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JP2018182522A - マルチホップ無線通信システム、中間集約装置、および無線端末 - Google Patents

マルチホップ無線通信システム、中間集約装置、および無線端末 Download PDF

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JP2018182522A JP2017079213A JP2017079213A JP2018182522A JP 2018182522 A JP2018182522 A JP 2018182522A JP 2017079213 A JP2017079213 A JP 2017079213A JP 2017079213 A JP2017079213 A JP 2017079213A JP 2018182522 A JP2018182522 A JP 2018182522A
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靖隆 芹澤
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Abstract

【課題】無線接続型のセンサネットワークシステムにおいて、システムの構成、用途や目的に柔軟に対応が可能な技術を提供する。【解決手段】中間集約装置と、中間集約装置と無線接続された複数の無線端末と、からなるマルチホップ無線通信システムである。この中間集約装置は、データを要求するデータ要求パケットに、当該データを送信するための通信要件を含め、中継端末となる無線端末を経由して、データ要求先端末となる無線端末に送信する。中継端末およびデータ要求先端末は、要求されたデータを含むデータパケットを、通信要件に従って、中間集約装置に送信する。【選択図】図8

Description

本発明は、無線ネットワークシステム、特にマルチホップ無線通信システムに係る技術に関する。
増加する天然資源需要への対応が国際的な課題となっており、資源探査の分野では、高感度な探査用センサ技術を安価に提供する必要性が増加している。資源探査システムは、システムの大規模化に向けた流れが加速しており、センサを稠密に配置することにより地下構造を高分解能で計測する重要度が増している。
例えば、資源探査で資源の埋蔵場所を特定するために用いられる主要な手法の一つに、反射法地震探査と呼ばれる手法がある。この手法は、地表面に配置した人工震源から発生された人工的な振動が、地中の各層(土壌層、水層、石油やガスを貯蔵する層、基盤岩層など)で反射して戻ってくる際の波を、地表面に配置した振動センサ(加速度センサ)で受信し、その信号波形を解析することにより地層構造や地殻構造を把握する手法である。
人工震源には、人工的に振動を発生させることのできる特殊な車両(起震車と呼ばれる)を用いることもある。反射法地震探査の場合、調査対象フィールドに、人工震源としての起震車、振動を検出すセンサ、取得された震動データを転送するセンサネットワークシステム(以下、「センサネットワーク」という)、取得された振動データを蓄積するデータセンタ(データ収集車)が必要となる。
しかし、有線接続型の構成では、同時に測定できるセンサの数に限界がある。また、同構成は、調査対象フィールド(森林、密林など)に存在する障害物(木、岩、河川など)により設置設計に制約がある。さらに、同構成は、各振動センサに電力を供給するための大容量の電源施設、大型のデータセンタ(データ収集車)などのフィールド設備が必要となる。いずれも、センサネットワークのコストを増加させる一因になっている。したがって、センサを稠密に配置しつつ配線を省略したシステムの構成が望まれる。
特許文献1には、小型無線センサノードを利用したネットワークの管理方式について記載があり、センサノードの動作間隔および動作開始位相の基準とするためのカウンタ値を、基地局とセンサノードで有し、これらを定期的に同期化させることが記載される。
再公表特許公報WO2006/090480
センサを稠密に配置しつつ配線を省略したシステムのために、ケーブルレスシステムを用いた資源探査システムの構築が検討されている。ケーブルレスシステムを採用することにより、設置コストを大幅に削減することが可能になる。その一方で、ケーブルレスシステムの実現には、センサ端末のバッテリ駆動(すなわち低電力動作)、無線マルチホップ方式による複数種類のデータ(センサデータ、システム運用及び管理に必要な情報)の収集なども検討する必要がある。
従来の一般的なセンサネットワークでは、センサからサーバへの定期的なデータアップロードという規定ルーチンでシステムが制御されていた。しかし、例えば資源探査のように、測定対象の規模や条件、あるいは要求されるデータが多様化する場合、好ましい種々の通信要件が存在する。例えば、センサが配置されるフィールドの条件は多種多様であるし、センサデータや、システム運用及び管理に必要なデータでは、求められる通信要件が異なる。
また、従来の無線センサネットワークの時分割アクセス方式では、固定的なタイムスロットを無線センサ端末に書き込んで運用するため、ユーザからのオンデマンド要求で無線センサ端末に対しデータ送信トリガをかけるアプリケーションでは、データ要求が発生していないときでもセンサ端末が起動し、消費電力が増加してしまう。また、一度割り当てた無線帯域を他端末に再割当するのに時間がかかり、ダウンタイムが増加する。
そこで本発明の課題は、無線接続型のセンサネットワークシステムにおいて、システムの構成、用途や目的に柔軟に対応が可能な技術を提供することにある。
本発明の一側面は、中間集約装置と、中間集約装置と無線接続された複数の無線端末と、からなるマルチホップ無線通信システムである。この中間集約装置は、データを要求するデータ要求パケットに、当該データを送信するための通信要件を含め、中継端末となる無線端末を経由して、データ要求先端末となる無線端末に送信する。中継端末およびデータ要求先端末は、要求されたデータを含むデータパケットを、通信要件に従って、中間集約装置に送信する。
