様では、隔壁は、管体がコンテナに取り付けられている部位、すなわち、管体の基部にのみ隔壁が設けられている。
本発明の態様によれば、ベーパーチャンバの内部空間のうち、コンテナと管体との接続部に、コンテナまたは管体と一体の部材である、一方の面と他方の面とを有する隔壁が設けられ、一方の面の毛細管力が他方の面の毛細管力よりも大きいことにより、コンテナと管体との接続部の内部空間のうち、隔壁の一方の面と隔壁の一方の面に対向する管体内面の部位との間に、液相の作動流体の流路が形成される。また、それ以外の部位、すなわち、隔壁の他方の面と隔壁の一方の面に対向しない管体内面の部位との間が、気相の作動流体の流路となる。よって、コンテナと管体との接続部の内部空間において、液相の作動流体の流路と気相の作動流体の流路とが確実に分離される。従って、コンテナと管体との接続部の内部空間において、気相の作動流体及び液相の作動流体の流動抵抗を低減でき、また、気相の作動流体による液相の作動流体の飛散を防止して、液相の作動流体の還流を円滑化するので、優れた熱輸送特性を発揮できる。また、コンテナと管体との接続部の内部空間において、液相の作動流体の流路と気相の作動流体の流路とが確実に分離されるので、上記接続部における液相の作動流体の液溜まりを防止できる。
本発明の態様によれば、隔壁の他方の面にはウィック構造体が形成されていないことにより、液相の作動流体の流路と気相の作動流体の流路とをより確実に分離できる。
本発明の態様によれば、隔壁の一方の面の毛細管力が、管体内面の毛細管力と同じか、または大きいことにより、隔壁の一方の面と隔壁の一方の面に対向する管体内面の部位との間に、より確実に液相の作動流体の流路が形成される。従って、液相の作動流体の流路と気相の作動流体の流路をより確実に分離できる。
本発明の態様によれば、隔壁の一方の面のウィック構造体が、コンテナ内面の底部に接していることにより、液相の作動流体を管体からコンテナ内面の底部まで確実に還流させることができる。従って、コンテナの受熱部に円滑に液相の作動流体を還流させることができる。
本発明の態様によれば、隔壁の一方の面のウィック構造体が、熱源から遠い側の管体内面と接していることにより、より確実に液相の作動流体の流路が形成できる。
本発明の態様によれば、管体の先端部及び中央部には、隔壁が設けられていないことにより、液相の作動流体の流路と気相の作動流体の流路とを確実に分離しつつ、作動流体の凝縮効率の低下を防止できる。
(a)図は、本発明の第1実施形態例に係るベーパーチャンバの部分側面断面図、(b)図は、本発明の第1実施形態例に係るベーパーチャンバ内部の説明図である。 本発明の第2実施形態例に係るベーパーチャンバ内部の部分説明図である。 本発明の第3実施形態例に係るベーパーチャンバ内部の部分説明図である。 本発明のベーパーチャンバの使用方法例の説明図である。
以下に、本発明の第1実施形態例に係るベーパーチャンバについて、図面を用いながら説明する。図1(a)、(b)に示すように、本発明の第1実施形態例に係るベーパーチャンバ1は、対向する2枚の板状体、すなわち、一方の板状体11と一方の板状体11と対向する他方の板状体12とを重ねることにより空洞部13が形成されたコンテナ10と、他方の板状体12に接続された、空洞部13と内部空間の連通した管体20と、空洞部13から管体20内部までの空間に封入された作動流体とを有している。一方の板状体11の底面外側に、被冷却体である発熱体(図示せず)が、熱的に接続される。
一方の板状体11は平板状であり、また、他方の板状体12も平板状である。従って、コンテナ10の形状は平面型である。一方の板状体11には、その中央部に、凹部が形成されている。一方の板状体11の凹部がコンテナ10の空洞部13を形成している。コンテナ10の形状は、特に限定されないが、ベーパーチャンバ1では、平面視(ベーパーチャンバ1の平面部に対して鉛直方向からの視認)が矩形状となっている。空洞部13は、脱気処理により減圧されている。
