JP2018111750A - 光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】室温固形でハンドリングが容易でトランスファー成型可能であるだけでなく、透明性、耐熱性、耐光性及び耐湿性に優れた熱硬化性エポキシ樹脂組成物の提供。【解決手段】下記成分(A)及び(B)を含む光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。(A)下記成分(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂、(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂及び(A−3)飽和炭化水素系酸無水物を含み、エポキシ基モル数/酸無水物基モル数が0.6〜2.0であるプレポリマー(B)下記成分脂肪族4級ホスホニウム塩、芳香族4級ホスホニウム塩、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデカン−7−エンのオニウム塩及びイミダゾール誘導体のオニウム塩から選ばれる1種又は2種以上のオニウム塩【選択図】なし
Description
本発明は、光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びこれにより封止された光半導体素子を有する光半導体装置に関する。
LED(Light Emitting Diode)等の光半導体素子は、街頭ディスプレイや自動車ランプ、住宅用照明などの種々のインジケーターや光源として利用されるようになっている。特に、二酸化炭素削減や省エネルギーを達成するため、各分野で光半導体素子を応用した製品の開発が急速に進んでいる。
LED等の各種光半導体素子を封止するための封止材は、透明性、耐湿性、耐熱性及び耐光性を有していなければならないので、その材料として、従来ビスフェノール型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂とともに酸無水物系硬化剤を用いた熱硬化性エポキシ樹脂が用いられている(特許文献1)。
しかし、ビスフェノール型エポキシ樹脂は耐熱性が高いものの耐光性に乏しく、脂環式エポキシ樹脂は耐光性が高いものの耐熱性に乏しいといった問題があるため、耐熱性及び耐光性のバランスの良い材料が求められている(特許文献2〜4)。この問題を解決するためにトリグリシジルイソシアヌレートのような多官能エポキシ樹脂を用いた材料もある。しかし、この材料には、エポキシ樹脂と酸無水物との反応後にヒドロキシル基量が増加するために、吸湿量が多くなるといった問題がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、室温固形でハンドリングが容易でトランスファー成型可能であるだけでなく、透明性、耐熱性、耐光性及び耐湿性に優れた光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。また本発明は、前記組成物で封止された光半導体素子を有する光半導体装置を提供することをも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、下記に示される光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
〔1〕
下記成分(A)及び(B)を含む光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
(A)下記成分
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂、
(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂及び
(A−3)飽和炭化水素系酸無水物
を含み、エポキシ基モル数/酸無水物基モル数が0.6〜2.0であるプレポリマー
(B)下記成分
脂肪族4級ホスホニウム塩、芳香族4級ホスホニウム塩、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデカン−7−エンのオニウム塩及びイミダゾール誘導体のオニウム塩から選ばれる1種又は2種以上のオニウム塩
下記成分(A)及び(B)を含む光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
(A)下記成分
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂、
(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂及び
(A−3)飽和炭化水素系酸無水物
を含み、エポキシ基モル数/酸無水物基モル数が0.6〜2.0であるプレポリマー
(B)下記成分
脂肪族4級ホスホニウム塩、芳香族4級ホスホニウム塩、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデカン−7−エンのオニウム塩及びイミダゾール誘導体のオニウム塩から選ばれる1種又は2種以上のオニウム塩
〔2〕
(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂が、下記一般式(1)で表されるフッ素化エポキシ樹脂である〔1〕に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂が、下記一般式(1)で表されるフッ素化エポキシ樹脂である〔1〕に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、nは0〜40の数を示す。]
〔3〕
〔1〕又は〔2〕に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物で封止された光半導体装置。
