JP2018039477A - 画像表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像表示システムにおいて、作業車両の周囲の視認性に優れ、作業車両と物体との距離感を把握し易い俯瞰画像を表示する。【解決手段】画像表示システム10は、クレーン車1に設けられたカメラ11でそれぞれ撮影された画像を表示する画像表示部15と、前方カメラ11a、後方カメラ11b、右カメラ11c及び左カメラ11dで撮影された画像に基づいて、クレーン車1を模式的に表したクレーン車画像Pzを重畳した俯瞰画像Pを生成し画像表示部15に表示する表示制御部12とを備える。表示制御部12は、クレーン車1がクレーン作業準備状態のときは、クレーン車1の走行体2からの距離を表す距離ガイド線G1,G2,G3を、クレーン車画像Pzの周囲に矩形状に表示した俯瞰PTO画像Pqを生成して画像表示部15に表示する。【選択図】図4
Description
本発明は、画像表示システムに関する。
作業車両は、大型で死角が生じやすいため、作業車両を中心とした周辺の俯瞰画像を形成して作業者に呈示する画像表示システムを搭載することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来の画像表示システムでは、作業車両の周辺を撮影する複数のカメラを設け、その各カメラで撮影した画像を上方の仮想視点から見下ろした画像に変換しつつ組み合わせて、作業車両の周辺の俯瞰画像を形成している。
このような俯瞰画像では、作業車両と周囲の物体等との距離感を把握しにくいため、俯瞰画像に、作業車両からの距離を表す距離ガイド線を表示する画像表示システムが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。特許文献2では、作業車両の近辺に位置する物体を確認する目的で、俯瞰画像に表示した作業車両画像の周囲に、それぞれ作業車両から3m、5m、7m離れた位置を表す矩形を点線で表示している。また、特許文献3では、クレーン車のアウトリガ装置の張り出しや、旋回台の旋回に支障となる物体を確認し易くする目的で、距離ガイド線として、アウトリガ装置の最大張り出し位置と中間張り出し位置を示す直線状のマーカや旋回台の旋回範囲を示す円形のマーカを俯瞰画像に表示している。
このように、作業車両では俯瞰画像に写し出された物体と、作業車両との距離感を容易に把握できる画像表示システムの開発が望まれている。特に、作業準備の際には、オペレータが運転台から降りて周囲を確認したり、オペレータとは別の作業員が確認したりすることなく、俯瞰画像によってアウトリガを張り出したり、旋回台を旋回させたりしても支障がないことを俯瞰画像によって容易に視認できることが作業効率の観点からも望ましい。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、作業車両の周囲の視認性に優れ、作業車両と物体との距離感を把握し易い俯瞰画像を表示することが可能な画像表示システムを提供することを目的とする。
本発明の画像表示システムは、可動体を有する作業車両に設けられた複数のカメラでそれぞれ撮影された画像を表示する画像表示部と、複数の前記カメラで撮影された前記画像に基づいて前記作業車両を模式的に表した作業車両画像を重畳して俯瞰画像を生成し前記画像表示部に表示する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記作業車両が作業準備状態であるときは、前記俯瞰画像に、前記作業車両からの距離を表す距離ガイド線を、前記作業車両画像の周囲に所定距離を介在して複数表示することを特徴とする。
本発明に係る画像表示システムによれば、作業車両の周囲の視認性に優れ、作業車両と物体との距離感を把握し易い俯瞰画像を表示することができる。
以下、本発明に係る画像表示システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
<クレーンの概略構成>
図1は、作業車両の一例としてのクレーン車1を左側方から見た側面図、図2は図1のクレーン車1を上方から見た平面図である。
<クレーンの概略構成>
図1は、作業車両の一例としてのクレーン車1を左側方から見た側面図、図2は図1のクレーン車1を上方から見た平面図である。
