以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<システム構成例>
まず、本実施形態に係る地図表示システム1のシステム構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る地図表示システムの一例のシステム構成を示す図である。
図1に示す地図表示システム1は、クライアント端末10と、サーバ装置20とを有し、各装置は、インターネット又は電話回線網等の広域的なネットワークNを介して通信可能に接続されるシステム構成である。なお、クライアント端末10は、経路表示装置の例であり、サーバ装置20は、経路検索装置の例である。
クライアント端末10は、ユーザが利用するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機器又はウェアラブル端末等の各種の情報処理装置である。以下、クライアント端末10が、ユーザが移動しながら地図を見ることができるスマートフォンである例で説明する。
ユーザは、クライアント端末10を操作して、所望の出発地及び目的地等の検索条件を設定する。このようにして、出発地及び目的地が設定されると、サーバ装置20は、出発地から目的地までの経路を検索することができる。そして、クライアント端末10は、検索された経路を地図(電子地図)上に表示させることで経路案内を行う。なお、経路には、出発地及び目的地に加えて、検索条件に基づいて、出発地から目的地までの間に経由する交差点、T字路及び各種施設等を示す経由地が含まれても良い。
これにより、ユーザは、地図上に表示された経路に従って、出発地から目的地まで向かうことができるようになる。すなわち、本実施形態に係る地図表示システム1は、クライアント端末10を操作するユーザに対して、出発地から目的地までの経路案内を提供することができる。
また、サーバ装置20は、経路を検索する情報処理装置である。そして、サーバ装置20は、クライアント端末10に対して、ユーザにより設定された検索条件に基づいて、出発地から目的地までの経路を検索する。次に、サーバ装置20は、検索された経路を地図上に重畳してクライアント端末10に表示させる。
また、サーバ装置20は、検索された経路の周辺に存在する各種施設等を示すアイコン(施設アイコン)又は注記(施設注記)等の施設情報をクライアント端末10に表示させる。例えば、施設アイコンは、信号機等の地図表示記号、コンビニ、レストラン等のロゴマーク又はランドマーク等である。一方で、施設注記は、例えば、ビル名等の施設名、店舗名等の地図に表示される名称又は地名等である。
なお、システム構成は、図示する構成に限られない。例えば、システム構成は、各装置を補助する補助装置が更にあっても良い。
<ハードウェア構成例>
次に、本実施形態に係る地図表示システム1に含まれるクライアント端末10及びサーバ装置20のハードウェア構成について、図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係るクライアント端末及びサーバ装置の一例のハードウェア構成を示す図である。
図2(a)に示すクライアント端末10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶装置14とを有する。また、クライアント端末10は、入力装置15と、表示装置16と、通信装置17と、GPS(Global Positioning System)受信機18とを有する。
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う演算装置及び制御装置である。また、ROM12は、起動時に必要なプログラム等が記憶される。さらに、RAM13は、CPU11での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。さらにまた、記憶装置14は、各種データやプログラム等を記憶する。
入力装置15は、例えばタッチパネル等であり、ユーザの各種操作を受け付ける。また、表示装置16は、ディスプレイ等であり、クライアント端末10の処理結果を表示する。さらに、通信装置17は、ネットワークNを介してサーバ装置20と通信を行う。
GPS受信機18は、GPSから所定の電波を受信して、クライアント端末10の現在の位置を示す緯度及び経度の測定を行う。
本実施形態に係るクライアント端末10は、上記のハードウェア構成を有することにより、後述する各所処理を実現できる。
図2(b)に示すサーバ装置20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、記憶装置24と、入力装置25と、表示装置26と、通信装置27とを有する。
CPU21は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。また、ROM22は、起動時に必要なプログラム等が記憶されている。さらに、RAM23は、CPU21での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。さらにまた、記憶装置24は、各種データやプログラム等を記憶する。
入力装置25は、例えばキーボードやマウス等であり、各種操作を受け付ける。また、表示装置26は、ディスプレイ等であり、サーバ装置20の処理結果を表示する。なお、入力装置25及び表示装置26の少なくとも一方は、必要なときにサーバ装置20に接続して利用する形態であっても良い。通信装置27は、ネットワークNを介してクライアント端末10と通信を行う。