〔1〕又は〔2〕に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物で封止された光半導体装置。
〔4〕
〔1〕又は〔2〕に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて、光半導体素子をトランスファー成型して封止することを特徴とする光半導体装置の製造方法。
〔1〕又は〔2〕に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて、光半導体素子をトランスファー成型して封止することを特徴とする光半導体装置の製造方法。
本発明の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、室温固形でハンドリングが容易で加圧成型(例えば、トランスファー成型)可能である。また、本発明の組成物の硬化物は、透明性、耐熱性、耐光性及び耐湿性に優れたものである。従って、本発明の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、光半導体装置の封止樹脂として有用である。さらに、本発明の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子をトランスファー成型して封止する光半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)成分
本発明で用いられる(A)成分は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と、(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂と、(A−3)飽和炭化水素系酸無水物の硬化剤とを特定の割合で反応させて得られる反応物を樹脂成分として含有することにより、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の黄変を抑制し、且つ経時劣化の少ない半導体発光装置を実現することができる。
(A)成分は、本発明の組成物中、10〜50質量%含有することが好ましく、12〜48質量%含有することがより好ましく、15〜35質量%含有することがさらに好ましい。
本発明で用いられる(A)成分は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と、(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂と、(A−3)飽和炭化水素系酸無水物の硬化剤とを特定の割合で反応させて得られる反応物を樹脂成分として含有することにより、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の黄変を抑制し、且つ経時劣化の少ない半導体発光装置を実現することができる。
(A)成分は、本発明の組成物中、10〜50質量%含有することが好ましく、12〜48質量%含有することがより好ましく、15〜35質量%含有することがさらに好ましい。
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂が好ましい。特にイソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂は、耐光性や電気絶縁性に優れており、1つのイソシアヌレート環に対して、2価の、より好ましくは3価のエポキシ基を有するものが好ましい。イソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂として、具体的には、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、トリス(4,5−エポキシペンチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス[2−〔2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)ブチルオキシ〕カルボニルエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。また、エポキシ基の不斉炭素において、光学純度を高めたものを用いてもよい。
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂が好ましい。特にイソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂は、耐光性や電気絶縁性に優れており、1つのイソシアヌレート環に対して、2価の、より好ましくは3価のエポキシ基を有するものが好ましい。イソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂として、具体的には、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、トリス(4,5−エポキシペンチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス[2−〔2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)ブチルオキシ〕カルボニルエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。また、エポキシ基の不斉炭素において、光学純度を高めたものを用いてもよい。
本発明で用いるトリアジン誘導体エポキシ樹脂の軟化点は40〜125℃であることが好ましく、70〜120℃であることがより好ましい。なお、本発明において、このトリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、トリアジン環を水素化したものは包含しない。
(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂
