JP2018116766A - 電磁接触器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに離間して設けられた第1固定接触子23および第2固定接触子24とこれら第1固定接触子および第2固定接触子に接離可能に設けられた可動接触子25とを有し、可動接触子に対して通電時の電磁反発力に抗するローレンツ力を与える主接点機構3と、第1固定接触子および第2固定接触子の主接点機構を収容する収容ケース2Aから突出する突出部に個別に接続された第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bを備え、第1主端子板および第2主端子板には、可動接触子が第1固定接触子および第2固定接触子に接触したときに流れる主電流の方向が等しくなり、且つ前記収容ケースの幅内に配置される平行な対向板部4Aa,4Baを設け、両対向板部で可動接触子に流れる電流と交差する共通磁界を発生させる。
【選択図】図1
Description
この電磁反発力を抑制するように何れか一方の固定接触子に接続した導体を可動接触子と平行に配置してこの導体に発生する磁界を可動接触子に流れる電流と交差する方向として可動接触子に電磁反発力を抑制するローレンツ力を作用させることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、継電器であり、扱う通電電流量が少ないうえ、一方の固定接触子に接続した導体に可動接触子と平行となる1つ又は2つの板部を形成している。この場合、板部を1つとする場合には、ローレンツ力を発生するための磁界を形成する電流量は、継電器の通電電流量となるが、磁界は板部を中心として同心円状となるので、可動子を横切る磁束が可動子の平面に対して斜めとなり、ローレンツ力の方向が可動子の固定子に接触する方向に対してずれることになり、電磁反発力に抗する力が減少してしまうという課題がある。
そこで、本発明は、上記特許文献1に記載された従来例の問題点に着目してなされたものであり、電磁反発力に抗するローレンツ力を効果的に発生させながら小型化することが可能な電磁接触器を提供することを目的としている。
以下、本発明に係る電磁接触器の実施形態について説明する。
電磁接触器1は、図1に示すように、絶縁樹脂材で形成された直方体状のケース体2を備えている。このケース体2は、主接点機構収容ケース2Aと電磁石収容ケース2Bとに分割されて構成されている。主接点機構収容ケース2Aには、内部に図3および図4に示す主接点機構3が配置されて、電磁石収容ケース2Bとは反対側の端子板設置面に対となる第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bが配置されている。
主接点機構3は、接点収納部11を備えている。この接点収納部11は、金属製の角筒体12と、この角筒体12の上端を閉塞する平板状の例えばセラミック性の絶縁板13とを備えている。角筒体12は、下端部に外方に突出するフランジ部12aを有する。このフランジ部12aが接点収納部11を構成する後述する上部磁気ヨーク14の上面にシール接合されている。絶縁板13には、一対の貫通孔13a、13bが所定間隔を保って形成されている。
主接点機構3は、図4に示すように、絶縁板13に所定間隔を保って固定された対となる第1固定接触子23および第2固定接触子24と、これら第1固定接触子23および第2固定接触子24に対して接離可能に配置されている可動接触子25とを備えている。
外部導体部23Aは、上面に開口する雌ねじ部23Aaを備えている。
外部導体24Aは、上面に開口する雌ねじ部24Aaを備えている。
さらに、第1固定接触子23には、アークの発生を規制する合成樹脂製の絶縁カバー26が装着されている。第2固定接触子24にも、アークの発生を規制する合成樹脂製の絶縁カバー27が装着されている。これにより、第1固定接触子23の内周面では下板部23cの上面側の第1接点部23dのみが露出される。また、第2固定接触子24の内周面では下板部24cの上面側の第2接点部24dのみが露出される。
また、スプール33の中央円筒部33a内に配置された固定プランジャ32の上部には、有底筒状に形成されたキャップ16が配置され、このキャップ16の開放端に設けられた半径方向外側に突出するフランジ部16aが、上部磁気ヨーク14の下面にシール接合されている。これにより、接点収納部11およびキャップ16が上部磁気ヨーク14の可動プランジャ貫通孔14aを介して連通された密封空間となる主接点機構3が形成されている。
また、上部磁気ヨーク14の上面には、図4に示すように、外形が方形で円形の中心開口を有して環状に形成された永久磁石17が可動プランジャ35の周鍔部35cを囲むように固定されている。永久磁石17は、上下方向即ち厚み方向に上端側を例えばN極、下端側をS極とするように着磁されている。
そして、主接点機構3の密封空間内には、例えば水素などのアーク消弧用ガスが封入されている。
端子板配置面42には、図1および図2に示すように、前後方向の端部にそれぞれ絶縁側壁43および44が形成されている。また、端子板配置面42には、絶縁側壁43および44間を2つの第1収納部45Aおよび第2収納部45Bに分割する内部絶縁壁46が形成されている。内部絶縁壁46は、外部導体部23Aの先端および外部導体部24Aの先端間に形成された前後方向に延長する幅広の中間絶縁壁46aを備えている。
そして、内部絶縁壁46で分割された第1収納部45Aに第1主端子板4Aが装着され、第2収納部45Bに第2主端子板4Bが装着されている。