本実施形態に係るサーバ装置20は、上記のハードウェア構成を有することにより、後述する各種処理を実現できる。
また、各ハードウェア構成は、図示する構成に限られない。例えば、各装置は、更に演算装置、制御装置又は記憶装置を有しても良い。
<機能構成例>
次に、本実施形態に係る地図表示システム1の機能構成について、図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係る地図表示システムの一例の機能構成を示す図である。
図3に示すクライアント端末10は、入力受付部101と、表示処理部102と、現在地取得部103と、通信部104と、特定処理部106と、マスク処理部107とを有する。これら各機能部は、クライアント端末10等のコンピュータにインストールされた1以上のプログラムが、CPU11に実行させる処理により実現される。
また、クライアント端末10は、一時記憶部105を有する。当該記憶部は、例えば記憶装置14を用いて実現可能である。
入力受付部101は、ユーザからの各種操作を受け付ける。例えば、入力受付部101は、出発地や目的地等の検索条件を設定するための入力操作を受け付ける。
表示処理部102は、各種の情報を表示する。例えば、表示処理部102は、経路案内の地図や当該地図上の経路、現在地アイコン、施設アイコン、施設注記等を表示すると共に、ユーザの現在地に応じて現在地アイコンや施設アイコン、施設注記等の表示を更新する。ここで、表示処理部102は、表示部112と、更新部122とを有する。
表示部112は、経路案内の地図や当該地図上の経路、現在地アイコン、施設アイコン、施設注記等を表示する。なお、表示部112は、地図や当該地図上の経路、施設アイコン、施設注記等を、例えば、複数のレイヤーにそれぞれ描画して、重畳させることにより表示する。
更新部122は、ユーザの現在地に応じて、地図上の現在地アイコンの位置(表示位置)や施設アイコンの位置(表示位置)を更新する。また、更新部122は、ユーザの現在地に応じて、分岐点アイコンや分岐点注記が強調して表示されるように更新する。
現在地取得部103は、ユーザの現在地(すなわち、クライアント端末10のGPS受信機18により測定された緯度及び経度)を取得する。
通信部104は、サーバ装置20に対して各種要求を送信すると共に、当該要求に対する応答を受信する。例えば、通信部104は、検索条件を設定するための入力操作を入力受付部101が受け付けたことに応じて、サーバ装置20に対して、当該検索条件を含む検索要求を送信する。また、例えば、通信部104は、当該検索要求に対する検索応答を受信する。
なお、検索応答には、例えば、表示部112により表示される地図に関する情報(地図情報)、当該地図上の経路に関する情報(経路情報)及び施設アイコン若しくは施設注記等の施設情報が含まれる。
一時記憶部105は、検索応答に含まれる地図情報や経路情報、施設情報を記憶する。したがって、上述した表示部112は、一時記憶部105に記憶されている地図情報や経路情報、施設アイコン、施設注記に基づいて、経路案内の地図や当該地図上の経路、施設アイコン、施設注記を表示する。同様に、上述した更新部122は、一時記憶部105に記憶されている施設アイコンや施設注記に基づいて、地図上の施設アイコンや施設注記の位置を更新すると共に、地図上の分岐点アイコンや分岐点注記が強調して表示されるように更新する。
特定処理部106は、表示部112により表示される地図情報において、経路及び経路において目印となる施設又は曲がり角に存在する案内施設に係る施設情報が表示される領域(以下「第1表示領域」という。)を特定する。また、特定処理部106は、表示部112により表示される地図情報において、第1表示領域以外の領域(以下「第2表示領域」という。)を特定する。
マスク処理部107は、特定処理部106によって特定される第2表示領域をマスクする。すなわち、マスク処理部107は、第2表示領域に特定された地図上の領域が、第1表示領域とは異なるように表示されるように、変更する。例えば、マスク処理部107は、第2表示領域をグレー表示し、第1表示領域より暗く表示する。
なお、地図情報は、例えば、緑地や河川、道路、鉄道及び都道府県等の表示対象の種類毎に分類され、緯度及び経度等が既知のメッシュ状に区切られた情報で管理されている。そして、表示対象の種類毎に分類された地図情報は、縮尺に応じて、当該種類毎にあらかじめ定められたレイヤーに、メッシュ毎に描画されることで表示される。したがって、クライアント端末10に表示される地図は、表示対象の種類毎に分類された地図情報がそれぞれ描画されたメッシュ状のレイヤーを、1つ以上結合して重畳することにより表示される。
図3に示すサーバ装置20は、検索処理部201と、情報取得部202と、通信部203とを有する。これら各機能部は、サーバ装置20等のコンピュータにインストールされた1以上のプログラムが、CPU21に実行させる処理により実現される。
また、サーバ装置20は、情報記憶部204を有する。当該記憶部は、例えば記憶装置24を用いて実現可能である。
検索処理部201は、クライアント端末10から受信した検索要求に含まれる検索条件に基づいて経路を検索する。すなわち、検索処理部201は、例えば、検索条件に含まれる出発地から目的地までの経路であって、当該検索条件に含まれる経由地を経由する経路を検索して、当該経路を示す経路情報を取得する。
情報取得部202は、検索処理部201により検索された経路に対応する地図情報や施設アイコン、施設注記(例えば、経路を含む周囲の地図の地図情報、経路沿いにある施設の施設アイコンや施設注記)等の施設情報を情報記憶部204から取得する。