本発明で用いられる(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂以外に(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂を加えることで、本発明の組成物の室温でのハンドリング性が向上するだけなく、経時劣化の少ない半導体発光装置を実現することができる。
本発明で用いられる(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂以外に(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂を加えることで、本発明の組成物の室温でのハンドリング性が向上するだけなく、経時劣化の少ない半導体発光装置を実現することができる。
本発明で用いられる25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂としては、入手のしやすさや良好な特性を得られるといった観点から下記一般式(1)で表されるフッ素化エポキシ樹脂が好ましいものとして挙げられる。
式(1)中、R1、R2、R3及びR4は各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、nは0〜40の数を示す。
一般式(1)において、nは0〜40であるが、好ましくは0〜20である。nが40を超えると分子量が大きくなるため、プレポリマーの粘度及び軟化温度が上昇し、プレポリマーの取り扱い性が低下する傾向がある。また、フッ素化エポキシ樹脂の軟化点は30〜100℃であることが好ましい。
(A−3)飽和炭化水素系酸無水物
本発明で用いられる(A−3)飽和炭化水素系酸無水物は硬化剤として作用するものである。該飽和炭化水素系酸無水物は芳香環や炭素−炭素二重結合を有さないので、本発明の組成物の硬化物の耐光性が良好となる。該飽和炭化水素系酸無水物としては、脂環式炭化水素基を有する飽和炭化水素系酸無水物が好ましく、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられ、これらの中でもヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸が特に好ましい。これらの飽和炭化水素系酸無水物の硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられる(A−3)飽和炭化水素系酸無水物は硬化剤として作用するものである。該飽和炭化水素系酸無水物は芳香環や炭素−炭素二重結合を有さないので、本発明の組成物の硬化物の耐光性が良好となる。該飽和炭化水素系酸無水物としては、脂環式炭化水素基を有する飽和炭化水素系酸無水物が好ましく、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられ、これらの中でもヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸が特に好ましい。これらの飽和炭化水素系酸無水物の硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
(A)成分において、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と、(A−2)フッ素化エポキシ樹脂と、(A−3)飽和炭化水素系酸無水物との配合比は、(A−3)酸無水物基1モルに対して、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂及び(A−2)フッ素化エポキシ樹脂中の総エポキシ基が0.6〜2.0モルであり、好ましくは0.8〜1.8モル、さらに好ましくは1.0〜1.6モルである。((A−1)成分及び(A−2)成分の総エポキシ基のモル数)/((A−3)成分の酸無水物基のモル数)が0.6未満では未反応硬化剤が硬化物中に残り、得られる硬化物の耐湿性が悪化する場合やプレポリマー化における室温での固形化が困難な場合がある。また((A−1)成分及び(A−2)成分の総エポキシ基のモル数)/((A−3)成分の酸無水物基のモル数)が2.0を超えると硬化不良が生じ、本発明の硬化物の信頼性が低下する場合がある。
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)フッ素化エポキシ樹脂の質量比は、(A−1)成分:(A−2)成分)=40:60〜90:10であり、好ましくは(A−1)成分:(A−2)成分=50:50〜80:20である。この範囲より(A−1)成分が多いと、プレポリマー合成後の本発明の組成物のハンドリング性が低下する場合がある。またこの範囲より、(A−1)成分が少ないと本発明の硬化物の耐熱性及び耐光性が低下する場合がある。
プレポリマー合成
上記プレポリマーを合成するには、上記の(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分を、60〜120℃、好ましくは70〜110℃にて3〜20時間、好ましくは4〜15時間反応させる方法が挙げられる。この際、(A−1)成分と(A−3)成分とを予めプレポリマー化させた後に(A−2)成分を添加しても、あるいは(A−2)成分と(A−3)成分とを予めプレポリマー化させた後に(A−1)成分を添加してもよい。
得られた(A)成分のプレポリマーは、軟化点が40〜100℃、好ましくは50〜80℃である25℃で固体物である。該プレポリマーの軟化点が、40℃未満では固体になりにくく、室温において加圧成型が困難である。軟化点が、100℃を超える温度では組成物として成型時に必要な流動性が低くなりすぎるおそれがある。軟化点が上記の範囲内であれば、熱硬化前の状態で室温において加圧成型が可能となるため好ましい。
