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JP2018142827A - 半導体装置および電子機器 - Google Patents

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JP2018142827A
JP2018142827A JP2017035361A JP2017035361A JP2018142827A JP 2018142827 A JP2018142827 A JP 2018142827A JP 2017035361 A JP2017035361 A JP 2017035361A JP 2017035361 A JP2017035361 A JP 2017035361A JP 2018142827 A JP2018142827 A JP 2018142827A
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Ryo Kawamura
良 川村
清春 清野
Kiyoharu Kiyono
清春 清野
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Abstract

【課題】広帯域でインピーダンス整合が可能な半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置に相当する高効率増幅器10は、信号を入出力する半導体素子の一種である増幅素子11と、インピーダンス整合を行う入力整合回路12および出力整合回路13の2つの整合回路と、増幅素子11と出力整合回路13との間に接続された高調波短絡回路16とを備えている。高調波短絡回路16は、それぞれ基本波の1/8波長と同じ長さを持つ第一の伝送線路17と第二の伝送線路20とを有している。第一の伝送線路17の一端は、増幅素子11に接続されている。第一の伝送線路17の他端は、接地されている。第二の伝送線路20は、第一の伝送線路17に対して隙間を空けて平行に配置されている。第二の伝送線路20の増幅素子11に近い方の一端は、接地されている。第二の伝送線路20の他端は、開放されている。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置および電子機器に関するものである。
レーダ装置、通信装置および観測装置では、所望の出力電力を確保しつつ、消費電力を小さくできる高効率増幅器が要求される。一般的には、増幅器の低消費電力化、すなわち、効率向上を図るために、2倍波を短絡する高調波短絡回路がよく用いられる。
特許文献1には、高調波短絡回路として、増幅素子の出力端子に、長さが基本波で1/8波長の先端開放線路を接続し、かつ、先端開放線路にインダクタを並列に接続した構成のものが記載されている。
1/8波長の先端開放線路は、2倍波で1/4波長の先端開放線路とみなすことができる。特許文献1に記載の技術では、この先端開放線路に、基本波で先端開放線路が持つ容量性成分を打ち消すためのインダクタを並列接続することにより、2倍波を短絡しつつ、基本波で影響の小さな高調波短絡回路を実現している。
特開平5−243873号公報
特許文献1に記載の技術では、基本波で先端開放線路とインダクタとからなる並列共振回路が構成されているとみなすことができため、並列共振する中心周波数では高インピーダンスが得られるが、中心周波数からずれた周波数では高インピーダンスが得られない。
高調波短絡回路を増幅素子と出力整合回路との間に設けた従来の増幅器では、中心周波数外で高調波短絡回路の影響を受け、高調波短絡回路を含む増幅素子の出力インピーダンスと通常50Ωである負荷インピーダンスとを広帯域にわたって整合させるような出力整合回路を実現することが難しくなり、増幅器の帯域が狭くなる。
本発明は、広帯域でインピーダンス整合が可能な半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る半導体装置は、
信号を入出力する半導体素子と、
インピーダンス整合を行う整合回路と、
それぞれ基本波の1/8波長と同じ長さを持つ第一の伝送線路と第二の伝送線路とを有し、前記半導体素子と前記整合回路との間に接続され、前記第一の伝送線路の一端が前記半導体素子に接続され、前記第一の伝送線路の他端が接地され、前記第二の伝送線路が前記第一の伝送線路に対して隙間を空けて平行に配置され、前記第二の伝送線路の前記半導体素子に近い方の一端が接地され、前記第二の伝送線路の他端が開放された高調波短絡回路とを備える。
本発明によれば、広帯域でインピーダンス整合が可能な半導体装置を提供することができる。
実施の形態1に係る高効率増幅器の構成を示す図。 実施の形態1に係る高効率増幅器の出力側の等価回路を示す図。 実施の形態1に係る高効率増幅器の高調波短絡回路の簡略化した等価回路を示す図。 実施の形態1に係る高効率増幅器の増幅素子側を図2の各点から見たインピーダンスの軌跡を示すスミスチャート。 実施の形態1に係る高効率増幅器の出力リターンロスの計算用に設定した数値を示す図。 図5の出力リターンロスの計算結果を示すグラフ。 比較例に係る増幅器の出力リターンロスの計算用に設定した数値を示す図。 図7の出力リターンロスの計算結果を示すグラフ。 実施の形態1の変形例に係る高効率増幅器の構成を示す図。 実施の形態2に係る高効率増幅器の構成を示す図。 実施の形態2に係る高効率増幅器の出力側の等価回路を示す図。 実施の形態2に係る高効率増幅器の高調波短絡回路および誘導性素子の簡略化した等価回路を示す図。 実施の形態2に係る高効率増幅器の増幅素子側を図11の各点から見たインピーダンスの軌跡を示すスミスチャート。 実施の形態2に係る高効率増幅器の出力リターンロスの計算用に設定した数値を示す図。 図14の出力リターンロスの計算結果を示すグラフ。 実施の形態2の変形例に係る高効率増幅器の構成を示す図。 実施の形態2の変形例に係る高効率増幅器の高調波短絡回路および容量性素子の簡略化した等価回路を示す図。 実施の形態3に係る高効率増幅器の構成を示す図。 実施の形態3に係る高効率増幅器の高調波短絡回路および抵抗等の簡略化した等価回路を示す図。 実施の形態4に係る高効率増幅器の構成を示す図。 実施の形態4に係る高効率増幅器の出力側の等価回路を示す図。 実施の形態4に係る高効率増幅器の高調波短絡回路および誘導性素子の簡略化した等価回路を示す図。 実施の形態4に係る高効率増幅器の出力リターンロスの計算用に設定した数値を示す図。 図23の出力リターンロスの計算結果を示すグラフ。 実施の形態4の変形例に係る高効率増幅器の構成を示す図。 実施の形態5に係る高効率増幅器の構成を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、以下に説明する実施の形態のうち、2つ以上の実施の形態が組み合わせられて実施されても構わない。あるいは、以下に説明する実施の形態のうち、1つの実施の形態または2つ以上の実施の形態の組み合わせが部分的に実施されても構わない。
実施の形態1.