空洞部13に対応する他方の板状体12の部位には、管体20が設けられている。管体20の形状は、特に限定されないが、ベーパーチャンバ1では、長手方向の形状は直線状であり、長手方向に対して直交方向の形状は円形となっている。管体20は、他方の板状体12の表面に対して鉛直に立設されている。
管体20の空洞部13側端部(以下、「基部」ということがある。)は開口しており、空洞部13とは反対の端部(以下、「先端部」ということがある。)は閉塞している。また、空洞部13と管体20の内部空間は連通しており、管体20の内部空間は、空洞部13と同様に、脱気処理により減圧されている。
図1(a)、(b)に示すように、他方の板状体12には、管体20をコンテナ10に取り付けるための貫通孔14が形成されている。貫通孔14の形状と寸法は、管体20の形状と寸法に対応しており、管体20の基部が、他方の板状体12の貫通孔14に嵌挿されることで、管体20が他方の板状体12に接続されている。従って、管体20とコンテナ10は、別の部材からなっている。コンテナ10に取り付けた管体20を他方の板状体12に固定する方法としては、特に限定されないが、例えば、溶接、はんだ付け、ろう付け等を挙げることができる。
管体20とコンテナ10は別の部材からなっているので、管体20の配置や形状、寸法等を自由に選択でき、ベーパーチャンバ1の設計の自由度が向上する。また、ベーパーチャンバ1では、他方の板状体12の貫通孔14に管体20を嵌挿することで、管体20をコンテナ10に取り付けることができるので、組み立てが容易である。
また、図1(a)、(b)に示すように、管体20の空洞部13側端部は、一方の板状体11と接していない。従って、作動流体は、コンテナ10の空洞部13と管体20の内部空間との間で流通可能となっている。
図1(a)、(b)に示すように、コンテナ10と管体20との接続部、すなわち、コンテナ10の空洞部13と管体20の内部空間との境界部22及び境界部22の近傍に、コンテナ10の一方の板状体11と一体であり、管体20とは別体である隔壁30が配置されている。隔壁30は、平面状である空洞部13の底部から突き出した状態で設けられている。隔壁30は、コンテナ10の一方の板状体11と一体成形または一体化処理されているので、一方の板状体11に対して着脱できない状態となっている。なお、「別体」とは、一体成形も一体化もされていないことを意味する。
隔壁30は、例えば、平板状(ベーパーチャンバ1では、短冊状)の突出部であり、平板状の突出部の表面に相当する一方の面31と平板状の突出部の裏面に相当する他方の面32とを有している。一方の板状体11と一体である隔壁30は、例えば、鍛造等により一方の板状体11と一体成形したり、一方の板状体11とは別部材である板状部材を一方の板状体11に溶接等にて接合して一体化処理することで形成できる。
隔壁30は、管体20の長手方向に対して略平行方向に、コンテナ10の底部から管体20の基部まで延在している。なお、ベーパーチャンバ1では、コンテナ10と管体20との接続部、すなわち、管体20の内部空間のうち、管体20の基部に隔壁30が配置されているが、管体20の先端部及び中央部(先端部と基部の間の部位)には、隔壁30は延在していない態様となっている。
隔壁30の一方の面31には、毛細管力を生じる第1のウィック構造体33が設けられている。一方で、隔壁30の他方の面32には、ウィック構造体は設けられていない。従って、隔壁30の2つの面のうち、一方の面31の毛細管力は、他方の面32の毛細管力よりも大きい態様となっている。第1のウィック構造体33としては、特に限定されないが、例えば、銅粉等の金属粉の焼結体、金属線からなる金属メッシュ、グルーブ、不織布等を挙げることができる。なお、ベーパーチャンバ1では、第1のウィック構造体33として、金属粉の焼結体が用いられている。
一方で、管体20の内面には、第1のウィック構造体33とは異なる、毛細管力を生じる第2のウィック構造体21が設けられている。ベーパーチャンバ1では、第2のウィック構造体21は、管体20の内面全体を覆うように形成されている。隔壁30の第1のウィック構造体33の毛細管力は、管体20内面の第2のウィック構造体21の毛細管力と同等以上の大きさとなっている。第2のウィック構造体21としては、特に限定されないが、例えば、銅粉等の金属粉の焼結体、金属線からなる金属メッシュ、グルーブ、不織布等を挙げることができる。
