JP2018120906A - 半導体層の製造方法、および半導体層 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る半導体層の製造方法は、物理気相成長法によって、基板の上方に、ゲルマニウムおよびスズを含む半導体層を形成する半導体層の製造方法であって、前記基板を第1温度に加熱して、前記基板の上方に、ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークの半値幅が3cm−1より大きい第1層を形成する工程と、前記基板を、前記第1温度より高い温度であって、かつ50℃以上で350℃より低い第2温度に加熱して、前記第1層の上方に第2層を形成する工程と、を含む。
【選択図】図2
Description
物理気相成長法によって、基板の上方に、ゲルマニウムおよびスズを含む半導体層を形成する半導体層の製造方法であって、
前記基板を第1温度に加熱して、前記基板の上方に、ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークの半値幅が3cm−1より大きい第1層を形成する工程と、
前記基板を、前記第1温度より高い温度であって、かつ50℃以上で350℃より低い第2温度に加熱して、前記第1層の上方に第2層を形成する工程と、
を含む。
前記第1層の前記半値幅は、4.5cm−1以下であってもよい。
前記第2温度は、275℃以上であってもよい。
前記基板を、前記第1温度よりも高く前記第2温度よりも低い第3温度に加熱して、前記基板と前記第1層との間に、第3層を形成する工程を含んでもよい。
前記第2層の厚さは、200nm以下であってもよい。
前記半導体層の表面を除去する工程を含んでもよい。
前記物理気相成長法は、スパッタ法であってもよい。
ゲルマニウムおよびスズを含み、
ゲルマニウムの原子数とスズの原子数との和に対するスズの原子数の比は、3%以上であり、
ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークの半値幅は、3cm−1より大きく、4cm−1以下である。
前記比は、9%以上であってもよい。
前記比は、14%以下であってもよい。
前記半値幅は、3.7cm−1以下であってもよい。
ゲルマニウムおよびスズを含み、
ゲルマニウムの原子数とスズの原子数との和に対するスズの原子数の比は、12%以上であり、
ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークの半値幅は、3cm−1より大きく、5.5cm−1以下である。
前記比は、14%以上であってもよい。
前記比は、15%以下であってもよい。
表面粗さRmsは、2nm以下であってもよい。
まず、本実施形態に係る半導体層について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る半導体層10を模式的に示す断面図である。
Ion Mass Spectrometry)やXRD(X−ray diffraction)におけるスペクトルの分析(例えば、逆格子空間マップ(RSM:reciprocal space map))により測定することができる。また、ラマンスペクトルは、ラマン分光法により取得することができ、ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークは、ラマンシフトが285cm−1以上315cm−1以下で確認されるピークである。Ge−Ge結合に帰属されるピークは、基本的には300.4cm−1であるが、半導体層10では、Snが添加されていることにより、Ge−Ge間の格子間隔が変化する場合がある(歪が生じる場合がある)。したがって、上記のように、半導体層10において、ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークは、ラマンシフトが285cm−1以上315cm−1以下で確認されるピークである。
Force Microscope)により測定することができる。例えば、半導体層10の表面にSnが析出する場合は、表面粗さRmsは、4.5nmより大きくなる。
数との和に対する添加物の原子数の比(添加物の原子数/(Geの原子数+Snの原子数+添加物の原子数))は、例えば、20%以下である。CやSiを半導体層10に添加することにより、半導体層10の格子定数を調整することができる。具体的には、CやSiの格子定数は、GeやSnの格子定数よりも小さいため、CやSiを添加することにより、半導体層10の格子状数を小さくすることができる。これにより、例えば、Si基板である基板2と、半導体層10と、の格子不整合の影響を減らすことができ、半導体層10の結晶性を高くすることができる。
次に、本実施形態に係る半導体層10の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る半導体層10の製造方法を説明するためのフローチャートである。図3〜図5は、本実施形態に係る半導体層10の製造工程を模式的に示す断面図である。
2温度を350℃より高くすると、第2低結晶層14が設けられていても、Snが析出する場合がある。第2温度は、好ましくは、275℃以上で350℃より低い温度であり、より好ましくは275℃以上330℃以下、さらにより好ましくは275℃以上300℃以下である。
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
真空反応容器(チャンバー)と試料導入容器(チャンバー)とが真空遮閉器を介して連結されているスパッタ装置を用いてスパッタを行い、Si基板上にGeSn層を形成した。真空反応容器は、Ge用マグネトロンスパッタガンと、Sn用マグネトロンスパッタガンと、を具備している。
本実験例では、上記の方法において、Si基板の加熱温度(基板温度)等を変化させて、GeSn層を形成した。具体的には、図8に示すように、実施例1〜11、比較例1,
2、および参考例1〜3のGeSn層を形成した。
00℃とし、高低結晶層の基板温度を225℃とし、Sn組成比の設定値を14.6%としたこと以外は、実施例1と同じである。
