JP2018150246A - Organic compound deposition method - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、有機ELなどに使用される有機半導体などの有機化合物の結晶成長方法、精製方法に関する。 The present invention relates to a crystal growth method and a purification method of an organic compound such as an organic semiconductor used in an organic EL.
有機半導体などの有機化合物は、微量の不純物の混入が電子デバイスとして利用したときの性能を大きく低下させるために、より純度の高い単結晶などの結晶の作製方法が種々検討されている。 For organic compounds such as organic semiconductors, various methods for producing crystals such as single crystals with higher purity have been studied in order to greatly reduce performance when a small amount of impurities are used as an electronic device.
従来、有機半導体などとして電子デバイスに利用される有機化合物を精製するために、それら有機化合物を溶媒に溶かし、温度差、溶媒の蒸発など溶媒の物理的変化を用いて溶媒に対する有機化合物の溶解度の差を利用して所望の有機化合物を結晶として析出させる方法が行われてきた。また、近年では熱源を用いて減圧下で有機化合物を昇華させた後にイオン液体中で析出させる精製方法も行われている。 Conventionally, in order to purify organic compounds used in electronic devices as organic semiconductors, etc., the organic compounds are dissolved in a solvent, and the solubility of the organic compound in the solvent is measured using physical changes in the solvent such as temperature difference and solvent evaporation. A method of depositing a desired organic compound as a crystal using the difference has been performed. In recent years, a purification method in which an organic compound is sublimated under reduced pressure using a heat source and then precipitated in an ionic liquid has been performed.
特許文献1には、有機発光ダイオードに利用される有機材料を真空雰囲気下で加熱して昇華させて、その昇華気体を窒素などの不活性ガスで送り、そして、イオン性液体の表面に接触又は液中に導入させることにより、イオン性液体で再結晶化させる精製方法が開示されている。
In
しかしながら、特許文献1に開示されている精製方法では、有機材料の昇華気体を窒素などの不活性ガスにより運搬して、不活性ガスをキャリヤーガスとして使用しているが、不活性ガスに酸素が数十〜数百ppmの濃度で不純物として混合されていることがあり、この酸素が有機材料を酸化させて、有機材料の品質に影響を及ぼすおそれがあった。また、精製しようとする有機材料そのものに微量に酸素が混合されていることもあり、やはりこの酸素が有機材料を酸化させて、有機材料の品質に影響を及ぼすおそれがあった。
However, in the purification method disclosed in
そこで、本発明は、有機半導体など高純度であることが求められる有機化合物を精製する方法において、気化された有機化合物を運搬するキャリヤーガスである不活性ガスなどに酸素が混ざっていたとしても、精製する有機化合物などの品質の劣化を防ぐ精製方法を提供することを課題とする。 Therefore, the present invention is a method for purifying an organic compound such as an organic semiconductor that is required to have high purity, even if oxygen is mixed with an inert gas that is a carrier gas for transporting the vaporized organic compound. It is an object of the present invention to provide a purification method that prevents deterioration in quality of an organic compound or the like to be purified.
〔1〕すなわち、本発明は、 精製装置の気化室内に載置された有機化合物が、加熱装置によって減圧状態で加熱されて気化される気化工程と、
気化された前記有機化合物が前記気化室から不活性ガスにより搬送される搬送工程と、
前記搬送工程により搬送された前記有機化合物が析出する析出工程と
を有し、
前記精製装置内において存在する酸素と反応する還元剤が前記不活性ガスの流路に存在していることを特徴とする有機化合物析出方法である。
[1] That is, the present invention includes a vaporization step in which an organic compound placed in a vaporization chamber of a purification apparatus is heated and vaporized by a heating apparatus in a reduced pressure state;
A transport step in which the vaporized organic compound is transported from the vaporization chamber by an inert gas;
A precipitation step in which the organic compound conveyed by the conveyance step is precipitated,
In the organic compound deposition method, a reducing agent that reacts with oxygen present in the purification apparatus is present in the flow path of the inert gas.
