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JP2018149934A - 運転支援装置、プログラムおよび運転支援方法 - Google Patents

運転支援装置、プログラムおよび運転支援方法 Download PDF

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JP2018149934A JP2017048086A JP2017048086A JP2018149934A JP 2018149934 A JP2018149934 A JP 2018149934A JP 2017048086 A JP2017048086 A JP 2017048086A JP 2017048086 A JP2017048086 A JP 2017048086A JP 2018149934 A JP2018149934 A JP 2018149934A
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Tadashi Hyuga
匡史 日向
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Tomohiro Yabuuchi
智浩 籔内
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Abstract

【課題】自動運転モードが不意に解除されてしまうことを防止し、安全性を向上させること。
【解決手段】車両が自動運転モードにあるときに、自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境を、予測部62aにより予測する。予測された走行環境に基づいて、自動運転の安定度を、安定度計算部62bにより計算する。自動運転の安定度は、予定経路における自動運転モードの継続の許容性を示す指標であり、安定度が悪いと、自動運転モードが解除される可能性も高まる。計算された安定度に基づいて、予定経路における自動運転モードの継続または解除を予想部62cにより予想する。自動運転モードの解除が予想された場合に、車両1の運転者の運転への復帰度を高めるための支援を、警報発生部62fにより予め実行する。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両の運転モードを手動運転モードと自動運転モードとの間で切り替える技術に関する。
車両の運転を自動化する技術が注目されており、例えばトラックの隊列走行の自動化のように、社会的な実証実験が始まろうとしている。乗用車などの一般車両についても実用化へのロードマップが作成され、公表されている。技術的にも、自動運転モードについての検討が始まっている。自動運転モードは、コンピュータが主体となって車両を走行させるモードであり、運転者(ドライバ)が自らの手足や感覚を頼りに車両を操作する手動運転モードとは、区別される。
自動運転は、道路交通の安全性を高めることを目的の一つとしている。しかし技術的な事情や社会的インフラの整備の面からも、自動運転モードを安定的に継続することは当面は難しい。つまり安全性を担保するために、自動運転モードは、何らかの不安事象が生じればすぐに解除されてしまう。よって運転者は、そのような事態に対応できるように常に備えているのが理想的である。
しかしながら現実的には、人間は、集中力を長時間保つことは難しい。例えば、自動運転モードでの走行中に眠気を催すことが危惧される。そもそも、常に集中力を高めていなくてはならないのなら自動運転の魅力が半減してしまう。そこで、運転者を含む搭乗者がリラックスできるようにしつつも、必要な場合には機を逃さず、運転者の運転への集中度を高めるための技術が要望されている。
例えば特許文献1に、関連する技術が開示されている。特許文献1には、自動走行支援の性能に対する過信の度合いに応じた警告を行うことが記載されている。しかし、現在の状態が判定されるにとどまり、自動運転を継続した場合に、将来において生じうるリスクについては考慮されていない。
特開2015−032291号公報
自動運転を継続できるかどうかは環境条件に左右されやすく、人間が主導権を握るほうが安全なことも多い。しかも環境条件は日ごとに、季節ごとに、時間ごとに、気象条件ごとに、場所ごとに、等、安定していない。自動運転モードが解除されるときにはアナウンスを発することも考えられているが、それがいつ起こるかは、既存の技術ではその時になってみないとわからないため、喫緊の対策が要望されていた。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、自動運転モードが不意に解除されてしまうことを防止し、これにより安全性の向上を図ることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では以下のような手段を講じる。
