JP2018039293A - 駐車支援方法及び駐車支援装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記目標位置設定ステップでは、所定の入力情報に基づいて、目標駐車位置を設定する。
前記駐車精度推定ステップでは、自車両を目標駐車位置へ誘導するときの精度である駐車精度を推定する。
前記直線経路設定ステップでは、自車両の駐車開始位置から目標駐車位置までの駐車経路のうち、目標駐車位置に自車両が入庫するときの直線経路の距離を前記駐車精度に応じて設定する。
前記誘導経路生成ステップでは、駐車経路のうち、駐車開始位置から直線経路の開始位置までの誘導経路を生成する。
まず、実施例1の駐車支援装置の構成を、「車両構成」、「駐車支援ECUのシステム構成」、「駐車経路生成処理手順」、「駐車支援処理手順」に分けて説明する。
図1は、実施例1の駐車支援装置を搭載した車両の構成を示すシステム構成図である。以下、図1に基づき、実施例1の駐車支援装置が搭載された車両の構成を説明する。
また、駐車制御開始スイッチ20は、ON操作されることで運転支援ECU100にON信号を入力し、後述する駐車支援処理を実行させるスイッチである。なお、この実施例1での駐車支援処理では、運転者の運転席への着座の有無に拘らず、自車両Sを駐車支援ECU100からの制御信号にて操作し、完全自動運転を行う。
図2は、実施例1の駐車支援ECUのシステム構成を示すブロック図である。以下、図2に基づき、実施例1の駐車支援装置が備える駐車支援ECUのシステム構成を説明する。
さらに、直線経路Xの距離L1が決まったら、決められた直線経路Xの距離L1に基づいて、直線経路Xが生成されると共に、直線経路Xの開始位置O2が設定される。
・目標駐車位置Oに対する自車両Sの実駐車位置の許容誤差が少ないほど高くなる駐車位置精度。この駐車位置精度が高いほど、直線経路Xの距離L1は長く設定される。
・目標駐車枠Mの認識条件が悪いほど低くなる目標認識精度。この目標認識精度が低いほど、直線経路Xの距離L1は長く設定される。
・リモートコントローラによって自車両Sの運転操作を行うリモート操作のときに低くなる駐車時運転精度。この駐車時運転精度が低いほど、直線経路Xの距離L1は長く設定される。
・自車両Sの推定存在位置と、自車両Sの実存在位置とのずれが大きくなる条件が揃うほど低くなる車両位置推定精度。この車両位置推定精度が低いほど、直線経路Xの距離L1は長く設定される。
次に、駐車位置精度の具体例を詳細に説明する。すなわち、駐車位置精度の具体例は、以下の通りである。
・非接触充電器に隣接して駐車するとき(目標駐車枠Mが非接触充電器の充電エリアであるとき)の駐車位置精度。
非接触充電器に隣接して駐車するときには、充電可能な範囲内に入庫するように精度よく駐車する必要がある。そのため、目標駐車位置Oに対する自車両Sの実駐車位置の誤差を許容できる範囲が少なくなり、駐車位置精度は高くなる。つまり、非接触充電器に隣接して駐車するときには、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
目標駐車枠Mに隣接して他の車両や物体が存在するときには、隣接する他の車両等に接触しないように精度よく駐車する必要がある。そのため、目標駐車位置Oに対する自車両Sの実駐車位置の誤差を許容できる範囲が少なくなり、駐車位置精度は高くなる。つまり、目標駐車枠Mに隣接する他の車両や物体が存在するときには、直線経路Xの距離L1を長く設定する。なお、目標駐車枠Mに隣接する他の車両の種類等に応じて駐車位置精度を可変とし、設定する直線経路Xの距離L1の長さを変えてもよい。
目標駐車枠Mに駐車したときの自車両Sから隣接する他の車両や物体に対する距離が短いときには、隣接する他の車両等に接触しやすくなる。そのため、より一層精度よく駐車する必要があり、目標駐車位置Oに対する自車両Sの実駐車位置の誤差を許容できる範囲が少なくなり、駐車位置精度は高くなる。つまり、目標駐車枠Mから隣接する他の車両や物体までの距離が短くなるほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