通信部203は、クライアント端末10からの検索要求を受信すると共に、当該検索要求に対する検索応答を送信する。例えば、通信部203は、検索処理部201により取得された経路情報、情報取得部202により取得された地図情報や施設アイコン、施設注記等を含む検索応答をクライアント端末10に送信する。
情報記憶部204は、クライアント端末10に地図を表示させるための地図情報、地図上に表示される施設情報を記憶する。なお、情報記憶部204は、地図上に表示される現在地アイコン等が記憶されていても良い。
<処理例の詳細>
以下、本実施形態に係る地図表示システム1が行う処理例の詳細について、図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る全体処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、クライアント端末10の入力受付部101(図3)は、検索条件を設定するための入力操作を受け付ける(ステップS10)。具体的には、入力受付部101は、ユーザが所望する目的地、出発地、経由地又はこれらの組み合わせ等の検索条件を受け付ける。すなわち、ユーザが目的地及び出発地の位置又は名称等を入力する操作を行うと、検索条件は、設定される。
なお、出発地には、例えば、現在地取得部103(図3)により取得されたユーザの現在地(すなわち、クライアント端末10のGPS受信機18により測定された緯度及び経度)が用いられても良い。また、出発地には、例えば、Wi−Fi等の無線LANの受信強度に基づき測定された現在地が用いられても良い。
クライアント端末10の通信部104(図3)は、入力受付部101により検索条件を設定するための入力操作を受け付けると、検索要求をサーバ装置20に送信する(ステップS11)。なお、検索要求には、ステップS10で設定された検索条件が含まれる。
サーバ装置20の検索処理部201(図3)は、通信部203(図3)により検索要求を受信すると、当該検索要求に含まれる検索条件に基づいて経路を検索する(ステップS12)。すなわち、検索処理部201は、検索条件に含まれる出発地から目的地までの経路を検索して、検索結果として経路情報を取得する。なお、検索条件に経由地が設定される場合には、検索処理部201は、当該検索条件によって設定される出発地から目的地までの経路であって、当該経由地を経由する経路を検索する。
続いて、サーバ装置20の情報取得部202は、案内施設を検索する(ステップS13)。具体的には、まず、情報取得部202は、経路と検索された箇所の付近に案内施設となる施設がないかを検索し、検索された経路に対応する地図情報及び案内施設に係る施設情報を取得する。具体的には、検索された経路の周辺に、目印となる建物がある場合には、情報取得部202は、このような建物を案内施設として検索し、案内施設に係る施設情報を取得する。
特に、曲がり角となる箇所等に、施設があると、地図表示システム1は、ユーザに対して、曲がり角を知らせる案内施設を表示することができる。このような案内施設が表示されると、ユーザは、曲がり角がどこであるかが認識しやすい。つまり、ユーザは、案内施設を目印として進行すれば、曲がり角等があっても、迷わずに進むことができる。
次に、サーバ装置20の通信部203は、ステップS11による検索要求に対する検索応答をクライアント端末10に送信する(ステップS14)。なお、検索応答には、検索処理部201により検索された経路情報並びに情報取得部202によって取得された地図情報及び案内施設に係る施設情報等が含まれる。
まず、クライアント端末10の表示処理部102は、通信部104により検索応答を受信すると(ステップS14)、当該検索応答に含まれる案内施設に係る施設情報、地図情報及び経路情報を一時記憶部105に記憶させる。
クライアント端末10の表示処理部102は、一時記憶部105に記憶されている地図情報、経路情報及び施設情報に基づいて、案内施設に係る施設情報等を配置する配置位置を決定する(ステップS15)。
具体的には、まず、表示処理部102は、地図情報に基づいて、ユーザに対して表示する地図を特定する。次に、表示処理部102は、経路情報に基づいて、地図上において、経路となる箇所を特定する。このようにすると、表示する地図及び地図上のどの道が経路となるかが特定される。
そして、表示処理部102は、経路及び経路の周辺に位置する案内施設に係る施設情報を表示する。例えば、経路の付近に店舗となる建物がある場合には、表示処理部102は、店舗名及び店舗の種類等を示すアイコン等の施設情報を地図上に配置する。なお、地図上に配置される施設を示す情報は、注記、アイコン又はこれらの組み合わせ等でも良い。
なお、案内施設に係る施設情報は、ユーザが地図を見る際に、他の施設と区別しやすいように、例えば、所定の色で塗り潰されて表示されるように、配置されても良い。
案内施設に係る施設情報等が配置される配置位置が決定すると、すなわち、ステップS15が行われると、例えば、以下のような情報が生成される。以下、図5を参照して、ステップS15の処理結果例を説明する。
図5は、本実施形態に係る案内施設に係る施設情報等の配置結果例を示す図である。図示する例は、図示するような地図情報INFMPが示す地図上に、各情報が配置される例である。具体的には、図示する地図情報INFMPは、出発地STPNTから目的地までの一部の地域を拡大した地図を示す。
まず、地図上には、図示するように、経路情報に基づいて、経路INFRTが、例えば、所定の色で塗り潰されて表示される。そして、経路INFRTの周辺に、案内施設BLCYが、図示するように、地図上に、例えば、所定の色で塗り潰されて表示される。特に、曲がり角CRNRがある場合等では、図示するように、案内施設BLCYが表示されるのが望ましい。