本発明の他の一側面は、複数の無線端末からのデータをマルチホップ無線通信によって集約する中間集約装置である。この装置は、データを要求するデータ要求パケットを生成し、中継端末となる無線端末を経由して、データ要求先端末となる無線端末に送信する。ここで、データ要求パケットは、中継端末となる無線端末、および、データ要求先端末となる無線端末の、当該データの送信および受信の少なくとも一つのタイミングを示すテンポラリタイムテーブルを含む。
本発明のさらに他の一側面は、マルチホップ無線通信システムに用いられる、データの送信元端末あるいは中継端末となる無線端末である。この端末は、データを要求するデータ要求パケットを、中継端末として受信した場合に、データ要求パケットに含まれる、無線端末の送信および受信のタイミングを示す情報を記憶し、送信および受信のタイミングに基づいて、要求されたデータの送受信を行う。
本発明によれば、無線接続型のセンサネットワークシステムにおいて、システムの用途や目的に柔軟に対応が可能な技術を提供することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
実施例に係る無線センサネットワークシステムの全体構成を示す模式平面図。 実施例に係る無線センサネットワークシステムの1セル内の構成を示す模式平面図。 実施例に係る無線センサ端末の内部構成を示すブロック図。 実施例に係るアグリゲータの内部構成を示すブロック図。 実施例において伝送されるデータのパラメータ等を示す表図。 実施例に係るマルチホップデータ伝送時のパケット伝送順番を説明する模式図。 実施例に係る要求パケット(下り)のパケットフォーマットを示す表図。 実施例に係る無線マルチホップ通信動作を示すタイムチャート図。 実施例に係るテンポラリタイムテーブルを示す表図。 実施例に係るアグリゲータの動作を示すフローチャート図。 実施例に係る無線センサ端末の動作を示すフローチャート図。 実施例に係るパケット伝送順番を説明する模式図。 実施例に係るマルチホップデータ伝送時の動作シーケンスを示すタイムチャート図。 実施例に係る無線センサ端末と起動専用受信機との接続、および起動専用受信機の構成を示すブロック図。 実施例に係る無線センサ端末の動作を示すフローチャート図。 実施例に係る起動専用受信機の動作を示すフローチャート図。 実施例に係る無線センサ端末がデータを送受信する(上り)タイミングを記載したテンポラリタイムテーブルを示す表図。 実施例に係る要求パケット(下り)のパケットフォーマットを示す表図。 実施例に係る、テンポラリタイムテーブルを削除する手順を含めた無線センサ端末の動作を示すフローチャート図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施の形態は、後述する実施例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
各実施例における状態遷移フローは、後述するように、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」又は「プロセッサ」という)を含む汎用コンピュータ上におけるソフトウェアの実行を通じて実装される場合を想定するが、専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。また、以下の実施例にて使用する具体的な数値は、実施例の説明のための数値であり、以下の説明で使用する数値に限定しない。
同一あるいは同様な機能を有する要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、複数の要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
以下の実施例では、オンデマンドに発生する要求パケット(下り)内に当該セッションで有効で、無線センサ端末がデータを送受信する(上り)タイミングを記載した「テンポラリ」タイムテーブルを挿入し、センサに備えられたGPS等により正確な標準時刻を把握することで、テンポラリタイムテーブルに記載の時間でのパケット送受信を成立させる例を説明する。
さらに、低消費電力で受信待機可能な起動専用受信機を無線センサ端末と接続設置することで、上記オンデマンドに発生する要求パケット(下り)に先立ち、起動専用受信機に対し起動パケットを送付して、無線センサ端末を随時起動させたうえで、要求パケット(下り)を送付することで、常時スリープでもオンデマンドで通信を成立させる例を説明する。
(1−1)無線センサネットワークシステム
図1に、実施例に係る無線センサネットワークシステム1(以下、「システム1」などという)の全体構成を示す。システム1は、測定対象フィールドFに配置された無線センサ端末s〜s10000と、これらのデータを集約するアグリゲータa〜a(iは任意の数値を代表する)と、データセンタDに配置されるデータサーバsvによって構成される。
なお、狭義のシステム1は、測定対象フィールドFに配置される無線センサ端末s〜s10000とアグリゲータa〜aで構成される。アグリゲータaはそれぞれが1つのセルの集約点として機能し、複数セルが集合してシステム1を形成する。
本実施例におけるシステム1は、システム規模が大きく、かつ、無線センサ端末sが稠密に配置されている。本実施例の場合、1万個の無線センサ端末sを使用するが、その個数は任意である。従って、無線センサ端末sの個数はより多い場合もあれば、少ない場合もある。後述するように、無線センサ端末sは、各種のセンサと無線通信機能を搭載する。無線センサ端末sとアグリゲータaは例えば5〜10m間隔で配置されるが、間隔の設定も任意である。
アグリゲータ(すなわち、無線データ集約装置)aは、個々の無線センサ端末sに搭載された各種のセンサによってセンシングされたデータ(以下「センサデータ」ともいう。)を、互いに無線接続された1又は複数台の無線センサ端末sを通じて、無線マルチホップ通信により集約する。ここで、無線マルチホップ通信とは、無線センサ端末sが送信したデータを、周囲の他の無線センサ端末sが受信して再送信する中継送信により、アグリゲータまでデータを送信する無線通信方式をいうものとする。すなわち、データの送信元である無線センサ端末とアグリゲータの間には、データを中継する1または複数の無線センサ端末が介在する。この方式により、広い範囲のデータ収集が可能である。