〔2〕そして、気化室内に載置された有機化合物が、加熱装置によって減圧状態で加熱されて気化される気化工程と、気化された前記有機化合物が前記気化室から突設された排出部へ不活性ガスにより搬送される搬送工程と、前記排出部が接触するイオン液体を充填する析出容器において前記イオン液体から前記有機化合物が析出する析出工程とを有し、前記気化室又は前記イオン液体中に存在する酸素と反応する還元剤が前記気化室内又は前記イオン液体中に存在していることを特徴とする有機化合物析出方法である。 [2] A vaporization step in which an organic compound placed in the vaporization chamber is heated and vaporized by a heating device in a reduced pressure state, and a discharge unit in which the vaporized organic compound is protruded from the vaporization chamber In the vaporization chamber or in the ionic liquid, the process includes a transporting process transported by an inert gas, and a deposition process in which the organic compound is deposited from the ionic liquid in a deposition container filled with the ionic liquid that contacts the discharge unit. The organic compound precipitation method is characterized in that a reducing agent that reacts with oxygen present in is present in the vaporization chamber or in the ionic liquid.
〔3〕そして、前記還元剤が気体であり、前記不活性ガスに混合されて前記気化室内に導入され、又は前記気化室内で初めて不活性ガスと混合されることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の有機化合物析出方法である。 [3] The reducing agent is a gas, mixed with the inert gas, introduced into the vaporizing chamber, or mixed with the inert gas for the first time in the vaporizing chamber. Or it is the organic compound precipitation method as described in said [2].
〔4〕そして、前記還元剤が液体又は固体であり、前記イオン液体中に混合されていることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機化合物析出方法。 [4] The organic compound precipitation method according to [2], wherein the reducing agent is liquid or solid and is mixed in the ionic liquid.
本発明によれば、気化された有機化合物を運搬するキャリヤーガスである不活性ガスなどに酸素が混ざっていたとしても、その酸素を還元剤により還元することにより、有機化合物などの品質の劣化を防ぐことができる。 According to the present invention, even if oxygen is mixed with an inert gas or the like that is a carrier gas for transporting a vaporized organic compound, the quality of the organic compound or the like is deteriorated by reducing the oxygen with a reducing agent. Can be prevented.
以下、本発明に係る有機化合物析出方法に関する実施の形態について、添付の図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この形態に限定されるものではない。また、説明中の鉛直上下方向とは、図1における左右方向である。なお、数値範囲を表す表記は上限と下限を含むものである。 DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, embodiments relating to an organic compound precipitation method according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. The embodiments described below are preferable specific examples for carrying out the present invention, and thus various technical limitations are made. However, the present invention is intended to limit the invention particularly in the following description. Unless specifically stated, the present invention is not limited to this form. Further, the vertical vertical direction in the description is the horizontal direction in FIG. In addition, the description showing a numerical range includes an upper limit and a lower limit.
