JP2018158725A - ヘッドアップディスプレイ、制御方法、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】虚像距離の変更を行うことなく、観察者の目の負担を好適に軽減することが可能なヘッドアップディスプレイを提供する。【解決手段】ヘッドアップディスプレイ2は、ヘッドアップディスプレイは、光源ユニット4と、コンバイナ9とを備える。光源ユニット4の制御部55は、前方風景を撮影するカメラ3から取得される画像Im等に基づき、注意対象物Objの位置を認識する。また、制御部55は、運転者から予め設定された虚像距離Lvに結像するように虚像Ivをコンバイナ9により表示させる。さらに、制御部55は、虚像距離Lvを基準とした虚像近傍範囲Rn内に注意対象物Objが位置する場合に、少なくとも1つの虚像Ivを、当該注意対象物Objの近傍位置に表示させる。【選択図】図9
Description
本発明は、ヘッドアップディスプレイの表示技術に関する。
前方風景に重ねて虚像を表示するヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイにおいて、観察者の視点から虚像までの距離である虚像距離を調整する技術が従来から知られている。例えば、特許文献1には、実際の背景の位置が虚像位置よりも視点に近くなったときに背景内に虚像が埋めこまれて観察されるのを回避するために、視点から背景までの距離に基づいて、虚像距離を変更する両眼式ヘッドマウントディスプレイが開示されている。また、特許文献2には、停車中は近焦点、車両走行中は運転時の焦点と同じ距離の遠焦点に虚像位置を設定するために、近焦点用の光学反射板と、遠焦点用の光学反射板とを備えるヘッドアップディスプレイが開示されている。
ヘッドアップディスプレイにおいて、特許文献1のように、視点から背景までの距離に応じて虚像距離を変更可能に構成する場合、特許文献2に示すように、近焦点用の光学反射板と、遠焦点用の光学反射板との両方を備える必要があり、光学系が大型化するという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、虚像距離の変更を行うことなく、観察者の目の負担を好適に軽減することが可能なヘッドアップディスプレイを提供することを主な目的とする。
請求項に記載の発明は、移動体に搭載され、前方風景に重ねて虚像を表示するヘッドアップディスプレイであって、前記前方風景に含まれる対象物の位置を取得する取得手段と、前記移動体の運転者から予め設定された距離に結像するように前記虚像を表示手段に表示させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記運転者から予め設定された距離を含む所定距離範囲内に前記対象物が位置する場合に、前記表示手段に少なくとも1つの虚像を当該対象物の近傍位置に表示させることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、移動体に搭載され、前方風景に重ねて虚像を表示するヘッドアップディスプレイが実行する制御方法であって、前記前方風景に含まれる対象物の位置を取得する取得工程と、前記移動体の運転者から予め設定された距離に結像するように前記虚像を表示手段に表示させる制御工程と、を備え、前記制御工程は、前記運転者から予め設定された距離を含む所定距離範囲内に前記対象物が位置する場合に、前記表示手段に少なくとも1つの虚像を当該対象物の近傍位置に表示させることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、移動体に搭載され、前方風景に重ねて虚像を表示するヘッドアップディスプレイを制御するコンピュータが実行するプログラムであって、前記前方風景に含まれる対象物の位置を取得する取得手段と、前記移動体の運転者から予め設定された距離に結像するように前記虚像を表示手段に表示させる制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記制御手段は、前記運転者から予め設定された距離を含む所定距離範囲内に前記対象物が位置する場合に、前記表示手段に少なくとも1つの虚像を当該対象物の近傍位置に表示させることを特徴とする。
本発明の1つの好適な実施形態では、移動体に搭載され、前方風景に重ねて虚像を表示するヘッドアップディスプレイは、前記前方風景に含まれる対象物の位置を取得する取得手段と、前記移動体の運転者から予め設定された距離に結像するように前記虚像を表示手段に表示させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記運転者から予め設定された距離を含む所定距離範囲内に前記対象物が位置する場合に、前記表示手段に少なくとも1つの虚像を当該対象物の近傍位置に表示させる。
上記ヘッドアップディスプレイは、取得手段と、制御手段とを備える。取得手段は、前方風景に含まれる対象物の位置を取得する。制御手段は、移動体の運転者から予め設定された距離に結像するように前記虚像を表示手段に表示させる。さらに、制御手段は、運転者から予め設定された距離を含む所定距離範囲内に対象物が位置する場合に、表示手段に少なくとも1つの虚像を当該対象物の近傍位置に表示させる。ここで、「近傍位置」とは、対象物と虚像とを同時に運転者が視認可能な程度に近い位置を示す。このように、ヘッドアップディスプレイは、運転者から対象物までの距離と虚像距離とが近い場合に、対象物の近傍に虚像を表示させることで、運転者に虚像と対象物とを同時に視認させる。これにより、ヘッドアップディスプレイは、虚像距離の変更を行うことなく、虚像と対象物とを視認する際の運転者の目の負担を好適に軽減することができる。
