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JP2018151637A - 透明樹脂層、粘着剤層付偏光フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

透明樹脂層、粘着剤層付偏光フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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JP2018151637A JP2018076178A JP2018076178A JP2018151637A JP 2018151637 A JP2018151637 A JP 2018151637A JP 2018076178 A JP2018076178 A JP 2018076178A JP 2018076178 A JP2018076178 A JP 2018076178A JP 2018151637 A JP2018151637 A JP 2018151637A
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淳 保井
Atsushi Yasui
淳 保井
普史 形見
Fushi Katami
普史 形見
水谷 昌紀
Masanori Mizutani
昌紀 水谷
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Abstract

【課題】画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムの信頼性を損なうことなく、タッチパネルの感度低下を引き起こさないレベルで帯電防止機能を付与することができる透明樹脂層を提供すること。【解決手段】画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムよりも、視認側に配置される透明樹脂層であって、前記透明樹脂層は、表面抵抗値が1.0×1013Ω/□以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムよりも、視認側に配置される透明樹脂層に関する。また本発明は、前記透明樹脂層を透明粘着剤層として偏光フィルム上に形成した粘着剤層付偏光フィルムに関する。また、本発明は、前記透明樹脂層(または粘着剤層付偏光フィルムの透明粘着剤層)が、画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムよりも、視認側に配置されている画像表示装置に関する。画像表示装置としては、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパーなどが挙げられる。
本発明の透明樹脂層は、透明粘着剤、透明液状樹脂等により形成することができ、例えば、画像表示装置の視認側において適用されるタッチパネルなどの入力装置、カバーガラス、プラスチックカバー等の透明基体等の部材と偏光フィルムとの間に好適に適用することができる。タッチパネルとしては、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などのタッチパネルに好適に用いることができる。特に、静電容量方式のタッチパネルに好適に用いられる。上記タッチパネルは、特に限定されないが、例えば、携帯電話、タブレットコンピューター、携帯情報端末などに用いられる。
近年、携帯電話や携帯用音楽プレイヤー等の液晶表示装置等の画像表示装置とタッチパネルを組み合わせて用いる入力装置が普及してきている。中でも、静電容量方式のタッチパネルはその機能性から急速に普及してきている。
現在、タッチパネル用に用いる透明導電性フィルムとしては、透明プラスチックフィルム基材やガラスに透明導電性薄膜(ITO膜)が積層されたものが多く知られている。透明導電性フィルムは、他の部材に粘着剤層を介して積層される。前記粘着剤層として各種のものが提案されている(特許文献1〜5参照)。
前記透明導電性フィルムが、静電容量方式のタッチパネルの電極基板に用いられる場合には、前記透明導電性薄膜がパターニングされたものが用いられる。このようなパターニングされた透明導電性薄膜を有する透明導電性フィルムは、他の透明導電性フィルム等とともに粘着剤層を介して積層して用いられる。これら透明導電性フィルムは、2本以上の指で同時に操作できるマルチタッチ方式の入力装置に好適に使用される。即ち、静電容量方式のタッチパネルは、指などでタッチパネルに触れた際にその位置の出力信号が変化し、その信号の変化量がある閾値を超えた場合にセンシングする仕組みになっている。
特開2003−238915号公報 特開2003−342542号公報 特開2004−231723号公報 特開2002−363530号公報 特開2012−246477号公報
画像表示装置の製造時等に静電気が発生する。このような場合に、例えば、液晶表示装置においては、装置内部の液晶の配向に影響を与え、不良を招くようになる。また、液晶表示装置の使用時に静電気による表示ムラが生じる場合がある。液晶表示装置に生じる静電気の発生を抑えるため、例えば、視認側の偏光フィルムと液晶セルとの間に設ける粘着剤層に帯電防止機能を付与したり、帯電防止層が設けられたりしている。しかし、粘着剤層に、帯電防止機能を付与するため界面活性剤やイオン性化合物を添加した場合には、偏光フィルムの加熱試験や加熱加湿試験での信頼性の低下などが懸念される。
また、画像表示装置では、視認側の偏光フィルムよりも、さらに視認側にタッチパネルを配置する場合がある。前記タッチパネルには、静電気の発生を抑えるためには、タッチパネルの感度低下を引き起こさないレベルで帯電防止機能が求められる。例えば、画像表示装置(液晶表示装置)において、液晶パネルの視認側の表面に帯電防止層(ITO層等)を有する場合には、静電気ムラをある程度抑制することができる。しかし、液晶パネルの視認側の表面に設ける帯電防止層は、添加する帯電防止剤によっては、偏光解消や不純物による輝点の発生などといった光学特性の低下などが問題になるおそれが高く、視認側の偏光フィルムの信頼性が十分とは言えなかった。また、インセル型といったタッチセンサー内蔵液晶表示装置では液晶パネルの視認側の表面に静電気ムラ抑制用の帯電防止層が形成されていないこと、オンセル型といったタッチセンサー内蔵液晶表示装置では、液晶パネルの視認側の表面に帯電防止層が形成されてはいるが、アースを行うために帯電防止層がパターンニングされているために部分的に帯電防止層の無い箇所があることから、特に、これらタッチセンサー内蔵液晶表示装置では、帯電防止機能が十分とは言えなかった。
そこで、本発明は、画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムの信頼性を損なうことなく、タッチパネルの感度低下を引き起こさないレベルで帯電防止機能を付与することができる透明樹脂層を提供することを目的とする。
また本発明は、前記透明樹脂層を透明粘着剤層として偏光フィルム上に形成した粘着剤層付偏光フィルムを提供すること目的とする。さらには、本発明は、前記透明樹脂層または粘着剤層付偏光フィルムを有する画像表装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記透明樹脂層を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムよりも、視認側に配置される透明樹脂層であって、
前記透明樹脂層は、表面抵抗値が1.0×1013Ω/□以下であることを特徴とする透明樹脂層、に関する。
前記透明樹脂層において、前記透明樹脂層の厚みが5μm〜1mmであることが好ましい。また、前記透明樹脂層は、表面抵抗値(Ω/□)に厚み(cm)を乗じた値(体積抵抗値)が、1.0×1012Ω・cm以下であることが好ましい。
前記透明樹脂層の形成材料は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有することが好ましい。
前記透明樹脂層の形成材料は、イオン性化合物を含有することができる。
前記明樹脂層の形成材料としては、透明粘着剤を用いることができる。また前記透明樹脂層の形成材料としては、透明液状樹脂を用いることができる。
前記透明樹脂層は、タッチパネルに好適に適用することができる。特に、インセル型またはオンセル型といったタッチセンサー内蔵液晶表示装置に好適に適用することができる。
また本発明は、画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムおよび当該偏光フィルムよりも、視認側に配置される粘着剤層を有する粘着剤層付偏光フィルムであって、
前記粘着剤層が、前記透明粘着剤層を形成材料とする透明樹脂層であることを特徴とする粘着剤層付偏光フィルム、に関する。
また本発明は、少なくとも1枚の偏光フィルムを有する画像表示装置であって、
画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムよりも、視認側に、前記透明樹脂層を少なくとも1層有することを特徴とする画像表示装置、に関する。前記画像表示装置において、前記透明樹脂層は、前記粘着剤層付偏光フィルムにおける粘着剤層として設けることができる。
本発明の透明樹脂層は、表面抵抗値が1.0×1013Ω/□以下であり、帯電防止機能を有している。また、当該透明樹脂層は、タッチパネルを配置した画像表示装置(例えば、液晶表示装置)において、最も視認側に設けられる偏光フィルムよりも、視認側に配置される。そのため、視認側の偏光フィルムと液晶パネルの間に帯電防止層(低表面抵抗層)を設ける場合に発生するおそれのある偏光解消や不純物による輝点の発生などの光学特性の低下などの問題を大幅に低下させることでき、最も視認側に設けられる偏光フィルムの信頼性を損なうことがない。このように、本発明の透明樹脂層は、画像表示装置の性能を損なうことなく、タッチパネルに適度のレベルで帯電防止機能を付与することができる。
特に、インセル型またはオンセル型といったタッチセンサー内蔵液晶表示装置に適用する場合には、本発明の透明樹脂層は有効である。例えば、本発明の透明樹脂層を粘着剤層等として、最も視認側に設けられる偏光フィルムに設けることにより、インセル型またはオンセル型といったタッチセンサー内蔵液晶表示装置を高品質化することができる。
また前記透明樹脂層を粘着剤層として用いる場合には、予め、粘着剤層付偏光フィルムを作成して、画像表示装置に適用する場合に耐久性が良好である。粘着剤層付偏光フィルムは、最も視認側に設けられる偏光フィルムの信頼性の点で好ましい。
本発明の透明樹脂層が、画像表示装置において適用される配置箇所の概念図である。 本発明の透明樹脂層を介して、画像表示装置と部材が貼り合されている状態を模式的に示す概念図である。 画像表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 画像表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 画像表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 タッチパネルの一実施形態を模式的に示す断面図である。 タッチパネルの一実施形態を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の透明樹脂層の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は、図面の実施形態に限定されるものではない。
図1に示すように、本発明の透明樹脂層Aは、偏光フィルム1を少なくとも1枚有する画像表示装置Bにおいて、最も視認側に設けられる偏光フィルム1よりも、視認側において適用される。