この第1主端子板4Aは、取付板部4Abが第1固定接触子23の外部導体部23Aの上端に固定ねじ47Aによって固定されている。このとき、第1主端子板4Aの中間板部4Aa、取付板部4Abおよび外部接続板部4Acで構成される凹部4Ad内に中間絶縁壁46a、絶縁壁46dおよび46eで構成される凸部46fが係合されている。
この第2主端子板4Bは、取付板部4Bbが第2固定接触子24の外部導体部24Aの上端に固定ねじ47Bによって固定されている。このとき、第2主端子板4Bの中間板部4Ba、取付板部4Bbおよび外部接続板部4Bcで構成される凹部4Bd内に中間絶縁壁46a、絶縁壁46bおよび46cで構成される凸部46gが係合されている。
先ず、電磁接触器1の主接点機構収容ケース2Aの第1収納部45Aおよび第2収納部45Bに第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bを装着する。この装着は、主接点機構収容ケース2Aの開放された上方から絶縁側壁43,44および内部絶縁壁46で形成される第1収納部45Aおよび第2収納部45Bに第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bを装着する。
このとき、電磁石ユニット5におけるコイル34が非通電状態にあって、電磁石ユニット5で可動プランジャ35を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。
したがって、可動プランジャ35に連結軸37を介して連結されている主接点機構3の可動接触子25の第1接点部および第2接点部が、図4に示すように、第1固定接触子23の第1接点部23d、第2固定接触子24の第2接点部24dに対して上方に所定距離だけ離間している。このため、第1固定接触子23および第2固定接触子24の間の電流路が遮断状態にあり、主接点機構3が開極状態となっている。
このように、可動プランジャ35が下降することにより、可動プランジャ35に連結軸37を介して連結されている可動接触子25も下降し、主接点機構3の可動接触子25の第1接点部および第2接点部のそれぞれが、第1固定接触子23の第1接点部23dおよび第2固定接触子24の第2接点部24dのそれぞれに対して接触スプリング39の接触圧で接触する。
この閉極状態となると、第1固定接触子23および第2固定接触子24と可動接触子25とを流れる電流によって、第1固定接触子23の第1接点部23dおよび第2固定接触子24の第2接点部24dと可動接触子25との間に可動接触子25を開極方向に移動させる電磁反発力が発生する。
この外部磁界MFは可動接触子25を流れる電流に対して直交する方向となるとともに、可動接触子25の板面に沿って平行となる。したがって、第1固定接触子23および第2固定接触子24間の可動接触子25の長手方向の中間部に対してフレミング左手の法則による可動接触子25を第1接点部23dおよび第2接点部24dに押し付けるローレンツ力を発生させることができる。このとき、前述した従来例のように電流を分流するのではなく、入力電流と出力電流とで磁界を発生させるので、電流を分流する場合に比較して大きな磁束密度の大きさとすることができる。
そして、主接点機構3の閉極状態から、負荷への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット5のコイル34への通電を停止する。
この可動プランジャ35が上昇することにより、連結軸37を介して連結された可動接触子25が上昇する。これに応じて接触スプリング39で接触圧を与えているときは、可動接触子25の第1接点部および第2接点部のそれぞれが、第1固定接触子23の第1接点部23dおよび第2固定接触子24の第2接点部24dのそれぞれに接触している。その後、接触スプリング39の接触圧がなくなった時点で、可動接触子25が第1固定接触子23および第2固定接触子24から上方に離間する開極状態となる。
そして、可動接触子25の第1接点部および第2接点部と、第1固定接触子23の第1接点部23dおよび第2固定接触子24の第2接点部24dとの間に発生したアークは、これらアークの電流の流れと、図示しないアーク消弧用永久磁石で発生した磁束との関係からフレミング左手の法則により発生したローレンツ力によって引き延ばされるとともに、主接点機構3に封入されたアーク消弧用ガスによって冷却されて消弧される。
さらに、中間板部4Aaおよび4Ba間の距離を短くできることから、第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bを主接点機構収容ケース2Aの幅内に収納することができる。このため、電磁接触器1の外形を大型化することなく、過電流耐量性能を向上させることができる。しかも、外部接続板部4Acおよび4BcをL字状に形成することにより、外部接続板部4Acおよび4Bcを第1固定接触子23の外部導体部23Aおよび第2固定接触子24の外部導体部24Aの中心を通る線上に配置することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について図7〜図10を伴って説明する。
この第2の実施形態では、第1主端子板および第2主端子板の装着を上方から行なう場合に代えて側面方向から行なうようにしたものである。
そして、絶縁側壁43,44および内部絶縁壁46の上端が覆い板としての天板51によって閉塞され、第1主端子板4Aの中間板部4Aaに対応する部分が除去されて主端子板挿入部52Aが形成されているとともに、絶縁側壁44の第2主端子板4Bにおける中間板部4Baに対応する部分が除去されて主端子板挿入部52Bが形成されている。