図1に示すように、本発明の第一実施形態の有機化合物析出装置Eは、加熱装置2によって加熱される上蓋6、下蓋7及び連結部材8によって囲まれて形成される空間である気化室1、気化室1より突設される排出部3、排出部3が接触するイオン液体ILを充填する析出容器4を備えている。
As shown in FIG. 1, the organic compound deposition apparatus E according to the first embodiment of the present invention is a vaporization that is a space surrounded by an
気化室1は、加熱装置2によって加熱される部材の壁面と有機化合物OCを載置する載置部71を有する空間である。図1に示す第一実施形態では、気化室1は、中心部に空洞を有する上蓋6及び下蓋7の間に円環状の連結部材8を介在させて形成される空間である。上蓋6、下蓋7及び連結部材8が加熱装置2によって加熱される部材であり、上蓋6、下蓋7及び連結部材8における気化室1との境界が気化室1の壁面に相当する。
The
上蓋6、下蓋7及び連結部材8は、それぞれ分離可能に設けられている。上蓋6は、中心部に略円柱状の空洞が設けられており、その上面にはガスボンベGBから供給されるガスを供給するガス供給用パイプP1を接続するための貫通孔が設けられており、供給されたガスを中心部の空洞に送ることができる。そして、下蓋7は、中心部に空洞が設けられており、その上面には、原料となる有機化合物OCを載置する載置部71が円環状に窪んで設けられている。他の実施形態において、載置部71は、気化室1に対して開口し、排出部3へと続く中心部の空洞を埋めなければ下蓋7とは別部材の容器とすることなどができる。下蓋7の中心部の空洞には、中空の排出部3が接続されており、気化室1で気化された原料となる有機化合物OCをガスボンベGBからのガスにより排出部3に送ることができる。連結部材8は、上下方向に厚みのある円環状の部材であり、上蓋6の下面側及び下蓋7の上面側の間を一定の間隔で保つように上蓋6及び下蓋7と接続されることにより、所定の大きさの気化室1が形成される。上蓋6、下蓋7及び連結部材8は、熱伝導に優れた材料からなることが好ましく、具体的には、ステンレス、銅などの金属、ガラスなどの無機材料であることが好ましい。なお、図示していないが、気化室1の気密性を保つために、上蓋6、下蓋7及び連結部材8などの接続部分には耐熱性を有するガスケットが設けられていることが好ましい。
The
加熱装置2は、気化室1、析出容器4を加熱する部材である。第一実施形態において、加熱装置2は、図示しない温度制御装置により別々に温度が制御される電熱部材などからなり、断熱性材料からなる保温部5の内部に埋設されている。
The
加熱装置2は、上蓋6、下蓋7及び連結部材8の全部または一部を覆うように設けられていることから気化室1全体を覆っている。このため、気化室1にある原料である有機化合物OCが気化したときに、気化室1の壁面に析出して固着することにより、気化した有機化合物OCの流れを妨げることがなく、また、収率の低下を抑制することができる。そして、温度調節装置2´は、析出容器4の周囲を覆うように断熱性材料からなる保温部5の内部に設けられており、析出容器4を介して析出容器4内に充填されたイオン液体ILを加熱又は冷却するために温度の調節を行うことができる。イオン液体ILの加熱又は冷却を行うことにより、気化した有機化合物OCがイオン液体ILに溶解される溶解度を調節することができるため、有機化合物OCの飽和度と析出速度等の制御が可能となり、精製しようとする有機化合物の種類に応じて不純物の混入を最小限に抑えることができる。なお、温度調節装置2´は、加熱のみを行う機能のみを有し、加熱装置2と一体的に設けることもできる。
Since the
排出部3は、気化室1より突設され、気化された有機化合物OCが内部を通る部材である。排出部3は中空状であるため、気化室1で気化された有機化合物OCが通ることができる。第一実施形態では、排出部3は、下蓋7と接続される略円筒形状の基部32と、析出容器4側にあり基部32より直径の小さい略円筒状の排出口31を有しており、気化室1より鉛直下向きに直線状に設けられている。気化された有機化合物OCが、排出口31からイオン液体IL中に排出されて溶解し、そして、過飽和状態となり、溶解及び析出の繰り返しが起こる溶解平衡に達する。このようにして、有機化合物OCが単結晶などの結晶として析出し、析出容器4の内部において析出量が増加する。また、第一実施形態において、排出口31は、イオン液体ILに埋入して接触しているが、他の実施形態において、排出口31の端部とイオン液体ILの液面が同一平面となるように接していてもよく、また、排出口31とイオン液体ILの液面との間に所定の距離を隔てるように隙間が設けられていてもよい。排出口31とイオン液体ILの液面の間に隙間があるときは、気化された有機化合物OCは、イオン液体ILの液面又は液中にて結晶化され析出する。
The
排出部3は、熱伝導に優れた材料からなることが好ましく、具体的には、ステンレス、銅などの金属、ガラスなどの無機材料であることが好ましい。また、他の実施形態において、排出口31のイオン液体ILと接触する端部が、基部32側よりも熱伝導が低い部材とすることができる。これにより、排出部3が加熱装置2により下蓋7を介して加熱されたとしても、イオン液体ILにはその熱が伝わりにくいため、より緻密にイオン液体ILの温度を制御することができる。
