JP2018163051A - 電流検出器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電流検出器100は、バスバーBhが挿通される挿通孔104が内側に形成され、挿通孔104の周囲にバスバーBhを取り巻く環状の磁性体コア110とともに電流検出回路を収容する収容部102gが形成されたケース本体102と、磁性体コア110及び電流検出回路を収容した状態で収容部102g内を充填及び封止するポッティング樹脂106と、挿通孔104に沿って収容部102gの壁板部102dに一体化され、挿通孔104内ではバスバーBhの傾きを規制し、収容部102g内ではポッティング樹脂106の充填量を規制する規制部102eとを備える。
【選択図】図5
Description
しかしながら、導体に同じ被検出電流が流れていても、導体と磁性体コアとの位置関係にばらつきが生じると、ホール素子で電圧に変換する前の磁束密度にばらつきが生じるため、測定精度が低下する。また、樹脂ケースに放熱性能を持たせていても、導体から伝達される熱は抑えられないため、あまり温度上昇を抑えることができない。
本発明の電流検出器は、ケース本体に規制部位を一体化させたものである。ケース本体は挿通孔が内側に形成されており、その周囲には収容部が形成されている。挿通孔は導体を挿通させるための貫通部分であり、収容部は磁性体コアや電流検出回路を収容して保持する部分である。また収容部内は、樹脂の封止体によって充填及び封止される。
図1及び図2は、一実施形態の電流検出器100の構成を示す概略図である。図1が電流検出器100を正面側から示した斜視図であり、図2が背面側から示した斜視図である。
以下、電流検出器100の構成について説明する。
電流検出器100は、例えば樹脂製のケース本体102を備えている。ケース本体102は、電流検出器100の外部形態を構成するとともに、その主目的である被検出電流が流れる導体(図示していない)を挿通させたり、何らかの対象物(同じく図示していない)に対する固定の機能を果たしたりする。また、ケース本体102の内部には、磁性体コアや電流検出回路(図1,2には示していない)が収容されており、その内部はポッティング樹脂106(封止体)により充填及び封止されている。
図1に示されているように、ケース本体102内にはポッティング樹脂106が充填されており、ケース本体102(電流検出器100)の正面では大部分をポッティング樹脂106の表面が占めている。ポッティング樹脂106は、ケース本体102に収容された磁性体コアや電流検出回路を封止し、塵芥や水分等の進入を遮断している。なお、電流検出器100の正面にはコネクタ108が突出して設けられている。
図3は、電流検出器100の分解斜視図である。上記のように電流検出器100は、磁性体コア110及び電流検出回路を有しており、これらがケース本体102内に収容されている。このため、ケース本体102には収容部102gが正面側から背面側に向かって凹み状に形成されており、さらに全体として収容部102gが挿通孔104の周囲で環状をなしている。磁性体コア110は、ちょうど挿通孔104を取り巻くようにして収容部102g内に収容されている。本実施形態では、磁性体コア110が二次巻線110cを有するタイプであり、図3に示される外形のほとんどは二次巻線110cが占めている。磁性体コア110は、二次巻線110cの内側に磁性材料からなるリングコア(例えばトロイダルリング:図3では視認されない)を有しており、その一部にエアギャップが形成されている。このエアギャップ内にスペーサ110aを介して図示しないホール素子が配置されている。
また、電流検出器100はベースプレート112及び回路基板114を有しており、これらベースプレート112及び回路基板114もまた、磁性体コア110とともにケース本体102の収容部102g内に収容されている。回路基板114には、上記のコネクタ108やホール素子とともに各種の電子部品が実装されることで電流検出回路が形成されている。
図4は、電流検出器100を設置状態で示した背面図である。上記のように電流検出器100は、被検出電流が流れる(電流を発生させる)対象物の筐体Sに対し、ケース本体102の底面にて設置することができる。この場合、ケース本体102の底面が設置面となり、両側一対の底板ブラケット102bを介して筐体Sにケース本体102を固定することができる。
被検出電流が流れる導体としては、図4中に二点鎖線で示される平板状のバスバーBh,Bvや丸棒状のバスバーBrがある。挿通孔104内には水平にバスバーBhを挿通させたり、垂直にバスバーBvを挿通させたり、あるいは開口部分全体にわたってバスバーBrを挿通させたりすることができる。
図5は、図4中のV−V線に沿う電流検出器100の水平断面図である。ここでは水平断面を一例に挙げてバスバーBhと磁性体コア110の位置関係の保持について説明するが、垂直断面や斜め45°の断面においても同様である。なお、図5以下ではベースプレート112や回路基板114の図示を省略している。
上記のように、挿通孔104の周囲ではケース本体102が壁板部102dと規制部102eとで構成されており、挿通孔104に挿通されたバスバーBhは、電流検出器100(ケース本体102)の正面側(図5の上方向)では壁板部102dに接し、背面側では規制部102eに接した状態となる。このとき、挿通方向でみて壁板部102dと規制部102eが一続きに連なってバスバーBhの側面に接するため、挿通方向に対するバスバーBhの傾きは規制されている。これにより、バスバーBhと磁性体コア110との位置関係が一定に保持される。
