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JP2018107783A - マルチアンテナ通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ伝送速度を向上するマルチアンテナ通信装置を提供する。
【解決手段】4アンテナアレイ11は、第1側空間101と、第2側空間102を分ける平面状グラウンド導体と、第1から第4アンテナ111、112、113、114とで構成する。第1及び第2アンテナは第1側空間に位置し、第3及び第4アンテナは第2側空間に位置する。第1から第4アンテナは、各々給電導線1112、1122、1132、1142とグラウンド導線1113、1123、1133、1143を有する放射導体部1111、1121、1131、1141を含む。放射導体部は、給電導線を介して信号源に電気的に接続され、グラウンド導線を介して第1縁103に電気的に接続され、第1から第4ループ経路1115、1125、1135、1145を形成する。4アンテナアレイ11の最大寸法は、最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲である。
【選択図】図1B

Description

本発明は、通信装置に関し、より詳しくは、データ伝送速度を向上できるマルチアンテナ通信装置に関するものである。
無線通信の信号の品質や通信速度への要求がますます高まるので、通信装置にマルチアンテナアレイ、例えばマイモ(MIMO、multiple-input multiple-output)システムやビームフォーミングアンテナアレイが応用されている。マイモシステムは、スペクトル効率を向上してチャンネルの容量およびデータの伝送速度に寄与し端末装置の信号受信の信頼性を高めるため、第5世代(5G)携帯通信システムの技術開発ポイントとされている。例えば、8×8マイモシステム環境では、スペクトル効率が2×2マイモシステムのほぼ4倍になる37bps/Hz(20dBSN比の前提)に達することができる。
しかし、空間が限られた通信装置内において、複数のアンテナが同じ帯域で作動する場合は、エンベロープ相関係数(Envelope correlation coefficient、ECC)が高まってアンテナの放射性が減衰する恐れがあり、データの伝送速度が落ち、マルチアンテナの統合が困難になる問題があるので、空間が限られた通信装置にマルチアンテナアレイシステムを実現するとともに各アンテナに良好の放射性およびアンテナの効率を持たせることは課題となっている。
従来、アンテナ同士の間のアイソレーションを高めるために平面状グラウンド導体に突起や溝を設けたマルチアンテナが開発されている。しかし、このような配置は予想外の電流が誘起されてマルチアンテナのエンベロープ相関係数が上げられ、しかもマルチアンテナアレイ全体の寸法が増大されるので、通信端末に要求される高機能とコンパクトが両立できるマルチアンテナアレイが実現されなかった。
したがって、高速のデータ伝送速度のマルチアンテナ通信装置の実用化の需要を満足できるように、上記課題を解決技術手段が求められている。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであって、上記課題を解決できるマルチアンテナ通信装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1縁を有し、第1側空間と、前記第1側空間に対向する第2側空間を分ける平面状グラウンド導体と、第1アンテナと、第2アンテナと、第3アンテナと、第4アンテナとを含み、前記第1縁に位置し、前記第1縁に沿う方向にアレイの最大寸法を有する4アンテナアレイであって、前記第1アンテナは、前記第1側空間に位置し、第1給電導線と第1グラウンド導線を有する第1放射導体部を含み、前記第1放射導体部は、前記第1給電導線を介して第1信号源に電気的に接続されるるとともに、前記第1グラウンド導線を介して前記第1縁に電気的に接続されて、第1ループ経路を形成し、少なくとも第1共振形態を生成し、前記第1放射導体部は、前記第1縁において、第1投影線分を有し、前記第2アンテナは、前記第1側空間に位置し、第2給電導線と第2グラウンド導線を有する第2放射導体部を含み、前記第2放射導体部は、前記第2給電導線を介して第2信号源に電気的に接続されるとともに、前記第2グラウンド導線を介して前記第1縁に電気的に接続されて、第2ループ経路を形成し、少なくとも第2共振形態を生成し、前記第2放射導体部は、前記第1縁において、第2投影線分を有し、前記第3アンテナは、前記第2側空間に位置し、第3給電導線と第3グラウンド導線を有する第3放射導体部を含み、前記第3放射導体部は、前記第3給電導線を介して第3信号源に電気的に接続されるとともに、前記第3グラウンド導線を介して前記第1縁に電気的に接続されて、第3ループ経路を形成し、少なくとも第3共振形態を生成し、前記第3放射導体部は、前記第1縁において、第3投影線分を有し、前記第4アンテナは、前記第2側空間に位置し、第4給電導線と第4グラウンド導線を有する第4放射導体部を含み、前記第4放射導体部は、前記第4給電導線を介して第4信号源に電気的に接続されるとともに、前記第4グラウンド導線を介して前記第1縁に電気的に接続されて、第4ループ経路を形成し、少なくとも第4共振形態を生成し、前記第4放射導体部は、前記第1縁において、第4投影線分を有し、前記第1投影線分と前記第3投影線分の一部が重なり、前記第2投影線分と前記第4投影線分の一部が重なり、前記第1共振形態、前記第2共振形態、前記第3共振形態、および前記第4共振形態は、少なくとも共通の第1通信帯域を含み、前記アレイの前記第1縁に沿って延伸する最大アレイ寸法は、前記第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲にある4アンテナアレイと、を含む、マルチアンテナ通信装置を提供する。
本発明によれば、第1縁を有し、第1側空間と、前記第1側空間に対向する第2側空間を分ける平面状グラウンド導体と、4つのアンテナを含み、前記第1縁に位置し、前記第1縁に沿う方向にアレイの最大寸法を有する4アンテナアレイとを含むマルチアンテナ通信装置が提供される。4アンテナアレイにおいて、互いに隣接してコンパクトされた4つのループ経路は、第1縁に沿って配置することにより、平面状グラウンド導体により均等化された強い電流の分布を発生させ、それぞれに放射共振形態が生成され、周波数の変化による4アンテナアレイの入力インピーダンスの変化が抑えられ、それぞれの放射共振形態の作動帯域が増大される。また、4アンテナアレイにおいて、コンパクトされた2つのループ経路を第1側空間に位置するようにし、他のコンパクトされた2つのループ経路を第2側空間に位置するようにした。また、4アンテナアレイにおいて、有効に第1縁において相反する電流分布が発生するように第1側空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路を設計し、有効に第1縁において相反する電流分布が発生するように第2側空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路を設計する。これにより、同じ側の空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路のエンベロープ相関係数を有効に低減して2つの隣接するコンパクトされたループ経路の間隙距離を縮め、4アンテナアレイの第1縁に沿うアレイの最大寸法を縮むことができる。また、4アンテナアレイにおいて、第1縁に沿って設けられた、隣接するコンパクトされた4つのループ経路は前記第1縁において対応する投影線分が形成される。また、4アンテナアレイにおいて、第1側空間と第2側空間のそれぞれに位置する、隣接するコンパクトされた2つのループ経路のそれぞれに対応する投影線分が完全に重なることなく一部のみが重なるようにすることにより、第1側空間と第2側空間のそれぞれに位置する、隣接するコンパクトされたループ経路の空間における波動エネルギーの結合が有効に抑えられるので、4アンテナアレイの全体の寸法がコンパクトされるとともに、アンテナの放射性が向上される。また、本発明によれば、、全体寸法が通信装置に適用できる程度にコンパクトされ、高速度でデータを伝送するマルチアンテナ通信装置の実用化の需要を満たせる低相関係数を有する統合マルチアンテナ通信装置の設計方法が提供される。
本発明の上記および他の内容がより理解されるように、以下、図面に合わせて実施例を挙げて詳しく説明する。
図1Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1の構造図である。 図1Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11の構造図である。 図1Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11の反射損失を示すグラフである。 図1Dは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11のアイソレーションを示すグラフである。 図1Eは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11の放射率を示すグラフである。 図1Fは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11のエンベロープ相関係数を示すグラフである。 図2Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2の構造図である。 図2Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21の構造図である。 図2Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21の反射損失を示すグラフである。 図2Dは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21のアイソレーションを示すグラフである。 図2Eは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21の放射率を示すグラフである。 図2Fは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21のエンベロープ相関係数を示すグラフである。 図3Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3の構造図である。 図3Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31の構造図である。 図3Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31の反射損失を示すグラフである。 図3Dは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31のアイソレーションを示すグラフである。 図3Eは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31の放射率を示すグラフである。 図3Fは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31のエンベロープ相関係数を示すグラフである。 図4Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4の構造図である。 図4Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41の構造図である。 図4Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41の反射損失を示すグラフである。 図4Dは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41のアイソレーションを示すグラフである。 図4Eは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41の放射率を示すグラフである。 図4Fは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41のエンベロープ相関係数を示すグラフである。 図5Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置5の構造図である。 図5Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置5における4アンテナアレイ51の構造図である。 図6Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置6の構造図である。 図6Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置6における4アンテナアレイ61の構造図である。