また、ベーパーチャンバ1では、一方の面31と一方の面31に対向する管体20内面の部位との間の寸法が、他方の面32と他方の面32に対向する管体20内面の部位との間の寸法よりも小さくなるように、隔壁30が配置されている。すなわち、一方の面31が管体20の周方向の中心軸よりも管体20の内面方向に配置されるように、隔壁30が設置されている。なお、ベーパーチャンバ1では、一方の面31上に設けられた第1のウィック構造体33は、管体20の第2のウィック構造体21とは接しておらず、第1のウィック構造体33と管体20の第2のウィック構造体21との間に、隙間部が形成されている。
また、隔壁30は、管体20の内部空間のうち、熱源である発熱体から遠くなるように配置されている。従って、コンテナ10の中央部に発熱体が熱的に接続される場合には、図1(a)、(b)に示すように、管体20の内部空間のうち、コンテナ10の周縁部側に、隔壁30が配置される。
第1のウィック構造体33は、一方の面31を覆うように設けられているので、第1のウィック構造体33は、空洞部13のうち、一方の板状体11の内面に接している。すなわち、第1のウィック構造体33は、空洞部13を構成するコンテナ10内面のうち、底部に接している。
隔壁30を有するコンテナ10及び管体20の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン等を挙げることができる。空洞部13及び管体20の内部空間に封入する作動流体としては、隔壁30、コンテナ10及び管体20の材料との適合性に応じて、適宜選択可能であり、例えば、水、フルオロカーボン類、シクロペンタン、エチレングリコール、これらの混合物等を挙げることができる。
コンテナ10の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、1.0〜5.0mmを挙げることができ、一方の板状体11と他方の板状体12の厚さは、特に限定されないが、例えば、一方の板状体11は0.9〜4.7mm、他方の板状体12は0.1〜0.3mmを挙げることができる。また、空洞部13の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.4〜4.8mmを挙げることができる。隔壁30の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜0.3mmを挙げることができる。
次に、図1(a)、(b)を用いて、ベーパーチャンバ1の熱輸送システムについて説明する。コンテナ10の裏面(一方の板状体11の外面)に被冷却体である発熱体が熱的に接続される。一方の板状体11が発熱体から受熱すると、一方の板状体11から空洞部13の液相の作動流体Lへ熱が伝達されて、空洞部13にて、液相の作動流体Lが気相の作動流体Gへと相変化する。コンテナ10の空洞部13とコンテナ10に接続された管体20の内部空間とが連通しているので、液相の作動流体Lから相変化した気相の作動流体Gは、空洞部13から管体20の内部空間へ流入する。管体20の内部空間へ流入した気相の作動流体Gは、管体20内部にて潜熱を放出して、液相の作動流体Lへ相変化する。管体20内部にて気相から液相に相変化した作動流体は、管体20内面の第2のウィック構造体21によって、管体20の中央部及び先端部から、管体20の基部(すなわち、管体20のうち、コンテナ10の空洞部13と管体20の内部空間との境界部22及びその近傍)へ還流する。