上記ヘッドアップディスプレイの一態様では、前記制御手段は、表示中の虚像のうちの少なくとも1つの虚像の表示位置を、前記対象物の近傍位置に移動させる。この態様により、ヘッドアップディスプレイは、虚像と対象物とを好適に運転者に視認させることができる。
上記ヘッドアップディスプレイの他の一態様では、前記制御手段は、前記対象物の位置が前記所定距離範囲より運転者に近い場合、表示中の虚像のうち、少なくとも1つの虚像を非表示にする、又は、当該虚像の表示位置を前記対象物の近傍位置でない位置に移動させる。一般に、運転者からの距離が異なる虚像と対象物とを同時に視認すると、運転者への目の負担が大きくなる。従って、この態様により、ヘッドアップディスプレイは、運転者からの距離が異なる虚像と対象物とを同時に視認するのを好適に抑制することができる。
上記ヘッドアップディスプレイの他の一態様では、前記制御手段は、前記対象物の位置が前記所定距離範囲より運転者から遠い場合は、表示中の虚像のうち少なくとも1つの虚像の表示位置を、前記対象物の近傍位置に移動させる。一般に、遠焦点同士の焦点合わせは目の負担が少ないため、この態様により、ヘッドアップディスプレイは、虚像と対象物とを好適に運転者に視認させることができる。
上記ヘッドアップディスプレイの他の一態様では、前記制御手段は、前記所定距離範囲内に前記対象物が位置する場合に、表示されていない虚像を当該対象物の近傍位置に表示させる。この態様によっても、ヘッドアップディスプレイは、運転者の目に負担をかけることなく虚像と対象物とを好適に視認させることができる。
上記ヘッドアップディスプレイの他の一態様では、前記制御手段は、前記対象物の種別ごとに、当該対象物の近傍に表示させる虚像を、当該対象物に重ねて表示するか否か決定する。この態様により、ヘッドアップディスプレイは、例えば、虚像を重ねても十分に視認可能な対象物には虚像を重ね、虚像を重ねると視認性が悪化する対象物には虚像を重ねずに表示することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、移動体に搭載され、前方風景に重ねて虚像を表示するヘッドアップディスプレイが実行する制御方法は、前記前方風景に含まれる対象物の位置を取得する取得工程と、前記移動体の運転者から予め設定された距離に結像するように前記虚像を表示手段に表示させる制御工程と、を有し、前記制御工程は、前記運転者から予め設定された距離を含む所定距離範囲内に前記対象物が位置する場合に、前記表示手段に少なくとも1つの虚像を当該対象物の近傍位置に表示させる。ヘッドアップディスプレイは、この制御方法を実行することで、虚像距離の変更を行うことなく、虚像と対象物とを視認する際の運転者の目の負担を好適に軽減することができる。
本発明のさらに別の実施形態では、移動体に搭載され、前方風景に重ねて虚像を表示するヘッドアップディスプレイを制御するコンピュータが実行するプログラムは、前記前方風景に含まれる対象物の位置を取得する取得手段と、前記移動体の運転者から予め設定された距離に結像するように前記虚像を表示手段に表示させる制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記制御手段は、前記運転者から予め設定された距離を含む所定距離範囲内に前記対象物が位置する場合に、前記表示手段に少なくとも1つの虚像を当該対象物の近傍位置に表示させる。ヘッドアップディスプレイは、このプログラムを実行することで、虚像距離の変更を行うことなく、虚像と対象物とを視認する際の運転者の目の負担を好適に軽減することができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[概略構成]
(1)システム構成
図1は、実施例に係る表示システム100の構成例を示す。図1に示すように、表示システム100は、車両Veに搭載され、ナビゲーション装置1と、ヘッドアップディスプレイ2と、カメラ3とを備える。なお、図1に示す構成に代えて、ヘッドアップディスプレイ2には、ナビゲーション装置1に相当する機能が組み込まれていてもよい。
(1)システム構成
図1は、実施例に係る表示システム100の構成例を示す。図1に示すように、表示システム100は、車両Veに搭載され、ナビゲーション装置1と、ヘッドアップディスプレイ2と、カメラ3とを備える。なお、図1に示す構成に代えて、ヘッドアップディスプレイ2には、ナビゲーション装置1に相当する機能が組み込まれていてもよい。
ナビゲーション装置1は、出発地から目的地までのルート案内を行う機能などを有する。ナビゲーション装置1は、例えば、車両Veに設置される据え置き型のナビゲーション装置、PND(Portable Navigation Device)、又はスマートフォンなどの携帯端末とすることができる。