図1Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1の構造図である。図1Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11の構造図である。図1Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11の反射損失を示すグラフである。図1Aに示すように、マルチアンテナ通信装置1は、平面状グラウンド導体10と、4アンテナアレイ11とを含む。平面状グラウンド導体10は、第1縁103を有し、第1側空間101と、第1側空間101に対向する第2側空間102を分ける。4アンテナアレイ11は、第1縁103に位置し、第1縁103に沿って延伸するアレイの最大寸法dを有する。図1A、1Bに示すように、4アンテナアレイ11は、第1アンテナ111と、第2アンテナ112と、第3アンテナ113と、第4アンテナ114と、を含む。図1Bに示すように、第1アンテナ111は、第1側空間101に位置し、第1給電導線1112と第1グラウンド導線1113を有する第1放射導体部1111を含む。第1放射導体部1111は、第1給電導線1112を介して第1信号源1114に電気的に接続されるとともに、第1グラウンド導線1113を介して第1縁103に電気的に接続されて、第1ループ経路1115を形成し、少なくとも図1Cに示す第1共振形態1118を生成する。第1放射導体部1111は、第1縁103において、第1投影線分1116を有する。第1ループ経路1115は、第1信号源1114から、第1給電導線1112、第1放射導体部1111、第1グラウンド導線1113、第1縁103を経由して、第1信号源1114に戻る。第2アンテナ112は、第1側空間101に位置し、第2給電導線1122と第2グラウンド導線1123を有する第2放射導体部1121を含む。第2放射導体部1121は、第2給電導線1122を介して第2信号源1124に電気的に接続されるとともに、第2グラウンド導線1123を介して第1縁103に電気的に接続されて、第2ループ経路1125を形成し、少なくとも図1Cに示す第2共振形態1128を生成する。第2放射導体部1121は、第1縁103において、第2投影線分1126を有する。第2ループ経路1125は、第2信号源1124から、第2給電導線1122、第2放射導体部1121、第2グラウンド導線1123、第1縁103を経由して、第2信号源1124に戻る。第3アンテナ113は、第2側空間102に位置し、第3給電導線1132と第3グラウンド導線1133を有する第3放射導体部1131を含む。第3放射導体部1131は、第3給電導線1132を介して第3信号源1134に電気的に接続されるとともに、第3グラウンド導線1133を介して第1縁103に電気的に接続されて、第3ループ経路1135を形成し、少なくとも図1Cに示す第3共振形態1138を生成する。第3放射導体部1131は、第1縁103において、第3投影線分1136を有する。第3ループ経路1135は、第3信号源1134から、第3給電導線1132、第3放射導体部1131、第3グラウンド導線1133、第1縁103を経由して、第3信号源1134に戻る。第4アンテナ114は、第2側空間102に位置し、第4給電導線1142と第4グラウンド導線1143を有する第4放射導体部1141を含む。第4放射導体部1141は、第4給電導線1142を介して第4信号源1144に電気的に接続されるとともに、第4グラウンド導線1143を介して第1縁103に電気的に接続されて、第4ループ経路1145を形成し、少なくとも図1Cに示す第4共振形態1148を生成する。第4放射導体部1141は、第1縁103において、第4投影線分1146を有する。第4ループ経路1145は、第4信号源1144から、第4給電導線1142、第4放射導体部1141、第1グラウンド導線1143、第1縁103を経由して、第4信号源1144に戻る。第1投影線分1116と第3投影線分1136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分1126と第4投影線分1146とが完全に重なることなく一部のみが重なる。第1共振形態1118、第2共振形態1128、第3共振形態1138、および第4共振形態1148は、図1Cに示すように少なくとも共通の第1通信帯域12を含む。4アンテナアレイ11が有する第1縁103に沿うアレイの最大寸法dは、第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲にある。第1ループ経路1115、第2ループ経路1125、第3ループ経路1135、および第4ループ経路1145の長さは、ともに第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.1倍〜0.369倍の範囲にある。第1給電導線1112と第1放射導体部1111の間には、第1結合ギャップ1117を有し、第1結合ギャップ1117のピッチd1は、図1Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第1グラウンド導線1113は第1放射導体部1111に電気的に接続される。第1結合ギャップ1117による容量性インピーダンスが第1ループ経路1115による誘導性を有効に補償して第1ループ経路1115の長さを減少する。第2給電導線1122と第2放射導体部1121の間には、第2結合ギャップ1127を有し、第2結合ギャップ1127のピッチd2は、図1Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第2グラウンド導線1123は第2放射導体部1121に電気的に接続される。第2結合ギャップ1127による容量性インピーダンスが第2ループ経路1125による誘導性を有効に補償して第2ループ経路1125の長さを減少する。第3給電導線1132と第3放射導体部1131の間には、第3結合ギャップ1137を有し、第3結合ギャップ1137のピッチd3は、図1Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第3グラウンド導線1133は第3放射導体部1131に電気的に接続される。第3結合ギャップ1137による容量性インピーダンスが第3ループ経路1135による誘導性を有効に補償して第3ループ経路1135の長さを減少する。第4給電導線1142と第4放射導体部1141の間には、第4結合ギャップ1147を有し、第4結合ギャップ1147のピッチd4は、図1Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第4グラウンド導線1143は第4放射導体部1141に電気的に接続される。第4結合ギャップ1147による容量性インピーダンスが第4ループ経路1145による誘導性を有効に補償して第4ループ経路1145の長さを減少する。第1放射導体部1111、第2放射導体部1121、第3放射導体部1131、および第4放射導体部1141の長さは、ともに図1Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.05倍〜0.233倍の範囲にある。第1投影線分1116、第2投影線分1126、第3投影線分1136、および第4投影線分1146の長さは、ともに図1Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.01倍〜0.22倍の範囲にある。第1信号源1114、第2信号源1124、第3信号源1134、および第4信号源1144は、高周波モジュール、高周波積層回路チップ、高周波回路スイッチ、高周波フィルタ回路、高周波デュプレクサ、高周波伝送回路、高周波コンデンサ、高周波インダクタ、高周波整合回路から選ぶ。
マルチアンテナ通信装置1の4アンテナアレイ11において、互いに隣接するコンパクトされた第1ループ経路1115、第2ループ経路1125、第3ループ経路1135、および第4ループ経路1145は、第1縁103に配置することにより平面状グラウンド導体10の強い電流の分布が均等化され、それぞれに第1共振形態1118、第2共振形態1128、第3共振形態1138、および第4共振形態1148が生成され、周波数の変化による4アンテナアレイ11の入力インピーダンスの変化が抑えられ、それぞれの第1共振形態1118、第2共振形態1128、第3共振形態1138、および第4共振形態1148の作動帯域が増大される。また、4アンテナアレイ11において、コンパクトされた第1ループ経路1115と第2ループ経路1125が第1側空間101に配置され、コンパクトされた第3ループ経路1135と第4ループ経路1145が第2側空間102に配置されるようにした。第1側空間101に位置する第1ループ経路1115と第2ループ経路1125は、有効に第1縁103において相反する電流分布を発生させ、第2側空間101に位置する第3ループ経路1135と第4ループ経路1145は、有効に第1縁103において相反する電流分布を発生させる。これにより、同側空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路のエンベロープ相関係数を有効に低減して2つの隣接するコンパクトされたループ経路の間隙距離を縮め、4アンテナアレイ11の第1縁103に沿うアレイの最大寸法dを縮むことができる。第1投影線分1116と第3投影線分1136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分1126と第4投影線分1146とが完全に重なることなく一部のみが重なるようにすることにより、第1側空間101と第2側空間102のそれぞれに位置する、隣接してコンパクトされたループ経路の空間における波動エネルギーの結合が有効に抑えられるので、4アンテナアレイ11の全体の寸法がコンパクトされるとともに、アンテナの放射性が向上される。
図1Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11の反射損失を示すグラフである。この図は、下記の寸法を有する4アンテナアレイ11を用いて実験する結果である。平面状グラウンド導体10の長さは約150mm、幅は約75mmである。第1縁103の長さは約150mmである。第1ループ経路1115の長さは約26mm、第2ループ経路1125の長さは約27mm、第3ループ経路1135の長さは約25mm、第4ループ経路1145の長さは約26.5mmである。4アンテナアレイ11の最大寸法dは約36mmである。第1結合ギャップ1117の第1ギャップピッチd1は約0.3mm、第2結合ギャップ1127の第2ギャップピッチd2は約0.5mm、第3結合ギャップ1137の第3ギャップピッチd3は約0.3mm、第4結合ギャップ1147の第4ギャップピッチd4は約0.35mmである。第1放射導体部1111の長さは約10mm、第2放射導体部1121の長さは約10.5mm、第3放射導体部1131の長さは約11mm、第4放射導体部1141の長さは約10.5mmである。第1投影線分1116の長さは約10mm、第2投影線分1126の長さは約10.5mm、第3投影線分1136の長さは約11mm、第4投影線分1146の長さは約10.5mmである。図1Cに示すように、第1ループ経路1115は少なくとも第1共振形態1118を生成し、第2ループ経路1125は少なくとも第2共振形態1128を生成し、第3ループ経路1135は少なくとも第3共振形態1138を生成し、第4ループ経路1145は少なくとも第4共振形態1148を生成する。この実施例において、第1共振形態1118、第2共振形態1128、第3共振形態1138、および第4共振形態1148は、共通の第1通信帯域12(3400Hz〜3600Hz)を含む。第1通信帯域12の最低作動周波数は約3400Hzである。
図1Dは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11のアイソレーションを示すグラフである。1424は第1アンテナ111と第2アンテナ112のアイソレーション曲線、1434は第1アンテナ111と第3アンテナ113のアイソレーション曲線、1444は第1アンテナ111と第4アンテナ114のアイソレーション曲線、2434は第2アンテナ112と第3アンテナ113のアイソレーション曲線である。図1Dに示すように、4アンテナアレイ11の各アイソレーションは第1通信帯域12においてともに10dBよりも高い。図1Eは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11の放射率を示すグラフである。1119は第1アンテナ111の放射率曲線、1129は第2アンテナ112の放射率曲線、1139は第3アンテナ113の放射率曲線、1149は第4アンテナ114の放射率曲線である。図1Eに示すように、4アンテナアレイ11の各放射率は第1通信帯域12においてともに40%よりも高い。図1Fは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置1における4アンテナアレイ11のエンベロープ相関係数を示すグラフである。14241は第1アンテナ111と第2アンテナ112間のエンベロープ相関係数曲線、14341は第1アンテナ111と第3アンテナ113間のエンベロープ相関係数曲線、14441は第1アンテナ111と第4アンテナ114間のエンベロープ相関係数曲線、24341は第2アンテナ112と第3アンテナ113間のエンベロープ相関係数曲線である。図1Fに示すように、4アンテナアレイ11の各エンベロープ相関係数は第1通信帯域12においてともに0.2よりも低い。