図2は、透明樹脂層Aを介して、画像表示装置Bの最も視認側に設けられる偏光フィルム1と部材Cが貼り合されている状態を模式的に示す概念図である。図2では、透明樹脂層Aは、透明粘着剤層または透明液状樹脂層として用いることができる。また、透明樹脂層Aが、透明粘着剤層の場合には、偏光フィルム1に予め設けた粘着剤層付偏光フィルムとして使用することができる。部材Cとしては、画像表示装置の視認側において適用されるタッチパネルなどの入力装置、カバーガラス、プラスチックカバー等の透明基体等が挙げられる。
画像表示装置Bは、少なくとも1枚の偏光フィルム1を有するものであり、画像表示装置としては、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパー等あげられる。画像表示装置Bとしては、偏光フィルム1を液晶層5の両側に有する液晶表示装置を好適に使用することができる。画像表示装置(液晶表示装置)の代表的な実施形態を模式的に示す断面図を、図3a乃至図3cに示す。図3a乃至図3cの画像表示装置(液晶表示装置)において、上部の偏光フィルム1が、最も視認側に位置する。
図3aに示す画像表示装置(液晶表示装置)は、偏光フィルム1(視認側)/粘着剤層2/帯電防止層3/ガラス基板4/液晶層5/駆動電極6/ガラス基板4/粘着剤層2/偏光フィルム1、の構成を有する。帯電防止層3、駆動電極6は透明導電層から形成することができる。なお、帯電防止層3は任意に形成することができる。
図3bに示す画像表示装置(液晶表示装置)は、透明導電層をタッチパネル(インセル型タッチパネル)の電極用途として使用する場合であり、偏光フィルム1(視認側)/粘着剤層2/帯電防止層兼センサー層7/ガラス基板4/液晶層5/駆動電極兼センサー層8/ガラス基板4/粘着剤層2/偏光フィルム1、の構成を有する。帯電防止層兼センサー層7、駆動電極兼センサー層8、駆動電極6は透明導電層から形成することができる。
図3cに示す画像表示装置(液晶表示装置)は、透明導電層をタッチパネル(オンセル型タッチパネル)の電極用途として使用する場合であり、偏光フィルム1/粘着剤層2/帯電防止層兼センサー層7/センサー層9/ガラス基板4/液晶層5/駆動電極6/ガラス基板4/粘着剤層2/偏光フィルム1、の構成を有する。帯電防止層兼センサー層7、センサー層9、駆動電極6が透明導電層から形成することができる。
偏光フィルムとしては、偏光子の片面または両面には透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。偏光フィルムにおける透明保護フィルムにはハードコート層等の機能層を設けることもできる。その他、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置の形成に用いられる光学フィルムが適宜に使用される。また光学フィルムとしては、例えば反射板や反透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、光学補償フィルム、視覚補償フィルム、輝度向上フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものが挙げられる。これらは単独で光学フィルムとして用いることができる他、前記偏光フィルムに、実用に際して積層して、1層または2層以上用いることができる。
前記偏光フィルムや光学フィルムには、液晶セル(ガラス基板)等の他部材と接着するために粘着剤層(図3a乃至図3cの粘着剤層2等が該当)を形成することができる。粘着剤層は、例えばアクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーと各種の粘着剤を適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましい。
偏光フィルムや光学フィルムの片面又は両面への粘着剤層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光フィルム上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着剤層を形成してそれを偏光フィルム上または光学フィルム上に移着する方式などが挙げられる。
粘着剤層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光フィルムや光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光フィルムや光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着剤層とすることもできる。粘着剤層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
液晶表示装置は一般に、液晶セル(ガラス基板/液晶層/ガラス基板の構成)とその両側に配置した偏光フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成される。液晶セルは、例えばTN型やSTN型、π型、VA型、IPS型などの任意なタイプのものを用いうる。また、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
タッチパネルCの代表的な実施形態を模式的に示す断面図を、図4a乃至図4bに示す。図4aのタッチパネルCは、静電容量方式タッチパネルであり、透明基体11、透明樹脂層A、透明導電性フィルム12が、この順で積層されている。また、透明導電性フィルム12は2層以上積層することができる。図4bでは、静電容量方式タッチパネルCとして、透明導電性フィルム12が2層積層された場合であり、透明基体11、透明樹脂層A、透明導電性フィルム12、透明樹脂層A、透明導電性フィルム12が、この順で積層されている。このように、本発明の透明樹脂層Aは、タッチパネルの内部部材として適用することができる。また、透明基体11は、センサー層を有することができる。なお、透明基体11は、カバーガラスまたはプラスチックカバー等として、これを単独で、画像表装置(液晶表示装置)に適用することができる。その他、図4a乃至図4bに代表されるタッチパネルCの透明基体11とは反対側の透明導電性フィルム12には、ハードコートフィルムを設けることもできる(図示なし)。
なお、透明基体としては、ガラス板や透明アクリル板(PMMA板)が挙げられる。透明基体は、所謂、カバーガラスであり、装飾パネルとして用いることができる。透明導電性フィルムとしては、ガラス板や透明プラスチックフィルム(特にPETフィルム)に透明導電膜が設けられているものが好ましい。透明導電膜としては、金属、金属酸化物やこれらの混合物からなる薄膜が挙げられ、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、ZnO、SnO、CTO(酸化カドミウムスズ)の薄膜が挙げられる。透明導電膜の厚みは、特に限定されないが、10〜200nm程度である。上記透明導電性フィルムとして、PETフィルムに、ITO膜を設けたITOフィルムが代表例である。透明導電膜はアンダーコート層を介して設けることができる。なお、アンダーコート層は複数層設けることができる。透明プラスチックフィルム基材と粘着剤層の間にオリゴマー移行防止層を設けることができる。ハードコートフィルムは、PETフィルムなどの透明プラスチックフィルムにハードコート処理が施されたものが好ましい。
本発明の透明樹脂層Aを、画像表示装置に適用した例の構成を下記に示す。構成としては、
透明基体11/透明樹脂層(粘着剤層)A/透明導電性フィルム12/粘着剤層(または粘着シート)/透明導電性フィルム/透明樹脂層(粘着剤層)A/液晶表示装置(LCD)B;
透明基体11(ITO等の透明導電性薄膜付:センサー付き)/透明樹脂層(粘着剤層)A/透明導電性フィルム12/透明樹脂層(粘着剤層)A/液晶表示装置(LCD)B;
透明基体11(ITO等の透明導電性薄膜付:センサー付き)/透明樹脂層(粘着剤層)A/液晶表示装置(LCD)B;
透明基体11/透明樹脂層(粘着剤層)A/円偏光フィルム/透明樹脂層(粘着剤層)A/タッチセンサー/有機EL表示装置(OLED)B;
透明基体11/透明樹脂層(粘着剤層)A/タッチセンサー/透明樹脂層(粘着剤層)A/タッチセンサー/液晶表示装置(LCD)B;
透明基体11/透明樹脂層(粘着剤層)A/タッチセンサー/液晶表示装置(LCD)B:
透明基体11/透明樹脂層(粘着剤層)A/タッチセンサー/透明樹脂層(粘着剤層)A/液晶表示装置(LCD)B;
透明基体11/透明樹脂層(粘着剤層)A/インセル型液晶表示装置(インセル型といったタッチセンサー内蔵液晶表示装置:LCD)B/偏光フィルム1;
透明基体11/透明樹脂層(粘着剤層)A/オンセル型液晶表示装置(オンセル型といったタッチセンサー内蔵液晶表示装置:LCD)B;等が挙げられる。
上記は好ましい層構成の一例であり、これらの構成に限定されるものではない。前記構成において、少なくとも1つ透明樹脂層Aとして本発明の透明樹脂層Aが用いられる。なお、上記構成では透明樹脂層Aとして粘着剤層の場合を例示したが、透明樹脂層Aは、透明液状樹脂から形成することもできる。
以下に本発明の透明樹脂層について説明する。本発明の透明樹脂層は、表面抵抗値が1.0×1013Ω/□以下を満足する。前記表面抵抗値は1.0×108Ω/□〜1.0×1013Ω/□が好ましく、さらに好ましくは1.0×109Ω/□〜1.0×1012Ω/□、さらに好ましくは5.0×109Ω/□〜5.0×1011Ω/□である。前記表面抵抗値を満足する透明樹脂層を、画像表示装置(最も視認側の偏光フィルムよりも視認側)に配置することで、画像表示装置の性能を低下させることなく、タッチパネル等に適度の帯電防止機能を付与することができる。
なお、本発明の透明樹脂層は、「透明」であることは、厚さ25μmで測定したヘイズ値が2%以下であることより満足することができる。前記ヘイズ値は0〜1.5%であることが好ましく、さらには0〜1%であることが好ましい。
また、本発明の透明樹脂層は、厚みが5μm〜1mmであることが好ましい。透明樹脂層の厚みは、透明樹脂層が適用される箇所により適宜に設計することができる。透明樹脂層の厚みは好ましくは10μm〜500μm、さらに好ましくは20μm〜300μmである。
また、本発明の透明樹脂層は、表面抵抗値(Ω/□)に厚み(cm)を乗じた値(体積抵抗値)は、1.0×1012Ω・cm以下であるのが好ましく、さらには1.0×107Ω・cm以下であるのが好ましく、さらには1.0×106Ω・cm以下であるのが好ましい。
前記透明樹脂層の形成材料としては、各種のベースポリマーを含有するものを用いることができる。ベースポリマーの種類について、特に制限はないが、例えば、ゴム系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリビニルピロリドン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなどの各種ポリマーが挙げられる。
これらベースポリマーなかでも、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく使用される。このような特徴を示すものとして(メタ)アクリル系ポリマーが好ましく使用される。以下、透明樹脂層の代表例として、透明樹脂層を粘着剤層として用いる場合について説明する。
前記(メタ)アクリル系ポリマーとしては、炭素数4〜24のアルキル基をエステル基の末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー成分を重合することにより得られる。なお、アルキル(メタ)アクリレートはアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖状または分岐鎖状の炭素数4〜24のアルキル基を有すものを例示できる。アルキル(メタ)アクリレートは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、前記炭素数4〜9の分岐を有するアルキル(メタ)アクリレートを例示することができる。当該アルキル(メタ)アクリレートは、粘着特性のバランスがとりやすい点で好ましい。これら例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記炭素数6〜9の分岐を有するアルキル(メタ)アクリレートにおけるアクリル基の炭素数は、7〜9であることがより好ましく、8〜9であることがさらに好ましい。
