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JP2018192508A - 金型 - Google Patents

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JP2018192508A
JP2018192508A JP2017099417A JP2017099417A JP2018192508A JP 2018192508 A JP2018192508 A JP 2018192508A JP 2017099417 A JP2017099417 A JP 2017099417A JP 2017099417 A JP2017099417 A JP 2017099417A JP 2018192508 A JP2018192508 A JP 2018192508A
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宮園 武志
Takeshi Miyazono
武志 宮園
正則 宮園
Masanori Miyazono
正則 宮園
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MIYAZONO SEISAKUSHO KK
Miyazono Seisakusho KK
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MIYAZONO SEISAKUSHO KK
Miyazono Seisakusho KK
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Abstract

【課題】冷却通路を有する金型において、従来の冷却通路に比べてキャビティ内の溶融物質を冷却する能力が向上し、冷却時間が短縮化する金型を提供すること。【解決手段】キャビティ4近傍に冷却媒体が流通する冷却通路5A〜5Fが形成された金型1において、その冷却通路5A〜5Fはキャビティ4と間隔を維持した状態でキャビティ4に沿った第1の方向に延出される主通路6と、主通路6から張り出す第1の方向と交差する第2の方向においてキャビティ4に沿って延出される第1の扁平通路7と、第2の方向において延出される第1の扁平通路7より短い第2の扁平通路8を有している。【選択図】図1

Description

本発明は冷却通路が形成された金型に関するものである。
金型によって成形される成形品は、金型のキャビティ内に溶融物質(例えば、溶融金属)を導入し、溶融物質をキャビティ内で冷却することによって固化させて製造する。そのために、従来から金型のキャビティ周囲には冷却を促進するために冷却通路が形成されている。このような冷却通路が形成された金型の一例として特許文献1を挙げる。特許文献1では金型2に略円筒形状の冷却穴20が形成され通水装置10から冷却水が冷却穴20内に挿入された通水管12から導入されるようになっている。
特開2015−39702号公報
冷却時間は短いほど成形品の金型からの取り出しまでの時間も短くなるため有利である。ところが、従来では冷却通路はこの特許文献1の冷却穴20のような略円筒形状とされている。そのため、急速に冷却するためには複数の冷却通路を狭い配置間隔で数多く形成しなければならなかった。それぞれの冷却通路に冷却水を導入するためには通常、バルブ装置を設ける必要があり、そのための設置コストがかかってしまう。また、バルブ装置が増えればバルブ装置に給水したり排水したりするシステムやその制御の設定やメンテナンスの手間も増えることとなるためその点でもコストがかかってしまう。
上記目的を達成するために、手段1として、成形品形状のキャビティを有し、前記キャビティ近傍に冷却媒体が流通する冷却通路が形成された金型において、前記冷却通路は前記キャビティと間隔を維持した状態で前記キャビティに沿った第1の方向に延出され、かつ前記第1の方向と交差する第2の方向において前記キャビティに沿った第1の扁平な部分を有するようにした。
