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JP2018031356A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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JP2018031356A JP2016165841A JP2016165841A JP2018031356A JP 2018031356 A JP2018031356 A JP 2018031356A JP 2016165841 A JP2016165841 A JP 2016165841A JP 2016165841 A JP2016165841 A JP 2016165841A JP 2018031356 A JP2018031356 A JP 2018031356A
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山下 芳雄
Yoshio Yamashita
芳雄 山下
寛真 西岡
Hiromasa Nishioka
寛真 西岡
有里子 萩本
Yuriko Hagimoto
有里子 萩本
哲哉 佐久間
Tetsuya Sakuma
哲哉 佐久間
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Abstract

【課題】内燃機関の排気の温度が低いときに選択還元型NOx触媒が硝酸アンモニウムで被毒することを抑制する。【解決手段】内燃機関の排気通路に設けられアンモニアを還元剤としてNOxを還元する選択還元型NOx触媒(SCR触媒)と、SCR触媒へアンモニアを供給する供給装置と、排気の温度を測定または推定する温度検出手段と、排気の温度が、アンモニアとNO2とから硝酸アンモニウムが生成される所定領域内の場合には、燃料カット時に限りアンモニアを供給させる制御装置と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気の温度が低いときに、選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒ともいう。)にアンモニアを供給すると、アンモニアとNOとが反応して生成される硝酸アンモニウムによってSCR触媒が被毒することがある。このため、内燃機関の排気の温度が低いときには、NOが発生する原因となる酸化触媒をバイパスするように、排気通路を切り替える技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−346794号公報
しかし、酸化触媒をバイパスする構造を備えることにより排気浄化装置が大型化若しくは複雑化してしまう。したがって、例えば、車両に搭載することが困難になったり何らかの制約を受けたりする虞がある。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の排気の温度が低いときに選択還元型NOx触媒が硝酸アンモニウムで被毒することを抑制することにある。
上記課題を解決するために、内燃機関の排気通路に設けられアンモニアを還元剤としてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、前記選択還元型NOx触媒へアンモニアを供給する供給装置と、排気の温度を測定または推定する温度検出手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置において、前記温度検出手段によって検出される排気の温度が、アンモニアとNOとから硝酸アンモニウムが生成される所定領域内の場合には、前記内燃機関の燃料カット時に限り前記供給装置からアンモニアを供給させる制御装置を備える。
本発明によれば、内燃機関の排気の温度が低いときに選択還元型NOx触媒が硝酸アンモニウムで被毒することを抑制することができる。
実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例1に係るアンモニア添加制御のフローを示したフローチャートである。 実施例2に係るアンモニア添加制御のフローを示したフローチャートである。 実施例3に係るアンモニア添加制御のフローを示したフローチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に
詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、ディーゼル機関である。内燃機関1には、排気通路2が接続されている。この排気通路2の途中には、上流側から順に、酸化触媒3、フィルタ4、還元剤添加弁5、選択還元型NOx触媒6(以下、SCR触媒6という。)が設けられている。
酸化触媒3は、酸化機能を有する触媒であればよく、例えば三元触媒または吸蔵還元型NOx触媒であってもよい。また、フィルタ4は、排気中の粒子状物質(PM)を捕集する。なお、フィルタ4には、触媒が担持されていてもよい。この場合、酸化触媒3は、必ずしも必要ではない。