本発明において、前記炭素数4〜24のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル系ポリマーを形成する単官能性モノマー成分の全量に対して40重量%以上であり、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上である。40重量%以上を用いることは粘着特性のバランスがとりやすいで好ましい。
本発明の(メタ)アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分には、単官能性モノマー成分として、前記アルキル(メタ)アクリレート以外の共重合モノマーを含有することができる。共重合モノマーは、モノマー成分における前記アルキル(メタ)アクリレートの残部として用いることができる。
共重合モノマーとしては、例えば、環状窒素含有モノマーを含むことができる。上記環状窒素含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ環状窒素構造を有するものを特に制限なく用いることができる。環状窒素構造は、環状構造内に窒素原子を有するものが好ましい。環状窒素含有モノマーとしては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、メチルビニルピロリドン等のラクタム系ビニルモノマー;ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等の窒素含有複素環を有するビニル系モノマー等が挙げられる。また、モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環等の複素環を含有する(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。具体的には、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等が挙げられる。前記環状窒素含有モノマーのなかでも、ラクタム系ビニルモノマーが誘電率と凝集性の点から好ましい。
本発明において、環状窒素含有モノマーは、(メタ)アクリル系ポリマーを形成する全モノマー成分に対して、0.5〜50重量%であるのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜40重量%、さらに好ましくは0.5〜30重量%である。環状窒素含有モノマーを前記範囲で用いることは、表面抵抗値の制御、特にイオン性化合物を用いる場合におけるイオン性化合物との相溶性、および帯電防止機能の耐久性の面で好ましい。
本発明の(メタ)アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分には、単官能性モノマー成分として、ヒドロキシル基含有モノマーを含むことができる。ヒドロキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつヒドロキシル基を有するものを特に制限なく用いることができる。ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等などのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルシクロアルカン(メタ)アクリレートが挙げられる。その他、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。これらは単独でまたは組み合わせて使用できる。これらのなかでもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好適である。
本発明において、前記ヒドロキシル基含有モノマーは、(メタ)アクリル系ポリマーを形成する単官能性モノマー成分の全量に対して、接着力、凝集力を高める点から1重量%以上であるのが好ましく、さらには2重量%以上であるが好ましく、さらには3重量%以上であるのが好ましい。一方、前記ヒドロキシル基含有モノマーが多くなりすぎると、粘着剤層が固くなり、接着力が低下する場合があり、また、粘着剤の粘度が高くなりすぎたり、ゲル化したりする場合があることから、前記ヒドロキシル基含有モノマーは、(メタ)アクリル系ポリマーを形成する単官能性モノマー成分の全量に対して、30重量%以下であるのが好ましく、さらには27重量%以下、さらには25重量%以下であるが好ましい。
また、本発明の(メタ)アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分には、単官能性モノマーとして、その他の官能基含有モノマーを含有することができ、例えば、カルボキシル基含有モノマー、環状エーテル基を有するモノマーが挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつカルボキシル基を有するものを特に制限なく用いることができる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられ、これらは単独でまたは組み合わせて使用できる。イタコン酸、マレイン酸はこれらの無水物を用いることができる。これらのなかで、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。なお、本発明の(メタ)アクリル系ポリマーの製造に用いるモノマー成分にはカルボキシル基含有モノマーを任意に用いることができ、一方では、カルボキシル基含有モノマーを用いなくともよい。カルボキシル基含有モノマーを含有していないモノマー成分から得られた(メタ)アクリル系ポリマーを含有する粘着剤は、カルボキシル基に起因する金属腐食などを低減した粘着剤層を形成することができる。
環状エーテル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつエポキシ基またはオキセタン基等の環状エーテル基を有するものを特に制限なく用いることができる。エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。オキセタン基含有モノマーとしては、例えば、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−メチルーオキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−エチルーオキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ブチルーオキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ヘキシルーオキセタニルメチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。これらは単独でまたは組み合わせて使用できる。
本発明において、前記カルボキシル基含有モノマー、環状エーテル基を有するモノマーは、(メタ)アクリル系ポリマーを形成する単官能性モノマー成分の全量に対して、30重量%以下であるのが好ましく、さらには27重量%以下、さらには25重量%以下であるが好ましい。
本発明の(メタ)アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分には、共重合モノマーとしては、例えば、CH=C(R)COOR(前記Rは水素またはメチル基、Rは炭素数1〜3の無置換のアルキル基または置換されたアルキル基、環状のシクロアルキル基を表す。)で表されるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ここで、Rとしての、炭素数1〜3の無置換のアルキル基または置換されたアルキル基は、直鎖、分岐鎖のアルキル基を示す。置換されたアルキル基の場合は、置換基としては、炭素数3〜8個のアリール基または炭素数3−8個のアリールオキシ基であることが好ましい。アリール基としては、限定はされないが、フェニル基が好ましい。
このようなCH=C(R)COORで表されるモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独でまたは組み合わせて使用できる。
本発明において、前記CH=C(R)COORで表される(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル系ポリマーを形成する単官能性モノマー成分の全量に対して、50重量%以下で用いることができ、45重量%以下が好ましい。さらには40重量%以下が好ましく、さらには35重量%以下であることが好ましい。
他の共重合モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマー;アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーなども使用することができる。また、共重合モノマーとしては、テルペン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の環状構造を有するモノマーを用いることができる。
さらに、ケイ素原子を含有するシラン系モノマーなどが挙げられる。シラン系モノマーとしては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルブチルトリメトキシシラン、4−ビニルブチルトリエトキシシラン、8−ビニルオクチルトリメトキシシラン、8−ビニルオクチルトリエトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分には、前記例示の単官能性モノマーの他に、粘着剤の凝集力を調整するために、必要に応じて多官能性モノマーを含有することができる。
多官能性モノマーは、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を少なくとも2つ有するモノマーであり、例えば、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物;アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを好適に使用することができる。多官能性モノマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
多官能性モノマーの使用量は、その分子量や官能基数等により異なるが、単官能性モノマーの合計100重量部に対して、3重量部以下で用いることが好ましく、2重量部以下がより好ましく、1重量部以下がさらに好ましい。また、下限値としては特に限定されないが、0重量部以上であることが好ましく、0.001重量部以上であることがより好ましい。多官能性モノマーの使用量が前記範囲内であることにより、接着力を向上することができる。
このような(メタ)アクリル系ポリマーの製造は、溶液重合、紫外線重合等の放射線重合、塊状重合、乳化重合等の各種ラジカル重合などの公知の製造方法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などは特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
例えば、溶液重合等においては、重合溶媒として、例えば、酢酸エチル、トルエンなどが用いられる。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素などの不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50〜70℃程度で、5〜30時間程度の反応条件で行われる。