本実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
***構成の説明***
図1を参照して、本実施の形態に係る増幅器である高効率増幅器10の構成を説明する。
高効率増幅器10は、増幅素子11と、インピーダンス整合を行う入力整合回路12および出力整合回路13の2つの整合回路と、増幅素子11と出力整合回路13との間に接続された高調波短絡回路16とを備えている。
増幅素子11は、信号を入出力する半導体素子の一種である。
高調波短絡回路16は、それぞれ基本波の1/8波長と同じ長さを持つ第一の伝送線路17と第二の伝送線路20とを有している。第一の伝送線路17の一端は、増幅素子11に接続されている。第一の伝送線路17の他端は、接地されている。第二の伝送線路20は、第一の伝送線路17に対して隙間を空けて平行に配置されている。第二の伝送線路20の増幅素子11に近い方の一端は、接地されている。第二の伝送線路20の他端は、開放されている。
なお、本実施の形態では、高調波短絡回路16が増幅素子11と出力整合回路13との間に接続されているが、高調波短絡回路16は、増幅素子11と入力整合回路12との間に接続されていてもよい。あるいは、増幅素子11と出力整合回路13との間に接続された高調波短絡回路16とは別に、同様の構成の高調波短絡回路が、増幅素子11と入力整合回路12との間に接続されていてもよい。すなわち、高調波短絡回路16は、増幅素子11の出力端子に接続されてもよいし、増幅素子11の入力端子に接続されてもよいし、増幅素子11の両端子に接続されてもよい。
高調波短絡回路16は、高効率増幅器10だけでなく、逓倍器、検波器、その他のマイクロ波コンポーネントまたはミリ波コンポーネント、あるいは、その他の高周波半導体装置といった様々な半導体装置に適用できる。具体例として、高調波短絡回路16が検波器に適用される場合、増幅素子11がダイオードに置き換えられ、そのダイオードと出力整合回路13または入力整合回路12との間に高調波短絡回路16が接続される。ダイオードは、信号を入出力する半導体素子の一種である。
高効率増幅器10は、任意の電子機器に適用される。図示していないが、具体例として、高効率増幅器10は、高効率増幅器10により増幅された信号を処理する信号処理装置を備える電子機器に適用される。そのような電子機器としては、レーダ装置、通信装置および観測装置等がある。
以下、本実施の形態に係る高効率増幅器10の構成について詳しく説明する。
高効率増幅器10は、GaAsデバイスあるいはGaNデバイス等の増幅素子11と、増幅素子11と入力端子14との間に設けられた入力整合回路12と、増幅素子11と出力端子15との間に設けられた出力整合回路13と、増幅素子11と出力整合回路13との間に設けられた高調波短絡回路16とを備えている。高調波短絡回路16および出力整合回路13は、マイクロ波集積回路技術を用いて誘電体基板22上に形成されている。「GaAs」とは、ガリウム砒素のことである。「GaN」とは、窒化ガリウムのことである。
高調波短絡回路16は、一端が増幅素子11の出力端子に接続され、他端が金ワイヤ18および高周波接地用キャパシタ19を介して高周波的に接地された第一の伝送線路17と、第一の伝送線路17と間隔をおいて平行に配置された第二の伝送線路20とを有している。第二の伝送線路20の増幅素子11側の一端は、スルーホール21を介して直流的に接地されている。第二の伝送線路20の他端は、開放されている。第一の伝送線路17および第二の伝送線路20の長さは、基本波で1/8波長に選ばれている。
なお、高調波短絡回路16が増幅素子11と入力整合回路12との間に設けられる場合は、第一の伝送線路17の一端が増幅素子11の入力端子に接続されることになる。
第一の伝送線路17の他端を高周波的に接地するための金ワイヤ18の長さは、基本波で波長に比べて十分短く選ばれている。高周波接地用キャパシタ19の容量は、インピーダンスが十分低くなるような数pFから数十pFに選ばれている。
入力整合回路12は、入力端子14に接続される電源インピーダンスと増幅素子11の入力インピーダンスとを整合させるために設けられている。出力整合回路13は、出力端子15に接続される負荷インピーダンスと高調波短絡回路16を含む増幅素子11の出力インピーダンスとを整合させるために設けられている。通常、電源インピーダンスおよび負荷インピーダンスは、50Ωに選ばれる。
***動作の説明***
図2から図8を参照して、本実施の形態に係る高効率増幅器10の動作を説明する。高効率増幅器10の動作は、本実施の形態に係る増幅方法に相当する。
図2は、高効率増幅器10の出力側の等価回路を示している。通常、増幅素子11の出力側は、抵抗RdsとキャパシタCdsとの並列回路で表される。高調波短絡回路16は、一端短絡の結合線路として表され、増幅素子11と出力整合回路13との間に配置されている。
図3は、高調波短絡回路16の簡略化した等価回路を示している。図3の(a)は、基本波Fc近傍の等価回路を示している。図3の(b)は、基本波の2倍の周波数2Fc近傍の等価回路を示している。高調波短絡回路16の長さを基本波の1/8波長に選ぶことにより、基本波では第一の伝送線路17と第二の伝送線路20との結合が非常に小さくなる。このため、高調波短絡回路16は、ほぼ一端短絡の長さ1/8波長を有する第一の伝送線路17とみなすことができ、Fc近傍ではインダクタL0として表される。一方、2Fc近傍では高調波短絡回路16の長さが1/4波長となるため、第一の伝送線路17と第二の伝送線路20との結合が密になり、高調波短絡回路16は、第一の伝送線路17と第二の伝送線路20とからなる1個の先端短絡の結合線路とみなすことができ、短絡として表される。