還元剤添加弁5は、排気通路2内の排気中に還元剤を噴射する。還元剤には、アンモニア(NH)が用いられる。なお、還元剤添加弁5は、アンモニアを噴射する代わりに、アンモニアの前駆体である尿素を噴射してもよい。還元剤添加弁5から噴射された尿素は、排気の熱またはSCR触媒6からの熱により加水分解されてアンモニアとなり、SCR触媒6に吸着する。このアンモニアは、SCR触媒6において還元剤として利用される。なお、本実施例では、還元剤添加弁5からアンモニアを噴射するものとして説明する。本実施例においては還元剤添加弁5が、本発明における供給装置に相当する。
また、SCR触媒6は、還元剤を吸着しておき、NOxが通過するときに、この吸着していた還元剤によりNOxを選択還元する。したがって、SCR触媒6に還元剤としてアンモニアを予め吸着させておけば、SCR触媒6において、NOxをアンモニアにより還元させることができる。
また、フィルタ4よりも下流で且つSCR触媒6よりも上流の排気通路2には、排気の温度を検出する上流側温度センサ11と、排気中のNOx濃度を検出する上流側NOxセンサ12と、が取り付けられている。なお、上流側温度センサ11によりフィルタ4の温度またはSCR触媒6の温度を検出することができる。また、上流側NOxセンサ12により、SCR触媒6に流入する排気中のNOx濃度を検出することができる。また、SCR触媒6よりも下流の排気通路2には、排気の温度を検出する下流側温度センサ13と、排気中のNOx濃度を検出する下流側NOxセンサ14が取り付けられている。下流側温度センサ13により、SCR触媒6の温度を検出することができる。また、下流側NOxセンサ14により、SCR触媒6から流出する排気中のNOx濃度を検出することができる。なお、後述するECU10は、内燃機関1の運転状態に基づいて、SCR触媒6の温度を推定することもできる。例えば、機関回転数、燃料噴射量、及び吸入空気量と、SCR触媒6の温度と、には相関関係があるため、これらの関係を予め実験等により求めてマップ化しておいてもよい。そして、本実施例においては上流側温度センサ11が、本発明における温度検出手段に相当する。
内燃機関1には、気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁7が設けられている。また、内燃機関1には、吸気通路8が接続されている。吸気通路8の途中には、内燃機関1の吸入空気量を調整するスロットル9が設けられている。また、スロットル9よりも上流の吸気通路8には、内燃機関1の吸入空気量を検出するエアフローメータ15が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御
ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1を制御する。また、ECU10には、上記センサの他、運転者がアクセルペダル16を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検知するアクセル開度センサ17、および機関回転数を検知するクランクポジションセンサ18が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU10に入力される。一方、ECU10には、還元剤添加弁5、燃料噴射弁7、スロットル9が電気配線を介して接続されており、該ECU10によりこれらの機器が制御される。
そして、ECU10は、還元剤添加弁5を制御することによりSCR触媒6に対してアンモニアを供給する。ここで、排気温度が低いときには、還元剤添加弁5から噴射されるアンモニアと、排気中に含まれるNOと、から硝酸アンモニウム(NHNO)が生成される。この硝酸アンモニウムによってSCR触媒6が被毒すると、NOxの浄化性能が低下してしまう。また、硝酸アンモニウムは温度が高くなると熱分解して、NOとHOとが生成される。このNOは、温室効果ガスとして知られているため、大気中への排出量を低減することが好ましい。したがって、硝酸アンモニウムの生成量を低減することが好ましい。
そこで本実施例では、排気温度が硝酸アンモニウムが生成される温度領域内の場合には、硝酸アンモニウムが生成されないように、燃料カット時に限って還元剤添加弁5からアンモニアを添加する。すなわち、NOは燃料の燃焼によって生成されるため、燃料カット時にはNOが生成されない。そして、排気中にNOが存在しなければ、例えアンモニアが存在していたとしても、硝酸アンモニウムは生成されない。なお、硝酸アンモニウムが生成される温度領域で燃料噴射弁7から燃料が噴射されている場合には、燃料カット時にSCR触媒6に吸着させておいたアンモニアでNOxを浄化する。
図2は、本実施例に係るアンモニア添加制御のフローを示したフローチャートである。本フローチャートはECU10により所定時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、アンモニアの添加要求があるか否か判定される。例えば、SCR触媒6の温度がNOxを浄化可能な温度(例えば100℃)以上の場合には、SCR触媒6においてNOxが浄化されることによりアンモニアが消費されるため、アンモニアの添加要求があると判定される。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本フローチャートを終了させる。
ステップS102では、排気温度が、硝酸アンモニウムが生成される温度領域である所定領域内にあるか否か判定される。排気温度が例えば200℃未満の場合には、排気温度が100℃以上200℃未満ということになり、所定領域内にあると判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本フローチャートを終了させる。なお、ステップS102で否定判定がなされた場合には、別途、SCR触媒6へアンモニアを供給する制御が行われる。