各アグリゲータaは、測定対象フィールドF内に所定間隔に配置され、それぞれが略100〜1000個の無線センサ端末sからのデータを集約する。勿論、この数値は一例である。なお、測定対象フィールドFは屋外に限定せず、屋内であっても良いし、屋内と屋外が混在したフィールドであっても良い。
アグリゲータaは、集約したデータを、通信ケーブルLを介してデータセンタD内のデータサーバsvに伝送する。本明細書において、データとは、各種センサが取得する物理量データだけでなく、システムの運用及び管理の一方又は両方に必要な情報も含むことができる。
なお、アグリゲータaから無線センサ端末sへ向かうデータあるいは通信を、「下り」データあるいは通信などと称し、無線センサ端末sからアグリゲータaへ向かうデータあるいは通信を、「上り」データあるいは通信などと称する。
(1−2)1セル内無線マルチホップ接続
図2を用いて、測定対象フィールドF内の1セル内の無線マルチホップ接続を説明する。なお、図2は、図1のうち測定対象フィールドFの一部分を詳細に示すものである。図2において、一例として無線センサ端末の典型的な設置間隔は10m〜50m程度であり、無線による通信可能距離は50m〜100m程度と想定する。
図2に示すように、1セル内の無線マルチホップネットワークでは、アグリゲータaをデータ要求/収集の集約点として、ツリー型の無線マルチホップネットワークを構成する。図2には無線マルチホップでのパケット伝送経路の一例を矢印201で示した。
1セルの領域範囲を示すCは、理想的には図2のような円形であるが、本質的にはアグリゲータa、および無線センサ端末sが共通に保持する最大マルチホップ数パラメータにより決定される境界線である。
(1−3)無線センサ端末の構成
図3に、無線センサ端末sの内部構成例を示す。なお、図3に示す全ての構成要素が無線センサ端末に搭載されている必要は無く、その一部の構成要素のみを搭載する構成でも良いし、図示しない他の構成要素が追加された構成でも良い。
図3に示す無線センサ端末は、マイコン301、無線通信部302、タイマ303、センサ304、メモリ305、バッテリ制御部306、バッテリ307、GPS(Global Positioning System)信号受信部308、およびアンテナ309を有する。
マイコン301は、メモリ305あるいは内部メモリに記録された制御プログラムに従って、無線通信部302、タイマ303、センサ304、メモリ305、バッテリ制御部306、GPS信号受信部308の動作を制御し、当該制御を通じて端末全体の状態を制御する。マイコン301の内部構成は図示しないが、プロセッサ、メモリ、入力および出力のインターフェースを備えた汎用マイコンの構成である。メモリについては、マイコン301外のメモリ305を利用してもよい。無線センサ端末sは、基本的に外部からの給電がなくバッテリ307で駆動されることを想定している。低消費電力化が望ましいため、メモリ305は例えばフラッシュメモリのような不揮発性のメモリが望ましい。
センサ304は、マイコン301から受信したセンサ取得要求に応じてセンサ値をマイコン301に返す。センサ304は、例えば振動計であるが、温度計や湿度計など他のセンサでも良い。マイコン301は、取得したセンサ値をメモリ305(あるいはマイコン301内のメモリ)に格納する。
GPS信号受信部308は、無線センサ端末(自端末)の設置場所を特定する他、測定対象フィールドFに大量に存在する各無線センサ端末sが取得するセンサデータの取得時刻の同期に用いられる。ただし一般には、GPS信号受信によるセンサデータ取得タイミングの同期ではなく、無線通信部302を用いた他無線センサ端末とのパケット情報交換により上記時刻同期を実現することもできる。
無線通信部302は、他端末(無線センサ端末s)から受信した無線通知パケット又は無線通信パケットを受信(又は復調)し、マイコン301に転送する。また、無線通信部302は、マイコン301からの応答を無線通信パケットに変換(変調)し、アンテナ309を介して外部空間に送信する。なお、マイコン301は、タイマ303の使用により、無線制御が無線パケットエラーなどにより実現できなかった場合のバックアップやマイコン制御の時間管理のための状態遷移にも対応する。
(1−4)アグリゲータの構成
図4に、アグリゲータaの内部構成例を示す。なお、図4に示す全ての構成要素がアグリゲータaに搭載されている必要は無く、その一部の構成要素のみを搭載する構成でも良いし、図示しない追加の構成要素を搭載する構成でも良い。
アグリゲータaの一部の構成は、無線センサ端末sと同一でよいので、同様の要素には同じ符号を付して説明を省略する。相違点は、アグリゲータには、電源用インターフェース(IF)406と有線通信部410が追加されている点である。また、アグリゲータaにも、センサ304が搭載されており、当該センサ304により無線センサ端末としても機能する。
アグリゲータaは、無線センサ端末sとは異なり、電源用インターフェース(IF)406を通じて電力の供給を受けて動作する。電源用インターフェース(IF)406を通じて電力の供給を受けられるため、マイコン401には、無線センサ端末s側のマイコン301よりも処理能力の高いCPUを用いることができる。
マイコン401は、アンテナ309及び無線通信部302を通じて、各無線センサ端末sから集約されたセンサデータ(無線パケット)を有線パケットに変換すると、有線通信部410に出力する。外部機器とのインターフェースである有線通信部410は、通信ケーブルLを介し、有線パケットをデータサーバsvに伝送する。
(1−5)取り扱うデータ種別と求められる仕様
ところで、本実施例では、センサデータや、システム運用及び管理に必要な情報の収集には、センサからサーバへの定期的なデータアップロードという規定ルーチンの実行だけでなく、以下に挙げる様々な通信要件が存在する。
まず、データを収集するための無線センサ端末は、給電ケーブルを持たないため、バッテリ動作で長期間例えば数十日以上の連続運用が望まれる。
