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JP2018164025A - プリント配線板とその製造方法 - Google Patents

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JP2018164025A JP2017061264A JP2017061264A JP2018164025A JP 2018164025 A JP2018164025 A JP 2018164025A JP 2017061264 A JP2017061264 A JP 2017061264A JP 2017061264 A JP2017061264 A JP 2017061264A JP 2018164025 A JP2018164025 A JP 2018164025A
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Abstract

【課題】放熱手段として、金属片を金属片収容孔に配置しても、放熱体配置面側開口端の位置から突出せず、しかもクラックの発生もないプリント配線板を提供する。【解決手段】プリント配線板PWは、絶縁基板1と、当該絶縁基板1を貫通する金属片収容孔8と、当該金属片収容孔内に接着剤10を介して固定された熱伝導性樹脂付き金属片9からなり、当該金属片9の電子部品接続側露出面が、当該金属片収容孔8の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置にあるとともに、当該金属片9の放熱体接続側露出面が、当該金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置よりも電子部品実装面側開口端の位置側に凹んだ位置にあり、且つ、金属片9の放熱体接続側露出面に形成された熱伝導性樹脂15aが金属片9の放熱体接続側露出面と金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置との間の距離に相当する厚みを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品からの発熱を、当該電子部品の直下に配置した金属片によって、当該電子部品実装面と対向する面側に配置された放熱体へと伝熱させるプリント配線板とその製造方法に関するものである。
電子部品(例えば、「FET」や「MOSFET」などの、発熱量の多い表面実装型電子部品)からの発熱を効率よく外部に放熱させる手段として、プリント配線板に実装する電子部品の直下に、貫通めっきスルーホールからなるサーマルビアを複数設け、当該プリント配線板の裏面側に配置された放熱体(放熱パターンやヒートシンク)などを介して外部に放熱させるという手段が、従来、一般的に利用されてきた。
しかし、機器の高機能化、高性能化の進展により、電子部品からの発熱量が、従来の物とは比べ物にならないほど多くなってきたため、上記貫通めっきスルーホールからなるサーマルビアでは、処理しきれなくなってきた(即ち、電子部品を正常に動作させるだけの放熱処理ができなくなってきた)。
そこで近年では、上記サーマルビアに代えて、熱容量の大きい金属片(例えば「銅片」)を埋め込むという手段が検討報告されている(例えば、特許文献1参照)。
上記「金属片」を埋め込む構成のプリント配線板の一例を、図7に示したプリント回路基板Pcの概略断面図を用いて説明する。
なお、文中(本発明の構成を説明する文も含む)に、「プリント配線板」と「プリント回路基板」という用語が登場するが、説明の便宜上、電子部品と放熱体を実装及び配置する前のものを「プリント配線板」、これらを実装及び配置した後のものを「プリント回路基板」と使い分けて表記している。
また、金属片収容孔に金属片を収容する際の説明において、「電子部品実装面側開口端」、「放熱体配置面側開口端」という用語が登場するが、ここでいう「開口端」とは、「絶縁基板」に設けられた「金属片収容孔」の開口端部のみを意味するものではなく、「金属片収容孔開口端」の周囲を囲うように設けられる、例えば図6及び図7に示される「外層配線パターン3a、3b」や「ソルダーレジスト7」が、「電子部品11や放熱体14」と「金属片収容孔8」の開口端部との間に存在する場合には、当該「外層配線パターン3a、3b」や「ソルダーレジスト7」によって形成された開口端部を意味する。尚、図6中、符号10は接着剤、8Aは電子部品実装面側開口端の位置、8Bは放熱体配置面側開口端の位置を示している。
