JP2018153773A - 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用複合金属酸化物触媒並びそれを用いた不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような複合金属酸化物触媒についてはいくつもの技術が開示されており、例えば、特許文献1には、ビスマスの供給源化合物として酸化ビスマス及び/または次炭酸ビスマスを用いるモリブデン−ビスマス系複合酸化物触媒が報告されている。また、特許文献2には、ビスマスの供給源化合物として所要ナトリウムの少なくとも一部を固溶した次炭酸ビスマスを用いることを特徴とする複合金属酸化物触媒の製造法が報告されている。また、特許文献3には、モリブデン及びビスマスを必須の活性成分とし、モリブデン原料として使用するモリブデン酸アンモニウムと水の混合物の濁度が30NTU以下であることを特徴とする不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸製造用触媒が報告されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、プロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及びメチル−tert−ブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の原料有機化合物を分子状酸素により気相接触酸化して、原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を得る際、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の選択性、収率の優れた複合金属酸化物触媒を汎用的な原料を使用して提供することを目的とする。
[1]プロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及びメチル−tert−ブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の原料有機化合物を分子状酸素により気相接触酸化して、原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン、ビスマス及び鉄を必須の触媒活性成分とする下記式(1)で表される複合金属酸化物触媒であって、モリブデン原料として、加熱した際、30〜190℃の範囲で測定される吸熱のピーク温度が133.3℃以上137.8℃以下であるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒。
Mo12BiaFebMcXdYeZfOg (1)
(式中、Mo、Bi、Fe及びOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f及びgはMo12原子に対する各元素の原子比を示し、a=0.01〜3.0、b=0.01〜5.0、c=1.0〜12.0、d=0〜8.0、e=0〜5.0及びf=0.001〜2.0であり、gは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。)
Mo12BiaFebMcXdYeZfOg (2)
(式中、Mo、Bi、Fe及びOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f及びgはMo12原子に対する各元素の原子比を示し、a=0.01〜3.0、b=0.01〜5.0、c=1.0〜12.0、d=0〜8.0、e=0〜5.0及びf=0.001〜2.0であり、gは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。)
[複合金属酸化物触媒]
本発明の複合金属酸化物触媒は、プロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及びメチル−tert−ブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の原料有機化合物を分子状酸素により気相接触酸化して、原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を得る際に使用されるものである。
また、この複合金属酸化物触媒は下記式(1)で表される組成を有する。
Mo12BiaFebMcXdYeZfOg (1)
(式中、Mo、Bi、Fe及びOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f及びgはMo12原子に対する各元素の原子比を示し、a=0.01〜3.0、b=0.01〜5.0、c=1.0〜12.0、d=0〜8.0、e=0〜5.0及びf=0.001〜2.0であり、gは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。)
さらに、本発明の触媒は、モリブデン原料として使用するモリブデン酸アンモニウム四水和物が、加熱した際、30〜190℃の範囲で測定される吸熱のピーク温度が133.3℃以上137.8℃以下であるものを用いて得られた触媒である。ここで、吸熱のピーク温度とは熱重量・示差熱分析計(TG−DTA)や示差走査熱量計(DSC)等を用いて、空気雰囲気下、30〜190℃の範囲で測定される最も吸熱が観測された温度のことである。吸熱のピーク温度の測定方法や測定機器は特に限定されないが、本発明に記載する吸熱のピーク温度は、Rigaku製示差熱天秤Thermo plus EVO TG8120を用いて、モリブデン酸アンモニウム四水和物10mgを空気雰囲気下、30〜190℃まで毎分10℃で昇温して測定した温度である。
モリブデン酸アンモニウム四水和物の吸熱のピーク温度を調整する方法としては、モリブデン酸アンモニウム四水和物の保存状態を制御する方法がある。すなわち、モリブデン酸アンモニウム四水和物を高湿条件で保存することで、吸熱のピーク温度が高くなり、モリブデン酸アンモニウム四水和物を低湿条件で保存することで吸熱のピーク温度が低くなる。
Mo12BiaFebMcXdYeZfOg (2)
(式中、Mo、Bi、Fe及びOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f及びgはMo12原子に対する各元素の原子比を示し、a=0.01〜3.0、b=0.01〜5.0、c=1.0〜12.0、d=0〜8.0、e=0〜5.0及びf=0.001〜2.0であり、gは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。)
ビスマス(Bi)添加量は、式(1)において、Mo12原子に対する原子比a=0.01〜3.0となるように添加するが、好ましくはa=0.05〜2.5、より好ましくはa=0.1〜2.0、更に好ましくはa=0.2〜1.8となるように添加する。a=3.0を越えると、原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸選択率が低下する傾向にあり、一方、a=0.01を下回ると、原料有機化合物の転化率が低下する傾向にある。