また、無線センサ端末から得られるデータには用途に応じた複数の種類が想定されるため、複数のデータ種別を異なる条件で通信することができる構成が求められる。
さらに、無線センサ端末の低消費電力化を図るためには、ユーザからのオンデマンドのデータ要求(下り通信)をトリガとして、無線センサ端末がデータ送信する仕組みが求められる。
また、通信帯域を割り当てる無線センサ端末を動的に変更することができると、無線センサ端末の負荷分散が可能となる。
図5に、本実施例が想定するマルチデータ種別に関して、主要なものを例として記載する。ステータスはセンサの状態を示す情報であり、ヘルス状態、GPS情報、バッテリ残量等を含む。ノイズレベルは、ある時点における(無入力時の)センサデータのことである。起震車による起震で探査試験を開始する直前に環境ノイズを測定することで、探査試験の開始可否をユーザが判断するための情報である。データ(スナップショット)は、起震後にセンサが取得した反射波の生データのことである。
図5の#1〜#3のデータは、方向(オンデマンドで双方向通信)こそ同一であるものの、通信頻度やデータ量、遅延時間要求、取得対象範囲に及ぶまでそれぞれ要件が全く異なる。しかし、これらすべてを同一の無線マルチホップシステム構成で伝送できることが望ましい。
ここで、「対象端末」は通信対象となる無線センサ端末sの数である。対象端末欄の「5台/セル」という概念は、数万〜10万個以上の無線センサ端末sで構成される大規模なセンサネットワークを複数のセルで分割した場合の、1セルあたりの対象無線センサ端末数のことを意味する。
また、#1〜#3のデータ種別をセンサから取得する場合には、ユーザからのオンデマンドに発生する要求パケット(下り)に応答する形で、無線センサ端末がデータを送信する(上り)。
さらに、低消費電力化と通信条件の要件を満たすために、「対象端末」で「5台/セル」となっている「#2:ノイズレベル」、「#3:データ(スナップショット)」に関しては、毎回特定の5台を使ってデータ取得するのではなく、回次ごとに異なる5台にて持ち回りで運用する方式の方が好ましい。従って、通信帯域を割当てる無線センサ端末を運用中に動的に変更することが必要となる。
従来の無線センサネットワークの通信方法では、上記要件に対し、時分割アクセス方式により、専用の送受信タイムスロット(msオーダ)を固定的に割り当ててスケジューリングすることで、干渉を回避した専用通信帯域を確保する方式を採る。従来方式ではきめ細かな間欠動作により低消費電力化が可能である点がメリットであるが、以下2つの大きな課題を有する。第一には、データ要求が発生していないときでも無線センサ端末が起動し、消費電力が増加することである。第二には、一度割り当てた無線帯域を他端末に再割当するのに時間がかかり、ダウンタイムが増加することである。なお、ここでは課題の具体的提示のため資源探査システムの場合を例に課題の説明をしたが、この技術課題は、同様の要件を採る無線センサネットワークに共通する。
(1−6)テンポラリタイムテーブルによる無線マルチホップ通信
次に本実施例における、テンポラリタイムテーブルを用いた通信方法について説明する。
図6に、テンポラリタイムテーブルを用いた通信方式での、マルチホップデータ伝送時のパケット伝送順番を示す。図6では説明のため、図2の1セル内の無線マルチホップ接続のうち、アグリゲータaまで到達する経路のうちの1つだけを抽出して図示している。
ここでは、アグリゲータaにて、当該セッション(1つのデータ要求パケットをトリガとする一連のデータ送信のシーケンスのこと)のみ有効なテンポラリタイムテーブルを作成し、タイムテーブル付きデータ要求パケット601として、データ要求先無線センサ端末s(k+7)までマルチホップ伝送する。
図7にアグリゲータaから発送されるデータ要求パケット601の内容を示す。データ要求パケット601は、一般的なデータパケットの構成に従い、あて先を示すパケットヘッダ701、上りのパケットか下りのパケットかを識別するパケット識別子704、どのようなデータを要求するかを示す要求データ種別705、確立されたセッションを特定するセッションID706、データの本体であるデータペイロード707等を含む。
本実施例では、データ要求パケット601は、テンポラリタイムテーブル703とマルチホップ経路情報702を含んでいる。マルチホップ経路情報702は、どの無線センサ端末sをどのような順序で経由してパケットが転送されるかを示す。マルチホップ経路情報702は、例えば転送先のセンサ端末sのID等を含む。なお、テンポラリタイムテーブル703とマルチホップ経路情報702の格納位置は、図7の例に限定されるものではない。
図6に示すように、データ要求パケット601は、アグリゲータaから無線センサ端末s〜s(k+6)を経由して無線センサ端末s(k+7)までマルチホップ伝送される。データ要求パケット601を受信した、マルチホップの中継局となる各無線センサ端末s〜s(k+6)は、パケット転送時に受信したデータ要求パケット601のタイムテーブル603を、メモリ305に格納して登録する。
そして、同一のセッションにおいては、テンポラリタイムテーブル703に記載の時刻および周期に基づいて起動し、パケットの送受信を行う。データ要求先無線センサ端末s(k+7)では、データ要求パケット601を受信すると、要求データ種別705で要求されたデータを生成する。また、受信したデータ要求パケット601のテンポラリタイムテーブル703を、メモリ305に格納して登録する。
そして、無線センサ端末s(k+7)は、データ要求パケット601に添付されていたテンポラリタイムテーブル703とマルチホップ経路情報702(の逆順)の記載に従い、定められたタイミングにて、定められた宛先に対して、要求されたデータパケット602の送信を行う。
データ要求パケット601は、例えばアグリゲータaのマイコン(あるいはプロセッサ)401が、メモリ305に格納されているデータを元に生成し、無線通信部302からアンテナ309を介して無線センサ端末sに送信される。