図7において、プリント回路基板Pcは、少なくとも、絶縁基板1と、当該絶縁基板1の一方の面に実装された電子部品11と、当該絶縁基板1の他方の面に配置された放熱体(ヒートシンクなど)14と、当該絶縁基板1を貫通する金属片収容孔8と、当該金属片収容孔8内に配置され、且つ、電子部品接続側露出面99A側では半田13を介して電子部品11と接続されるとともに、放熱体接続側露出面99B側では熱伝導性接着剤(熱伝導性及び絶縁性のあるグリスやシートなど)15を介して放熱体14と接続される金属片99と、当該絶縁基板1における電子部品実装側面Aであって、当該金属片収容孔8を囲うように形成されたソルダーレジスト7とを備えた構成からなる。尚、図中に示した符号12は、電子部品11から引き出された端子であり、プリント配線板Pwに設けられた実装パッド3cに半田を介して接続されている。
当該金属片収容孔8内に配置されている金属片99としては、電子部品接続側露出面99A側に、半田付け工程時に半田が流出するのを抑制するための凹部99aを設けたものが用いられているとともに、当該凹部99aと反対側、即ち凸部99b側の面(放熱体接続側露出面99B)を、絶縁基板1の放熱体配置側面B(放熱体14を配置する側の面)と同一平面になるように配置されている。
ところで、この種のプリント回路基板に使用されるプリント配線板を製造する上で最も注意が必要となるのが、金属片収容孔内に配置される金属片のZ軸方向の飛び出しである。
例えば、図7の構成を用いて説明すると、電子部品接続側露出面99Aが金属片収容孔8の周囲を囲うように形成されたソルダーレジスト7よりも突出してしまった場合には、当該電子部品11の実装不良が発生する懸念があり、また、放熱体接続側露出面99Bが絶縁基板1の下面(放熱体配置側面B)よりも突出してしまった場合には、金属片99と金属性の放熱体14との距離が狭まり、絶縁性を有する熱伝導性接着剤15が薄くなってしまうため、金属片99と放熱体14との間の絶縁信頼性を確保できなくなるという懸念があるからである。
従って、通常では、金属片や絶縁基板(プリント配線板)の寸法誤差を考慮して、当該金属片収容孔の上下に位置する開口端(図7の構成でいうと、電子部品実装側面Aでは、金属片収容孔8の周囲を囲うように形成されているソルダーレジスト7の外側の面に相当し、放熱体配置側面Bでは、絶縁基板1の下面に相当)の間の長さよりも短い寸法(確実に金属片収容孔8の上下に位置する開口端の位置以内に収まる寸法)の金属片を配置するようにしている。
然るところ、図7に示すプリント配線板Pwには、実際上以下のような問題があった。
即ち、図7に示したプリント配線板Pwにおいても、金属片収容孔8の上下に位置する開口端の間の長さ(電子部品実装面側開口端の位置8Aと放熱体配置面側開口端の位置8Bとの間の長さ)よりも短い寸法の金属片99を配置するようにしているが、金属片99の配置方法として、放熱体接続側露出面99Bと絶縁基板1の放熱体配置側面Bとが同一平面となるように配置しているため、絶縁基板1(プリント配線板Pw)に、図8に示した大きな反り部が発生していた場合、金属片99の放熱体接続側露出面99Bが、金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置8Bから突出してしまい、上記で説明したような、放熱体14との間の絶縁信頼性が確保できなくなる危険性がある、という問題である。
このような危険性を回避する手段としては、金属片99を金属片収容孔8内に配置した際に、当該金属片99の放熱体接続側露出面99Bが、絶縁信頼性及び放熱性能に影響が出ない範囲で放熱体配置面側開口端の位置8Bよりも電子部品実装面側開口端の位置8A側に凹んだ位置となるように配置することが考えられるが、予め、当該凹み量や孔径に対応した突起部を有する治具などを用意する必要があるため(仕様が変わるごとに用意する必要がある)、コストや手間がかかるのが実状であった。
因みに、金属片99の電子部品接続側露出面99A側の面に関しては、流動性のある半田で、ある程度の寸法誤差に対応できるため、少し大きめの凹み量となるように設定しておけば、特に問題となることはない。
さらに、特許文献1に示されるプリント配線板Pwでは、金属片99の配置方法として、「圧入方式」を採用していることも懸念点の一つとして挙げられる。