ヘッドアップディスプレイ2は、運転を補助する情報を表示する画像(「案内画像」とも呼ぶ。)を生成し、当該案内画像を運転者の目の位置(アイポイント)から虚像として視認させる装置である。ヘッドアップディスプレイ2は、案内画像として、例えば、案内ルートの方向を示す矢印、右左折地点などの案内地点に関する情報、車速などの車両Veの走行に関する情報、施設の位置を示す情報、前方の方位を示す情報、及び交通法規に関する情報などを表示する。ヘッドアップディスプレイ2には、案内ルートの情報などの案内画像の生成に必要な各種情報がナビゲーション装置1から供給される。
カメラ3は、車両Veの前方に向けて固定され、所定の間隔ごとに車両Veの前方を撮影した画像(「画像Im」とも呼ぶ。)を生成する。カメラ3は、生成した画像Imをヘッドアップディスプレイ2へ供給する。後述するように、ヘッドアップディスプレイ2は、画像Imに基づき、前方風景に含まれる運転者が注意すべき対象物(「注意対象物Obj」とも呼ぶ。)を検出する。注意対象物Objは、例えば、前方車、信号機、交通標識、人、又は/及び施設である。本実施例では、ヘッドアップディスプレイ2は、注意対象物Objとして、前方車及び信号機を検出するものとする。好適には、カメラ3は、異なる方向から前方風景を撮影するステレオカメラである。この場合、ヘッドアップディスプレイ2は、画像Imに基づき注意対象物Objと車両Veとの距離を検出する手段を兼ねることができる。
なお、ナビゲーション装置1がスマートフォンなどの携帯端末である場合、ナビゲーション装置1は、クレードルなどによって保持されても良い。この場合、ナビゲーション装置1は、クレードルなどを介して、ヘッドアップディスプレイ2と情報の授受を行うこととしても良い。また、ヘッドアップディスプレイ2は、カメラ3から画像Imを直接受信する代わりに、ナビゲーション装置1を介して画像Imを受信してもよい。この場合、カメラ3は、ナビゲーション装置1に画像Imを送信し、ナビゲーション装置1は、画像Imをヘッドアップディスプレイ2に転送する。
(2)ナビゲーション装置の構成
図2は、ナビゲーション装置1の構成を示す。図2に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、インタフェース39、表示ユニット40、音声出力ユニット50、及び入力装置60を備える。
図2は、ナビゲーション装置1の構成を示す。図2に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、インタフェース39、表示ユニット40、音声出力ユニット50、及び入力装置60を備える。
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両Veの加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両Veの方向変換時における車両Veの角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両Veの車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両Veの絶対的な位置(「現在位置」とも呼ぶ。)を検出するために用いられる。
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。地図データは、道路に相当するリンクと、道路の接続部分に相当するノードとにより表された道路データや、各施設に関する施設情報などを含む。
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯端末や専用の通信モジュールなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(登録商標、Vehicle Information Communication System)センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、その他の情報を受信する。また、通信装置38は、GPS受信機18から取得した現在位置の情報、自立測位装置10から取得した車速パルス等の情報及び地図データなど、ナビゲーション処理に用いられる各種情報をヘッドアップディスプレイ2に送信する。
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
(3)ヘッドアップディスプレイの構成
図3は、ヘッドアップディスプレイ2の概略構成図である。図3に示すように、本実施例に係るヘッドアップディスプレイ2は、光源ユニット4と、コンバイナ9とを備え、フロントウィンドウ25、天井部27、ボンネット28、及びダッシュボード29などを備える車両Veに取り付けられる。
図3は、ヘッドアップディスプレイ2の概略構成図である。図3に示すように、本実施例に係るヘッドアップディスプレイ2は、光源ユニット4と、コンバイナ9とを備え、フロントウィンドウ25、天井部27、ボンネット28、及びダッシュボード29などを備える車両Veに取り付けられる。
光源ユニット4は、支持部材5a、5bを介して車室内の天井部27に設置され、運転を補助する情報を示す案内画像を構成する光を、コンバイナ9に向けて出射することで、コンバイナ9を介して運転者に虚像「Iv」を視認させる。以後では、図示のように、アイポイントPeから虚像Ivまでの距離を、「虚像距離Lv」とも呼ぶ。