磁性体コア110は、上記のように磁性材料からなるリングコア110aと二次巻線110bを有するものであるが、特にバスバーBhからリングコア110aまでの距離CL,CRがばらつくと、電気特性(リングコア110aで収束する磁束密度)にばらつきが生じ、ホール素子を用いた電流検出値にもばらつきが生じることになる。
この点、本実施形態では、壁板部102dと規制部102eとでバスバーBhの位置ずれを防止し、バスバーBhとリングコア110aとの位置関係(距離CL,CR)を一定に保持することができるため、電流検出器100による測定精度を向上することができる。
一方、規制部102eをケース本体102の内側について着目してみると、規制部102eは、逆にケース本体102の内面をバスバーBhから離隔させていることになる。これは、規制部102eが板状片の形状をなしていることから、その先端縁が壁板部102dと面一に連なるためには、必然的にケース本体102の内面をバスバーBhから離隔させ、ある程度は板状に延びるための距離を確保する必要が生じるからである。そして、規制部102eがケース本体102の内面をバスバーBhから離隔させるということは、収容部102g内ではケース本体102の内面を壁板部102dよりも磁性体コア110に近接させることになり、その近接距離Fの分だけケース本体102の内面(壁を構成する部位)が段付き状にオフセットされた状態となる。これにより、収容部102g内ではケース本体102の内面と磁性体コア110との間でポッティング樹脂106の充填範囲(充填される空間、容積)が規制(縮小)され、全体としてポッティング樹脂106の充填量が抑制されることになる。
図6は、比較例(1)となる電流検出器1000の水平断面図である。比較例(1)の電流検出器1000は、本実施形態の電流検出器100が有する規制部102eを有しておらず、挿通孔104は全体にわたって壁板部1002dで構成されている。
本実施形態と比較例(1)とを対比すると、ケース本体102内(収容部102g内)へのポッティング樹脂106の充填量の違いが明らかである。すなわち、本実施形態の方が比較例(1)よりもポッティング樹脂106の充填量(総量)が少なく、その分の材料コストと製品質量を軽減できることが分かる(コストダウン及び軽量化)。これは、挿通させるバスバーBhの大きさと磁性体コア110の直径(被検出電流の大きさとそれによって発生する磁界の大きさに依存する)を同等の条件とすると、自ずと挿通孔104や収容部102gを形成するケース本体102の大きさや壁板部102d,1002dの肉厚も同等となることから、比較例(1)で使用するポッティング樹脂106の充填量に対し、本実施形態の形状では確実に充填量を少なく抑えることができるのである。
図7は、比較例(2)となる電流検出器1000の水平断面図である。比較例(2)の電流検出器1000は、本実施形態の電流検出器100が有する規制部102eを有していないが、挿通孔104は、正面側から背面側にかけて段付き状にオフセットされた壁板部1002dで構成されている。
本実施形態による優位性は、上記にとどまらない。
図8は、電流検出器100の底面102hの形状を示す斜視図である。上記のように電流検出器100は、対象物の筐体Sに対して底面102hを設置面として取り付けられる場合がある。この場合、電流検出器100(ケース本体102)の底面102hは対象物の筐体Sで塞がれた状態となり、外気に対して開放された状態とはいえなくなる。したがって、一般的には回路基板114の実装部品(トランジスタ等)から発生する熱がケース本体102の底面102hと筐体Sとの間でこもりやすくなる。
102 ケース本体
102d 壁板部
102e 規制部
104 挿通孔
106 ポッティング樹脂
110 磁性体コア
Claims (4)
- 被検出電流の導体が挿通される挿通孔が内側に形成され、前記挿通孔の周囲に環状の磁性体コアとともに電流検出回路を収容する収容部が形成されたケース本体と、
前記磁性体コア及び前記電流検出回路を収容した状態で前記収容部内を充填及び封止する封止体と、
前記ケース本体の前記挿通孔に沿って前記収容部の壁を構成する部位に一体化され、前記挿通孔内では前記ケース本体外面を前記導体に近接させて挿通方向に対する前記導体の傾きを規制する一方で、前記収容部内では前記ケース本体内面を前記導体から離隔させて前記磁性体コアに近接させることで前記封止体の充填範囲を規制する規制部位と
を備えた電流検出器。 - 請求項1に記載の電流検出器において、
前記規制部位は、
前記挿通孔の内側に向けて延び、先端縁が前記導体に近接する複数の板状片を前記収容部の壁を構成する部位に有することを特徴とする電流検出器。 - 請求項1又は2に記載の電流検出器において、
前記規制部位は、
前記収容部の壁を構成する部位が前記収容部内の前記磁性体コアの周囲で段付き形状をなして前記磁性体コアに近接していることを特徴とする電流検出器。 - 請求項1から3のいずれかに記載の電流検出器において、
前記ケース本体は、
対象物への固定を行うための設置面を有し、前記設置面内では前記ケース本体が複数の板状片の縁辺にて対象物と接触することを特徴とする電流検出器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2017
- 2017-03-27 JP JP2017060615A patent/JP6538744B2/ja active Active
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