即ち、「圧入方式」は、金属片収容孔8の孔径よりも小さい径で、且つ、当該金属片収容孔8のZ軸方向の寸法よりも長い金属片99を塑性変形(圧力による変形)させることで、金属片99を金属片収容孔8内に固定させる(即ち、金属片収容孔8の内壁をX−Y方向に押し広げる力で固定させる)ものなので、絶縁基板1にクラックを発生させる懸念があるからである。
特許第5885630号公報
本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みなされたものであり、突起部を有する専用の治具などを使用せずとも、金属片の放熱体接続側露出面が、絶縁信頼性及び放熱性能に影響が出ない範囲で、金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも電子部品実装面側開口端の位置側に凹んだ位置となるように、当該金属片を配置することができ、さらに当該金属片の挿入時に絶縁基板にクラックが発生することのないプリント配線板と、このような絶縁信頼性及び放熱性能に優れたリント配線板が、低コストで且つ容易に得られる製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、熱伝導性樹脂付き金属片を用い、且つ、当該金属片を接着剤で固定すれば極めて良い結果が得られることを見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、電子部品からの発熱を、当該電子部品の直下に配置した金属片によって、当該電子部品実装側面と反対の面側に配置された放熱体へと伝熱させるプリント配線板であって、少なくとも、絶縁基板と、当該絶縁基板を貫通する金属片収容孔と、当該金属片収容孔内に接着剤を介して固定された熱伝導性樹脂付き金属片からなり、当該金属片の電子部品接続側露出面が、当該金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置にあるとともに、当該金属片の放熱体接続側露出面が、金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも電子部品実装面側開口端の位置側に凹んだ位置にあり、且つ、当該金属片の放熱体接続側露出面に形成された熱伝導性樹脂が当該金属片の放熱体接続側露出面と金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置との間の距離に相当する厚みを有していることを特徴とするプリント配線板により上記課題を解決したものである。
また、本発明は、電子部品からの発熱を、当該電子部品の直下に配置した金属片によって、当該電子部品実装側面と反対の面側に配置された放熱体へと伝熱させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、絶縁基板に金属片収容孔を形成する工程と、当該金属片収容孔内に配置した際に、金属片の電子部品接続側露出面が、金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置となるとともに、当該金属片の放熱体接続側露出面が、金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも電子部品実装面側開口端の位置側に凹んだ位置となる長さを有する金属片の放熱体接続側露出面に、当該放熱体接続側露出面と金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置との間の距離に相当する厚みの熱伝導性樹脂を形成する工程と、当該熱伝導性樹脂付き金属片を金属片収容孔内に挿入する工程と、当該金属片収容孔と金属片との隙間に接着剤を供給して、当該金属片を金属片収容孔内に固定する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
本発明によれば、金属片収容孔に配置する金属片として、予め、当該金属片の放熱体接続側露出面に、所望の厚みの熱伝導性樹脂が形成された熱伝導性樹脂付き金属片を配置するようにしたため、放熱性能及び絶縁信頼性に優れたプリント配線板を、低コストで且つ容易に得ることができる。
さらに、当該金属片の固定方法として、金属片収容孔の内壁と金属片との間にできる隙間に、接着剤を流し込むという方法を採用したため、圧入方式の際に問題となっていたクラック問題も無くすことができる。