このような結合線路の特性インピーダンスは、第一の伝送線路17と第二の伝送線路20との線路幅および第一の伝送線路17と第二の伝送線路20との間隔で決まり、これらの線路幅および間隔を選ぶことにより、所望の値が得られる。例えば、第一の伝送線路17と第二の伝送線路20とを、誘電体基板22として0.635mm厚のアルミナ基板上にマイクロストリップ線路で形成した場合、第一の伝送線路17と第二の伝送線路20との線路幅を1mm、間隔を0.01mmに選ぶことにより、高調波短絡回路16の特性インピーダンスを50Ωに設定できる。間隔を狭くすることにより、特性インピーダンスは低くなる。
図4は、図2の各点から増幅素子11側を見た出力インピーダンスの軌跡をスミスチャート上に示している。増幅素子11の出力側は、抵抗RdsとキャパシタCdsとで表されるため、増幅素子11側を見た基本波FlからFhにおけるインピーダンスZ1は容量性となる。基本波で高調波短絡回路16をインダクタとみなすことができるため、Z1がコンダクタンス一定の円に沿って反時計方向に回転し、高調波短絡回路16を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2が実軸方向に移動する。すなわち、Z1の実数部を高くすることができる。このときの2倍波である2Flから2FhにおけるZ2は、高調波短絡回路16で短絡されるため、ほぼ短絡点に集まる。出力整合回路13を介して増幅素子11側を見た出力インピーダンスZ3は、負荷インピーダンスとZ2とが整合するよう出力整合回路13の設計を行うことにより、スミスチャートのほぼ中心部に移動する。このような高調波短絡回路16を用いることで、増幅素子11の出力インピーダンスZ1の実数部をZ2の実数部まで高くすることにより、Z2の実数部と負荷インピーダンスとの比を小さくでき、広帯域化が図れる。
図5および図6は、高効率増幅器10の出力リターンロスの計算例を示している。ここでは、増幅素子11の抵抗Rdsの抵抗値を30Ω、キャパシタCdsの容量値を1pFとし、高調波短絡回路16の特性インピーダンスZ0を50Ωとしている。また、基本波の周波数Fcを4GHzとし、出力整合回路13を1個の伝送線路のみで構成することを前提に、伝送線路の特性インピーダンスZ0を27Ω、長さLを1/2.7波長に選んである。この結果、4GHzを中心に帯域370MHzにわたってリターンロス20dB以上の計算結果が得られている。
この場合、高調波短絡回路16を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2の実数部は20.9Ωである。
図7および図8は、参考までに比較例に係る増幅器の出力リターンロスの計算例を示している。この増幅器では、従来と同様に、2倍波を短絡するために、特性インピーダンスZ0が50Ω、長さLが1/8波長の先端開放線路を用い、基本波で先端開放線路の持つ容量性成分を打ち消すためのインダクタのインダクタンス値を2nHとしている。また、出力整合回路13を1個の伝送線路のみで構成することを前提に、特性インピーダンスZ0を25Ω、長さLを1/2.7波長に選んでいる。この結果、リターンロスを20dB以上得られる帯域幅は、300MHzである。
この場合、高調波短絡回路を介して増幅素子11側を見たインピーダンスの実数部は4GHzで19.1Ωである。
***実施の形態の効果の説明***
以上のように、先端短絡の1/8波長の結合線路からなる高調波短絡回路16を用いることで、高調波短絡回路16から増幅素子11側を見た出力インピーダンスの実数部を19.1Ωから20.9Ωまで高くすることができる。これにより、リターンロスを20dB以上得られる帯域幅が比較例の300MHzから370MHzと2割以上の広帯域化が図れる。
本実施の形態によれば、広帯域の増幅が可能な増幅器を提供することができる。具体的には、2倍波での短絡と基本波でのインピーダンス整合との機能を兼ね備えた高調波短絡回路16を用いた高効率増幅器10の広帯域化が可能となる。
本実施の形態では、高調波短絡回路16を第一の伝送線路17と第二の伝送線路20とからなる長さ1/8波長の先端短絡結合線路とみなすことができ、この高調波短絡回路16を2倍波で短絡、基本波で等価的なインダクタとみなすことができる。このインダクタを整合回路の一部として活用することで、高調波短絡回路16を含む増幅素子11のインピーダンスを高く、すなわち、広帯域化に必要な増幅素子11の出力インピーダンスと負荷インピーダンスとの比を小さくできる。高調波短絡回路16が増幅素子11と入力整合回路12との間に設けられる場合は、増幅素子11の入力インピーダンスと電源インピーダンスとの比を小さくできる。
本実施の形態では、従来の高調波短絡回路のように1/8波長の先端開放線路とインダクタとの並列共振回路の周波数特性を考慮する必要がないため、広帯域化を図ることができる。高調波短絡回路16は1個の先端短絡結合線路とみなすことができ、2倍波では短絡、基本波ではインダクタとなる。このインダクタを整合回路の一部として活用することができ、また、従来のように並列共振回路の影響を受けないため、出力整合回路13の設計が容易となり、高効率増幅器10の広帯域化が実現できる。
***他の構成***
本実施の形態の変形例について、主に本実施の形態との差異を、図9を用いて説明する。
図9を参照して、本実施の形態の変形例に係る高効率増幅器10の構成を説明する。
本実施の形態では、図1に示したように、高調波短絡回路16が有する第二の伝送線路20の増幅素子11側の一端をスルーホール21で接地しているが、この変形例では、1/8波長先端開放線路23を用いている。1/8波長先端開放線路23は2倍波で1/4波長となるため、第二の伝送線路20の増幅素子11側の一端を2倍波で高周波的に短絡させることができ、電気的には図1の構成とほぼ等価の構成を実現できる。