なお、案内施設BLCYは、他の強調方法による表示、施設名又は施設を示すアイコン等によって表示されても良い。
図4に戻り、クライアント端末10の特定処理部106(図3)は、第1表示領域及び第2表示領域を特定する(ステップS16)。以下、図6に示す地図を例に説明する。
図6は、本実施形態に係る第1表示領域及び第2表示領域の特定例を示す図である。まず、ステップS15が行われ、図示するように、地図上に、案内施設に係る施設情報等が配置される配置位置が決定したとする。
そして、特定処理部106は、経路INFRTから所定距離内の範囲を第1表示領域VE1STに特定する。具体的には、図示する例では、経路INFRTから所定距離DIS以内の範囲が、第1表示領域VE1STに特定される。なお、所定距離DISは、あらかじめ設定できる値である。
次に、特定処理部106は、経路INFRTから所定距離DIS以内の範囲に加えて、施設名等の施設情報を更に第1表示領域VE1STに特定する。具体的には、図示する例では、まず、案内施設BLCYを示すポリゴンが地図上に配置される。そして、特定処理部106は、それぞれの案内施設BLCYの施設名が表示される表示範囲VECYも第1表示領域VE1STに特定する。なお、表示範囲VECYは、図示するように施設名等を示す注記に限られず、アイコン等の案内施設に係る施設情報全般が含まれてもよい。
このようにして、経路INFRTから所定距離DIS以内の範囲と、案内施設BLCYの施設情報が表示される表示範囲VECYとが、第1表示領域VE1STに特定される。すなわち、特定処理部106は、案内施設BLCYが表示される範囲に加えて、案内施設BLCYに係る施設名等の施設情報も、後段のマスク処理において、マスク処理される範囲から外し、施設名等の施設情報等が見やすくなるように、第1表示領域VE1STを特定する。なお、経路INFRTから所定距離DIS以内の範囲と、案内施設BLCYの施設情報が表示される表示範囲VECYとに加えて、図示するように、表示範囲VECYの周辺が更に、第1表示領域VE1STに特定されても良い。表示範囲VECYの周辺の範囲は、任意に設定することができる。一方で、特定処理部106は、第1表示領域VE1ST以外の範囲を第2表示領域VE2NDに特定する。
なお、図では、第1表示領域VE1STを白色で示し、第2表示領域VE2NDをグレーで示す。
図4に戻り、クライアント端末10のマスク処理部107(図3)は、第2表示領域をマスクする(ステップS17)。すなわち、マスク処理部107は、ステップS16により特定された第2表示領域をマスクする。
なお、マスク処理は、例えば、第2表示領域を第1表示領域より暗くする処理である。すなわち、マスク処理は、いわゆるグレーアウトを行う処理等である。このようなマスク処理が行われると、第1表示領域が第2表示領域より際立ち、第1表示領域が見やすくなる。
次に、クライアント端末10の表示処理部102(図3)は、経路案内を表示する。例えば、以下に示す図7のような画面を表示する。
図7は、経路案内において表示される画面の一例を説明する図である。また、図示する例は、第2表示領域VE2NDをグレーアウトさせるマスクを行った例である。このように、第2表示領域VE2NDがマスク処理されると、第1表示領域VE1STに特定された案内施設及び案内施設に係る施設情報が、白抜きされた状態で経路案内が表示される。このように、経路案内が表示されると、ユーザは、地図上において、第1表示領域VE1STに表示される経路及び施設情報等が見やすい。すなわち、地図表示システム1は、例えば、図8に示すような処理を行うと、経路案内において、ユーザの見やすい地図を表示することができる。
図8は、本実施形態に係る全体処理の一例を示すフローチャートである。
まず、地図表示システム1は、出発地及び目的地等の検索条件を設定する(ステップS20)。次に、地図表示システム1は、出発地から目的地まで、ユーザが移動できる経路を探索する(ステップS21)。
そして、地図表示システム1は、ステップS21で探索された経路を示す経路情報を取得する(ステップS22)。また、地図表示システム1は、ステップS21で探索された経路の周辺を示す地図情報を取得する(ステップS22)。さらに、地図表示システム1は、ステップS21で探索された経路において、案内施設を検索し、案内施設の施設情報を取得する(ステップS22)。
続いて、地図表示システム1は、第1表示領域及び第2表示領域を特定する(ステップS23)。具体的には、第1表示領域は、経路及び案内施設に係る施設情報の表示範囲を包含する領域が範囲となるように特定される。そして、地図表示システム1は、第1表示領域以外の領域を第2表示領域に特定する。
次に、地図表示システム1は、第2表示領域をマスクする(ステップS24)。そして、地図表示システム1は、第1表示領域と、マスクされた第2表示領域とを組み合わせて経路案内を表示する(ステップS25)。
なお、各処理は、異なる装置によって、分散、並列又は冗長して行われても良い。
<他の実施形態>
クライアント端末10は、ユーザの現在地(すなわち、クライアント端末10が位置する現在地)に応じて、経路に含まれる分岐点(例えば、T字路又は交差点等)等の付近にある施設アイコン又は施設注記を強調(例えば、拡大、点滅、色を変える又はこれらの組み合わせ等)して表示しても良い。
