JP2018173328A - 粉塵の種類判別方法、装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
粉塵の種類の判別は、従来より顕微鏡による目視観察で行なわれているが、観察結果を得るまでに時間がかかるとともに、観察者の熟練度によって観察結果がばらついてしまうおそれがある。
特許文献1には、透過光を用いて微粒子群を撮像した透過光画像と、反射光を用いて微粒子群を撮像した反射光画像とに基づき、粒子の明度を識別する手法が開示されている。粒子の明度を識別することにより、鉄系煤塵および石炭系煤塵からなる微粒子群と、高炉スラグ系煤塵および製鋼スラグ系煤塵からなる微粒子群とを識別することができる。
また、特許文献2には、カラー画像をもとに、黒色系の粉塵を石炭あるいはコークスの粉塵と判別し、赤色系の粉塵を鉄鉱石あるいは焼結石の粉塵と判別する手法が開示されている。
なお、特許文献1では、粒子の明度だけでは大まかな種類の判別となることから、さらに着磁性の有無に着目し、明度の高低と着磁性の有無との組み合わせにより、石炭系煤塵、鉄系煤塵、高炉スラグ系煤塵及び製鋼スラグ系煤塵の4種類に判別するようにしている。しかしながら、画像処理とは別途、着磁性/非着磁性を識別する必要があり、手間がかかってしまう。
[1] 粉塵の種類を判別する粉塵の種類判別方法であって、
粉塵を撮像したカラー画像に含まれる粒子部分について、その色を表現する所定の色空間の構成要素のうち少なくとも2以上を用いて複数の特徴量を生成する特徴量生成手順と、
前記特徴量生成手順で生成した複数の特徴量に基づいて、前記粒子部分の粉塵の種類を判別する判別手順とを有し、
前記カラー画像として、同対象を撮像した明視野画像及び偏光画像を用いることを特徴とする粉塵の種類判別方法。
[2] 前記所定の色空間はHSV色空間であり、その構成要素は色相、彩度、及び明度であることを特徴とする[1]に記載の粉塵の種類判別方法。
[3] 前記特徴量生成手順では、前記特徴量として、前記粒子部分の色相の値、彩度の値、及び明度の値うち少なくとも2以上の分布情報を生成することを特徴とする[2]に記載の粉塵の種類判別方法。
[4] 前記粒子部分の色相の値の分布情報は、前記粒子部分を構成する画素毎の色相の値と画素数との関係を表わし、
前記粒子部分の彩度の値の分布情報は、前記粒子部分を構成する画素毎の彩度の値と画素数との関係を表わし、
前記粒子部分の明度の値の分布情報は、前記粒子部分を構成する画素毎の明度の値と画素数との関係を表わすことを特徴とする[3]に記載の粉塵の種類判別方法。
[5] 前記特徴量生成手順では、前記特徴量として、前記粒子部分の色相、彩度、及び明度のうち少なくとも2以上の平均値を生成することを特徴とする[2]乃至[4]のいずれか一つに記載の粉塵の種類判別方法。
[6] 前記判別手順では、粉塵の種類が既知であるサンプル画像を用いて学習させた判別モデルを用いて、粉塵の種類を判別することを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の粉塵の種類判別方法。
[7] 製鉄所で捕集した粉塵を対象とし、
前記判別手順では、少なくとも石炭、コークス、鉄鉱石及び焼結鉱を判別することを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の粉塵の種類判別方法。
[8] 粉塵の種類を判別する粉塵の種類判別装置であって、
粉塵を撮像したカラー画像に含まれる粒子部分について、その色を表現する所定の色空間の構成要素のうち少なくとも2以上を用いて複数の特徴量を生成する特徴量生成手段と、
前記特徴量生成手段で生成した複数の特徴量に基づいて、前記粒子部分の粉塵の種類を判別する判別手段とを備え、
前記カラー画像として、同対象を撮像した明視野画像及び偏光画像を用いることを特徴とする粉塵の種類判別装置。
[9] 粉塵の種類を判別するためのプログラムであって、
粉塵を撮像したカラー画像に含まれる粒子部分について、その色を表現する所定の色空間の構成要素のうち少なくとも2以上を用いて複数の特徴量を生成する特徴量生成処理と、
前記特徴量生成処理で生成した複数の特徴量に基づいて、前記粒子部分の粉塵の種類を判別する判別処理とをコンピュータに実行させ、
前記カラー画像として、同対象を撮像した明視野画像及び偏光画像を用いることを特徴とするプログラム。
本実施形態では、本発明を、製鉄所で捕集した粉塵の種類を判別するのに適用する例を説明する。なお、本願において粉塵とは、煤塵も含む広い概念であるとする。製鉄所由来の代表的な粉塵には、石炭、コークス、鉄鉱石、焼結鉱等がある。石炭やコークスは、炭素を主成分とする黒色系の粒子であり、鉄鉱石や焼結鉱は、鉄や酸化鉄を主成分とする赤色系の粒子である。
カラー画像の各画素において、色相H、彩度S及び明度Vはそれぞれ0〜255の値で表わされる。粒子部分の色相Hの平均値は、粒子部分を構成する全画素の色相の値を加算し、その画素数で除算して算出される。粒子部分の彩度Sの平均値、明度Vの平均値についても同様である。
判別部104による粉塵の種類の判別には、粉塵の種類が既知であるサンプル画像を用いて学習させた判別モデルを用いる。判別モデルには、例えば汎用性、判別性能の高いモデルであるサポートベクターマシンが採用される。
このように一の粒子部分に対して多数の特徴量に基づいて粉塵の種類を判別するようにしたので、画像処理を用いた手法により、粉塵の種類を簡易かつ迅速に判別することができる。