これによって、ある1つの冷却通路がキャビティを冷却するための冷却面積が増すこととなる。そのため、従来の冷却通路に比べてキャビティ内の溶融物質を冷却する能力が向上し、冷却時間が短縮化することとなる。また、冷却媒体を金型内に導入又は導出するシステムの数を増やすことなく冷却能力が向上するため、冷却媒体を金型内に導入又は導出するシステムのコストアップになったり制御機構が複雑化することがない。
「第1の扁平な部分」はキャビティに沿って張り出し状に延出される。
「金型」は密閉型も開放型もどちらも含む。特に密閉型に本発明を適用することがよい。また、成形品を製造するための溶融物質としては溶融金属(溶湯、ようとう)でも、溶融プラスチックでもよい。溶融金属としては、例えばアルミ合金、亜鉛合金、ダイカスト合金等である。金型が例えばダイカスト金型である場合には一般に固定型と可動型から構成され、両型を組み合わせることで内部にキャビティを形成することとなる。また、ダイカスト金型ではキャビティを直接金型に彫り込まず、ひとまわり小さな特殊な鋼材に彫り込み、母型(おもがた)にはめ込む入れ子構造を採用することが多いが。このような入れ子構造のキャビティの周囲に冷却通路を配置するようにしてもよい。
「冷却媒体」は、例えば液体であれば水や難燃性のオイル等が挙げられる。これらの定義は以下の手段でも同様である。
冷却通路は鋼材に例えば、切削加工や放電加工で形成することがよい。特に放電加工では冷却通路が金型の前後に直線状に抜けている場合にはワイヤーカット加工が可能である。断面形状が直線状ではなく途中で屈折するような場合には、2つの金属ブロック表面にそれぞれ冷却通路の半分を凹設し、2つの金属ブロック表面の耐熱性接着剤(例えば、水ガラス)で接着することで凹設部分を対向させて冷却通路を有する金型を形成するようにしてもよい。
「キャビティに沿った」とは冷却通路の長手方向全体としてキャビティとの間隔が厳密に一定でなければいけないわけではない。キャビティ内を冷却し、かつ金型の強度を維持するために必要な間隔であればキャビティとの間隔が長手方向に沿って常に一定である必要はない。概ねキャビティを構成する面と距離を保ちながら冷却通路がキャビティ近傍で延出されればよい。但し、均等にキャビティ内を冷却するためには長手方向全体として一定であることがよく、すべて一定でなくとも一定である部分が一定ではない部分よりも多いことがよい。
また、手段2として、前記冷却通路は主通路と、同主通路よりも幅が狭い前記第1の扁平な部分とを有するようにした。
これによって第1の扁平な部分では同じ圧力で導入された冷却媒体は主通路よりも狭い第1の扁平な部分において断面積が相対的に主通路よりも小さくなるため、この部分の流速が増して、冷却媒体の入れ替わりが早いためこのような部分での冷却効果が大きくなる。
また、手段3として、前記第1の扁平な部分は前記主通路の両側に等距離で張り出すように配置されているようにした。
これによって、主通路を中心にバランス良くキャビティを冷却することができる。
また、手段4として、成形品形状のキャビティを有し、前記キャビティ近傍に冷却媒体が流通する冷却通路が形成された金型において、前記冷却通路は前記キャビティと間隔を維持した状態で前記キャビティに沿った第1の方向に延出される主通路と、同主通路と隔壁で隔てられた前記第1の方向と交差する第2の方向において前記キャビティに沿って延出される第1の扁平な部分とを有し、前記隔壁の一部に形成された透孔を介して前記主通路と前記第1の扁平な部分は連通しているようにした。
これによって、ある1つの冷却通路がキャビティを冷却するための冷却面積が増すこととなる。そのため、従来の冷却通路に比べてキャビティ内の溶融物質を冷却する能力が向上し、冷却時間が短縮化することとなる。また、冷却媒体を金型内に導入又は導出するシステムの数を増やすことなく冷却能力が向上するため、冷却媒体を金型内に導入又は導出するシステムのコストアップになったり制御機構が複雑化することがない。
また、手段5として、前記第1の扁平な部分は前記主通路よりも幅が狭くなるようにした。