例えば、ビスマス原料としては、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等が挙げられる。
鉄原料としては、硝酸第二鉄、水酸化鉄、三酸化鉄等の種々の原料を使用でき、特に硝酸第二鉄が好ましい。
触媒原料は、各元素について、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記原料液は、たとえば、触媒を構成する酸素以外の各元素を所定の比率で含むように、触媒原料と、溶媒とを混合し、溶液またはスラリーとすることによって調製できる。
原料液の調製方法としては、以下の工程(a)〜(e)を含む方法が好ましい。
工程(a):モリブデン原料を含有する溶液又はスラリー(A液)を調製する工程。
工程(b):鉄原料を含有する溶液又はスラリー(B液)を調製する工程。
工程(c):A液とB液とを混合して、モリブデン原料及び鉄原料を含有する溶液又はスラリー(C液)を調製する工程。
工程(d):調製途中又は調製後のA液、B液、C液の少なくともいずれかにビスマス原料を添加する工程。
A液を調製する際に使用する溶媒の質量は、A液の調製に使用する触媒原料の合計100質量部に対して、70〜500質量部が好ましい。
B液の溶媒としては、前記A液の溶媒と同様のものを使用できる。
B液を調製する際に使用する溶媒の質量は、B液の調製に使用する触媒原料の合計100質量部に対して、30〜300質量部が好ましい。
ビスマス原料の添加量は、最終的に得られる原料液中に含まれるビスマスの量がそれぞれ、製造しようとする触媒に必要とされる量となる量であればよい。ビスマス原料は、全量を一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。
ビスマス原料を添加する方法としては、特に限定されず、調製途中又は調製後のA液、B液、C液のいずれか1つに全量を添加してもよく、2つ以上に添加してもよい。例えば、A液の調製途中又は調製後に添加する方法、B液の調製途中又は調製後に添加する方法、C液の調製途中又は調製後に添加する方法等が挙げられ、いずれでも好ましい結果が得られる。
また、ビスマス原料を調製後のA液、B液、C液の少なくともいずれかに添加する場合、添加後にホモジナイザーによる微粒化、均一化を行うこともできる。
還元剤は、全量を一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。
以上のような方法により、原料液を調製できる。
なお、原料液を前記温度範囲に保持する保持時間としては、特に限定されないが、1秒間〜30時間の範囲が適当であり、好ましくは1分間〜20時間の範囲、特に好ましくは3分間〜15時間の範囲である。保持時間が短すぎると、保持により触媒性能を向上させる効果が得られにくい。又、保持時間をあまり長くしても、保持によるそれ以上の効果は得られにくい。
まず、前記原料液の乾燥を行う。乾燥には、箱形乾燥機、蒸発乾燥機、噴霧乾燥機等種々の乾燥装置用いることができる。乾燥条件は、例えば箱形乾燥機の場合は30〜150℃、噴霧乾燥機の場合は入口温度で100〜500℃が好ましい。乾燥工程での乾燥不良が発生した場合、乾燥粉の乾燥機への付着等により、得られる触媒の歩留まりが悪化する、または後工程への乾燥粉の輸送が困難になる等の悪影響が考えられる。
焼成温度は、200〜600℃の温度範囲で行うことが好ましい。焼成時間(所定の焼成温度に達してから該温度持続する時間)は、目的とする触媒に応じて適宜選択される。
触媒を成形する方法は、特に限定されるものではなく、打錠成形機、押出成形機、転動造粒機等の一般粉体用成形機を用いて、球状、リング状、円柱状、星型状等の任意の形状に成形できる。
酸素含有ガスとしては、空気を用いるのが最も経済的である。
また、触媒は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア、シリコンカーバイト等の不活性物質で希釈して用いることもできる。
不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造は、たとえば、気相接触酸化の反応器内で、前記触媒と、前記原料有機化合物及び分子状酸素を含む原料ガスとを接触させることにより実施できる。
原料ガスの分子状酸素源としては、空気を用いるのが工業的に有利である。必要に応じて、空気等に純酸素を混合したガスを用いることもできる。
原料ガス中の原料有機化合物と分子状酸素とのモル比は原料有機化合物:分子状酸素=1:0.1〜5の範囲が好ましく、1:0.5〜3の範囲がより好ましい。
原料ガスは、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス、水蒸気等で希釈して使用することが経済的である。
原料有機化合物として供給したプロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及び/またはメチル−tert−ブチルエーテルの反応率(%)=(B/A)×100
原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒドの選択率(%)=(C/B)×100
原料有機化合物に対応する不飽和カルボン酸の選択率(%)=(D/B)×100
ここで、Aは原料有機化合物として供給したプロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及び/またはメチル−tert−ブチルエーテルのモル数、Bは反応したプロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及び/またはメチル−tert−ブチルエーテルのモル数、Cは生成した原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒドのモル数、Dは生成した原料有機化合物に対応する不飽和カルボン酸のモル数である。
(触媒調製)
60℃の純水400部に、吸熱ピーク温度が133.7℃であるモリブデン酸アンモニウム四水和物100部、硝酸セシウム6部、三酸化ビスマス8部及び三酸化アンチモン5部を混合してA液とした。
これとは別に純水200部に、硝酸鉄九水和物38部、硝酸コバルト六水和物89部及び硝酸ニッケル六水和物14部を順次加えて溶解しB液とした。
次いで、A液にB液を加え、スラリー状のC液を得た。この原料液を、90℃まで加熱し、1時間攪拌を行い、水性のスラリーとした。その後、スラリーの水の大部分を蒸発させて、ケーキ状物Aを得た。
