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JP2018011393A - ギアードモータ - Google Patents

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JP2018011393A
JP2018011393A JP2016137394A JP2016137394A JP2018011393A JP 2018011393 A JP2018011393 A JP 2018011393A JP 2016137394 A JP2016137394 A JP 2016137394A JP 2016137394 A JP2016137394 A JP 2016137394A JP 2018011393 A JP2018011393 A JP 2018011393A
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顕一 保科
Kenichi Hoshina
顕一 保科
勇太 大島
Yuta Oshima
勇太 大島
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Abstract

【課題】大きな減速比を得ることができ、且つ、軸線方向の小型化を図ることができるギアードモータを提案すること。
【解決手段】ギアードモータ1は、ステータ6と、ステータ6の内周側に配置されるロータ5と、を備えるモータ部9と、モータ部9の回転が入力される減速機構部8と、減速機構部8を介してモータ部9の回転が伝達される出力軸3と、を有し、モータ部9は、ロータ5の内周側に配置される不思議遊星歯車機構7を備え、減速機構部8は、2段の遊星歯車機構(第1遊星歯車機構40、第2遊星歯車機構50)を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロータの回転を出力軸に伝達する減速機構を内蔵するギアードモータに関する。
被駆動部材を駆動するアクチュエータとして、ロータと出力軸の間に減速機構を組み込んだギアードモータが用いられている。ロータ径を大きくすることができない場合、トルクの大きなギアードモータを得るために、遊星歯車機構などの減速比が大きい減速機構を用いることができる。特許文献1には、複数段の遊星歯車機構を用いてモータの回転を減速して出力軸に伝達する遊星ギヤ装置が開示されている。
特許2014−173708号公報
特許文献1の遊星ギヤ装置は、遊星歯車機構をモータの軸線方向に複数段重ねることによって必要な減速比を得るものである。従って、減速比を大きくする場合、ギアードモータの軸線方向の寸法が増大する。よって、大きな減速比とギアードモータの軸線方向の寸法の小型化を両立することは困難である。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、大きな減速比を得ることができ、且つ、軸線方向の小型化を図ることができるギアードモータを提案することにある。
上記課題を解決するために、本発明のギアードモータは、ステータと、前記ステータの内周側に配置されるロータと、を備えるモータ部と、前記モータ部の回転が入力される減速機構部と、前記減速機構部を介して前記モータ部の回転が伝達される出力軸と、を有し、前記モータ部は、前記ロータの内周側に配置される不思議遊星歯車機構を備え、前記減速機構部は、少なくとも1段の遊星歯車機構を備えることを特徴とする。
本発明によれば、遊星歯車機構を用いた減速機構部の前段に、遊星歯車機構よりも減速比の大きい不思議遊星歯車機構を設け、この不思議遊星歯車機構をロータの内周側へ組み込んでいる。従って、ギアードモータの軸線方向の寸法を大きくすることなく、大きな減速比を得ることができる。
本発明において、前記モータ部、前記減速機構部、および前記出力軸は、同軸に配置されることが望ましい。このようにすると、ケースにロータ、ステータ、および不思議遊星歯車機構を同軸に落とし込み、しかる後に減速機構部の部品および出力軸をモータ部と同軸に落とし込んでギアードモータを組み立てることができる。従って、ギアードモータの組立作業が容易である。