この図4に示すフローチャートでは、ステップS1にて、非接触充電器に隣接して駐車するか否かを判断する。YES(非接触充電器に隣接駐車)の場合にはステップS2へ進む。NO(非接触充電器に隣接しない)の場合にはステップS4へ進む。
ここで、非接触充電器に隣接して駐車するとの判断は、目標駐車枠Mが非接触充電エリアであることで行う。
なお、この隣接車の有無は、カメラ25〜28からの画像信号に基づいて判断する。
ここで、「目標駐車枠Mに隣接する他の車両(物体も含む)と干渉しないために必要な最終直線長(=Llow)」は、後ろ向き入庫の場合には、下記式(1)により算出可能である。
ここで、図6Aに示すように、
R=旋回半径(内輪基準)
w=隣接車までの距離
i=隣接車の長さ である。
また、前向き入庫の場合には、下記式(2)又は式(3)により算出した長さのうち、より長い方を選択することで算出可能である。
ここで、図6Bに示すように、
R=旋回半径(内輪基準)
w=隣接車までの距離
i=隣接車の長さ
RFO=前輪旋回半径
RRO=後輪旋回半径
RFO 2=I外側+(RRO+w)2
RRO=R+wT
wT=自車両Sの車体幅 である。
次に、目標認識精度の具体例を詳細に説明する。すなわち、目標認識精度を変化させる目標駐車枠Mの認識条件の具体例は、以下の通りである。
・駐車枠認識区間の車速
走行中の駐車枠の検知(認識)に必要となる距離は、下記式(4)及び図7Bに示すように、枠認識区間での走行車速に応じて減少する。
ここで、Lsens=静止時の枠検知範囲[m](図7A参照)
ΔTsens=駐車枠の検知に必要な処理時間
V=枠認識区間での走行車速 である。
そのため、目標駐車枠Mを検知する際の車速が高いほど、目標認識枠Mを検知しにくくなり、目標認識精度は低下する。そして、枠認識区間の車速に応じ、下記式(5)を用いて直線経路Xの距離L1を延長補正する(図7C参照)。すなわち、目標駐車枠Mを検知する際の車速が高いほど目標認識精度が低下するため、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、「基準直線距離」は、補正前の直線経路Xの距離、すなわち、目標駐車枠Mを認識する際に自車両Sが静止しているときに必要となる直線経路Xの距離L1である。
走行中の駐車枠の検知時に生じる枠認識角度誤差は、下記式(6)に示すように、枠認識区間でのヨーレートに応じて増加する。
ここで、ΔTsens=駐車枠の検知に必要な処理時間
ω=枠認識区間でのヨーレート
そのため、目標駐車枠Mを検知する際のヨーレートが高いほど、目標認識枠Mを検知しにくくなり、目標認識精度は低下する。そして、枠認識区間のヨーレートに応じ、下記式(7)を用いて直線経路Xの距離L1を延長補正する(図8参照)。すなわち、目標駐車枠Mを検知する際のヨーレートが高いほど目標認識精度が低下するため、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
ここで、RFB=ヨー角フィードバック制御の旋回半径補正量である。
なお、「基準直線距離」は、補正前の直線経路Xの距離、すなわち、目標駐車枠Mを認識する際のヨーレートを考慮しないで設定した直線経路Xの距離である。
目標駐車枠Mを認識する際に周囲が暗いときには、カメラ25〜28による撮影精度が悪くなるため、目標認識枠Mを認識しにくくなり、目標認識精度は低下する。そのため、図9Aに示すマップを予め設定し、枠認識区間の明るさに応じて目標認識精度を設定する。そして、図9Bに示すマップを用いて目標認識精度が低いほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、明るさに応じて設定される目標認識精度は、図9Aに示すマップにより設定してもよいし、連続的な関数に基づいて設定してもよい。また、枠認識区間の明るさは、図示しない日射センサによって検出してもよいし、天気や時刻、日照条件等から求めてもよい。さらに、図9Bに示すマップは一例であり、実験結果を用いてフィッティングしてもよいし、任意の関数に基づいて設定してもよい。また、図9Bに示すマップでは、枠認識誤差と最終直線長L1との関係示しているが、この「枠認識誤差」は、目標認識精度と反比例関係を有し、目標認識精度が高いほど小さくなり、目標認識精度が低いほど大きくなる値である。