図示のクレーン車1は、走行体(キャリヤ)2と旋回体3とを備える。走行体2は、走行機能を有する車両の本体部分(車体)であり、複数の車輪と、車輪および旋回体3を駆動する駆動源とを有する。走行体2は、図2に示す平面視で、前後方向(図示における縦方向)が車幅方向(図示おいて横方向)よりも長い略長方形状を呈する。走行体2は、前側及び後側に各々左右一対のアウトリガ4(図1参照)を備えている。各アウトリガ4は、車幅方向に張り出して接地することで、ブーム7を用いた作業時(作業モード)に走行体2を安定して支持する。また、走行体2の前部左側方部には、後述するキャビン5の内部のオペレータOpが左後方の状況を視認するための、左後方ミラー2Aが設置されている。
旋回体3は、図1に示すように、走行体2の上方に配置されて、水平に旋回可能に設けられ、一体的に旋回可能なキャビン5とブームサポート6とを有している。キャビン5は、オペレータOpが各種の操作を行うための車室であり、車幅方向の右側に偏って配置されている。キャビン5の内部には、各種の操作に対応した操作部が設けられている。各種の操作としては、例えば、旋回体3の旋回、ブーム7の起伏及び伸縮、ブームサポート6に設けられたウインチドラムの巻上げ及び巻下げ、各アウトリガ4の張り出し及び格納、駆動源であるエンジンの始動及び停止等がある。
ブームサポート6は、伏した状態で前後方向に延びたブーム7が取り付けられた部材であり、ブーム7の基端部がブーム根本支点ピンを介してブームサポート6に取り付けられている。ブームは、ブーム根本支点ピンを中心にして回転自在に支持されている。ブームサポート6とブーム7との間に起伏用シリンダが設けられていて、起伏用シリンダを伸縮することにより、ブーム7はブーム根本支点ピンを中心に回転して伏した状態から立ち上がり、又立ち上がった状態から伏した状態に起伏動作する。
ブーム7は、例えば、内部で伸縮シリンダにより連結された基端ブーム部と中間ブーム部と先端ブーム部とを有している。各伸縮が縮んだ状態では、基端ブーム部の内側に中間ブーム部が配置され、中間ブーム部の内側に先端ブーム部が配置された入れ子式に組み合わされて、ブーム7は縮んだ状態となる。この状態では、図1に示すように、ブーム7の先端部7aが走行体2よりも前方に突出する。一方、各伸縮シリンダが伸びると、基端ブーム部の内側から中間ブーム部が突出し、中間ブーム部の内側から先端ブーム部が突出して、ブーム7は延びた状態となる。
<カメラの構成>
クレーン車1には、複数のカメラ11が設けられている。具体的には、図1,2に示すように、例えば前方カメラ(Fカメラ)11a,後方カメラ(Rカメラ)11b,右カメラ11c,左カメラ11dの4つのカメラ11が設けられている。
クレーン車1には、複数のカメラ11が設けられている。具体的には、図1,2に示すように、例えば前方カメラ(Fカメラ)11a,後方カメラ(Rカメラ)11b,右カメラ11c,左カメラ11dの4つのカメラ11が設けられている。
前方カメラ11aは、走行体2の前端部(ブーム7を除いた前端部)に設けられて、走行体2の前端部を含む前方の領域を、例えば図5(a)に示すように、地平線(或いは水平線)まで含む前方画像Paとして撮影する。
後方カメラ11bは、走行体2の後端部に設けられて、走行体2の後端部を含む後方の領域を、例えば図5(b)に示すように、地平線まで含む後方画像Pbとして撮影する。
右カメラ11cは、旋回体3の右端部(キャビン5の右側の外板部分)に設けられて、旋回体3の右端部を含む右側方の領域を、地平線まで含む右方画像Pcとして撮影する。左カメラ11dは、旋回体3の左端部(ブームサポート6の左側の外板部分)に設けられて、旋回体3の左端部を含む左側方の領域を、地平線まで含む左方画像Pdとして撮影する。
また、各カメラ11は、クレーン車1における走行体2の周辺(或いは地平線まで)の画像を全周に亘り切れ目なく取得すべく、例えば略180度の画角の広角カメラが用いられている。この走行体2の周辺の画像とは、上方から見て走行体2を取り囲む地面を含む画像であり、当該走行体2と隣接する位置から所定の距離(例えば、2〜5m程度の数m)までの領域の画像である。地平線まで含む画像とする場合は、走行体2と隣接する位置から地平線までの領域の画像が取得される。
なお、これらのカメラ11は、走行体2の周辺の画像を全周に亘り切れ目なく取得するものであれば、カメラ11の設置台数や設置位置は適宜設定すればよい。本実施形態で示した数、位置に限定されない。
<画像表示システムの構成>
