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JP2018183740A - 電解水生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金ナノコロイド等の水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水を簡素な構成で気軽に生成できる電解水生成装置を提供する。
【解決手段】電解水生成装置1は、電解室30及び電解室40と、電解室30内に配置される第1給電体31及び第2給電体32と、電解室40内に配置される第1給電体41及び第2給電体42と、電解室30を第1給電体31側の第1極室30aと第2給電体32側の第2極室30bとに区分する隔膜33と、電解室40を第1給電体41側の第1極室40aと第2給電体42側の第2極室40bとに区分する隔膜43と、を備える。電解室30の第1給電体31の表面は、水素吸蔵金属によって形成される。電解水生成装置1は、電解室30の第1極室30aで電気分解された電解水を電解室40の第2極室40bに導く中間水路51を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素吸蔵金属を含む電解水を生成する電解水生成装置に関する。
従来、コロイド状の水素吸蔵金属コロイドを含む電解水について、種々の研究開発がなされている。例えば、特許文献1では、交流電圧が印加される電極対と、直流電圧が印加される電極対とを備えた水処理装置が提案されている。
特開2009−50774号公報
しかしながら、上記装置では、通常の直流電解用の電極対に加えて、交流電解用の電極対が必要であるため、装置のコストアップを招来する。また、交流電解用の電極対に、適切な交流電圧を印加するための回路が別途必要となるため、装置のコストアップは免れない。
また、同文献の図4に示される装置では、その構造上、交流電解と直流電解とを同時に行なうことができないため、所望の電解水が生成されるまで時間がかかる。このため、使い勝手が悪く、水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水を気軽に生成できない。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水を簡素な構成で気軽に生成できる電解水生成装置を提供することを主たる目的としている。
本発明の第1発明は、水を電気分解する第1電解室及び第2電解室と、前記第1電解室及び前記第2電解室の各電解室内に配置され、直流電圧が印加される陽極給電体及び陰極給電体と、前記陽極給電体と前記陰極給電体との間に配され、前記電解室を前記陽極給電体側の陽極室と前記陰極給電体側の陰極室とに区分する隔膜と、を備えた電解水生成装置であって、前記第1電解室の前記陽極給電体の表面は、水素吸蔵金属によって形成され、前記第1電解室の陽極室で電気分解された電解水を前記第2電解室の陰極室に導く第1水路を有する、ことを特徴とする。
前記電解水生成装置において、前記第1電解室の前記陽極給電体及び前記陰極給電体には交流電圧が印加されないことが望ましい。
前記電解水生成装置において、前記第1電解室の陰極室で電気分解された電解水を前記第2電解室の陰極室に導く第2水路を有することが望ましい。
本発明の第2発明は、第1電解室及び第2電解室を含む複数の電解室で、供給された水を電気分解して電解水を生成する電解水生成方法であって、前記第1電解室及び前記第2電解室の各電解室には、陽極給電体及び陰極給電体と、前記陽極給電体と前記陰極給電体との間に配され、前記各電解室を前記陽極給電体側の陽極室と前記陰極給電体側の陰極室とに区分する隔膜と、が設けられ、前記第1電解室の前記陽極給電体は、表面が水素吸蔵金属によって形成され、前記第1電解室の前記陽極室及び前記陰極室に水を供給するステップと、前記第1電解室の前記陽極給電体及び前記陰極給電体に直流電圧を印加して、前記陽極室及び前記陰極室で水を電気分解するステップと、前記第1電解室の前記陽極室で生成された電解水を前記第2電解室の前記陰極室に供給するステップと、前記第2電解室の前記陽極室に水を供給するステップと、前記第2電解室の前記陽極給電体及び前記陰極給電体に直流電圧を印加して、前記第2電解室の前記陽極室及び前記陰極室で水を電気分解するステップとを含む、ことを特徴とする。
第1発明の電解水生成装置では、第1電解室の陽極給電体の表面が水素吸蔵金属によって形成されているので、電気分解の際、第1電解室の陽極室では、水素吸蔵金属がイオン化する。このとき生ずる水素吸蔵金属のイオンは、第1電解室の陽極室で電気分解された電解水と共に第1水路を通って第2電解室の陰極室に導かれる。そして、第2電解室の陰極室では、陰極給電体が上記水素吸蔵金属のイオンに電子を供給することにより、コロイド状の水素吸蔵金属が析出し、水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水が生成される。