目標駐車枠Mを認識する際、駐車枠の形状によって駐車枠の認識のしやすさが変化する。すなわち、図10に示すように、予め駐車枠の形状に応じた目標認識精度を設定する。そして、図9Bに示すマップを用いて目標認識精度が低いほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、駐車枠の元来の形状だけでなく、駐車枠の汚れ、劣化、摩耗等に伴う形状変化に応じて目標認識精度を可変としてもよい。
目標駐車枠Mを認識する際、駐車枠の色によって駐車枠の認識のしやすさが変化する。すなわち、図11に示すように、予め駐車枠の色に応じた目標認識精度を設定する。そして、図9Bに示すマップを用いて目標認識精度が低いほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、駐車枠の元来の色だけでなく、駐車枠の汚れ、劣化、摩耗等に伴う駐車枠の色変化に応じて目標認識精度を可変としてもよい。
目標駐車枠Mを認識する際、駐車枠が設定された路面の色によって駐車枠の認識のしやすさが変化する。すなわち、図12に示すように、予め駐車枠が設定された路面の色に応じた目標認識精度を設定する。そして、図9Bに示すマップを用いて目標認識精度が低いほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、駐車枠の元来の色だけでなく、路面の汚れ、劣化、摩耗等に伴う路面の色変化に応じて目標認識精度を可変としてもよい。
目標駐車枠Mを認識する際、図13Aに示すように、自車両Sの影が駐車枠に干渉する位置関係の日射条件のときには、駐車枠を認識しにくい。そのため、自車両Sの影が駐車枠に干渉する日射条件では、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
また、目標駐車枠Mを認識する際、図13Bに示すように、目標駐車枠Mに隣接する他の車両(物体を含む)の影が駐車枠に干渉する位置関係の日射条件のときには、駐車枠を認識しにくい。そのため、隣接車の影が駐車枠に干渉する日射条件では、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
ここで、自車両S又は隣接車の影が駐車枠に干渉するか否かは、自車両Sの位置或いは隣接車の位置と、駐車枠の位置と、太陽の位置に基づいて判定したり、カメラ25〜28によって撮影された画像から、画像上の影領域と駐車枠を検出して判定したりしてもよい。
さらに、車速、ヨーレート、明るさに基づいて設定した最終直線長L1に対し、駐車枠の形状や色、路面の色、日射条件に基づいて設定した各最終直線長L1も加味し、すべての最終直線長L1から最も長いものを、「最終直線長L1」として出力してもよい。
次に、駐車時運転精度について詳細に説明する。
自車両Sを駐車する際、運転席にドライバーが着座した有人運転による操作では、例えば、目標駐車枠Mの認識精度が非常に低い場合のときに、自動運転による駐車操作中であってもドライバーによる運転介入によって適切に駐車させることが可能となっている。
これに対し、自車両Sを駐車するときに運転席にドライバーが着座せず、無人状態で車外からのリモートコントローラでの操作では、ドライバーの運転介入を行う場合に、リモートコントローラの操作者は、運転席に着座していないため、運転席からの視界を得ることができない。そのため、リモートコントローラによって自車両Sの運転操作を行う無人のリモート操作時には、車両操作が比較的難しく、駐車時運転精度が有人運転時よりも低くなる。そのため、直線経路Xの距離L1を、有人運転の場合よりも長く設定する。
