図1は、プリントシステム5の全体的な構成の例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、仲介サーバ2Bのハードウェア構成の例を示す図である。図4は、ユーザ用端末装置3Aのハードウェア構成の例を示す図である。図5は、管理者用端末装置3Bのハードウェア構成の例を示す図である。
図1に示すように、プリントシステム5は、複数の画像形成装置1、複数のクラウドプリントサーバ2A、仲介サーバ2B、複数のユーザ用端末装置3A、管理者用端末装置3B、および通信回線4などによって構成される。
プリントシステム5によると、ユーザは、様々な場所からドキュメントを印刷することができる。
各画像形成装置1、各クラウドプリントサーバ2A、仲介サーバ2B、各ユーザ用端末装置3A、および管理者用端末装置3Bは、通信回線4を介して通信することができる。通信回線4として、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆回線、携帯電話回線、または専用線などが用いられる。
画像形成装置1は、コピー、PCプリント、クラウドプリンタ、ファックス、スキャナ、およびボックスなどの機能を集約した装置である。一般に、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれることがある。
PCプリント機能は、同じセグメントに所属するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットコンピュータなどから受信した画像データに基づいて画像を用紙に印刷する機能である。「ネットワークプリンティング」または「ネットワークプリント」などと呼ばれることもある。
クラウドプリンタ機能は、インターネット上のサーバ(本実施形態では、クラウドプリントサーバ2A)を介して画像データを受信し画像を用紙に印刷する機能である。
ボックス機能は、ユーザごとに「ボックス」または「パーソナルボックス」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザが自分の記憶領域によって画像データなどを保存し管理するための機能である。グループごとにボックスを設けておき、グループのメンバで共用することもできる。ボックスは、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、タッチパネルディスプレイ10e、操作キーパネル10f、NIC(Network Interface Card)10g、モデム10h、スキャンユニット10i、プリントユニット10j、およびフィニッシャ10kなどによって構成される。
タッチパネルディスプレイ10eは、ユーザに対するメッセージを示す画面、ユーザがコマンドまたは情報を入力するための画面、およびCPU10aが実行した処理の結果を示す画面などを表示する。また、タッチパネルディスプレイ10eは、タッチされた位置を示す信号をCPU10aへ送る。
操作キーパネル10fは、いわゆるハードウェアキーボードであって、テンキー、スタートキー、ストップキー、およびファンクションキーなどによって構成される。
NIC10gは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルでクラウドプリントサーバ2Aおよび仲介サーバ2Bなどと通信する。
モデム10hは、ファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りする。
スキャンユニット10iは、プラテンガラスの上にセットされた用紙に記されている画像を読み取って画像データを生成する。
プリントユニット10jは、スキャンユニット10iによって読み取られた画像のほか、NIC10gまたはモデム10hによって他の装置から受信した画像を用紙に印刷する。
フィニッシャ10kは、プリントユニット10jによって得られた印刷物に対して、必要に応じて後処理を施す。後処理は、ステープルで綴じる処理、パンチ穴を開ける処理、または折り曲げる処理などである。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、上述のコピーおよびクラウドプリンタなどの各機能を実現するためのプログラムが記憶されている。
これらのプログラムは、RAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。補助記憶装置10dとして、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
以下、各画像形成装置1をそれぞれ「画像形成装置1A」、「画像形成装置1B」、…と区別して記載することがある。また、各画像形成装置1には、それが管理されるクラウドプリントサーバ2Aにおいてローカル識別子が与えられている。ローカル識別子については、後述する。
クラウドプリントサーバ2Aは、ユーザ用端末装置3Aまたは仲介サーバ2Bからの要求に基づいて、ドキュメントを印刷する処理を画像形成装置1に実行させる。つまり、いわゆるクラウドプリントのサービスをユーザへ提供する。
クラウドプリントサーバ2Aとして、クラウドプリントのサービスを提供する既存のクラウドサーバが用いられる。クラウドプリントの例として、Google社のGoogleクラウドプリントが挙げられる。
クラウドプリントサーバ2Aは、インターネットに関連するサービスを提供する企業によって運営される。以下、各クラウドプリントサーバ2Aそれぞれが異なる企業によって運営される場合を例に説明する。また、各クラウドプリントサーバ2Aをそれぞれ「クラウドプリントサーバ2A1」、「クラウドプリントサーバ2A2」、…と区別して記載することがある。
クラウドプリントサーバ2Aを介してドキュメントを印刷する処理を画像形成装置1に実行させるためには、その画像形成装置1をそのクラウドプリントサーバ2Aへ予め登録しておかなければならない。登録の方法は、クラウドプリントサーバ2Aごとに異なるが、公知の方法によって登録を行うことができる。