上記プレポリマーを合成するには、上記の(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分を、60〜120℃、好ましくは70〜110℃にて3〜20時間、好ましくは4〜15時間反応させる方法が挙げられる。この際、(A−1)成分と(A−3)成分とを予めプレポリマー化させた後に(A−2)成分を添加しても、あるいは(A−2)成分と(A−3)成分とを予めプレポリマー化させた後に(A−1)成分を添加してもよい。
得られた(A)成分のプレポリマーは、軟化点が40〜100℃、好ましくは50〜80℃である25℃で固体物である。該プレポリマーの軟化点が、40℃未満では固体になりにくく、室温において加圧成型が困難である。軟化点が、100℃を超える温度では組成物として成型時に必要な流動性が低くなりすぎるおそれがある。軟化点が上記の範囲内であれば、熱硬化前の状態で室温において加圧成型が可能となるため好ましい。
本明細書中で「熱硬化前の状態」とは、いわゆるB−ステージ状態をいい、具体的には熱硬化性樹脂の反応の中間的な段階であって、熱硬化性樹脂がプレポリマー化された状態をいう。B−ステージ状態では、熱硬化性樹脂は加熱により軟化して膨張するが、ある種の液体と接触しても、完全には溶融又は溶解しない。
本明細書中で「加圧成型」とは、粉末を金型に充填し単軸に沿った加圧力で成型するプロセスをいう。室温で加圧成型が可能になることによって、エポキシ樹脂組成物のタブレット化が容易になる。
(B)硬化促進剤
(B)成分の硬化促進剤として、耐熱性や耐光性、硬化物への着色性の観点からオニウム塩が用いられる。該オニウム塩としては、例えば、脂肪族4級ホスホニウム塩、芳香族4級ホスホニウム塩、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデカン−7−エンのオニウム塩及びイミダゾール誘導体のオニウム塩等が挙げられる。なお、これらは単独で使用してもよく、若しくは併用してもよい。
(B)成分の硬化促進剤として、耐熱性や耐光性、硬化物への着色性の観点からオニウム塩が用いられる。該オニウム塩としては、例えば、脂肪族4級ホスホニウム塩、芳香族4級ホスホニウム塩、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデカン−7−エンのオニウム塩及びイミダゾール誘導体のオニウム塩等が挙げられる。なお、これらは単独で使用してもよく、若しくは併用してもよい。
(B)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)成分の配合量の総和に対して0.05〜5質量%、特に0.1〜2質量%の範囲内とすることが好ましい。前記範囲を外れると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性及び耐湿性のバランスが悪くなったり、成型時の硬化が非常に遅く又は速くなったりするおそれがある。
(B)成分は上記オニウム塩であるが、これ以外のエポキシ樹脂用硬化促進剤と併用してもよい。該エポキシ樹脂用硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデカン−7−エン、トリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類;2−エチル−4メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;有機金属塩類及びこれらの誘導体が挙げられる。
本発明の組成物には、上記(A)及び(B)成分に加え、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の透明性及び機械特性、信頼性などを損なわない範囲であれば必要に応じて更に下記の成分などを配合してもよい。
(C)酸化防止剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、初期透過率向上及び長期での透過率維持のために、酸化防止剤を配合することができる。(C)成分の酸化防止剤としては、フェノール系、リン系及び硫黄系の酸化防止剤が挙げられ、これらの酸化防止剤の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、初期透過率向上及び長期での透過率維持のために、酸化防止剤を配合することができる。(C)成分の酸化防止剤としては、フェノール系、リン系及び硫黄系の酸化防止剤が挙げられ、これらの酸化防止剤の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルアルキル、亜リン酸フェニルジアルキル、亜リン酸トリ(ノニルフェニル)、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリオクタデシル、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト及びテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニルジホスホネート等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジベンジルジサルフィド等が挙げられる。
これらのフェノール系、リン系及び硫黄系の酸化防止剤は、それぞれ単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。酸化防止剤の配合量は、(A)成分に対して0.01〜10質量%、特に0.03〜8質量%とすることが好ましい。酸化防止剤の配合量が少なすぎると十分な耐熱性、耐光性が得られず、変色する場合がある。酸化防止剤の配合量が多すぎると硬化阻害を起こし、十分な硬化性、強度を得ることができない場合や、酸化防止剤自体の劣化により硬化物が変色する場合だけでなく、酸化防止剤が溶解せずに表面に滲み出てきて透明性を低下させるおそれがある。