The
析出容器4は、下蓋7の下部に取り付けられイオン液体ILが充填される部材である。第一実施形態では、析出容器4は、上部に開口を有する上下方向に長い容器であり、内部にイオン液体ILを充填しており、排出部3の排出口31が挿入されている。析出容器4は、熱伝導に優れた材料からなることが好ましく、具体的には、ステンレス、銅などの金属、ガラスなどの無機材料であることが好ましい。
The
本発明で使用される有機化合物OCは、固体から気体に昇華する有機化合物や、液体から気体に蒸発する有機化合物であり、昇華や蒸発により気化し得る有機化合物である。有機化合物OCは、気化室1で加熱されることにより気化し、析出容器4に充填されたイオン液体IL中で析出することにより、気化室1の載置部71に載置された原料である有機化合物OCに含まれる不純物が取り除かれてその純度が高くなる。このように、高純度化のために用いられる有機化合物OCとしては、有機EL、有機電界効果トランジスタ、有機太陽電池などに使用される有機半導体などが好ましい。具体的に、有機半導体としては、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン<TCNQ>、オリゴチオフェン化合物、フタロシアニン類化合物、ペリレン類化合物、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム<Alq3>、テトラチアフルバレン<TTF>、テトラチアフルバレン類化合物、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム錯体、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼンなどが好ましい。
The organic compound OC used in the present invention is an organic compound that sublimes from a solid to a gas, or an organic compound that evaporates from a liquid to a gas, and is an organic compound that can be vaporized by sublimation or evaporation. The organic compound OC is a raw material placed on the
本発明で使用されるイオン液体ILは、25〜30℃程度の常温で、液体で存在する塩である。イオン液体ILは不揮発性の有機溶媒であり、減圧下で加熱しても蒸発することがないため、有機化合物OCを再結晶による析出によって精製を行う溶媒として非常に有用である。具体的に、イオン液体ILとして、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<Emin/TFSI>、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<BMIM/TFSI>、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<EMIM/TFSI>、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<OMIM/TFSI>、3−メチル−1−プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどが好ましい。なお、イオン液体ILが使用に先立ち十分に脱気されていないと、イオン液体IL中に含有される酸素による酸化反応によって、経時的にイオン性液体ILが劣化する原因の一つとなっている。 The ionic liquid IL used in the present invention is a salt present in a liquid at a room temperature of about 25 to 30 ° C. Since the ionic liquid IL is a nonvolatile organic solvent and does not evaporate even when heated under reduced pressure, the ionic liquid IL is very useful as a solvent for purifying the organic compound OC by recrystallization. Specifically, as the ionic liquid IL, 1-ethyl-3-methylimidazolium bis (trifluoromethylsulfonyl) imide <Emin / TFSI>, 1-butyl-3-methylimidazolium bis (trifluoromethylsulfonyl) imide < BMIM / TFSI>, 1-ethyl-3-methylimidazolium bis (trifluoromethylsulfonyl) imide <EMIM / TFSI>, 1-octyl-3-methylimidazolium bis (trifluoromethylsulfonyl) imide <OMIM / TFSI> 3-methyl-1-propylpyridinium bis (trifluoromethylsulfonyl) imide and the like are preferable. If the ionic liquid IL is not sufficiently deaerated prior to use, it is one of the causes for the ionic liquid IL to deteriorate over time due to an oxidation reaction by oxygen contained in the ionic liquid IL.