管体20の基部に設けられた隔壁30は、一方の面31と他方の面32とを有し、第1のウィック構造体33が設けられた一方の面31は毛細管力を有し、ウィック構造体が設けられていない他方の面32は毛細管力を有さない。よって、一方の面31側と他方の面32側の毛細管力の差により、コンテナ10と管体20との接続部の内部空間のうち、隔壁30の一方の面31と隔壁30の一方の面31に対向する管体20内面の部位との間に、液相の作動流体L(すなわち、管体20内面の第2のウィック構造体21によって管体20の中央部及び先端部から基部へ還流された液相の作動流体L、及び管体20の基部にて凝結した液相の作動流体L)の流路が形成される。また、第1のウィック構造体33は、空洞部13の底部、すなわち、一方の板状体11の内面まで延在しているので、液相の作動流体Lは、隔壁30の第1のウィック構造体33を介して、管体20の基部から空洞部13の底部まで還流する。
一方で、コンテナ10と管体20との接続部の内部空間のうち、隔壁30の他方の面32と隔壁30の一方の面31に対向しない管体20内面の部位との間が、空洞部13から管体20の内部空間へ流入する気相の作動流体Gの流路となる。従って、ベーパーチャンバ1では、管体20基部の内部空間において、管体20から空洞部13方向へ還流する液相の作動流体Lの流路と、空洞部13から管体20方向へ流れる気相の作動流体Gの流路と、が確実に分離されている。
空洞部13の内部には、第1のウィック構造体33及び第2のウィック構造体21とは異なる第3のウィック構造体15が設けられているので、管体20の基部から空洞部13の底部まで還流した液相の作動流体Lは、第3のウィック構造体15を介して、空洞部13の、発熱体が熱的に接続された領域まで還流する。
第1実施形態例に係るベーパーチャンバ1では、隔壁30によって、管体20から空洞部13方向へ還流する液相の作動流体Lの流路と、空洞部13から管体20方向へ流れる気相の作動流体Gの流路と、が確実に分離されているので、コンテナ10と管体20との接続部の内部空間において、気相の作動流体G及び液相の作動流体Lの流動抵抗を低減でき、また、気相の作動流体Gによる液相の作動流体Lの飛散を防止して、液相の作動流体Lの還流を円滑化できる。よって、ベーパーチャンバ1では、優れた熱輸送特性を発揮できる。また、コンテナ10と管体20との接続部の内部空間において、液相の作動流体Lの流路と気相の作動流体Gの流路とが確実に分離されるので、上記接続部における液相の作動流体Lの液溜まりを防止できる。
また、第1実施形態例に係るベーパーチャンバ1では、隔壁30の第1のウィック構造体33の毛細管力が、管体20の第2のウィック構造体21の毛細管力と同じか、または大きいので、隔壁30の一方の面31と管体20内面との間に、より確実に液相の作動流体Lの流路が形成される。従って、より確実に、液相の作動流体Lの流路と気相の作動流体Gの流路を分離できる。なお、隔壁30の第1のウィック構造体33の毛細管力が、管体20の第2のウィック構造体21の毛細管力より大きいことにより、液相の作動流体Lの流路と気相の作動流体Gの流路との分離をより促進できる。
また、第1実施形態例に係るベーパーチャンバ1では、隔壁30の第1のウィック構造体33が、発熱体が熱的に接続される空洞部13の底部に接しているので、液相の作動流体Lを確実にコンテナ10内面の発熱体が熱的に接続される領域に還流させることができる。
さらに、第1実施形態例に係るベーパーチャンバ1では、管体20の先端部及び中央部には、隔壁33が設けられていないので、管体20の基部にて液相の作動流体Lの流路と気相の作動流体Gの流路とを確実に分離しつつ、管体20(管体20の先端部及び中央部)において優れた作動流体の凝縮効率を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態例に係るベーパーチャンバについて、図面を用いながら説明する。なお、第1実施形態例に係るベーパーチャンバと同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
第1実施形態例に係るベーパーチャンバでは、一方の面31上に設けられた第1のウィック構造体33は、管体20の第2のウィック構造体21とは接しておらず、第1のウィック構造体33と管体20の第2のウィック構造体21との間に、隙間部が形成されていたが、これに代えて、図2に示すように、第2実施形態例に係るベーパーチャンバ2では、一方の面31上に設けられた第1のウィック構造体33の少なくとも一部領域は、管体20の第2のウィック構造体21と接している。