また、第1電解室で陽極室と陰極室とが隔膜によって分離されているので、第1電解室の陰極室で生成された水素吸蔵金属のイオンが第2電解室の陰極室に移動することがない。さらに、第2電解室で陽極室と陰極室とが隔膜によって分離されているので、陰極室で生成された水素吸蔵金属コロイドが陽極室に移動することがない。このため、装置から取り出される電解水素水に含まれる水素吸蔵金属コロイドの量が容易に増加する。さらに、直流電解のみによって水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水が生成されるので、装置の構成が簡素であると共に、電解水の生成に要する時間が短縮される。
第2発明の電解水生成方法では、第1電解室の陽極室及び陰極室で水を電気分解するステップで、第1電解室の陽極給電体の表面では、水素吸蔵金属がイオン化する。このとき生ずる水素吸蔵金属のイオンは、電解水を第2電解室の陰極室に供給するステップで、電解水と共に陰極室に移動する。そして、第2電解室の陽極室及び陰極室で水を電気分解するステップにおいて、陰極給電体が上記水素吸蔵金属のイオンに電子を供給することにより、第2電解室の陰極室では、コロイド状の水素吸蔵金属が析出し、水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水が生成される。また、直流電解のみによって水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水が生成されるので、電解水の生成に要するステップが簡素化され、時間が短縮される。
本発明の電解水生成装置の一実施形態の流路構成を示す図である。 図1の電解水生成装置の電気的構成を示すブロック図である。 図2の制御手段の処理手順の一実施形態を示すフローチャートである。 図1の電解水生成装置の変形例の流路構成を示す図である。 図1の電解水生成装置の別な変形例の流路構成を示す図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の電解水生成装置1の概略構成を示している。図2は、電解水生成装置1の電気的構成を示している。電解水生成装置1は、複数の電解槽3、4と、電解水生成装置1の各部の制御を司る制御手段8とを備えている。
電解槽3の内部には、電気分解される水が供給される電解室30(第1電解室)が形成されている。電解室30には、電気分解前の原水が供給される。原水には、一般的には水道水が利用されるが、その他、例えば、井戸水、地下水等を用いることができる。電解室30の上流側には、電解室30に供給される水を浄化する浄水カートリッジが設けられていてもよい。
電解室30には、極性の異なる第1給電体31及び第2給電体32と、電解室30を区分する隔膜33とが収容されている。
第1給電体31及び第2給電体32は、電解室30内で、互いに対向して配置されている。第1給電体31及び第2給電体32の表面は、水素吸蔵金属によって形成されている。水素吸蔵金属とは、例えば、白金、パラジウム、バナジウム、マグネシウム、ジルコニウムであり、これらを成分とする合金も含まれる。本実施形態では、第1給電体31及び第2給電体32の表面には、白金のめっき層が形成されている。
隔膜33は、第1給電体31と第2給電体32との間に配されている。隔膜33は、電解室30を第1給電体31側の第1極室30aと、第2給電体32側の第2極室30bとに区分する。隔膜33は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)親水膜によって構成されている。第1給電体31と第2給電体32との間に直流電圧が印加されると、電解室30内で水が電気分解され、電解水が得られる。
電解槽4の構成は、上記電解槽3と同等である。すなわち、電解槽4の内部には、電解室40(第2電解室)が形成され、電解室40には、極性の異なる第1給電体41及び第2給電体42と、電解室40を区分する隔膜43とが収容されている。
第1給電体41及び第2給電体42は、互いに対向して配置され、それらの表面は、水素吸蔵金属によって形成されている。隔膜43は、第1給電体41と第2給電体42との間に配され、電解室40を第1給電体41側の第1極室40aと、第2給電体42側の第2極室40bとに区分する。隔膜43は、例えば、隔膜33と同様にポリテトラフルオロエチレン親水膜によって構成されている。