したがって、この変形例においても、高効率増幅器10の広帯域化が図れる。この変形例では、図1で示したスルーホール21の代わりに1/8波長先端開放線路23を用いることで誘電体基板22への穴あけ加工等の工程を減らせるため、高効率増幅器10を安価にできる利点もある。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図10から図15を用いて説明する。
***構成の説明***
図10を参照して、本実施の形態に係る増幅器である高効率増幅器10の構成を説明する。
高効率増幅器10は、実施の形態1と同様の構成要素のほか、高調波短絡回路16に並列に接続された誘導性素子24をさらに備えている。
誘導性素子24の一端は、増幅素子11に接続されている。誘導性素子24の他端は、接地されている。
本実施の形態において、誘導性素子24は、高調波短絡回路16を介して増幅素子11を見たインピーダンスの虚数部を基本波において打ち消すインダクタンスを持っている。
以下、本実施の形態に係る高効率増幅器10の構成について詳しく説明する。
誘導性素子24の一端は、増幅素子11の出力端子に接続されている。誘導性素子24の他端は、金ワイヤ25および高周波接地用キャパシタ26を介して高周波的に接地されている。誘導性素子24は、前述したようなインダクタンスを持っている素子であれば、任意の素子でよいが、本実施の形態では、基本波で1/4波長よりも短い伝送線路である。
***動作の説明***
図11から図15を参照して、本実施の形態に係る高効率増幅器10の動作を説明する。高効率増幅器10の動作は、本実施の形態に係る増幅方法に相当する。
図11は、高効率増幅器10の出力側の等価回路を示している。この回路は、一端短絡の結合線路からなる高調波短絡回路16に誘導性素子24を並列接続したものとして表される。
図12は、高調波短絡回路16および誘導性素子24の簡略化した等価回路を示している。図12の(a)は、基本波Fc近傍の等価回路を示している。図12の(b)は、基本波の2倍の周波数2Fc近傍の等価回路を示している。高調波短絡回路16および誘導性素子24は、Fc近傍では高調波短絡回路16に起因するインダクタL0と、誘導性素子24に起因するインダクタLとの並列回路で表され、トータルLtのインダクタンス値はインダクタL0のインダクタンス値よりも小さくなる。一方、高調波短絡回路16および誘導性素子24は、2Fc近傍では高調波短絡回路16で短絡されるため、誘導性素子24を並列接続した場合であっても短絡として表される。
図13は、図11の各点から増幅素子11側を見た出力インピーダンスの軌跡をスミスチャート上に示している。Ltのインダクタンス値はL0のインダクタンス値よりも小さくなるため、Z1がコンダクタンス一定の円に沿って反時計方向に回転し、高調波短絡回路16および誘導性素子24を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2’が実軸上まで移動する。すなわち、Z2’の実数部は図4に示した実施の形態1のZ2よりも高くなる。このときの2倍波である2Flから2FhにおけるZ2’は、高調波短絡回路16で短絡されるため、実施の形態1のZ2と同様にほぼ短絡点に集まる。このように、Z2’の実数部が高くなるため、Z2’と負荷インピーダンスとを整合させる出力整合回路13の実現が容易となり、出力端子15から増幅素子11側を見たZ3’をスミスチャートのほぼ中心部に広帯域にわたって集めることができる。このように、高調波短絡回路16に誘導性素子24を接続することで、増幅素子11の出力インピーダンスZ1の実数部をより高いZ2’の実数部まで高めることができ、Z2’の実数部と負荷インピーダンスとの比がより小さくなるため、より広帯域化が図れる。
図14および図15は、高効率増幅器10の出力リターンロスの計算例を示している。ここでは、増幅素子11の抵抗Rdsの抵抗値を30Ω、キャパシタCdsの容量値を1pFとし、高調波短絡回路16の特性インピーダンスZ0を50Ωとしている。また、基本波の周波数Fcを4GHzとし、出力整合回路13を1個の伝送線路のみで構成することを前提に、伝送線路の特性インピーダンスZ0を38.7Ω、長さLを1/4波長に選んである。また、高調波短絡回路16を含む増幅素子11側を見たインピーダンスZ2’の虚数部を基本波で打ち消すための誘導性素子24のインダクタンス値を1.8nHに選んでいる。この結果、4GHzを中心に帯域800MHzにわたってリターンロス20dB以上の計算結果が得られている。すなわち、誘導性素子24を高調波短絡回路16に付加することにより、実施の形態1に比べて、2倍以上の広帯域化が実現できている。
この場合、高調波短絡回路16および誘導性素子24を含む増幅素子11のインピーダンスZ2’の実数部は30Ωである。
なお、従来の増幅器では、1/8波長先端開放線路からなる高調波短絡回路の基本波における容量性成分のみを打ち消すインダクタが選ばれているのに対し、本実施の形態では、誘導性素子24が高調波短絡回路16を含む増幅素子11の容量性成分を打ち消すようなインダクタンス値を選んでいる。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、高調波短絡回路16を介して増幅素子11側を見たインピーダンスの虚数部を基本波で打ち消すような誘導性素子24を、高調波短絡回路16に並列に接続している。これにより、高調波短絡回路16を介して見た増幅素子11のインピーダンスを実施の形態1に比べてさらに高くでき、さらなる広帯域化が可能となる。
***他の構成***
本実施の形態の変形例について、主に本実施の形態との差異を、図16および図17を用いて説明する。
図16を参照して、本実施の形態の変形例に係る高効率増幅器10の構成を説明する。
高効率増幅器10は、誘導性素子24の代わりに、高調波短絡回路16に並列に接続された容量性素子27を備えている。
容量性素子27の一端は、増幅素子11に接続されている。容量性素子27の他端は、開放されている。