この発明の第1の様態は、自動運転モードで走行可能な車両に乗車した運転者の運転を支援する運転支援装置にあって、車両が自動運転モードにある状態で、当該自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境を予測する予測部と、予定経路における自動運転の安定度を、予測された走行環境に基づいて計算する安定度計算部と、計算された安定度に基づいて、予定経路における自動運転モードの継続または解除を予想する予想部と、予想部により自動運転モードの解除が予想された場合に、運転者に手動運転への移行準備を促すための支援動作を実行する支援部とを具備するように構成したものである。
この発明の第2の様態は、支援部が、自動運転モードの解除が予想される旨の情報を、運転者に事前通告するように構成したものである。
この発明の第3の様態は、支援部に、運転者の状態を監視するための監視センサから、運転者の状態を表すセンシングデータを取得する取得部と、取得されたセンシングデータに基づいて、運転者の手動運転の可否の度合いを算出する演算部と、算出された手動運転の可否の度合いに応じたレベルの警報を発する警報発生部とを備えるように構成したものである。
この発明の第4の様態は、予測部が、ナビゲーションシステムから取得した交通情報に基づいて予定経路における走行環境を予測するように構成したものである。
この発明の第5の様態は、予測部が、気象データに基づいて予定経路における走行環境を予測するように構成したものである。
この発明の第6の様態は、予測部が、インシデントに関するインシデント情報をその発生場所に対応付けてデータベース化したインシデント履歴データベースから取得したインシデント情報に基づいて、予定経路における走行環境を予測するように構成したものである。
この発明の第7の様態は、支援部が、自動運転モードの解除が予想されると、車両のエアコンディショナを外気導入モードにセットするように構成したものである。
この発明の第1の態様によれば、車両が自動運転モードにある状態で、当該自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境が予測され、その結果に基づいて、予定経路での自動運転の安定度が計算される。また、計算された安定度に基づいて、予定経路において自動運転モードが継続されるか解除されるかが、予想される。そして、自動運転モードの解除されることが予想された場合には、運転者に手動運転への移行準備を促すための支援動作が予め実行される。
ここで、自動運転の安定度とは、例えば、自動運転モードの継続の安定度を示す指標、あるいは、自動運転モードの継続の許容性を示す指標として理解されることができる。
このような構成であるから、自動運転モードの解除の可能性が予想され、その可能性が高まれば(自動運転の安定度が低ければ)、運転者による手動運転への移行準備を促すための支援が前もって実施される。従って、自動運転モードから不意打ち的に手動運転モードに切り替わってしまうといった事態を防ぐことができ、運転者に安心感を与えることができるとともに安全性を向上させることができる。
なお、手動運転への移行準備を促すための支援とは、例えば大音量による目覚まし行為であったり、シートに振動を与えることであったり、心拍数向上のための音楽を流すなど、色々な手段が有り得る。この種の支援は、運転者の集中度、覚醒度、あるいは運転への復帰度を高めるための支援とも理解されることができる。
この発明の第2の様態によれば、自動運転モードの解除が予想されると、そのことが運転者に事前通告される。よって運転者は、自動運転モードが解除されることを予め想定したうえで、心の準備をしておくことができる。
この発明の第3の様態によれば、運転者の状態を表すセンシングデータに基づいて、運転者の手動運転の可否の度合いが算出される。そして、運転者の手動運転の可否の度合いに応じたレベルの警報が発生される。従って、運転者を、手動運転に必要なレベルにまで覚醒した状態にさせることができる。
なお、運転者の手動運転の可否の度合いとは、例えば、運転者の手動運転への復帰度として理解されることができる。
この発明の第4の様態によれば、交通情報に基づいて、予定経路における走行環境が予測される。交通情報には、例えば事故情報、障害物や道路工事の場所を示す情報、道路状態や法定速度などの公共の情報がある。また、路面形状や建物情報など、ナビゲーションシステムに予め登録された情報も交通情報として取り扱うことができる。このような構成であるから、予定経路における走行環境を正確に予測することができる。
この発明の第5の様態によれば、気象データに基づいて、予定経路における走行環境が予測される。気象情報は、例えば車両に搭載された気象センサから取得される気象データ(降雨量データなど)であってよい。または、気象情報は、公共機関(気象台や気象情報提供会社など)から放送で提供される気象情報などでもよい。このような構成であるから、予定経路における走行環境をリアルタイムに予測することができる。
この発明の第6の様態によれば、インシデントに関するインシデント情報に基づいて、予定経路における走行環境が予測される。
ここで、インシデントとは、過去に発生した事故そのもの、事故には至っていないがその可能性が高かったと考えられる事象、あるいは、将来において事故に至る危険性の高い事象などを含む、危険をもたらす事象を包括的に含む概念として用いられる。例えば、子供や動物が飛び出しやすい場所であったり、過去に自動運転システムが異常を起こした場所であったりなどの情報を、インシデント情報として挙げることができる。
