JP2018025122A - ターボチャージャ内の圧力調整機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブローバイガスの漏出を生じることなく、エンジン停止時にターボチャージャのオイルキャッチタンク内の圧力を的確に調整して潤滑油の排気管や吸気ダクトへの漏出を的確に防止することが可能なターボチャージャ内の圧力調整機構を提供する。【解決手段】ターボチャージャ内の圧力調整機構は、コンプレッサホイール12とタービンホイール11とを連結するシャフト13や軸受14を収容するベアリングハウジング40と、潤滑油Oを回収して貯蔵するオイルキャッチタンク16とを備えるターボチャージャ10と、オイルキャッチタンク16の内部空間Aとコンプレッサハウジング30のスクロール室31とを連通する圧力調整路41とを備え、圧力調整路41は、オイルキャッチタンク16の内部空間Aとスクロール室31内に向けてそれぞれ開口し、コンプレッサハウジング30内およびベアリングハウジング40内に形成された通気路として形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、ターボチャージャ内の圧力調整機構に関する。
車両に搭載されるターボチャージャ10(図5や図6参照)は、両端にタービンホイール11とコンプレッサホイール12とが連結されたシャフト13が高速で回転するため、シャフト13の軸受14等に潤滑油Oを供給して潤滑することが必要になる(例えば特許文献1、2等参照)。そのため、例えば図示しないオイルポンプでエンジン1のオイルパン2から吸い上げられた潤滑油Oを、供給路3を通ってターボチャージャ10の上方からその内部に供給してシャフト13と軸受14等を潤滑するように構成される。
そして、シャフト13と軸受14等に供給された潤滑油Oは、ターボチャージャ10の内部の流路15を通って下方に流れていく。その際、ターボチャージャ10がエンジン1のオイルパン2よりも上方にあれば、ターボチャージャ10内を流下した潤滑油Oは、そのまま自然落下させることでオイルパン2に戻すことができる。
しかし、ターボチャージャ10がエンジン1のオイルパン2よりも下方にある場合のように、潤滑油Oを自然落下でオイルパン2に戻すことができない場合には、ターボチャージャ10内を流下した潤滑油Oを自然落下でオイルパン2に戻すことができない。
そのため、例えば、ターボチャージャ10の下方にオイルキャッチタンク16を設け、流下してきた潤滑油Oをオイルキャッチタンク16に回収して貯蔵する。そして、オイルキャッチタンク16内の潤滑油Oを排出用ポンプ(スカベンジポンプ)17で吸い上げてオイルキャッチタンク16から強制的に排出し、排出路18を通してエンジン1内に戻すように構成される場合がある。この場合、潤滑油Oは、エンジン1内を通ってオイルパン2に戻る。
ところで、エンジン1が作動し、車両が走行してオイルキャッチタンク16が振動するとオイルキャッチタンク16内の潤滑油Oが波立ったり、また、車両の加速度でオイルキャッチタンク16内の潤滑油Oが前後左右に動いたりするため、オイルキャッチタンク16内の潤滑油Oが気泡を含む状態になる場合がある。
そして、このように気泡を含んだり波立ったり前後左右に偏ったりする潤滑油Oをオイルキャッチタンク16内から的確に排出するために、排出能力が高い排出用ポンプ17を使用することが必要になる。そのため、オイルポンプがエンジン1のオイルパン2から潤滑油Oを吸い上げて供給路3を介してターボチャージャ10内に供給する能力よりも排出用ポンプ17の排出能力の方が高くなるため、ターボチャージャ10の稼働中すなわちエンジン1が作動している間は、オイルキャッチタンク16内が負圧になる。
そして、この状態でエンジン1が停止されると、オイルポンプも排出用ポンプ17も停止するが、オイルキャッチタンク16内が負圧になっているため、供給路3内に残存する潤滑油Oがオイルキャッチタンク16側に引き込まれる。そのため、潤滑油Oの量がオイルキャッチタンク16の貯蔵容量を越えてしまい(すなわちオーバーフローしてしまい)、潤滑油Oがターボチャージャ10内の流路15内に溜まり、シャフト13や軸受14等が油没するとともに、潤滑油Oが軸受シール部から排気管4や吸気ダクト5に漏れ出してしまう。
そこで、従来は、例えば図5に示すように、エンジン1のシリンダヘッドやクランクケース等とオイルキャッチタンク16とを圧力調整路19で連通し、エンジン1が停止した際に、圧力調整路19を介してエンジン1内のブローバイガスをオイルキャッチタンク16に供給してオイルキャッチタンク16内の圧力を大気圧にするように構成される場合があった。