本発明プリント配線板を用いたプリント回路基板の概略断面図。 (a)〜(c)は、本発明プリント配線板の製造例を示す概略断面工程図。 (d)〜(f)は、図2に続く概略断面工程図。 放熱体接続側露出面に熱伝導性樹脂が形成された金属片の製造例を示す概略断面図で、(a)は金属板の一方の面に熱伝導性樹脂と保護フィルムが順次積層された状態のものを示し、(b)は、(a)のものを打ち抜き加工して、個片の金属片(熱伝導性樹脂付き)とした状態のものを示している。 本発明プリント配線板における金属片の固定状態を示す概略平面図。 本発明プリント配線板における金属片収容孔の開口端の位置を示す概略断面図。 従来のプリント回路基板の概略断面図。 従来のプリント配線板において、金属片が絶縁基板の下面から突出した例を示す要部概略断面図。
以下本発明プリント配線板の実施の形態を、図1を用いて説明する。尚、説明の便宜上、金属片収容孔に金属片(熱伝導性樹脂付きのもの)を収容する前の段階のものを「絶縁基板」、収容後のものを「プリント配線板」として説明を進めて行く。
図1において、PWはプリント配線板でその絶縁基板1は、3層のコア絶縁層100と、当該3層のコア絶縁層100の境界面及び表裏面に形成された内層配線パターン2と、当該3層のコア絶縁層100の各面に形成されている内層配線パターン2を上下方向で接続するベリードホール4とからなるコア基板1aと、当該コア基板1aの表裏面に1層ずつ積層された層間絶縁層101と当該層間絶縁層101のそれぞれの外層側に形成された外層配線パターン3a、3bや実装パッド3cとからなるビルドアップ層1bと、当該コア基板1aと当該コア基板1aの表裏に積層されているビルドアップ層1bとを貫通し、且つ、当該コア基板1aとビルドアップ層1bに形成さている内層配線パターン2及び外層配線パターン3a、3bを上下方向で接続する貫通めっきスルーホール5と、当該外層配線パターン3bと当該外層配線パターン3bに隣接する内層配線パターン2とを接続するブラインドバイアホール6と、3層のコア絶縁層100と当該3層のコア絶縁層100の表裏面に積層されている層間絶縁層101とを貫通し、且つ、電子部品11が実装される直下の位置に形成された金属片収容孔8と、当該外層配線パターン3a、3bを保護するソルダーレジスト7とから構成されている。
斯かる絶縁基板1において、9は金属片で、その電子部品接続側露出面9Aが、金属片収容孔8の電子部品実装面側開口端の位置8A以下の位置、より具体的には電子部品実装側面Aの外層配線パターン3aの外側面と同一かそれより下の位置にあるとともに、その放熱体接続側露出面9Bが、金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置8Bより凹んだ位置、より具体的には放熱体配置側面Bの層間絶縁層101の外側面よりも電子部品実装面側開口端の位置8A側に凹んだ位置にある状態で、金属片収容孔8と金属片9との隙間に供給した接着剤10を介して当該金属片収容孔8内に配置固定され、プリント配線板PWが構成されている。
尚、本発明においては、金属片9として、放熱体接続側露出面9Bに、予め、硬化済みの熱伝導性樹脂15aが、当該放熱体接続側露出面9Bと金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置8Bとの間の距離に相当する厚みで形成された、熱伝導性樹脂付き金属片500を用いるようにしたため、金属片9を、上記配置位置に固定する際に、専用の治具(放熱体配置面側開口端の位置8Bからの凹み量や金属片収容孔8の孔径に対応した突起部を有する治具)を用意する必要がなく、また、絶縁基板1(プリント配線板PW)に大きな反りが発生していた場合においても、金属片9と放熱体14との間の絶縁信頼性を確保することができる。
また、当該プリント配線板PWの一方の面に電子部品11が半田13を介して実装されているとともに、他方の面に放熱体14が熱伝導性接着剤15を介して配置されてプリント回路基板PCが構成されている。尚、図1中、符号12は電子部品11から引き出された端子で、実装パッド3cに半田を介して接続されている。
続いて、上記プリント配線板PWの製造方法を図2及び図3を用いて説明する。
まず、周知の方法により、3層のコア絶縁層100(100a、100b)の境界面及び表裏面に内層配線パターン2を形成するとともに、各面に形成された内層配線パターン2を上下方向で接続するベリードホール4を形成することによって、コア基板1aを得る。
その後、当該コア基板1aの表裏面に、層間絶縁層101と金属箔102とからなるビルドアップ層1bを積層することによって、図2(a)に示した6層構造の中間基板を得る。