例えば、図1に示される状態では、電解槽3の第1給電体31には正の電荷が帯電し、第1極室30aは、陽極室として機能している。一方、第2給電体32には負の電荷が帯電し、第2極室30bは、陰極室として機能している。これにより、第2極室30bでは発生した水素ガスが溶け込んだ還元性の電解水素水が、第1極室30aでは発生した酸素ガスが溶け込んだ電解酸性水がそれぞれ生成される。
一方、電解槽4の第1給電体41には正の電荷が帯電し、第1極室40aは、陽極室として機能している。一方、第2給電体42には負の電荷が帯電し、第2極室40bは、陰極室として機能している。これにより、第2極室40bでは発生した水素ガスが溶け込んだ還元性の電解水素水が、第1極室40aでは発生した酸素ガスが溶け込んだ電解酸性水がそれぞれ生成される。
図2に示されるように、電解槽3の第1給電体31及び第2給電体32と制御手段8とは、電流供給ライン34を介して接続されている。第1給電体31と制御手段8との間の電流供給ライン34には、電流検出手段34aが設けられている。電流検出手段34aは、第2給電体32と制御手段8との間の電流供給ラインに設けられていてもよい。電流検出手段34aは、第1給電体31、第2給電体32に供給する直流電流(電解電流)を検出し、その値に相当する電気信号を制御手段8に出力する。
同様に、電解槽4の第1給電体41及び第2給電体42と制御手段8とは、電流供給ライン44を介して接続されている。電流供給ライン44には、電流検出手段44aが設けられている。電流検出手段44aは、第1給電体41、第2給電体42に供給する直流電流(電解電流)を検出し、その値に相当する電気信号を制御手段8に出力する。
制御手段8は、例えば、各種の演算処理、情報処理等を実行するCPU(Central Processing Unit)及びCPUの動作を司るプログラム及び各種の情報を記憶するメモリ等を有している。制御手段8の各種の機能は、CPU、メモリ及びプログラムによって実現される。
制御手段8は、例えば、電流検出手段34aから出力された電気信号に基づいて、第1給電体31及び第2給電体32に印加する直流電圧(電解電圧)を制御する。より具体的には、制御手段8は、ユーザー等によって設定された溶存水素濃度に応じて、電流検出手段34aによって検出される電解電流が所望の値となるように、第1給電体31及び第2給電体32に印加する電圧をフィードバック制御する。例えば、電解電流が過大である場合、制御手段8は、上記電圧を減少させ、電解電流が過小である場合、制御手段8は、上記電圧を増加させる。これにより、第1給電体31及び第2給電体32に供給する電解電流が適切に制御され、電解室30で所望の溶存水素濃度の水素水が生成される。
同様に、制御手段8は、電流検出手段44aから出力された電気信号に基づいて、第1給電体41及び第2給電体42に印加する直流電圧を制御する。これにより、第1給電体41及び第2給電体42に供給する電解電流が適切に制御され、電解室40で所望の溶存水素濃度の水素水が生成される。
第1給電体31及び第2給電体32の極性は、制御手段8によって制御される。すなわち、制御手段8は、第1給電体31及び第2給電体32の極性を切り替える極性切替手段として機能する。制御手段8が第1給電体31及び第2給電体32の極性を適宜切り替えることにより、第1給電体31及び第2給電体32が陽極室又は陰極室として機能する機会が均等化される。これにより、第1給電体31及び第2給電体32等へのスケールの付着が抑制される。
同様に、第1給電体41及び第2給電体42の極性は、制御手段8によって制御される。制御手段8が第1給電体41及び第2給電体42の極性を適宜切り替えることにより、第1給電体41及び第2給電体42等へのスケールの付着が抑制される。
電解水生成装置1では、第1給電体31と第1給電体41とは、同一の極性となるように制御され、第2給電体32と第2給電体42とは、同一の極性となるように制御される。以下、本明細書では、特に断りのない限り、図1に示されるように、第1給電体31と及び第1給電体41が陽極給電体として機能し、第2給電体32と及び第2給電体42が陰極給電体として機能している場合が説明されるが、第1給電体31、41及び第2給電体32、42の極性を相互に入れ替えた場合も同様である(後述する図4、5においても同様)。
図1に示されるように、電解水生成装置1は、電解槽3の上流側に設けられた入水部2と、電解槽3と電解槽4との間に設けられた中間部5と、電解槽4の下流側に設けられた出水部6とをさらに備えている。
入水部2は、給水路21と、流量センサー22と、分岐部23と、流量調整弁25等を有している。給水路21は、電気分解される水を電解室30に供給する。流量センサー22は、給水路21に設けられている。流量センサー22は、電解室30に供給される水の単位時間あたりの流量(以下、単に「流量」と記すこともある)Fを定期的に検出し、その値に相当する信号を制御手段8に出力する。