溶液重合等に用いられる、熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬社製、VA−057)などのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせなどの過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100重量部に対して、0.005〜1重量部程度であることが好ましく、0.02〜0.5重量部程度であることがより好ましい。
なお、重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを用いて、前記重量平均分子量の(メタ)アクリル系ポリマーを製造するには、重合開始剤の使用量は、モノマー成分の全量100重量部に対して、0.06〜0.2重量部程度とするのが好ましく、さらには0.08〜0.175重量部程度とするのが好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどが挙げられる。連鎖移動剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー成分の全量100重量部に対して、0.1重量部程度以下である。
また、乳化重合する場合に用いる乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
さらに、反応性乳化剤として、プロペニル基、アリルエーテル基などのラジカル重合性官能基が導入された乳化剤として、具体的には、例えば、アクアロンHS−10、HS−20、KH−10、BC−05、BC−10、BC−20(以上、いずれも第一工業製薬社製)、アデカリアソープSE10N(ADEKA社製)などがある。反応性乳化剤は、重合後にポリマー鎖に取り込まれるため、耐水性がよくなり好ましい。乳化剤の使用量は、モノマー成分の全量100重量部に対して、0.3〜5重量部、重合安定性や機械的安定性から0.5〜1重量部がより好ましい。
また、(メタ)アクリル系ポリマーは、放射線重合により製造する場合には、前記モノマー成分を、電子線、紫外線等の放射線を照射することにより重合して製造することができる。前記放射線重合を電子線で行う場合には、前記モノマー成分には光重合開始剤を含有させることは特に必要ではないが、前記放射線重合を紫外線重合で行う場合には、特に、重合時間を短くすることができる利点等から、モノマー成分に光重合開始剤を含有させることができる。光重合開始剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤としては、特に制限されないが、光重合を開始するものであれば特に制限されず、通常用いられる光重合開始剤を用いることができる。例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を用いることができる。
具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[商品名:イルガキュア651、BASF社製]、アニソールメチルエーテル等が挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名:イルガキュア184、BASF社製]、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[商品名:イルガキュア2959、BASF社製]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[商品名:ダロキュア1173、BASF社製]、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム等が挙げられる。
また、ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾイン等が含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジル等が含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が含まれる。ケタール系光重合開始剤には、例えば、ベンジルジメチルケタール等が含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が含まれる。
アシルフォスフィン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−t−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジブトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)
(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,3,5,6−テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジ−n−ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10−ビス[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2−メチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、などが挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、例えば、前記モノマー成分100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜1.5重量部であり、さらに好ましくは0.1〜1重量部である。
光重合開始剤の使用量が0.01重量部より少ないと、重合反応が不十分になる場合がある。光重合開始剤の使用量が5重量部を超えると、光重合開始剤が紫外線を吸収することにより、紫外線が粘着剤層内部まで届かなくなる場合がある。この場合、重合率の低下を生じたり、生成するポリマーの分子量が小さくなってしまう。そして、これにより、形成される粘着剤層の凝集力が低くなり、粘着剤層をフィルムから剥離する際に、粘着剤層の一部がフィルムに残り、フィルムの再利用ができなくなる場合がある。なお、光重合性開始剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は40万〜250万であるのが好ましい、より好ましくは60万〜220万である。重量平均分子量が40万より大きくすることで、粘着剤層の耐久性を満足させたり、粘着剤層の凝集力が小さくなって糊残りが生じるのを抑えることができる。一方、重量平均分子量が250万よりも大きくなると貼り合せ性、粘着力が低下する傾向がある。さらに、粘着剤が溶液系において、粘度が高くなりすぎ、塗工が困難になる場合がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミネーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいう。なお、放射線重合で得られた(メタ)アクリル系ポリマーについては、分子量測定は困難である。
<重量平均分子量の測定>
得られた(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。サンプルは、試料をテトラヒドロフランに溶解して0.1重量%の溶液とし、これを一晩静置した後、0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した濾液を用いた。・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC・カラム:東ソー社製、(メタ)アクリル系ポリマー:GM7000HXL+GMHXL+GMHXL
芳香族系ポリマー:G3000HXL+2000HXL+G1000HXL・カラムサイズ;各7.8mmφ×30cm 計90cm・溶離液:テトラヒドロフラン(濃度0.1重量%)・流量:0.8ml/min・入口圧:1.6MPa・検出器:示差屈折計(RI)・カラム温度:40℃
・ 注入量:100μl
・ 溶離液:テトラヒドロフラン
・ 検出器:示差屈折計
・ 標準試料:ポリスチレン
本発明の透明樹脂層(粘着剤層)の形成材料(透明粘着剤)は、架橋剤を含有することができる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、過酸化物などの架橋剤が含まれる。架橋剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせることができる。前記架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましく用いられる。
上記架橋剤は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、前記架橋剤を0.01〜5重量部の範囲で含有することが好ましい。架橋剤の含有量は、0.01〜4重量部含有することが好ましく、0.02〜3重量部含有することがより好ましい。
イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート基(イソシアネート基をブロック剤または数量体化などにより一時的に保護したイソシアネート再生型官能基を含む)を1分子中に2つ以上有する化合物をいう。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートなどが挙げられる。
より具体的には、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物
(日本ポリウレタン工業社製,商品名コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製,商品名コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製,商品名コロネートHX)などのイソシアネート付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(三井化学社製,商品名D110N)、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(三井化学社製,商品名D160N);ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ならびにこれらと各種のポリオールとの付加物、イソシアヌレート結合、ビューレット結合、アロファネート結合などで多官能化したポリイソシアネートなどを挙げることができる。これらのうち、脂肪族イソシアネートを用いることが、反応速度が速い為に好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、前記イソシアネート系架橋剤を0.01〜5重量部含有することが好ましく、さらには0.01〜4重量部含有することが好ましく、さらには0.02〜3重量部含有することが好ましい。凝集力、耐久性試験での剥離の阻止などを考慮して適宜含有させることが可能である。
なお、乳化重合にて作成した変性(メタ)アクリル系ポリマーの水分散液では、イソシアネート系架橋剤を用いなくても良いが、必要な場合には、水と反応し易いために、ブロック化したイソシアネート系架橋剤を用いることもできる。
上記エポキシ系架橋剤はエポキシ基を1分子中に2つ以上有する多官能エポキシ化合物をいう。エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、三菱ガス化学社製、商品名「テトラッドC」、「テトラッドX」などの市販品も挙げられる。
上記エポキシ系架橋剤は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、前記エポキシ系架橋剤を0.01〜5重量部含有することが好ましく、さらには0.01〜4重量部含有することが好ましく、さらには0.02〜3重量部含有することが好ましい。凝集力、耐久性試験での剥離の阻止などを考慮して適宜含有させることが可能である。