これによって第1の扁平な部分では同じ圧力で導入された冷却媒体は主通路よりも狭い第1の扁平な部分において断面積が相対的に主通路よりも小さくなるため、この部分の流速が増して、冷却媒体の入れ替わりが早いためこのような部分での冷却効果が大きくなる。
また、手段6として、前記冷却通路は前記主通路の周囲に前記第2の方向であって、前記キャビティに沿っていない方向に延出される1又は複数の第2の扁平な部分を有するようにした。
これによって冷却媒体が金型に接する面積が増えることとなり、冷却する能力がより向上する。第2の扁平な部分はキャビティに沿っていない方向張り出し状に延出される。複数の第2の扁平な部分は第1の方向の軸線回りに均等な角度で形成されてもよく、金型の厚みやキャビティの形状に応じてより冷却効率を良くするために非均等な角度で形成されてもよい。その場合には各第2の扁平な部分の長さが均一でなくともよい。
また、手段7として、前記第2の扁平な部分は前記第1の扁平な部分よりも張り出し量が小さくなるようにした。第2の扁平な部分の張り出し量があまり多すぎると金型の強度に影響があるためである。
また、手段8として、前記冷却通路は前記キャビティに沿って複数配設されているようにした。冷却通路がキャビティに沿って複数配設されることで、キャビティの周囲を均等に冷却することが可能となる。
これによって、従来の冷却通路に比べてキャビティ内の溶融物質を冷却する能力が向上し、冷却時間が短縮化することとなる。
本発明の実施形態1の金型であって、図3のA−A線での端面図。 同じ実施形態1の金型であって、図3のB−B線での端面図。 実施形態1の金型の平面図。 (a)は実施の形態の1の金型の冷却水供給装置又は冷却水排出装置を取り付ける前であって、Oリング位置を仮想線で示した側面図、(b)は同じく冷却水供給装置又は冷却水排出装置を取り付けた状態の側面図。 実施形態1及び2の金型で製造した成形品の斜視図。 実施形態2の金型の冷却通路を説明するための端面図。 実施形態2の金型の冷却水供給・排出装置を説明するための断面図。
以下、本発明の一実施の形態である金型について図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図3はダイカスト金型1の一例である。ダイカスト金型1は可動ダイス2と固定ダイス3とを備え、可動ダイス2と固定ダイス3との対向面が組み合わされた状態でキャビティ4が形成される。本実施の形態1ではキャビティ4形状は図3のA−A線上において固定ダイス3側が凹設された中央が上方に凸となるように湾曲し左右両側部分が直線状に伸びた板状の空間とされている。このダイカスト金型1で図5のような中央が膨らんで両側に平面部分を有する板状のダイカスト合金製の製品Sが成形される。製品SはX方向において直線的な形状で、X方向と直交するY方向において湾曲部分が二次曲線で構成された立体形状とされている。
尚、実際には可動ダイス2と固定ダイス3はそれぞれホルダーに保持されているが、本実施の形態では図示を省略する。また、キャビティ4内においては成型された成形品を取り出すためのプレスピンが設けられているが、これも図示を省略する。
可動ダイス2及び固定ダイス3には、冷却水が通過するための複数の冷却通路5が可動ダイス2と固定ダイス3の内部に形成されている。本実施の形態1では一例として各ダイス2、3にそれぞれ3つの冷却通路5を設けている。本実施の形態1では図示されている合計6つの冷却通路5を区別するために冷却通路5A〜5Fとする。冷却通路5A〜5Fは本実施の形態1ではワイヤーカット加工で形成される。
冷却通路5A〜5Fは可動ダイス2の左右端面2a、2bの間及び固定ダイス3の左右端面3a、3bの間に直線状にかつ隣接する冷却通路5A〜5F同士が平行となるように配置されている。冷却通路5A〜5Fはの左右端面2a、2b、3a、3b間を連通する透孔であって、一方の端面2a、3aから給水され、他方の端面2b、3bから排水される。各冷却通路5A〜5F全長にかけてキャビティ4から概ね一定となる離間した位置(距離)に配置されている。冷却通路5A〜5Fの長手方向は図5の製品SのX方向と対応する。