インシデント情報に基づいて予定経路の走行環境を予測することにより、自動運転の安定度を正確に予想することができる。従って、自動運転モードがこのまま継続されるか、あるいは解除されてしまうかを正確に予想し、的確な警報を発することができる。
この発明の第7の様態によれば、支援部が、自動運転モードの解除が予想されると、車両のエアコンディショナを外気導入モードにセットするように構成したものである。外気導入モードにすると車内の酸素濃度が高まり、これにより、運転者の覚醒度を確実に高めることができる。
この発明の一実施形態に係る運転支援装置を備える自動運転制御システムの一例を示す機能ブロック図。 図1に示されるアラームECU6の一例を示す機能ブロック図。 運転復帰度について説明するための図。 図2に示されるアラームECU6の処理手順の一例を示すフローチャート。 インシデント履歴データの他の利用形態を示すシステム図。
以下、図面を参照して、この発明に係わる実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る運転支援装置を含む、自動運転制御システムの一例を示すブロック図である。この自動運転制御システムは車両1に搭載される。車両1は、基本装備としてパワーユニット2および操舵装置3を備える。パワーユニット2は、動力源および変速装置を含む。動力源としては、内燃機関または電気モータ、あるいはその両方を用いることが可能である。操舵装置3はステアリングホイール4に接続される。
車両1は、自動運転モードで走行することが可能である。自動運転モードは、例えば、道路に沿って車両1を自動的に走行させる運転状態を実現するモードである。自動運転モードは、例えば、運転者が運転操作をすることなく、予め設定された目的地に向かって自動的に車両1を走行させる運転状態を含んでもよい。自動運転モードは、必ずしも車両1の全ての挙動を制御する必要はない。例えば、自動運転モードは、予め設定された許容範囲において運転者の運転操作を車両1の走行に反映する運転状態も含んでよい。
自動制御には、例えば、自動操舵(操舵の自動運転)と自動速度調整(速度の自動運転)がある。自動操舵は、操舵装置を自動で制御する運転状態である。自動操舵にはLKA(Lane Keeping Assist)が含まれる。LKAは、例えば、運転者がステアリング操作をしない場合であっても、車両1が走行車線から逸脱しないように自動で操舵装置3を制御する。なお、LKAの実行中であっても、車両1が走行車線を逸脱しない範囲(許容範囲)において運転者のステアリング操作を車両1の操舵に反映してもよい。なお、自動操舵はLKAに限らない。
自動速度調整は、車両1の速度を自動で制御する運転状態である。自動速度調整にはACC(Adaptive Cruise Control)が含まれる。ACCは、例えば、車両1の前方に先行車が存在しない場合は予め設定された設定速度で車両1を定速走行させる定速制御を行う。また、車両1の前方に先行車が存在する場合には、ACCは、先行車との車間距離に応じて車両1の車速を調整する追従制御を行う。
ACCを実行中であっても、運転者のブレーキ操作(例えばブレーキペダルの操作)があれば、車両1は減速する。また、ACCを実行中であっても、運転者のアクセル操作(例えばアクセルペダルの操作)があれば、予め設定された最大許容速度(例えば、走行中の道路において法的に定められた最高速度)まで、車両1を加速させることもできる。なお、ACCに限らず、CC(Cruise Control:定速制御)等も自動速度調整の範疇に含まれる。
自動運転モードが解除されると、手動運転モードになる。手動運転モードは、例えば、運転者の手動による運転操作を主体として車両1を走行させるモードである。手動運転モードは、例えば、運転者の運転操作だけに基づいて車両1を走行させる動作モードと、運転者の運転操作を主体としながら運転者の運転操作を支援する運転操作支援制御を行う動作モードとを含んでもよい。
運転操作支援制御は、例えば、車両1のカーブ走行時に運転者による操舵をアシストして、カーブに沿って走行するように車両1の運転操作を支援する。また運転操作支援制御は、運転者のアクセル操作(例えばアクセルペダルの操作)またはブレーキ操作(例えばブレーキペダルの操作)を支援する制御と、手動操舵(操舵の手動運転)および手動速度調整(速度調整の手動運転)などを含んでもよい。手動操舵は、運転者のステアリングホイールの操作を主体として車両1の進行方向を操作することである。手動速度調整は、運転者のアクセル操作又はブレーキ操作を主体として車両1の速度を調整することである。
図1に示される自動運転制御装置5は、自動運転モードによる運転制御を実行する。自動運転制御装置5は、ステアリングセンサ11、アクセルペダルセンサ12、ブレーキペダルセンサ13、ジャイロセンサ15および車速センサ16から、図示しない車内LAN(Local Area Network)などを経由して、それぞれセンシングデータを取得する。そして、これらのセンシングデータと、ナビゲーション装置14に記憶されたディジタルマップデータ、路車間通信により取得される交通情報、周辺の人や車両の位置と動きを監視する周辺モニタリングシステムにより得られる情報などをもとに、自動運転制御装置5は車両1の走行を制御する。