また、ユーザは、クラウドプリントサーバ2Aそれぞれを運営する企業の会員であり、各企業からユーザアカウントを与えられている。ユーザアカウントには、それを識別するためのID(identification)として、ユニークな会員コードが付されている。さらに、ユーザが任意に決めたパスワードが付されている。ユーザは、公知の方法によって各企業の会員として登録される。
仲介サーバ2Bは、ユーザがクラウドプリントのサービスを受けられるように、ユーザ用端末装置3Aからクラウドプリントサーバ2Aへの要求などを仲介する。
仲介サーバ2Bは、図3に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、補助記憶装置20d、およびNIC20eなどによって構成される。
NIC20eは、TCP/IPなどのプロトコルによって画像形成装置などと通信を行う。
ROM20cまたは補助記憶装置20dには、プリント仲介プログラム20P(図6参照)が記憶されている。プリント仲介プログラム20Pは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。補助記憶装置20dとして、ハードディスクまたはSSDなどが用いられる。
ユーザ用端末装置3Aは、ユーザがクラウドプリントのサービスを受けるためのクライアントである。ユーザ用端末装置3Aとして、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはノート型のパーソナルコンピュータなどが用いられる。以下、ユーザ用端末装置3Aとしてスマートフォンが用いられる場合を例に説明する。
ユーザ用端末装置3Aは、図4に示すように、CPU30a、RAM30b、ROM30c、フラッシュメモリ30d、タッチパネルディスプレイ30e、操作ボタン群30f、無線LAN通信装置30g、携帯電話通信装置30h、およびデジタルカメラ30iなどによって構成される。
タッチパネルディスプレイ30eは、種々の画面を表示し、タッチされた位置を検知してCPU30aにその位置を通知する。
操作ボタン群30fは、いわゆるホーム画面に戻るためのボタン、音量を調整するためのボタン、および電源のオン/オフを切り換えるためのボタンなどによって構成される。
無線LAN通信装置30gは、無線LANの規格、つまり、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11の規格に基づいて通信を行う。
携帯電話通信装置30hは、CDMA(Code Division Multiple Access)2000、W−CDMA(Wideband-CDMA)、またはLTE(Long Term Evolution)などの規格に基づいて、いわゆる携帯電話網を介して通信を行う。
デジタルカメラ30iは、画像を撮影し画像データを生成する。動画を撮影し動画の画像データを生成することもできる。
ROM30cまたはフラッシュメモリ30dには、ドキュメントの作成用のアプリケーション(例えば、ワープロソフト、表計算ソフト、描画ソフト)、メーラ、およびウェブブラウザなどのアプリケーションプログラムが記憶されている。さらに、クライアントプログラム30P(図7参照)が記憶されている。
これらのプログラムは、必要に応じてRAM30bにロードされ、CPU30aによって実行される。
以下、各ユーザ用端末装置3Aをそれぞれ「ユーザ用端末装置3A1」、ユーザ用端末装置3A2」、…と区別して記載することがある。
管理者用端末装置3Bは、後述する管理者が仲介サーバ2Bを管理するために使用される。管理者用端末装置3Bとして、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットコンピュータなどが用いられる。以下、管理者用端末装置3Bとして、ノート型のパーソナルコンピュータが用いられる場合を例に説明する。
管理者用端末装置3Bは、図5に示すように、CPU34a、RAM34b、ROM34c、補助記憶装置34d、NIC34e、液晶ディスプレイ34f、キーボード34g、およびポインティングデバイス34hなどによって構成される。
NIC34eは、TCP/IPなどのプロトコルによってクラウドプリントサーバ2Aなどと通信する。
液晶ディスプレイ34fは、仲介サーバ2Bを管理するための画面などを表示する。キーボード34gおよびポインティングデバイス34hは、ユーザがコマンドまたは情報を入力するために用いられる。
ROM34cまたは補助記憶装置34dには、仲介サーバ2Bを管理するための管理用プログラム34P(図7参照)が記憶されている。
管理用プログラム34Pは、必要に応じてRAM34bにロードされ、CPU34aによって実行される。補助記憶装置34dとして、ハードディスクまたはSSDなどが用いられる。
ユーザは、ある画像形成装置1のクラウドプリンタ機能を使用するには、従来、その画像形成装置1のクラウドプリンタ機能を使用する権限(以下、「使用権」と記載する。)を、その画像形成装置1を管理する権限を有する者(以下、「管理者」と記載する。)から与えてもらわなければならない。したがって、管理者は、ユーザから使用権を要求されるごとに、使用権を付与する作業を行わなければならない。しかし、仲介サーバ2B、ユーザ用端末装置3A、および管理者用端末装置3Bによると、この作業の負担を軽減することができる。
以下、この仕組みを、図6〜図13などを参照しながら説明する。なお、1台の画像形成装置1につき管理者が1人のみいる場合を例に説明する。
図6は、仲介サーバ2Bの機能的構成の例を示す図である。図7は、ユーザ用端末装置3Aおよび管理者用端末装置3Bそれぞれの機能的構成の例およびプリント指令受付処理部204の構成の例を示す図である。