過酸化物の架橋剤としては、加熱によりラジカル活性種を発生して粘着剤のベースポリマーの架橋を進行させるものであれば適宜使用可能であるが、作業性や安定性を勘案して、1分間半減期温度が80℃〜160℃である過酸化物を使用することが好ましく、90℃〜140℃である過酸化物を使用することがより好ましい。
用いることができる過酸化物としては、たとえば、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:90.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.4℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:103.5℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:109.1℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:110.3℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジ−n−オクタノイルパーオキシド(1分間半減期温度:117.4℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度:124.3℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド(1分間半減期温度:128.2℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(1分間半減期温度:136.1℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:149.2℃)などが挙げられる。なかでも特に架橋反応効率が優れることから、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)などが好ましく用いられる。
なお、過酸化物の半減期とは、過酸化物の分解速度を表す指標であり、過酸化物の残存量が半分になるまでの時間をいう。任意の時間で半減期を得るための分解温度や、任意の温度での半減期時間に関しては、メーカーカタログなどに記載されており、たとえば、日本油脂株式会社の「有機過酸化物カタログ第9版(2003年5月)」などに記載されている。
前記過酸化物は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、前記過酸化物0.02〜2重量部であり、0.05〜1重量部含有することが好ましい。加工性、リワーク性、架橋安定性、剥離性などの調整の為に、この範囲内で適宜選択される。
なお、反応処理後の残存した過酸化物分解量の測定方法としては、たとえば、HPLC
(高速液体クロマトグラフィー)により測定することができる。
より具体的には、たとえば、反応処理後の粘着剤を約0.2gずつ取り出し、酢酸エチル10mlに浸漬し、振とう機で25℃下、120rpmで3時間振とう抽出した後、室温で3日間静置する。次いで、アセトニトリル10ml加えて、25℃下、120rpmで30分振とうし、メンブランフィルター(0.45μm)によりろ過して得られた抽出液約10μlをHPLCに注入して分析し、反応処理後の過酸化物量とすることができる。
また、架橋剤として、有機系架橋剤や多官能性金属キレートを併用してもよい。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等が挙げられる。共有結合または配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等が挙げられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。
本発明の透明樹脂層(粘着剤層)の形成材料(粘着剤)には、接着力を向上させるために、(メタ)アクリル系オリゴマーを含有させることができる。(メタ)アクリル系オリゴマーは、本発明の(メタ)アクリル系ポリマーよりもTgが高く、重量平均分子量が小さい重合体を用いるのが好ましく。かかる(メタ)アクリル系オリゴマーは、粘着付与樹脂として機能し、かつ誘電率を上昇させずに接着力を増加させる利点を有する。
前記(メタ)アクリル系オリゴマーは、Tgが約0℃以上300℃以下、好ましくは約20℃以上300℃以下、さらに好ましくは約40℃以上300℃以下であることが望ましい。Tgが約0℃未満であると粘着剤層の室温以上での凝集力が低下し、保持特性や高温での接着性が低下する場合がある。なお(メタ)アクリル系オリゴマーのTgは、(メタ)アクリル系ポリマーのTgと同じく、Foxの式に基づいて計算した理論値である。
(メタ)アクリル系オリゴマーの重量平均分子量は、1000以上30000未満、好ましくは1500以上20000未満、さらに好ましくは2000以上10000未満である。重量平均分子量が30000以上であると、接着力の向上効果が充分には得られない場合がある。また、1000未満であると、低分子量となるため接着力や保持特性の低下を引き起こす場合がある。本発明において、(メタ)アクリル系オリゴマーの重量平均分子量の測定は、GPC法によりポリスチレン換算して求めることができる。具体的には東ソー株式会社製のHPLC8020に、カラムとしてTSKgelGMH−H(20)×2本を用いて、テトラヒドロフラン溶媒で流速約0.5ml/分の条件にて測定される。
前記(メタ)アクリル系オリゴマーを構成するモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル
(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸と脂環族アルコールとのエステル;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートのようなアリール(メタ)アクリレート;テルペン化合物誘導体アルコールから得られる(メタ)アクリレート;等を挙げることができる。このような(メタ)アクリレートは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、イソブチル(メタ)アクリレートやt−ブチル(メタ)アクリレートのようなアルキル基が分岐構造を持ったアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートや、イソボルニル(メタ)アクリレートジシクロペンタニル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸と脂環式アルコールとのエステル;フェニル(メタ)アクリレートやベンジル(メタ)アクリレートのようなアリール(メタ)アクリレートなどの環状構造を持った(メタ)アクリレートに代表される、比較的嵩高い構造を有するアクリル系モノマーをモノマー単位として含んでいることが好ましい。このような嵩高い構造を(メタ)アクリル系オリゴマーに持たせることで、粘着剤層の接着性をさらに向上させることができる。特に嵩高さという点で環状構造を持ったものは効果が高く、環を複数含有したものはさらに効果が高い。また、(メタ)アクリル系オリゴマーの合成の際や粘着剤層の作成の際に紫外線を採用する場合には、重合阻害を起こしにくいという点で、飽和結合を有したものが好ましく、アルキル基が分岐構造を持ったアルキル(メタ)アクリレート、または脂環式アルコールとのエステルを、(メタ)アクリル系オリゴマーを構成するモノマーとして好適に用いることができる。
このような点から、好適な(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えば、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とイソブチルメタクリレート(IBMA)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とイソボルニルメタクリレート(IBXMA)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とアクリロイルモルホリン
(ACMO)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とジエチルアクリルアミド(DEAA)の共重合体、1−アダマンチルアクリレート(ADA)とメチルメタクリレート(MMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)とイソボルニルメタクリレート(IBXMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、イソボルニルメタクリレート(IBXMA)、イソボルニルアクリレート(IBXA)、シクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)とメチルメタクリレート(MMA)の共重合体、ジシクロペンタニルアクリレート(DCPA)、1−アダマンチルメタクリレート(ADMA)、1−アダマンチルアクリレート(ADA)の各単独重合体等を挙げることができる。特に、CHMAを主成分として含むオリゴマーが好ましい。
本発明の透明樹脂層(粘着剤層)の形成材料(粘着剤)において、前記(メタ)アクリル系オリゴマーを用いる場合、その含有量は特に限定されないが、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して70重量部以下であるのが好ましく、さらに好ましくは1〜70重量部であり、さらに好ましくは2〜50重量部であり、さらに好ましくは3〜40重量部である。(メタ)アクリル系オリゴマーの添加量が70重量部を超えると、弾性率が高くなり低温での接着性が悪くなるという不具合がある。なお、(メタ)アクリル系オリゴマーを1重量部以上配合する場合に、接着力の向上効果の点から有効である。
さらに、本発明の透明樹脂層(粘着剤層)の形成材料(粘着剤)には、粘着剤層のガラスなどの親水性被着体に適用する場合における界面での耐水性をあげる為にシランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤の配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して1重量部以下であるのが好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.02〜0.6重量部である。シランカップリング剤の配合が多過ぎるとガラスへの接着力が増大し再剥離性に劣り、少なすぎると耐久性が低下するため好ましくない。
好ましく用いられ得るシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン 、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤などが挙げられる。
本発明の透明樹脂層(粘着剤層)の形成材料(粘着剤)には、透明樹脂層の表面抵抗値を本発明の範囲に制御するために、ベースポリマーに加えて、イオン性化合物を含有することができる。イオン性化合物としては、アルカリ金属塩及び/または有機カチオン−アニオン塩を好ましく用いることができる。アルカリ金属塩は、アルカリ金属の有機塩および無機塩を用いることができる。なお、本発明でいう、「有機カチオン−アニオン塩」とは、有機塩であって、そのカチオン部が有機物で構成されているものを示し、アニオン部は有機物であっても良いし、無機物であっても良い。「有機カチオン−アニオン塩」は、イオン性液体、イオン性固体とも言われる。
<アルカリ金属塩>
アルカリ金属塩のカチオン部を構成するアルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムの各イオンが挙げられる。これらアルカリ金属イオンのなかでもリチウムイオンが好ましい。