図3は、画像表示システム10を示すブロック図である。クレーン車1には、上述した4つのカメラ11で撮影された画像をオペレータOpに提示する画像表示システム10が設けられている。画像表示システム10は、図3に示すように、画像を表示する画像表示部15と、画像表示部15に表示する画像を切り替える操作を受け付ける受付部16と、4つのカメラ11でそれぞれ撮影された画像が入力され、これらの画像を画像表示部15に表示するに際して画像に対して処理を施したり、受付部16が受け付けた操作に応じて画像表示部15に表示する画像を切り替えたりする表示制御部12とを備えている。
図3は、画像表示システム10を示すブロック図である。クレーン車1には、上述した4つのカメラ11で撮影された画像をオペレータOpに提示する画像表示システム10が設けられている。画像表示システム10は、図3に示すように、画像を表示する画像表示部15と、画像表示部15に表示する画像を切り替える操作を受け付ける受付部16と、4つのカメラ11でそれぞれ撮影された画像が入力され、これらの画像を画像表示部15に表示するに際して画像に対して処理を施したり、受付部16が受け付けた操作に応じて画像表示部15に表示する画像を切り替えたりする表示制御部12とを備えている。
受付部16は、画像表示部15の表示面に設けられたタッチパネルである。画像表示部15、受付部16及び表示制御部12は、いずれもキャビン5の内部に設けられていて、画像表示部15は、キャビン5の内部の前部で左隅に配置されている。なお、画像表示部15が配置されている位置は、オペレータOpが前方を見ながらクレーン車1を走行させている状態で、オペレータが視線を動かすことなく視界に入る位置である。
表示制御部12は、前方カメラ11aによって撮影された前方画像Pa、後方カメラ11bによって撮影された後方画像Pb、右カメラ11cによって撮影された右方画像Pc及び左カメラ11dによって撮影された左方画像Pdに基づいて、クレーン車1の全周囲を、疑似的に上方から俯瞰した単一の画像(以下、俯瞰画像という。)に合成処理する俯瞰コントローラ13を備えている。
俯瞰コントローラ13は、クレーン車1の設置場所の周囲の障害物の確認やアウトリガ4の張り出しといったクレーン作業準備、荷物の吊り上げ、移動、吊り下げといったクレーン作業中の俯瞰PTO画像Pq(図4参照)と、クレーン車1が前進走行しているときの俯瞰フロント画像Pm(図5(a)参照)と、クレーン車1が後退走行しているときの俯瞰リヤ画像Pn(図5(b)参照)と、をそれぞれの状況に応じて選択的に生成する。
クレーン車1は、クレーン車1が前進走行に対応した状態であるか又は後退走行に対応した状態であるかをシフトポジションによって検出するシフトスイッチ17と、クレーン作業準備状態又はクレーン作業のためにエンジン等の駆動源の動力をPTO(Power take-off:動力取り出し装置)で取り出している状態か否かを検出するPTOスイッチ18とを備えている。これらシフトスイッチ17及びPTOスイッチ18は表示制御部12に接続されている。
画像表示部15には、図4、図5に示すように、警告表示領域A1と、カメラ画像表示領域A2と、スイッチ領域A3とが設定されている。警告表示領域A1は、画像表示部15の上端部に設けられ、各種の警告マークなどが表示される。スイッチ領域A3は、画像表示部15の下端部に設けられ、タッチセンサ方式の複数個のダイレクト選択スイッチやカメラ画面選択スイッチ等のソフトスイッチが表示される。これらのソフトスイッチは、受付部16として機能する。画像表示領域A2は、警告表示領域A1とスイッチ領域A3との間に設けられ、クレーン車1の走行状態又は作業状態に応じた画像が表示される。
<画像表示システムの動作>
以下、画像表示システム10での画像表示処理(画像表示方法)について説明する。この画像表示処理は、表示制御部12の内蔵メモリや記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、表示制御部12が実行する。
以下、画像表示システム10での画像表示処理(画像表示方法)について説明する。この画像表示処理は、表示制御部12の内蔵メモリや記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、表示制御部12が実行する。
まず、オペレータOpは、クレーン車1を作業場所に移動させて停車し、タッチパネル(受付部16)等によってクレーン作業準備の画面を表示するように指示する。これにより、画像表示システム10側で、PTOスイッチ18によりクレーン作業準備状態である(PTOスイッチ18がオン)ことが検出される。