本発明において、前記モータ部、前記減速機構部、および前記出力軸の中心を通る軸体を備え、前記ロータ、前記減速機構部、および前記出力軸は、前記軸体の外周面を回転の基準とすることが望ましい。このようにすると、同一の軸体を基準としてギアードモータの各部を組み付ける構造となるため、モータ部から出力軸への回転の伝達を効率良く行う
ことができる。
本発明において、前記モータ部は、前記不思議遊星歯車機構の出力要素と一体に回転する出力部材を備え、前記減速機構部は、前記遊星歯車機構の入力要素である太陽歯車を備え、前記出力部材および前記太陽歯車は、前記軸体の外周面を回転の基準とすることが望ましい。このようにすると、同一の軸体を基準としてモータ部の出力部材と減速機構部の太陽歯車を組み付ける構造となるため、出力部材と太陽歯車の中心のずれを抑制できる。よって、モータ部から減速機構部への回転の伝達を効率良く行うことができる。
本発明において、前記太陽歯車は、前記出力部材と一体に回転することが望ましい。このようにすると、モータ部の出力段と、減速機構部の入力段とが一体に回転する部材によって構成されるので、モータ部から減速機構部への回転の伝達を効率良く行うことができる。
本発明において、前記遊星歯車機構は遊星キャリアを備え、前記遊星キャリアに形成されたリブを介して、前記遊星キャリアが前記出力軸の軸線方向に位置決めされることが望ましい。このようにすると、減速機構部の組み付け精度を高めることができる。
本発明において、前記減速機構部は、トルクリミッターを備えることが望ましい。このようにすると、出力軸から入力される意図しない外力の伝達を減速機構部で遮断できる。従って、ギアードモータの破損を回避できる。
本発明において、前記減速機構部は、前記モータ部と前記出力軸との間で複数段重なる遊星歯車機構を備えることが望ましい。このようにすると、モータ部および出力軸の軸線方向と交差する方向で、ギアードモータの寸法が大型化することを回避できる。
本発明において、前記トルクリミッターは、前記減速機構部における入力段の遊星歯車機構に設けられることが望ましい。このようにすると、減速機構部においてトルクが最も小さい箇所にトルクリミッターが設けられるので、トルクリミッターのリミットトルク値を小さく設定できる。従って、トルクリミッターを小型化でき、ギアードモータを径方向で小型化できる。
本発明において、前記トルクリミッターは、前記減速機構部における最終段の遊星歯車機構に設けられることが望ましい。このようにすると、減速機構部における出力軸に近い箇所にトルクリミッターが設けられるので、出力軸とトルクリミッターとの間に介在する部品が少ない。よって、部品の寸法誤差などに起因する動作のばらつきや誤動作が少ない。
本発明において、前記モータ部および前記減速機構部が収容されるケースを有し、前記トルクリミッターは、前記遊星歯車機構の固定要素と前記ケースとの間に予め設定した摩擦力を発生させるフリクション機構であることが望ましい。このようなフリクション機構は構造が単純であるため、小型に構成できる。よって、トルクリミッターを組み込んだことによるギアードモータの寸法の増大を抑制できる。
本発明において、前記複数段の遊星歯車機構のそれぞれが、互いに別体の固定部材を備え、前記固定部材は内歯歯車を備え、前記ケースの内周側に組み付けられていることが望ましい。このようにすると、減速機構部にトルクリミッターを組み込む場合に、入力段から最終段までの所望の位置にフリクション機構を設けることができる。
本発明において、前記フリクション機構は、前記固定部材の外周面を構成する外側円筒
部と、前記内歯歯車が形成された内側円筒部との間に配置されるワイヤースプリングを備え、前記ワイヤースプリングは前記外側円筒部を外周側に付勢することが望ましい。このようなフリクション機構は、小型で組み付けが容易である。
本発明において、前記外側円筒部は、前記外側円筒部を周方向に分割するスリットを少なくとも1箇所に備えることが望ましい。このようにすると、ワイヤースプリングの付勢力によって外側円筒部を拡径させて摩擦力を発生させることができる。
本発明において、前記固定部材は、前記外側円筒部の軸線方向の端部に繋がる環状板部を備え、前記スリットは、前記環状板部の外周縁まで延在することが望ましい。このようにすると、外側円筒部を拡径させるためのワイヤースプリングの付勢力を小さくすることができるので、ワイヤースプリングを小型化できる。