そして、このようにしてエンジン停止時にオイルキャッチタンク16側と潤滑油Oの供給路3側との圧力のバランスをとるように構成すれば、上記のようにオイルキャッチタンク16内の負圧で供給路3内の潤滑油Oがオイルキャッチタンク16側に引き込まれる問題が生じることを防止することができる。
しかし、エンジン1のシリンダヘッドやクランクケース内では、潤滑油Oがミスト状になっていたりオイル溜まりがあったりするため、圧力調整路19をエンジン1の高い位置に取り付ける必要があるが、上記のようにターボチャージャ10がエンジン1のオイルパン2よりも下方にあると、それらを連通する圧力調整路19が上下に長くなる。
そして、圧力調整路19が長くなるほど損傷を受ける可能性が高くなり、圧力調整路19の損傷によりブローバイガスが漏れ出る等の問題が生じ得る。また、ブローバイガスを大気中に排出したり漏れ出したりすることは日本でも欧米でも厳しく規制されており、上記の従来の構成を採用する場合には、圧力調整路19からのブローバイガスの漏出を検知するための装置等を新たに設けることが必要になる。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ブローバイガスの漏出を生じることなく、エンジン停止時にターボチャージャのオイルキャッチタンク内の圧力を的確に調整して潤滑油の排気管や吸気ダクトへの漏出を的確に防止することが可能なターボチャージャ内の圧力調整機構を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ターボチャージャ内の圧力調整機構において、
コンプレッサホイールを収容するコンプレッサハウジングと、
タービンホイールを収容するタービンハウジングと、
前記コンプレッサホイールと前記タービンホイールとを連結するシャフトおよび軸受を収容するベアリングハウジングと、
少なくとも前記軸受に供給された潤滑油を回収して貯蔵するオイルキャッチタンクと、
を備えるターボチャージャと、
前記オイルキャッチタンクの内部空間と前記コンプレッサハウジングのスクロール室とを連通する圧力調整路と、
を備え、
前記圧力調整路は、前記内部空間と前記スクロール室内に向けてそれぞれ開口し、前記コンプレッサハウジング内および前記ベアリングハウジング内に形成された通気路として形成されていることを特徴とする。
コンプレッサホイールを収容するコンプレッサハウジングと、
タービンホイールを収容するタービンハウジングと、
前記コンプレッサホイールと前記タービンホイールとを連結するシャフトおよび軸受を収容するベアリングハウジングと、
少なくとも前記軸受に供給された潤滑油を回収して貯蔵するオイルキャッチタンクと、
を備えるターボチャージャと、
前記オイルキャッチタンクの内部空間と前記コンプレッサハウジングのスクロール室とを連通する圧力調整路と、
を備え、
前記圧力調整路は、前記内部空間と前記スクロール室内に向けてそれぞれ開口し、前記コンプレッサハウジング内および前記ベアリングハウジング内に形成された通気路として形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のターボチャージャ内の圧力調整機構において、前記圧力調整路に、エンジン作動時に、当該圧力調整路を流れる空気の流量を調整するための弁、または、当該圧力調整路を閉鎖するための弁が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のターボチャージャ内の圧力調整機構において、前記圧力調整路は、前記ターボチャージャの稼働時に圧力が高くなる前記スクロール室内の位置に開口部が設けられていることを特徴とする。
本発明のターボチャージャ内の圧力調整機構によれば、ブローバイガスの漏出を生じることなく、エンジン停止時にターボチャージャのオイルキャッチタンク内の圧力を的確に調整して潤滑油の排気管や吸気ダクトへの漏出を的確に防止することが可能となる。
以下、本発明に係るターボチャージャ内の圧力調整機構の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、エンジン1が後述する図1に示すように水平対向型である場合について説明するが、本発明は、直列型やV型等のエンジンについても適用することが可能である。
[構成]
図1は、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構が組み込まれたターボチャージャやエンジン等の部分の構成を表す概略図であり、図2は、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構の構成を表す概略断面図である。
図1は、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構が組み込まれたターボチャージャやエンジン等の部分の構成を表す概略図であり、図2は、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構の構成を表す概略断面図である。