プリント仲介プログラム20Pによると、図6に示すデバイスデータ記憶部201、デバイス登録処理部202、ユーザデータ記憶部203、プリント指令受付処理部204、およびプリントジョブ付与処理部205などの機能が仲介サーバ2Bに実現される。
クライアントプログラム30Pによると、図7に示す一覧画面表示部301、指定デバイス通知部302、設定画面表示部303、およびプリント要求部304などの機能がユーザ用端末装置3Aに実現される。
管理用プログラム34Pによると、デバイス登録画面表示部341およびデバイス情報通知部342などの機能が管理者用端末装置3Bに実現される。
各ユーザは、予め、仲介サーバ2Bを運営する企業の会員になり、その企業からユニークなユーザコードを発行してもらう。
〔準備〕
図8は、デバイスデータ6Aの例を示す図である。図9は、デバイス登録画面71の例を示す図である。図10は、ユーザデータ6Eの例を示す図である。
仲介サーバ2Bにおいて、デバイスデータ記憶部201には、画像形成装置1ごとのデバイスデータ6A、非対応機能データ6B、および維持フラグ6Cが記憶されている。
デバイスデータ6Aには、図8のように、画像形成装置1のクラウドプリントに関する次の情報が示されている。「デバイスコード」は、仲介サーバ2Bにおいてその画像形成装置1を識別するためのIDである。
「表示名」は、その画像形成装置1の名称である。表示名として、ユーザにとって分かりやすい名称が用いられる。「対応サーバ識別子」は、その画像形成装置1が登録されているクラウドプリントサーバ2Aの識別子である。対応サーバ識別子として、インターネットホスト名(ホスト名とドメイン名との組合せ)を用いてもよいし、IP(Internet Protocol)アドレスを用いてもよい。
「管理者コード」は、そのクラウドプリントサーバ2Aにおける、その画像形成装置1の管理者のIDである。管理者は、その画像形成装置1の使用権を任意のユーザに与えることができる。「管理者パスワード」は、その管理者がそのクラウドプリントサーバ2Aへログインする際に使用するパスワードである。管理者コードおよび管理者パスワードとして、そのクラウドプリントサーバ2Aにおける、その管理者のユーザアカウントの会員コードおよびパスワードを用いてもよい。
「ローカル識別子」は、そのクラウドプリントサーバ2Aにおける、その画像形成装置1の識別子である。
「所在地」は、その画像形成装置1が設置されている住所である。「所属組織」および「所属部署」は、それぞれ、その画像形成装置1を使用することができる組織(企業、役所、または学校など)および部署である。所属組織および所属部署は、設定されていなくてもよい。
非対応機能データ6Bは、画像形成装置1のクラウドプリント以外に関する情報が示されている。特に、その画像形成装置1が有する機能のうち従来クラウドプリントサーバ2Aを介して使用することができない機能が示されている。以下、クラウドプリントサーバ2Aを介して使用することができる機能を「標準機能」と記載し、使用することができない機能を「非対応機能」と記載する。
維持フラグ6Cは、ユーザに与えられた、画像形成装置1の使用権を、クラウドプリントが実行された後も引き続き維持するのか実行後に削除するのかを、示す。維持フラグ6Cが「1」であれば維持され、「0」であれば削除される。
デバイスデータ6A、非対応機能データ6B、および維持フラグ6Cは、デバイス登録処理部202ならびに管理者用端末装置3Bの一覧画面表示部301および指定デバイス通知部302によって生成されデバイスデータ記憶部201に記憶される。
ここで、クラウドプリントサーバ2A1に画像形成装置1Aが既に登録されており、画像形成装置1Aのデバイスデータ6A、非対応機能データ6B、および維持フラグ6Cをデバイスデータ記憶部201に記憶させる場合を例に、各部の処理および管理者の作業について説明する。
管理者は、管理者用端末装置3Bに所定のコマンドを入力する。すると、デバイス登録画面表示部341は、図9のようなデバイス登録画面71を液晶ディスプレイ34fに表示させる。ここで、管理者は、テキストボックス71A1〜71A5へ、上から順に、画像形成装置1Aの表示名、クラウドプリントサーバ2A1の対応サーバ識別子、管理者自身の管理者コード、管理者自身の管理者パスワード、および画像形成装置1Aの所在地を入力する。さらに、必要に応じて、テキストボックス71A6および71A7のそれぞれに画像形成装置1Aの所属組織および所属部署を入力する。
画像形成装置1Aが非対応機能を備える場合は、管理者は、その非対応機能の機能名をテキストボックス71Bへ入力する。
さらに、画像形成装置1Aの使用権をクラウドプリントが実行された後も引き続き維持させるのであれば、管理者は、チェックボックス71Cをオンにすることによって、「維持」を指定する。実行後に削除するのであれば、オフにすることによって、「削除」を指定する。
上述の操作が完了したら、管理者は、登録ボタン71Dを押す。すると、デバイス情報通知部342は、テキストボックス71A1〜71A7に入力された内容を示すデバイス基本データ6D1、テキストボックス71Bに入力された内容を示す非対応機能データ6D2、およびチェックボックス71Cによって指定された内容を示す維持要否データ6D3を生成し仲介サーバ2Bへ送信する。これにより、画像形成装置1Aに関する情報が仲介サーバ2Bへ通知される。
仲介サーバ2Bにおいて、デバイス登録処理部202は、デバイス基本データ6D1、非対応機能データ6D2、および維持要否データ6D3を受信すると、デバイスデータ6A、非対応機能データ6B、および維持フラグ6Cを生成しデバイスデータ記憶部201に記憶させる処理を次のように行う。
デバイス登録処理部202は、ユニークなデバイスコードを発行する。そして、発行したデバイスコードおよびデバイス基本データ6D1に示される内容を示すデータを生成し、デバイスデータ6Aとしてデバイスデータ記憶部201に記憶させる。