このようにすると、クライアント端末10のユーザは、経路に含まれる分岐点の付近に存在する案内施設を見落とすことなく、ユーザは、当該分岐点において正しい方向(目的地の方向)に進むことができるようになる。これにより、本実施形態に係る地図表示システム1は、T字路又は交差点等の地図上の分岐点において、ユーザが迷うことのない経路案内を提供することができる。
具体的には、地図表示システム1は、例えば、経路案内において、以下のように表示する。以下、本実施形態に係る地図表示システム1が提供する経路案内の一例について、図9を参照しながら説明する。
図9は、経路案内画面の一例を説明する図である。
図9に示す経路案内画面1000は、出発地1101から目的地1102に向かうための経路1103が表示された画面である。この例では、経路1103には、分岐点1113、分岐点1123及び分岐点1133が含まれる。なお、以下の説明では、「分岐点」とは、上述したように、地図上のT字路又は交差点等のことである。
また、経路案内画面1000では、経路1103の付近(すなわち、経路1103の経路沿い)にある各種施設の施設アイコン1300乃至1700及び施設注記1800が表示される。なお、地図上の施設が施設アイコン又は施設注記の何れかで表示されるかは、当該施設に応じてあらかじめ決定されている。
ここで、施設アイコンのうち、経路に含まれる分岐点1113、分岐点1123及び分岐点1133付近にある施設アイコン(例えば、当該分岐点から所定の範囲内にある施設アイコン)を「分岐点アイコン」とも示す。同様に、施設注記のうち、経路に含まれる分岐点1113、分岐点1123及び分岐点1133の付近にある施設注記(例えば、当該分岐点から所定の範囲内にある施設注記)を「分岐点注記」とも示す。したがって、施設アイコン1300乃至1700及び施設注記1800のうち、施設アイコン1300、施設アイコン1600及び施設注記1800は、それぞれ「分岐アイコン1300」、「分岐点アイコン1600」及び「分岐点注記1800」とも示す。
このとき、本実施形態に係るクライアント端末10は、ユーザの現在地を示す現在地アイコン1200が、経路に含まれる分岐点に近付いた場合、当該分岐点付近にある分岐点アイコン及び分岐点注記を強調して表示する。すなわち、例えば、現在地アイコン1200が、経路に含まれる分岐点1113に近付いた場合、当該分岐点1113付近にある分岐点アイコン1300及び分岐点注記1800が拡大して表示される。このため、ユーザは、経路に含まれる分岐点付近にある施設を見落とすことなく、当該施設の位置関係や種類(例えば、飲食店であるか、コンビニであるか等)、名称(例えば、チェーン店の名称)等を知ることができる。
以上のように、本実施形態に係るクライアント端末10は、ユーザが経路に含まれる分岐点(例えば、T字路又は交差点等)に近付いた場合、当該分岐点付近にある施設を示すアイコンや注記等を強調して表示する。このため、本実施形態に係る地図表示システム1によれば、例えば、経路に含まれる分岐点においてユーザが誤った方向に進んでしまうような事態を防止することができる。すなわち、本実施形態に係る地図表示システム1によれば、分岐点付近で迷わない経路案内をユーザに提供することができる。
以上のようなアイコンや注記等を強調して表示する処理は、例えば、以下のように実現させる。
表示部112(図3)は、一時記憶部105から地図情報、経路情報及び施設情報を取得する。そして、表示部112は、地図情報に基づく地図に、経路情報に基づく経路と、ユーザの現在地を示す現在地アイコンと、施設アイコンと、施設注記とを重畳して、例えば図10(a)に示す経路案内画面2000を表示装置16に表示させる。
図10は、経路案内画面の表示及び更新の一例を説明する図である。
なお、現在地アイコンは、サーバ装置20の情報記憶部204(図3)から取得された上で、ステップS14(図4)の検索応答に含めてクライアント端末10に送信されても良いし、クライアント端末10の記憶領域(例えば、一時記憶部105(図3))にあらかじめ記憶されていても良い。
図10(a)に示す経路案内画面2000は、ユーザの現在地を出発地2101として、当該出発地2101から目的地2102に向かうための経路2103が表示された画面である。経路2103には、分岐点2113、分岐点2123及び分岐点2133が含まれている。なお、経路案内画面2000では、ユーザの現在地を示す現在地アイコン2200が出発地2101と同一の位置に表示されている。
また、経路案内画面2000では、経路2103の付近に存在する施設の施設アイコン2300乃至2700及び施設注記2800が表示される。なお、施設アイコン2300、施設アイコン2600及び施設注記2800は、「分岐点アイコン2300」、「分岐点アイコン2600」及び「分岐点注記2800」とも示す。
さらに、経路案内画面2000において、各施設アイコン2300乃至2700は、経路2103に重ならないように、かつ、当該施設アイコン2300乃至2700の足が現在地アイコン2200の位置の方向を向くように表示される。なお、施設アイコンの足とは、当該施設アイコンが示す施設の位置を指し示す三角形状の突起部分のことである。
このように、本実施形態に係る地図表示システム1では、クライアント端末10において、ユーザにより出発地や目的地等を含む検索条件が設定されると、当該クライアント端末10の表示装置16に、例えば図10(a)に示す経路案内画面2000を表示させる。このとき、クライアント端末10の表示装置16に表示される経路案内画面では、経路沿いに存在する施設を示す施設アイコンが、経路に重ならないように、かつ、当該施設アイコンの足がユーザの現在地の方向を向くように表示される。