コンバイナ9は、光源ユニット4から出射される表示像が投影されると共に、表示像を運転者のアイポイント「Pe」へ反射することで当該表示像を虚像Ivとして表示させる。そして、コンバイナ9は、天井部27に設置された支持軸部8を有し、支持軸部8を支軸として回動する。支持軸部8は、例えば、フロントウィンドウ25の上端近傍の天井部27、言い換えると運転者用の図示しないサンバイザが設置される位置の近傍に設置される。なお、支持軸部8は、上述のサンバイザに代えて設置されてもよい。コンバイナ9は、本発明における「表示手段」の一例である。
(4)光源ユニットの構成
図4は、光源ユニット4の構成を概略的に示した図である。図4に示すように、光源ユニット3は、光源54と、制御部55と、通信部56とを有する。
図4は、光源ユニット4の構成を概略的に示した図である。図4に示すように、光源ユニット3は、光源54と、制御部55と、通信部56とを有する。
光源54は、例えば赤色、青色及び緑色の各色のレーザ光源を有し、制御部55の制御に基づき、コンバイナ9に照射させる表示像を構成する光(「表示光」とも呼ぶ。)を出射する。
通信部56は、制御部55の制御に基づき、ナビゲーション処理に用いられる各種情報をナビゲーション装置1から受信する。例えば、通信部56は、ナビゲーション装置1から案内ルートの情報や現在位置の情報などの案内画像の生成に必要な情報を受信する。また、通信部56は、カメラ3から、所定間隔ごとに画像Imを受信する。
制御部55は、CPU、CPUが実行する制御プログラムやデータなどを記憶するROM、CPUが動作する際のワークメモリとして各種データが逐次読み書きされるRAMなどを有し、ヘッドアップディスプレイ2の全般的な制御を行う。
制御部55は、ナビゲーション装置1から送信される情報に基づき、案内画像を生成し、案内画像を構成する表示光を光源54に出射させる。また、本実施例では、制御部55は、カメラ3から送信される画像Imに基づき、1又は複数の注意対象物Objを検出する。さらに、制御部55は、画像Im又は図示しない各種レーダの出力に基づき、検出した注意対象物Objと車両Ve(厳密にはアイポイントPe)との距離(「対象物距離Lo」とも呼ぶ。)を認識する。そして、制御部55は、虚像距離Lvを固定したまま、虚像Ivとして表示する案内画像のコンバイナ9上での表示位置を適宜変更する。これについては、[表示位置の調整]のセクションで詳しく説明する。
そして、制御部55は、本発明における「取得手段」、「制御手段」及びプログラムを実行するコンピュータとして機能する。
[表示位置の調整]
次に、虚像Ivとして視認される案内画像のコンバイナ9上での表示位置の調整方法について説明する。概略的には、制御部55は、アイポイントPeに最も近い注意対象物Objの対象物距離Loと虚像距離Lvとの関係に基づき、虚像Ivとして表示する案内画像の表示位置を決定する。これにより、制御部55は、運転者に目の負担をかけることなく、注意対象物Objと虚像Ivとの両方を好適に視認させる。
次に、虚像Ivとして視認される案内画像のコンバイナ9上での表示位置の調整方法について説明する。概略的には、制御部55は、アイポイントPeに最も近い注意対象物Objの対象物距離Loと虚像距離Lvとの関係に基づき、虚像Ivとして表示する案内画像の表示位置を決定する。これにより、制御部55は、運転者に目の負担をかけることなく、注意対象物Objと虚像Ivとの両方を好適に視認させる。
(1)注意対象物が存在しない場合
図5は、注意対象物Objを検出していない場合に、運転席から視認される前方風景の一例である。図5では、制御部55は、案内ルートに基づき次の右左折地点で車両Veが進むべき方向(ここでは右方向)及び次の右左折地点までの距離(ここでは2km)を示す第1案内画像81をコンバイナ9の左下に虚像Ivとして表示させている。また、制御部55は、車両Veの速度(ここでは66km/h)を示す第2案内画像82をコンバイナ9の右下に表示させている。このように、制御部55は、注意対象物Objを検出しない場合、特定の情報を表示する1又は複数(ここでは2つ)の案内画像を、それぞれ予め定めた位置に表示させる。
図5は、注意対象物Objを検出していない場合に、運転席から視認される前方風景の一例である。図5では、制御部55は、案内ルートに基づき次の右左折地点で車両Veが進むべき方向(ここでは右方向)及び次の右左折地点までの距離(ここでは2km)を示す第1案内画像81をコンバイナ9の左下に虚像Ivとして表示させている。また、制御部55は、車両Veの速度(ここでは66km/h)を示す第2案内画像82をコンバイナ9の右下に表示させている。このように、制御部55は、注意対象物Objを検出しない場合、特定の情報を表示する1又は複数(ここでは2つ)の案内画像を、それぞれ予め定めた位置に表示させる。
(2)注意対象物が虚像近傍範囲内より遠方の場合
次に、注意対象物Objを検出し、かつ、検出した最も近い注意対象物Objが、車両Veの進行方向を基準として虚像Ivと近傍にある範囲(「虚像近傍範囲Rn」とも呼ぶ。)より遠方に存在する場合について説明する。この場合、制御部55は、遠焦点同士の焦点合わせは目の負担が少ないことを勘案し、最も近い注意対象物Objの近傍に、少なくとも1つの案内画像を示す虚像Ivを表示させる。
次に、注意対象物Objを検出し、かつ、検出した最も近い注意対象物Objが、車両Veの進行方向を基準として虚像Ivと近傍にある範囲(「虚像近傍範囲Rn」とも呼ぶ。)より遠方に存在する場合について説明する。この場合、制御部55は、遠焦点同士の焦点合わせは目の負担が少ないことを勘案し、最も近い注意対象物Objの近傍に、少なくとも1つの案内画像を示す虚像Ivを表示させる。