本発明において、前記外側円筒部は、内周側に突出する爪部を備えることが望ましい。このようにすると、爪部と環状板部との間にワイヤースプリングを保持できるので、ワイヤースプリングが固定部材から外れることを防止できる。
前記ケースは、前記出力軸の軸線方向の一方側に配置される第1ケースと、他方側に配置される第2ケースを備え、前記第1ケースは、前記出力軸を回転可能に支持する端板部と、前記端板部から前記第2ケース側に延びる円筒部と、を備え、前記減速機構部および前記モータ部は、前記円筒部の内周面を基準として前記第1ケースに対して位置決めされていることが望ましい。このようにすると、第1ケースの内周面を基準としてモータ部および減速機構部を同軸に組み付けることができ、さらに、第1ケースによって回転可能に支持される出力軸をモータ部および減速機構部と同軸に組み付けることができる。
本発明によれば、遊星歯車機構を用いた減速機構部の前段に、遊星歯車機構よりも減速比の大きい不思議遊星歯車機構を設け、この不思議遊星歯車機構をロータの内周側へ組み込んでいる。従って、ギアードモータの軸線方向の寸法を大きくすることなく、大きな減速比を得ることができる。
本発明を適用したギアードモータの分解斜視図である。 本発明を適用したギアードモータの断面図である。 減速機構部および不思議遊星歯車機構を出力軸の側から見た分解斜視図である。 減速機構部および不思議遊星歯車機構をモータ部の側から見た分解斜視図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したギアードモータの実施形態を説明する。
(全体構成)
図1は本発明を適用したギアードモータ1の斜視図であり、図2は本発明を適用したギアードモータ1の断面図である。ギアードモータ1は、全体として略円柱状のケース2と、ケース2の一方の端面の中央から突出する出力軸3を備える。出力軸3は、ケース2と同軸に配置される。本明細書において、出力軸3の軸線方向Lの一方側と他方側のうち、ケース2から出力軸3が突出する方向を第1方向L1とし、第1方向L1と逆の方向を第2方向L2とする。
ケース2は、出力軸3が突出する第1ケース21と、第1ケース21に対して第2方向L2側に位置する第2ケース22を備える。第1ケース21は、円形の端板部211と、端板部211の外周縁に繋がる円筒部212を備える。円筒部212は、端板部211から第2方向L2に延びている。端板部211の中央には円形の開口213が形成されている。第2ケース22は、第1ケース21の端板部211と軸線方向Lに対向する端板部221と、端板部221の外周縁に繋がる円筒部222を備える。円筒部222は、端板部221から第1方向L1に延びている。図2に示すように、第1ケース21と第2ケース22は同軸に組み付けられる。第1ケース21と第2ケース22を組み付けると、第1ケース21の円筒部212の内周側に第2ケース22の円筒部222の先端部分が嵌合する。
ギアードモータ1は、ケース2内で出力軸3と同軸に配置される軸体4と、軸体4と同軸に配置されるロータ5と、ロータ5の外周側において軸体4およびロータ5と同軸に配置されるステータ6と、ロータ5の内周側に配置される不思議遊星歯車機構7と、ロータ5、ステータ6、および不思議遊星歯車機構7に対して第1方向L1側に位置する減速機構部8を備える。不思議遊星歯車機構7および減速機構部8は、全体として軸体4と同軸に構成される。
ロータ5、ステータ6、および不思議遊星歯車機構7は、ロータ5の内周側に不思議遊星歯車機構7を組み込んだモータ部9を構成する。モータ部9、減速機構部8、および出力軸3はこの順で軸線方向Lに重なって配置される。ギアードモータ1は、モータ部9、減速機構部8、および出力軸3の中心を通るように軸体4が配置され、軸体4の外周面が、ロータ5、減速機構部8、および出力軸3の回転の基準となるように構成されている。
モータ部9は、ロータ5の回転を不思議遊星歯車機構7によって減速して出力する。モータ部9の出力回転は、減速機構部8に入力される。減速機構部8の第1方向L1の端部には、減速機構部8の出力部材である遊星キャリア53が設けられている。出力軸3は、遊星キャリア53と一体に回転する。本形態では、出力軸3は遊星キャリア53と一体に形成されているが、遊星キャリア53と別体の出力軸3を遊星キャリア53に固定した構造としてもよい。減速機構部8は、モータ部9の回転を減速して出力軸3に伝達する。