アルカリ金属塩のアニオン部は有機物で構成されていてもよく、無機物で構成されていてもよい。有機塩を構成するアニオン部としては、例えば、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(CFSO、CSO 、CCOO、(CFSO)(CFCO)NS(CFSO 、PF 、CO 2−、や下記一般式(1)乃至(4)、
(1):(C2n+1SO (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(3):S(CFSO (但し、lは1〜10の整数)、
(4):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるものなどが用いられる。特に、フッ素原子を含むアニオン部は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。無機塩を構成するアニオン部としては、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、(CN)、などが用いられる。アニオン部としては、(CFSO、(CSO、等の前記一般式(1)で表わされる、(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドが好ましく、特に(CFSO、で表わされる(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
アルカリ金属の有機塩としては、具体的には、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(CFSOC、KOS(CFSOK、LiOS(CFSOK等が挙げられ、これらのうちLiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(CFSOC等が好ましく、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON等のフッ素含有リチウムイミド塩がより好ましく、特に(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドリチウム塩が好ましい。
また、アルカリ金属の無機塩としては、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウムが挙げられる。
<有機カチオン-アニオン塩>
本発明で用いられる有機カチオン−アニオン塩は、カチオン成分とアニオン成分とから構成されており、前記カチオン成分は有機物からなるものである。カチオン成分として、具体的には、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
アニオン成分としては、例えば、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、(CN)、CSO 、CCOO、((CFSO)(CFCO)NS(CFSO 、や下記一般式(1)乃至(4)、
(1):(C2n+1SO (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF(C2mSO (但し、mは1〜10の整数)、
(3):S(CFSO (但し、lは1〜10の整数)、
(4):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるものなどが用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。
有機カチオン−アニオン塩の具体例としては、上記カチオン成分とアニオン成分との組み合わせからなる化合物が適宜選択して用いられる。
例えば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、3−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、ジアリルジメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、グリシジルトリメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジン−1−イウムトリフルオロメタンスルホナートなどが挙げられる。これらの市販品として、例えば、「CIL−314」(日本カーリット社製)、「ILA2−1」(広栄化学社製)などが使用可能である。
また、例えば、テトラメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、などが挙げられる。
また、例えば、1−ジメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1―プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1―エチル−1−ヘプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1―ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1―へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ヘキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1―プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル‐1−エチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ヘプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルポニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1―ジブチルピペリジニウムビス
(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドなどが挙げられる。
また、上記化合物のカチオン成分の代わりに、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオンを用いた化合物などが挙げられる。
また、上記のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの代わりに、ビス(ペンタフルオロスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、ビス
(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、トリフルオロメタンスルホニルノナフルオロブタンスルホニルイミド、ヘプタフルオロプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド、ペンタフルオロエタンスルホニルノナフルオロブタンスルホニルイミド、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドアニオンなどを用いた化合物などが挙げられる。
また、イオン性化合物としては、前記のアルカリ金属塩、有機カチオン−アニオン塩の他に、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム等の無機塩が挙げられる。これらイオン性化合物は単独でまたは複数を併用することができる。
本発明の透明樹脂層(粘着剤層)の形成材料(粘着剤)におけるイオン性化合物の割合は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.0001〜5重量部が好ましい。前記イオン性化合物が0.0001重量部未満では、帯電防止性能の向上効果が十分ではない場合がある。前記イオン性化合物は、0.01重量部以上が好ましく、さらには0.1重量部以上であるのが好ましい。一方、前記イオン性化合物は5重量部より多いと、耐久性が十分ではなくなる場合がある。前記イオン性化合物は、3重量部以下が好ましく、さらには1重量部以下であるのが好ましい。前記イオン性化合物の割合は、前記上限値または下限値を採用して好ましい範囲を設定できる。
さらに本発明の透明樹脂層(粘着剤層)の形成材料(粘着剤)には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのポリエーテル化合物、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。
前記透明樹脂層(粘着剤層)は、例えば、前記形成材料(粘着剤)を透明基体等の部材および/または偏光フィルムに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去することにより形成することができる。前記形成材料の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
前記形成材料の塗布方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
前記加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、さらに好ましくは、50℃〜180℃であり、特に好ましくは70℃〜170℃である。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する透明樹脂層を得ることができる。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、さらに好ましくは5秒〜10分、特に好ましくは、10秒〜5分である。
また前記透明樹脂層の形成は、前記形成材料(粘着剤)に、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより重合して行うことができる。紫外線照射には、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどを用いることができる。なお、前記形成材料が透明粘着剤の場合には、モノマー成分から(メタ)アクリル系ポリマーを製造するとともに、透明樹脂層(粘着剤層)を形成することができる。モノマー成分には、適宜に架橋剤等を配合することができる。前記モノマー成分は、紫外線照射にあたり、事前に一部を重合してシロップにしたものを用いることができる。
また、前記形成材料が透明粘着剤の場合には、前記透明樹脂層(粘着剤層)は支持体に形成したのち、偏光フィルム等に転写することができる。前記支持体としては、例えば、剥離処理したシートを用いることができる。剥離処理したシートとしては、シリコーン剥離ライナーが好ましく用いられる。
剥離処理したシート上に透明樹脂層(粘着剤層)を形成した粘着シートは、前記透明樹脂層(粘着剤層)が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(セパレーター)で透明樹脂層(粘着剤層)を保護してもよい。実用に際しては、前記剥離処理したシートは剥離される。
セパレーターの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などを挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記透明樹脂層(粘着剤層)を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレーターの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記透明樹脂層(粘着剤層)からの剥離性をより高めることができる。
また、透明樹脂層は、透明液状樹脂により形成することができる。透明液状樹脂としては、例えば、下記の一般式(A)に示す、(メタ)アクリロイル基を2つ有する二官能の
(メタ)アクリレート化合物(A成分)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が挙げられる。