すなわち、本実施形態に係る地図表示システム1では、経路に従ってユーザが目的地に向かう際に目印となるのに必要な施設(経路沿いにある施設)の施設アイコンや施設注記をクライアント端末10に表示する。一方で、本実施形態に係る地図表示システム1では、経路沿いに存在しない不要な施設の施設アイコンはクライアント端末10に表示しないようにする。これにより、目的地に向かう際に、目印となる必要な施設の施設アイコンや施設注記をユーザが見落とすような事態を防止することができる。
次に、図10(a)に示す経路案内画面2000において、クライアント端末10のユーザが移動した場合、クライアント端末10は、当該経路案内画面2000を、例えば図10(b)に示す経路案内画面3000に更新する。
図10(b)に示す経路案内画面3000は、クライアント端末10のユーザが出発地210が示す位置から現在地アイコン2200が示す位置まで移動した場合における表示される画面である。すなわち、図10(b)に示す経路案内画面3000は、ユーザの現在位置が、経路2103に含まれる分岐点2113に近付いた場合(分岐点2113から所定の範囲に到達した場合)に表示される画面である。
このとき、図10(b)に示す経路案内画面3000では、施設アイコン2300乃至2700の足が現在地アイコン2200の位置の方向を向くように表示されると共に、分岐点2113付近の分岐点アイコン2300及び分岐点注記2800が拡大して表示される。これにより、クライアント端末10のユーザは、分岐点2113に近付いた場合に、当該分岐点2113付近にある施設を見落とすことなく、容易に認識することができると共に、当該施設の位置関係を把握することができるようになる。
したがって、本実施形態に係る地図表示システム1は、ユーザが分岐点に近付いた場合に、当該分岐点(例えば、T字路又は交差点等)付近にある施設を強調して表示することで、分岐点においてユーザが迷うことのない経路案内を提供することができる。
なお、図10(b)に示す経路案内画面3000では、強調表示の一例として、施設アイコンが拡大して表示される場合を示したが、これに限られない。例えば、強調表示は、施設アイコンの点滅、動的なアニメーションによる表示、色を変える又はこれらの組み合わせ等でも良い。
また、本実施形態では、経路沿いの施設アイコン及び施設注記を情報記憶部204から取得するとしたが、これに限られず、例えば、検索された経路に対応する地図情報に基づく地図上のすべての施設アイコン及び施設注記を取得しても良い。この場合、ステップS18(図4)で、クライアント端末10において、経路沿いの施設アイコン及び施設注記のみを表示するようにすれば良い。
続いて、ユーザの移動により経路案内画面が更新される場合(すなわち、例えば、図10(a)に示す経路案内画面2000において、ユーザの移動により、図10(b)に示す経路案内画面3000が表示される場合)の処理について、説明する。なお、以降で説明する経路案内画面の更新処理は、所定の時間(例えば、数ミリ秒乃至数秒)毎に実行される。
まず、クライアント端末10の現在地取得部103(図3)は、ユーザの現在地(すなわち、クライアント端末10のGPS受信機18により測定された緯度及び経度)を取得する。
次に、クライアント端末10の表示処理部102(図3)は、更新部122(図3)により、地図上におけるユーザの現在地を示す現在地アイコンの位置(表示位置)を更新する。すなわち、更新部122は、地図上における現在地アイコンの表示位置を、ユーザの現在地を取得する処理で取得された現在地に対応する位置となるように更新する。
次に、クライアント端末10の表示処理部102は、更新部122により、更新された現在地アイコンの位置に応じて、地図上に表示される施設アイコンの位置を更新する。ここで、施設アイコンの表示位置の更新について、図11を参照しながら説明する。
図11は、施設アイコンの表示位置の更新例を説明する図である。図示するように、現在地アイコンPが位置Qにあるとき、施設Rを示す施設アイコンAの表示位置は、当該施設アイコンAの足が位置Qの方向を向くような位置で表示される。
このとき、現在地アイコンPが位置Qから位置Q´に移動した場合、施設Rを示す施設アイコンAの表示位置は、当該施設アイコンAの足が位置Q´の方向となるように更新される。なお、施設アイコンAの表示位置を更新した結果、当該施設アイコンAが経路に重なる場合には、例えば、施設アイコンAの表示位置は、経路と重ならない範囲で回転させることにより更新される。
このように、地図上の各施設アイコンの表示位置は、各施設アイコンの足が現在地アイコンの方向を向くように更新される。これにより、各施設アイコンの足が現在地アイコンを中心として放射状に表示されるため、各施設の位置関係を把握し易い経路案内を提供することができるようになる。
上記のような施設アイコンの位置の更新に続いて、クライアント端末10の表示処理部102は、更新部122により、更新された現在地アイコンの位置から所定の範囲内に、分岐点アイコン又は分岐点注記があるか否かを判定する。すなわち、更新部122は、更新された現在地アイコンの位置が、経路の分岐点に近付いたか否かを判定する。
現在地アイコンの位置から所定の範囲内に分岐点アイコン又は分岐点注記があると判定された場合、更新部122は、当該所定の範囲内にある分岐点アイコン又は/及び分岐点注記が強調表示されるように更新する。すなわち、更新部122は、現在地アイコンから所定の範囲内にある分岐点アイコンや分岐点注記が、例えば拡大して表示されるように当該分岐点アイコンや分岐点注記の表示サイズ等を更新する。