軸体4の第2方向L2の端部は、第2ケース22の端板部221の中央に形成された凹部223に圧入される。一方、軸体4の第1方向L1の端部は、減速機構部8の出力部材である遊星キャリア53および出力軸3の中心に形成された軸穴31に組み付けられる。従って、出力軸3は、軸体4の外周面を基準として回転する。
(モータ部)
ステータ6は、軸線方向Lに重ねて配置されたA相のステータ組10AおよびB相のステータ組10Bを備える。A相のステータ組10Aは、ボビン11Aと、ボビン11Aに巻回されるA相のコイル12Aと、ボビン11Aの第1方向L1に配置された外ステータコア13Aと、ボビン11Aの第2方向L2に配置された内ステータコア14Aを備える。ボビン11Aおよびコイル12Aは、外ステータコア13Aと内ステータコア14Aの間に収容される。B相のステータ組10Bは、A相のステータ組10Aを軸線方向Lに逆向きにした形態をしており、ボビン11Bと、ボビン11Bに巻回されるB相のコイル12Bと、ボビン11Bの第1方向L1に配置された内ステータコア14Bと、ボビン11Bの第2方向L2に配置された外ステータコア13Bを備える。ボビン11Bおよびコイル12Bは、外ステータコア13Bと内ステータコア14Bの間に収容される。
A相のステータ組10AとB相のステータ組10Bは、内ステータコア14A、14Bが接合されることによって、全体として一体のステータ6を構成する。ボビン11A、1
1Bには端子台15が設けられ、外ステータコア13A、13Bは端子台15を覆うカバー16を備える。端子台15およびカバー16は、第2ケース22の円筒部222に形成された切り欠き部224からケース2の外部に突出する。
ロータ5は、ステータ6の内周側に配置された円筒部17と、円筒部17の外周面に固定されたマグネット18を備える。マグネット18は、S極とN極が周方向に交互に並ぶように着磁されている。マグネット18の外周面は、A相のステータ組10AとB相のステータ組10Bの内周面に形成された極歯と隙間を隔てて対向する。
(不思議遊星歯車機構)
図3は減速機構部8および不思議遊星歯車機構7を出力軸3の側から見た分解斜視図であり、図4は減速機構部8および不思議遊星歯車機構7をモータ部9の側から見た分解斜視図である。不思議遊星歯車機構7は、ロータ5の内周側でロータ5と一体に回転する遊星キャリア71と、遊星キャリア71に自転可能に保持される2個の遊星歯車72と、遊星キャリア71の第2方向L2側で2個の遊星歯車72と噛み合う内歯歯車73と、遊星キャリア71の第1方向L1側で2個の遊星歯車72と噛み合う内歯歯車74を備える。遊星キャリア71、内歯歯車73、および内歯歯車74は、軸体4と同軸に配置される。また、2個の遊星歯車72は、軸体4を中心として180°離れた角度位置に配置される。
遊星キャリア71は、遊星歯車72の中心を通る2本の支軸711と、遊星歯車72を保持する保持穴が2箇所に形成された遊星歯車保持部712を備える。遊星歯車保持部712はその外周部がロータ5の内周面と繋がっているため、遊星キャリア71はロータ5と一体に回転する。ロータ5および遊星キャリア71は、遊星歯車保持部712の中心に組み付けられた軸体4によって回転可能に支持される。従って、ロータ5および遊星キャリア71は、軸体4の外周面を基準として回転する。
内歯歯車73は、ロータ5の内周側で第2ケース22の端板部221から第1方向L1に突出する円筒部225の内周面に形成される。端板部221には、円筒部225の外周側に環状凹部226が形成されている。環状凹部226には、ロータ5の第2方向L2の端部が配置される。
内歯歯車74は、遊星キャリア71の第1方向L1側に配置された出力部材75に形成される。出力部材75は、内周面に内歯歯車74が形成された円筒部751と、円筒部751の第1方向L1の端部を塞ぐ端板部752を備えたカップ状の部材である。出力部材75は、減速機構部8の入力段の歯車である太陽歯車41と一体に回転する。太陽歯車41は、端板部752の第1方向L1の面に固定もしくは一体に形成されている。出力部材75および太陽歯車41は、端板部752および太陽歯車41の中心に組み付けられた軸体4によって回転可能に支持される。従って、出力部材75および太陽歯車41は、軸体4の外周面を基準として回転する。