石炭、コークス、鉄鉱石、焼結鉱、砂及びその他に判別するために、それぞれ表1に示す個数のサンプルの画像(明視野写真及び偏光写真)を準備した。判別モデルにはサポートベクターマシンを採用し、明視野写真及び偏光写真を用いて学習させた。また、比較例として、明視野写真だけを用いて学習させた。なお、本実施例において、その他とは、判別すべき粉塵以外のものとしている。例えば試料となる樹脂の研磨面のキズや汚れや研磨面に出ていなが透けて見える粉塵等、判別すべき粉塵ではないが、粒子部分として抽出される可能性があるものを学習して分類している。
こうして得られた判別モデルに未判別の粉塵400個について、各粉塵の特徴量を与えて計算した。その結果、明視野写真だけを用いて学習させた比較例では、人手による目視観察での分析との適合率が75%程度であったのに対し、明視野写真及び偏光写真を用いて学習させた本実施例では、適合率が92%程度であった。このように、明視野写真及び偏光写真を用いることにより、判別精度をより高められることが実証された。
例えば上記実施形態では、粒子部分の色相Hの値の分布情報及び彩度Sの値の分布情報を生成するのに、明視野写真及び偏光写真について粒子部分の色相Hの値及び彩度Sの値をそれぞれ64分割して連結するようにしたが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、明度Vは撮像時の環境に依存しやすいことから、粒子部分の明度Vの値の分布情報は生成しないようにしたが、明度Vの値の分布情報を生成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、粒子部分の色を表現する色空間としてHSV色空間を例にしたが、明度に換えて輝度(L:luminance)を取り扱うHSL色空間としてもよい。また、RGB色空間やLab色空間としてもよい。
また、本発明は、ソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。
101:入力部
102:抽出部
103:特徴量生成部
104:判別部
105:出力部
Claims (9)
- 粉塵の種類を判別する粉塵の種類判別方法であって、
粉塵を撮像したカラー画像に含まれる粒子部分について、その色を表現する所定の色空間の構成要素のうち少なくとも2以上を用いて複数の特徴量を生成する特徴量生成手順と、
前記特徴量生成手順で生成した複数の特徴量に基づいて、前記粒子部分の粉塵の種類を判別する判別手順とを有し、
前記カラー画像として、同対象を撮像した明視野画像及び偏光画像を用いることを特徴とする粉塵の種類判別方法。 - 前記所定の色空間はHSV色空間であり、その構成要素は色相、彩度、及び明度であることを特徴とする請求項1に記載の粉塵の種類判別方法。
- 前記特徴量生成手順では、前記特徴量として、前記粒子部分の色相の値、彩度の値、及び明度の値うち少なくとも2以上の分布情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の粉塵の種類判別方法。
- 前記粒子部分の色相の値の分布情報は、前記粒子部分を構成する画素毎の色相の値と画素数との関係を表わし、
前記粒子部分の彩度の値の分布情報は、前記粒子部分を構成する画素毎の彩度の値と画素数との関係を表わし、
前記粒子部分の明度の値の分布情報は、前記粒子部分を構成する画素毎の明度の値と画素数との関係を表わすことを特徴とする請求項3に記載の粉塵の種類判別方法。 - 前記特徴量生成手順では、前記特徴量として、前記粒子部分の色相、彩度、及び明度のうち少なくとも2以上の平均値を生成することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の粉塵の種類判別方法。
- 前記判別手順では、粉塵の種類が既知であるサンプル画像を用いて学習させた判別モデルを用いて、粉塵の種類を判別することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の粉塵の種類判別方法。
- 製鉄所で捕集した粉塵を対象とし、
前記判別手順では、少なくとも石炭、コークス、鉄鉱石及び焼結鉱を判別することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の粉塵の種類判別方法。 - 粉塵の種類を判別する粉塵の種類判別装置であって、
粉塵を撮像したカラー画像に含まれる粒子部分について、その色を表現する所定の色空間の構成要素のうち少なくとも2以上を用いて複数の特徴量を生成する特徴量生成手段と、
前記特徴量生成手段で生成した複数の特徴量に基づいて、前記粒子部分の粉塵の種類を判別する判別手段とを備え、
前記カラー画像として、同対象を撮像した明視野画像及び偏光画像を用いることを特徴とする粉塵の種類判別装置。 - 粉塵の種類を判別するためのプログラムであって、
粉塵を撮像したカラー画像に含まれる粒子部分について、その色を表現する所定の色空間の構成要素のうち少なくとも2以上を用いて複数の特徴量を生成する特徴量生成処理と、
前記特徴量生成処理で生成した複数の特徴量に基づいて、前記粒子部分の粉塵の種類を判別する判別処理とをコンピュータに実行させ、
前記カラー画像として、同対象を撮像した明視野画像及び偏光画像を用いることを特徴とするプログラム。
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