図1及び図4(a)に示すように、冷却通路5A〜5Fは断面形状として円形の輪郭で画定される主通路6と、主通路6の周囲において略対向する方向に張り出す扁平な一対の第1の扁平通路7と、第1の扁平通路7よりも長さの短い扁平な5個又は6個の第2の扁平通路8と、から構成されている。
主通路6の径は各冷却通路5A〜5Fとも同形状であり、各冷却通路5A〜5Fの主通路6はキャビティ4の内周面(キャビティ4を構成する可動ダイス2と固定ダイス3の対向面)から等距離となるように配設されている。
第1の扁平通路7は主通路6の長手方向(第1の方向に相当)に沿って形成されている。第1の扁平通路7は冷却通路5A〜5Fの配置位置に応じて長手方向に直交する方向(第2の方向に相当)の延出方向が異なる。つまり、主通路6の中心を基準とした第1の扁平通路7の延出方向の位相がキャビティ4の形状との関係で異なるように設計されている。第1の扁平通路7はキャビティ4形状に応じてキャビティ4(キャビティ4を構成する可動ダイス2と固定ダイス3の対向面)との間隔が一定に保たれた方向、つまり図5の本実施の形態1の製品SのY方向に対応するキャビティ4の方向に沿って主通路6を基部として張り出し状に形成されている。左右一対の第1の扁平通路7は略同じ長さとされているが、延出方向の位相は異なる。また、冷却通路5B、5Eのようにキャビティ4形状(キャビティ4を構成する可動ダイス2と固定ダイス3の対向面形状)に応じて湾曲させてもよい。
可動ダイス2と固定ダイス3のそれぞれの3つの冷却通路5A〜5Fの第1の扁平通路7を結んだ線分はキャビティ4(キャビティ4を構成する可動ダイス2と固定ダイス3の対向面)と略平行に配設されることとなる。
第2の扁平通路8も主通路6の長手方向に沿って形成されている。各冷却通路5A〜5Fの第2の扁平通路8は主通路6を基部として張り出し状に形成されている。第2の扁平通路8の向きと形状は、各冷却通路5A〜5Fの位置に応じて張り出し方向が異なる第1の扁平通路7の向き(位相方向)に応じて設計されており、従ってキャビティ4形状に応じてよって若干異なるように設計されることとなる。
各冷却通路5A〜5Fの第1の扁平通路7の高さ(上下幅)は主通路6の径の1/5程度とされている。第1の扁平通路7の長さは主通路6の径の1.8倍程度とされている。つまり、第1の扁平通路7は冷却水が通過する通路としては主通路6に比べて相対的に狭い通過領域とされている。第2の扁平通路8の長さは通路6の径の1/3程度とされている。第2の扁平通路8の高さ(上下幅)は第1の扁平通路7の高さ(上下幅)と同程度から若干狭く構成されている。第1の扁平通路7も第2の扁平通路8も先端側が滑らかな断面円弧状となるように形成されている。
可動ダイス2の左端面2aには冷却水の導入口となる冷却水供給装置10Aが、固定ダイス3の左端面3aには同じく冷却水供給装置10Bが固着されている。また、可動ダイス2の右端面2bには冷却水の導出口となる冷却水排出装置11Aが、固定ダイス3の右端面3bには同じく冷却水排出装置11Bが固着されている。
図3及び図4(a)(b)に示すように、可動ダイス2の端面2a、2bと固定ダイス3の端面3a、3bにはキャビティ4に沿って配置されたそれぞれ3つの冷却通路5A〜5C、5D〜5Fが開口されており、各端面2a、2b、3a、3bに開口する3つの3つの冷却通路5A〜5C、5D〜5Fを1つの冷却水供給装置10A、10Bと1つの冷却水排出装置11によって冷却するようになっている。
冷却水供給装置10A、10B及び冷却水排出装置11A、11Bは雄ネジ13によって各端面2a、2b、3a、3bに固着されている。雄ネジ13は各端面2a、2b、3a、3bに形成された雌ネジ14に対して冷却水供給装置10A、10B及び冷却水排出装置11A、11Bを介して締め付けられている。