さらに、デバイス登録処理部202は、非対応機能データ6D2を非対応機能データ6Bとして、そのデバイスコードに対応付けてデバイスデータ記憶部201に記憶させる。さらに、維持フラグ6Cを新たに生成し、そのデバイスコードに対応付けてデバイスデータ記憶部201に記憶させる。そして、維持要否データ6D3に「維持」が示される場合は、維持フラグ6Cの値を「1」に設定し、「削除」が示される場合は「0」に設定する。
ユーザデータ記憶部203には、図10のように、ユーザごとのユーザデータ6Eが予め記憶されている。
ユーザデータ6Eには、ユーザのユーザコードおよびパスワードが示されている。ユーザコードは、上述の通り、仲介サーバ2Bを運営する企業によって予め発行されたものである。パスワードは、ユーザが任意に決めたものである。さらに、ユーザが組織または部署に所属する場合は、その組織または部署がユーザデータ6Eに示される。
〔クラウドプリントのための処理〕
図11は、プリンタ一覧画面72の例を示す図である。図12は、プリント設定画面73の例を示す図である。
仲介サーバ2Bのプリント指令受付処理部204は、図7に示すように、ユーザ認証部241、一覧画面データ生成部242、一覧画面データ送信部243、設定画面データ生成部244、設定画面データ送信部245、およびプリント要求受付部246などによって構成され、ユーザ用端末装置3Aからクラウドプリントの要求を受け付けるための処理を行う。
ユーザは、クラウドプリンタ機能によって印刷したいドキュメントのファイルを自分のユーザ用端末装置3Aに予め用意しておく。例えば、PDF(Portable Document Format)で記述されたファイル、ワープロソフトで作成されたファイル、またはウェブサイトからダウンロードされたウェブページのファイルをドキュメントのファイルとして用意しておく。
そして、そのユーザ用端末装置3Aに所定のコマンドを入力し、さらに、自分のユーザコードおよびパスワードを入力する。
以下、ユーザ用端末装置3Aとして、ユーザ用端末装置3A1が使用される場合を例に説明する。ユーザコードおよびパスワードは、予めユーザ用端末装置3Aに入力させ記憶させておいてもよい。
すると、ユーザ用端末装置3A1において、一覧画面表示部301は、プリンタ一覧画面72(図11参照)をタッチパネルディスプレイ30eに表示させるための処理を次のように実行する。
一覧画面表示部301は、所定のコマンドが入力されると、仲介サーバ2Bへ一覧要求データ6Fを送信することによって、プリンタ一覧画面72のデータを要求する。一覧要求データ6Fには、一覧の要求のほか、ユーザのユーザコードおよびパスワードが示される。
仲介サーバ2Bにおいて、ユーザ認証部241は、ユーザ用端末装置3A1から一覧要求データ6Fを受信すると、ユーザの認証の処理を次のように実行する。
ユーザ認証部241は、一覧要求データ6Fに示されるユーザコードおよびパスワードを示すユーザデータ6Eがユーザデータ記憶部203に記憶されているか否かをチェックする。そして、ユーザコードおよびパスワードが記憶されていれば、ユーザ用端末装置3A1のユーザが正当なユーザであると判別する。記憶されていなければ、正当なユーザでないと判別する。
一覧画面データ生成部242は、ユーザ用端末装置3A1のユーザが正当なユーザであるとユーザ認証部241によって判別されたら、プリンタ一覧画面72を表示するための一覧画面データ6Gを生成する。
プリンタ一覧画面72には、図11のように、デバイスデータ記憶部201に記憶されているデバイスデータ6Aに示されるデバイスコードおよび表示名からなる一覧72Aが配置されている。
なお、一覧72Aに含めるデバイスコードおよび表示名を例えば次のように限定してもよい。
一覧画面データ生成部242は、一覧要求データ6Fに示されるユーザコードを示すユーザデータ6E(図10参照)をユーザデータ記憶部203から読み出す。読み出したユーザデータ6Eに所属組織および所属部署が示される場合は、その所属組織および所属部署を示すデバイスデータ6Aのみをデバイスデータ記憶部201から読み出す。または、読み出したユーザデータ6Eに所属組織が示されない場合は、所属組織を示さないデバイスデータ6Aのみをデバイスデータ記憶部201から読み出す。
そして、一覧画面データ生成部242は、読み出した各デバイスデータ6Aに示されるデバイスコードおよび表示名からなる一覧を一覧72Aとして配置する。
一覧画面データ送信部243は、一覧画面データ生成部242によって一覧画面データ6Gが生成されると、一覧画面データ6Gを一覧要求データ6Fの送信元(本例では、ユーザ用端末装置3A1)へ送信する。
そして、ユーザ用端末装置3A1において、一覧画面表示部301は、一覧画面データ6Gを受信すると、一覧画面データ6Gに基づいてプリンタ一覧画面72をタッチパネルディスプレイ30eに表示させる。
ここで、ユーザは、使用したい画像形成装置1を、その表示名またはデバイスコードを選択することによって指定する。そして、決定ボタン72Bを押す。
すると、指定デバイス通知部302は、指定された画像形成装置1のデバイスコードを示すデバイス指定データ6Hを仲介サーバ2Bへ送信する。
仲介サーバ2Bにおいて、設定画面データ生成部244は、デバイス指定データ6Hを受信すると、プリント設定画面73を表示するための設定画面データ6Jを生成する。
プリント設定画面73には、図12のように、標準項目領域731および非対応項目領域732が設けられている。
標準項目領域731には、プリンタ一覧画面72(図11参照)において指定された画像形成装置1が登録されているクラウドプリントサーバ2Aの標準機能の項目に関する条件を設定するための領域である。一方、非対応項目領域732には、その画像形成装置1が有する機能のうちのそのクラウドプリントサーバ2Aの非対応機能の項目に関する条件を設定するための領域である。