図1C、1D、1E、1Fに示す通信システムの帯域での動作および実験データは、図1Aおよび図1Bに示す本発明の実施例であるマルチアンテナ通信装置1の効果を証明するためのものであって、本発明に係るマルチアンテナ通信装置を実用の際の通信帯域、応用やスペックを制限するものではない。本発明に係るマルチアンテナ通信装置1は、WWAN(wireless wide area network)やMIMO(multiple input multiple-output)、LTE(long term evolution)、Pattern switchable antenna system、WLPN(wireless personal network)、WLAN(wireless local area network)、Beam-forming antenna system、NFC(Near field radio communication)、DTV(Digital television broadcasting)、GPS(Global Positioning System)などのシステムの帯域の作動に用いることができる。本発明に係るマルチアンテナ通信装置1において、4アンテナアレイ11は1つまたは複数の4アンテナアレイ11であってもよい。また、マルチアンテナ通信装置1は、携帯通信装置や無線通信装置、携帯演算装置、コンピュータシステム、通信設備、ネットワーク設備、またはこれらの周辺設備であってもよい。
図2Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2の構造図である。図2Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21の構造図である。図2Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21の反射損失を示すグラフである。図2Aに示すように、マルチアンテナ通信装置2は、平面状グラウンド導体20と、4アンテナアレイ21とを含む。平面状グラウンド導体20は、第1縁203を有し、第1側空間201と、第1側空間201に対向する第2側空間202を分ける。4アンテナアレイ21は、第1縁203に位置し、第1縁203に沿う方向に延伸するアレイの最大寸法dを有する。図2A、2Bに示すように、4アンテナアレイ21は、第1アンテナ211と、第2アンテナ212と、第3アンテナ213と、第4アンテナ214と、を含む。図2Bに示すように、第1アンテナ211は、第1側空間201に位置し、第1給電導線2112と第1グラウンド導線2113を有する第1放射導体部2111を含む。第1放射導体部2111は、第1給電導線2112を介して第1信号源2114に電気的に接続されるとともに、第1グラウンド導線2113を介して第1縁203に電気的に接続されて、第1ループ経路2115を形成し、少なくとも図2Cに示す第1共振形態2118を生成する。第1放射導体部2111は、第1縁203において、第1投影線分2116を有する。第1ループ経路2115は、第1信号源2114から、第1給電導線2112、第1放射導体部2111、第1グラウンド導線2113、第1縁203を経由して、第1信号源2114に戻る。第2アンテナ212は、第1側空間201に位置し、第2給電導線2122と第2グラウンド導線2123を有する第2放射導体部2121を含む。第2放射導体部2121は、第2給電導線2122を介して第2信号源2124に電気的に接続されるとともに、第2グラウンド導線2123を介して第1縁203に電気的に接続されて、第2ループ経路2125を形成し、少なくとも図2Cに示す第2共振形態2128を生成する。第2放射導体部2121は、第1縁203において、第2投影線分2126を有する。第2ループ経路2125は、第2信号源2124から、第2給電導線2122、第2放射導体部2121、第2グラウンド導線2123、第1縁203を経由して、第2信号源2124に戻る。第3アンテナ213は、第2側空間202に位置し、第3給電導線2132と第3グラウンド導線2133を有する第3放射導体部2131を含む。第3放射導体部2131は、第3給電導線2132を介して第3信号源2134に電気的に接続されるとともに、第3グラウンド導線2133を介して第1縁203に電気的に接続されて、第3ループ経路2135を形成し、少なくとも図2Cに示す第3共振形態2138を生成する。第3放射導体部2131は、第1縁203において、第3投影線分2136を有する。第3ループ経路2135は、第3信号源2134から、第3給電導線2132、第3放射導体部2131、第3グラウンド導線2133、第1縁203を経由して、第3信号源2134に戻る。第4アンテナ214は、第2側空間202に位置し、第4給電導線2142と第4グラウンド導線2143を有する第4放射導体部2141を含む。第4放射導体部2141は、第4給電導線2142を介して第4信号源2144に電気的に接続されるとともに、第4グラウンド導線2143を介して第1縁203に電気的に接続されて、第4ループ経路2145を形成し、少なくとも図2Cに示す第4共振形態2148を生成する。第4放射導体部2141は、第1縁203において、第4投影線分2146を有する。第4ループ経路2145は、第4信号源2144から、第4給電導線2142、第4放射導体部2141、第4グラウンド導線2143、第1縁203を経由して、第4信号源2144に戻る。第1投影線分2116と第3投影線分2136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分2126と第4投影線分2146とが完全に重なることなく一部のみが重なる。第1共振形態2118、第2共振形態2128、第3共振形態2138、および第4共振形態2148は、図2Cに示すように少なくとも共通の第1通信帯域12を含む。4アンテナアレイ21が有する第1縁203に沿うアレイの最大寸法dは、第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲にある。第1ループ経路2115、第2ループ経路2125、第3ループ経路2135、および第4ループ経路2145の長さは、ともに第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.1倍〜0.369倍の範囲にある。第1給電導線2112と第1放射導体部2111の間には、第1結合ギャップ1117を有し、第1結合ギャップ1117のピッチd1は、図2Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第1グラウンド導線2113は電気的に第1放射導体部2111に接続される。第1結合ギャップ2117による容量性インピーダンスが第1ループ経路2115による誘導性を有効に補償して第1ループ経路2115の長さを減少させることができる。第2給電導線2122と第2グラウンド導線2123は第2放射導体部2121に電気的に接続される。第3給電導線2132と第3グラウンド導線2133は第3放射導体部2131に電気的に接続される。第4給電導線2142と第4放射導体部2141の間には、第4結合ギャップ2147を有し、第4結合ギャップ2147のピッチd4は、図2Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第4グラウンド導線2143は第4放射導体部2141に電気的に接続される。第4結合ギャップ2147による容量性インピーダンスが第4ループ経路2145による誘導性を有効に補償して第4ループ経路2145の長さを減少させることができる。第1放射導体部2111、第2放射導体部2121、第3放射導体部2131、および第4放射導体部2141の長さは、ともに図2Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.05倍〜0.233倍の範囲にある。第1投影線分2116、第2投影線分2126、第3投影線分2136、および第4投影線分2146の長さは、ともに図2Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.01倍〜0.22倍の範囲にある。第1信号源2114、第2信号源2124、第3信号源2134、および第4信号源2144は、高周波モジュール、高周波積層回路チップ、高周波回路スイッチ、高周波フィルタ回路、高周波デュプレクサ、高周波伝送回路または高周波コンデンサ、高周波インダクタ、高周波抵抗整合回路から選ぶ。
マルチアンテナ通信装置2の4アンテナアレイ21においては、第2放射導体部2121の形状とマルチアンテナ通信装置1の第2放射導体部1121が異なり、第2給電導線2122が第2放射導体部2121電気的に接続され、また、第3放射導体部2131の形状とマルチアンテナ通信装置1の第3放射導体部1131が異なり、第3給電導線2132が第3放射導体部2131電気的に接続されるが、第2信号源2124および第3信号源2134が高周波容量整合回路の場合に、同様に容量性インピーダンスになり、第2ループ経路2125および第3ループ経路2135による誘導性インピーダンスと有効に補償して第2ループ経路2125および第3ループ経路2135の長さを減少できる。したがって、マルチアンテナ通信装置2において、互いに隣接してコンパクトされた第1ループ経路2115、第2ループ経路2125、第3ループ経路2135、および第4ループ経路2145は、同様に第1縁203に配置することにより平面状グラウンド導体20の強い電流の分布が均等化され、それぞれに第1共振形態2118、第2共振形態2128、第3共振形態2138、および第4共振形態2148が生成され、また、周波数の変化による4アンテナアレイ21の入力インピーダンスの変化が抑えられので、それぞれの第1共振形態2118、第2共振形態2128、第3共振形態2138、および第4共振形態2148の作動帯域が増大される。また、4アンテナアレイ21において、コンパクトされた第1ループ経路2115と第2ループ経路2125が第1側空間201に配置され、コンパクトされた第3ループ経路2135と第4ループ経路2145が第2側空間202に配置されるようにした。第1側空間201に位置する第1ループ経路2115と第2ループ経路2125は、同様に有効に第1縁203において相反する電流分布を発生させ、第2側空間202に位置する第3ループ経路2135と第4ループ経路2145は、同様に有効に第1縁203において相反する電流分布を発生させることができる。これにより、同様に同側空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路のエンベロープ相関係数を有効に低減して2つの隣接するコンパクトされたループ経路の間隙距離を縮め、4アンテナアレイ21の第1縁203に沿うアレイの最大寸法dを縮むことができる。第1投影線分2116と第3投影線分2136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分2126と第4投影線分2146とが完全に重なることなく一部のみが重なるようにすることにより、第1側空間201と第2側空間202のそれぞれに位置する、隣接するコンパクトされたループ経路の空間における波動エネルギーの結合が有効に抑えられるので、4アンテナアレイ21の全体の寸法がコンパクトされるとともに、アンテナの放射性が向上される。これによって、マルチアンテナ通信装置2はマルチアンテナ通信装置1に類似する効果を奏する。
図2Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21の反射損失を示すグラフである。この図は、下記の寸法を有する4アンテナアレイ21を用いて実験する結果である。第1縁203の長さは約160mmである。第1ループ経路2115の長さは約26mm、第2ループ経路2125の長さは約18mm、第3ループ経路2135の長さは約17.5mm、第4ループ経路2145の長さは約26mmである。4アンテナアレイ21の最大のアレイ寸法dは約40mmである。第1結合ギャップ2117のピッチd1は約0.3mm、第4結合ギャップ2147のピッチd4は約0.3mmである。第1放射導体部2111の長さは約11mm、第2放射導体部2121の長さは約16mm、第3放射導体部2131の長さは約17mm、第4放射導体部2141の長さは約10.5mmである。第1投影線分2116の長さは約11mm、第2投影線分2126の長さは約16mm、第3投影線分2136の長さは約17mm、第4投影線分2146の長さは約10.5mmである。図2Cに示すように、第1ループ経路2115は少なくとも第1共振形態2118を生成し、第2ループ経路2125は少なくとも第2共振形態2128を生成し、第3ループ経路2135は少なくとも第3共振形態2138を生成し、第4ループ経路2145は少なくとも第4共振形態2148を生成する。この実施例において、第1共振形態2118、第2共振形態2128、第3共振形態2138、および第4共振形態2148は、共通の第1通信帯域12(3400Hz〜3600Hz)を含む。第1通信帯域12の最低作動周波数は約3400Hzである。