該ケーキ状物Aを、120℃で16時間処理し、さらに空気雰囲気下300℃で1時間熱処理した後、粉砕した。これを加圧成形した後、破砕し、得られた破砕粒子を分級し、目開き2.36mmの篩を通過し、かつ目開き0.71mmの篩を通過しないものを回収した。その後、回収した特定の大きさの破砕粒子を再び空気雰囲気下500℃で6時間熱処理して、触媒を得た。こうして得られた触媒の元素の組成(酸素を除く)は、Mo12Bi0.7Fe2.0Ni1.0Co6.5Sb0.7Cs0.6であった。
この触媒をステンレス製反応管内に充填して触媒層を形成した後、組成(容量%)がイソブチレン(原料有機化合物)5%、酸素12%、水蒸気10%、及び窒素73%である原料ガスを、イソブチレンの反応率が95%となるように、2.9秒間の接触時間で反応管内の触媒層を通過させ、340℃で反応させた。結果を表1に示す。
(触媒調製)
吸熱ピーク温度が136.9℃であるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用した以外は、実施例1と同様に調製した。
(反応評価)
接触時間を3.2秒とした以外は、実施例1と同様に反応評価を行った。結果を表1に示す。
(触媒調製)
吸熱ピーク温度が137.4℃であるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用した以外は、実施例1と同様に調製した。
(反応評価)
接触時間を3.3秒とした以外は、実施例1と同様に反応評価を行った。結果を表1に示す。
(触媒調製)
吸熱ピーク温度が133.1℃であるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用した以外は、実施例1と同様に調製した。
(反応評価)
接触時間を2.5秒とした以外は、実施例1と同様に反応評価を行った。結果を表1に示す。
(触媒調製)
吸熱ピーク温度が138.0℃であるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用した以外は、実施例1と同様に調製した。
(反応評価)
接触時間を3.4秒とした以外は、実施例1と同様に反応評価を行った。結果を表1に示す。
(触媒調製)
含まれる窒素の量が6.817重量パーセントであるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用した以外は、実施例1と同様に調製した。
(反応評価)
接触時間を3.2秒とした以外は、実施例1と同様に反応評価を行った。結果を表2に示す。
(触媒調製)
含まれる窒素の量が6.853重量パーセントであるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用した以外は、実施例1と同様に調製した。
(反応評価)
接触時間を3.3秒とした以外は、実施例1と同様に反応評価を行った。結果を表2に示す。
(触媒調製)
含まれる窒素の量が6.777重量パーセントであるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用した以外は、実施例1と同様に調製した。
(反応評価)
接触時間を2.5秒とした以外は、実施例1と同様に反応評価を行った。結果を表2に示す。
(触媒調製)
含まれる窒素の量が6.857重量パーセントであるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用した以外は、実施例1と同様に調製した。
(反応評価)
接触時間を3.4秒とした以外は、実施例1と同様に反応評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (3)
- プロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及びメチル−tert−ブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の原料有機化合物を分子状酸素により気相接触酸化して、原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン、ビスマス及び鉄を必須の触媒活性成分とする下記式(1)で表される複合金属酸化物触媒であって、モリブデン原料として、加熱した際、30〜190℃の範囲で測定される吸熱のピーク温度が133.3℃以上137.8℃以下であるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒。
Mo12BiaFebMcXdYeZfOg (1)
(式中、Mo、Bi、Fe及びOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f及びgはMo12原子に対する各元素の原子比を示し、a=0.01〜3.0、b=0.01〜5.0、c=1.0〜12.0、d=0〜8.0、e=0〜5.0及びf=0.001〜2.0であり、gは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。) - プロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及びメチル−tert−ブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の原料有機化合物を分子状酸素により気相接触酸化して、原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン、ビスマス及び鉄を必須の触媒活性成分とする下記式(2)で表される複合金属酸化物触媒であって、モリブデン原料として、含まれる窒素の量が6.780〜6.855重量パーセントであるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒。
Mo12BiaFebMcXdYeZfOg (2)
(式中、Mo、Bi、Fe及びOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f及びgはMo12原子に対する各元素の原子比を示し、a=0.01〜3.0、b=0.01〜5.0、c=1.0〜12.0、d=0〜8.0、e=0〜5.0及びf=0.001〜2.0であり、gは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。) - プロピレン、イソブチレン、tert−ブチルアルコール及びメチル−tert−ブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の原料有機化合物を分子状酸素により気相接触酸化して、原料有機化合物に対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する方法であって、前記気相接触酸化の触媒として、請求項1又は2に記載の複合金属酸化物触媒を用いる不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造方法。
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