図6は、最も近い注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより遠方に存在する場合の注意対象物Objと車両Veとの位置関係を示す図である。この場合、制御部55は、画像Imに基づき注意対象物Objである信号機91を認識し、さらに、対象物距離Loを算出する。また、制御部55は、固定値である虚像距離Lvを、例えば予めメモリ等に記憶しておくことで認識する。そして、制御部55は、虚像距離Lvに基づき、虚像Ivから車両Veの進行方向に対し所定距離「L1」だけ前後する範囲を、虚像近傍範囲Rnとして認識する。ここで、所定距離L1は、例えば、運転者が虚像Ivと同一の遠近感により虚像近傍範囲Rn内の物体を視認することが可能な距離に実験等に基づき予め定められる。そして、制御部55は、認識した虚像近傍範囲Rn内のアイポイントPeからの最大距離(=Lv+L1)が、信号機91の対象物距離Loよりも短いことから、信号機91が虚像近傍範囲Rnよりも遠方に存在することを認識する。
図7は、図6の例でのコンバイナ9の表示例を示す。図7の例では、制御部55は、第1案内画像81を、コンバイナ9内で視認される信号機91の近傍位置に表示している。この場合、制御部55は、画像Imから抽出した信号機91のエリアから、コンバイナ9上で視認される信号機91のエリアを認識し、その近傍位置に第1案内画像81を表示させる。この際、制御部55は、例えば、画像Im内での表示位置と、コンバイナ9上での表示位置との対応関係を示す情報を予め記憶しておき、当該情報を参照することで、コンバイナ9上で視認される信号機91のエリアを認識する。
一般に、遠焦点同士の焦点合わせは目の負担が少ない。従って、図7の例では、運転者は、共に比較的遠方に視認される信号機91と第1案内画像81とを、目に負担をかけることなく容易に視認することができる。
また、図7の例では、制御部55は、車速を示す第2案内画像82の表示位置を、注意対象物Objが存在しない場合(図5参照)から変更していない。即ち、制御部55は、図7の例では、第2案内画像82の表示位置を、注意対象物Objと虚像Ivとの位置関係によらず固定し、第1案内画像81の表示位置を、注意対象物Objと虚像Ivとの位置関係に応じて変更する。このように、制御部55は、案内画像が示す情報の種別に応じて、当該案内画像の表示位置を固定するか否か予め定めてもよい。一例として、運転席から視認される前方風景中に存在する施設の位置に対応付けて表示されることで当該施設の位置を示す画像や、前方風景中のどの位置が東に相当するかといった方位を示す画像については、本来の表示位置から位置が変更されることが好ましくない。このような種別の画像については、表示位置を本来表示されるべき位置から変更しないこととしてもよい。
(3)注意対象物が虚像近傍範囲内にいる場合
次に、検出した最も近い注意対象物Objが虚像近傍範囲Rn内に存在する場合について説明する。この場合、制御部55は、注意対象物Obj及び虚像Ivの車両Veの前方方向での位置がおよそ一致することから、コンバイナ9上で視認される注意対象物Objの近傍に少なくとも1つの虚像Ivを表示させる。これにより、遠近での焦点合わせの必要がない注意対象物Obj及び虚像Ivを近傍に表示させ、目に負担をかけることなくこれらを運転者に好適に視認させる。
次に、検出した最も近い注意対象物Objが虚像近傍範囲Rn内に存在する場合について説明する。この場合、制御部55は、注意対象物Obj及び虚像Ivの車両Veの前方方向での位置がおよそ一致することから、コンバイナ9上で視認される注意対象物Objの近傍に少なくとも1つの虚像Ivを表示させる。これにより、遠近での焦点合わせの必要がない注意対象物Obj及び虚像Ivを近傍に表示させ、目に負担をかけることなくこれらを運転者に好適に視認させる。
図8は、最も近い注意対象物Objが虚像近傍範囲Rn内に存在する場合の注意対象物Objと車両Veとの位置関係を示す図である。この場合、制御部55は、画像Imに基づき注意対象物Objである信号機91及びトラック92を認識し、さらに、これらの対象物距離Loを算出する。そして、制御部55は、算出した対象物距離Loに基づき、トラック92が最も近い注意対象物Objであることを認識する。そして、制御部55は、トラック92に対応する対象物距離Loと虚像距離Lvとの差が所定距離L1以内であることから、トラック92が虚像近傍範囲Rn内に存在すると判定する。
図9は、図8の例でのコンバイナ9の第1の表示例を示す。図9に示す第1の表示例では、制御部55は、第1案内画像81を、コンバイナ9内で視認されるトラック92の近傍位置に表示している。これにより、制御部55は、遠近での焦点合わせの必要がないトラック92及び第1案内画像81を近傍に表示させ、目に負担をかけることなく運転者にこれらを好適に視認させることができる。また、制御部55は、車速を示す第2案内画像82の表示位置を、図7の例と同様、注意対象物Objの存在の有無によらずに固定する。さらに前述の説明と同様に、施設の位置を示す画像や方位を示す画像についても表示位置を本来表示されるべき位置から変更しないこととしてもよい。