図2、図4(a)に示すように、冷却水供給装置10A、10B及び冷却水排出装置11A、11Bの各端面2a、2b、3a、3bと面する位置には冷却通路5A〜5Fを包囲する水漏れを防止するためのOリング17が配設されている。各冷却水供給装置10A、10Bには各冷却通路5A〜5Fに対応する位置に供給コネクタ15が3つ配設されている。各冷却水排出装置11A、11Bには各冷却通路5A〜5Fに対応する位置に排出コネクタ16が3つ配設されている。
このようなダイカスト金型1は、ダイカスト合金の溶湯をキャビティ4内に注湯された際に、図示しない温度制御装置、冷却水供給制御装置等の制御の下で冷却通路5A〜5F内に冷却水が供給されてダイカスト金型1を冷却する。冷却水は供給コネクタ15から導入され、可動ダイス2及び固定ダイス3内を通過して反対側の排出コネクタ16から排出される。
以上のような実施の形態1によって次のような効果が奏される。
(1)冷却通路5A〜5Fは主通路6だけではなく第1の扁平通路7も有しているため、主通路6だけの場合に比べて冷却面積が増し、キャビティ4内のダイカスト合金を冷却する能力が向上し、冷却時間が短縮化することとなる。また、第1の扁平通路7はキャビティ4の非直線的な形状に沿った方向(図5の製品SのY方向)に延出されるため、キャビティ4が冷却されやすくその点でも冷却時間が短縮化することとなる。また、第1の扁平通路7がはキャビティ4の非直線的な形状に沿った方向に延出されるため、1つの冷却通路が冷やす領域が大きくなるため、冷却通路5A〜5Fの数が少なくてすむ。
(2)冷却通路5A〜5Fは主通路6に対して第1の扁平通路7が狭く構成されているため、第1の扁平通路7における冷却水の通過速度が増し、速やかに冷却水が入れ替わることとなって結果として冷却効果が増すこととなる。
(3)主通路6の周囲には第1の扁平通路7に加えて第2の扁平通路8が形成されているため、冷却通路5A〜5Fの断面積が大きくなって冷却効果が増すこととなる。
(4)端面2a、2b、3a、3bに形成された複数の冷却通路5A〜5Fを1つの冷却水供給装置10A、10B又は冷却水排出装置11A、11Bによって冷却水の供給と排出を担保しているため、冷却水供給装置や冷却水排出装置を数多く設ける必要がない。
(実施の形態2)
実施の形態2は実施の形態1のバリエーションである。実施の形態2のダイカスト金型21では、図6に示すように実施の形態1の可動ダイス2と固定ダイス3と同機能の可動ダイス22と固定ダイス23を備えている。キャビティ24が可動ダイス22と固定ダイス23の対向面が組み合わされることで形成される。キャビティ24は実施の形態1のキャビティ4と同様に図5の製品Sを成形することができる。
実施の形態2ダイカスト金型21は実施の形態1のダイカスト金型1とは、冷却通路25A〜25Fへの給排水の機構が異なる。図6及び図7に示すように、冷却通路25A〜25Fは実施の形態1の冷却通路5A〜5Fとまったく同じ断面形状に構成されているが、冷却水の給排水構造が異なる。冷却通路25A〜25Fは主通路26、第1の扁平通路27、第2の扁平通路28を備えている。冷却通路5A〜5Fは本実施の形態2では放電加工で形成される。主通路26、第1の扁平通路27、第2の扁平通路28は実施の形態1の冷却通路5A〜5Fの主通路6、第1の扁平通路7、第2の扁平通路8とそれぞれ同じ形状である。そのため、以下では主通路26、第1の扁平通路27、第2の扁平通路28については詳しい説明を省略する。
図7に基づいて冷却水供給・排出装置30周辺の構成について説明する。図7は可動ダイス22側の図であるため、まず可動ダイス22側について説明する。尚、図7においては冷却水供給・排出装置30の冷却通路25B位置での断面構造を示しているが、冷却通路25A、25Cも同様の構造である。