図8に上記通信シーケンスのタイムチャートを示す。無線センサ端末はs、s、sの3つに単純化しているが個数(ホップ数)は任意である。処理S801では、アグリゲータaのマイコン401は、テンポラリタイムテーブル703を作成し、メモリ305に格納する。なお、マイコン401がテンポラリタイムテーブル703を作成するのではなく、アグリゲータaiの外部から有線通信部410経由でテンポラリタイムテーブル703を受信してもよい。
作成したテンポラリタイムテーブル703はデータ要求パケット601に含められ、無線センサ端末s、s、を経由しsに到達する。各無線センサ端末sは、テンポラリタイムテーブル703の必要な部分のコピーをメモリ305に格納する。
要求されたデータパケット602は、テンポラリタイムテーブル703のスケジュールに基づいて、無線センサ端末sから無線マルチホッピング通信によりアグリゲータaに送信される。
各無線センサ端末sは、自己が持つテンポラリタイムテーブル703(のコピー)のスケジュールに基づいて送信、受信のタイミングを知ることができるので、送信あるいは受信が必要ない期間はスリープ状態に移行することにより、消費電力を低減することができる。すなわち、送受信を行う期間の直前にスリープ状態から起動し、直後にスリープ状態に戻る。ここで、スリープ状態とは、例えば回路の一部の機能をオフとしたり、クロック周波数を低下することで、消費電力を低減できる状態であり、どの回路をオフ等にするかは用途により様々があり得る。本実施例では、スリープ状態ではタイマ303など時間管理を行う回路を動作させ、マイコン301の一部や無線通信部302はオフとする。
図9には図6および図8に記載のシーケンスを実現するためのテンポラリタイムテーブル703の具体例を記載する。テンポラリタイムテーブル703には送信端末ID、受信端末ID、送受信の開始時刻と終了時刻が「時:分:秒」で明記されている。各枠901の上段は送受信の開始時刻を、下段は終了時刻を示している。
データ要求パケット601を受信した各無線センサ端末sは、少なくとも自端末が送受信を行うタイミングの開始および終了に関する情報をメモリ305に格納し、このタイミングにより送受信を行う。もっとも、テンポラリタイムテーブル703の単なるコピーをメモリ305に格納してもよい。このほうが、メモリの消費は多いが、処理は簡単である。
テンポラリタイムテーブル703では、アグリゲータaおよび各無線センサ端末sの送信および受信のタイミングを定義している。たとえば、開始時刻「01:05:01.000」、終了時刻「01:05:01.100」の時間枠で、アグリゲータaiが送信を行い、無線センサ端末skが受信を行う。なお、時間単位は任意であり、絶対時間でも相対時間でもよい。無線センサ端末sを、このような通信時刻に基づいて時系列順に並べれば、それはすなわちマルチホッピングのルートと等価である。
テンポラリタイムテーブル703は自由に定義できるので、どの端末をどのタイミングで通信させるかなどの、通信要件あるいは通信条件を自由に定めることができる。通信条件としては、使用する端末の個数や個体の指定、マルチホッピングのルート、送受信時間の長さや間隔も自由に設定することができる。従って、要求するデータの種類に応じて、最適なテンポラリタイムテーブル703を準備することで、効率的かつ柔軟なシステムの運用が可能である。
図9のテンポラリタイムテーブル703は、図6のマルチホッピングのルートを示すが、1つの無線センサ端末sは複数のマルチホッピングのルートに組み込まれる場合もある。その場合は、無線センサ端末sはマルチホッピングのルートごと複数のテンポラリタイムテーブル703を持つ。また、図9に示すテンポラリタイムテーブル703は、図5に示したデータ種別ごとに適したものを作成することができる。その場合も、無線センサ端末sはデータ種別ごとに複数のテンポラリタイムテーブル703を持つ。
複数のテンポラリタイムテーブル703は、送受信が相互に干渉しないように設定すれば、同時に使用することが可能である。この場合、センサ端末sは、メモリ305に複数のテンポラリタイムテーブル703を格納することになる。
また、「繰り返し周期」の値により、本テンポラリタイムテーブルを繰り返し実行する周期を与えている。これにより、テンポラリタイムテーブル受信時に、テーブル記載の時刻が過去の時刻であったとしても、次回以降の通信タイミングを知ることができる。例えば、図9の例では、下りと上りのデータの往復に1.6秒かかるため、タイムテーブルに記載の時刻を開始時刻として1.6秒周期で繰り返すことができる。繰り返し周期を定義することにより、1回目のデータ送信がエラーになった場合でも、1周期後に自動的に2回目のデータ送信を行うことができる。なお、図9の例では、下り通信と上り通信が対称(一対一)になっているが、非対称にしてもよい。例えば、1回の下り通信(例えばデータ要求)に対し、上り通信(例えばデータ送信)に繰り返し周期を適用し、複数回送信するようにしても良い。
なお、本タイムテーブルを用いた同期通信の実行には、別手段で無線センサ端末間の時刻同期が必要であるが、資源探査システムの場合には、センサにGPSを保持しているため、GPSの時刻同期機能による無線センサ端末間時刻同期を活用できる。ただし、別途、有線通信部410や無線通信部302を用いて時刻同期を実現しても良い。
(1−7)アグリゲータの動作
図10にアグリゲータaの動作フローチャートを示す。アグリゲータaは電源ON(S1001)後、受信待機状態に移行し(S1002)、無線パケットの受信があれば(S1003のY)有線通信部410を用いて、有線区間に対しパケット転送処理を実行する(S1004)。
しかし、無線パケット受信がなく(S1003のN)、かつアプリケーションやデータサーバsvからデータ要求があった場合には(S1005)、テンポラリタイムテーブルを作成(S1006)し、データ要求パケット内に含めて、所望のデータ種別の要求パケットとして送信する(S1007)。