本例では、標準項目領域731には、クラウドプリントサーバ2A1の標準機能の項目に関する条件を設定するためのオブジェクト(コントロール)として、ラジオボタン73A1〜73A2、73B1〜73B2、およびチェックボックス73Cが配置される。
ラジオボタン73A1〜73A2は、印刷色つまりドキュメントをカラーで印刷するかモノクロで印刷するかを指定するためのオブジェクトである。ラジオボタン73B1〜73B2は、ドキュメントを印刷する用紙のサイズを指定するためのオブジェクトである。チェックボックス73Cは、ドキュメントの印刷物をステープルで綴じるか否かを指定するためのオブジェクトである。
また、本例では、非対応項目領域732には、画像形成装置1Aが有する機能のうちのクラウドプリントサーバ2A1の非対応機能の項目に関する条件を設定するためのオブジェクトとして、チェックボックス73D1およびテキストボックス73D2〜73D3が配置される。
チェックボックス73D1は、親展プリントの機能を適用するか否かを指定するためのオブジェクトである。「親展プリント」は、他の装置からドキュメントのデータを受信した際に直ちに印刷を開始するのではなく、ユーザの認証の処理に成功したら印刷を開始する、という機能である。「機密プリント」または「セキュリティプリント」などと呼ばれることもある。
テキストボックス73D2および73D3には、それぞれ、認証用のIDおよびパスワードを指定するためのオブジェクトである。
なお、標準項目領域731に配置されるオブジェクトは、クラウドプリントサーバ2Aごとに予め決められている。非対応項目領域732へ配置されるオブジェクトは、各クラウドプリントサーバ2Aの非対応機能データ6Bに示されている。
さらに、プリント設定画面73には、印刷する対象であるドキュメントのファイルのファイル名を指定するためのテキストボックス73Eなどが配置されている。
設定画面データ送信部245は、設定画面データ生成部244によって設定画面データ6Jが生成されると、設定画面データ6Jをユーザ用端末装置3A1へ送信する。
ユーザ用端末装置3A1において、設定画面表示部303は、設定画面データ6Jを受信すると、設定画面データ6Jに基づいてプリント設定画面73をタッチパネルディスプレイ30eに表示させる。
ここで、ユーザは、プリント設定画面73に配置されるオブジェクトに対して、ドキュメントを印刷する条件およびドキュメントのファイル名などを選択しまたは指定する。そして、決定ボタン73Fを押す。これにより、クラウドプリントの指令がなされる。
すると、プリント要求部304は、条件データ6K1、会員データ6K2、およびドキュメントファイル6Lを仲介サーバ2Bへ送信する。これにより、クラウドプリントの要求が仲介サーバ2Bに対してなされる。
条件データ6K1は、標準項目領域731および非対応項目領域732それぞれに対して指定された内容およびプリンタ一覧画面72において指定された画像形成装置1のデバイスコードを示す。会員データ6K2は、クラウドプリントサーバ2A1におけるそのユーザのユーザアカウントの会員コードおよびパスワードを示す。ドキュメントファイル6Lは、テキストボックス73Eに指定されたファイル名のファイルである。
仲介サーバ2Bにおいて、プリント要求受付部246は、条件データ6K1およびドキュメントファイル6Lなどを受信すると、クラウドプリントをクラウドプリントサーバ2Aへ要求するように、プリントジョブ付与処理部205へ指令する。
すると、プリントジョブ付与処理部205は、クラウドプリントのジョブをクラウドプリントサーバ2Aへ与えるための処理を行う。そして、クラウドプリントサーバ2Aは、画像形成装置1にクラウドプリントのジョブを実行させる。
ここで、プリントジョブ付与処理部205による処理およびクラウドプリントサーバ2Aによる処理について、説明する。
図13は、クラウドプリントサーバ2Aの機能的構成の例を示す図およびプリントジョブ付与処理部205の構成の例を示す図である。図14は、使用権データ6Mの例を示す図である。
プリントジョブ付与処理部205は、図13に示すように共有設定要求部251、プリント要求部252、および使用権削除要求部253などによって構成される。
各クラウドプリントサーバ2Aは、使用権データ記憶部261、共有設定部262、プリント制御部263、および使用権削除部264などによって構成される。
各クラウドプリントサーバ2Aにおいて、使用権データ記憶部261には、図14に示すように、そのクラウドプリントサーバ2Aによって管理される画像形成装置1ごとの使用権データ6Mが記憶されている。
使用権データ6Mには、使用権ユーザ識別子および画像形成装置1のローカル識別子が示される。使用権ユーザ識別子は、その画像形成装置1の使用権が与えられているユーザの、クラウドプリントサーバ2Aにおけるユーザアカウントの会員コードである。例えば、画像形成装置1Aの使用権データ6Mには、使用権ユーザ識別子として、画像形成装置1Aの使用権が与えられているユーザの、クラウドプリントサーバ2A1におけるユーザアカウントの会員コードが示されている。
プリントジョブ付与処理部205において、共有設定要求部251は、会員データ6K2に基づいて共有設定要求データ6Nを生成し、条件データ6K1に示されるデバイスコードの画像形成装置1が登録されているクラウドプリントサーバ2Aへ送信する。
共有設定要求データ6Nには、この画像形成装置1のローカル識別子、この画像形成装置1の管理者コードおよび管理者パスワード、ならびにクラウドプリントを指令したユーザの、この画像形成装置1におけるユーザアカウントの会員コードが示される。
本例では、この画像形成装置1は、画像形成装置1Aであり、このクラウドプリントサーバ2Aは、クラウドプリントサーバ2A1である。クラウドプリントサーバ2A1は、画像形成装置1Aのデバイスデータ6A(図8参照)の対応サーバ識別子によって特定される。共有設定要求データ6Nに示されるローカル識別子、管理者コード、および管理者パスワードは、このデバイスデータ6Aに示されるものと同じである。会員コードは、会員データ6K2に示されるものと同じである。