ガスボンベGBは、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを充填したボンベであり、連結されるガス供給用パイプP1を通じて、気化室1に供給される。そして、気化室1に供給された不活性ガスは、気化された有機化合物OCと共に排出部3を通って、析出容器4に充填されたイオン液体IL中に排出される。そして、イオン液体ILの液面から放出される不活性ガスは、下蓋7に設けられた貫通孔、ガス排出用パイプP2を通って、真空ポンプVPへと吸引される。このガスボンベGBにおいて不活性ガスに酸素が数十〜数百ppmの濃度で不純物として混合されていることがあり、この酸素がイオン液体IL中に送られることで、イオン性液体ILが酸化反応により劣化する原因の一つとなっている。
The gas cylinder GB is a cylinder filled with an inert gas such as nitrogen or argon, and is supplied to the
そして、ガス供給用パイプP1におけるガスボンベGBと上蓋6の上面の途中には、還元剤としての水素が充填されている水素ボンベHBに続く水素供給パイプP3が接続されている。水素ボンベHBから水素を、ガスボンベGBからの不活性ガスと特定の流速比で混合するように図示しないフローメーターなど流速測定具を用いて調節して供給する。こうして、気化室1には、不活性ガスと水素との混合気体が供給されるため、その水素が、ガスボンベGBに混合していることがある微量の酸素やイオン液体ILに溶存している酸素と加熱装置2などの熱により反応し水が生成して、気化室1、排出部3やイオン液体ILに微量に含有される酸素が除去される。このために、酸素による酸化反応が起こらないために、精製する有機化合物の歩留りを向上させることができ、そして、イオン液体ILの経時変化が極めて生じにくく、それらの品質の劣化を防止することができる。さらに、不活性ガスの純度が高いガスボンベGBは高価であるため、少々酸素が混合している廉価なガスボンベGBを使用することができコストを低下することもできる。また、水素と酸素の反応効率をよくするために、気化室内1又は析出容器4のイオン液体ILと接触する箇所にニッケル、銅−酸化クロム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金などの金属を触媒として載置しておくことができ、それら触媒が気化された有機化合物OCの分解など影響を及ぼすことを避けるために気化された有機化合物OCの上流である気化室1内の上蓋6側に載置しておくことが好ましい。
A hydrogen supply pipe P3 following the hydrogen cylinder HB filled with hydrogen as a reducing agent is connected midway between the gas cylinder GB and the upper surface of the
本実施例において、気化室1、排出部3やイオン液体ILなどの系中に存在する酸素を還元する還元剤としては、気体状の水素を用いているが、固体である粉末状、粒子状の鉄など用いることができるし、酸素を還元する液状の還元剤を用いることができる。固体である鉄を用いると、酸素と反応して酸化鉄となり酸素を還元するとともに、析出した有機化合物OCとも分離でき、系中から容易に除去することができる。
In this embodiment, gaseous hydrogen is used as a reducing agent for reducing oxygen present in the system such as the
図2に、本発明の第二実施形態を示す。図1に示す第一実施形態では、気体の還元剤である水素をガスボンベGBから気化室1に繋がるガス供給用パイプP1で不活性ガスと合流させて気化室1に送るように設計されていた。しかしながら、第一実施形態では装置Eや水素ボンベHBの配置の制約が生じるような場合に、気体の還元剤である水素をガスボンベGBからの不活性ガスとは独立して直接気化室1に送る装置としている。
FIG. 2 shows a second embodiment of the present invention. In the first embodiment shown in FIG. 1, the hydrogen that is a gaseous reducing agent is designed to be combined with an inert gas and sent to the vaporizing
具体的には、水素ボンベHB及び水素ボンベHBに続く水素供給パイプP3以外については、第一実施形態とおおよそ同様の構成を有しており、上蓋6の上面にはガスボンベGBから供給されるガスを供給するガス供給用パイプP1を接続するための貫通孔以外に、水素ボンベHBに接続された水素供給パイプP3を接続するための他の貫通孔が設けられており、ガスボンベGBから供給された不活性ガスだけでなく水素ガスも気化室1の中心部の空洞に送ることができる。そして、水素ボンベHBから水素を、ガスボンベGBからの不活性ガスと特定の流速比で混合するように図示しないフローメーターなど流速測定具を用いて調節して供給する。こうして、第一実施例と同様に、気化室1には、不活性ガスと水素との混合気体が供給されるため、その水素が、ガスボンベGBに混合していることがある微量の酸素やイオン液体ILに溶存している酸素と加熱装置2などの熱により反応し水が生成して、気化室1、排出部3やイオン液体ILに微量に含有される酸素が除去される。このために、酸素による酸化反応が起こらないために、精製する有機化合物の歩留りを向上させることができ、そして、イオン液体ILの経時変化が極めて生じにくく、それらの品質の劣化を防止することができる。
Specifically, except for the hydrogen cylinder HB and the hydrogen supply pipe P3 following the hydrogen cylinder HB, the configuration is substantially the same as in the first embodiment, and the gas supplied from the gas cylinder GB is provided on the upper surface of the
図3に、本発明の第三実施形態を示す。図1に示す第一実施形態、図2に示す第二実施形態とは異なり、水素ガスなどの気体の還元剤を用いずに、固体の還元剤を使用するように設計されている。 FIG. 3 shows a third embodiment of the present invention. Unlike the first embodiment shown in FIG. 1 and the second embodiment shown in FIG. 2, it is designed to use a solid reducing agent without using a gaseous reducing agent such as hydrogen gas.