コア絶縁層100a、100bとしては、材料的には一般的に用いられるガラスクロスなどの補強繊維にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させたものが利用でき、中央に配置される両面板を最初に形成する関係上、ある程度の厚みが必要(製造ラインに流せるだけの強度が必要)となることから、中央に配置するコア絶縁層100aを500〜700μm、この上下に配置するコア絶縁層100bを200〜300μmのものを用いるようにする。
内層配線パターン2を形成するための金属箔においても、一般的な銅箔を用いることができ、その厚みとしては、中央に配置されるコア絶縁層100aに50〜100μm、この上下に配置されるコア絶縁層100bに18〜35μmのものを用いる。
ベリードホール4の形成方法としては、ドリルなどの孔明け加工により、切径φ0.25〜0.35mmの貫通孔を穿孔し、デスミア処理後、当該貫通孔に対して、めっき厚25μm設定のめっき処理(例えば「銅めっき処理」)を行うことによって、形成することができる。
層間絶縁層101及び金属箔102としては、コア基板1aに用いるものと同じものが使用でき、その厚さは、例えば、層間絶縁層101が60〜100μm、金属箔102が9〜18μmである。
続いて、図2(b)に示したように、ブラインドバイアホール6の形成予定部にレーザー(例えば「炭酸ガスレーザー」)を照射して、トップ側の切径がφ0.15〜0.25mmの非貫通孔6aを穿孔するとともに、貫通めっきスルーホール5の形成予定部にドリル加工を行うことによって、切径がφ0.25〜0.35mmの貫通孔5aを穿孔する。
なお、ドリルで貫通孔5aを穿孔する際に、例えば、切径がφ3.5〜4.5mmの金属片収容孔8も一緒に穿孔する。
次に、デスミア処理で貫通孔5a、非貫通孔6a、金属片収容孔8の各孔内をクリーニングした後、ビアフィリング用のめっき浴を用いた電解めっき処理、ハイスロー浴を用いた電解めっき処理を順次行うことによって、各孔内を含む中間基板全体にめっき103(例えば、厚さが25μmの「銅めっき」)を析出させ(図2(c)参照)、次いで、周知のフォトエッチングプロセスにより、外層配線パターン3a、3bや実装パッド3cを形成した後、当該外層配線パターン3a、3bを保護するソルダーレジスト7を適宜形成することによって、図3(d)に示した絶縁基板1を得る。
続いて、金属片収容孔8内に配置する熱伝導性樹脂15a付きの金属片9(以降、これを「熱伝導性樹脂付き金属片500」と呼ぶことにする)を用意する。
なお、熱伝導性樹脂15aは、放熱体14を配置する際に用いる熱伝導性接着剤15と同じく、絶縁性を有するものであり、説明の便宜上、両者の用語を分けて説明してはいるが、基本的には同じ材料を用いると考えてよい。
熱伝導性樹脂付き金属片500を用意する方法としては、まず、図4(a)に示したように、金属板200(例えば「銅板」など)の一方の面に、硬化済みの熱伝導性樹脂15aとこれを保護するための保護フィルム300が順次積層されたものを用意し、次いで、一般的な金型プレスやダイスタンプなどの手段によって、打ち抜きエリア400を打ち抜く。
その後、打ち抜かれた個片の保護フィルム300を引き剥がせば、図4(b)に示したような「熱伝導性樹脂付き金属片500」が得られる。
金属板200の一方の面に積層される硬化済みの熱伝導性樹脂15aの厚みとしては、金属片収容孔8内に個片化された熱伝導性樹脂付き金属片500を配置した際に、金属片9の放熱体接続側露出面9Bと金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置8Bとの間の距離に相当する厚み、例えば、100〜200μmとなるように設定する(図3(d)参照)。
次に、金属片収容孔8内に当該「熱伝導性樹脂付き金属片500」を配置する工程であるが、本発明においては、以下に示す条件を満たす必要がある。
即ち、金属片収容孔8に配置した際に、金属片9の電子部品接続側露出面9Aが、電子部品実装面側開口端の位置8A以下の位置、より具体的には電子部品実装側面Aの外層配線パターン3aの外側面と同一面かそれより下の位置にあるとともに、当該金属片9の放熱体接続側露出面9Bが、放熱体配置面側開口端の位置8Bよりも凹んだ位置、より具体的には放熱体配置側面Bの層間絶縁層101の外側面より電子部品実装面側開口端の位置8A側に凹んだ位置にある、という条件である。