ステップS103では、燃料噴射弁7からの燃料噴射量が0であるか否か判定される。本ステップS103では、内燃機関1への燃料の供給を停止する燃料カットが実施されているか否か判定される。ステップS103で肯定判定がなされた場合にはステップS104へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本フローチャートを終了させる。
ステップS104では、還元剤添加弁5から排気中へアンモニアが添加される。このときに添加するアンモニア量は、予め実験またはシミュレーション等により求めておいた所定量とする。燃料カット時には排気中にNOが含まれないため、排気中にアンモニアが存在していたとしても硝酸アンモニウムは生成されない。したがって、SCR触媒6が硝
酸アンモニウムにより被毒することを抑制できる。なお、本実施例ではECU10がステップS104を処理することにより、本発明における制御装置として機能する。
以上説明したように、本実施例によれば、排気温度が低いことにより硝酸アンモニウムが生成される虞のある場合には、燃料カット時にアンモニアを添加することにより、硝酸アンモニウムが生成されることを抑制できる。このため、SCR触媒6が硝酸アンモニウムにより被毒することを抑制できる。
<実施例2>
本実施例においては、アンモニア添加時に、SCR触媒6におけるアンモニア消費量に応じてアンモニア添加量を決定する。その他の装置等は実施例1と同じため説明を省略する。
ここで、ECU10は、SCR触媒6で消費される単位時間当たりのアンモニア量を推定する。SCR触媒6で消費される単位時間当たりのアンモニア量は、SCR触媒6におけるNOx浄化率と、内燃機関1の単位時間当たりの吸入空気量と、SCR触媒6に流れ込む排気中のNOx濃度と、に関連しているため、これらの値に基づいて算出することができる。内燃機関1の単位時間当たりの吸入空気量は、エアフローメータ15により検出することができる。SCR触媒6に流れ込む排気中のNOx濃度は、上流側NOxセンサ12により検出することができる。
NOx浄化率は、SCR触媒6に流入する排気中のNOxの量(NOx濃度としてもよい。)に対する、SCR触媒6において浄化されるNOxの量である。NOx浄化率は、上流側NOxセンサ12及び下流側NOxセンサ14の検出値に基づいて算出することができる。なお、NOx浄化率は、SCR触媒6の温度と、内燃機関1の単位時間当たりの吸入空気量と、SCR触媒6におけるアンモニア吸着量と、に関連しているため、こられの値に基づいて算出することもできる。SCR触媒6で消費される単位時間当たりのアンモニア量と、SCR触媒6におけるNOx浄化率と、内燃機関1の単位時間当たりの吸入空気量と、SCR触媒6に流れ込む排気中のNOx濃度と、の関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。
以上のようにして、SCR触媒6で消費される単位時間当たりのアンモニア量を算出することができる。この値を所定期間積算することにより、所定期間におけるアンモニア消費量を算出することができる。
図3は、本実施例に係るアンモニア添加制御のフローを示したフローチャートである。本フローチャートはECU10により所定時間毎に繰り返し実行される。図2と同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。図3に示したフローチャートでは、ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS201へ進む。
ステップS201では、添加残量がリセットされる。添加残量は、SCR触媒6へ要求されるアンモニア添加量のうち、まだ添加されていないアンモニアの量である。添加残量は、後述するステップS210において算出される。本ステップS201では、添加残量が0となるようにリセットされる。本ステップS201では、前回に本フローチャートが実行されたときに算出された添加残量をリセットしている。
ステップS202では、アンモニア消費量が算出される。このアンモニア消費量は、前回のアンモニア添加実施終了時点から今回のアンモニア添加開始時点までの期間(添加インターバル)において、NOx浄化のために消費されたアンモニア量である。ECU10
は、添加インターバルにおいてSCR触媒6で消費される単位時間当たりのアンモニア量を積算することにより、添加インターバルにおけるアンモニア消費量を算出する。ECU10は、単位時間当たりのアンモニア消費量を常時算出しており、その算出結果を記憶している。本ステップS201では、ECU10に記憶されている単位時間当たりのアンモニア消費量を積算することにより、添加インターバルにおけるアンモニア消費量を算出する。
ステップS203では、添加目標量が算出される。添加目標量は、今回のアンモニア添加において還元剤添加弁5から添加させるアンモニア量の目標値である。添加目標量は、ステップS202で算出されるアンモニア消費量と、後述するステップS210で算出される添加残量と、の総量である。なお、添加残量の初期値は0である。