ナビゲーション装置14は、GPS受信機(図示せず)を備える。周知のようにGPS受信機は、GPS衛星からそれぞれ地上に向け送信される測位情報に基づいて、車両1の3次元の位置データ(測位情報)を算出する。
無線通信部10は、例えば、車両1に搭載された通信装置や、スマートフォン等の汎用のモバイル通信端末等により実現可能である。無線通信部10は、GPS信号の受信機能に加えて、いわゆるVICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)に代表される情報提供システムから公共交通情報を取得する機能も備える。公共交通情報は、例えば、車両1周辺の道路の渋滞状況や、交通事故の発生地点等の情報を含むことができる。また、路車間通信だけでなく、他の車両との車車間通信により車両1の周辺道路、施設、建物等に関する情報を取得する機能を備えていても良い。
ところで、本実施形態における自動運転制御システムは、アラームECU(Electronic Control Unit)6を備える。アラームECU6は、安全な運転を支援する運転支援装置としての、コンピュータである。
アラームECU6は、自動運転制御装置5と通信可能に接続されて、車両1のモードが自動運転モードであるか、そうでないかといった情報などを取得する。
また、アラームECU6は、ドライバカメラ7に接続される。ドライバカメラ7は、運転者を撮像できる場所(例えばダッシュボード上)に配置され、運転者を含む車内を撮像し、センシングデータとしての映像データを出力する。
また、アラームECU6は、アラーム発生器9に接続される。アラーム発生器9は、スピーカと表示器を有し、アラームECU6から出力されたメッセージの音声信号をスピーカから出力すると共に、当該メッセージの内容を表示器に表示する。
また、アラームECU6は、レインセンサ8に接続され、降雨の有無および降雨量を示すセンシングデータとしての、気象データを取得する。また、アラームECU6は、ナビゲーション装置14に接続され、車両1の位置データおよびディジタルマップデータを取得する。さらにアラームECU6は、無線通信部10に接続され、路車間通信で得られた種々のデータを取得する。
図2は、アラームECU6の一例を示す機能ブロック図である。アラームECU6は、I/O(入出力インタフェース)61と、制御部62と、メモリ63とを備える。
I/O61は、ドライバカメラ7から運転者の映像データを取得する。取得された映像データは、センシングデータ63bの一つとしてメモリ63に記憶される。また、I/O61は、レインセンサ8から現在の降雨状態を示す気象データを取得する。この気象データはセンシングデータ63bの一つとしてメモリ63に記憶される。
また、I/O61は、無線通信部10を経由したデータ授受を仲立ちする。例えば、路車間通信や公共放送などにより取得された種々のデータが、I/O61を経由してメモリ63に渡され、記憶される。また、I/O61を経由して種々の情報を車両1の外部に送信することもできる。例えば、車両ID(IDentification)などの情報を、無線通信部10を経由してネットワーク上のサーバに送信しても良い。この種の技術は、例えば車両1が運送会社の配送車である場合に、積み荷の場所をトレースするために利用することができる。
また、I/O61は、ナビゲーション装置14から車両1の現在位置、車両1周辺のディジタルマップデータ、道路情報などの種々のデータを取得する。これらのデータは交通情報63cの一つとしてメモリ63に記憶される。さらに、I/O61は、制御部62から出力されたメッセージを音声信号および表示信号に変換してアラーム発生器9へ出力する。
制御部62は、コンピュータを構成するCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部62は、この実施形態を実施するために必要な機能として、予測部62a、安定度計算部62b、予想部62c、取得部62d、復帰度計算部62eおよび警報発生部62fを備える。これらの機能は、メモリ63に書き込まれたプログラム63aをCPUがレジスタに読み出し、実行することで実現される。
予測部62aは、車両1が自動運転モードにある状態で、この自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境を予測する。走行環境とは、例えば過去に近辺で事故が起こったり、ヒヤリ/ハット事象が起こっていないかなどの履歴情報や、自動運転モードが強制的に解除された履歴の有無、自動運転モードが異常を起こした履歴の有無、あるいは道路形状などの、自動運転モードの継続/解除に影響を及ぼし得る情報である。
安定度計算部62bは、自動運転の安定度を、予測された走行環境に基づいて計算する。自動運転の安定度とは、自動運転モードを継続してよいか、または解除したほうが良いか、を数値的に評価できるようにした指標である。