分岐部23は、給水路21を給水路21a、21bの二方に分岐する。流量調整弁25は、給水路21a、21bを第1極室30a又は第2極室30bに接続する。第1極室30a及び第2極室30bに供給される水の流量は、制御手段8の管理下で、流量調整弁25によって調整される。本実施形態では、流量センサー22は、分岐部23の上流側に設けられているので、第1極室30aに供給される水の流量と第2極室30bに供給される水の流量との総和、すなわち、電解室30に供給される水の流量Fを検出する。
中間部5は、中間水路51、52を含んでいる。中間水路51(第1水路)は、電解槽3の第1極室30aと電解槽4の第2極室40bとを連通させ、第1極室30aで電気分解された電解水を第2極室40bに導く。中間水路52は、電解槽3の第2極室30bと電解槽4の第1極室40aとを連通させ、第2極室30bで電気分解された電解水を第1極室40aに導く。
出水部6は、第1出水路61と、第2出水路62と、流路切替弁65とを有する。
図1において、第1出水路61は、第1極室40a及び第2極室40bのうち陰極側の極室で生成された電解水(すなわち電解水素水)を取り出すための陰極水路として機能している。一方、第2出水路62は、第1極室40a及び第2極室40bのうち陽極側の極室で生成された電解水を取り出すための陽極水路として機能している。
流路切替弁65は、電解槽4の下流に設けられている。流路切替弁65は、第1極室40a及び第2極室40bと第1出水路61及び第2出水路62との接続を切り替える流路切替手段として機能する。
本実施形態では、制御手段8が、第1給電体31、第2給電体32、第1給電体41及び第2給電体42の極性の切り替えと流路切替弁65による流路の切り替えとを同期させることにより、ユーザーによって選択された電解水(例えば、図1では電解水素水)が常に一方の水路(図1では、第1出水路61)から吐出されうる。
第1給電体31、第2給電体32、第1給電体41及び第2給電体42の極性の切り替えにあたっては、制御手段8が、流量調整弁25と流路切替弁65とを、連動して動作させる形態が望ましい。これにより、極性の切り替え前後において、第1出水路61に接続されている極室への水の供給量を十分に確保しつつ、第2出水路62に接続されている極室への水の供給量を抑制して、水の有効利用を図ることが可能となる。
流量調整弁25と流路切替弁65とは、例えば、特許第5809208号公報に記載されているように、一体に形成され、単一のモーターによって連動して駆動される形態が望ましい。すなわち、流量調整弁25及び流路切替弁65は、円筒形状の外筒体と内筒体等によって構成される。内筒体の内側及び外側には、流量調整弁25及び流路切替弁65を構成する流路が形成され、各流路は、流量調整弁25及び流路切替弁65の動作状態に応じて適宜交差するように構成されている。このような弁装置は、「ダブルオートチェンジクロスライン弁」と称され、電解水生成装置1の構成及び制御の簡素化に寄与し、電解水生成装置1の商品価値をより一層高める。
電解水生成装置1では、電解室30の第1給電体31の表面が水素吸蔵金属によって形成されているので、電気分解の際、電解室30の第1極室30aでは、水素吸蔵金属がイオン化する。このとき生ずる水素吸蔵金属のイオンは、電解室30の第1極室30aで電気分解された電解水と共に中間水路51を通って電解室40の第2極室40bに導かれる。そして、電解室40の第2極室40bでは、第2給電体42が上記水素吸蔵金属のイオンに電子を供給することにより、コロイド状の水素吸蔵金属が析出し、水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水が生成される。
また、電解室30で第1極室30aと第2極室30bとが隔膜33によって分離されているので、第1極室30aで生成された水素吸蔵金属のイオンが第2極室30b及び第1極室40aに移動することがない。さらに、電解室40で第1極室40aと第2極室40bとが隔膜43によって分離されているので、第2極室40bで生成された水素吸蔵金属コロイドが第1極室40aに移動することがない。このため、電解水生成装置1から取り出される電解水素水に含まれる水素吸蔵金属コロイドの量が容易に増加する。さらに、直流電解のみによって水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水が生成されるので、電解水生成装置1の構成が簡素であると共に、電解水の生成に要する時間が短縮される。