第2実施形態例に係るベーパーチャンバ2では、第1のウィック構造体33が管体20の第2のウィック構造体21と接していることにより、液相の作動流体Lがより円滑に第2のウィック構造体21内から第1のウィック構造体33内へ流入できるので、気相の作動流体Gの流路から液相の作動流体Lの流路をより十分に分離できる。
次に、本発明の第3実施形態例に係るベーパーチャンバについて、図面を用いながら説明する。なお、第1、第2実施形態例に係るベーパーチャンバと同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
第1、第2実施形態例に係るベーパーチャンバでは、隔壁30は、コンテナ10の一方の板状体11と一体であり、管体20とは別体であったが、これに代えて、図3に示すように、第3実施形態例に係るベーパーチャンバ3では、隔壁30は、管体20と一体であり、コンテナ10の一方の板状体11とは別体となっている。ベーパーチャンバ3では、別部材である隔壁30用の板状部材が、管体20に対し一体化処理されている。例えば、隔壁30の第1のウィック構造体33が、管体20の第2のウィック構造体21と焼結されることで、隔壁30と管体20が一体化されている。よって、隔壁30は、管体20に対して着脱できない状態で固定されている。
また、隔壁30の、一方の板状体11側の端部は、一方の板状体11と接している。第1のウィック構造体33は、一方の面31を覆っている。よって、第1のウィック構造体33は、空洞部13を構成するコンテナ10内面のうち、底部に接している。
第3実施形態例に係るベーパーチャンバ3では、隔壁30が管体20と一体であり、第1のウィック構造体33が管体20の第2のウィック構造体21と連結されていることにより、ベーパーチャンバ2と同様に、液相の作動流体Lがより円滑に第1のウィック構造体33内へ流入できるので、気相の作動流体Gの流路から液相の作動流体Lの流路をより十分に分離できる。
次に、本発明のベーパーチャンバの使用方法例について、図面を用いながら説明する。ここでは、第1実施形態例に係るベーパーチャンバ1を例にとって説明する。
図4に示すように、例えば、発熱体(図示せず)をコンテナ10の一方の板状体11外面、すなわち、コンテナ10の裏面に熱的に接続させ、コンテナ10の他方の板状体12に取り付けられた複数の管体20に、熱交換手段(図4では、複数の放熱フィン100)を取り付ける態様が挙げられる。すなわち、ベーパーチャンバ1の管体20に熱交換手段を接続する使用方法が挙げられる。放熱フィン100のベーパーチャンバ1への取り付け方法としては、例えば、放熱フィン100に、管体20の寸法・形状及び位置に対応した孔部を設け、該孔部に管体を嵌挿する方法が挙げられる。コンテナ10から管体20へ輸送された発熱体からの熱は、放熱フィン100を介して、ベーパーチャンバ1の外部環境へ放出される。
次に、本発明のベーパーチャンバの他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例のベーパーチャンバでは、隔壁の他方の面にはウィック構造体が設けられていなかったが、これに代えて、一方の面の第1のウィック構造体よりも毛細管力の小さいウィック構造体であれば、必要に応じて、他方の面にもウィック構造体を設けてもよい。
また、上記各実施形態例では、隔壁30は平板状であった、すなわち、隔壁の一方の面側の形状は、一方の面と対向する管体の部位の内面側形状に対応していなかったが、これに代えて、隔壁の一方の面側の形状が、一方の面と対向する管体の部位の内面側形状に対応した態様としてもよい。例えば、長手方向に対して直交方向の形状が円形である管体は、その長手方向に対して直交方向の内面側形状は、所定の曲率半径を有するところ、これに対応して、隔壁の一方の面側の平面視における形状は、上記所定の曲率半径と同じ曲率半径を有する円弧状としてもよい。
また、上記各実施形態例のベーパーチャンバでは、管体の先端部及び中央部には、隔壁は延在していなかったが、これに代えて、ベーパーチャンバの使用条件等に応じて、管体の先端部または中央部まで隔壁を延在させてもよい。