クラウドプリントサーバ2A1において、共有設定部262は、共有設定要求データ6Nを受信すると、ユーザ用端末装置3A1のユーザを、画像形成装置1Aの共有者の1人として追加するための処理を次のように行う。
共有設定部262は、共有設定要求データ6Nに示される管理者コードおよび管理者パスワードに基づいて公知の方法で画像形成装置1Aの管理者の認証を行う。
認証に成功したら、共有設定部262は、使用権データ記憶部261の中から、共有設定要求データ6Nに示されるローカル識別子を示す使用権データ6Mを検索する。そして、見つかった使用権データ6Mに、共有設定要求データ6Nに示されるユーザ識別子を使用権ユーザ識別子として追記する。これにより、追加するための処理が完了する。
そして、共有設定部262は、追加するための処理に成功した旨を示す結果データ6Pを仲介サーバ2Bへ送信する。
なお、使用権を付与する際の処理の手順は、一般に、クラウドサーバごとに異なる。よって、本実施形態においても、この手順は、クラウドプリントサーバ2Aごとに異なる。そこで、仲介サーバ2Bの共有設定要求部251は、各クラウドプリントサーバ2Aにおける手順に応じて上述の処理を実行する。
仲介サーバ2Bにおいて、プリント要求部252は、結果データ6Pを受信すると、プリントをクラウドプリントサーバ2A1へ要求する。この際に、ドキュメントファイル6L、条件データ6K1、会員データ6K2、およびデバイス指定データ6K3をクラウドプリントサーバ2A1へ送信する。
ドキュメントファイル6L、条件データ6K1、および会員データ6K2は、ユーザ用端末装置3A1から受信したものである。
デバイス指定データ6K3には、ローカル識別子が示される。このローカル識別子は、ユーザ用端末装置3A1から受信したデバイス指定データ6Hまたは条件データ6K1に示されるデバイスコードを示すデバイスデータ6A(図8参照)によって特定される。
クラウドプリントサーバ2A1において、プリント制御部263は、ドキュメントファイル6L、条件データ6K1、会員データ6K2、およびデバイス指定データ6K3を受信すると、ドキュメントが用紙に印刷されるように画像形成装置1Aを次のように制御する。
プリント制御部263は、会員データ6K2に示される会員コードおよびパスワードに基づいて公知の方法でユーザ用端末装置3A1のユーザの認証を行う。
認証に成功したら、プリント制御部263は、デバイス指定データ6K3に示されるローカル識別子を示す使用権データ6Mを、使用権データ記憶部261の中から検索する。
そして、会員データ6K2に示される会員コードがその使用権データ6Mに示されていれば、プリント制御部263は、そのローカル識別子の画像形成装置1(本例では、画像形成装置1A)へプリントを指令する。この際に、次のようにデータを画像形成装置1Aへ送信する。
プリント制御部263は、条件データ6K1に示される、標準機能に関する条件に基づいてドキュメントを印刷するためのデータにドキュメントファイル6Lを変換する。これにより、プリントデータ6Qが生成される。さらに、非対応機能条件データ6Rを生成する。非対応機能条件データ6Rには、条件データ6K1に示される、非対応機能に関する条件(例えば、親展プリントがオンであるか否か、親展プリントの際に使用するIDおよびパスワードなど)が示される。なお、非対応機能に関する条件をプリントデータ6Qに追記してもよい。そして、プリントデータ6Qおよび非対応機能条件データ6Rを画像形成装置1Aへ送信する。非対応機能の条件をユーザが指定していない場合は、非対応機能条件データ6Rは送信しなくてもよい。
以上の処理によって、プリントのジョブがユーザ用端末装置3A1から仲介サーバ2Bおよびクラウドプリントサーバ2A1を介して画像形成装置1Aに対して与えられる。
なお、クラウドプリントの要求を受け付ける処理の手順は、一般に、クラウドサーバごとに異なる。よって、本実施形態においても、この手順は、クラウドプリントサーバ2Aごとに異なる。そこで、仲介サーバ2Bのプリント要求部252は、各クラウドプリントサーバ2Aにおける手順に応じて上述の処理を実行する。
画像形成装置1Aは、プリントデータ6Qを受信すると、プリントデータ6Qに基づいてドキュメントを用紙に印刷する。さらに非対応機能条件データ6Rを受信した場合は、非対応機能条件データ6Rに示される条件に従ってドキュメントが印刷されるように適宜、プリントデータ6Qを更新し、ドキュメントを用紙に印刷する。または、非対応機能条件データ6Rに従って印刷の処理または後処理を実行する。例えば、親展プリントのIDおよびパスワードが非対応機能条件データ6Rに示される場合は、このIDおよびパスワードが入力された後、ドキュメントを印刷し始める。
プリント制御部263は、画像形成装置1Aへプリントデータ6Qを送信した後、ジョブを与えた旨を示すジョブ付与完了データ6Sを仲介サーバ2Bへ送信してもよい。
仲介サーバ2Bにおいて、使用権削除要求部253は、クラウドプリントサーバ2A1からジョブ付与完了データ6Sを受信し、または、クラウドプリントサーバ2A1へプリントデータ6Qを送信してから所定の時間が経過し、またはジョブが破棄(キャンセル)されたら、画像形成装置1Aの維持フラグ6Cが「0」を示していれば、ユーザ用端末装置3A1のユーザの使用権を削除するようにクラウドプリントサーバ2A1へ要求する。この際に、そのユーザのユーザアカウントの会員コードおよび画像形成装置1Aのローカル識別子を示す削除要求データ6Tを仲介サーバ2Bへ送信する。
仲介サーバ2Bにおいて、使用権削除部264は、削除要求データ6Tを受信すると、削除要求データ6Tに示されるローカル識別子の使用権データ6Mを使用権データ記憶部261の中から検索し、削除要求データ6Tに示される会員コードをその使用権データ6Mから削除する。削除した旨をユーザ用端末装置3A1へ通知してもよい。