図1に示すように、吸気管6に吸気された空気が、ターボチャージャ10で過給され、インタークーラ7で冷却された後、エンジン1に供給される。なお、図1では図示が省略されているが、エンジン1がガソリンエンジンであれば、燃料(ガソリン)が吸気ポートに噴射されたりシリンダ内に直接噴射される。また、エンジン1がディーゼルエンジンであれば、燃料(軽油)がシリンダ内に噴射される。そして、エンジン1から排気された排気ガスが、ターボチャージャ10や排気管4を通り、図示しない触媒で浄化された後、排気される。
そして、図1や図2に示すように、本実施形態においても、図示しないオイルポンプでエンジン1のオイルパン2から吸い上げられた潤滑油Oが、供給路3を通ってターボチャージャ10の上方から供給されるようになっている。そして、供給された潤滑油Oは、ターボチャージャ10内(すなわち後述するベアリングハウジング40内)の流路15を通り、シャフト13と軸受14等を潤滑するようになっている。
また、後述するように、本実施形態でも、ターボチャージャ10はオイルキャッチタンク16を備えており、上記のようにシャフト13や軸受14等を潤滑する等した潤滑油Oは、流路15を流下してオイルキャッチタンク16に回収されて貯蔵される。そして、エンジン1とターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16とを連通する排出路18が設けられており、ターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16に貯蔵された潤滑油Oは、排出用ポンプ17で吸い上げてオイルキャッチタンク16から強制的に排出し、排出路18を通してエンジン1内に戻し、オイルパン2に戻すようになっている。
なお、オイルポンプがエンジン1のオイルパン2から潤滑油Oを吸い上げて供給路3を介してターボチャージャ10内に供給する能力よりも排出用ポンプ17の排出能力の方が高くなるため、ターボチャージャ10の稼働中すなわちエンジン1の作動中に、オイルキャッチタンク16内が負圧になる点は、本実施形態においても前述した従来の場合を同様である。
しかし、本実施形態では、従来の場合とは異なり、エンジン1のシリンダヘッドやクランクケース等とターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16とを連通する圧力調整路19(図5参照)は設けられていない。
一方、本実施形態では、図2に示すように、ターボチャージャ10は、タービンホイール11を収容するタービンハウジング20と、コンプレッサホイール12を収容するコンプレッサハウジング30と、タービンホイール11とコンプレッサホイール12とを連結するシャフト13およびその軸受14を収容するベアリングハウジング40とを備えている。タービンハウジング20とベアリングハウジング40とコンプレッサハウジング30とは互いに連結されている。
そして、前述したように、ベアリングハウジング40内には、供給路3を介して供給された潤滑油Oをシャフト14や軸受14等に供給する流路15が設けられており、流路15はベアリングハウジング40の下方に開口している。そして、ベアリングハウジング40の下方には、オイルキャッチタンク15が配設されており、ベアリングハウジング40の流路15を流れ出た潤滑油Oは、オイルキャッチタンク16に流下して回収、貯蔵されるようになっている。
また、コンプレッサハウジング30には、コンプレッサホイール12の周囲に渦巻き状のスクロール室31が配設されている。そして、コンプレッサホイール12は、エンジン1から排気された排気ガスによりタービンホイール11が駆動されるとそれと一体的に回転し、吸気ダクト5内の空気を吸入して圧縮し、スクロール室31に吐出してインタークーラ7(図1参照)に送るようになっている。
そして、本実施形態では、ターボチャージャ10には、オイルキャッチタンク16の内部空間Aとコンプレッサハウジング30のスクロール室31とを連通する圧力調整路41が設けられている。
すなわち、圧力調整路41は、オイルキャッチタンク16の内部空間Aに向けて開口する開口部41Aと、コンプレッサハウジング30のスクロール室31内に向けて開口する開口部41Bとを有している。そして、圧力調整路41は、コンプレッサハウジング30の壁面内に穿設された通路と、ベアリングハウジング40の壁面内に穿設された通路とが、コンプレッサハウジング30とベアリングハウジング40との接続部分で接続され、開口部41A、41Bとを結ぶ1本の管状の通気路として形成されている。