この変形例において、容量性素子27は、高調波短絡回路16を介して増幅素子11を見たインピーダンスの虚数部を基本波において打ち消すキャパシタンスを持っている。
以下、本実施の形態の変形例に係る高効率増幅器10の構成について詳しく説明する。
容量性素子27の一端は、増幅素子11の出力端子に接続されている。容量性素子27の他端は、開放されている。容量性素子27は、前述したようなキャパシタンスを持っている素子であれば、任意の素子でよいが、この変形例では、基本波で1/4波長よりも短い伝送線路である。
図17を参照して、本実施の形態の変形例に係る高効率増幅器10の動作を説明する。
図17は、高調波短絡回路16および容量性素子27の簡略化した等価回路を示している。図17の(a)は、基本波Fc近傍の等価回路を示している。図17の(b)は、基本波の2倍の周波数2Fc近傍の等価回路を示している。高調波短絡回路16および容量性素子27は、Fc近傍では高調波短絡回路16に起因するインダクタL0と、容量性素子27に起因するキャパシタCとの並列回路で表され、L0とCとの共振周波数が基本波よりも低くなるような容量性素子27の容量値を選ぶことにより、トータルのリアクタンスを容量性にできる。一方、高調波短絡回路16および容量性素子27は、2Fc近傍では高調波短絡回路16で短絡されるため、容量性素子27を並列接続した場合であっても短絡として表される。
この変形例は、高調波短絡回路16を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2が誘導性の場合に有効である。容量性素子27を並列接続することにより、スミスチャート上にて、高調波短絡回路16および容量性素子27を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2’が実軸上まで移動する。このときの2倍波である2Flから2FhにおけるZ2’は、高調波短絡回路16で短絡されるため、実施の形態1のZ2と同様にほぼ短絡点に集まる。
図10に示した構成は、図2の高調波短絡回路16を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2が容量性の場合に有効であるのに対し、図16に示した構成は、Z2が誘導性の場合に有効である。容量性素子27を付加し、Z2を実軸上まで移動させることにより、容量性素子27を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2’の実数部を高くでき、図11に示したものと同様に、より広帯域化が図れる。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図18および図19を用いて説明する。
***構成の説明***
図18を参照して、本実施の形態に係る増幅器である高効率増幅器10の構成を説明する。
高効率増幅器10は、実施の形態1と同様の構成要素のほか、高周波接地用キャパシタ19に並列に接続された、抵抗29と高周波接地用キャパシタ19の容量よりも大きい容量を持つ低周波接地用キャパシタ30との直列回路をさらに備えている。
以下、本実施の形態に係る高効率増幅器10の構成について詳しく説明する。
本実施の形態では、第一の伝送線路17の他端を高周波的に接地するための高周波接地用キャパシタ19に、金ワイヤ28および金ワイヤ31を介して抵抗29と低周波接地用キャパシタ30とを接続している。これらの金ワイヤ28および金ワイヤ31の長さは、基本波の周波数帯で無視できる長さに選ばれており、高周波接地用キャパシタ19に、抵抗29と低周波接地用キャパシタ30との直列回路を並列に接続した構成が実現されている。低周波接地用キャパシタ30の容量値は、基本波よりも十分低い低周波帯でもインピーダンスが十分低くなるように、高周波接地用キャパシタ19の容量値に比べて1桁以上大きな値に選ばれている。
***動作の説明***
図19を参照して、本実施の形態に係る高効率増幅器10の動作を説明する。高効率増幅器10の動作は、本実施の形態に係る増幅方法に相当する。
図19は、高調波短絡回路16および抵抗29等の簡略化した等価回路を示している。図19の(a)は、基本波Fc近傍の等価回路を示している。図19の(b)は、基本波の2倍の周波数2Fc近傍の等価回路を示している。図19の(c)は、低周波近傍の等価回路を示している。高調波短絡回路16および抵抗29等は、実施の形態1と同様に、Fc近傍ではインダクタL0として、2Fc近傍では短絡として表される。一方、低周波帯では第一の伝送線路17の長さが波長に比べて無視でき、また、高周波接地用キャパシタ19のインピーダンスが十分高く、かつ、低周波接地用キャパシタ30のインピーダンスが十分低い値に選ばれることから、高調波短絡回路16および抵抗29等は、抵抗Rのみとして表される。
このため、低周波発振、および、回路の不安定動作の原因となる増幅素子11から発生する低周波帯の不要波を抵抗29で吸収させることができ、高効率増幅器10の安定化を図ることができる。実施の形態1および実施の形態2では、安定化を図るためには、安定化回路を新たに追加する必要があるが、本実施の形態では、高調波短絡回路16に安定化の機能を持たせることで、小形で広帯域な高効率増幅器10を得ることができる。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、高調波短絡回路16が有する第一の伝送線路17の他端を高周波的に接地するための高周波接地用キャパシタ19に、抵抗29と高周波接地用キャパシタ19よりも1桁以上容量が大きい低周波接地用キャパシタ30との直列回路を並列に接続している。これにより、増幅素子11で発生する低周波帯の不要波を吸収することができ、高効率および広帯域性能を維持しつつ、高効率増幅器10の安定化を図ることができる。