なお、第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bの取付板部4Abおよび4Bbの中間板部4Aaおよび4Bbとは反対側の端面の下端部にC面取りを施して面取り部を形成し、第1固定接触子23の外部導体部23Aおよび第2固定接触子24の外部導体部24Aの上端面にもC面取りを施して面取り部を形成しておくことが好ましい。
この第2の実施形態によると、図10に示すように、第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bを、中間板部4Aaおよび4Baを主接点機構収容ケース2Aから離れる外側とし、凹部を主接点機構収容ケース2Aに近づける内側とした状態で、主接点機構収容ケース2Aの主端子板挿入部52Aおよび52Bに対向させる。
このとき、第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bの取付板部4Abおよび4Bbに形成したC面取り部と、第1固定接触子23の外部導体部23Aおよび第2固定接触子24の外部導体部24Aに形成した面取り部とが最初に接触する。このため、第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bの取付板部4Abおよび4Bbが第1固定接触子23の外部導体部23Aおよび第2固定接触子24の外部導体部24Aの上面上にスムーズに案内される。
また、第1主端子板4Aの中間板部4Aaおよび第2主端子板4Bの中間板部4Baによって、可動接触子25に開極方向の電磁反発力に抗するローレンツ力を作用させることができる。
なお、上記第1および第2の実施形態では、第1主端子板4Aおよび第2主端子板4Bの形状として中間板部4Aaおよび4Baと、取付板部4Abおよび4Bbと、L字状の外部接続板部4Acおよび4BcとでU字状部を形成した場合について説明した。しかしながら、第1主端子板4Aおよび4Bは、上記構成に限定されるものではなく、図11に示すように、中間板部4Aaおよび4Baの延長線上に外部接続板部4Acおよび4Bcを形成して全体としてL字状に形成するようにしてもよい。この場合、中間板部4Aaおよび4Baと外部接続板部4Acおよび4Bcとの間に内部絶縁壁46の凸部46f及び46gを収容する浅い凹部4Ad及び4Bdを形成することが好ましい。
Claims (9)
- 互いに離間して設けられた第1固定接触子および第2固定接触子とこれら第1固定接触子および第2固定接触子に接離可能に設けられた可動接触子とを有し、前記可動接触子に対して通電時の電磁反発力に抗するローレンツ力を与える主接点機構と、
前記第1固定接触子および第2固定接触子の前記主接点機構を収容する収容ケースから突出する突出部に個別に接続された第1主端子板および第2主端子板を備え、
前記第1主端子板および第2主端子板には、前記可動接触子が前記第1固定接触子及び前記第2固定接触子に接触したときに流れる主電流の方向が等しくなり、且つ前記収容ケースの幅内に配置される平行な対向板部を設け、両対向板部で可動接触子に流れる電流と交差する共通磁界を発生させる
ことを特徴とする電磁接触器。 - 前記第1主端子板は、前記収容ケースの一方の側縁に沿う前記対向板部と、該対向板部の一端から内方に延長し前記第1固定接触子の前記収容ケースから突出する突出部に接続される取付板部と、前記対向板部の他端から前記収容ケースの外方に延長する外部接続板部とを備え、
前記第2主端子板は、前記収容ケースの他方の側縁に沿う前記対向板部と、該対向板部の一端から内方に延長し前記第2固定接触子の前記収容ケースから突出する突出部に接続される取付板部と、前記対向板部の他端から収容ケースの外方に延長する外部接続板部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。 - 前記第1主端子板および前記第2主端子板の対向面間に前記収容ケースに形成された内部絶縁壁が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁接触器。
- 前記第1主端子板および前記第2主端子板は、前記対向板部、前記取付板部および前記外部接続板部の内側面で前記内部絶縁壁に係合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電磁接触器。
- 前記第1主端子板の対向板部および前記第2主端子板の対向板部の外側縁が前記収容ケースの前記第1固定接触子の突出部および前記第2固定接触子の突出部間を結ぶ線と平行な絶縁側壁の内側に配置されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の電磁接触器。
- 前記内部絶縁壁と、前記収容ケースの外側縁に形成された絶縁側壁とで前記第1主端子板を収納する第1収納部と第2主端子板を収納する第2収納部とが形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の電磁接触器。
- 前記第1収納部および前記第2収納部は、前記主接点機構とは反対側が開放されて前記第1主端子板および前記第2主端子板を挿入する挿入部とされていることを特徴とする請求項6に記載の電磁接触器。
- 前記内部絶縁壁と、該内部絶縁壁の前記主接点機構とは反対側を覆う覆い板とで前記第1主端子板を収納する第1収納部および第2主端子板を収納する第2収納部が形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の電磁接触器。
- 前記第1収納部および第2収納部は、前記収容ケースの側縁側が開放されて前記第1主端子板および前記第2主端子板を挿入する挿入部とされていることを特徴とする請求項8に記載の電磁接触器。
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