なお、上述したように、更新部122により更新される分岐点アイコンや分岐点注記の強調表示の態様は、拡大表示に限られない。更新部122は、例えば、分岐点アイコンや分岐点注記が点滅して表示されるように更新しても良いし、アニメーションにより動的に表示されるように更新しても良い。このように、強調表示の態様は、分岐点アイコンや分岐点注記が目立つように表示される態様であれば良く、種々の表示対象が挙げられる。
また、更新部122は、現在地アイコンの位置に応じて、分岐点アイコンや分岐点注記の強調表示の態様が異なるようにしても良い。例えば、現在地アイコンと分岐点アイコンとが500m以内にある場合、当該分岐点アイコンを2倍の大きさで表示するようにする一方、現在地アイコンと分岐点アイコンとが100m以内にある場合、当該分岐点アイコンを4倍の大きさで表示するようにしても良い。
次に、クライアント端末10の表示処理部102は、表示部112により、更新された現在地アイコン、施設アイコン及び施設注記に基づいて、経路案内を表示する。すなわち、表示部112は、更新された現在地アイコン、施設アイコン及び施設注記を、地図上に重畳して表示させる。
なお、上記の処理で取得した現在地に対応する地図情報が一時記憶部105に記憶されていない場合、クライアント端末10は、当該現在地に対応する地図情報の取得をサーバ装置20に要求すれば良い。すなわち、ユーザが一時記憶部105に記憶されている地図情報に基づく地図の外に移動した場合には、移動後の現在地に対応する地図情報をサーバ装置20から取得すれば良い。
以上のように、本実施形態に係るクライアント端末10では、当該クライアント端末10のユーザの移動に応じて、施設アイコンの足がユーザの現在位置の方向を向くように表示すると共に、分岐点付近の施設アイコンや施設注記を強調表示する。これにより、本実施形態に係るクライアント端末10では、地図上の各施設の位置関係を容易に把握することができると共に、T字路や交差点等の分岐点においてもユーザが迷うことのない経路案内を提供することができる。ここで、本実施形態に係る地図表示システム1により提供される経路案内画面の他の例について、図12を参照しながら説明する。
図12は、経路案内画面の他の例を示す図である。
図示する経路案内画面4000には、図10(a)に示した経路案内画面2000と同様に、出発地2101から目的地2102に向かうための経路2103が表示されている。また、同様に、当該経路2103の付近に存在する施設を示す施設アイコン2300乃至2700及び施設注記2800が表示されている。
このとき、図12に示す経路案内画面4000では、分岐点アイコン2300が示す施設の家形枠2310、分岐点アイコン2600が示す施設の家形枠2610及び施設注記2800が示す施設の家形枠2810が表示される。このように、経路案内画面4000では、経路の分岐点付近にある施設の家形枠を表示する。
これにより、ユーザは、分岐点アイコンや分岐点注記が示す施設の位置関係と共に、当該施設の形状を知ることができる。このため、T字路や交差点等の分岐点において、施設の位置関係に加えて、施設の形状を把握することができるため、T字路や交差点等の分岐点においてもユーザが迷うことのない経路案内を提供することができる。
なお、図12に示す経路案内画面4000では、経路2103に含まれる分岐点2123付近には分岐点アイコン及び分岐点注記が表示されていない。これは、分岐点2123付近には、施設アイコンや施設注記が表示される施設が存在しないためである。このような場合において、例えば、経路2103に含まれる分岐点2123付近に一般住宅等がある場合には、当該一般住宅等の家形枠を強調表示させても良い。
これにより、例えば、施設アイコンや施設注記が表示される施設(例えば、商業施設等)が分岐点付近に存在しない場合においても、ユーザは、一般住宅等の家形枠を参考にすることができるため、ユーザが迷うことのない経路案内を提供することができる。
なお、図9乃至図12に示す表示では、経路及び案内施設に係る施設情報以外の領域がマスク処理されてもよい。
<変形例>
なお、マスク処理は、図7等で図示するように、グレーアウトを行う処理に限られない。例えば、マスク処理は、第1表示領域を明るくする処理等でも良い。他にも、マスク処理は、例えば、第2表示領域が表示される透過率を変更する処理、第2表示領域を所定の色で塗り潰す処理、又は、第2表示領域を何れかの端からグラデーションにして表示する処理等でも良い。すなわち、マスク処理は、第2表示領域の明るさを変えたり、所定の色で塗り潰したりする等の別の表示に変更する処理であれば良い。
また、施設情報及び経路は、例えば、ユーザの移動手段によって異なる検索結果であっても良い。具体的には、例えば、移動手段は、車両、徒歩、自転車又は電車等である。このような移動手段が、例えば、検索条件として、ユーザによる操作によって設定される。そして、サーバ装置は、設定された移動手段に基づいて、経路又は案内施設等を検索する。したがって、地図表示システム1は、ユーザが用いる移動手段を考慮して、移動手段に適した経路又は案内施設等を表示しても良い。
他にも、第1表示領域及び第2表示領域は、常に一定でなくとも良い。例えば、地図表示システム1は、ユーザの移動速度、天気、時刻、ユーザの属性、曲がり角か否か、目的地の周辺か否か又はこれらの組み合わせによって、第1表示領域及び第2表示領域のそれぞれの範囲を変更しても良い。
具体的には、例えば、ユーザの移動速度が速い場合には、第1表示領域が狭くなるように表示しても良い。ユーザの移動速度が速い場合は、ユーザが、現在地周辺の地理に詳しい場合が多い。つまり、詳しいと考えられる位置の地図は、あまり見えなくとも移動に支障がない場合が多い。そこで、ユーザの移動速度が速くなると、地図表示システム1は、マスク処理される範囲を拡大するように変更しても良い。