(D)離型剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、成型時の離型性を高めるために、離型剤を配合してもよい。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、成型時の離型性を高めるために、離型剤を配合してもよい。
離型剤としては、カルナバワックスをはじめとする天然ワックス、酸ワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステルやグリセリン誘導体をはじめとする合成ワックスが挙げられるが、一般的に高温条件下や光照射下では、容易に黄変するものが多い。また、一般的に離型剤は樹脂表面に滲み出るものであり、少量でも離型剤を使用すると硬化物の透明性を大きく低下させてしまうことが多い。したがって、離型剤としては、透明性及び離型性の両方を獲得できるグリセリン誘導体や脂肪酸エステルが好ましい。
離型剤(D)の配合量は、(A)成分の配合量の総和100質量部に対して、0.20〜10.0質量部、特に1.0〜7.0質量部とすることが好ましい。配合量が0.20質量部未満では、十分な離型性を得られない場合があり、10.0質量部を超えると、本発明の組成物が滲み出し十分な透明性が得られなかったり、接着性が低下する場合がある。
(E)カップリング剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、該組成物の硬化物とリードフレームなどの金属基材との接着を強くするために、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤を配合することができる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、該組成物の硬化物とリードフレームなどの金属基材との接着を強くするために、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤を配合することができる。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどが好適な例として挙げられる。なお、アミン系シランカップリング剤のように150℃以上に放置した場合に熱樹脂が変色するものは好ましくない。
(E)成分の配合量は、(A)成分に対して、0.05〜2.0質量%、特に0.1〜1.5質量%とすることが好ましい。0.05質量%未満であると、基材への接着効果が十分でなく、また2.0質量%を超えると、本発明の組成物の粘度が極端に低下して、ボイドの原因となるおそれがある。
(F)補強材
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、室温や加熱時でのさらなる強度向上や、成型時のクラック発生の抑制のために、(F)成分として補強材を配合することができる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、室温や加熱時でのさらなる強度向上や、成型時のクラック発生の抑制のために、(F)成分として補強材を配合することができる。
補強材としては通常エポキシ樹脂組成物に配合されるようなものを使用することができる。補強材としては例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ガラス繊維などが挙げられ、サイズはナノサイズであることが好ましい。なかでも、硬化物との屈折率の差が小さいガラス繊維が好ましく、不純物濃度が低いガラス繊維がより好ましく、硬化物との屈折率の差が小さく、かつ不純物濃度が低いガラス繊維がさらに好ましい。
ガラス繊維の平均直径は3.0〜20.0μm、好ましくは5.0〜15.0μmである。ガラス繊維の平均直径が小さいと硬化物への補強効果が少なく、機械強度が十分に向上せず、大きいと、不均一な外観となるおそれがある。
ガラス繊維の平均長さとしては30〜400μm、好ましくは35〜250μmである。ガラス繊維の平均長さが短いと硬化物への補強効果が小さく、硬化物の機械強度が十分に向上せず、長いと成型時に金型のゲート部やランナー部で詰まりを起こしたり、外観上不均一になったりするおそれがある。
(F)成分の配合量は、(A)成分に対して、15質量%以下であることが好ましい。(F)成分の配合量が多すぎると、硬化物の透明性が著しく低下し、所望の光取り出し効率が得られないおそれがある。
(G)可撓性付与剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、室温や加熱時でのさらなる強度向上や、成型時のクラック発生の抑制のために、(G)成分として可撓性付与剤を配合することができる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、室温や加熱時でのさらなる強度向上や、成型時のクラック発生の抑制のために、(G)成分として可撓性付与剤を配合することができる。
可撓性付与剤としては、ポリオール(例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなど)、トリオール(例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールオクタン、トリヒドロキシエチルイソシアヌレート、グリセリンなど)及びジオール(例えば、エチレングリコールなど)に加えて、相溶性の高いアクリル樹脂、(A)成分と屈折率の近いシリコーンゴム及びレジンパウダーなどが挙げられる。
製造方法