つまり、図15Bに示すように、最大曲率及び最大曲率変化率をそれぞれ大きくするほど、直線経路Xの距離L1は長くなる。
次に、位置推定精度の具体例を詳細に説明する。すなわち、位置推定精度を低下させる自車両Sの推定存在位置と実存在位置とのずれが大きくなる条件の具体例は、以下の通りである。
・自車両Sのヨー角検出値のずれ量
自車両Sの現在位置を推定する際に生じるヨー角の検出誤差が大きいほど、自車両Sの推定位置が実位置に対してずれる。そのため、自車両Sのヨー角検出値のずれ量が大きいほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、ヨー角の検出誤差に応じて、下記式(8)を用いて直線経路Xの距離L1を延長補正する(図16A参照)。
ここで、RFB=ヨー角フィードバック制御の旋回半径補正量である。
なお、「基準直線距離」は、補正前の直線経路Xの距離、すなわち、自車両Sの現在位置を推定する際に生じるヨー角の検出誤差を考慮しないで設定した直線経路Xの距離である。また、誤差のない自車両Sのヨー角は、例えばGPS情報に基づいて検出した自車両Sの位置等から求める。
自車両Sの現在位置を推定する際に生じる横位置推定値の誤差が大きいほど、自車両Sの推定位置が実位置に対してずれる。そのため、自車両Sの横位置推定値のずれ量が大きいほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、自車両Sの横位置推定値の誤差に応じて、下記式(9)を用いて直線経路Xの距離L1を延長補正する(図16B参照)。
ここで、RFB=ヨー角フィードバック制御の旋回半径補正量
d=誤差のない自車両Sの位置に対する車両横位置推定値のずれ量(絶対値)
なお、「基準直線距離」は、補正前の直線経路Xの距離、すなわち、自車両Sの横位置推定値の誤差を考慮しないで設定した直線経路Xの距離である。また、誤差のない自車両Sの位置は、例えばGPS情報に基づいて検出した自車両Sの位置等から求める。
駐車開始位置O1から目標駐車位置Oまでに自車両Sが走行する経路長を、駐車開始位置O1を基準として、自車両Sの移動量の積分(積算)によって求めた場合では、図17Aに示すように、駐車開始位置O1からの自車両Sの走行距離が長くなるほど誤差が蓄積し、破線で示す自車両Sの推定存在位置と、実線で示す実存在位置とのずれが大きくなる。そのため、図17Bに示すマップを予め設定し、駐車開始位置O1から目標駐車位置Oまでの距離に応じて車両位置推定誤差を設定する。そして、図18に示すマップを用いて車両位置推定誤差が大きいほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、駐車開始位置O1から目標駐車位置Oまでの距離に応じて設定される車両位置推定誤差は、図17Bに示すマップにより設定してもよいし、連続的な関数に基づいて設定してもよい。さらに、図17Bに示すマップは一例であり、実験結果を用いてフィッティングしてもよいし、任意の関数に基づいて設定してもよい。また、図18に示すマップでは、車両位置推定誤差に基づく最終直線長を示しているが、この「車両位置推定誤差」は、車両位置推定精度と反比例関係を有し、車両位置推定精度が高いほど小さくなり、車両位置推定精度が低いほど大きくなる値である。
駐車開始位置O1から目標駐車位置Mまでに自車両Sが走行する際に切り返し(前後進の切り替え動作)が生じると、切り替え支持の発進・停止により車輪11〜14がスリップする。そのため、切り返し回数が多くなるほどスリップに伴う誤差が蓄積し、自車両Sの推定存在位置と実存在位置とのずれが大きくなる。そのため、図19Aに示すマップを予め設定し、駐車開始位置O1から目標駐車枠Mまでに生じる可能性のある切り替えし回数に応じて車両位置推定誤差を設定する。そして、図18に示すマップを用いて車両位置推定誤差が大きいほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、駐車開始位置O1から目標駐車枠Mまでに生じる可能性のある切り替えし回数は、目標駐車枠Mの周囲の環境条件(通路幅寸法、目標駐車枠Mの幅寸法等)や、自車両Sの駐車開始位置O1の周囲の環境条件等に基づいて設定する。