また、例えば、現在地が曲がり角の周辺であったり、又は、目的地の周辺に近づいてきたりすると、地図表示システム1は、第1表示領域となる範囲を拡大するように変更しても良い。
他にも、ユーザの属性等を考慮して、地図表示システム1は、第1表示領域及び第2表示領域のそれぞれの範囲を変更しても良い。具体的には、ユーザの属性は、例えば、身長又は視力等のプロフィール情報である。そして、視力が良いユーザ又は身長の高いユーザは、見える範囲が広い場合が多い。このように、ユーザのプロフィールを参照して、地図表示システム1は、それぞれのユーザに合わせた第1表示領域に変更しても良い。
なお、ユーザの移動速度、天気、時刻又はユーザの属性等の情報は、クライアント端末10又はサーバ装置20に、あらかじめインストールされている他のアプリケーション等から取得されたり、又は、あらかじめユーザによって入力されたりして取得される情報である。
また、第2表示領域は、常にマスクされた状態でなくとも良い。例えば、地図表示システム1は、ユーザの現在位置が屋内か否かによって、マスクの表示を変更しても良い。具体的には、例えば、図13に示すような表示としても良い。
図13は、屋内用の経路案内画面の例を示す図である。図示する例は、地下鉄の駅に、ユーザが入った場合の経路案内画面の例である。すなわち、ユーザの現在位置は、駅内であって、屋内である。
このような場合には、地図表示システム1は、まず、第2表示領域に対して付けているマスクを外す。次に、図示するように、地図表示システム1は、ユーザがいる建物部分、すなわち、この例では、駅の施設となる範囲以外の部分をマスクする。図示するように、マスク範囲MSKは、ユーザがいる施設以外の箇所、すなわち、駅の建物以外の範囲となる。このように、地図表示システム1は、ユーザが駅の建物に入ると、マスク範囲MSKを変更しても良い。
また、地図表示システム1は、ユーザ操作、モード又は移動区間等に基づいてマスクを行うか否かを切り替えても良い。例えば、出発地及び目的地を設定する等のモードと、経路案内画面を表示してユーザに案内を行うモードとが分かれている場合がある。経路案内画面は、例えば、図7に示すように、ユーザの現在位置に追従した表示画面となる場合が多い。
さらに、経路によって、電車を使用する区間が含まれる場合がある。このように、ユーザの現在位置に追従したモード、又は、電車を使用する区間等では、地図表示システム1は、例えば、図7のように、第2表示領域をマスクして表示する。一方で、例えば、出発地及び目的地を設定するモードであったり、ユーザが画面を変更するためスクロールする操作又は画面を拡大若しくは縮小させるためにピンチする操作を入力している間であったりすると、地図表示システム1は、マスクを外すようにする。このように、モード等に応じて、地図表示システム1は、マスクを行うか否かを切り替えても良い。
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る地図表示システム1は、ユーザに対して、目的地までの経路案内を提供する。しかも、本実施形態に係る地図表示システム1は、経路をユーザが進行する上で、目印又は曲がり角に存在する案内施設を特定し、案内施設を強調等して地図上に表示する。
そして、地図表示システム1は、地図の表示において、案内施設に係る施設情報がマスクされてしまい、案内施設に係る施設情報がマスクによって隠れないようにする。このようにすると、ユーザは、表示されている地図を見る上で、案内施設に係る施設情報がマスクで隠れないため、地図が見やすい。
このように、本実施形態に係る地図表示システム1は、地図を見やすく表示して、経路案内を提供することができる。
なお、本実施形態では、経路の分岐点付近にある施設の施設アイコンや施設注記を強調表示したが、例えば、施設アイコンや施設注記を強調表示する施設の種類を絞り込めるようにしても良い。これにより、例えば、施設の種類として「コンビニ」が設定された場合には、経路の分岐点付近にある施設のうち、コンビニを示す施設の施設アイコンや施設注記を強調表示することができるようになる。
また、分岐点の角の位置にある施設であることを示す角情報が対応付けられた施設データをサーバ装置20の情報記憶部204に記憶しておき、サーバ装置20の情報取得部202は、角情報に基づいて、分岐点の角の位置にある施設の施設アイコンや施設注記を情報記憶部204から取得するようにしても良い。これにより、サーバ装置20の情報取得部202は、角情報に基づいて、分岐点付近にある施設の施設アイコンや施設注記を容易に取得することができるようになる。
また、本実施形態において、ユーザは、経路案内画面1000と、当該経路案内画面1000とは異なる表示態様の経路案内画面とを切り替えることができても良い。ここで、当該異なる表示態様の経路案内画面には、経路案内画面1000とは異なる表示態様で分岐点注記や分岐点アイコンが強調表示(例えば、点滅やアニメーション等)される画面に限られず、分岐点注記や分岐点アイコンが強調表示されない画面も含まれる。なお、切り替え操作は、ユーザが画面上に表示された所定の表示部品をタップ操作等して切り替える方法等が挙げられる。これにより、様々な表示態様で分岐点付近の施設アイコンや施設注記が表示される経路案内画面をユーザに提供することができるようになる。
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。