また、上記各実施形態例のベーパーチャンバでは、管体の長手方向の形状は直線状であったが、これに代えて、L字状等、曲げ部を有する形状でもよい。また、上記各実施形態例のベーパーチャンバでは、管体の長手方向に対して直交方向の形状は円形であったが、扁平形状、楕円形等でもよい。さらに、上記各実施形態例のベーパーチャンバでは、コンテナの平面視の形状が矩形状であったが、使用条件等に応じて適宜変更可能であり、例えば、円形状等でもよい。
また、上記各実施形態例のベーパーチャンバでは、コンテナは平面型であったが、これに代えて、管状のコンテナを用いてもよく、上記管状のコンテナの長手方向に対して直交方向の形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、多角形、角丸長方形等が挙げられる。また、上記管状のコンテナは、扁平加工された扁平型コンテナでもよい。
本発明のベーパーチャンバは、液相の作動流体の流動抵抗を低減し、気相の作動流体による液相の作動流体の飛散を防止して、液相の作動流体の還流を円滑化することで、優れた熱輸送特性を発揮できるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、車両やパーソナルコンピュータなどの電子機器に搭載された発熱体の冷却用として利用することができる。
1、2、3 ベーパーチャンバ
10 コンテナ
11 一方の板状体
12 他方の板状体
20 管体
30 隔壁
31 一方の面
32 他方の面
33 第1のウィック構造体

Claims (10)

  1. 中空の空洞部が形成されたコンテナと、前記コンテナに接続された、前記空洞部と内部空間の連通した管体と、前記空洞部から前記管体内部までの空間に封入された作動流体と、を有し、
    前記コンテナと前記管体との接続部に、前記コンテナと一体である隔壁が設けられ、
    前記隔壁は、一方の面と他方の面を有し、前記一方の面に毛細管力を生じるウィック構造体が形成され、前記一方の面の毛細管力が、前記他方の面の毛細管力よりも大きいベーパーチャンバ。
  2. 中空の空洞部が形成されたコンテナと、前記コンテナに接続された、前記空洞部と内部空間の連通した管体と、前記空洞部から前記管体内部までの空間に封入された作動流体と、を有し、
    前記コンテナと前記管体との接続部に、前記管体と一体化された隔壁が設けられ、
    前記隔壁は、一方の面と他方の面を有し、前記一方の面に毛細管力を生じるウィック構造体が形成され、前記一方の面の毛細管力が、前記他方の面の毛細管力よりも大きいベーパーチャンバ。
  3. 前記コンテナが、一方の板状体と該一方の板状体と対向する他方の板状体とにより形成された請求項1または2に記載のベーパーチャンバ。
  4. 前記隔壁の前記他方の面に、ウィック構造体が形成されていない請求項1乃至3のいずれか1項に記載のベーパーチャンバ。
  5. 前記隔壁の前記一方の面の毛細管力の大きさが、前記管体内面の毛細管力の大きさ以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベーパーチャンバ。
  6. 前記隔壁の前記一方の面側の形状が、該一方の面と対向する前記管体の部位の内面側形状に対応している請求項1に記載のベーパーチャンバ。
  7. 前記隔壁の前記一方の面のウィック構造体が、前記コンテナ内面の底部に接している請求項2に記載のベーパーチャンバ。
  8. 前記隔壁の前記一方の面のウィック構造体が、熱源から遠い側の前記管体内面と接している請求項1乃至7のいずれか1項に記載のベーパーチャンバ。
  9. 前記管体の先端部に、前記隔壁が設けられていない請求項1乃至8のいずれか1項に記載のベーパーチャンバ。
  10. 前記管体の先端部及び中央部に、前記隔壁が設けられていない請求項1乃至9のいずれか1項に記載のベーパーチャンバ。
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