図10は、図8の例でのコンバイナ9の第2の表示例を示す。図10に示す第2の表示例では、制御部55は、画像Imを用いた画像認識により、トラック92が前方車であることを認識し、前方車までの距離を示す第3案内画像83を、トラック92の近傍位置に新たに表示している。このように、図10に示す表示例では、制御部55は、最も近い注意対象物Objであるトラック92が虚像近傍範囲Rn内に存在すると判断した場合に、それまで表示していなかった第3案内画像83を、注意対象物Objの近傍に表示させる。これによっても、制御部55は、運転者の目に負担をかけることなく、運転者に虚像Iv及び注意対象物Objを好適に視認させることができる。
(4)注意対象物Objが虚像近傍範囲より近い場合
次に、検出した最も近い注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより近い位置に存在する場合について説明する。この場合、制御部55は、最も近い注意対象物Objと虚像Ivとで車両Veの進行方向での位置が異なることから、虚像Ivを、最も近い注意対象物Objの近傍に表示させない。これにより、遠近での焦点合わせの必要がある注意対象物Obj及び虚像Ivを運転者に同時に視認させるのを防ぐ。
次に、検出した最も近い注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより近い位置に存在する場合について説明する。この場合、制御部55は、最も近い注意対象物Objと虚像Ivとで車両Veの進行方向での位置が異なることから、虚像Ivを、最も近い注意対象物Objの近傍に表示させない。これにより、遠近での焦点合わせの必要がある注意対象物Obj及び虚像Ivを運転者に同時に視認させるのを防ぐ。
図11は、最も近い注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnよりも近くに存在する場合の注意対象物Objと車両Veとの位置関係を示す図である。この場合、制御部55は、画像Imに基づき、トラック92が注意対象物Objであること、及び、トラック92に対する対象物距離Loを認識する。そして、制御部55は、トラック92に対応する対象物距離Loと虚像距離Lvとに基づき、トラック92が虚像近傍範囲Rnより近くに存在すると判定する。
図12は、図11の例でのコンバイナ9の第1の表示例を示す。図12に示す表示例では、まず、制御部55は、第1案内画像81の通常時のコンバイナ9上での表示位置、即ち、コンバイナ9の左下の表示位置(図5参照)が、コンバイナ9上で視認されるトラック92のエリアと所定距離以内にあると判断する。上述の所定距離は、例えば、運転者がコンバイナ9上の2つの表示を同時に視認する可能性がある表示間の距離に実験等に基づき定められる。そして、この場合、制御部55は、第1案内画像81を通常の表示位置(即ちコンバイナ9の左下)に表示した場合、第1案内画像81がトラック92の近傍に表示されると判断する。従って、この場合、制御部55は、第1案内画像81を、コンバイナ9上で視認されるトラック92のエリアと所定距離以上離れた位置(ここでは、コンバイナ9上の右上)に表示させる。
一般に、虚像近傍範囲Rnより注意対象物Objが近い場合、虚像Ivと注意対象物Objとで遠近での焦点位置が異なる。従って、この場合に、注意対象物Objの近傍に虚像Ivを表示させた場合、運転者は、これらを一度に見ようとしてしまい、遠近での焦点合わせを同時に行うことによって目に負担がかかる。以上を勘案し、図12の例では、制御部55は、第1案内画像81を、トラック92と離れたコンバイナ9上の位置に表示させることで、運転者の目に負担がかかるのを好適に抑制することができる。
図13は、図11の例でのコンバイナ9の第2の表示例を示す。図13に示す表示例では、制御部55は、第1案内画像81を通常の位置に表示すると、第1案内画像81がトラック92の近傍に表示されると判断し、第1案内画像81の表示を消去している。このように、制御部55は、第1案内画像81をトラック92の近傍に表示するのを防ぐため、第1案内画像81の表示を消去する。これによっても、制御部55は、虚像近傍範囲Rnより近い注意対象物Objの近傍に案内画像を表示するのを防ぎ、運転者の目に負担がかかるのを好適に抑制することができる。
以上説明したように、本実施例に係るヘッドアップディスプレイ2は、光源ユニット4と、コンバイナ9とを備える。光源ユニット4の制御部55は、前方風景を撮影するカメラ3から取得される画像Im等に基づき、注意対象物Objの位置を認識する。また、制御部55は、運転者から予め設定された虚像距離Lvに結像するように虚像Ivをコンバイナ9により表示させる。さらに、制御部55は、虚像距離Lvを基準とした虚像近傍範囲Rn内に注意対象物Objが位置する場合に、少なくとも1つの虚像Ivを、当該注意対象物Objの近傍位置に表示させる。これにより、ヘッドアップディスプレイ2は、虚像距離Lvの変更を行うことなく、虚像Ivと注意対象物Objとを好適に運転者に視認させることができる。
また、図12、図13の例では、制御部55は、車速を示す第2案内画像82の表示位置を変更せずに表示し続けている。このように、制御部55は、案内画像が示す情報の種別に応じて、注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより近い位置に存在する場合でも当該案内画像の表示位置を変更せず表示し続けるか否か予め定めてもよい。施設の位置を示す画像や、方位を示す画像については、本来の表示位置から位置が変更されることが好ましくないため、注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより近い位置に存在する場合には本来の表示位置から位置を変更することなく表示を消去することとしてもよい。