本発明の熱硬化性エポキシ組成物の製造方法としては、(A)成分を所定の組成比で配合し、これをゲートミキサー等によって熱混合してプレポリマー化し、さらに(B)成分及び必要に応じて(C)〜(G)成分等を所定の割合で溶融し、冷却固化し、適当な大きさに粉砕する方法が挙げられ、得られた熱硬化性エポキシ樹脂組成物は成型材料とすることができる。この際、各成分はいかなる順番で添加されてもよく、例えば予め配合した(C)成分等とともに(A)成分をプレポリマー化してもよい。また、(A)成分のみを予めプレポリマー化し、冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して(B)成分の硬化促進剤や必要によりその他の添加物を所定の組成比で配合してもよい。その後、これをミキサー等によって十分均一に混合し、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物の成型材料とすることもできる。
本発明の熱硬化性エポキシ組成物の製造方法としては、(A)成分を所定の組成比で配合し、これをゲートミキサー等によって熱混合してプレポリマー化し、さらに(B)成分及び必要に応じて(C)〜(G)成分等を所定の割合で溶融し、冷却固化し、適当な大きさに粉砕する方法が挙げられ、得られた熱硬化性エポキシ樹脂組成物は成型材料とすることができる。この際、各成分はいかなる順番で添加されてもよく、例えば予め配合した(C)成分等とともに(A)成分をプレポリマー化してもよい。また、(A)成分のみを予めプレポリマー化し、冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して(B)成分の硬化促進剤や必要によりその他の添加物を所定の組成比で配合してもよい。その後、これをミキサー等によって十分均一に混合し、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物の成型材料とすることもできる。
封止方法
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いた光半導体素子の封止は、トランスファー成型等の公知のモールド方法により行なうことができる。トランスファー成型法では、トランスファー成型機を用い、成型圧力5〜20N/mm2、成型温度120〜190℃で成型時間30〜500秒、特に成型圧力5〜20N/mm2、成型温度150〜185℃で成型時間90〜300秒で行うことが好ましい。更に、後硬化を150〜185℃で0.5〜20時間行ってもよい。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いた光半導体素子の封止は、トランスファー成型等の公知のモールド方法により行なうことができる。トランスファー成型法では、トランスファー成型機を用い、成型圧力5〜20N/mm2、成型温度120〜190℃で成型時間30〜500秒、特に成型圧力5〜20N/mm2、成型温度150〜185℃で成型時間90〜300秒で行うことが好ましい。更に、後硬化を150〜185℃で0.5〜20時間行ってもよい。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物(厚さ1mm)の450nmの光透過率は、透明性の観点から、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。耐熱性の観点から、熱処理した硬化物(厚さ1mm)の450nmの光透過率(%)は、65%よりも高いことが好ましく、70%以上がより好ましく、75%以上がさらに好ましい。耐光性の観点から、高温でレーザーを照射した硬化物(厚さ1mm)の450nmの光透過率(%)は、65%よりも高いことが好ましく、70%以上がより好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例で使用した材料及び方法を以下に示す。
(A)成分
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂
(A−1−1):トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(TEPIC−S:日産化学(株)製商品名、エポキシ当量100)
(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂
(A−2−1):固形モノマー型フッ素化エポキシ樹脂(jER−7760:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量235)
(A−2−2):固形オリゴマー型フッ素化エポキシ樹脂(jER−7763:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量475)
(A−3)飽和炭化水素系酸無水物
(A−3−1):メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH:新日本理化(株)製商品名、酸無水物当量168)
(A−4)比較例用エポキシ樹脂
(A−4−1):固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名jER−1001:三菱化学(株)製、エポキシ当量475)
(A−4−2):固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER−4004P:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量900)
(A−4−3):固形水添エポキシ樹脂(jER−8040:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量1000)
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂
(A−1−1):トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(TEPIC−S:日産化学(株)製商品名、エポキシ当量100)
(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂
(A−2−1):固形モノマー型フッ素化エポキシ樹脂(jER−7760:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量235)
(A−2−2):固形オリゴマー型フッ素化エポキシ樹脂(jER−7763:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量475)
(A−3)飽和炭化水素系酸無水物
(A−3−1):メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH:新日本理化(株)製商品名、酸無水物当量168)
(A−4)比較例用エポキシ樹脂
(A−4−1):固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名jER−1001:三菱化学(株)製、エポキシ当量475)
(A−4−2):固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER−4004P:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量900)
(A−4−3):固形水添エポキシ樹脂(jER−8040:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量1000)
(B)成分
(B−1)硬化促進剤
(B−1−1)リン系硬化触媒;テトラブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオエート(ヒシコーリンPX−4ET:日本化学工業社製)
(B−1)硬化促進剤
(B−1−1)リン系硬化触媒;テトラブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオエート(ヒシコーリンPX−4ET:日本化学工業社製)
実施例1〜2、比較例1〜6
(A)成分を、表1に示す割合で配合し、80℃に加熱したゲートミキサー内にて8時間溶融混合してプレポリマー化した。さらにプレポリマー化した(A)成分に(B)成分を加えて5分間溶融混合し、冷却固化させて粉砕し、粉体状のエポキシ樹脂組成物を得た。
(A)成分を、表1に示す割合で配合し、80℃に加熱したゲートミキサー内にて8時間溶融混合してプレポリマー化した。さらにプレポリマー化した(A)成分に(B)成分を加えて5分間溶融混合し、冷却固化させて粉砕し、粉体状のエポキシ樹脂組成物を得た。
比較例7
(A)及び(B)成分を、表1に示す割合で配合し、90℃に加熱したゲートミキサー内にて10分間溶融混合し、冷却することでペースト状のエポキシ樹脂組成物を得た。
(A)及び(B)成分を、表1に示す割合で配合し、90℃に加熱したゲートミキサー内にて10分間溶融混合し、冷却することでペースト状のエポキシ樹脂組成物を得た。
これらの組成につき、以下の諸特性を測定した。その結果を表1に示す。
組成物のハンドリング性
上記のゲートミキサーによる溶融混合時の作業性を以下の基準で評価した。
○:加熱冷却後、加圧成型(タブレット化)が容易な成型物を得ることができた。
×:加熱冷却後、加圧成型(タブレット化)が困難な成型物しか得ることができなかった。
上記のゲートミキサーによる溶融混合時の作業性を以下の基準で評価した。
○:加熱冷却後、加圧成型(タブレット化)が容易な成型物を得ることができた。
×:加熱冷却後、加圧成型(タブレット化)が困難な成型物しか得ることができなかった。
曲げ強さ、曲げ弾性率
JIS K6911:1995に記載の試験片(4×10×100mm)を成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成型時間120秒の条件で成型し、180℃で1時間ポストキュアーした。ポストキュアーした試験片を25℃で、JIS K6911:1995に記載の方法で、曲げ強さ(MPa)及び曲げ弾性率(MPa)を測定した。その結果を表1に示す。
JIS K6911:1995に記載の試験片(4×10×100mm)を成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成型時間120秒の条件で成型し、180℃で1時間ポストキュアーした。ポストキュアーした試験片を25℃で、JIS K6911:1995に記載の方法で、曲げ強さ(MPa)及び曲げ弾性率(MPa)を測定した。その結果を表1に示す。
ガラス転移温度(Tg)
EMMI規格に準じた金型を使用して、成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成型時間120秒の条件で成型し、180℃、1時間ポストキュアーした。ポストキュアーした試験片を5×5×15mmの試験片にそれぞれを加工した後、それらの試験片を熱膨張計TMA8140C(株式会社リガク社製)にセットした。そして、昇温プログラムを昇温速度5℃/分に設定し、49mNの一定荷重が加わるように設定した後、25℃から300℃までの間で試験片の寸法変化を測定した。この寸法変化と温度との関係をグラフにプロットした。このようにして得られた寸法変化と温度とのグラフから、下記に説明するガラス転移温度の決定方法により、実施例及び比較例におけるガラス転移温度を求めて表1に示す。
EMMI規格に準じた金型を使用して、成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成型時間120秒の条件で成型し、180℃、1時間ポストキュアーした。ポストキュアーした試験片を5×5×15mmの試験片にそれぞれを加工した後、それらの試験片を熱膨張計TMA8140C(株式会社リガク社製)にセットした。そして、昇温プログラムを昇温速度5℃/分に設定し、49mNの一定荷重が加わるように設定した後、25℃から300℃までの間で試験片の寸法変化を測定した。この寸法変化と温度との関係をグラフにプロットした。このようにして得られた寸法変化と温度とのグラフから、下記に説明するガラス転移温度の決定方法により、実施例及び比較例におけるガラス転移温度を求めて表1に示す。