当該金属片9を金属片収容孔8内に配置した際の電子部品接続側露出面9Aの位置に関しては、流動性のある半田により補うことができるため、多少の寸法誤差があってもそれほど問題にはならないが、電子部品11との半田接続性に影響が出ない範囲の深さ、例えば、電子部品実装面側開口端の位置8Aから0〜400μmの深さとするのが望ましい。また、放熱体接続側露出面9Bの位置に関しては、放熱体との間の絶縁性を確保するために、放熱体配置面側開口端の位置8Bから最低でも電子部品実装面側開口端の位置8A側に100μm凹んだ位置が望ましく、他方、放熱性の観点からすると、所望とする放熱性を確保できる範囲の深さ、例えば、放熱体配置面側開口端の位置8Bからの深さを200μm以下に抑えるのが望ましい。換言すれば、放熱体配置面側開口端の位置8Bから100〜200μmの深さとするのが望ましい。
斯かる金属片9を上記の位置に配置するために、当該金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端8Bを塞ぐように、治具17を絶縁基板1の放熱体配置側面Bの面に配置した後、チップマウンターなどを用いて、熱伝導性樹脂付き金属片500を金属片収容孔8内に挿入し(図3(d)参照)、次いで、金属片収容孔8の内壁と熱伝導性樹脂付き金属片500との間にできる隙間16(例えば、当該熱伝導性樹脂付き金属片500が金属片収容孔8の中央に配置されたと仮定した場合にできる寸法は、片側で50〜80μm程度)に接着剤10を供給して、当該熱伝導性樹脂付き金属片500を金属片収容孔8内に固定配置し(図3(e)、図5参照)、次いで、絶縁基板1の放熱体配置側面Bに配置されている治具17を外すことによって、図3(f)に示した本発明のプリント配線板PWを得る。
本発明において最も注目すべき点は、金属片収容孔8内に配置する金属片9として、予め、放熱体接続側露出面9Bに、当該放熱体接続側露出面9Bと金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置8Bとの間の距離に相当する厚みの熱伝導性樹脂15aを形成したもの(文中の「熱伝導性樹脂付き金属片500」に相当)を配置するようにした点にある。
これにより、専用の治具(突起部を有する治具)を用いることなく、金属片9を金属片収容孔8内の所望の位置に配置(放熱体接続側露出面9Bの位置が、放熱性能及び絶縁信頼性に影響が出ない範囲で、放熱体配置面側開口端の位置8Bよりも電子部品実装面側開口端の位置側に凹んだ位置となるような配置)することができる。
また、絶縁基板1に大きな反りが発生していた場合においても、金属片9の放熱体接続側露出面9Bが放熱体配置面側開口端の位置8Bから突出する懸念がなくなるため、熱伝導性接着剤15を介して配置される放熱体14との間の絶縁信頼性を確実に確保することができる(図1に示した要部拡大図を参照)。
さらに、熱伝導性樹脂付き金属片500の固定方法として、金属片収容孔8の内壁と金属片9との間にできる隙間16に、接着剤10を供給するという手段を採用したことも、本発明の特徴の一つとして上げられる。
これにより、圧入方式で見られた絶縁基板1にクラックが入るという懸念を無くすことができる。
本発明を説明するに当たって、熱伝導性樹脂付き金属片500を固定するための接着剤10を、隙間16の2箇所に供給する例(金属片9の電子部品接続側露出面9A周辺の概略平面図を示した図5参照)を挙げて説明したが、絶縁基板1の放熱体配置側面Bに流出せずに固定できれば、これ以上の箇所(全周も含む)に接着剤を供給しても特に問題はない。
また、金属片収容孔8の例として、内壁にめっき103が形成されていない構成を用いて説明したが、当該めっき103を形成することも勿論可能である。
ただし、めっき103の厚みバラツキが大きい場合、熱伝導性樹脂付き金属片500の挿入時に当該熱伝導性樹脂付き金属片500がめっき103の突出部に引っ掛かり、挿入ミスなどが発生する可能性があるため、当該めっき103を形成しない構成とするのが望ましいといえる。
なお、本発明を説明するに当たって、4層コア基板の表裏面にビルドアップ層を1層ずつ積層した所謂1−4−1構造のビルドアップ多層プリント配線板を用いて説明してきたが、本発明は、両面プリント配線板や他の構成の多層プリント配線板にも勿論、利用可能である。
1:絶縁基板
1a:コア基板
1b:ビルドアップ層
2:内層配線パターン
3a、3b:外層配線パターン
3c:実装パッド
4:ベリードホール
5:貫通めっきスルーホール