図2Dは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21のアイソレーションを示すグラフである。1424は第1アンテナ211と第2アンテナ212のアイソレーション曲線、1434は第1アンテナ211と第3アンテナ213のアイソレーション曲線、1444は第1アンテナ211と第4アンテナ214のアイソレーション曲線、2434は第2アンテナ212と第3アンテナ213のアイソレーション曲線である。図2Dに示すように、4アンテナアレイ21の各アイソレーションは第1通信帯域12においてともに10dBよりも高い。図2Eは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21の放射率を示すグラフである。2119は第1アンテナ211の放射率曲線、2129は第2アンテナ212の放射率曲線、2139は第3アンテナ213の放射率曲線、2149は第4アンテナ214の放射率曲線である。図2Eに示すように、4アンテナアレイ21の各放射率は第1通信帯域12においてともに40%よりも高い。図2Fは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置2における4アンテナアレイ21のエンベロープ相関係数を示すグラフである。14241は第1アンテナ211と第2アンテナ212間のエンベロープ相関係数曲線、14341は第1アンテナ211と第3アンテナ213間のエンベロープ相関係数曲線、14441は第1アンテナ211と第4アンテナ214間のエンベロープ相関係数曲線、24341は第2アンテナ212と第3アンテナ213間のエンベロープ相関係数曲線である。図2Fに示すように、4アンテナアレイ21の各エンベロープ相関係数曲線は第1通信帯域12においてともに0.2よりも低い。
図2C、2D、2E、2Fに示す通信システムの帯域での動作および実験データは、図2Aおよび図2Bに示す本発明の実施例であるマルチアンテナ通信装置2の効果を証明するためのものであって、本発明に係るマルチアンテナ通信装置を実用する際の通信帯域、応用やスペックを制限するものではない。本発明に係るマルチアンテナ通信装置2は、WWAN(wireless wide area network)やMIMO(multiple input multiple-output)、LTE(long term evolution)、Pattern switchable antenna system、WLPN(wireless personal network)、WLAN(wireless local area network)、Beam-forming antenna system、NFC(Near field radio communication)、DTV(Digital television broadcasting)、GPS(Global Positioning System)などのシステムの帯域の作動に用いることができる。本発明に係るマルチアンテナ通信装置2において、4アンテナアレイ21は1つまたは複数の4アンテナアレイ21であってもよい。また、マルチアンテナ通信装置2は、携帯通信装置や無線通信装置、携帯演算装置、コンピュータシステム、通信設備、ネットワーク設備、またはこれらの周辺設備であってもよい。
図3Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3の構造図である。図3Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31の構造図である。図3Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31の反射損失を示すグラフである。図3Aに示すように、マルチアンテナ通信装置3は、平面状グラウンド導体30と、4アンテナアレイ31とを含む。平面状グラウンド導体30は、第1縁303を有し、第1側空間301と、第1側空間301に対向する第2側空間302を分ける。4アンテナアレイ31は、第1縁303に位置し、第1縁303に沿って延伸するアレイの最大寸法dを有する。図3A、3Bに示すように、4アンテナアレイ31は、第1アンテナ311と、第2アンテナ312と、第3アンテナ313と、第4アンテナ314と、を含む。図3Bに示すように、第1アンテナ311は、第1側空間301に位置し、第1給電導線3112と第1グラウンド導線3113を有する第1放射導体部3111を含む。第1放射導体部3111は、第1給電導線3112を介して第1信号源3114に電気的に接続されるとともに、第1グラウンド導線3113を介して第1縁303に電気的に接続されて、第1ループ経路3115を形成し、少なくとも図3Cに示す第1共振形態3118を生成する。第1放射導体部3111は、第1縁303において、第1投影線分3116を有する。第1ループ経路3115は、第1信号源3114から、第1給電導線3112、第1放射導体部3111、第1グラウンド導線3113、第1縁303を経由して、第1信号源3114に戻る。第2アンテナ312は、第1側空間301に位置し、第2給電導線3122と第2グラウンド導線3123を有する第2放射導体部3121を含む。第2放射導体部3121は、第2給電導線3122を介して第2信号源3124に電気的に接続されるとともに、第2グラウンド導線3123を介して第1縁303に電気的に接続されて、第2ループ経路3125を形成し、少なくとも図3Cに示す第2共振形態3128を生成する。第2放射導体部3121は、第1縁303において、第2投影線分3126を有する。第2ループ経路3125は、第2信号源3124から、第2給電導線3122、第2放射導体部3121、第2グラウンド導線3123、第1縁303を経由して、第2信号源3124に戻る。第3アンテナ313は、第2側空間302に位置し、第3給電導線3132と第3グラウンド導線3133を有する第3放射導体部3131を含む。第3放射導体部3131は、第3給電導線3132を介して第3信号源3134に電気的に接続されるとともに、第3グラウンド導線3133を介して第1縁303に電気的に接続されて、第3ループ経路3135を形成し、少なくとも図3Cに示す第3共振形態3138を生成する。第3放射導体部3131は、第1縁303において、第3投影線分3136を有する。第3ループ経路3135は、第3信号源3134から、第3給電導線3132、第3放射導体部3131、第3グラウンド導線3133、第1縁303を経由して、第3信号源3134に戻る。第4アンテナ314は、第2側空間302に位置し、第4給電導線3142と第4グラウンド導線3143を有する第4放射導体部3141を含む。第4放射導体部3141は、第4給電導線3142を介して第4信号源3144に電気的に接続されるとともに、第4グラウンド導線3143を介して第1縁303に電気的に接続されて、第4ループ経路3145を形成し、少なくとも図3Cに示す第4共振形態3148を生成する。第4放射導体部3141は、第1縁303において、第4投影線分3146を有する。第4ループ経路3145は、第4信号源3144から、第4給電導線3142、第4放射導体部3141、第4グラウンド導線3143、第1縁303を経由して、第4信号源3144に戻る。第1投影線分3116と第3投影線分3136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分3126と第4投影線分3146とが完全に重なることなく一部のみが重なる。第1共振形態3118、第2共振形態3128、第3共振形態3138、および第4共振形態3148は、図3Cに示すように少なくとも共通の第1通信帯域12を含む。4アンテナアレイ31が有する第1縁303に沿うアレイの最大寸法dは、第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲にある。第1ループ経路3115、第2ループ経路3125、第3ループ経路3135、および第4ループ経路3145の長さは、ともに第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.1倍〜0.369倍の範囲にある。第1給電導線3112と第1グラウンド導線3113は電気的に第1放射導体部3111に接続される。第2給電導線3122と第2放射導体部3121の間には、第2結合ギャップ3127を有し、第2結合ギャップ3127のピッチd2は、図3Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第2グラウンド導線3123は第2放射導体部3121に電気的に接続される。第2結合ギャップ3127による容量性インピーダンスが第2ループ経路3125による誘導性を有効に補償して第2ループ経路3125の長さを減少する。第3給電導線3132と第3放射導体部3131の間には、第3結合ギャップ3137を有し、第3結合ギャップ3137のピッチd3は、図3Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第3グラウンド導線3133は第3放射導体部3131に電気的に接続される。第3結合ギャップ3137による容量性インピーダンスが第3ループ経路3135による誘導性を有効に補償して第3ループ経路3135の長さを減少する。第4給電導線3142と第4グラウンド導線3143は第4放射導体部3141に電気的に接続される。第1放射導体部3111、第2放射導体部3121、第3放射導体部3131、および第4放射導体部3141の長さは、ともに図3Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.05倍〜0.233倍の範囲にある。第1投影線分3116、第2投影線分3126、第3投影線分3136、および第4投影線分3146の長さは、ともに図3Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.01倍〜0.22倍の範囲にある。第1信号源3114、第2信号源3124、第3信号源3134、および第4信号源3144は、高周波モジュール、高周波積層回路チップ、高周波回路スイッチ、高周波フィルタ回路、高周波デュプレクサ、高周波伝送回路、高周波コンデンサ、高周波インダクタ、高周波抵抗整合回路から選ぶ。
マルチアンテナ通信装置3の4アンテナアレイ31においては、第1給電導線3112が第1放射導体部3111に電気的に接続され、第4給電導線3142が第4放射導体部3141に電気的に接続される点でマルチアンテナ通信装置1と微妙に異なっているが、第1信号源3114および第4信号源3144が高周波容量整合回路の場合に、容量性インピーダンスになり、第1ループ経路3115および第4ループ経路3145による誘導性を有効に補償して第1ループ経路3115および第4ループ経路3145の長さを減少できる。したがって、マルチアンテナ通信装置3において、同様に互いに隣接するコンパクトされた第1ループ経路3115、第2ループ経路3125、第3ループ経路3135、および第4ループ経路3145が、第1縁303に配置されることにより、平面状グラウンド導体30の強い電流の分布が均等化され、それぞれに図3Cに示す第1共振形態3118、第2共振形態3128、第3共振形態3138、および第4共振形態3148が生成され、周波数の変化による4アンテナアレイ31の入力インピーダンスの変化が抑えられ、それぞれの第1共振形態3118、第2共振形態3128、第3共振形態3138、および第4共振形態3148の作動帯域が増大される。また、4アンテナアレイ31において、同様に、コンパクトされた第1ループ経路3115と第2ループ経路3125が第1側空間301に配置され、コンパクトされた第3ループ経路3135と第4ループ経路3145が第2側空間302に配置されるようにした。第1側空間301に位置する第1ループ経路3115と第2ループ経路3125は、同様に有効に第1縁303において相反する電流分布を発生させ、第2側空間302に位置する第3ループ経路3135と第4ループ経路3145は、同様に有効に第1縁303において相反する電流分布を発生させる。これにより、同様に同側空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路のエンベロープ相関係数を有効に低減して2つの隣接するコンパクトされたループ経路の間隙距離を縮め、4アンテナアレイ31の第1縁303に沿うアレイの最大寸法dを縮むことができる。第1投影線分3116と第3投影線分3136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分3126と第4投影線分3146とが完全に重なることなく一部のみが重なるようにすることにより、第1側空間301と第2側空間302のそれぞれに位置する、隣接するコンパクトされたループ経路の空間における波動エネルギーの結合が有効に抑えられるので、4アンテナアレイ31の全体の寸法がコンパクトされるとともに、アンテナの放射性が向上される。これによって、マルチアンテナ通信装置3はマルチアンテナ通信装置1に類似する効果を奏する。