クレーン作業準備状態であることを検出すると、俯瞰コントローラ13は、図4に示すような俯瞰PTO画像Pqを生成する。俯瞰PTO画像Pqは、前方画像Paと後方画像Pbの表示領域が略同じ広さで、かつ右方画像Pcと左方画像Pdの表示領域が略同じ広さの俯瞰画像である。したがって、俯瞰TPO画像Pqは、クレーン作業準備中に、クレーン車1の全周囲を単一の画像で視認可能で、アウトリガ4の張り出し範囲や、ブーム7の動く範囲に、障害物等が存在するか否かを視認するのに適した画像である。また、俯瞰PTO画像Pqは、クレーン作業中においても表示することができ、この場合はクレーン作業中に、ブーム7の動く範囲を満遍なく視認するのに適した画像である。
なお、俯瞰PTO画像Pqは、前方画像Paを俯瞰画像化した前方俯瞰画像Pa1と、後方画像Pbを俯瞰画像化した後方俯瞰画像Pb1と、右方画像Pcを俯瞰画像化した右方俯瞰画像Pc1と、左方画像Pdを俯瞰画像化した左方俯瞰画像Pd1とが合成され、4つの俯瞰画像Pa1,Pb1,Pc1,Pd1の中心に、クレーン車1の平面視を模式的に表してクレーン車画像Pzを合成して得られた画像である。
本実施形態では、俯瞰PTO画像Pqにクレーン車画像Pzを重畳するときに、走行体2から前方へ突出するブーム7の先端部7aは、外形輪郭線のみで表し、先端部7aの画像を半透明化(非表示)している。これにより、前方俯瞰画像Pa1中の先端部7aの下方の画像が透過して表示され、オペレータOpが先端部7aで隠れた下方を視認することができる。
また、俯瞰コントローラ13は、クレーン車画像Pzの周囲に、3本の距離ガイド線G1,G2,G3を重畳して俯瞰フロント画像Pmを生成する。距離ガイド線G1,G2,G3は、オペレータOpが俯瞰PTO画像Pqに映し出される物体を視認する際の走行体2との距離感を把握するための目安となる線である。
距離ガイド線(第1の距離ガイド線)G1は、走行体2からの距離を示す最も基準となる線(基準線)であって、3本のうち最も走行体2に近い線である。距離ガイド線G1の走行体2からの距離は、特に限定されることはない。例えば、可動体の最小可動範囲やその近辺、100mm(10cm)、500mm(0.5m)、1000mm(1.0m)等、スケールとして一般的に使用される距離とすることができる。また、本実施形態では、距離ガイド線G1の距離を500mmとし、赤点線の矩形で表している。この距離は、アウトリガ4を張り出さずにその場で接地したときの走行体2からの距離(最少張り出し範囲)とほぼ同じ距離である。
距離ガイド線(第2の距離ガイド線)G3の走行体2からの距離は、距離感を把握可能であれば、特に限定されることはない。例えば、アウトリガ4やブーム7等の可動体の少なくとも最大可動範囲以上とすることが望ましい。例えば、最大可能範囲又はその近辺としたり、500mmや1000mmの整数倍の距離等としたりすることができる。本実施形態では、距離ガイド線G3を、距離ガイド線G3の走行体2からの距離を、3000mm(3.0m)とし、緑点線の矩形で表している。この距離は、アウトリガ4の最大張り出し距離であって、かつ500mm(第1の距離ガイド線G1)の整数倍である。
なお、ブーム7の最大可動範囲は、3000mmよりも広くなることがあるため、ブーム7の最大可動範囲等も距離ガイド線として表示することもできる。しかし、3000mmの距離ガイド線G3があれば、これを目安にブーム7の最大可能範囲を推測できるため、必ずしもブーム7の最大可動範囲を示す距離ガイド線を表示する必要はない。距離ガイド線が多くなるのを抑制して、俯瞰PTO画像Pqの視認性を向上させることができる。
また、距離ガイド線(第3の距離ガイド線)G2は、距離ガイド線G1とG3との間で、適宜の距離を示す線とすることができる。例えば、距離ガイド線G1とG3との中間の距離、距離ガイド線G1の倍の距離、距離ガイド線G3の半分の距離、500mmや1000mmの整数倍の距離とすることができる。本実施形態では、距離ガイド線G2の走行体2からの距離を、距離ガイド線G1(500mm)の整数倍で、かつ距離ガイド線G3の半分の距離である1500mm(1.5m)とし、黄点線の矩形で表している。
なお、走行体2からの距離が把握できれば、距離ガイド線G1、G2、G3が矩形に限定されることはなく、円形、楕円形等であってもよいし、途切れた直線であってもよいし、+や点等のマークで表してもよい。また、線種も点線や破線に限定されることもない。また、線の色も上述したような色に限定されることもなく、他の異なる色としてもよいし半透明色としてもよい。