具体的には、水素ボンベHB及び水素ボンベHBに続く水素供給パイプP3以外については、第一実施形態とおおよそ同様の構成を有し、そして、析出容器4の内部のイオン液体ILと当接する場所に、内外を連通するメッシュ状の容器に収納された固体の還元剤である粒子状の鉄SRが収納されており、ガスボンベGBに混合していることがある微量の酸素やイオン液体ILに溶存している酸素と加熱装置2´などの熱により反応し、酸化鉄が生成して、気化室1、排出部3やイオン液体ILに微量に含有される酸素が除去される。このために、酸素による酸化反応が起こらないために、精製する有機化合物の歩留りを向上させることができ、そして、イオン液体ILの経時変化が極めて生じにくく、それらの品質の劣化を防止することができる。
Specifically, except for the hydrogen cylinder HB and the hydrogen supply pipe P3 following the hydrogen cylinder HB, it has substantially the same configuration as that of the first embodiment, and is in contact with the ionic liquid IL inside the
そして、本発明の実施形態における有機化合物析出方法は、気化工程S1と、搬送工程S2と、析出工程S3を有しており、以下に説明する。 And the organic compound precipitation method in embodiment of this invention has vaporization process S1, conveyance process S2, and precipitation process S3, and demonstrates it below.
気化工程S1は、気化室1内に載置された有機化合物OCが、気化室1を覆う加熱装置2によって減圧状態で加熱されて気化される工程である。第一実施形態から第三実施形態において、真空ポンプVPによって気化室1を減圧して、加熱装置2によって、上蓋6、下蓋7及び連結部材8を加熱することにより気化室1を加熱して、載置部71に載置された原料である有機化合物OCを昇華又は蒸発させることにより気化させる。適宜ガスボンベGBより不活性ガスが気化室1に流入しているために、気化室1の真空度は10-3〜10-1Torrに調節されていることが好ましい。また、第一実施形態及び第二実施形態において、さらに気化室1に流入されている、水素ボンベHBより系中の酸素を還元する還元剤としての水素も踏まえて気化室1の真空度は10-3〜10-1Torrに調節されていることが好ましい。気化室1の真空度がこの範囲内であると、上蓋6、下蓋7及び連結部材8などが耐えられる範囲で加熱することができるとともに、気化された有機化合物OCを搬送させる十分な量の不活性ガスなどを気化室1に導入することができる。なお、気化室1の真空度は、図示しない圧力計を気化室1と連結させるなどによって測定することができる。
The vaporization step S <b> 1 is a step in which the organic compound OC placed in the
搬送工程S2は、気化された有機化合物OCが気化室1から突設された排出部3へ不活性ガスにより搬送される工程である。第一実施形態及び第二実施形態においては、水素ボンベHBから供給される水素も不活性ガスと混同して、気化された有機化合物OCを搬送する。本実施形態において、気化室1の上部から気化室1に流入した不活性ガスなどが、気化された有機化合物OCを巻き込みながら、下蓋7に取り付けられた排出部3の排出口31に向かって鉛直方向の上方から下方へと直線状に流れることによって、気化された有機化合物OCを排出部3の排出口31まで搬送する。第一実施形態及び第二実施形態では、とりわけ、不活性ガス及び水素ガスが、気化室1からイオン液体ILまで直線状に流れるために、気化室1において不活性ガス及び水素ガスの流路の周囲で気化した有機化合物OCを満遍なく巻き込みながら、排出部3で滞ることなくイオン液体ILまで搬送することができる。
The transport process S2 is a process in which the vaporized organic compound OC is transported by an inert gas from the
析出工程S3は、排出部3が接触するイオン液体ILを充填する析出容器4においてイオン液体ILから有機化合物OCが析出する工程である。すなわち、気化された有機化合物OCがイオン液体ILに溶解し、そして、過飽和状態となり、溶解及び析出の繰り返しが起こる溶解平衡に達する。このようにして、有機化合物OCが単結晶などの結晶として析出し、析出容器4の内部において析出量が増加する。これにより、単結晶を成長させやすく、より精製の程度を向上させることができる。不活性ガスなどによって排出部3を通りイオン液体IL中に搬送された気化された有機化合物OCは、初期においてイオン液体ILに溶解するが、気化された有機化合物OCが連続してイオン液体IL中に搬送されるため溶解が飽和に達したときにイオン液体ILに溶解しきれなくなった有機化合物OCが単結晶などの結晶形態で、析出容器4に析出する。また、予めイオン液体ILに有機化合物OCを飽和若しくは飽和に近い状態まで溶解させておき、気化された有機化合物OCがイオン液体IL中に搬送されるとすぐに有機化合物OCを析出させることもできる。なお、析出容器4の周囲にある温度調節装置2´によりイオン液体ILを加熱又は冷却して温度調整することにより、有機化合物OCの溶解度、析出速度などを制御して不純物を最小限となるように結晶を析出させることができる。