図3Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31の反射損失を示すグラフである。この図は、下記の寸法を有する4アンテナアレイ31を用いて実験する結果である。第1縁303の長さは約180mmである。第1ループ経路3115の長さは約26mm、第2ループ経路3125の長さは約27mm、第3ループ経路3135の長さは約25mm、第4ループ経路3145の長さは約26.5mmである。4アンテナアレイ31の最大寸法dは約36mmである。第2結合ギャップ3127のピッチd2は約0.5mm、第3結合ギャップ3137のピッチd3は約0.3mmである。第1放射導体部3111の長さは約10mm、第2放射導体部3121の長さは約10.5mm、第3放射導体部3131の長さは約11mm、第4放射導体部3141の長さは約10.5mmである。第1投影線分3116の長さは約10mm、第2投影線分3126の長さは約10.5mm、第3投影線分3136の長さは約11mm、第4投影線分3146の長さは約10.5mmである。図3Cに示すように、第1ループ経路3115は少なくとも第1共振形態3118を生成し、第2ループ経路3125は少なくとも第2共振形態3128を生成し、第3ループ経路3135は少なくとも第3共振形態3138を生成し、第4ループ経路3145は少なくとも第4共振形態3148を生成する。この実施例において、第1共振形態3118、第2共振形態3128、第3共振形態3138、および第4共振形態3148は、共通の第1通信帯域12(3400Hz〜3600Hz)を含む。第1通信帯域12の最低作動周波数は約3400Hzである。
図3Dは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31のアイソレーションを示すグラフである。1424は第1アンテナ311と第2アンテナ312のアイソレーション曲線、1434は第1アンテナ311と第3アンテナ313のアイソレーション曲線、1444は第1アンテナ311と第4アンテナ314のアイソレーション曲線、2434は第2アンテナ312と第3アンテナ313のアイソレーション曲線である。図3Dに示すように、4アンテナアレイ31の各アイソレーションは第1通信帯域12においてともに10dBよりも高い。図3Eは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31の放射率を示すグラフである。3119は第1アンテナ311の放射率曲線、3129は第2アンテナ312の放射率曲線、3139は第3アンテナ313の放射率曲線、3149は第4アンテナ314の放射率曲線である。図3Eに示すように、4アンテナアレイ31の各放射率は第1通信帯域12においてともに40%よりも高い。図3Fは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置3における4アンテナアレイ31のエンベロープ相関係数を示すグラフである。14241は第1アンテナ311と第2アンテナ312間のエンベロープ相関係数曲線、14341は第1アンテナ311と第3アンテナ313間のエンベロープ相関係数曲線、14441は第1アンテナ311と第4アンテナ314間のエンベロープ相関係数曲線、24341は第2アンテナ312と第3アンテナ313間のエンベロープ相関係数曲線である。図3Fに示すように、4アンテナアレイ31の各エンベロープ相関係数は第1通信帯域12においてともに0.2よりも低い。
図3C、3D、3E、3Fに示す通信システムの帯域での動作および実験データは、図3Aおよび図3Bに示す本発明の実施例であるマルチアンテナ通信装置3の効果を証明するためのものであって、本発明に係るマルチアンテナ通信装置を実用の際の通信帯域、応用やスペックを制限するものではない。本発明に係るマルチアンテナ通信装置3は、WWAN(wireless wide area network)やMIMO(multiple input multiple-output)、LTE(long term evolution)、Pattern switchable antenna system、WLPN(wireless personal network)、WLAN(wireless local area network)、Beam-forming antenna system、NFC(Near field radio communication)、DTV(Digital television broadcasting)、GPS(Global Positioning System)などのシステムの帯域の作動に用いることができる。本発明に係るマルチアンテナ通信装置3において、4アンテナアレイ31は1つまたは複数の4アンテナアレイ31であってもよい。また、マルチアンテナ通信装置3は、携帯通信装置や無線通信装置、携帯演算装置、コンピュータシステム、通信設備、ネットワーク設備、またはこれらの周辺設備であってもよい。
図4Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4の構造図である。図4Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41の構造図である。図4Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41の反射損失を示すグラフである。図4Aに示すように、マルチアンテナ通信装置4は、平面状グラウンド導体40と、4アンテナアレイ41とを含む。平面状グラウンド導体40は、第1縁403を有し、第1側空間401と、第1側空間401に対向する第2側空間402を分ける。4アンテナアレイ41は、第1縁403に位置し、第1縁403に沿って延伸するアレイの最大寸法dを有する。図4A、4Bに示すように、4アンテナアレイ41は、第1アンテナ411と、第2アンテナ412と、第3アンテナ413と、第4アンテナ414と、を含む。図4Bに示すように、第1アンテナ411は、第1側空間401に位置し、第1給電導線4112と第1グラウンド導線4113を有する第1放射導体部4111を含む。第1放射導体部4111は、第1給電導線4112を介して第1信号源4114に電気的に接続されるとともに、第1グラウンド導線4113を介して第1縁403に電気的に接続されて、第1ループ経路4115を形成し、少なくとも図4Cに示す第1共振形態4118を生成する。第1放射導体部4111は、第1縁403において、第1投影線分4116を有する。第1ループ経路4115は、第1信号源4114から、第1給電導線4112、第1放射導体部4111、第1グラウンド導線4113、第1縁403を経由して、第1信号源4114に戻る。第2アンテナ412は、第1側空間401に位置し、第2給電導線4122と第2グラウンド導線4123を有する第2放射導体部4121を含む。第2放射導体部4121は、第2給電導線4122を介して第2信号源4124に電気的に接続されるとともに、第2グラウンド導線4123を介して第1縁403に電気的に接続されて、第2ループ経路4125を形成し、少なくとも図4Cに示す第2共振形態4128を生成する。第2放射導体部4121は、第1縁403において、第2投影線分4126を有する。第2ループ経路4125は、第2信号源4124から、第2給電導線4122、第2放射導体部4121、第2グラウンド導線4123、第1縁403を経由して、第2信号源4124に戻る。第3アンテナ413は、第2側空間402に位置し、第3給電導線4132と第3グラウンド導線4133を有する第3放射導体部4131を含む。第3放射導体部4131は、第3給電導線4132を介して第3信号源4134に電気的に接続されるとともに、第3グラウンド導線4133を介して第1縁403に電気的に接続されて、第3ループ経路4135を形成し、少なくとも図4Cに示す第3共振形態4138を生成する。第3放射導体部4131は、第1縁403において、第3投影線分4136を有する。第3ループ経路4135は、第3信号源4134から、第3給電導線4132、第3放射導体部4131、第3グラウンド導線4133、第1縁403を経由して、第3信号源4134に戻る。第4アンテナ414は、第2側空間402に位置し、第4給電導線4142と第4グラウンド導線4143を有する第4放射導体部4141を含む。第4放射導体部4141は、第4給電導線4142を介して第4信号源4144に電気的に接続されるとともに、第4グラウンド導線4143を介して第1縁403に電気的に接続されて、第4ループ経路4145を形成し、少なくとも図4Cに示す第4共振形態4148を生成する。第4放射導体部4141は、第1縁403において、第4投影線分4146を有する。第4ループ経路4145は、第4信号源4144から、第4給電導線4142、第4放射導体部4141、第4グラウンド導線4143、第1縁403を経由して、第4信号源4144に戻る。第1投影線分4116と第3投影線分4136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分4126と第4投影線分4146とが完全に重なることなく一部のみが重なる。第1共振形態4118、第2共振形態4128、第3共振形態4138、および第4共振形態4148は、図4Cに示すように少なくとも共通の第1通信帯域12を含む。4アンテナアレイ41が有する第1縁403に沿って延伸するアレイの最大寸法dは、第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲にある。第1ループ経路4115、第2ループ経路4125、第3ループ経路4135、および第4ループ経路4145の長さは、ともに第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.1倍〜0.369倍の範囲にある。第1給電導線4112と第1グラウンド導線4113は第1放射導体部4111に電気的に接続される。第2給電導線4122と第2グラウンド導線4123は第2放射導体部4121に電気的に接続される。第3給電導線4132と第3グラウンド導線4133は第3放射導体部4131に電気的に接続される。第4給電導線4142と第4グラウンド導線4143は第4放射導体部4141に電気的に接続される。第1放射導体部4111、第2放射導体部4121、第3放射導体部4131、および第4放射導体部4141の長さは、ともに図4Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.05倍〜0.233倍の範囲にある。第1投影線分4116、第2投影線分4126、第3投影線分4136、および第4投影線分4146の長さは、ともに図4Cに示す第1通信帯域12の最低作動周波数の波長の0.01倍〜0.22倍の範囲にある。第1信号源4114、第2信号源4124、第3信号源4134、および第4信号源4144は、高周波モジュール、高周波積層回路チップ、高周波回路スイッチ、高周波フィルタ回路、高周波デュプレクサ、高周波伝送回路、高周波コンデンサ、高周波インダクタ、高周波抵抗整合回路から選ぶ。
マルチアンテナ通信装置4の4アンテナアレイ41においては、第2給電導線4122が第2放射導体部4121に電気的に接続され、第3給電導線4132が第3放射導体部4131に電気的に接続される点でマルチアンテナ通信装置3と微妙に異っているが、第2信号源4124および第3信号源4134が高周波容量整合回路の場合に、容量性インピーダンスになり、第2ループ経路4125および第3ループ経路4135による誘導性を有効に補償して第2ループ経路4125および第3ループ経路4135の長さを減少できる。したがって、マルチアンテナ通信装置4において、同様に、互いに隣接するコンパクトされた第1ループ経路4115、第2ループ経路4125、第3ループ経路4135、および第4ループ経路4145は、第1縁403に配置されることにより平面状グラウンド導体40の強い電流の分布が均等化され、それぞれに図4Cに示す第1共振形態4118、第2共振形態4128、第3共振形態4138、および第4共振形態4148が生成され、周波数の変化による4アンテナアレイ41の入力インピーダンスの変化が抑えられ、それぞれの第1共振形態4118、第2共振形態4128、第3共振形態4138、および第4共振形態4148の作動帯域が増大される。また、4アンテナアレイ41において、コンパクトされた第1ループ経路4115と第2ループ経路4125が第1側空間401に配置され、コンパクトされた第3ループ経路4135と第4ループ経路4145が第2側空間402に配置されるようにした。第1側空間401に位置する第1ループ経路4115と第2ループ経路4125は、同様に有効に第1縁403において相反する電流分布を発生させ、第2側空間402に位置する第3ループ経路4135と第4ループ経路4145は、同様に有効に第1縁403において相反する電流分布を発生させる。これにより、同様に同側空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路のエンベロープ相関係数を有効に低減して2つの隣接するコンパクトされたループ経路の間隙距離を縮め、4アンテナアレイ41の第1縁403に沿って延伸するアレイの最大寸法dを縮むことができる。第1投影線分4116と第3投影線分4136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分4126と第4投影線分4146とが完全に重なることなく一部のみが重なるようにすることにより、第1側空間401と第2側空間402のそれぞれに位置する、隣接するコンパクトされたループ経路の空間における波動エネルギーの結合が有効に抑えられるので、4アンテナアレイ41の全体の寸法がコンパクトされるとともに、アンテナの放射性が向上される。これによって、マルチアンテナ通信装置4はマルチアンテナ通信装置3に類似する効果を奏する。