駐車開始位置O1から目標駐車位置Mまでに自車両Sが走行する際、その間の路面μが低いほど車輪11〜14がスリップする。そのため、路面μが低いほどスリップに伴う誤差が蓄積し、自車両Sの推定存在位置と実存在位置とのずれが大きくなる。そのため、図19Bに示すマップを予め設定し、駐車開始位置O1から目標駐車枠Mの間の路面μに応じて車両位置推定誤差を設定する。そして、図18に示すマップを用いて車両位置推定誤差が大きいほど、直線経路Xの距離L1を長く設定する。
なお、駐車開始位置O1から目標駐車枠Mの間の路面μは、カメラ25〜28により撮影された画像から判断される路面種類(舗装路、未舗装路等)や、天候(晴れ、雨等)に基づいて設定する。
さらに、誘導経路Yを曲率ではなく、空間上のXY座標の関数として、下記式(11),(12)のように与えることで誘導経路Yを生成してもよい。
ここで、Kstr-ρ=係数
ρtraj=駐車経路Zの曲率 である。
ここで、KFB_ydiff=横偏差フィードバックゲイン
ydiff=駐車経路Zとの横偏差 である。
ここで、KFB_yawdiff=ヨー角偏差フィードバックゲイン
yawdiff=駐車経路Zのヨー角に対するヨー角偏差 である。
また、目標操舵角の補正量は、図21Bに示す自車両Sの進行方向前方側に注視点距離を設定し、自車両Sから前方注視点距離だけ離れた地点Pと、駐車経路Zとの横偏差に応じて、下記式(16)から算出してもよい。
ここで、KFB_ydiff=横偏差フィードバックゲイン
ydiff=前方注視点距離先での駐車経路Zとの横偏差 である。
なお、この駐車経路Zの補正は、自車両Sの現在位置(推定値)から更新された更新後目標駐車位置O´へと向かうにつれて、図22Bに示すように、次第にオフセット量が増加するように連続的に行ってもよい。
また、駐車枠認識部108は、目標駐車枠Mに向かう走行中に得られるカメラ25〜28の画像信号から駐車枠情報を生成する。
次に、実施例1における駐車経路生成処理手順を、図23に示すフローチャートを参照して説明する。
ここで、自動運転モードスイッチ19のON操作は、自動運転モードスイッチ19からON操作信号が入力されたことで判断する。
なお、目標駐車枠Mを設定することで、この目標駐車枠Mの内側に目標駐車位置Oの位置が設定される。
ここで、駐車精度としては、駐車位置精度と、目標認識精度と、駐車時運転精度と、駐車位置推定精度と、を推定する。
なお、駐車位置精度は、目標駐車枠Mと自車両Sの実際の駐車位置との許容できる誤差に対する精度であり、この許容誤差が少ないほど高くなる。また、目標認識精度は、目標駐車枠Mの認識条件に対する精度であり、この認識条件が悪いほど低くなる。また、駐車時運転精度は、自車両Sの運転操作を行う際の精度であり、リモートコントロールによるリモート操作のときに低くなる。そして、車両位置推定精度は、自車両Sの推定存在位置と、自車両Sの実存在位置とのずれが大きくなる条件に対する精度であり、当該条件が揃うほど低くなる。
なお、最終直線長は、駐車位置精度が高いときに長く設定され、目標認識精度が低いほど長く設定される。また、最終直線長は、駐車時運転精度が低いとき(リモート操作のとき)に長く設定され、車両位置推定精度が低いほど長く設定される。また、この演算された最終直線長に基づいて、直線経路Xが決まると共に、直線経路Xの開始位置O2が設定される。
ここで、駐車開始位置O1の設定は、自動駐車モードスイッチ19をON操作した時点(駐車支援装置による駐車支援を開始した時点)での自車両Sの位置(駐車開始位置O1)をXY座標系の原点とし、このときの姿勢(自車両Sの進行方向)をY方向とするXY座標を設定することで行う。