例えば、真っ直ぐな道路は自動運転との相性がよいので、予定経路がそのような環境であれば自動運転の安定度が高いと評価される。逆に、過去に事故歴がある場所や、カーブの多い道路では自動運転の安定度は低くなる。さらに、そのような環境においても、霧が発生した場合には手動での有視界運転でなく、自動運転モードにして、車載レーダに頼って低速で運転したほうが良いこともある。このような環境が想定される場合には、自動運転の安定度は高くなる。このように、自動運転の安定度は、予定経路における環境と、安全性とを考慮して決めることのできる指標である。
自動運転の安定度が低くなれば、自動運転モードが解除される可能性が高まる。なお、自動運転モードが解除されると手動運転モードになるが、これは、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替と同等の事象と理解されることができる。
予想部62cは、安定度計算部62bで計算された安定度に基づいて、予定経路において自動運転モードが継続されるか、または解除されるかを予想する。例えば、安定度を既定の評価基準(例えば安全性)に従って評価することにより、自動運転モードを継続すべきか、解除すべきかを判断することができる。
予想部62cにより自動運転モードの解除が予想された場合に、取得部62d、復帰度計算部62e、および警報発生部62fは、支援部として機能し、車両1の運転者に手動運転への移行準備を促すための支援動作を実行する。支援部は、例えば、自動運転モードの解除が予想されることを車両1の運転者に、アナウンスなどの形態で事前に通告し、運転者の運転への復帰度を高めるための支援を予め実行する。
つまり、自動運転モードの解除が予想されると、取得部62dは、運転者の状態を監視するための監視センサとしてのドライバカメラ7から、運転者の状態を表すセンシングデータとしての映像データを取得する。
復帰度計算部62eは、取得された映像データに基づいて、運転者の運転への復帰度(運転復帰度)を算出する。ここで、運転復帰度は、運転者の手動運転の可否の度合いを示す指標の一例である。警報発生部62fは、計算された復帰度に応じたレベルの警報を、アラーム発生器9を介して発生させる。
図3は、運転復帰度について説明するための図である。運転復帰度は、運転に復帰するために必要な時間(復帰所要時間)により表すことのできる指標であり、復帰所要時間に対応付けて、例えばレベル1〜3の3段階に分けることができる。
ドライバカメラ7により取得された映像データを既知の画像処理技術で解析することで、例えば運転者の顔の位置・向き・動き、視線の方向、瞳孔の位置、体の動き等を検出することができる。特に、運転者の視線、瞳孔の位置、まぶたの開度等の情報を得ることで、運転者の覚醒度を判定することができる。
例えば、OpenCV(Open Source Computer Vision library)などのフレームワークを利用することで、この種の詳細なデータを得ることができる。さらに、顔認識に特化したライブラリを開発することによっても、より精度の高いデータを生成することができる。
図3において、レベル1は、例えば「運転に復帰して下さい」などのアナウンスがされてから、せいぜい2〜3秒程度の短時間で運転に復帰できる状態を示し、「即運転復帰可能」として分類される。具体的には、例えば前方を注視している、あるいは窓外の景色を見る(脇見)などの状態である。運転者のこのような状態は、例えば顔の向き(正面を向いている)、視線の方向などの情報から判定できる。
レべル2は、運転に復帰するまでに2〜3秒から10秒程度の時間を要する状態を示し、「一定の動作の後復帰可能」として分類される。具体的には、例えばスマートフォンを操作している、飲食や喫煙をしている、あるいは読書をしているなどの状態である。運転者のこのような状態は、例えば顔の向き(正面を向いていない)、視線の方向などの情報から判定できる。
レべル3は、運転に復帰するまでに10秒よりも長い時間がかかるか、あるいは復帰が不可能な状態を示し、「所定時間内での運転復帰不可能」として分類される。具体的には、例えばパニックを起こしていたり、赤ちゃんを抱っこしていたり、居眠りをしているなどの状態である。運転者のこのような状態は、視線が短期間で変化したり、運転者以外の顔が検出されたり、まぶたが開いていなかったりした場合に、判定することができる。
図2に戻って説明を続ける。メモリ63は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)などの半導体メモリ、あるいはEPROM(Erasable Programmable ROM)、EPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ、あるいはSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等のストレージメディアであって良い。あるいは、FPGA(Field Programmable Gate Array)やPIC(Peripheral Interface Controller)などのワンチップマイコン内部に設けられた記憶領域であっても良い。