図4Cは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41の反射損失を示すグラフである。この図は、下記の寸法を有する4アンテナアレイ41を用いて実験する結果である。第1縁403の長さは約160mmである。第1ループ経路4115の長さは約26mm、第2ループ経路4125の長さは約27mm、第3ループ経路4135の長さは約25mm、第4ループ経路4145の長さは約26.5mmである。4アンテナアレイ41の最大寸法dは約36mmである。第1放射導体部4111の長さは約10mm、第2放射導体部4121の長さは約10.5mm、第3放射導体部4131の長さは約11mm、第4放射導体部4141の長さは約10.5mmである。第1投影線分4116の長さは約10mm、第2投影線分4126の長さは約10.5mm、第3投影線分4136の長さは約11mm、第4投影線分4146の長さは約10.5mmである。図4Cに示すように、第1ループ経路4115は少なくとも第1共振形態4118を生成し、第2ループ経路4125は少なくとも第2共振形態4128を生成し、第3ループ経路4135は少なくとも第3共振形態4138を生成し、第4ループ経路4145は少なくとも第4共振形態4148を生成する。この実施例において、第1共振形態4118、第2共振形態4128、第3共振形態4138、および第4共振形態4148は、共通の第1通信帯域12(3400Hz〜3600Hz)を含む。第1通信帯域12の最低作動周波数は約3400Hzである。
図4Dは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41のアイソレーションを示すグラフである。1424は第1アンテナ411と第2アンテナ412のアイソレーション曲線、1434は第1アンテナ411と第3アンテナ413のアイソレーション曲線、1444は第1アンテナ411と第4アンテナ414のアイソレーション曲線、2434は第2アンテナ412と第3アンテナ413のアイソレーション曲線である。図4Dに示すように、4アンテナアレイ41の各アイソレーションは第1通信帯域12においてともに10dBよりも高い。図4Eは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41の放射率を示すグラフである。4119は第1アンテナ411の放射率曲線、4129は第2アンテナ412の放射率曲線、4139は第3アンテナ413の放射率曲線、4149は第4アンテナ414の放射率曲線である。図4Eに示すように、4アンテナアレイ41の各放射率は第1通信帯域12においてともに40%よりも高い。図4Fは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置4における4アンテナアレイ41のエンベロープ相関係数を示すグラフである。14241は第1アンテナ411と第2アンテナ412間のエンベロープ相関係数曲線、14341は第1アンテナ411と第3アンテナ413間のエンベロープ相関係数曲線、14441は第1アンテナ411と第4アンテナ414間のエンベロープ相関係数曲線、24341は第2アンテナ412と第3アンテナ413間のエンベロープ相関係数曲線である。図4Fに示すように、4アンテナアレイ41の各エンベロープ相関係数曲線は第1通信帯域12においてともに0.2よりも低い。
図4C、4D、4E、4Fに示す通信システムの帯域での動作および実験データは、図4Aおよび図4Bに示す本発明の実施例であるマルチアンテナ通信装置4の効果を証明するためのものであって、本発明に係るマルチアンテナ通信装置を実用する際の通信帯域、応用やスペックを制限するものではない。本発明に係るマルチアンテナ通信装置4は、WWAN(wireless wide area network)やMIMO(multiple input multiple-output)、LTE(long term evolution)、Pattern switchable antenna system、WLPN(wireless personal network)、WLAN(wireless local area network)、Beam-forming antenna system、NFC(Near field radio communication)、DTV(Digital television broadcasting)、GPS(Global Positioning System)などのシステムの帯域の作動に用いることができる。本発明に係るマルチアンテナ通信装置4において、4アンテナアレイ41は1つまたは複数の4アンテナアレイ41であってもよい。また、マルチアンテナ通信装置4は、携帯通信装置や無線通信装置、携帯演算装置、コンピュータシステム、通信設備、ネットワーク設備、またはこれらの周辺設備であってもよい。
図5Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置5の構造図である。図5Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置5における4アンテナアレイ51の構造図である。図5Aに示すように、マルチアンテナ通信装置5は、平面状グラウンド導体50と、4アンテナアレイ51とを含む。平面状グラウンド導体50は、第1縁503を有し、第1側空間501と、第1側空間501に対向する第2側空間502を分ける。4アンテナアレイ51は、第1縁503に位置し、第1縁503に沿って延伸するアレイの最大寸法dを有する。図5A、5Bに示すように、4アンテナアレイ51は、第1アンテナ511と、第2アンテナ512と、第3アンテナ513と、第4アンテナ514と、を含む。図5Bに示すように、第1アンテナ511は、第1側空間501に位置し、第1給電導線5112と第1グラウンド導線5113を有する第1放射導体部5111を含む。第1放射導体部5111は、第1給電導線5112を介して第1信号源5114に電気的に接続されるとともに、第1グラウンド導線5113を介して第1縁503に電気的に接続されて、第1ループ経路5115を形成し、少なくとも第1共振形態を生成する。第1放射導体部5111は、第1縁503において、第1投影線分5116を有する。第1ループ経路5115は、第1信号源5114から、第1給電導線5112、第1放射導体部5111、第1グラウンド導線5113、第1縁503を経由して、第1信号源5114に戻る。第2アンテナ512は、第1側空間501に位置し、第2給電導線5122と第2グラウンド導線5123を有する第2放射導体部5121を含む。第2放射導体部5121は、第2給電導線5122を介して第2信号源5124に電気的に接続されるとともに、第2グラウンド導線5123を介して第1縁503に電気的に接続されて、第2ループ経路5125を形成し、少なくとも第2共振形態を生成する。第2放射導体部5121は、第1縁503において、第2投影線分5126を有する。第2ループ経路5125は、第2信号源5124から、第2給電導線5122、第2放射導体部5121、第2グラウンド導線5123、第1縁503を経由して、第2信号源5124に戻る。第3アンテナ513は、第2側空間502に位置し、第3給電導線5132と第3グラウンド導線5133を有する第3放射導体部5131を含む。第3放射導体部5131は、第3給電導線5132を介して第3信号源5134に電気的に接続されるとともに、第3グラウンド導線5133を介して第1縁503に電気的に接続されて、第3ループ経路5135を形成し、少なくとも第3共振形態を生成する。第3放射導体部5131は、第1縁503において、第3投影線分5136を有する。第3ループ経路5135は、第3信号源5134から、第3給電導線5132、第3放射導体部5131、第3グラウンド導線5133、第1縁503を経由して、第3信号源5134に戻る。第4アンテナ514は、第2側空間502に位置し、第4給電導線5142と第4グラウンド導線5143を有する第4放射導体部5141を含む。第4放射導体部5141は、第4給電導線5142を介して第4信号源5144に電気的に接続されるとともに、第4グラウンド導線5143を介して第1縁503に電気的に接続されて、第4ループ経路5145を形成し、少なくとも第4共振形態を生成する。第4放射導体部5141は、第1縁503において、第4投影線分5146を有する。第4ループ経路5145は、第4信号源5144から、第4給電導線5142、第4放射導体部5141、第4グラウンド導線5143、第1縁503を経由して、第4信号源5144に戻る。第1投影線分5116と第3投影線分5136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分5126と第4投影線分5146とが完全に重なることなく一部のみが重なる。第1共振形態、第2共振形態、第3共振形態、および第4共振形態は、少なくとも共通の第1通信帯域を含む。4アンテナアレイ51が有する第1縁503に沿って延伸するアレイの最大寸法dは、第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲にある。第1ループ経路5115、第2ループ経路5125、第3ループ経路5135、および第4ループ経路5145の長さは、ともに第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.1倍〜0.369倍の範囲にある。第1給電導線5112と第1グラウンド導線5113は第1放射導体部5111に電気的に接続される。第2給電導線5122と第2放射導体部5121の間には、第2結合ギャップ5127を有し、第2結合ギャップ5127のピッチd2は、第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第2グラウンド導線5123は第2放射導体部5121に電気的に接続すされ。第2結合ギャップ5127による容量性インピーダンスが第2ループ経路5125による誘導性を有効に補償して第2ループ経路5125の長さを減少する。第3給電導線5132と第3放射導体部5131の間には、第3結合ギャップ5137を有し、第3結合ギャップ5137のピッチd3は、第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第3グラウンド導線5133は第3放射導体部5131に電気的に接続される。第3結合ギャップ5137による容量性インピーダンスが第3ループ経路5135による誘導性を有効に補償して第3ループ経路5135の長さを減少する。第4給電導線5142と第4グラウンド導線5143は第4放射導体部5141に電気的に接続される。第1放射導体部5111、第2放射導体部5121、第3放射導体部5131、および第4放射導体部5141の長さは、ともに第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.05倍〜0.233倍の範囲にある。第1投影線分5116、第2投影線分5126、第3投影線分5136、および第4投影線分5146の長さは、ともに第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.01倍〜0.22倍の範囲にある。第1信号源5114、第2信号源5124、第3信号源5134、および第4信号源5144は、高周波モジュール、高周波積層回路チップ、高周波回路スイッチ、高周波フィルタ回路、高周波デュプレクサ、高周波伝送回路、高周波コンデンサ、高周波インダクタ、高周波抵抗整合回路から選ぶ。