ここで、誘導経路Yは、円弧、クロソイド曲線、直線のいずれか一つ以上を組み合わせて設定する。
ここで、目標速度は、経路の曲率に応じて予め設定されている。
次に、実施例1における駐車支援処理手順を、図24に示すフローチャートを参照して説明する。
ここで、駐車制御開始スイッチ20のON操作は、駐車制御開始スイッチ20からON信号が入力されたことで判断する。
ここで、「速度追従制御」とは、目標速度に自車両Sの速度を追従させる制御信号を、エンジンアクチュエータ31及びブレーキアクチュエータ34へと出力し、自車両Sを目標速度に応じた速さで走行させることである。
ここで「経路追従制御」とは、駐車経路Zの曲率に応じて自車両Sの操舵角を変化させる制御信号を、ステアリングアクチュエータ32へと出力し、自車両Sを駐車経路Zに沿って走行させることである。なお、経路追従制御の具体的な方法は、上述の通りである。
ここで、目標駐車枠Mの位置補正は、駐車走行中にカメラ25〜28によって検出された画像信号を俯瞰変換して生成された俯瞰映像を解析して新たに得られた駐車可能スペースと、予め設定した目標駐車枠Mとの偏差を演算し、この偏差の分だけ目標駐車枠Mの位置をオフセットすることで行う。なお、目標駐車枠Mの補正に伴って、目標駐車位置O1の位置が変更(補正)されるため、この目標駐車位置O1から延在される直線経路Xが補正される。そして、直線経路Xが補正されることで、直線経路Xの開始位置O2の位置が変更する。この結果、直線経路Xの開始位置O2の位置が変更に応じて駐車経路Zの補正を行う。また、駐車経路Zが補正されることで、この駐車経路Zの曲率が変化するため、駐車時の自車両Sの目標速度も補正される。
ここで、自車両Sが切返し位置O3に到達したか否かは、自車両Sの速度と操舵角から推定される車両現在位置と、駐車経路Zとに基づいて判断する。
ここで、自車両Sが目標駐車位置Oに到達したか否かは、自車両Sの速度と操舵角から推定される車両現在位置と、駐車経路Zとに基づいて判断する。
この結果、自車両Sを駐車する際に、この自車両Sの走行経路の目標(基準)となる駐車経路において、目標駐車位置Oから目標駐車枠Mの正面方向に沿って延びる直線状の経路である直線経路Xの距離L1(最終直線長)が、駐車精度に応じて可変することとなる。
特に、自車両Sが直線経路Xを走行するときには、自車両Sが目標駐車枠Mに正対することになり、自車両Sの前端部に設けたカメラ24又は自車両Sの後端部に設けたカメラ28によって、目標駐車枠Mを正面から撮影することができる。そのため、自車両Sが直線経路Xを走行中に、目標駐車枠Mの位置を最も精度よく補正することができる。また、自車両Sの位置についても、この自車両Sが直線経路Xを走行中に精度よく補正することができる。
自車両Sが切返し位置O3に到達すれば、ステップS207→ステップS208へと進み、セレクトレバーにより前後進が切り替えられ、例えばDレンジ選択時であればRレンジが選択され、自車両Sが後退走行を開始する。また、セレクトレバーによってRレンジが選択されていればDレンジが選択され、車両が前進走行を開始する。そして、ステップS208からステップS204へと戻り、ステップS204→ステップS205→ステップS206→ステップS207の流れを繰り返す。
一方、切返し位置O3に到達していなければ、ステップS207→ステップS209へと進み、自車両Sが目標駐車位置Oに到達したか否かを判断する。目標駐車位置Oに到達していなければ、ステップS209からステップS204へと戻り、ステップS204→ステップS205→ステップS206→ステップS207の流れを繰り返す。
また、目標駐車位置Oに到達すれば、ステップS209→ステップS210へと進み、セレクトレバーによりPレンジが選択され、駐車支援処理が終了する。