また、図12、図13の例では、制御部55は、車速を示す第2案内画像82の表示位置を変更せずに表示し続けている。このように、制御部55は、案内画像が示す情報の種別に応じて、注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより近い位置に存在する場合でも当該案内画像の表示位置を変更せず表示し続けるか否か予め定めてもよい。施設の位置を示す画像や、方位を示す画像については、本来の表示位置から位置が変更されることが好ましくないため、注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより近い位置に存在する場合には本来の表示位置から位置を変更することなく表示を消去することとしてもよい。
[変形例]
以下、上述の実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。
以下、上述の実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。
(変形例1)
「(3)注意対象物が虚像近傍範囲内にいる場合」のセクションの説明で用いた図9及び図10等の表示例では、制御部55は、最も近い注意対象物Objの近傍に案内画像を表示させる場合、最も近い注意対象物Objと重ならない位置に案内画像を表示させた。これに代えて、制御部55は、この場合、最も近い注意対象物Objと重なる位置に案内画像を表示させてもよい。
「(3)注意対象物が虚像近傍範囲内にいる場合」のセクションの説明で用いた図9及び図10等の表示例では、制御部55は、最も近い注意対象物Objの近傍に案内画像を表示させる場合、最も近い注意対象物Objと重ならない位置に案内画像を表示させた。これに代えて、制御部55は、この場合、最も近い注意対象物Objと重なる位置に案内画像を表示させてもよい。
図14は、図10に示すコンバイナ9の表示の変形例を示す。図14では、制御部55は、第3案内画像83を、トラック92と重なる位置に表示している。この場合であっても、制御部55は、遠近での焦点合わせの必要がないトラック92及び第3案内画像83を同時に運転者に視認させ、目に負担をかけることなくトラック92の存在及び第3案内画像83の内容を運転者に好適に認識させることができる。なお、制御部55は、最も近い注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより遠くにある場合についても同様に、最も近い注意対象物Objと重なる位置に案内画像を表示させてもよい。
また、好適には、制御部55は、対象となる注意対象物Objの種別ごとに、案内画像を重ねて表示するか否か決定してもよい。例えば、制御部55は、案内画像を近傍表示させる対象が信号機の場合には、案内画像を重ねずに信号機の近傍に表示させ、案内画像を近傍表示させる対象が前方車の場合には、案内画像を前方車に重ねて表示させてもよい。
(変形例2)
注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより近くにいる場合、制御部55は、虚像近傍範囲Rn内又は虚像近傍範囲Rnよりも遠くにある他の注意対象物Objの近傍位置に、表示位置を変更すべき案内画像を表示させてもよい。
注意対象物Objが虚像近傍範囲Rnより近くにいる場合、制御部55は、虚像近傍範囲Rn内又は虚像近傍範囲Rnよりも遠くにある他の注意対象物Objの近傍位置に、表示位置を変更すべき案内画像を表示させてもよい。
図15は、図12に示すコンバイナ9の表示の変形例を示す。図15では、トラック92に代えて、前方車である乗用車93が虚像近傍範囲Rnよりも近い位置で走行している。また、図15の例では、乗用車93の車高がトラック92よりも低いことから、虚像近傍範囲Rnよりも遠方に存在する信号機91についてもコンバイナ9を介して視認可能となっている。
この場合、制御部55は、通常の表示位置では乗用車93の近傍に表示される第1案内画像81を、乗用車93の近傍とならない位置であって、虚像近傍範囲Rnより遠くにある他の注意対象物Objである信号機91の近傍になる位置に、第1案内画像81を表示させる。このようにすることで、制御部55は、遠近での焦点合わせの必要がある乗用車93及び第1案内画像81を運転者が同時に視認するのを防ぎつつ、同時に視認しても焦点合わせの負担が少ない信号機91及び第1案内画像81を同時に視認させることができる。
(変形例3)
図3では、ヘッドアップディスプレイ2は、コンバイナ9を有し、コンバイナ9で反射させた光源ユニット4の出射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させていた。しかし、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。これに代えて、ヘッドアップディスプレイ2は、コンバイナ9を有さず、フロントガラス25で反射させた光源ユニット4の出射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させてもよい。この場合、フロントガラス25は、本発明における「表示手段」の一例である。