なお、図2では、圧力調整路41が、コンプレッサハウジング30やベアリングハウジング40の壁面内に穿設されて形成されている場合が示されているが、例えば図3に示すように、圧力調整路41の一部をベアリングハウジング40の流路15内に形成するように構成することも可能である。
[作用]
次に、本実施形態に係るターボチャージャ10内の圧力調整機構の作用について説明する。
次に、本実施形態に係るターボチャージャ10内の圧力調整機構の作用について説明する。
本実施形態では、オイルポンプがエンジン1のオイルパン2から潤滑油Oを吸い上げて供給路3を介してターボチャージャ10内に供給する能力よりも排出用ポンプ17(図1参照)の排出能力の方が高いため、エンジン1の作動中すなわちターボチャージャ10の稼働中は、オイルキャッチタンク16内が負圧になる。
そして、この状態でエンジン1が停止されると、図2に示したように、オイルキャッチタンク16内の負圧により、コンプレッサハウジング30のスクロール室31内の空気が圧力調整路41を介してオイルキャッチタンク16内に流入する。そのため、オイルキャッチタンク16内の圧力は速やかに大気圧になる。
一方、エンジン1が停止すると、エンジン1(図1参照)のクランクケースやシリンダヘッド内等が負圧であれば、エンジン1のクランクケースと吸気管6とを結ぶ図示しない流路を介してエンジン1のクランクケースやシリンダヘッド内に空気が流入するため、エンジン1のクランクケースやシリンダヘッド内も速やかに大気圧になる。
そのため、供給路3内に残存する潤滑油Oに対して、エンジン1のクランクケース等からかかる圧力(大気圧)と、ターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16からかかる圧力(大気圧)とが同じになる。そのため、供給路3内に残存している潤滑油Oがターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16側に引き込まれることがない。また、供給路3内に残存する潤滑油Oがオイルキャッチタンク16に引き込まれるとしても、その量をごく僅かに抑えることが可能となる。
そのため、本実施形態では、エンジン停止後に、供給路3内に残存する潤滑油Oがオイルキャッチタンク16に流れ込んでオイルキャッチタンク16がオーバーフローしてしまい、潤滑油Oでターボチャージャ10のシャフト13や軸受14等が油没したり、潤滑油Oがシール部から排気管4や吸気ダクト5に漏れ出してしまうような事態が生じることを的確に防止することが可能となる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構によれば、エンジン停止時にターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16内の圧力を上げるために、従来のようにブローバイガスを用いることはなく、コンプレッサハウジング30のスクロール室31内の空気を用いる。そのため、従来のようなブローバイガスの大気中への漏出等の問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構によれば、エンジン停止時にターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16内の圧力を上げるために、従来のようにブローバイガスを用いることはなく、コンプレッサハウジング30のスクロール室31内の空気を用いる。そのため、従来のようなブローバイガスの大気中への漏出等の問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、本実施形態では、上記のようにコンプレッサハウジング30のスクロール室31内の空気をオイルキャッチタンク16に送る圧力調整路41が、コンプレッサハウジング30内やベアリングハウジング40内に形成されており、それらの外側、すなわちターボチャージャ10の外側に露出していない。そのため、圧力調整路41からのブローバイガスの漏出を検知するための装置等を新たに設ける必要がない。
そして、本実施形態においても、エンジン1の作動中はターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16内が負圧になるが、その状態でエンジン1が停止されると、オイルキャッチタンク16内の負圧により、コンプレッサハウジング30のスクロール室31内の空気が圧力調整路41を介してオイルキャッチタンク16内に流入する。そのため、オイルキャッチタンク16内の圧力は速やかに大気圧になる。