メモリ63は、プログラム63a、センシングデータ63b、交通情報63cに加えて、インシデント履歴データ63dを記憶する。インシデント履歴データ63dは、インシデントに関するデータである。インシデントは、それぞれを区別するためのID(IDentification)情報に、危険度の程度、分類、発生場所、発生日時などのメタデータを付与され、インシデント履歴データ63dとしてメモリ63に記憶される。
例えば、過去に自動運転制御装置5が異常を起こした場所や、人が良く飛び出す道路などの情報、あるいは、白線が途切れていてセンサによる路面トレースが不可能になる場所(自動運転も困難)などの情報が、インシデント履歴データ63dに蓄積される。次に、上記構成を基礎として実施形態における作用および効果を説明する。
図4は、図2に示されるアラームECU6の処理手順の一例を示すフローチャートである。図4において、例えばナビゲーション装置14のタッチパネルメニューを用いて、車両1の運転モードが自動運転モードにセットされると(ステップS1:Yes)、処理が開始される。
アラームECU6は、ドライバカメラ7およびレインセンサ8からセンシングデータを取得し(ステップS2)、無線通信部10およびナビゲーション装置14から交通情報を取得して(ステップS3)、メモリ63に記憶する。
次に、アラームECU6は、記憶されたセンシングデータ63b、交通情報63c、およびインシデント履歴データ63dに基づいて、予定経路の走行環境を予測する(ステップS4)。次にアラームECU6は、予測された走行環境に基づいて、自動運転の安定度を計算する(ステップS5)。
次にアラームECU6は、計算された自動運転の安定度に基づいて、予定経路において、自動運転モードが継続されるか、あるいは解除されるかを予想する(ステップS6)。自動運転の安定度が高ければ、自動運転モードが継続されると予測され(ステップS7:継続)、ステップS2からの手順が繰り返される。
自動運転モードが解除されることが予想されると(ステップS7:解除)、アラームECU6は、「自動運転モードが解除されるかもしれません。運転に復帰して下さい。」などのメッセージを、アラーム発生器9を介してアナウンスする(ステップS8)。なお、この段階で、ナビゲーション装置14からの情報をもとに迂回経路の有無を検索しても良い。
次に、アラームECU6は、運転者の運転復帰度を計算し、図3に示されるような3段階のレベルに分類する(ステップS9)。次に、復帰度レベルに応じて警報が発生される。例えばレベル1であれば、警報は必要ないとして上記アナウンスだけにとどめられる(ステップS10:No)。また、復帰度レベルがレベル2であれば、例えばエアコンを外気導入にして酸素濃度を上げたり、アップテンポの音楽を流すなどして、さりげなく覚醒を促すための制御が実施される。
一方、復帰度レベルが3であれば警報が必要と判断され(ステップS10:Yes)、アラームECU6は、アラーム発生器9から「起きてください!起きてください!」などのアナウンスを大音量で流す。あるいは、運転席シートに振動を与えたり、車内のライトを点滅させたりしても良い。
以上述べたようにこの実施形態では、車両1が自動運転モードにあるときに、自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境を、予測部62aにより予測する。予測された走行環境に基づいて、予定経路における自動運転モードの継続の許容性を示す指標である自動運転の安定度を、安定度計算部62bにより計算する。計算された安定度に基づいて、予定経路における自動運転モードの継続または解除を予想部62cにより予想する。そして、自動運転モードの解除が予想された場合に警報を発して、運転者の運転への復帰度を予め高めておくようにしている。
このようにしたので、予定の経路に自動運転の継続が難しくなりそうなポイントがあることを事前に検知し、そのことを早めに運転者に通知することができる。つまり、実施形態によれば、将来の環境を予め想定し、発生しうるリスクに予め対処することが可能になる。自動運転の安定度が低い場合には、いつ手動運転に切り替わるかわからないが、実施形態によればそのようなリスクに十分に対応することができる。
すなわちこの実施形態によれば、自動運転モードが不意に解除されてしまうことを防止できるようになり、これにより安全性の向上を図った運転支援装置、プログラムおよび運転支援方法を提供することができる。
なお、この発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、アラームECU6は組み込みの専用ハードウェア機器として提供することもできるし、既存の車載機器(例えばナビゲーション装置14)に内蔵してしまっても良い。
また、実施形態では、運転者に手動運転への移行準備を促す情報を通知する機能を、車載のECUに実装する例について説明した。これに代えて、実施形態で述べた機能は、例えばVICS(登録商標)に持たせることも可能である。つまり、VICS(登録商標)の側で各車両の予定経路における走行環境を把握し、必要であれば、自動運転モードにある車両に警告を発するようにしても良い。その際、路車間通信により音声メッセージを車両にダウンロードすることも可能である。