図3では、ヘッドアップディスプレイ2は、コンバイナ9を有し、コンバイナ9で反射させた光源ユニット4の出射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させていた。しかし、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。これに代えて、ヘッドアップディスプレイ2は、コンバイナ9を有さず、フロントガラス25で反射させた光源ユニット4の出射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させてもよい。この場合、フロントガラス25は、本発明における「表示手段」の一例である。
また、光源ユニット4の位置は、天井部27に設置される場合に限定されない。これに代えて、光源ユニット4は、ダッシュボード29上に設置されたり、ダッシュボード29の内部に設置されたりしてもよい。ダッシュボード29上に設置される場合、ダッシュボード29には、コンバイナ9を設けるか、又はフロントガラス25に光源ユニット4から直接光を反射させ運転者に虚像Ivを認識させる。ダッシュボード内に設置される場合、ダッシュボード29には、コンバイナ9又はフロントガラス25に光を通過させるための開口部が設けられる。
(変形例4)
制御部55の処理の一部を、システムコントローラ20が実行してもよい。例えば、ヘッドアップディスプレイ2が表示するための案内画像をシステムコントローラ20が生成し、ヘッドアップディスプレイ2の光源ユニット4が当該案内画像を受信する態様であってもよい。
制御部55の処理の一部を、システムコントローラ20が実行してもよい。例えば、ヘッドアップディスプレイ2が表示するための案内画像をシステムコントローラ20が生成し、ヘッドアップディスプレイ2の光源ユニット4が当該案内画像を受信する態様であってもよい。
他の例では、システムコントローラ20は、ヘッドアップディスプレイ2に代えて、カメラ3から画像Imを通信装置38より受信し、注意対象物Objの検出処理及び対象物距離Loの測定処理を行ってもよい。この場合、システムコントローラ20は、注意対象物Objの検出結果及び対象物距離Loの測定結果を、通信装置38を介してヘッドアップディスプレイ2に送信する。
さらに別の例では、システムコントローラ20は、注意対象物Objの検出処理及び対象物距離Loの測定処理に加え、実施例の制御部55と同様に、測定した対象物距離Loに基づき、注意対象物Objと虚像近傍範囲Rnとの位置関係を認識し、当該位置関係に応じて案内画像の表示位置を決定してもよい。この場合、システムコントローラ20は、案内画像の表示位置を指定する情報を、通信装置38によりヘッドアップディスプレイ2に送信することで、ヘッドアップディスプレイ2に案内画像を所定の位置に表示させる。
なお、この変形例では、システムコントローラ20は、本発明における「取得手段」、「制御手段」、及びプログラムを実行するコンピュータとして機能する。
また、ヘッドアップディスプレイ2は、ナビゲーション装置1の一部又は全部の機能を有してもよい。この場合、光源ユニット4は、例えば、地図データを記憶するメモリやGPS受信機などの各センサなどを有してもよい。
1 ナビゲーション装置
2 ヘッドアップディスプレイ
4 光源ユニット
9 コンバイナ
25 フロントガラス
28 ボンネット
29 ダッシュボード
100 表示システム
2 ヘッドアップディスプレイ
4 光源ユニット
9 コンバイナ
25 フロントガラス
28 ボンネット
29 ダッシュボード
100 表示システム
Claims (1)
- 移動体に搭載され、前方風景に重ねて虚像を表示するヘッドアップディスプレイであって、
前記前方風景に含まれる対象物の位置を取得する取得手段と、
前記移動体の運転者から予め設定された距離に結像するように前記虚像を表示手段に表示させる制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記移動体の進行方向を基準として前記虚像の近傍となる所定距離範囲内に前記対象物が位置する場合に、前記表示手段に少なくとも1つの虚像を、前記表示手段上における当該対象物の近傍位置に表示させることを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
Priority Applications (1)
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JP2018120059A JP2018158725A (ja) | 2018-06-25 | 2018-06-25 | ヘッドアップディスプレイ、制御方法、プログラム、及び記憶媒体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113401055A (zh) * | 2020-02-28 | 2021-09-17 | 本田技研工业株式会社 | 注意提醒装置和注意提醒方法 |
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-
2018
- 2018-06-25 JP JP2018120059A patent/JP2018158725A/ja active Pending
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