すなわち、例えば駐車精度である駐車位置精度が高いときには、目標駐車位置Oに対する実駐車位置の誤差を小さくする必要がある。そのため、目標駐車枠Mの補正量が増大する。
また、駐車精度である目標認識精度が低いときには、目標駐車枠Mの設定精度が低くなる。そのため、実際の駐車枠に対する目標駐車枠Mのずれ量が大きくなり、目標駐車枠Mの補正量が増大する。
また、駐車精度である駐車時運転精度が低いときには、自車両Sを適切に運転することが難しい。そのため、駐車時に自車両Sの実際の走行経路が、設定された駐車経路Zからずれてしまうため、自車両Sの走行経路の補正量が増大する。
さらに、駐車精度である車両位置推定精度が低いときには、実際の自車両Sの位置に対する推定した車両位置のずれ量が大きくなり、自車両Sの走行経路の補正量が増大する。
実施例1の駐車支援方法及び駐車支援装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
所定の入力情報に基づいて、前記目標駐車位置Oを設定する目標位置設定ステップ(ステップS102)と、
前記自車両Sを前記目標駐車位置Oへ誘導するときの精度である駐車精度を推定する駐車精度推定ステップ(ステップS104)と、
前記駐車開始位置O1から前記目標駐車位置Oまでの駐車経路Zのうち、前記目標駐車位置Oに前記自車両Sが入庫するときの直線経路Xの距離L1を前記駐車精度に応じて設定する直線経路設定ステップ(ステップS105)と、
前記駐車経路Zのうち、前記駐車開始位置O1から前記直線経路Xの開始位置O2までの誘導経路Yを生成する誘導経路生成ステップ(ステップS107)と、
を有する構成とした。
これにより、駐車支援中に、目標駐車位置Oが更新(補正)された場合であっても、自車両Sを目標駐車位置Oへ適切に向かわせることができる。
前記直線経路設定ステップ(ステップS105)では、前記駐車位置精度が高いほど、前記直線経路Xの距離L1を長く設定する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、駐車位置精度が高く、目標駐車枠Mに対して精度よく駐車する必要がある場合であっても、自車両Sを補正された目標駐車枠M(目標駐車位置O)へ適切に向かわせることができる。
前記直線経路設定ステップ(ステップS105)では、前記目標認識精度が低いほど、前記直線経路Xの距離L1を長く設定する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、目標駐車枠Mの認識精度(目標認識精度)が低く、目標駐車枠Mを補正する可能性が高くなる場合であっても、自車両Sを補正された目標駐車枠M(目標駐車位置O)へ適切に向かわせることができる。
前記直線経路設定ステップ(ステップS105)では、前記駐車時運転精度が低いときに、前記直線経路Xの距離L1を長く設定する構成とした。
これにより、(1)〜(3)のいずれかの効果に加え、駐車時運転精度が低く、自車両Sの操作性が有人運転時と比べて比較的低い場合であっても、自車両Sを補正された目標駐車枠M(目標駐車位置O)へ適切に向かわせることができる。
前記直線経路設定ステップ(ステップS105)では、前記車両位置推定精度が低いほど、前記直線経路の距離を長く設定する構成とした。
これにより、(1)〜(4)のいずれかの効果に加え、車両位置推定精度が低く、目標駐車枠Mを補正する可能性が高くなり、必要な補正量が大きくなると考えられる場合であっても、自車両Sを補正された目標駐車枠M(目標駐車位置O)へ適切に向かわせることができる。
前記駐車コントローラ(駐車支援ECU100)は、
所定の入力情報に基づいて、前記目標駐車位置Oを設定し、
前記自車両Sを前記目標駐車位置Oへ誘導するときの精度である駐車精度を推定し、
前記駐車開始位置O1から前記目標駐車位置Oまでの駐車経路Zのうち、前記目標駐車位置Oに前記自車両Sが入庫するときの直線経路Xの距離L1を前記駐車精度に応じて設定し、
前記駐車経路Zのうち、前記駐車開始位置O1から前記直線経路Xの開始位置O2までの誘導経路Yを設定する構成とした。