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態2との差異を、図20から図24を用いて説明する。
***構成の説明***
図20を参照して、本実施の形態に係る増幅器である高効率増幅器10の構成を説明する。
高効率増幅器10は、実施の形態1の高調波短絡回路16とは構成の異なる高調波短絡回路32を備えている。
高調波短絡回路32は、それぞれ基本波の1/8波長と同じ長さを持つ第一の伝送線路33と第二の伝送線路34とを有している。第一の伝送線路33の一端は、増幅素子11に接続されている。第一の伝送線路33の他端は、開放されている。第二の伝送線路34は、第一の伝送線路33に対して隙間を空けて平行に配置されている。第二の伝送線路34の両端は、開放されている。
なお、本実施の形態では、高調波短絡回路32が増幅素子11と出力整合回路13との間に接続されているが、高調波短絡回路32は、増幅素子11と入力整合回路12との間に接続されていてもよい。あるいは、増幅素子11と出力整合回路13との間に接続された高調波短絡回路32とは別に、同様の構成の高調波短絡回路が、増幅素子11と入力整合回路12との間に接続されていてもよい。すなわち、高調波短絡回路32は、増幅素子11の出力端子に接続されてもよいし、増幅素子11の入力端子に接続されてもよいし、増幅素子11の両端子に接続されてもよい。
高調波短絡回路32は、高効率増幅器10だけでなく、逓倍器、検波器、その他のマイクロ波コンポーネントまたはミリ波コンポーネント、あるいは、その他の高周波半導体装置といった様々な半導体装置に適用できる。具体例として、高調波短絡回路32が検波器に適用される場合、増幅素子11がダイオードに置き換えられ、そのダイオードと出力整合回路13または入力整合回路12との間に高調波短絡回路32が接続される。
本実施の形態において、誘導性素子24は、実施の形態2と同様に、高調波短絡回路32を介して増幅素子11を見たインピーダンスの虚数部を基本波において打ち消すインダクタンスを持っている。
以下、本実施の形態に係る高効率増幅器10の構成について詳しく説明する。
高調波短絡回路32は、一端が増幅素子11の出力端子に接続され、他端が開放された第一の伝送線路33と、第一の伝送線路33と間隔をおいて平行に配置された第二の伝送線路34とを有している。第二の伝送線路34の両端は、開放されている。第一の伝送線路33および第二の伝送線路34の長さは、基本波で1/8波長に選ばれている。
なお、高調波短絡回路32が増幅素子11と入力整合回路12との間に設けられる場合は、第一の伝送線路33の一端が増幅素子11の入力端子に接続されることになる。
誘導性素子24の一端は、増幅素子11の出力端子に接続されている。誘導性素子24の他端は、金ワイヤ25および高周波接地用キャパシタ26を介して高周波的に接地されている。誘導性素子24は、前述したようなインダクタンスを持っている素子であれば、任意の素子でよいが、本実施の形態では、基本波で1/4波長よりも短い伝送線路である。
***動作の説明***
図21から図24を参照して、本実施の形態に係る高効率増幅器10の動作を説明する。高効率増幅器10の動作は、本実施の形態に係る増幅方法に相当する。
図21は、高効率増幅器10の出力側の等価回路を示している。この回路は、一端開放の結合線路からなる高調波短絡回路32に誘導性素子24を並列接続したものとして表される。
図22は、高調波短絡回路32および誘導性素子24の簡略化した等価回路を示している。図22の(a)は、基本波Fc近傍の等価回路を示している。図22の(b)は、基本波の2倍の周波数2Fc近傍の等価回路を示している。高調波短絡回路32の長さを基本波の1/8波長に選ぶことにより、基本波では第一の伝送線路33と第二の伝送線路34との結合が非常に小さくなる。このため、高調波短絡回路32は、ほぼ一端開放の長さ1/8波長を有する第一の伝送線路33とみなすことができ、Fc近傍ではキャパシタC0として表される。したがって、高調波短絡回路32および誘導性素子24は、Fc近傍では高調波短絡回路32に起因するキャパシタC0と、誘導性素子24に起因するインダクタLとの並列回路で表される。なお、このキャパシタC0の容量値は比較例で示した1/8波長の先端開放線路に起因するキャパシタの容量値よりも小さな値となる。一方、2Fc近傍では高調波短絡回路32の長さが1/4波長となるため、第一の伝送線路33と第二の伝送線路34との結合が密になり、高調波短絡回路32は、第一の伝送線路33と第二の伝送線路34とからなる1個の先端開放の結合線路とみなすことができ、短絡として表される。
このような結合線路の特性インピーダンスは、第一の伝送線路33と第二の伝送線路34との線路幅および第一の伝送線路33と第二の伝送線路34との間隔で決まり、これらの線路幅および間隔を選ぶことにより、所望の値に設定できる。例えば、第一の伝送線路33と第二の伝送線路34とを、誘電体基板22として0.635mm厚のアルミナ基板上にマイクロストリップ線路で形成した場合、第一の伝送線路33と第二の伝送線路34との線路幅を0.1mm、間隔を0.07mmに選ぶことにより、高調波短絡回路32の特性インピーダンスを50Ωに設定できる。間隔を広くすることにより、特性インピーダンスは低くなる。