図1に示されるように、電解水生成装置1は、中間水路51にフィルター53が設けられていてもよい。フィルター53は、第1極室30aから取り出された電解水に含まれる次亜塩素酸を除去する。フィルター53は、原水として次亜塩素酸カルシウムを含む水道水が用いられる場合に有効である。フィルター53は、第1出水路61に設けられていてもよい。
図3は、複数の電解室30、40を用いて、供給された水を電気分解して、水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水を生成する電解水生成方法の処理手順の一実施形態を示すフローチャートである。
電解室30の第1極室30a及び第2極室30bに水が供給された状態で(S1)、第1給電体31及び第2給電体32との間に直流電圧が印加されると、第1極室30a及び第2極室30b内の水が電気分解される(S2)。これにより、陽極側の第1給電体31は周辺の水から電子を奪い、酸化水が生成される。このとき、第1給電体31の表面では、水素吸蔵金属が電子を失いイオン化する。すなわち、S2で生成された酸化水は、水素吸蔵金属のイオンを含んでいる。
次いで、第1極室30aで生成された酸化水は、中間水路51を介して電解槽4の第2極室40bに供給され、陰極側の第2給電体42の周辺に移動される(S3)。これに伴い、水素吸蔵金属のイオンも第2給電体42の周辺に移動される。さらに、第2極室30bで生成された還元水は、中間水路52を介して電解槽4の第1極室40aに供給される(S4)。S4では、第2極室30bで生成された酸化水以外の水(例えば、給水路21を流れる原水)が供給されてもよい。S3及びS4によって、電解槽4の第1極室40a及び第2極室40bに電気分解される水が充填される。
そして、第1給電体41及び第2給電体42との間に直流電圧が印加されると、第1極室40a及び第2極室40b内の水が電気分解される(S5)。これにより、第2給電体42は、周辺の酸化水に電子を供給して、酸化水を還元する。このとき、水素吸蔵金属のイオンは、第2給電体42から電子を受け取り、微小な水素吸蔵金属コロイドとなって、還元水中に析出し、水素吸蔵金属コロイドを多く含有する電解水が生成される。
図4は、図1に示される電解水生成装置1の変形例である電解水生成装置1Aを示している。電解水生成装置1Aのうち、以下で説明されてない部分については、上述した電解水生成装置1の構成が採用されうる。
電解水生成装置1Aは、中間部5に流路切替弁55を含む点で上記電解水生成装置1とは異なる。流路切替弁55は、中間水路56aによって第1極室30aと、中間水路56bによって第2極室30bと、中間水路57aによって第1極室40aと、中間水路57bによって第2極室40bとそれぞれ連通されている。流路切替弁55は、電解槽3の第1極室30a及び第2極室30bの接続先を、電解槽4の第1極室40a又は第2極室40bに切り替える流路切替手段として機能する。
流路切替弁55は、制御手段8によって制御される。制御手段8は、第1給電体31、第2給電体32、第1給電体41及び第2給電体42の極性の切り替えと、流路切替弁55による流路の切り替えとを同期させる。これに伴い、流路切替弁55は、流量調整弁25及び流路切替弁65と同期して動作する。
図4に示される状態では、流路切替弁55によって中間水路56a及び56bは中間水路57bと連通されている。すなわち、電解槽3の第1極室30a及び第2極室30bは、電解槽4の第2極室40bに接続されている。この場合、中間水路56a及び中間水路57bは、第1極室30aで電気分解された電解水を第2極室40bに導く第1水路として機能し、中間水路56b及び中間水路57bは、第2極室30bで電気分解された電解水を第2極室40bに導く第2水路として機能する。そして、電解槽4の第1極室40aには、給水路21から分岐する水路(図示せず)から別途原水が供給される。
電解水生成装置1Aでは、電解槽3の第2極室30bで生成され、既に水素ガスが溶け込んでいる電解水素水が電解槽4の第2極室40bに供給される。そして、この電解水素水は、第2極室40bでの電気分解によって、より一層溶存水素濃度が高められる。従って、電解水生成装置1Aによれば、溶存水素濃度が高く、かつ、水素吸蔵金属コロイドが豊富な電解水が生成できる。
なお、第1給電体31及び41が陰極に第2給電体32及び42が陽極にそれぞれ切り替えられたとき、流路切替弁55によって中間水路56a及び56bは中間水路57aと連通され、電解槽3の第1極室30a及び第2極室30bは、電解槽4の第1極室40aに接続される。また、第2極室40bには、給水路21から別途原水が供給される。これにより、上記と同様に、溶存水素濃度が高く、かつ、水素吸蔵金属コロイドが豊富な電解水が生成できる。
図5は、図1に示される電解水生成装置1の別な変形例である電解水生成装置1Bを示している。電解水生成装置1Bのうち、以下で説明されてない部分については、上述した電解水生成装置1の構成が採用されうる。