ステップS204では、添加残量がリセットされる。また、ステップS205では、燃料噴射弁7からの燃料噴射量が0であるか否か判定される。すなわち、ステップS205では、燃料カットが実施されているか否か判定される。ステップS205で肯定判定がなされた場合にはステップS206へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS202へ戻る。すなわち、燃料噴射量が0になるまでの間は、ステップS202において算出されるアンモニア消費量に基づいて、ステップS203において添加目標量が更新されていく。
ステップS206では、還元剤添加弁5からのアンモニア添加が開始される。ステップS207では、実添加量が算出される。実添加量は、還元剤添加弁5から実際に添加されたアンモニア量である。実添加量は、還元剤添加弁5の開弁時間と相関することから、還元剤添加弁5の開弁時間に基づいて求めることができる。実添加量と還元剤添加弁5の開弁時間との関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。なお、本実施例ではECU10がステップS206を処理することにより、本発明における制御装置として機能する。
ステップS208では、燃料噴射弁7からの燃料噴射量が0であるか否か判定される。すなわち、燃料カットが実施されているか否か判定される。ステップS208で肯定判定がなされた場合にはステップS209へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS210へ進む。
ステップS210では、アンモニア添加が終了される。すなわち、アンモニア添加の途中ではあるが、燃料噴射が再開されたため、アンモニアの添加を一旦終了させる。そして、ステップS211において添加残量が算出される。添加残量は、ステップS203で算出される添加目標量から、ステップS207で算出される実添加量を減算することにより算出される。この添加残量は、次回のアンモニア添加時に、添加インターバルにおけるアンモニア消費量に合わせて、還元剤添加弁5から添加される。ステップS211の処理が終了するとステップS202へ戻る。すなわち、アンモニア添加の途中で燃料噴射が再開された場合には、ステップS211で算出される添加残量を、次回のアンモニア添加時にステップS202で算出されるアンモニア消費量に合わせて添加するようにしている。ステップS211で算出される添加残量は、ステップS203で添加目標量を算出するときに、アンモニア消費量に加算される。
一方、ステップS209では、ステップS207で算出される実添加量が、ステップS203で算出された添加目標量以上になったか否か判定される。すなわち、SCR触媒6に十分な量のアンモニアが供給されたか否か判定している。ステップS209で肯定判定がなされた場合にはステップS212へ進んでアンモニアの添加が終了される。一方、ステップS209で否定判定がなされた場合にはステップS207へ戻り、アンモニアの添
加が継続される。
以上説明したように、本実施例によれば、アンモニア消費量に応じて還元剤添加弁5から添加するアンモニア量を調整するため、アンモニア添加量に過不足が生じることを抑制できる。
<実施例3>
本実施例においては、アンモニア添加時に、SCR触媒6におけるアンモニア消費量と、SCR触媒6に吸着可能なアンモニアの最大量(以下、最大アンモニア吸着量ともいう。)に応じてアンモニア添加量を決定する。その他の装置等は実施例1と同じため説明を省略する。
本実施例に係るECU10は、SCR触媒6におけるアンモニアの吸着量を推定している。本実施例では、SCR触媒6におけるアンモニア吸着量の単位時間当たりの変化量を積算することにより、SCR触媒6に吸着されている実際のアンモニア量(以下、実アンモニア吸着量ともいう。)を推定する。SCR触媒6におけるアンモニア吸着量の単位時間当たりの変化量は、アンモニア吸着量の単位時間当たりの増加量から単位時間当たりの減少量を減算することにより求めることができる。SCR触媒6におけるアンモニア吸着量の単位時間当たりの増加量は、還元剤添加弁5から添加される単位時間当たりのアンモニア量とすることができる。また、SCR触媒6におけるアンモニア吸着量の単位時間当たりの減少量は、SCR触媒6で消費される単位時間当たりのアンモニア量、及び、SCR触媒6から脱離する単位時間当たりのアンモニア量とすることができる。そして、SCR触媒6におけるアンモニア吸着量の単位時間当たりの変化量を積算することにより、現時点におけるアンモニア吸着量を算出する。
還元剤添加弁5から添加される単位時間当たりのアンモニア量は予め知ることができる。SCR触媒6で消費される単位時間当たりのアンモニア量は、実施例2で説明した。また、SCR触媒6から脱離する単位時間当たりのアンモニア量は、SCR触媒6から流れ出る排気中のアンモニア濃度、及び、内燃機関1の単位時間当たりの吸入空気量と、関連しているため、これらの値に基づいて算出することができる。SCR触媒6から流れ出る排気中のアンモニア濃度は、SCR触媒6の温度と、SCR触媒6におけるアンモニア吸着量とに関連しているため、これらの値に基づいて算出することができる。SCR触媒6におけるアンモニア吸着量は、前回算出された値を用いる。SCR触媒6から流れ出る排気中のアンモニア濃度は、アンモニア吸着量が多くなるほど、または、SCR触媒6の温度が高くなるほど、高くなる。この関係にしたがって、SCR触媒6から流れ出る排気中のアンモニア濃度を求めることができる。この関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。これらの関係を予めマップ化しておいてもよい。