本実施の形態は、高調波短絡回路32を含む増幅素子11側を見たインピーダンスZ2が容量性の場合に有効である。誘導性素子24のインダクタンス値は、基本波の中心周波数Fcで高調波短絡回路32に起因するキャパシタンス値を打ち消すような値に選ばれる。これにより、高調波短絡回路32および誘導性素子24を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2’が高調波短絡回路32の影響により、増幅素子11のインピーダンスZ1よりも低くなるのを防ぐことができる。すなわち、基本波の中心周波数FcにおけるZ2’の実数部とZ1の実数部とを等しくできる。しかし、高調波短絡回路32に起因するキャパシタC0の容量値は比較例で示した1/8波長の先端開放線路に起因するキャパシタの容量値よりも小さな値となる。したがって、これらのキャパシタを打ち消すための誘導性素子24のインダクタンス値は高調波短絡回路32を用いる方が大きくなる。このため、誘導性素子24と高調波短絡回路32とで形成される並列回路のインピーダンスとしては中心周波数Fc近傍の周波数FlからFhにおいても高いインピーダンスが得られる。このときの2倍波である2Flから2FhにおけるZ2’は、高調波短絡回路32で短絡されるため、実施の形態2のものと同様にほぼ短絡点に集まる。このように、本実施の形態では、高効率化を実現しつつ、増幅素子11のインピーダンスに与える影響を小さくできるため、図7に示した比較例のものより広帯域化が図れる。
図23および図24は、高効率増幅器10の出力リターンロスの計算例を示している。ここでは、増幅素子11の抵抗Rdsの抵抗値を30Ω、キャパシタCdsの容量値を1pFとし、高調波短絡回路32の特性インピーダンスZ0を50Ωとしている。また、基本波の周波数Fcを4GHzとし、出力整合回路13を1個の伝送線路のみで構成することを前提に、伝送線路の特性インピーダンスZ0を25Ω、長さLを1/2.7波長に選んである。また、高調波短絡回路32に起因するキャパシタC0を打ち消すための誘導性素子24のインダクタンス値を3nHに選んでいる。この結果、4GHzを中心に帯域330MHzにわたってリターンロス20dB以上の計算結果が得られ、図8に示した比較例の300MHzに比べて1割ほど広帯域化が図れている。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、第一の伝送線路33と第二の伝送線路34とからなる先端開放の結合線路を高調波短絡回路32として用いることで、高効率増幅器10の広帯域化が可能となる。
本実施の形態では、高調波短絡回路32を第一の伝送線路33と第二の伝送線路34とからなる長さ1/8波長の先端開放結合線路とみなすことができ、この高調波短絡回路32を2倍波で短絡、基本波で等価的なキャパシタとみなすことができる。この1/8波長の先端開放結合線路は、同一の特性インピーダンスを有する1/8波長の先端開放線路と比較した場合、2倍の周波数ではほぼ同等の特性を有しつつ、基本波で等価的な容量性成分を小さくすることができる。よって、従来の高調波短絡回路に並列接続されるインダクタよりも大きなインダクタンスを持つ誘導性素子24を採用することができる。この場合でも高調波短絡回路32と誘導性素子24とで並列共振回路が形成されるが、誘導性素子24のインダクタンスが大きく、容量性成分が小さい場合、並列共振回路の高インピーダンスが得られる帯域幅が広がる。このため、基本波における高調波短絡回路32の影響を広帯域にわたって低減でき、広帯域化が図れる。
また、誘導性素子24および高調波短絡回路32を含む増幅素子11側を見たインピーダンスZ2’の実数部がスミスチャートの実軸上となるような誘導性素子24のインダクタンス値を選ぶことにより、図13に示したようにZ2’の実数部が最も高くなり、図15と同程度のさらなる広帯域化が図れる。
さらに、本実施の形態では、実施の形態2における、第一の伝送線路17の他端を高周波的に接地するための金ワイヤ18および高周波接地用キャパシタ19と、第二の伝送線路20の一端を接地するためのスルーホール21とが不要になるため、高効率増幅器10を安価にできる。すなわち、高調波短絡回路32は、実施の形態2の高調波短絡回路16と比べて、第一の伝送線路33の他端および第二の伝送線路34の一端を接地する必要がなく、高効率増幅器10の低価格化が図れる。
***他の構成***
本実施の形態の変形例について、主に本実施の形態との差異を、図25を用いて説明する。
図25を参照して、本実施の形態の変形例に係る高効率増幅器10の構成を説明する。
高効率増幅器10は、誘導性素子24の代わりに、高調波短絡回路32に並列に接続された容量性素子27を備えている。
容量性素子27の一端は、増幅素子11に接続されている。容量性素子27の他端は、開放されている。
この変形例において、容量性素子27は、実施の形態2の変形例と同様に、高調波短絡回路32を介して増幅素子11を見たインピーダンスの虚数部を基本波において打ち消すキャパシタンスを持っている。
以下、本実施の形態の変形例に係る高効率増幅器10の構成について詳しく説明する。
容量性素子27の一端は、増幅素子11の出力端子に接続されている。容量性素子27の他端は、開放されている。容量性素子27は、前述したようなキャパシタンスを持っている素子であれば、任意の素子でよいが、この変形例では、基本波で1/4波長よりも短い伝送線路である。
本実施の形態は、高調波短絡回路32を含む増幅素子11側を見たインピーダンスZ2が誘導性の場合に有効である。図示していないが、パッケージに収納された増幅素子11の場合、パッケージに起因するインダクタLsが存在する。このため、増幅素子11は、抵抗RdsとキャパシタCdsとの並列回路に、直列にインダクタLsが接続された等価回路として表される。周波数が高くなるに従い、インダクタLsの影響が顕著になり、増幅素子11のインピーダンスZ1は誘導性となる。高調波短絡回路32に起因する容量性成分で、増幅素子11のインピーダンスZ1の誘導性成分をある程度打ち消すことができるものの、完全に打ち消すことができない場合がある。このような場合、高調波短絡回路32を含む増幅素子11側を見たインピーダンスZ2が誘導性となるが、容量性素子27を接続することで増幅素子11のインピーダンスZ1の誘導性成分を打ち消すことができる。容量性素子27の容量値は、スミスチャート上にて、高調波短絡回路32および容量性素子27を介して増幅素子11側を見たインピーダンスZ2’が実軸上まで移動するような値に選ばれる。これにより、Z2’の実数部がZ2の実数部よりも高くなる。このときの2倍波である2Flから2FhにおけるZ2’は、高調波短絡回路32で短絡されるため、実施の形態2の変形例のものと同様にほぼ短絡点に集まる。Z2’の実数部を高くすることにより、Z2’と負荷インピーダンスとを整合させる出力整合回路13の実現が容易となり、広帯域化が図れる。