電解水生成装置1Bは、第2出水路62が中間水路51に接続されている点で、上記電解水生成装置1とは異なる。
電解水生成装置1Bでは、電解槽4の第1極室40aで生成され、水素吸蔵金属のイオンを含む電解水が電解槽4の第2極室40bに供給される。そして、この電解水は、電解槽3の第2極室30bで既に発生した水素ガスが溶け込んでいる電解水素水でもある。従って、電解水生成装置1Bによれば、溶存水素濃度が高く、かつ、水素吸蔵金属コロイドが豊富な電解水が生成できる。
なお、図3に示される電解水生成方法は、電解水生成装置1の他、電解水生成装置1A及び電解水生成装置1Bによっても実施可能である。
以上、本発明の電解水生成装置1等が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。すなわち、電解水生成装置1は、少なくとも水を電気分解する電解室30及び電解室40と、電解室30内に配置され,直流電圧が印加される第1給電体31及び第2給電体32と、電解室40内に配置され,直流電圧が印加される第1給電体41及び第2給電体42と、第1給電体31と第2給電体32との間に配され、電解室30を第1給電体31側の第1極室30aと第2給電体32側の第2極室30bとに区分する隔膜33と、第1給電体41と第2給電体42との間に配され、電解室40を第1給電体41側の第1極室40aと第2給電体42側の第2極室40bとに区分する隔膜43と、を備え、電解室30の第1給電体31の表面は、水素吸蔵金属によって形成され、電解室30の第1極室30aで電気分解された電解水を電解室40の第2極室40bに導く中間水路51を有するように構成されていればよい。
本電解水生成装置1等では、第1給電体31及び第2給電体32の極性が切り替え可能に構成されているため、第1給電体31及び第2給電体32の表面は、水素吸蔵金属によって形成されている。しかしながら、上記極性の切替を実施しない構成では、陽極給電体の表面のみが水素吸蔵金属によって形成されていてもよい。
1 :電解水生成装置
1A :電解水生成装置
1B :電解水生成装置
30 :電解室
30a :第1極室
30b :第2極室
31 :第1給電体
32 :第2給電体
33 :隔膜
40 :電解室
40a :第1極室
40b :第2極室
41 :第1給電体
42 :第2給電体
43 :隔膜
51 :中間水路(第1水路)
56b :中間水路(第2水路)
57b :中間水路(第2水路)

Claims (4)

  1. 水を電気分解する第1電解室及び第2電解室と、
    前記第1電解室及び前記第2電解室の各電解室内に配置され、直流電圧が印加される陽極給電体及び陰極給電体と、
    前記陽極給電体と前記陰極給電体との間に配され、前記電解室を前記陽極給電体側の陽極室と前記陰極給電体側の陰極室とに区分する隔膜と、を備えた電解水生成装置であって、
    前記第1電解室の前記陽極給電体の表面は、水素吸蔵金属によって形成され、
    前記第1電解室の陽極室で電気分解された電解水を前記第2電解室の陰極室に導く第1水路を有する、
    電解水生成装置。
  2. 前記第1電解室の前記陽極給電体及び前記陰極給電体には交流電圧が印加されない請求項1記載の電解水生成装置。
  3. 前記第1電解室の陰極室で電気分解された電解水を前記第2電解室の陰極室に導く第2水路を有する請求項1又は2に記載の電解水生成装置。
  4. 第1電解室及び第2電解室を含む複数の電解室で、供給された水を電気分解して電解水を生成する電解水生成方法であって、
    前記第1電解室及び前記第2電解室の各電解室には、陽極給電体及び陰極給電体と、前記陽極給電体と前記陰極給電体との間に配され、前記各電解室を前記陽極給電体側の陽極室と前記陰極給電体側の陰極室とに区分する隔膜と、が設けられ、
    前記第1電解室の前記陽極給電体は、表面が水素吸蔵金属によって形成され、
    前記第1電解室の前記陽極室及び前記陰極室に水を供給するステップと、
    前記第1電解室の前記陽極給電体及び前記陰極給電体に直流電圧を印加して、前記陽極室及び前記陰極室で水を電気分解するステップと、
    前記第1電解室の前記陽極室で生成された電解水を前記第2電解室の前記陰極室に供給するステップと、
    前記第2電解室の前記陽極室に水を供給するステップと、
    前記第2電解室の前記陽極給電体及び前記陰極給電体に直流電圧を印加して、前記第2電解室の前記陽極室及び前記陰極室で水を電気分解するステップとを含む、
    電解水生成方法。
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