5a:貫通孔
6:ブラインドバイアホール
6a:非貫通孔
7:ソルダーレジスト
8:金属片収容孔
8A:電子部品実装面側開口端の位置
8B:放熱体配置面側開口端の位置
9、99:金属片
9A、99A:電子部品接続側露出面
9B、99B:放熱体接続側露出面
99a:凹部
99b:凸部
10:接着剤
11:電子部品
12:端子
13:半田
14:放熱体
15:熱伝導性接着剤
15a:熱伝導性樹脂
16:隙間
17:治具
100、100a、100b:コア絶縁層
101:層間絶縁層
102:金属箔
103:めっき
200:金属板
300:保護フィルム
400:打ち抜きエリア
500:熱伝導性樹脂付き金属片
A:電子部品実装側面
B:放熱体配置側面
PW、Pw:プリント配線板
PC、Pc:プリント回路基板

Claims (4)

  1. 電子部品からの発熱を、当該電子部品の直下に配置した金属片によって、当該電子部品実装側面と反対の面側に配置された放熱体へと伝熱させるプリント配線板であって、少なくとも、絶縁基板と、当該絶縁基板を貫通する金属片収容孔と、当該金属片収容孔内に接着剤を介して固定された熱伝導性樹脂付き金属片からなり、当該金属片の電子部品接続側露出面が、当該金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置にあるとともに、当該金属片の放熱体接続側露出面が、当該金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも電子部品実装面側開口端の位置側に凹んだ位置にあり、且つ、当該金属片の放熱体接続側露出面に形成された熱伝導性樹脂が当該金属片の放熱体接続側露出面と金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置との間の距離に相当する厚みを有していることを特徴とするプリント配線板。
  2. 当該金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置が、電子部品との半田接続性に影響が出ない範囲の深さであるとともに、当該金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも凹んだ位置が、放熱体との間の絶縁性及び所望とする放熱性を確保できる範囲の深さであることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 電子部品からの発熱を、当該電子部品の直下に配置した金属片によって、当該電子部品実装側面と反対の面側に配置された放熱体へと伝熱させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、絶縁基板に金属片収容孔を形成する工程と、当該金属片収容孔内に配置した際に、金属片の電子部品接続側露出面が、金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置となるとともに、当該金属片の放熱体接続側露出面が、金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも電子部品実装面側開口端の位置側に凹んだ位置となる長さを有する金属片の放熱体接続側露出面に、当該放熱体接続側露出面と金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置との間の距離に相当する厚みの熱伝導性樹脂を形成する工程と、当該熱伝導性樹脂付き金属片を金属片収容孔内に挿入する工程と、当該金属片収容孔と金属片との隙間に接着剤を供給して、当該金属片を金属片収容孔内に固定する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  4. 当該金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置が、電子部品との半田接続性に影響が出ない範囲の深さであるとともに、当該金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも凹んだ位置が、放熱体との間の絶縁性及び所望とする放熱性を確保できる範囲の深さであることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
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