また、インシデント履歴データ63d(図2)は、車両1が個別に、ローカルで持つデータとは限らない。すなわち、クラウドコンピューティングシステムを利用した知識共有により、インシデント履歴データ63dを複数の車両でシェアすることも可能である。
図5は、インシデント履歴データの他の利用形態を示すシステム図である。図5において、車両1−1、1−2、…、1−nはそれぞれ無線通信機能を備え、基地局BSを介して移動通信網100にアクセスすることが可能である。この移動通信網100に、サーバ300と、データベース400とを備えるクラウドコンピューティングシステム200が、接続される。
車両1−1、1−2、…、1−nは、インシデントに係わる情報をそれぞれ個別に取得し、移動通信網100を介してサーバ300にアップロードする。インシデントに係わる情報とは、例えば急ブレーキをかけた場所であったり、渋滞や事故の発生した場所であったり、路面が凍結した場所と日時であったり、位置データと時刻データ(タイムスタンプ)とを主に含む、あらゆる情報を考え得る。また、この種の情報は車両からだけでなく、例えば損害保険会社などから提供されても良い。この種の情報は、いわゆるビッグデータと称され、社会で共有するための検討が始められている。
サーバ300は、収集したビッグデータを解析し、意味付けして、インシデント履歴データ400aを作成しデータベース400に蓄積する。インシデント履歴データ400aはクラウドコンピューティングシステム200上で公開され、車両1−1、1−2、…、1−nはもちろん、高速道路の監視システムなど、様々な社会インフラで共有することができる。
インシデント履歴データ400aは、ビッグデータ解析によりクラウドコンピューティングシステム上に作成される。このようにすることで、膨大な数の車両やセンサから得られたインシデント情報が蓄積され、知識として共有される。このようにして得られた知見を利用することで、走行環境の予測精度、自動運転の安定度の計算の精度、あるいは自動運転モードの継続/解除の予想精度などを格段に高めることができる。
このように、インシデント履歴データ400aを共有することで、地点ごとの走行環境の予測精度を高めたり、自動運転モードの解除/継続の予想精度を上げたりなどの効果を得られるのに加え、事故そのものを回避することも可能になり、より一層の安全性を得ることができる。
この発明の装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
また、以上の各装置及びそれらの装置部分は、それぞれハードウェア構成、またはハードウェア資源とソフトウェアとの組み合せ構成のいずれでも実施可能である。組み合せ構成のソフトウェアとしては、予めネットワークまたはコンピュータ読み取り可能な記録媒体からコンピュータにインストールされ、当該コンピュータのプロセッサに実行されることにより、各装置の機能を当該コンピュータに実現させるためのプログラムが用いられる。
コンピュータに関連して用いられる「プロセッサ」あるいは「プロセッサ」という用語は、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、またはFPGA等の回路と理解され得る。
プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出し実行することで、プログラムに基づく特有の機能を実現する。メモリに代えて、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成することも可能である。このケースでは、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することでその機能を実現する。
このほか車両の種類、自動運転制御装置の機能、モード切替支援装置の機能と処理手順および処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
上記の実施形態の一部又は全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下に限られるものではない。
(付記1)
自動運転モードで走行可能な車両に乗車した運転者の運転を支援する運転支援装置であって、プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
前記車両が前記自動運転モードにある状態で、当該自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境を予測し、
前記予定経路における自動運転の安定度を、前記予測された走行環境に基づいて計算し、
前記計算された安定度に基づいて、前記予定経路における前記自動運転モードの継続または解除を予想し、
前記自動運転モードの解除が予想された場合に、前記運転者に手動運転への移行準備を促すための支援動作を実行する、運転支援装置。
(付記2)