ここで、テンポラリタイムテーブル703の作成は、アグリゲータaのマイコン401にて行い、作成後はメモリ305に格納する。あるいは、データサーバsvが作成し、アグリゲータに与えても良い。作成時には、一時的な時分割アクセス方式が実現できるように、1セル内では同一タイムスロットに複数の送受信を含めないように、かつ短時間でデータ転送できるように作成する。また、同時に複数の無線センサ端末に対し、データ要求を発行する(ブロードキャストまたはマルチキャスト)場合には、当該セッションで必要な全ての通信タイミング(全てのデータ要求/データ返信の通信タイミング)が時間的に被らないようにタイムテーブルを作成する必要がある。
(1−8)無線センサ端末の動作
図11に無線センサ端末s、s、sの動作フローチャートを示す。無線センサ端末は電源ON(S1101)後、受信待機状態(S1102)に移行し、無線パケットを受信しなければそのまま受信待機状態を維持する。
無線パケットを受信した場合(S1103)は、それがデータパケット(上り)であれば(S1104の2)、登録済みのテンポラリタイムテーブルを参照(S1108)して、所定のタイミングでパケット送信する(S1109)。
一方、受信した無線パケットがデータ要求パケット(下り)であった場合(S1104の1)、データ要求パケット内のテンポラリタイムテーブル703を自端末のメモリに登録する(S1105)。さらに、当該パケットが自端末宛てでない場合(S1106のN)は、タイムテーブルに従ってパケット送信(転送)を行う。一方、自端末宛てであった場合(S1106のY)は、要求データ種別705で要求されたデータパケットを生成し(S1107)、作成したデータパケットについて、タイムテーブルに従って送信する(S1108、S1109)。
実施例1においては、テンポラリタイムテーブル703を導入し、主に不要な無線電波送信の回避と、干渉回避を主眼にした通信制御方法の具体例を説明した。しかし、実際の無線マルチホップでは受信待機時の電力消費も大きな割合を占める。そこで、本実施例では、起動専用受信機を用いたオンデマンド起動方式の導入により、不要な起動を無くすことで低消費電力を実現しつつ、ユーザからのオンデマンド要求で、複数のデータ種別のデータを取得可能な無線マルチホップネットワークの具体例を記載する。
図12に、テンポラリタイムテーブル703、および起動専用受信機wを用いた通信方式での、マルチホップデータ伝送時のパケット伝送順番を示した。図中の矢印はパケットの伝送方向を示し、矢印に付加される数字はパケットの送出順序を示している。
起動専用受信機wは、各無線センサ端末sに付随して設けられている。起動専用受信機wを用いた場合、起動専用受信機wは常時受信待機状態での運用であるが、無線センサ端末sに関しては全て、デフォルトをスリープ状態にすることができる。起動専用受信機wは無線センサ端末sに比べると、機能を省略するなどして受信待機状態での消費電力が比較的小さい設計となっている。
図12にあるように、起動専用パケット1201のホップ先への送信から通信が開始される。起動専用パケット1201がホップ先の起動専用受信機wk〜w(k+7)に順番に届くことにより、起動専用受信機wは自分が担当する無線センサ端末sを起動させる。その結果、無線センサ端末sk〜s(k+7)が順次スリープ状態から起動し、受信待機状態に移行する。
無線センサ端末sが受信待機状態に移行した後、テンポラリタイムテーブル付きデータ要求パケット601を受信する。図12では、無線センサ端末skがテンポラリタイムテーブル付データ要求パケット601を受信してから、起動専用受信機w(k+1)が起動専用パケット1201を受信するシーケンスであるが、この順序は逆でも良い。
本手順にてテンポラリタイムテーブル付データ要求パケット601が、データ要求先である無線センサ端末s(k+7)に到達すると、無線センサ端末s(k+7)は、要求されたデータパケット602を作成し、テンポラリタイムテーブルに記載のタイミングに従って、データパケット602を送信する。
この際、下り通信(アグリゲータから遠ざかる方向の通信)では起動専用受信機wによる逐次起動を実施するが、上り方向通信(アグリゲータに近づく通信)に関しては、テンポラリタイムテーブルを配信済みであるため、テーブルに記載のタイミングで送受信し、起動専用受信機wによる起動は実施しない。
図13に上記通信シーケンスのタイムチャートを示す。実施例1(図8)と比較すると、無線センサ端末sは本質的に通信に必要なタイミングだけ起動し、それ以外のタイミングでは常時スリープ(S1301、S1304)することで低消費電力化を実現する。
起動専用受信機wは基本的に常時受信待機状態であり、起動専用パケット1201を受信すると、無線センサ端末sに対して起動指示1302を送信し、無線センサ端末sをスリープ(S1301)から、起動/受信待機状態(S1303)に遷移させる。その他の基本的な動作は、図8と同様である。
無線センサ端末skと起動専用受信機wkを例に説明すると、無線センサ端末skは、デフォルトではスリープ状態(S1301)である。起動専用パケット1201を受信した起動専用受信機wkは、無線センサ端末skに対して起動指示1302を送信し、無線センサ端末skを起動/受信待機状態(S1303)に遷移させる。
起動した無線センサ端末skは、その後送信されるテンポラリタイムテーブル付データ要求パケット601を受信すると、テンポラリタイムテーブル703を登録する(S802)。その後、無線センサ端末skは、テンポラリタイムテーブル703のスケジュールに従って、送信および受信を行う。送信および受信のタイミング以外では、スリープ状態(S1304)に遷移し、タイマなどで時間のモニタのみを行い、送受信のタイミングで起動することにより、消費電力を削減することができる。なお、テンポラリタイムテーブル703に基づいて、送信および受信のタイミング以外で、スリープ状態(S1304)に移行する制御は、実施例1でも同様に可能である。
図14は、本実施例に係る無線センサ端末sと起動専用受信機wとの接続、および起動専用受信機wの構成を示すブロック図である。
ここで、無線センサ端末sと起動専用受信機wは一対一で接続され、起動専用受信機wは、受信した起動専用パケット1201に含まれる起動先アドレス情報の判別だけを実施すればよい。このため、起動専用受信機wは機能を簡略化した、低消費電力の構成とすることができる。アドレス情報が自端末IDである、またはアドレス情報がブロードキャストIDの場合、起動専用受信機wは、接続されている無線センサ端末sに対し、起動指示1302を送信し、無線センサ端末sを起動する。一例として、アドレス情報は起動専用パケット1201のビット長とすることができる。