実施の形態2のダイカスト金型21の冷却通路25A〜25Fの内部は二重構造になっている。図7に示すように、各冷却通路25A〜25Cは一方の端面22aのみに開口された通路である。各冷却通路25A〜25C内には主通路26の外径にちょうど一致するパイプ29が配設されている。パイプ29は冷却通路25A〜25Cの最深部から若干手前まで延出されている。パイプ29基部は可動ダイス22の端面22aから外方に突出されている。可動ダイス22端面22aの冷却通路25A〜25Cに面した位置には1つの冷却水供給・排出装置30が固着されている。冷却水供給・排出装置30と可動ダイス22端面22aの間であって各冷却通路25A〜25Cの周囲には水漏れを防止するためのOリング31が配設されている。冷却水供給・排出装置30には冷却水を供給するための供給コネクタ32と冷却水を排出するための排出コネクタ33の両方が配設されている。可動ダイス22の端面22aから突出されたパイプ29は冷却水供給・排出装置30内に配置され、Oリング34によって水密が保たれた状態で保持されている。供給コネクタ32はパイプ29と同軸となるようにパイプ29基端位置に接続されている。
排出コネクタ33は供給コネクタ32の冷却水の導入方向とは90度異なる方向(図7では上向き)に冷却水が導出されるように先端が上向きとなるように配設されている。排出コネクタ33は冷却水供給・排出装置30内部に形成されたスペース35に連通されている。スペース35は各冷却通路25A〜25Cの開口部に面している。
図7は可動ダイス22側の図であるが、固定ダイス23側の冷却水供給・排出装置30周辺の構成は排出コネクタ33の向きが冷却水が下向きに導出されるよう先端が下向きとなるように配設されている点が異なる。
このようなダイカスト金型21は、ダイカスト合金の溶湯をキャビティ24内に注湯された際に、図示しない温度制御装置、冷却水供給制御装置等の制御の下で冷却通路5A〜5F内に冷却水が供給されてダイカスト金型1を冷却する。実施の形態1と異なり冷却水は供給コネクタ32から導入されると、主通路26と一体化したパイプ29を通過し、パイプ29先端から各冷却通路25A〜25C最深部に達し、パイプ29周囲の第1の扁平通路27、第2の扁平通路28を流れてスペース35を経て排出コネクタ33から排出される。
実施の形態2においても実施の形態1と同様の効果が奏される。
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・上記ではキャビティ4に沿って配置された冷却通路5A〜5C、5D〜5Fは可動ダイス2と固定ダイス3それぞれ3つであったがそれぞれ2つ以下でも4つ以上としてもよい。
・冷却通路は放電加工以外の手段で形成するようにしてもよい。
・ダイカスト金型1(21)の形状・構成について上記は一例であって、他の形状・構成で実施することもできる。例えば、上記では2つの可動ダイス2と固定ダイス3(可動ダイス22と固定ダイス23)のみを組み合わせてキャビティ4(キャビティ24)は形成されるようになっていたが、3つ以上の金型を組み合わせてキャビティを形成するようにしてもよい。
・上記実施の形態1や2では1つの冷却水供給装置10A、10Bと冷却水排出装置11A、11Bあるいは1つの冷却水供給・排出装置30によって複数の冷却通路5A〜5F、25A〜25Fを同時に覆うような冷却水の供給・排出構造であったが、例えば1つの冷却通路5A〜5Fにそれぞれ冷却水供給装置と冷却水排出装置を設けるようにしたり、1つの冷却通路25A〜25Fにそれぞれ冷却水供給・排出装置を設けるようにしてもよい。つまり、冷却水供給装置10A、10Bと冷却水排出装置11A、11Bあるいは1つの冷却水供給・排出装置30の数は上記に限定されるものではない。
・上記実施の形態では冷却通路5A〜5F、25A〜25F(主通路6(26))の長手方向に対して第1の扁平通路7(27)は直交方向に延出されていた。つまり図5の製品Sに反映させればX方向とそれと直交するY方向に延出されるようにキャビティ4(キャビティ24)に対して配置されていた。しかし、可動ダイス2と固定ダイス3(可動ダイス22と固定ダイス23)の形状や配置に応じて延出方向は適宜変更可能であり、例えば平行に配置された冷却通路5A〜5F、25A〜25Fを平行ではないように配置することも可能である。