また、俯瞰コントローラ13は、クレーン車1が走行状態であることを検知すると、俯瞰フロント画像Pm又は俯瞰リヤ画像Pnを生成する。
より具体的には、PTOスイッチ18によりクレーン作業中であることを検出せず(PTOスイッチがオフ)、かつシフトスイッチ17によりクレーン車1が前進走行に対応した状態である(前進走行用のシフトポジション又は中立(ニュートラル)のシフトポジション)ことを検出したときは俯瞰フロント画像Pmを生成する。
また、俯瞰コントローラ13は、PTOスイッチ18によりクレーン作業中であることを検出せず、かつシフトスイッチ17によりクレーン車1が後退走行に対応した状態(後退走行用のシフトポジション)であることを検出したときは俯瞰リヤ画像Pnを生成する。
表示制御部12は、前進走行状態のときは、図5(a)に示すように、生成された俯瞰フロント画像Pmと前方カメラ11aで撮影された前方画像Paを横方向に並べて画像表示部15に表示する。また、後退走行状態のときは、図5(b)に示すように、生成された俯瞰リヤ画像Pnと後方カメラ11bで撮影された後方画像Pbを横方向に並べて画像表示部15に表示する。
俯瞰フロント画像Pmは、図5(a)に示すように、前方画像Pa及び左方画像Pdをそれぞれ地平線まで含み、後方画像Pbや右方画像Pcも広く設定された俯瞰画像である。したがって、俯瞰フロント画像Pmは、クレーン車1の前進走行中に、クレーン車1の全周囲を単一の画像で視認可能であり、かつ、クレーン車1の前方及びキャビン5からの死角が大きい左方の各領域を広く視認するのに適した画像である。
なお、俯瞰フロント画像Pmは、俯瞰コントローラ13によって、前方画像Paを俯瞰画像化した前方俯瞰画像Pa2と、後方画像Pbを俯瞰画像化した後方俯瞰画像Pb2と、右方画像Pcを俯瞰画像化した右方俯瞰画像Pc2と、左方画像Pdを俯瞰画像化した左方俯瞰画像Pd2と、4つの俯瞰画像Pa2,Pb2,Pc2,Pd2の中心に、平面視したクレーン車1を模式的に表したクレーン車画像(作業車両画像)Pzとを1つに合成した画像である。
俯瞰リヤ画像Pnは、図5(b)に示すように、後方画像Pbを地平線まで含み、前方画像Paの表示領域よりも広く、右方画像Pcと左方画像Pdの表示領域が略同じ広さの俯瞰画像である。したがって、俯瞰リヤ画像Pnは、クレーン車1の後退走行中に、クレーン車1の全周囲を単一の画像で視認可能で、クレーン車1の後方の領域を広く視認するのに適した画像である。
なお、俯瞰リヤ画像Pnは、俯瞰コントローラ13によって、前方画像Paを俯瞰画像化した前方俯瞰画像Pa3と、後方画像Pbを俯瞰画像化した後方俯瞰画像Pb3と、右方画像Pcを俯瞰画像化した右方俯瞰画像Pc3と、左方画像Pdを俯瞰画像化した左方俯瞰画像Pd3と、4つの俯瞰画像Pa3,Pb3,Pc3,Pd3の中心に、平面視のクレーン車1を模式的に表したクレーン車画像Pzとを1つに合成した画像である。
俯瞰フロント画像Pm及び俯瞰リヤ画像Pnでも、クレーン車画像Pzの先端部7aを非表示(半透明化)として、先端部7aで隠れた下方の視認を可能としている。また、俯瞰フロント画像Pm及び俯瞰リヤ画像Pnには、距離ガイド線G1を重畳している。これらにも、距離ガイド線G2,G3を重畳することもできるが、走行中に距離ガイド線が多く表示されていると、物体の視認に影響することがある。そのため、走行体2に最も近く、かつ基準線である距離ガイド線G1のみを表示すれば、俯瞰フロント画像Pm及び俯瞰リヤ画像Pnの視認性を低下させることなく、物体と走行体2との距離感を容易に把握することができる。
以上、本実施形態の画像表示システム10によれば、クレーン作業準備状態のときに、画像表示部15に、距離ガイド線G1,G2,G3を重畳した俯瞰PTO画像Pqが表示される。したがって、オペレータOpは、キャビン5から降りてクレーン車1の周囲を確認しなくて俯瞰PTO画像Pqによってクレーン車1の周囲を視認することができ、クレーン作業準備やクレーン作業に支障となる物体等を視認することができる。さらに、距離ガイド線G1,G2,G3によって、物体と走行体2との距離感を把握し易くなり、クレーン準備作業やクレーン作業に支障があるか否かの判断をより迅速に行うことができる。