図14では上記同様に、アドレス情報をパケットのビット長とする場合の、起動専用受信機wの構成例を示した。アンテナ1401で受信した無線パケットをアンプ1402で増幅、バンドパスフィルタ(BPF)1403で帯域外ノイズを除去した上で、包絡線検出部1404で処理する。ローパスフィルタ(LPF)1405で信号を平準化し、アナログ/デジタル変換器(ADC)1406でデジタル出力し、MCU(Micro Controller Unit)1407にてビットカウントを行うものである。
カウントした値が、MCUに登録されたアドレス情報と一致すれば、起動指示1302を生成して無線センサ端末sを起動し、一致しなければ何も実行しない。
図15には本実施例における、無線センサ端末のsの動作フローチャートを示す。実施例1の図11と比較すると、常時スリープ状態(S1501)に移行するステップ、および起動専用受信機wからの起動信号をチェックし(S1502)、起動信号を受信した場合には無線センサ端末sを起動状態にするステップ(S1503)が追加されている。
また、データ要求パケットが自端末宛で無かった場合には、データ要求パケットのあて先となる無線センサ端末までのマルチホップ経路を起動させるために、起動用パケットを生成して(S1504)送信する。アグリゲータから、あるデータ要求パケットが送信され、それに対して要求されたデータパケット(センサデータ)がアグリゲータに到達するまで(当該セッション)の間、または、あるデータ要求パケットが送信されてからタイマ等でカウントする一定時間の間、他のデータ要求をアグリゲータが発行しないように保護する、または下り通信用のテンポラリタイムテーブル(送信タイミングだけを記載)を用いる等により、起動専用パケット1201同士の干渉を回避することができる。また、テンポラリタイムテーブルで、起動専用パケット1201の送信が終了するタイミングで通信が開始するように設定しておけば、センサデータとの干渉を避けることができる。
図16は、起動専用受信機wの動作を示すフローチャート図である。電源ON(S1601)後、受信待機状態(S1602)に入り、無線パケットを受信すると(S1603)、ビット長カウントを行う(S1604)。ビット長が自端末のIDを示すものでなければ、無視して受信待機に戻る。
ビット長が自端末IDあるいはブロードキャストである場合には(S1605)、起動パケットを生成し、無線センサ端末に送信して(S1606)、無線センサ端末sをスリープ状態から起動させる。
図17には本実施例におけるテンポラリタイムテーブル703−2の一例を示す。各枠1701の上段は送受信の開始時刻を、下段は終了時刻を示している。本実施例では、下り通信は起動専用パケット1201によるオンデマンド起動/通信により、任意のタイミングで実現するため、テンポラリタイムテーブル703−2には上り通信に関するタイミング指示のみが含まれる。
図18に本実施例におけるテンポラリタイムテーブルを含むデータパケット(上り通信)601−2のパケット内容を示す。実施例1の図7と共通部分の説明は省略し、特徴点を説明する。本実施例は、テンポラリタイムテーブルの削除手順が含まれる。
実施例1または実施例2において、テンポラリタイムテーブルを含むパケットのデータ部にはパケット終了フラグ1801を挿入し、データパケット生成元(すなわち、データ要求パケットの送付先)にて当該パケットが当該セッションにおいて最終のパケットであるか否かのフラグビットとして活用する。
マルチホップ経路内の各無線センサ端末sは、転送パケットのパケット終了フラグ1801を確認して、ONであれば、当該セッションにおける自身の役割は完了したと判断し、テンポラリタイムテーブル703あるいは703−2を削除する。また必要に応じて、直ちにスリープモードに移行する。パケット終了フラグ1801がOFFであれば、当該セッションにおける自身の役割は未完と判断し、テンポラリタイムテーブルを継続使用する。
図19はテンポラリタイムテーブルの削除手順を含む無線センサ端末のsの動作フローチャートを示す。図15との差異は、無線パケット受信(S1806(図15のS1103に対応))後の、データ要求パケットorデータパケット受信時の処理フローの中にある。すなわち、データ要求パケット受信の場合、かつ自端末宛て要求パケットであった場合(S1809)、当該セッションの最終パケットの場合にはパケット終了フラグをONにする(S1815)、データパケットの場合は、パケット終了フラグを確認(S1816)後、フラグがONである場合には、タイムテーブルを参照(S1817)してパケット転送(S1818)完了後に、テンポラリタイムテーブルを破棄する(S1820)処理である。また、図18のパケット終了フラグ1801の代替手段として、テーブル有効期限情報を挿入し、これをタイムテーブル削除時刻を示すものとして使用し、無線センサ端末sでは、当該削除時刻にタイムテーブルを削除するようにしても良い。
前述した各実施例の機能は、マイコン301あるいは401が、メモリ305等に格納されたソフトウェアのプログラムコードを実行することで、他のハードウェアを制御することにより実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体により、ソフトウェアをシステム又は装置に提供することができる。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本実施例を構成することになる。
また本実施例中、ソフトウェアで構成した機能と同等の機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアでも実現できる。そのような態様も本願発明の範囲に含まれる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