・例えば、主通路6(26)の周囲には第2の扁平通路8(28)を形成せず、第1の扁平通路7(27)のみを形成するようにしてもよい。
・上記実施の形態1と2では第1の扁平通路7(27)を主通路6(26)の両側に形成するようにしていたが、両側ではなく片側だけでもよい。
・主通路6(26)の周囲に形成する第1の扁平通路7(27)の延出方向は上記は一例であり、キャビティ形状に応じて延出方向は多岐であることが考えられる。また、その形状も上記は一例である。
・上記では主通路6(26)に対して第1の扁平通路7(27)の上下幅は長手方向に沿って均等に形成していたが、途中で通路の上下幅や延出方向の長さが変更されても構わない。
・冷却通路5A〜5F、25A〜25Fは上記では図5の製品SのX方向となる方向に沿って直線状に延出されていたが、キャビティ4(キャビティ24)形状に応じて例えば途中で屈曲したり湾曲したりするように構成してもよい。
・第2の扁平通路8(28)の延出方向は上記は一例であり、キャビティ形状に応じて延出方向は多岐であることが考えられる。また、その形状も上記は一例である。
・上記実施の形態1と2における第1の扁平通路7(27)の第2の方向への延出は、途中で屈曲したり湾曲したりせずに直線状に延出されているが、途中で屈曲したり湾曲したりする形状としてもよい。
・上記ではダイカスト金型1(21)に具体化したが、加熱した溶融物質をキャビティに充填して冷却する他の金型に適用することも自由である。
・冷却媒体としては一般に冷却水を使用するが、冷却水以外の媒体で冷却するようにしてもよい。例えばラジエターで放熱させて冷却した油を循環させるようにしてもよい。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
1、21…ダイカスト金型、4、24…キャビティ、5A〜5F、25A〜25F…冷却通路、6、26…主通路、7、27…第1の扁平な部分としての第1の扁平通路。

Claims (8)

  1. 成形品形状のキャビティを有し、前記キャビティ近傍に冷却媒体が流通する冷却通路が形成された金型において、
    前記冷却通路は前記キャビティと間隔を維持した状態で前記キャビティに沿った第1の方向に延出され、かつ前記第1の方向と交差する第2の方向において前記キャビティに沿った第1の扁平な部分を有することを特徴とする金型。
  2. 前記冷却通路は主通路と、同主通路よりも幅が狭い前記第1の扁平な部分とを有することを特徴とする請求項1に記載の金型。
  3. 前記第1の扁平な部分は前記主通路の両側に等距離で張り出すように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の金型。
  4. 成形品形状のキャビティを有し、前記キャビティ近傍に冷却媒体が流通する冷却通路が形成された金型において、
    前記冷却通路は前記キャビティと間隔を維持した状態で前記キャビティに沿った第1の方向に延出される主通路と、同主通路と隔壁で隔てられた前記第1の方向と交差する第2の方向において前記キャビティに沿って延出される第1の扁平な部分とを有し、前記隔壁の一部に形成された透孔を介して前記主通路と前記第1の扁平な部分は連通していることを特徴とする金型。
  5. 前記第1の扁平な部分は前記主通路よりも幅が狭いことを特徴とする請求項4に記載の金型。
  6. 前記冷却通路は前記主通路の周囲に前記第2の方向であって、前記キャビティに沿っていない方向に延出される1又は複数の第2の扁平な部分を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の金型。
  7. 前記第2の扁平な部分は前記第1の扁平な部分よりも張り出し量が小さいことを特徴とする請求項6に記載の金型。
  8. 前記冷却通路は前記キャビティに沿って複数配設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金型。
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