自動運転モードで走行可能な車両が前記自動運転モードにある状態で、少なくとも1つのプロセッサを用いて、当該自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境を予測する過程と、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記予定経路における自動運転の安定度を、前記予測された走行環境に基づいて計算する過程と、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記計算された安定度に基づいて、前記予定経路における前記自動運転モードの継続または解除を予想する過程と、
前記自動運転モードの解除が予想された場合に、少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記運転者に手動運転への移行準備を促すための支援動作を実行する過程と
を具備する、運転支援方法。
1,1−1〜1−n…車両、2…パワーユニット、3…操舵装置、4…ステアリングホイール、5…自動運転制御装置、6…アラームECU、7…ドライバカメラ、8…レインセンサ、9…アラーム発生器、10…無線通信部、11…ステアリングセンサ、12…アクセルペダルセンサ、13…ブレーキペダルセンサ、14…ナビゲーション装置、15…ジャイロセンサ、16…車速センサ、62…制御部、62a…予測部、62b…安定度計算部、62c…予想部、62d…取得部、62e…復帰度計算部、62f…警報発生部、63…メモリ、63a…プログラム、63b…センシングデータ、63c…交通情報、63d…インシデント履歴データ、100…移動通信網、200…クラウドコンピューティングシステム、300…サーバ、400…データベース、400a…インシデント履歴データ。

Claims (9)

  1. 自動運転モードで走行可能な車両に乗車した運転者の運転を支援する運転支援装置であって、
    前記車両が前記自動運転モードにある状態で、当該自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境を予測する予測部と、
    前記予定経路における自動運転の安定度を、前記予測された走行環境に基づいて計算する安定度計算部と、
    前記計算された安定度に基づいて、前記予定経路における前記自動運転モードの継続または解除を予想する予想部と、
    前記予想部により前記自動運転モードの解除が予想された場合に、前記運転者に手動運転への移行準備を促すための支援動作を実行する支援部と
    を具備する運転支援装置。
  2. 前記支援部は、前記自動運転モードの解除が予想される旨の情報を、前記運転者に事前通告する、請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記支援部は、
    前記運転者の状態を監視するための監視センサから、前記運転者の状態を表すセンシングデータを取得する取得部と、
    前記取得されたセンシングデータに基づいて、前記運転者の手動運転の可否の度合いを算出する演算部と、
    前記算出された手動運転の可否の度合いに応じたレベルの警報を発する警報発生部と
    を備える、請求項1に記載の運転支援装置。
  4. 前記予測部は、交通情報に基づいて前記予定経路における走行環境を予測する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  5. 前記予測部は、気象データに基づいて前記予定経路における走行環境を予測する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  6. 前記予測部は、インシデントに関するインシデント情報を蓄積するインシデント履歴データベースから取得した前記インシデント情報に基づいて、前記予定経路における走行環境を予測する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  7. 前記支援部は、前記自動運転モードの解除が予想されると、前記車両のエアコンディショナを外気導入モードにセットする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  8. コンピュータを、請求項1乃至7のいずれかに1項に記載の運転支援装置として機能させるための、プログラム。
  9. 自動運転モードで走行可能な車両に乗車する運転者の運転を支援する運転支援装置により実行される運転支援方法であって、
    前記車両が前記自動運転モードにある状態で、前記運転支援装置が、当該自動運転モードを継続した場合の予定経路における走行環境を予測する過程と、
    前記運転支援装置が、前記予定経路における自動運転の安定度を、前記予測された走行環境に基づいて計算する過程部と、
    前記運転支援装置が、前記計算された安定度に基づいて、前記予定経路における前記自動運転モードの継続または解除を予想する過程と、
    前記自動運転モードの解除が予想された場合に、前記運転支援装置が、前記運転者に手動運転への移行準備を促すための支援動作を実行する過程と
    を具備する、運転支援方法。
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