このように、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構によれば、エンジン停止時にターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16内の圧力が的確に調整されて速やかに大気圧になるため、供給路3内に残存している潤滑油Oがターボチャージャ10のオイルキャッチタンク16側に引き込まれることがなく、或いは、供給路3内に残存する潤滑油Oがオイルキャッチタンク16に引き込まれるとしても、その量をごく僅かに抑えることが可能となる。そのため、オイルキャッチタンク16がオーバーフローして潤滑油Oが排気管4や吸気ダクト5に漏出することを的確に防止することが可能となる。
また、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構では、このように構造がコンパクトになり、上記のように圧力調整路41からのブローバイガスの漏出を検知するための装置等を新たに設ける必要もないため、部品点数を減らすことが可能となる。そのため、エンジン1の軽量化を図ることが可能となるとともにコストアップを抑制することが可能となるといったメリットもある。
なお、本発明は、ターボチャージャ10がオイルキャッチタンク16を備えており、オイルキャッチタンク16に回収された潤滑油Oを排出用ポンプ17(図1参照)で強制的に排出させるように構成されているターボチャージャ10であれば適用可能であり、必ずしもターボチャージャ10がエンジン1のオイルパン2よりも下方に設けられている場合に限定されない。
また、本実施形態では、上記のように圧力調整路41を設けたことで、オイルキャッチタンク16とコンプレッサハウジング30のスクロール室31とが連通される。そのため、ターボチャージャ10の稼働中すなわちエンジン1の作動中に、コンプレッサホイール12により圧縮された空気がインタークーラ7側だけでなく、その一部がオイルキャッチタンク16にも流入する状態になるため、圧力調整路41を設けない場合に比べてオイルキャッチタンク16内の圧力が高くなる。
エンジン1の作動中は、排気ガスのガス圧でターボチャージャ10のタービンハウジング20内の圧力がオイルキャッチタンク16内の圧力よりも高くなるため、タービンハウジング20内の排気ガスがシール部を通ってオイルキャッチタンク16に流入する場合がある。しかし、本実施形態では、上記のように、コンプレッサハウジング30のスクロール室31から圧力調整路41を通って空気がオイルキャッチタンク16内に流入してオイルキャッチタンク16内の圧力が高くなるため、タービンハウジング20内からオイルキャッチタンク16に排気ガスが流入しにくくなるといったメリットがある。
[変形例]
しかし、上記のように、コンプレッサハウジング30のスクロール室31内の空気の一部が圧力調整路41を通ってオイルキャッチタンク16に流入すると、その分、ターボチャージャ10からインタークーラ7に送られる圧縮された空気の量が減る。そのため、図3に示すように、圧力調整路41に、エンジン作動時に、圧力調整路41を流れる空気の流量を調整するための弁42、或いは圧力調整路41を閉鎖するための弁42を設けるように構成することが可能である。
しかし、上記のように、コンプレッサハウジング30のスクロール室31内の空気の一部が圧力調整路41を通ってオイルキャッチタンク16に流入すると、その分、ターボチャージャ10からインタークーラ7に送られる圧縮された空気の量が減る。そのため、図3に示すように、圧力調整路41に、エンジン作動時に、圧力調整路41を流れる空気の流量を調整するための弁42、或いは圧力調整路41を閉鎖するための弁42を設けるように構成することが可能である。
このように構成すれば、例えばエンジン作動時に弁42で圧力調整路41を流れる空気の流量を調整して、ターボチャージャ10からインタークーラ7に圧縮された空気をできるだけ多く送るとともに、コンプレッサハウジング30のスクロール室31内の空気の一部をオイルキャッチタンク16に流入させてオイルキャッチタンク16内の圧力を上げて、タービンハウジング20から排気ガスが流入しにくい状態を作り出すことが可能となる。
また、例えばエンジン1の作動中に、タービンハウジング20からオイルキャッチタンク16内への排気ガスの流入がない、或いは問題がない程度にしか流入しないような場合には、エンジン作動時に弁42を閉じて圧力調整路41を閉鎖することで、ターボチャージャ10からインタークーラ7に圧縮された空気を漏れなく送ることが可能となる。
なお、この場合、弁42は圧力調整路41のいずれかの箇所に設けられ、例えば図3に示したようにスクロール室31への開口部41Bに設けることが可能であり、或いはコンプレッサハウジング30とベアリングハウジング40との接続部分や、オイルキャッチタンク16への開口部41A等に設けることも可能である。そして、例えば、弁42を電磁弁で構成し、図示しないECU(Electric Control Unit)で弁42の開閉を制御するように構成することも可能である。