以上説明した実施例によれば、ユーザからのオンデマンドな通信要求に対し、一時的な時分割通信を実現することができる。よって、不要な無線センサ端末の起動を回避することができるため、低消費電力な無線センサネットワークを提供可能である。また、ユーザからのオンデマンドな通信要求が発生するたびに最適な時分割通信を確保できるため、マルチデータ種別にも対応可能であり、かつ無線センサ端末への明示的な事前の無線帯域割当が不要になるため、ダウンタイムを低減することができる。
F…測定対象フィールド
D…データセンタ
s…無線センサ端末
a…アグリゲータ(無線データ集約装置)
sv…データサーバ
L…通信ケーブル
301、401…マイコン
305…メモリ

Claims (15)

  1. 中間集約装置と、前記中間集約装置と無線接続された複数の無線端末と、からなるマルチホップ無線通信システムであって、
    前記中間集約装置は、
    データを要求するデータ要求パケットに、当該データを送信するための通信要件を含め、中継端末となる前記無線端末を経由して、データ要求先端末となる前記無線端末に送信し、
    前記中継端末および前記データ要求先端末は、
    要求された前記データを含むデータパケットを、前記通信要件に従って、前記中間集約装置に送信する、
    マルチホップ無線通信システム。
  2. 前記通信要件は、
    前記無線端末の送信および受信のタイミングを示すタイミング要件を含み、
    前記中継端末は、
    前記タイミング要件に従って前記データパケットの送受信を行うことにより、マルチホップ無線通信を行う、
    請求項1記載のマルチホップ無線通信システム。
  3. 前記中間集約装置は、
    前記タイミング要件を表すテンポラリタイムテーブルを、前記データ要求パケットに含めて送信し、
    前記中継端末は、
    前記データ要求パケットの中の、前記テンポラリタイムテーブルの少なくとも一部を保存して、前記テンポラリタイムテーブルに基づく前記タイミング要件に従って、前記データパケットの送受信を行う、
    請求項2記載のマルチホップ無線通信システム。
  4. 前記データ要求パケットは、
    要求する前記データのデータ種別を含み、
    前記データ要求先端末は、
    前記データ種別に対応したデータを前記中間集約装置に送信する、
    請求項3記載のマルチホップ無線通信システム。
  5. 前記データ要求パケットは、
    前記テンポラリタイムテーブルの繰り返し周期情報を含む、
    請求項3記載のマルチホップ無線通信システム。
  6. 前記中継端末は、
    前記テンポラリタイムテーブルに基づく前記タイミング要件に従って、スリープ状態と前記データパケットの受信待機状態の間を遷移する、
    請求項3記載のマルチホップ無線通信システム。
  7. 前記無線端末は対となる起動専用受信機と接続され、
    前記起動専用受信機は、
    起動専用パケットを受信すると、起動指示を対となる前記無線端末に送信し、
    前記無線端末は、
    前記起動指示をスリープ状態で待ちうけ、起動指示を受信すると前記データパケットの受信待機状態に遷移する、
    請求項3記載のマルチホップ無線通信システム。
  8. 前記中継端末および前記データ要求先端末は、
    前記データを前記中間集約装置に送信後、保存した前記テンポラリタイムテーブルの少なくとも一部を破棄する、
    請求項3記載のマルチホップ無線通信システム。
  9. 前記データを送信するためのデータパケットは、
    パケット終了フラグを備え、
    前記データ要求先端末は、
    前記データの要求に対して最後のデータパケットを送信する際に、前記パケット終了フラグにデータ送信の終了を表示し、
    前記最後のデータパケットの中継端末となる前記無線端末は、
    前記パケット終了フラグを確認し、確認した結果に基づいて、自身の保存した前記テンポラリタイムテーブルの少なくとも一部を廃棄する、
    請求項8記載のマルチホップ無線通信システム。
  10. 前記データを送信するためのデータ要求パケットは、
    テーブル有効期限情報を備え、
    前記中継端末および前記データ要求先端末は、
    前記データ要求パケットを受信時に、前記テンポラリタイムテーブルと同時に前記テーブル有効期限情報を取得し、前記テーブル有効期限情報に基づいて、自身の保存した前記テンポラリタイムテーブルの少なくとも一部を廃棄する、
    請求項8記載のマルチホップ無線通信システム。
  11. 複数の無線端末からのデータをマルチホップ無線通信によって集約する中間集約装置であって、
    前記データを要求するデータ要求パケットを生成し、中継端末となる前記無線端末を経由して、データ要求先端末となる前記無線端末に送信し、
    前記データ要求パケットは、
    前記中継端末となる前記無線端末、および、前記データ要求先端末となる前記無線端末の、当該データの送信および受信の少なくとも一つのタイミングを示すテンポラリタイムテーブルを含む、
    中間集約装置。
  12. 前記データ要求パケットは、
    前記データ要求先端末に要求する要求データ種別を含む、
    請求項11記載の中間集約装置。
  13. マルチホップ無線通信システムに用いられる、データの送信元端末あるいは中継端末となる無線端末であって、
    前記データを要求するデータ要求パケットを、前記中継端末として受信した場合に、
    前記データ要求パケットに含まれる、前記無線端末の送信および受信のタイミングを示す情報を記憶し、
    前記送信および受信のタイミングに基づいて、要求された前記データの送受信を行う、
    無線端末。
  14. 前記データ要求パケットに含まれる、前記無線端末の送信および受信のタイミングの周期を示す情報を記憶し、
    前記送信および受信のタイミングの周期に基づいて、前記データの送受信を行う、
    請求項13記載の無線端末。
  15. 前記送信および受信のタイミングに基づいて、
    スリープ状態と前記データの受信の待ち受け状態の切り替えを行う、
    請求項13記載の無線端末。
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