なお、使用権削除要求部253は、画像形成装置1Aの維持フラグ6Cが「1」を示していれば、削除要求データ6Tを送信しない。
この場合は、仲介サーバ2Bを介さずにクラウドプリンタの機能の使用が可能である。つまり、あるクラウドプリントサーバ2Aにおいて、あるユーザに対してある画像形成装置1の使用権が仲介サーバ2Bを介して与えられた後、その使用権が維持される場合は、そのユーザは、その画像形成装置1によるドキュメントのプリントを、仲介サーバ2Bを介することなくそのクラウドプリントサーバ2Aへ要求することができる。
図15〜図17は、プリントシステム5の装置の全体的な処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
次に、クラウドプリントサーバ2A、仲介サーバ2B、ユーザ用端末装置3A、および管理者用端末装置3Bそれぞれの全体的な処理の流れを、図15〜図17のシーケンス図を参照しながら説明する。
管理者用端末装置3Bは、所定のコマンドが入力されると(図15の#701)、デバイス登録画面71(図9参照)を表示する(#702)。デバイス登録画面71に対して入力されまたは指定された内容を受け付けると(#703)、その内容に基づいて、デバイス基本データ6D1、非対応機能データ6D2、および維持要否データ6D3を生成し仲介サーバ2Bへ送信する(#704、#705、#706)。
仲介サーバ2Bは、デバイス基本データ6D1を受信すると(#711)、デバイス基本データ6D1に基づいてデバイスデータ6A(図8参照)を生成し記憶する(#712)。非対応機能データ6D2を受信すると(#713)、それを非対応機能データ6Bとして記憶する(#714)。維持要否データ6D3を受信すると(#715)、維持要否データ6D3に基づいて維持フラグ6Cを生成し記憶する(#716)。
ユーザ用端末装置3Aは、所定のコマンドが入力されると(#741)、仲介サーバ2Bへ一覧要求データ6Fを送信することによって、一覧を要求する(#742)。
仲介サーバ2Bは、一覧要求データ6Fを受信すると(#717)、一覧要求データ6Fに基づいて一覧画面データ6Gを生成し(図16の#718)、一覧要求データ6Fの送信元であるユーザ用端末装置3Aへ送信する(#719)。
ユーザ用端末装置3Aは、一覧画面データ6Gを受信すると(#743)、一覧画面データ6Gに基づいてプリンタ一覧画面72(図11参照)を表示する(#744)。そして、ドキュメントの出力先としていずれかの画像形成装置1が指定されると(#745)、指定された画像形成装置1などを示すデバイス指定データ6Hを生成し仲介サーバ2Bへ送信する(#746)。
仲介サーバ2Bは、デバイス指定データ6Hを受信すると(#720)、デバイス指定データ6Hに基づいて設定画面データ6Jを生成し(#721)、デバイス指定データ6Hの送信元であるユーザ用端末装置3Aへ送信する(#722)。
ユーザ用端末装置3Aは、設定画面データ6Jを受信すると(#747)、設定画面データ6Jに基づいてプリント設定画面73(図12参照)を表示する(#748)。
そして、ユーザ用端末装置3Aは、プリント設定画面73に対して入力されまたは指定された内容を受け付け(#749)、その内容に基づいて条件データ6K1および会員データ6K2を生成し、指定されたファイル名のドキュメントファイル6Lとともに仲介サーバ2Bへ送信する(#750)。これにより、ドキュメントのプリントが仲介サーバ2Bへ要求される。
仲介サーバ2Bは、条件データ6K1、会員データ6K2、およびドキュメントファイル6Lを受信すると(#723)、会員データ6K2に基づいて共有設定要求データ6Nを生成し、ステップ#720で受信したデバイス指定データ6Hに示されるクラウドプリントサーバ2Aへ送信する(#724)。
クラウドプリントサーバ2Aは、共有設定要求データ6Nを受信すると(#761)、共有設定要求データ6Nに基づいて管理者の認証を行う(#762)。認証に成功したら、共有設定要求データ6Nに基づいてクラウドプリントサーバ2Aの使用権をユーザへ与える(#763)。そして、結果データ6Pを仲介サーバ2Bへ送信する(図17の#764)。
仲介サーバ2Bは、結果データ6Pを受信すると(#725)、ステップ#723で受信した条件データ6K1、会員データ6K2、およびドキュメントファイル6Lを、ステップ#720で受信したデバイス指定データ6Hに示されるクラウドプリントサーバ2Aへ送信する(#726)。この際に、デバイス指定データ6K3を生成し、デバイス指定データ6K3もクラウドプリントサーバ2Aへ送信する。
クラウドプリントサーバ2Aは、条件データ6K1、会員データ6K2、デバイス指定データ6K3、およびドキュメントファイル6Lを受信すると(#765)、会員データ6K2に基づいてユーザの認証を行う(#766)。認証に成功すると、デバイス指定データ6K3に示される画像形成装置1の使用権がそのユーザに与えられているか否かをチェックする(#767)。
クラウドプリントサーバ2Aは、使用権が与えられていれば、条件データ6K1およびドキュメントファイル6Lに基づいてプリントデータ6Qおよび非対応機能条件データ6Rを生成し(#768)、その画像形成装置1へ送信する(#769)。これにより、ドキュメントを印刷するジョブがその画像形成装置1へ与えられる。
そして、クラウドプリントサーバ2Aは、ジョブ付与完了データ6Sを仲介サーバ2Bへ送信する(#770)。
仲介サーバ2Bは、ジョブ付与完了データ6Sを受信すると(#727)、ステップ#720で受信したデバイス指定データ6Hに示されるクラウドプリントサーバ2Aの維持フラグ6Cの値をチェックする(#728)。そして、その値が「0」であれば、削除要求データ6Tをそのクラウドプリントサーバ2Aへ送信する(#729)。削除要求データ6Tには、ステップ#723で受信した会員データ6K2に示される会員コードとステップ#720で受信したデバイス指定データ6Hまたはステップ#723で受信した条件データ6K1に示されるデバイスコードに対応するローカル識別子とが示される。なお、維持フラグ6Cの値が「0」であれば、プリントデータ6Qを送信してから所定の時間が経過し、またはジョブが破棄(キャンセル)された場合にも、削除要求データ6Tを送信してもよい。