一般式(A):R1−O(X1−O)m−Y−(X2−O)n−R2
(一般式(A)において、R1、R2は各々アクリルロイル基またはメタクリロイル基であり、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。XおよびXは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。m、nは正の整数であって、m+n=3〜40である。Yは単結合、−Ph−C(CH32−Ph−O−、−Ph−CH2−Ph−O−、または−C(CH32−O−、であり、−Ph−はパラフェニレン基を示す。
特に、上記一般式(A)において、RおよびRがメタクリロイル基であることが、活性エネルギー線硬化性が良好になる点から好ましい。また、上記一般式(A)において、XおよびXが炭素数3〜4のアルキレン基であることが、光透過性が良好になる点から好ましい。さらに、上記一般式(A)において、m+n=10〜20であることが、光透過性が良好になる点から好ましい。
さらに、上記一般式(A)において、XおよびXが−CH(CH)−CH−であり、Yが単結合であることが、光透過性が良好になる点から好ましい。
上記特定の(メタ)アクリレート化合物(A成分)の配合量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全体の0.1〜50重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは1〜40重量%の範囲である。即ち、上記特定の(メタ)アクリレート化合物の配合量が少な過ぎると、活性エネルギー線硬化性に劣る傾向がみられ、逆に多過ぎると、低硬化収縮性に劣る傾向がみられるからである。
上記特定の(メタ)アクリレート化合物(A成分)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、電子線、紫外線等の放射線を照射することにより硬化することができる。前記放射線照射を電子線で行う場合には、前記組成物には光重合開始剤を含有させることは特に必要ではないが、前記放射線照射を紫外線で行う場合には、光重合開始剤(B成分)を含有させることができる。光重合開始剤(B成分)は、紫外線硬化剤として作用するものであり、光ラジカル重合開始剤等の各種光重合開始剤が用いられる。本発明では、液晶表示装置にITO(酸化インジウム−スズ)等の透明電極が形成されているタッチパネルが使用される場合には、光重合開始剤由来のイオン(特に対アニオン)によるITO腐食を避ける目的から、より好適には、光ラジカル重合開始剤が用いられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、上記透明樹脂層(粘着剤層)を形成するアクリル系ポリマーを紫外線重合により製造する場合に用いる、光ラジカル重合開始剤と同様のものを用いることができる。上記光重合開始剤の配合量は、紫外線硬化型樹脂組成物全体の0.1〜20重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.2〜20重量%の範囲である。即ち、光重合開始剤の配合量が少な過ぎると、紫外線硬化性に劣り、逆に多過ぎると、光透過性に劣る傾向がみられるからである。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、前記特定の(メタ)アクリレート化合物(A成分)を含有するが、必要に応じて、1分子当たり平均1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する共役ジエン系ポリマー(C成分)を含有することが、光透過性が良好になる点から好ましい。前記C成分の配合量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全体の0.1〜50重量%の範囲に設定することが好ましい。
そして、上記共役ジエン系ポリマー(C成分)が、ポリブタジエン,ポリイソプレン,およびブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一つからなり、かつ1分子当たり平均1個以上の(メタ)アクリロイル基を備えたポリマーであることが、光透過性が良好になる点から好ましい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、上記各成分以外の単官能性モノマーを含有することができる。単官能性モノマーは、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を1つ有するモノマーである。単官能性モノマーは(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが好適である。
上記(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレートを例示できる。これらの(メタ)アクリレートフェノキシエチル(メタ)アクリレート(PO)、フェノキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート(CH)、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記単官能性モノマーの配合量は、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全体の0〜50重量%の範囲に設定することが好ましい。即ち、上記単官能性モノマーの配合量が多過ぎると、低硬化収縮性に劣る傾向がみられるからである。
また、透明樹脂層を形成する、透明液状樹脂には、前記透明粘着剤と同様に、架橋剤、
(メタ)アクリル系オリゴマー、シランカップリング剤、イオン性化合物、さらにはその他の公知の添加剤等の配合物を含有することができる。なお、前記透明粘着剤では、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、前記配合物の割合が記載されているが、透明液状樹脂については、透明液状樹脂(活性エネルギー線硬化型樹脂組成物)全体100重量部を基準に、前記透明粘着剤と同様の割合で、前記配合物を含有することが好ましい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、上記各成分以外に、その用途等に応じて、消泡剤、界面活性剤、着色剤、有機質充填剤、各種スペーサー、粘着・接着付与剤等を必要に応じて適宜配合することができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、例えば、特定の(メタ)アクリレート化合物(A成分)、および他の配合成分を配合し、自公転型遊星撹拌混合機やガラス撹拌容器による撹拌によって、混合,混練することにより製造することができる。
このようにして得られる本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、例えば、UVランプ等を用いての紫外線照射により硬化体として供される。また、上記紫外線照射等の光照射後、必要に応じて所定の温度でのポストキュアを行ってもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、前記のように、画像表示装置の視認側において適用されるタッチパネルなどの入力装置、カバーガラス、プラスチックカバー等の透明基体等の部材と偏光フィルム(画像表示パネル)との間に好適に適用され、前記部材と偏光フィルム(画像表示パネル)の隙間を埋めるために用いられる。具体的には、例えば、前記部材側に本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を必要量塗布し、常圧または真空下で偏光フィルム(画像表示パネル)と位置合わせして貼り合わせる。この際、貼り合わせ圧力や高さを制御することにより、前記部材と偏光フィルム(画像表示パネル)間の距離を保ちながら部分的に活性エネルギー線照射を行い仮固着を行う。その後必要に応じて外観検査を実施した後、再度活性エネルギー線照射を行い上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させることにより、目的とする画像表示装置を製造することができる。
上記のように、偏光フィルム(画像表示パネル)と、上記画像表示パネル上に配置された前記部材との間を、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物で埋めた後、活性エネルギー線照射によって上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させることにより、目的とする画像表示装置を製造することができる。なお、上記画像表示装置にタッチセンサーを設ける場合は、上記画像表示パネルと保護カバープレート(カバーガラス、プラスチックカバー等の透明基体等)との間に、タッチセンサーを配置し、上記画像表示パネルとタッチセンサーとの間および上記保護カバープレートとタッチセンサーとの間の少なくとも一方を、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物で埋めた後、活性エネルギー線照射によって上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させることにより、目的とする画像表示装置を製造することができる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部および%はいずれも重量基準である。実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
実施例1
<紫外線重合に用いるモノマー成分の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)70重量部、N−ビニルピロリドン(NVP)15重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)15重量部、2種の光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.05重量部および光重合開始剤(商品名:イルガキュア651、BASF社製)0.05重量部を4つ口フラスコに投入してモノマー混合物を調製した。次いで、前記モノマー混合物を窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることによって、重合率約10重量%の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を得た。
上述したアクリル系ポリマーシロップの100重量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)0.01重量部を添加した後、これらを均一に混合してモノマー成分を調製した。
<透明樹脂層の形成材料の調製>
さらに、上記アクリル系ポリマーシロップ100重量部に対して、イオン性化合物として、ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム(LiTFSA)1重量部を添加して、透明樹脂層の形成材料を調製した。
<紫外線重合による透明樹脂層の作成>
次いで、上記で調製した透明樹脂層の形成材料を、片面をシリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータフィルム)の剥離処理面に、最終的な厚みが20μmになるように塗布して塗布層を形成した。次いで、塗布されたモノマー成分の表面に、片面をシリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータフィルム)を、当該フィルムの剥離処理面が塗布層側になるようにして被覆した。これにより、モノマー成分の塗布層を酸素から遮断した。このようにして得られた塗布層を有するシートにケミカルライトランプ(株式会社東芝製)を用いて照度5mW/cm(約350nmに最大感度をもつトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を360秒間照射して、塗布層を硬化させて透明樹脂層を作成した。