上記試料のGeSn層におけるSnの析出を、AFMにより評価した。さらに、GeSn層の表面粗さRmsを、AFMにより測定した。Snの析出の評価結果および表面粗さRmsを、図8に示す。なお、図8では、Snの析出が確認されたものを「有り」と記載し、Snの析出が確認されなかったものを「無し」と記載した。また、図9〜図15は、それぞれ、実施例1、実施例2、実施例5、実施例8、比較例1、比較例2、および参考例3のGeSn層の表面のAFM像である。
上記試料のGeSn層におけるSn組成比を、Ge(224)におけるXRDの逆格子空間マップにより求めた。Sn組成比を図8に示す。また、図16は、Ge(224)における実施例5および比較例1のXRDの逆格子空間マップを模式的に示すグラフである。なお、図8および図16において、比較例1のSn組成比は、膜厚を300nmではなく、500nmとした試料(比較例1(500mn))において求めたものである。
上記試料のGeSn層における結晶性を、ラマンスペクトルの半値幅により評価した。具体的には、ラマン分光法を行い、GeSn層のラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークの半値幅(FWHM)を求めた。ラマン分光法の光源としては、波長488nmのレーザーを用いた。本実験例のラマン分光法では、GeSn層の表面から20nm程度の深さの情報が得られる。GeSn層のラマンスペクトルの半値幅(FWHM)の値を、図8に示した。図17は、実施例1〜6および参考例1〜3における第2低結晶層の基板温度とFWHMとの関係を示すグラフである。
GeSn層のFWHMは5.5cm−1以下であり、結晶性の高いGeSn層を形成できることがわかった。
上記のスパッタ法で、基板温度を250℃として、Si基板上にGeSn層(膜厚100nm)を形成した。Sn組成比の設定値を11.5%とした。その後、350℃で5分間熱処理を行って試料(参考例4)を作成した。図19は、参考例4のGeSn層の表面のAFM象である。
4.1. レーザー光源への応用
本発明に係る半導体層(GeSn層)は、高効率な発光層としての応用が期待される。シリコンフォトニクスへの期待が高まる中、IV族半導体は、間接遷移であるため、レーザーなどの通信用の光源が欠けていた。本発明に係るSn組成比が高いGeSn層は、直接遷移となるため、高効率に発行し、シリコンフォトニックスで欠けていたレーザー光源を実現することができる。
p型で最も高速に動作するのがGeであり、Snを添加することにより、さらなる高速化が期待されている。例えば、Sn組成比を7%とすることにより、Snを添加しないGeに比べて、1.85倍高速になることが知られている。そこで、本発明に係るSn組成比が高いGeSn層は、高速移動度トランジスタを実現することができる。具体的には、本発明に係るGeSn層は、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)、ドープチャネル電界効果トランジスタ(DCFET:Doped−Channel Field−Effect Transistor)、共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunnel
Diode)、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT:Hetero−Bipolar Transistor)などに応用することができる。このような高速移動度トランジスタは、ミリ波無線通信やレーダー、物体画像検出や非侵襲・非破壊検査などに応用することができる。
Claims (15)
- 物理気相成長法によって、基板の上方に、ゲルマニウムおよびスズを含む半導体層を形成する半導体層の製造方法であって、
前記基板を第1温度に加熱して、前記基板の上方に、ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークの半値幅が3cm−1より大きい第1層を形成する工程と、
前記基板を、前記第1温度より高い温度であって、かつ50℃以上で350℃より低い第2温度に加熱して、前記第1層の上方に第2層を形成する工程と、
を含む、半導体層の製造方法。 - 請求項1において、
前記第1層の前記半値幅は、4.5cm−1以下である、半導体層の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記第2温度は、275℃以上である、半導体層の製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記基板を、前記第1温度よりも高く前記第2温度よりも低い第3温度に加熱して、前記基板と前記第1層との間に、第3層を形成する工程を含む、半導体層の製造方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記第2層の厚さは、200nm以下である、半導体層の製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1項において、
前記半導体層の表面を除去する工程を含む、半導体層の製造方法。 - 請求項1ないし6のいずれか1項において、
前記物理気相成長法は、スパッタ法である、半導体層の製造方法。 - ゲルマニウムおよびスズを含み、
ゲルマニウムの原子数とスズの原子数との和に対するスズの原子数の比は、3%以上であり、
ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークの半値幅は、3cm−1より大きく、4cm−1以下である、半導体層。 - 請求項8において、
前記比は、9%以上である、半導体層。 - 請求項8または9において、
前記比は、14%以下である、半導体層。 - 請求項8ないし10のいずれか1項において、
前記半値幅は、3.7cm−1以下である、半導体層。 - ゲルマニウムおよびスズを含み、
ゲルマニウムの原子数とスズの原子数との和に対するスズの原子数の比は、12%以上であり、
ラマンスペクトルのGe−Ge結合に帰属されるピークの半値幅は、3cm−1より大きく、5.5cm−1以下である、半導体層。 - 請求項12において、
前記比は、14%以上である、半導体層。 - 請求項12または13において、
前記比は、15%以下である、半導体層。 - 請求項8ないし14のいずれか1項において、
表面粗さRmsは、2nm以下である、半導体層。
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