以上のようにして、SCR触媒6におけるアンモニア吸着量の単位時間当たりの変化量を算出することができる。この値を積算することにより現時点におけるアンモニア吸着量を算出することができる。なお、ECU10の演算周期毎にアンモニア吸着量の変化量を算出し、この変化量を積算することで、現時点におけるアンモニア吸着量を算出することもできる。
ここで、最大アンモニア吸着量は、SCR触媒6の温度に応じて変化する。そして、実アンモニア吸着量が最大アンモニア吸着量に達した場合には、アンモニアを添加してもSCR触媒6に吸着されずに該SCR触媒6を通り抜けてしまうため、アンモニア添加を継続するとアンモニアが無駄になってしまう。一方、実アンモニア吸着量が最大アンモニア吸着量と等しい状態までアンモニア添加を実施することにより、NOx浄化率を高くすることができる。このため本実施例では、実アンモニア吸着量が最大アンモニア吸着量とな
るように、最大アンモニア吸着量と実アンモニア吸着量との差をアンモニア添加量としている。
図4は、本実施例に係るアンモニア添加制御のフローを示したフローチャートである。本フローチャートはECU10により所定時間毎に繰り返し実行される。図2または図3と同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。図4に示したフローチャートでは、ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS301へ進む。
ステップS301では、実添加量がリセットされる。この実添加量は、ステップS207において算出される。本ステップS301では、実添加量が0となるようにリセットされる。ステップS302では、SCR触媒6のアンモニア吸着量が読み込まれる。アンモニア吸着量は、前述のようにECU10が随時推定しているので、この値が読み込まれる。
ステップS303では、SCR触媒6の温度が読み込まれる。SCR触媒6の温度は、上流側温度センサ11または下流側温度センサ13の検出値から得る。なお、ECU10は、内燃機関1の運転状態に基づいて、SCR触媒6の温度を推定することもできる。
ステップS304では、最大アンモニア吸着量が算出される。最大アンモニア吸着量は、SCR触媒6の温度と相関するため、最大アンモニア吸着量とSCR触媒6の温度との関係を予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。ECU10は、ステップS303で読み込まれたSCR触媒6の温度と、予め得ておいた最大アンモニア吸着量とSCR触媒6の温度との関係と、に基づいて最大アンモニア吸着量を算出する。
ステップS305では、SCR触媒6に吸着されているアンモニアの残量である吸着残量が算出される。吸着残量は、ステップS302で読み込まれるアンモニア吸着量から、ステップS202で算出されるアンモニア消費量を減算し、さらに、さらにステップS207で算出される実添加量を加算することにより算出される。なお、実添加量の初期値は0である。
ステップS306では、添加目標量が算出される。添加目標量は、ステップS304で算出される最大アンモニア吸着量からステップS305で算出される吸着残量を減算することにより算出される。すなわち、現時点のアンモニア吸着量から最大アンモニア吸着量に達するまでに必要なアンモニア添加量として、添加目標量が算出される。そして、ステップS307では、実添加量が0となるようにリセットされる。そして、ステップS206でアンモニア添加が開始され、燃料カット中に、ステップS209で実添加量が添加目標値以上になると判定されるまで、アンモニア添加が実施される。
このようにして、添加目標量にしたがってアンモニア添加を実施することにより、実アンモニア吸着量を最大アンモニア吸着量まで増加させることができる。したがって、NOx浄化率を高めることができると共に、アンモニアがSCR触媒6を通り抜けることを抑制できる。
1 内燃機関
2 排気通路
3 酸化触媒
4 フィルタ
5 還元剤添加弁
6 選択還元型NOx触媒(SCR触媒)
7 燃料噴射弁
8 吸気通路
9 スロットル
10 ECU
11 上流側温度センサ
12 上流側NOxセンサ
13 下流側温度センサ
14 下流側NOxセンサ
15 エアフローメータ
16 アクセルペダル
17 アクセル開度センサ
18 クランクポジションセンサ

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられアンモニアを還元剤としてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
    前記選択還元型NOx触媒へアンモニアを供給する供給装置と、
    排気の温度を測定または推定する温度検出手段と、
    を備える内燃機関の排気浄化装置において、
    前記温度検出手段によって検出される排気の温度が、アンモニアとNOとから硝酸アンモニウムが生成される所定領域内の場合には、前記内燃機関の燃料カット時に限り前記供給装置からアンモニアを供給させる制御装置を備える内燃機関の排気浄化装置。
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