The deposition step S3 is a step in which the organic compound OC is deposited from the ionic liquid IL in the
1・・・気化室
2・・・加熱装置
2´・・温度調節装置
3・・・排出部
31・・排出口
32・・基部
4・・・析出容器
5・・・保温部
6・・・上蓋
7・・・下蓋
71・・載置部
8・・・連結部材
E・・・有機化合物析出装置(精製装置)
OC・・有機化合物
IL・・イオン液体
VP・・真空ポンプ
GB・・ガスボンベ
HB・・水素ボンベ
P1・・ガス供給用パイプ
P2・・ガス排出用パイプ
DESCRIPTION OF
OC ・ ・ Organic compound IL ・ ・ Ion liquid VP ・ ・ Vacuum pump GB ・ ・ Gas cylinder HB ・ ・ Hydrogen cylinder P1 ・ ・ Gas supply pipe P2 ・ ・ Gas discharge pipe
Claims (4)
気化された前記有機化合物が前記気化室から不活性ガスにより搬送される搬送工程と、
前記搬送工程により搬送された前記有機化合物が析出する析出工程と
を有し、
前記精製装置内において存在する酸素と反応する還元剤が前記不活性ガスの流路に存在していることを特徴とする有機化合物析出方法。 A vaporization step in which the organic compound placed in the vaporization chamber of the purification apparatus is heated and vaporized in a reduced pressure state by a heating apparatus;
A transport step in which the vaporized organic compound is transported from the vaporization chamber by an inert gas;
A precipitation step in which the organic compound conveyed by the conveyance step is precipitated,
An organic compound deposition method, wherein a reducing agent that reacts with oxygen present in the purification apparatus is present in the flow path of the inert gas.
気化された前記有機化合物が前記気化室から突設された排出部へ不活性ガスにより搬送される搬送工程と、
前記排出部が接触するイオン液体を充填する析出容器において前記イオン液体から前記有機化合物が析出する析出工程と
を有し、
前記気化室又は前記イオン液体中に存在する酸素と反応する還元剤が前記気化室内又は前記イオン液体中に存在していることを特徴とする有機化合物析出方法。 A vaporization step in which the organic compound placed in the vaporization chamber is heated and vaporized in a reduced pressure state by a heating device;
A transporting process in which the vaporized organic compound is transported by an inert gas to a discharge portion protruding from the vaporizing chamber;
A precipitation step in which the organic compound is precipitated from the ionic liquid in a precipitation container filled with the ionic liquid in contact with the discharge part,
An organic compound precipitation method, wherein a reducing agent that reacts with oxygen present in the vaporization chamber or the ionic liquid is present in the vaporization chamber or the ionic liquid.
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