マルチアンテナ通信装置5の4アンテナアレイ51においては、第1給電導線5112が第1放射導体部5111に電気的に接続され、第4給電導線5142が第4放射導体部5141に電気的に接続される点でマルチアンテナ通信装置1と微妙に異なっているが、第1信号源5114および第4信号源5144が高周波容量整合回路の場合に、容量性インピーダンスになり、第1ループ経路5115および第4ループ経路5145による誘導性を有効に補償して第1ループ経路5115および第4ループ経路5145の長さを減少できる。したがって、マルチアンテナ通信装置5において、同様に、互いに隣接するコンパクトされた第1ループ経路5115、第2ループ経路5125、第3ループ経路5135、および第4ループ経路5145は、第1縁503に配置されることにより平面状グラウンド導体50の強い電流の分布が均等化され、それぞれに第1共振形態、第2共振形態、第3共振形態、および第4共振形態が生成され、周波数の変化による4アンテナアレイ51の入力インピーダンスの変化が抑えられ、それぞれの第1共振形態、第2共振形態、第3共振形態、および第4共振形態の作動帯域が増大される。また、4アンテナアレイ51において、同様に、コンパクトされた第1ループ経路5115と第2ループ経路5125が第1側空間501に配置され、コンパクトされた第3ループ経路5135と第4ループ経路5145が第2側空間502に配置されるようにした。第1側空間501に位置する第1ループ経路5115と第2ループ経路5125は、同様に有効に第1縁503において相反する電流分布を発生させ、第2側空間502に位置する第3ループ経路5135と第4ループ経路5145は、同様に有効に第1縁503において相反する電流分布を発生させる。これにより、同様に同側空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路のエンベロープ相関係数を有効に低減して2つの隣接するコンパクトされたループ経路の間隙距離を縮め、4アンテナアレイ51の第1縁503に沿って延伸するアレイの最大寸法dを縮むことができる。第1投影線分5116と第3投影線分5136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分5126と第4投影線分5146とが完全に重なることなく一部のみが重なるようにすることにより、第1側空間501と第2側空間502のそれぞれに位置する、隣接するコンパクトされたループ経路の空間における波動エネルギーの結合が有効に抑えられるので、4アンテナアレイ51の全体の寸法がコンパクトされるとともに、アンテナの放射性が向上される。これによって、マルチアンテナ通信装置5はマルチアンテナ通信装置1に類似する効果を奏する。
本発明に係るマルチアンテナ通信装置5は、WWAN(wireless wide area network)やMIMO(multiple input multiple-output)、LTE(long term evolution)、Pattern switchable antenna system、WLPN(wireless personal network)、WLAN(wireless local area network)、Beam-forming antenna system、NFC(Near field radio communication)、DTV(Digital television broadcasting)、GPS(Global Positioning System)などのシステムの帯域の作動に用いることができる。本発明に係るマルチアンテナ通信装置5において、4アンテナアレイ51は1つまたは複数の4アンテナアレイ51であってもよい。また、マルチアンテナ通信装置5は、携帯通信装置や無線通信装置、携帯演算装置、コンピュータシステム、通信設備、ネットワーク設備、またはこれらの周辺設備であってもよい。
図6Aは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置6の構造図である。図6Bは、本発明の実施例に係るマルチアンテナ通信装置6における4アンテナアレイ61の構造図である。図6Aに示すように、マルチアンテナ通信装置6は、平面状グラウンド導体60と、4アンテナアレイ61とを含む。平面状グラウンド導体60は、第1縁603を有し、第1側空間601と、第1側空間601に対向する第2側空間602を分ける。4アンテナアレイ61は、第1縁603に位置し、第1縁603に沿う方向にアレイの最大寸法dを有する。図6A、6Bに示すように、4アンテナアレイ61は、第1アンテナ611と、第2アンテナ612と、第3アンテナ613と、第4アンテナ614と、を含む。図6Bに示すように、第1アンテナ611は、第1側空間601に位置し、第1給電導線6112と第1グラウンド導線6113を有する第1放射導体部6111を含む。第1放射導体部6111は、第1給電導線6112を介して第1信号源6114に電気的に接続されるとともに、第1グラウンド導線6113を介して第1縁603に電気的に接続されて、第1ループ経路6115を形成し、少なくとも第1共振形態を生成する。第1放射導体部6111は、第1縁603において、第1投影線分6116を有する。第1ループ経路6115は、第1信号源6114から、第1給電導線6112、第1放射導体部6111、第1グラウンド導線6113、第1縁603を経由して、第1信号源6114に戻る。第2アンテナ612は、第1側空間601に位置し、第2給電導線6122と第2グラウンド導線6123を有する第2放射導体部6121を含む。第2放射導体部6121は、第2給電導線6122を介して第2信号源6124に電気的に接続されるとともに、第2グラウンド導線6123を介して第1縁603に電気的に接続されて、第2ループ経路6125を形成し、少なくとも第2共振形態を生成する。第2放射導体部6121は、第1縁603において、第2投影線分6126を有する。第2ループ経路6125は、第2信号源6124から、第2給電導線6122、第2放射導体部6121、第2グラウンド導線6123、第1縁603を経由して、第2信号源6124に戻る。第3アンテナ613は、第2側空間602に位置し、第3給電導線6132と第3グラウンド導線6133を有する第3放射導体部6131を含む。第3放射導体部6131は、第3給電導線6132を介して第3信号源6134に電気的に接続されるとともに、第3グラウンド導線6133を介して第1縁603に電気的に接続されて、第3ループ経路6135を形成し、少なくとも第3共振形態を生成する。第3放射導体部6131は、第1縁603において、第3投影線分6136を有する。第3ループ経路6135は、第3信号源6134から、第3給電導線6132、第3放射導体部6131、第3グラウンド導線6133、第1縁603を経由して、第3信号源6134に戻る。第4アンテナ614は、第2側空間602に位置し、第4給電導線6142と第4グラウンド導線6143を有する第4放射導体部6141を含む。第4放射導体部6141は、第4給電導線6142を介して第4信号源6144に電気的に接続されるとともに、第4グラウンド導線6143を介して第1縁603に電気的に接続されて、第4ループ経路6145を形成し、少なくとも第4共振形態を生成する。第4放射導体部6141は、第1縁603において、第4投影線分6146を有する。第4ループ経路6145は、第4信号源6144から、第4給電導線6142、第4放射導体部6141、第4グラウンド導線6143、第1縁603を経由して、第4信号源6144に戻る。第1投影線分6116と第3投影線分6136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分6126と第4投影線分6146とが完全に重なることなく一部のみが重なる。第1共振形態、第2共振形態、第3共振形態、および第4共振形態は、少なくとも共通の第1通信帯域を含む。4アンテナアレイ61が有する第1縁603に沿って延伸するアレイの最大寸法dは、第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲にある。第1ループ経路6115、第2ループ経路6125、第3ループ経路6135、および第4ループ経路6145の長さは、ともに第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.1倍〜0.369倍の範囲にある。第1グラウンド導線6113と第1放射導体部6111の間には、第1結合ギャップ6117を有し、第1結合ギャップ6117のピッチd1は、第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第1給電導線6112は第1放射導体部6111に電気的に接続される。第1結合ギャップ6117による容量性インピーダンスが第1ループ経路6115による誘導性を有効に補償して第1ループ経路6115の長さを減少する。第2給電導線6122と第2放射導体部6121の間には、第2結合ギャップ6127を有し、第2結合ギャップ6127のピッチd2は、第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第2グラウンド導線6123は第2放射導体部6121に電気的に接続される。第2結合ギャップ6127による容量性インピーダンスが第2ループ経路6125による誘導性を有効に補償して第2ループ経路6125の長さを減少する。第3給電導線6132と第3放射導体部6131の間には、第3結合ギャップ6137を有し、第3結合ギャップ6137のピッチd3は、第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第3グラウンド導線6133は第3放射導体部6131に電気的に接続される。第3結合ギャップ6137による容量性インピーダンスが第3ループ経路6135による誘導性を有効に補償して第3ループ経路6135の長さを減少する。第4グラウンド導線6143と第4放射導体部6141の間には、第4結合ギャップ6147を有し、第4結合ギャップ6147のピッチd4は、第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である。第4給電導線6142は第4放射導体部6141に電気的に接続される。第4結合ギャップ6147による容量性インピーダンスが第4ループ経路6145による誘導性を有効に補償して第4ループ経路6145の長さを減少する。第1放射導体部6111、第2放射導体部6121、第3放射導体部6131、および第4放射導体部6141の長さは、ともに第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.05倍〜0.233倍の範囲にある。第1投影線分6116、第2投影線分6126、第3投影線分6136、および第4投影線分6146の長さは、ともに第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.01倍〜0.22倍の範囲にある。第1信号源6114、第2信号源6124、第3信号源6134、および第4信号源6144は、高周波モジュール、高周波積層回路チップ、高周波回路スイッチ、高周波フィルタ回路、高周波デュプレクサ、高周波伝送回路、高周波コンデンサ、高周波インダクタ、高周波抵抗整合回路から選ぶ。
マルチアンテナ通信装置6の4アンテナアレイ61においては、第1給電導線6112が第1放射導体部6111に電気的に接続され、第4給電導線6142が第4放射導体部6141に電気的に接続される点でマルチアンテナ通信装置1と微妙に異っているが、同様に、第1結合ギャップ6117および第4結合ギャップ6147による容量性インピーダンスにより、第1ループ経路6115および第4ループ経路6145による誘導性を有効に補償して第1ループ経路6115および第4ループ経路6145の長さを減少できる。したがって、マルチアンテナ通信装置6において、同様に、互いに隣接するコンパクトされた第1ループ経路6115、第2ループ経路6125、第3ループ経路6135、および第4ループ経路6145は、第1縁603に配置されることにより平面状グラウンド導体60の強い電流の分布が均等化され、それぞれに第1共振形態、第2共振形態、第3共振形態、および第4共振形態が生成され、周波数の変化による4アンテナアレイ61の入力インピーダンスの変化が抑えられ、それぞれの第1共振形態、第2共振形態、第3共振形態、および第4共振形態の作動帯域が増大される。また、4アンテナアレイ61において、コンパクトされた第1ループ経路6115と第2ループ経路6125が第1側空間601に配置され、コンパクトされた第3ループ経路6135と第4ループ経路6145が第2側空間602に配置されるようにした。第1側空間601に位置する第1ループ経路6115と第2ループ経路6125は、同様に有効に第1縁603において相反する電流分布を発生させ、第2側空間602に位置する第3ループ経路6135と第4ループ経路6145は、同様に有効に第1縁603において相反する電流分布を発生させる。これにより、同様に同側空間に位置する2つの隣接するコンパクトされたループ経路のエンベロープ相関係数を有効に低減して2つの隣接するコンパクトされたループ経路の間隙距離を縮め、4アンテナアレイ61の第1縁603に沿って延伸するアレイの最大寸法dを縮むことができる。第1投影線分6116と第3投影線分6136とが完全に重なることなく一部のみが重なり、第2投影線分6126と第4投影線分6146とが完全に重なることなく一部のみが重なるようにすることにより、第1側空間601と第2側空間602のそれぞれに位置する、隣接するコンパクトされたループ経路の空間における波動エネルギーの結合が有効に抑えられるので、4アンテナアレイ61の全体の寸法がコンパクトされるとともに、アンテナの放射性が向上される。これによって、マルチアンテナ通信装置6はマルチアンテナ通信装置1に類似する効果を奏する。
本発明に係るマルチアンテナ通信装置6は、WWAN(wireless wide area network)やMIMO(multiple input multiple-output)、LTE(long term evolution)、Pattern switchable antenna system、WLPN(wireless personal network)、WLAN(wireless local area network)、Beam-forming antenna system、NFC(Near field radio communication)、DTV(Digital television broadcasting)、GPS(Global Positioning System)などのシステムの帯域の作動に用いることができる。本発明に係るマルチアンテナ通信装置6において、4アンテナアレイ61は1つまたは複数の4アンテナアレイ61であってもよい。また、マルチアンテナ通信装置6は、携帯通信装置や無線通信装置、携帯演算装置、コンピュータシステム、通信設備、ネットワーク設備、またはこれらの周辺設備であってもよい。