一方、本実施形態に係るターボチャージャ内の圧力調整機構は、上記のようにコンプレッサハウジング30のスクロール室31内からオイルキャッチタンク16内に空気を送ってオイルキャッチタンク16内の圧力を調整するものである。そして、スクロール室31内のできるだけ圧力が高い所から空気をオイルキャッチタンク16に送るように構成すれば、エンジン停止時にスクロール室31内からオイルキャッチタンク16内に的確に空気を送ることが可能となる。
そのため、図4に示すように、コンプレッサハウジング30のスクロール室31のうち、ターボチャージャ10の稼働時に最も圧力が高くなるスクロール室31内の位置Bを予め割り出し、その位置に圧力調整路41の開口部41Bを設けるように構成することが可能である。
このように構成すれば、少なくともエンジン停止時にコンプレッサハウジング30のスクロール室31内からオイルキャッチタンク16内に確実に空気を送ることが可能となり、オイルキャッチタンク16内の圧力を的確に調整することが可能となる。
なお、本発明が上記の実施形態等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
10 ターボチャージャ
11 タービンホイール
12 コンプレッサホイール
13 シャフト
14 軸受
16 オイルキャッチタンク
20 タービンハウジング
30 コンプレッサハウジング
31 スクロール室
40 ベアリングハウジング
41 圧力調整路
41B 開口部
42 弁
A 内部空間
B 最も圧力が高くなるスクロール室内の位置
O 潤滑油
11 タービンホイール
12 コンプレッサホイール
13 シャフト
14 軸受
16 オイルキャッチタンク
20 タービンハウジング
30 コンプレッサハウジング
31 スクロール室
40 ベアリングハウジング
41 圧力調整路
41B 開口部
42 弁
A 内部空間
B 最も圧力が高くなるスクロール室内の位置
O 潤滑油
Claims (3)
- コンプレッサホイールを収容するコンプレッサハウジングと、
タービンホイールを収容するタービンハウジングと、
前記コンプレッサホイールと前記タービンホイールとを連結するシャフトおよび軸受を収容するベアリングハウジングと、
少なくとも前記軸受に供給された潤滑油を回収して貯蔵するオイルキャッチタンクと、
を備えるターボチャージャと、
前記オイルキャッチタンクの内部空間と前記コンプレッサハウジングのスクロール室とを連通する圧力調整路と、
を備え、
前記圧力調整路は、前記内部空間と前記スクロール室内に向けてそれぞれ開口し、前記コンプレッサハウジング内および前記ベアリングハウジング内に形成された通気路として形成されていることを特徴とするターボチャージャ内の圧力調整機構。 - 前記圧力調整路に、エンジン作動時に、当該圧力調整路を流れる空気の流量を調整するための弁、または、当該圧力調整路を閉鎖するための弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ内の圧力調整機構。
- 前記圧力調整路は、前記ターボチャージャの稼働時に最も圧力が高くなる前記スクロール室内の位置に開口部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のターボチャージャ内の圧力調整機構。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2019082365A1 (ja) * | 2017-10-26 | 2019-11-14 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | ターボチャージャ |
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2016
- 2016-08-09 JP JP2016156102A patent/JP2018025122A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019082365A1 (ja) * | 2017-10-26 | 2019-11-14 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | ターボチャージャ |
US10961904B2 (en) | 2017-10-26 | 2021-03-30 | Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd. | Turbocharger |
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