ガラス転移温度の決定方法
図1において、変曲点の温度以下で寸法変化−温度曲線の接線が得られる任意の温度2点をT1及びT2とし、変曲点の温度以上で同様の接線が得られる任意の温度2点をT1’及びT2’とした。T1及びT2における寸法変化をそれぞれD1及びD2として、点(T1、D1)と点(T2、D2)とを結ぶ直線と、T1’及びT2’における寸法変化をそれぞれD1’及びD2’として、点(T1’、D1’)と点(T2’、D2’)とを結ぶ直線との交点をガラス転移温度(Tg)とした。
図1において、変曲点の温度以下で寸法変化−温度曲線の接線が得られる任意の温度2点をT1及びT2とし、変曲点の温度以上で同様の接線が得られる任意の温度2点をT1’及びT2’とした。T1及びT2における寸法変化をそれぞれD1及びD2として、点(T1、D1)と点(T2、D2)とを結ぶ直線と、T1’及びT2’における寸法変化をそれぞれD1’及びD2’として、点(T1’、D1’)と点(T2’、D2’)とを結ぶ直線との交点をガラス転移温度(Tg)とした。
光透過率(耐熱性、耐光性)
成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成型時間120秒の条件で、厚さ1mmのシート型硬化物を作製し、180℃で1時間ポストキュアーした。その硬化物について、分光光度計CMS−35SPC((株)村上色彩技術研究所)にて450nmの光透過率を測定した。さらに180℃で72時間の熱処理した硬化物の450nmの光透過率を測定し、耐熱性を評価した。また、温度調節機能付きレーザー照射装置(光源:日亜化学株式会社製UV−LED、オーブン:ESPEC STH−120、検出器:ADVANTEST R8240)を用いて、150℃にて440nmのレーザー光(出力:250mW/mm2)を48時間照射した硬化物の450nmの光透過率を測定し、耐光性を評価した。その結果を表1に示す。
成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成型時間120秒の条件で、厚さ1mmのシート型硬化物を作製し、180℃で1時間ポストキュアーした。その硬化物について、分光光度計CMS−35SPC((株)村上色彩技術研究所)にて450nmの光透過率を測定した。さらに180℃で72時間の熱処理した硬化物の450nmの光透過率を測定し、耐熱性を評価した。また、温度調節機能付きレーザー照射装置(光源:日亜化学株式会社製UV−LED、オーブン:ESPEC STH−120、検出器:ADVANTEST R8240)を用いて、150℃にて440nmのレーザー光(出力:250mW/mm2)を48時間照射した硬化物の450nmの光透過率を測定し、耐光性を評価した。その結果を表1に示す。
吸湿率(耐湿性)
成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成型時間120秒の条件で、直径50mm、厚さ3mmの硬化物を作製し、180℃で1時間ポストキュアーした。ポストキュアーした硬化物の初期重量を分析天秤(製品名:METTLER AT201(メトラー・トレド株式会社))を用いてひょう量した。その後、その硬化物を85℃、85%の恒温恒湿槽で48時間インキュベーションした。その後、硬化物の吸湿後重量を分析天秤(製品名:METTLER AT201(メトラー・トレド株式会社))を用いてひょう量した。吸湿率(%)は下記式から算出した。その結果を表1に示す。
成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成型時間120秒の条件で、直径50mm、厚さ3mmの硬化物を作製し、180℃で1時間ポストキュアーした。ポストキュアーした硬化物の初期重量を分析天秤(製品名:METTLER AT201(メトラー・トレド株式会社))を用いてひょう量した。その後、その硬化物を85℃、85%の恒温恒湿槽で48時間インキュベーションした。その後、硬化物の吸湿後重量を分析天秤(製品名:METTLER AT201(メトラー・トレド株式会社))を用いてひょう量した。吸湿率(%)は下記式から算出した。その結果を表1に示す。
表1の結果から、プレポリマー化したものは、室温で加圧成型(タブレット化)が可能であり、透明性、耐熱性、耐光性が高く、吸湿性は低いことが分かった。
Claims (4)
- 下記成分(A)及び(B)を含む光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
(A)下記成分
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂、
(A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂及び
(A−3)飽和炭化水素系酸無水物
を含み、エポキシ基モル数/酸無水物基モル数が0.6〜2.0であるプレポリマー
(B)下記成分
脂肪族4級ホスホニウム塩、芳香族4級ホスホニウム塩、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデカン−7−エンのオニウム塩及びイミダゾール誘導体のオニウム塩から選ばれる1種又は2種以上のオニウム塩 - (A−2)25℃で非流動性であるフッ素化エポキシ樹脂が、下記一般式(1)で表されるフッ素化エポキシ樹脂である請求項1に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物で封止された光半導体装置。
- 請求項1又は2に記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて、光半導体素子をトランスファー成型して封止することを特徴とする光半導体装置の製造方法。
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