≪偏光フィルムの作成≫
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムを、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3%濃度のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、60℃、4%濃度のホウ酸、10%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、30℃、1.5%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行い、厚さ20μmの偏光子を得た。当該偏光子の両面に、けん化処理した厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せて偏光フィルムを作成した(以下、偏光フィルムP1という)。
<粘着剤層(視認側)付偏光フィルムP1の作成>
得られた透明樹脂層を粘着剤層として用いた。得られた透明樹脂層から、片側のセパレータフィルムを剥がした後、他の片側のセパレータフィルム上に形成した透明樹脂層(粘着剤層)を上記にて作成した偏光フィルムP1に転写して、粘着剤層(視認側)付偏光フィルムP1を作成した。
実施例2〜15、比較例1〜5
実施例1において、モノマー成分の調製に用いた単官能性モノマーの種類とその組成比、イオン性化合物の種類と添加量、形成する透明樹脂層の厚さを表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、透明樹脂層を作成した。また、実施例1と同様にして、粘着剤層(視認側)付偏光フィルムP1を作成した。
上記実施例および比較例で得られた透明樹脂層(粘着剤層)または粘着剤層(視認側)付偏光フィルムP1について以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<表面抵抗値>
上記各例で得られた透明樹脂層から、片側のセパレータフィルムを剥がした後、露出した透明樹脂層表面の表面抵抗値(Ω/□)を三菱化学アナリテック社製MCP−HT450を用いて測定した。
<耐久性>
上記各例で得られた粘着剤層(視認側)付偏光フィルムP1のセパレータフィルムを剥がし、厚さ0.7mmの無アルカリガラス(コーニング社製,1737)にラミネーターを用いて貼着した。次いで、50℃、0.5MPaで、15分間のオートクレーブ処理を行って、上記粘着剤層付偏光フィルムを完全に無アルカリガラスに密着させた。次いで、LANTECH社製の真空貼り合わせ装置を用いて0.2MPaの圧力、真空度30Paの条件にて真空貼り合わせを行った。これを、80℃の加熱オーブン(加熱)および60℃/90%RHの恒温恒湿機(加湿)の条件下にそれぞれ投入して、500時間後の偏光フィルムの剥がれの有無を、下記基準で評価した。
◎:全く剥がれが認められなかった。
○:目視では確認できない程度の剥がれが認められた。
△:目視で確認できる小さな剥がれが認められた。
×:明らかな剥がれが認められた。
<ヘイズの測定>
全光線透過率93.3%、ヘイズ0.1%の無アルカリガラスの片面に、上記各例で得られた透明樹脂層を貼り付け、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製,MR−100)により、ヘイズを測定した。ヘイズメーターによる測定にあたり、透明樹脂層が光源側になるように配置した。ヘイズ値は、無アルカリガラスのヘイズ値が0.1%であるため、測定値から0.1%を引いた値をヘイズ値とした。全光線透過率(%)は、測定値を採用した。
<ESDガンテスト/静電気ムラの評価>
≪粘着剤層(セル側)付偏光フィルムP1の作成≫
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、ブチルアクリレート99部および4−ヒドロキシブチルアクリレート1部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を60℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて、固形分濃度30%に調整した、重量平均分子量160万のアクリル系ポリマー(A)の溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー(A)溶液の固形分100部に対して、架橋剤として、トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製:タケネートD110N)0.1部と、ジベンゾイルパーオキサイド0.3部と、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製:KBM−403)0.2部を配合して、粘着剤組成物の溶液を得た。
次いで、上記で調製した粘着剤組成物を、片面をシリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータフィルム)の剥離処理面に、最終的な厚みが20μmになるように均一に塗布した後、150℃の空気循環式恒温オーブンで60秒間乾燥して、前記厚さ20μmの粘着剤層Xを形成した。
次いで、上記偏光フィルムP1に、上記セパレータフィルムに形成した粘着剤層Xを移着させて、粘着剤層(セル側)付偏光フィルムP1を得た。
≪実施例1〜15、比較例1〜5≫
液晶パネル(Apple製iPod touchのインセル型タッチセンサー内蔵液晶表示装置)から、カバーガラスCおよび視認側の偏光フィルムP2(偏光フィルムP2は液晶セル側の粘着剤層とともにも剥離)を剥がしたものをサンプル1とした。サンプル1における前記剥離面に、上記で作成した粘着剤層(セル側)付偏光フィルムP1を貼り合わせた。一方、前記カバーフィルムCは、偏光フィルムP2から分離後に清浄化して用いた。清浄化したカバーフィルムCに、実施例1〜15、比較例1〜5で調製した透明樹脂層(粘着剤層)を転写した。その後、カバーフィルムCに形成された透明樹脂層(粘着剤層)を、前記サンプル1に設けた偏光フィルムP1に貼り合わせて、評価サンプル2を作成した。
≪実施例16、17≫
上記で作成した粘着剤層(セル側)付偏光フィルムP1における粘着剤層(セル側)の反対側(視認側)に、実施例2、5で作成した透明樹脂層(粘着剤層)を貼り合わせて、両面粘着剤層付偏光フィルムP1を作成した。上記サンプル1における前記剥離面に、前記両面粘着剤層付偏光フィルムP1の粘着剤層(セル側)側を貼り合わせた。一方、前記カバーフィルムCは、偏光フィルムP1から分離後に清浄化して用いた。清浄化したカバーフィルムCを、前記サンプル1に設けた偏光フィルムP1における粘着剤層(視認側)に貼り合わせて、評価サンプル2を作成した。
≪比較例6≫
上記サンプル1における前記剥離面に、実施例5で作成した粘着剤層(視認側)付偏光フィルムP1を貼り合わせた。一方、前記カバーフィルムCは、偏光フィルムP1から分離後に清浄化して用いた。清浄化したカバーフィルムCには、上記で作成した粘着剤層Xを転写した。その後、カバーフィルムCに形成された粘着剤層Xを、前記サンプル1に設けた偏光フィルムP1に貼り合わせて、評価サンプル2を作成した。
なお、上記粘着剤層付偏光フィルム等は、100mm×100mmの大きさに切断して用いた。
上記の評価サンプル2(液晶パネル)を10000cdの輝度を持つバックライト上に置き、静電気発生装置であるESD(SANKI社製,ESD−8012A)を用いて5kvの静電気を発生させることで液晶の配向乱れを起こした。その配向不良による表示不良の回復時間(秒)を、瞬間マルチ測光検出器(大塚電子社製,MCPD−3000)を用いて測定し、下記基準で評価した。
◎:表示不良が1秒未満で消失した。
○:表示不良が1秒以上10秒未満で消失した。
×:表示不良が10秒以上で消失した。
Figure 2018151637
表1中、
2EHAは、2−エチルヘキシルアクリレート;
NVPは、N−ビニルピロリドン;
4HBAは、4−ヒドロキシブチルアクリレート;
MEAは、メトキシエチルアクリレート;
TMPTAは、トリメチロールプロパントリアクリレート;
LiTFSAは、ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;
KTFSAはビストリフルオロメタンスルホニルアミドカリウム;
液体塩は、メチルプロピルピロリジニウム・ビストリフルオロメタンスルホニルアミド塩(融点12℃);
固体塩は、エチルメチルピロリジニウム・ビストリフルオロメタンスルホニルアミド塩
(融点90℃);を示す。
A 透明樹脂層
B 画像表示装置
C 部材(タッチパネルまたは透明基体)
1 偏光フィルム
2 粘着剤層
3 透明導電層(帯電防止層)
4 ガラス基板
5 液晶層
6 駆動電極
7 帯電防止層兼センサー層
8 駆動電極兼センサー層
9 センサー層
11 透明基材
12 透明導電性フィルム

Claims (12)

  1. 画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムよりも、視認側に配置される透明樹脂層であって、
    前記透明樹脂層は、表面抵抗値が1.0×1013Ω/□以下であることを特徴とする透明樹脂層。
  2. 前記透明樹脂層の厚みが5μm〜1mmであることを特徴とする請求項1記載の透明樹脂層。
  3. 前記透明樹脂層は、表面抵抗値(Ω/□)に厚み(cm)を乗じた値(体積抵抗値)が、1.0×1012Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の透明樹脂層。
  4. 前記透明樹脂層の形成材料が、アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明樹脂層。
  5. 前記透明樹脂層の形成材料が、イオン性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明樹脂層。
  6. 前記透明樹脂層の形成材料が、透明粘着剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明樹脂層。
  7. 前記透明樹脂層の形成材料が、透明液状樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明樹脂層。
  8. タッチパネルに適用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明樹脂層。
  9. インセル型またはオンセル型のタッチセンサー内蔵液晶表示装置に適用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の透明樹脂層。
  10. 画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムおよび当該偏光フィルムよりも、視認側に配置される粘着剤層を有する粘着剤層付偏光フィルムであって、
    前記粘着剤層が、請求項1〜9のいずれかに記載の透明粘着剤により形成された透明樹脂層であることを特徴とする粘着剤層付偏光フィルム。
  11. 少なくとも1枚の偏光フィルムを有する画像表示装置であって、
    画像表示装置において最も視認側に設けられる偏光フィルムよりも、視認側に、請求項1〜9のいずれかに記載の透明樹脂層を少なくとも1層有することを特徴とする画像表示装置。
  12. 前記透明樹脂層は、請求項10記載の粘着剤層付偏光フィルムにおける粘着剤層として設けられていることを特徴とする請求項11記載の画像表示装置。
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