本発明によれば、エンベロープ相関係数が有効に低減され、通信装置に応用できる程度にコンパクトされ、高速度でデータを伝送する通信装置の実用化の需要を満たすことができるマルチアンテナ通信装置が提供される。
上記のように、本発明に係る実施例が開示されているが、この技術分野を熟知した者であれば、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の修正や変更がなされたものを実行することが可能である。したがって、本発明の権利範囲は下記特許請求の範囲に限定されるものとする。
1、2、3、4、5、6 マルチアンテナ通信装置
10、20、30、40、50、60 平面状グラウンド導体
101、201、301、401、501、601 第1側空間
102、202、302、402、502、602 第2側空間
103、203、303、403、503、603 第1縁
11、21、31、41、51、61 4アンテナアレイ
111、211、311、411、511、611 第1アンテナ
1111、2111、3111、4111、5111、6111 第1放射導体部
1112、2112、3112、4112、5112、6112 第1給電導線
1113、2113、3113、4113、5113、6113 第1グラウンド導線
1114、2114、3114、4114、5114、6114 第1信号源
1115、2115、3115、4115、5115、6115 第1ループ経路
1116、2116、3116、4116、5116、6116 第1投影線分
1117、2117、6117 第1結合ギャップ
1118、2118、3118、4118 第1共振形態
1119、2119、3119、4119 第1共振形態放射率曲線
112、212、312、412、512、612 第2アンテナ
1121、2121、3121、4121、5121、6121 第2放射導体部
1122、2122、3122、4122、5122、6122 第2給電導線
1123、2123、3123、4123、5123、6123 第2グラウンド導線
1124、2124、3124、4124、5124、6124 第2信号源
1125、2125、3125、4125、5125、6125 第2ループ経路
1126、2126、3126、4126、5126、6126 第2投影線分
1127、3127、5127、6127 第2結合ギャップ
1128、2128、3128、4128 第2共振形態
1129、2129、3129、4129 第2共振形態放射率曲線
113、213、313、413、513、613 第3アンテナ
1131、2131、3131、4131、5131、6131 第3放射導体部
1132、2132、3132、4132、5132、6132 第3給電導線
1133、2133、3133、4133、5133、6133 第3グラウンド導線
1134、2134、3134、4134、5134、6134 第3信号源
1135、2135、3135、4135、5135、6135 第3ループ経路
1136、2136、3136、4136、5136、6136 第3投影線分
1137、3137、5137、6137 第3結合ギャップ
1138、2138、3138、4138 第3共振形態
1139、2139、3139、4139 第3共振形態放射率曲線
114、214、314、414、514、614 第4アンテナ
1141、2141、3141、4141、5141、6141 第4放射導体部
1142、2142、3142、4142、5142、6142 第4給電導線
1143、2143、3143、4143、5143、6143 第4グラウンド導線
1144、2144、3144、4144、5144、6144 第4信号源
1145、2145、3145、4145、5145、6145 第4ループ経路
1146、2146、3146、4146、5146、6146 第4投影線分
1147、2147、6147 第4結合ギャップ
1148、2148、3148、4148 第4共振形態
1149、2149、3149、4149 第4共振形態放射率曲線
12 第1通信帯域
1424 第1アンテナと第2アンテナのアイソレーション曲線
14241 第1アンテナと第2アンテナ間のエンベロープ相関係数曲線
1434 第1アンテナと第3アンテナのアイソレーション曲線
14341 第1アンテナと第3アンテナ間のエンベロープ相関係数曲線
1444 第1アンテナと第4アンテナのアイソレーション曲線
14441 第1アンテナと第4アンテナ間のエンベロープ相関係数曲線
2434 第2アンテナと第3アンテナのアイソレーション曲線
24341 第2アンテナと第3アンテナ間のエンベロープ相関係数曲線
d 最大寸法
d1 第1結合ギャップのピッチ
d2 第2結合ギャップのピッチ
d3 第3結合ギャップのピッチ
d4 第4結合ギャップのピッチ

Claims (19)

  1. 第1縁を有し、第1側空間と、前記第1側空間に対向する第2側空間を分ける平面状グラウンド導体と、
    第1アンテナと、第2アンテナと、第3アンテナと、第4アンテナとを含み、前記第1縁に位置し、前記第1縁に沿って延伸するアレイの最大寸法を有する4アンテナアレイであって、
    前記第1アンテナは、前記第1側空間に位置し、第1給電導線と第1グラウンド導線を有する第1放射導体部を含み、前記第1放射導体部は、前記第1給電導線を介して第1信号源に電気的に接続されるとともに、前記第1グラウンド導線を介して前記第1縁に電気的に接続されて、第1ループ経路を形成し、少なくとも第1共振形態を生成し、前記第1放射導体部は、前記第1縁において、第1投影線分を有し、
    前記第2アンテナは、前記第1側空間に位置し、第2給電導線と第2グラウンド導線を有する第2放射導体部を含み、前記第2放射導体部は、前記第2給電導線を介して第2信号源に電気的に接続されるとともに、前記第2グラウンド導線を介して前記第1縁に電気的に接続されて、第2ループ経路を形成し、少なくとも第2共振形態を生成し、前記第2放射導体部は、前記第1縁において、第2投影線分を有し、
    前記第3アンテナは、前記第2側空間に位置し、第3給電導線と第3グラウンド導線を有する第3放射導体部を含み、前記第3放射導体部は、前記第3給電導線を介して第3信号源に電気的に接続されるとともに、前記第3グラウンド導線を介して前記第1縁に電気的に接続されて、第3ループ経路を形成し、少なくとも第3共振形態を生成し、前記第3放射導体部は、前記第1縁において、第3投影線分を有し、
    前記第4アンテナは、前記第2側空間に位置し、第4給電導線と第4グラウンド導線を有する第4放射導体部を含み、前記第4放射導体部は、前記第4給電導線を介して第4信号源に電気的に接続されるとともに、前記第4グラウンド導線を介して前記第1縁に電気的に接続されて、第4ループ経路を形成し、少なくとも第4共振形態を生成し、前記第4放射導体部は、前記第1縁において、第4投影線分を有し、
    前記第1投影線分と前記第3投影線分の一部が重なり、前記第2投影線分と前記第4投影線分の一部が重なり、前記第1共振形態、前記第2共振形態、前記第3共振形態、および前記第4共振形態は、少なくとも共通の第1通信帯域を含み、前記アレイの最大寸法は、前記第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.25倍〜0.49倍の範囲にある4アンテナアレイと、
    を含む、
    マルチアンテナ通信装置。
  2. 前記第1ループ経路、前記第2ループ経路、前記第3ループ経路、および前記第4ループ経路の長さは、ともに前記第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.1倍〜0.369倍の範囲にある、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  3. 前記第1ループ経路は、前記第1信号源から、前記第1給電導線、前記第1放射導体部、前記第1グラウンド導線、前記第1縁を経由して、前記第1信号源に戻る、
    請求項2に記載のマルチアンテナ通信装置。
  4. 前記第2ループ経路は、前記第2信号源から、前記第2給電導線、前記第2放射導体部、前記第2グラウンド導線、前記第1縁を経由して、前記第2信号源に戻る、
    請求項2に記載のマルチアンテナ通信装置。
  5. 前記第3ループ経路は、前記第3信号源から、前記第3給電導線、前記第3放射導体部、前記第3グラウンド導線、前記第1縁を経由して、前記第3信号源に戻る、
    請求項2に記載のマルチアンテナ通信装置。
  6. 前記第4ループ経路は、前記第4信号源から、前記第4給電導線、前記第4放射導体部、前記第4グラウンド導線、前記第1縁を経由して、前記第4信号源に戻る、
    請求項2に記載のマルチアンテナ通信装置。
  7. 前記第1投影線分と前記第3投影線分とが完全に重なることなく一部のみが重なり、前記第2投影線分と前記第4投影線分とが完全に重なることなく一部のみが重なる、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  8. 前記第1給電導線または前記第1グラウンド導線と前記第1放射導体部との間には、第1結合ギャップを有し、前記第1結合ギャップのピッチは、前記第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  9. 前記第2給電導線または前記第2グラウンド導線と前記第2放射導体部との間には、第2結合ギャップを有し、前記第2結合ギャップのピッチは、前記第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  10. 前記第3給電導線または前記第3グラウンド導線と前記第3放射導体部との間には、第3結合ギャップを有し、前記第3結合ギャップのピッチは、前記第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  11. 前記第4給電導線または前記第4グラウンド導線と前記第4放射導体部との間には、第4結合ギャップを有し、前記第4結合ギャップのピッチは、前記第4通信帯域の最低作動周波数の波長の0.023倍以下である、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  12. 前記第1給電導線と前記第1グラウンド導線が前記第1放射導体部に電気的に接続される、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  13. 前記第2給電導線と前記第2グラウンド導線が前記第2放射導体部に電気的に接続される、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  14. 前記第3給電導線と前記第3グラウンド導線が前記第3放射導体部に電気的に接続される、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  15. 前記第4給電導線と前記第4グラウンド導線が前記第4放射導体部に電気的に接続される、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  16. 前記第1放射導体部、前記第2放射導体部、前記第3放射導体部、および前記第4放射導体部の長さは、ともに前記第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.05倍〜0.233倍の範囲にある、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  17. 前記第1投影線分、前記第2投影線分、前記第3投影線分、および前記第4投影線分の長さは、ともに前記第1通信帯域の最低作動周波数の波長の0.01倍〜0.22倍の範囲にある、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  18. 前記4アンテナアレイは1つまたは複数の4アンテナアレイであり、前記マルチアンテナ通信装置は、携帯通信装置、無線通信装置、携帯演算装置、コンピュータシステム、通信設備、ネットワーク設備、またはこれらの周辺設備である、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
  19. 前記第1信号源、前記第2信号源、前記第3信号源、および前記第4信号源は、高周波モジュール、高周波積層回路チップ、高周波回路スイッチ、高周波フィルタ回路、高周波デュプレクサ、高周波伝送回路、高周波コンデンサ、高周波インダクタ、高周波抵抗整合回路から選ばれる、
    請求項1に記載のマルチアンテナ通信装置。
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