これにより、駐車支援中に、目標駐車位置Oが補正(更新)されても、自車両Sを目標駐車位置Oへ適切に向かわせることができる。
さらに、車車間通信や、路車間通信、ITS(Intelligent Transport Systems : 高度道路交通システム)を用いて得られる情報、つまり自車両Sの外部から入力される情報に基づいて目標駐車位置Oを設定してもよい。
S 自車両
10 エンジン
11〜14 車輪
16 ステアリングホイール
25〜28 カメラ
101 目標駐車枠設定部
102 最終直線長演算部
103 駐車開始位置設定部
104 駐車経路生成部
105 駐車経路追従制御部
106 目標速度生成部
107 車両現在位置推定部
108 駐車枠認識部
109 操舵角制御部
110 速度制御部
Claims (6)
- 自車両に搭載された駐車コントローラによって、前記自車両を駐車開始位置から目標駐車位置へと誘導する駐車支援方法であって、
所定の入力情報に基づいて、前記目標駐車位置を設定する目標位置設定ステップと、
前記自車両を前記目標駐車位置へ誘導するときの精度である駐車精度を推定する駐車精度推定ステップと、
前記駐車開始位置から前記目標駐車位置までの駐車経路のうち、前記目標駐車位置に前記自車両が入庫するときの直線経路の距離を前記駐車精度に応じて設定する直線経路設定ステップと、
前記駐車経路のうち、前記駐車開始位置から前記直線経路の開始位置までの誘導経路を生成する誘導経路生成ステップと、
を有することを特徴とする駐車支援方法。 - 請求項1に記載された駐車支援方法において、
前記駐車精度推定ステップでは、前記駐車精度として、前記目標駐車位置に対する前記自車両の実駐車位置の許容誤差が少ないほど高くなる駐車位置精度を推定し、
前記直線経路設定ステップでは、前記駐車位置精度が高いほど、前記直線経路の距離を長く設定する
ことを特徴とする駐車支援方法。 - 請求項1又は請求項2に記載された駐車支援方法において、
前記駐車精度推定ステップでは、前記駐車精度として、前記目標駐車位置の認識条件が悪いほど低くなる目標認識精度を推定し、
前記直線経路設定ステップでは、前記目標認識精度が低いほど、前記直線経路の距離を長く設定する
ことを特徴とする駐車支援方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された駐車支援方法において、
前記駐車精度推定ステップでは、前記駐車精度として、リモートコントローラによって車外から前記自車両の運転操作を行うリモート操作時に低くなる駐車時運転精度を推定し、
前記直線経路設定ステップでは、前記駐車時運転精度が低いときに、前記直線経路の距離を長く設定する
ことを特徴とする駐車支援方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された駐車支援方法において、
前記駐車精度推定ステップでは、前記駐車精度として、前記自車両の推定存在位置と、前記自車両の実存在位置とのずれが大きくなる条件が揃うほど低くなる車両位置推定精度を推定し、
前記直線経路設定ステップでは、前記車両位置推定精度が低いほど、前記直線経路の距離を長く設定する
ことを特徴とする駐車支援方法。 - 自車両を駐車開始位置から目標駐車位置へと誘導する駐車コントローラを備えた駐車支援装置において、
前記駐車コントローラは、
所定の入力情報に基づいて、前記目標駐車位置を設定し、
前記自車両を前記目標駐車位置へ誘導するときの精度である駐車精度を推定し、
前記駐車開始位置から前記目標駐車位置までの駐車経路のうち、前記目標駐車位置に前記自車両が入庫するときの直線経路の距離を前記駐車精度に応じて設定し、
前記駐車経路のうち、前記駐車開始位置から前記直線経路の開始位置までの誘導経路を生成する
ことを特徴とする駐車支援装置。
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