また、本実施形態では、3本の距離ガイド線G1,G2,G3を赤、黄、緑と色分けして表示している。したがって、俯瞰PTO画像Pq中の物体の走行体2からの距離を、より明確かつより迅速に把握することができる。また、本実施形態では、距離ガイド線G1と距離ガイド線G3を、それぞれアウトリガ4の最小張り出し範囲の近辺、最大張り出し範囲に設定している。そのため、俯瞰PTO画像Pqによって、アウトリガ4の張り出し前に、アウトリガ4の張り出し範囲に存在する物体を視認できるとともに、その物体の走行体2との位置関係を把握することができる。また、張り出しに支障があると判断したときには、アウトリガ4を実際には張り出していないため、クレーン車1の位置を直ちに変更することができ、クレーン準備作業の効率を向上させることができる。
また、実際にアウトリガ4を張り出すときには、俯瞰PTO画像Pq中の距離ガイド線G1,G2,G3によって、アウトリガ4の張り出し量を確認しながらの作業が可能となる。このとき、3つの距離ガイド線G1,G2,G3によって、アウトリガ4を、最小張り出し位置、中間の張り出し位置、最大張り出し位置の何れにも容易に接地することができ、張り出し作業の効率を向上させることができる。
また、距離ガイド線G1,G2,G3によって、ブーム7の旋回範囲も把握できるため、オペレータOpがキャビン5から降りて確認したり、実際にブーム7を旋回したりしなくても、ブーム7の旋回範囲内を視認することができる。また、この場合も、ブーム7の旋回に支障があると判断した場合は、ブーム7を実際には旋回させていないため、クレーン車1の位置を直ちに変更することができ、クレーン準備作業の効率を向上させることができる。
また、クレーン作業中も、距離ガイド線G1,G2,G3を重畳した俯瞰PTO画像Pqを画像表示部15に表示することで、ブーム7の旋回範囲等を、走行体2との距離感を把握しながら視認しつつ、クレーン作業を行うことができる。そのため、クレーン作業も効率的に行うことができる。
また、走行状態においても、俯瞰フロント画像Pm及び俯瞰リヤ画像Pnに距離ガイド線G1を表示している。そのため、視認性を低下させることなく、走行体2と物体等との距離感を把握しながら、クレーン車1の全周囲を単一の画像で視認することができる。
以上、本発明の画像表示システムを実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については上記実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
1 クレーン車(作業車両)
2 走行体
7 ブーム
10 画像表示システム
11 カメラ
12 表示制御部
15 画像表示部
P 俯瞰画像
Pz クレーン車画像(作業車両画像)
G1 距離ガイド線(第1の距離ガイド線)
G2 距離ガイド線(第3の距離ガイド線)
G3 距離ガイド線(第2の距離ガイド線)
2 走行体
7 ブーム
10 画像表示システム
11 カメラ
12 表示制御部
15 画像表示部
P 俯瞰画像
Pz クレーン車画像(作業車両画像)
G1 距離ガイド線(第1の距離ガイド線)
G2 距離ガイド線(第3の距離ガイド線)
G3 距離ガイド線(第2の距離ガイド線)
Claims (3)
- 可動体を有する作業車両に設けられた複数のカメラでそれぞれ撮影された画像を表示する画像表示部と、
複数の前記カメラで撮影された前記画像に基づいて前記作業車両を模式的に表した作業車両画像を重畳して俯瞰画像を生成し前記画像表示部に表示する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記作業車両が作業準備状態であるときは、前記俯瞰画像に、前記作業車両からの距離を表す距離ガイド線を、前記作業車両画像の周囲に所定距離を介在して複数表示することを特徴とする画像表示システム。 - 前記表示制御部は、前記距離ガイド線として、前記可動体の最小可動範囲を示す第1の距離ガイド線と、少なくとも最大可動範囲以上の距離を示す第2の距離ガイド線を表示するとともに、前記第1の距離ガイド線と前記第2の距離ガイド線との間に、第3のガイド線を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
- 前記可動体は、車幅方向に張り出して接地するアウトリガ又は伸縮動作を行うブームであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示システム。
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