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態4の変形例との差異を、図26を用いて説明する。
図26に示すように、容量性素子27を省略してもよい。前述したように、高調波短絡回路32に起因する容量性成分で、増幅素子11のインピーダンスZ1の誘導性成分をある程度打ち消すことができるため、本実施の形態では、Z1の実数部をZ2の実数部まで高くすることができる。
本実施の形態では、Z2の実数部がZ2’の実数部よりは低いものの、Z1の実数部よりも高くできる。このため、高効率増幅器10の帯域は、実施の形態4の変形例よりはやや狭くなるものの十分広帯域化できる。しかも、容量性素子27を用いないため、高効率増幅器10を小形化できる。
10 高効率増幅器、11 増幅素子、12 入力整合回路、13 出力整合回路、14 入力端子、15 出力端子、16 高調波短絡回路、17 第一の伝送線路、18 金ワイヤ、19 高周波接地用キャパシタ、20 第二の伝送線路、21 スルーホール、22 誘電体基板、23 1/8波長先端開放線路、24 誘導性素子、25 金ワイヤ、26 高周波接地用キャパシタ、27 容量性素子、28 金ワイヤ、29 抵抗、30 低周波接地用キャパシタ、31 金ワイヤ、32 高調波短絡回路、33 第一の伝送線路、34 第二の伝送線路。

Claims (13)

  1. 信号を入出力する半導体素子と、
    インピーダンス整合を行う整合回路と、
    それぞれ基本波の1/8波長と同じ長さを持つ第一の伝送線路と第二の伝送線路とを有し、前記半導体素子と前記整合回路との間に接続され、前記第一の伝送線路の一端が前記半導体素子に接続され、前記第一の伝送線路の他端が接地され、前記第二の伝送線路が前記第一の伝送線路に対して隙間を空けて平行に配置され、前記第二の伝送線路の前記半導体素子に近い方の一端が接地され、前記第二の伝送線路の他端が開放された高調波短絡回路と
    を備える半導体装置。
  2. 前記高調波短絡回路に並列に接続され、一端が前記半導体素子に接続され、他端が接地された誘導性素子をさらに備える請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記誘導性素子は、前記高調波短絡回路を介して前記半導体素子を見たインピーダンスの虚数部を前記基本波において打ち消すインダクタンスを持つ請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記高調波短絡回路に並列に接続され、一端が前記半導体素子に接続され、他端が開放された容量性素子をさらに備える請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記容量性素子は、前記高調波短絡回路を介して前記半導体素子を見たインピーダンスの虚数部を前記基本波において打ち消すキャパシタンスを持つ請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記第一の伝送線路の他端に接続された高周波接地用キャパシタと、
    前記高周波接地用キャパシタに並列に接続された、抵抗と前記高周波接地用キャパシタの容量よりも大きい容量を持つ低周波接地用キャパシタとの直列回路と
    をさらに備える請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 信号を入出力する半導体素子と、
    インピーダンス整合を行う整合回路と、
    それぞれ基本波の1/8波長と同じ長さを持つ第一の伝送線路と第二の伝送線路とを有し、前記半導体素子と前記整合回路との間に接続され、前記第一の伝送線路の一端が前記半導体素子に接続され、前記第一の伝送線路の他端が開放され、前記第二の伝送線路が前記第一の伝送線路に対して隙間を空けて平行に配置され、前記第二の伝送線路の両端が開放された高調波短絡回路と
    を備える半導体装置。
  8. 前記高調波短絡回路に並列に接続され、一端が前記半導体素子に接続され、他端が接地された誘導性素子をさらに備える請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記誘導性素子は、前記高調波短絡回路を介して前記半導体素子を見たインピーダンスの虚数部を前記基本波において打ち消すインダクタンスを持つ請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記高調波短絡回路に並列に接続され、一端が前記半導体素子に接続され、他端が開放された容量性素子をさらに備える請求項7に記載の半導体装置。
  11. 前記容量性素子は、前記高調波短絡回路を介して前記半導体素子を見たインピーダンスの虚数部を前記基本波において打ち消すキャパシタンスを持つ請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記半導体素子として増幅素子を備える増幅器である請求項1から11のいずれか1項に記載の半導体装置。
  13. 請求項12に記載の半導体装置と、
    前記半導体装置により増幅された信号を処理する信号処理装置と
    を備える電子機器。
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