クラウドプリントサーバ2Aは、削除要求データ6Tを受信すると(#771)、削除要求データ6Tに従ってユーザの使用権を削除する(#772)。
なお、以上の処理を、仲介サーバ2Bは、プリント仲介プログラム20Pに基づいて実行する。ユーザ用端末装置3Aは、クライアントプログラム30Pに基づいて実行する。管理者用端末装置3Bは、管理用プログラム34Pに基づいて実行する。
本実施形態によると、クラウドプリンタ機能を有する画像形成装置1を管理者への負担を従来よりも少なくして共有することができる。
図18は、プリンタ一覧画面74の例を示す図である。本実施形態では、ドキュメントを印刷させる画像形成装置1を指定する画面として、図11のようなプリンタ一覧画面72をユーザ用端末装置3Aに表示させた。図18のようなプリンタ一覧画面74を表示させてもよい。
プリンタ一覧画面74には、一覧72Aの代わりにマップ74Aが配置されている。マップ74Aの中心は、ユーザ用端末装置3Aの現在地である。また、マップ74Aには、マップ74Aがカバーする地域に設置されている画像形成装置1ごとのアイコン74Bが配置されている。
現在地を示すデータは、ユーザ用端末装置3AのGPS(Global Positioning System)の機能によって取得すればよい。マップ74Aのデータは、Google社またはヤフー社などのウェブサイトから提供されるものを用いればよい。画像形成装置1が設置されている位置は、各画像形成装置1のデバイスデータ6A(図8参照)に基づいている。
ユーザは、使用したい画像形成装置1を、それに対応するアイコン74Bを選択することによって、指定する。すると、指定デバイス通知部302は、指定された画像形成装置1のデバイスコードを示すデータをデバイス指定データ6Hとして仲介サーバ2Bへ送信する。
本実施形態では、仲介サーバ2Bは、ユーザ用端末装置3Aのユーザが組織および部署に所属している場合は、その組織および部署に設置されている画像形成装置1の一覧を配置した画面をプリンタ一覧画面72としてユーザ用端末装置3Aへ提供した。しかし、他の属性を有する画像形成装置1の一覧を配置した画面を提供してもよい。例えば、ユーザの自宅の住所またはその周辺に設置されている画像形成装置1の一覧を配置した画面を提供してもよい。
または、仲介サーバ2Bは、ドキュメントの印刷の条件を予めユーザに指定させ、指定された条件の通りにドキュメント印刷することができる画像形成装置1の一覧を配置した画面をプリンタ一覧画面72としてユーザ用端末装置3Aへ提供してもよい。
本実施形態では、仲介サーバ2Bは、ユーザ用端末装置3Aから条件データ6K1、会員データ6K2、およびドキュメントファイル6Lを受信した後、無条件にクラウドプリントサーバ2Aへプリントを要求した。しかし、プリントを実行させる画像形成装置1とそのユーザ用端末装置3Aとの距離が所定の距離以内になったことが検知されるのを待って、要求してもよい。画像形成装置1の位置(所在地)は、デバイスデータ6Aによって特定される。ユーザ用端末装置3Aの位置は、GPSによって特定される。または、そのユーザ用端末装置3Aから指定があった後、要求してもよい。
本実施形態では、プリントデータ6Qおよび非対応機能条件データ6Rをクラウドプリントサーバ2Aが生成する場合を例に説明した。つまり、ユーザ用端末装置3Aにおいて用意されたドキュメントファイル6Lを、ドキュメントを印刷する画像形成装置1に応じたデータに変換する処理を、クラウドプリントサーバ2Aが実行した。しかし、この処理をユーザ用端末装置3Aが実行してもよい。そして、ユーザ用端末装置3Aがプリントデータ6Qおよび非対応機能条件データ6Rを、仲介サーバ2Bおよびクラウドプリントサーバ2Aを介して画像形成装置1へ送信すればよい。
本実施形態では、画像形成装置1の使用権をユーザごとに付与したが、ユーザ用端末装置3Aごとに付与してもよい。この場合は、ユーザの会員コードの代わりにユーザ用端末装置3Aの識別子が使用される。
本実施形態では、ユーザ用端末装置3Aにドキュメントファイル6Lが用意されたドキュメントを画像形成装置1に印刷させる場合を例にしたが、サーバにドキュメントファイル6Lが用意されたドキュメントを印刷させてもよい。
本実施形態では、仲介サーバ2Bは、ユーザ用端末装置3Aのユーザをユーザコードおよびパスワードのみに基づいてクラウドプリンタ機能の使用を許可したが、さらに例えば次のように他の条件を課してもよい。
例えば、仲介サーバ2Bは、ユーザごとに、クラウドプリンタ機能の使用の実績を記録する。そして、過去の所定の期間の使用の量が所定の量に達していなければ、使用を許可する。達していれば、使用を拒否する。
画像形成装置1において印刷の料金を課金している場合は、仲介サーバ2Bがクラウドプリントによる印刷の料金を算出し、その画像形成装置1へ通知してもよい。
本実施形態では、仲介サーバ2Bは、画像形成装置1が有する機能を制限なしにユーザに使用させたが、管理者が予め決めた条件の範囲に制限して使用させてもよい。この場合は、仲介サーバ2Bは、その範囲の条件しか指定できないようにプリント設定画面73(図12参照)の設定画面データ6Jを生成すればよい。
その他、プリントシステム5、画像形成装置1、クラウドプリントサーバ2A、仲介サーバ2B、ユーザ用端末装置3A、および管理者用端末装置3Bの全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成、および画面の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。