内歯歯車73は不思議遊星歯車機構7の固定要素であり、遊星キャリア71は不思議遊星歯車機構7の入力要素であり、内歯歯車74は不思議遊星歯車機構7の出力要素である。上述したように、内歯歯車74は出力部材75の円筒部751に形成されているので、不思議遊星歯車機構7の出力要素はモータ部9の出力部材75と一体に回転する。ロータ5が回転すると、遊星キャリア71がロータ5と一体に回転するので、内歯歯車73と噛み合う遊星歯車72は自転しながら軸体4を中心として公転する。内歯歯車73の歯数は、内歯歯車74の歯数よりも多いので、内歯歯車74が形成された出力部材75は、内歯歯車73の歯数と内歯歯車74の歯数の差に対応する減速比で減速されて回転する。
(減速機構部)
減速機構部8は、第1遊星歯車機構40と第2遊星歯車機構50を備える。第1遊星歯車機構40と第2遊星歯車機構50は減速機構であり、この順で第1方向L1に重なって配置される。第1遊星歯車機構40は、減速機構部8の入力段の減速機構であり、モータ部9の第1方向L1側に重なって配置される。上述したように、モータ部9の中心部には不思議遊星歯車機構7が組み込まれているので、減速機構部8をモータ部9の第1方向L1側に配置すると、不思議遊星歯車機構7、第1遊星歯車機構40、第2遊星歯車機構50の順で、3段に減速機構が重なって配置される。第1遊星歯車機構40には、不思議遊星歯車機構7の出力回転が伝達される。第2遊星歯車機構50は、減速機構部8の最終段の減速機構であり、第1遊星歯車機構40の出力回転を減速して出力軸3に伝達する。
(第1遊星歯車機構40)
第1遊星歯車機構40は、不思議遊星歯車機構7の出力部材75と一体に回転する太陽歯車41と、太陽歯車41と噛み合う3個の金属製の遊星歯車42と、3個の遊星歯車42を保持する遊星キャリア43と、3個の遊星歯車42と噛み合う内歯歯車44を備える。太陽歯車41、遊星キャリア43、および内歯歯車44は、軸体4と同軸に配置される。また、3個の遊星歯車42は、軸体4を中心として等角度間隔で配置される。
遊星キャリア43は、出力軸3と同軸に配置された円板部431と、円板部431の第2方向L2側に所定寸法離れて位置する環状板部432と、環状板部432から第1方向L1に突出する3本の支軸433を備える。3本の支軸433は、周方向に等角度間隔で配置される。3本の支軸433の先端は、それぞれ、円板部431から第2方向L2に突出する3つの凸部434と嵌合する。3本の支軸433のそれぞれには、遊星歯車42が回転可能に取り付けられる。
遊星キャリア43は、第2遊星歯車機構50の入力段の歯車である太陽歯車51と一体に回転する。太陽歯車51は、円板部431から第1方向L1に突出しており、円板部431に固定もしくは一体に形成される。遊星キャリア43には、太陽歯車51および円板部431の中心を貫通する軸孔435が形成されている。軸孔435には、第2遊星歯車機構50の出力要素である遊星キャリア53に設けられた円形凸部536が配置される。遊星キャリア43および太陽歯車51は、円形凸部536を介して、遊星キャリア53の中心を通る軸穴31に組み付けられた軸体4を中心として回転可能に支持される。つまり、遊星キャリア43および太陽歯車51は、軸体4の外周面を基準として回転する。
第1遊星歯車機構40は、遊星キャリア43の外周側および第2方向L2側を囲む固定部材45を備える。固定部材45は、遊星キャリア43の外周側で軸体4と同軸に配置される内側円筒部451および外側円筒部452と、内側円筒部451および外側円筒部452の軸線方向Lの端部(すなわち、第2方向L2の端部)に繋がる環状板部453を備える。内歯歯車44は内側円筒部451の内周面に形成されている。
太陽歯車41は第1遊星歯車機構40の入力要素であり、内歯歯車44は第1遊星歯車機構40の固定要素であり、遊星キャリア43は第1遊星歯車機構40の出力要素である。第1遊星歯車機構40の前段に設けられた不思議遊星歯車機構7の出力部材75が回転すると、太陽歯車41が出力部材75と一体に回転する。その結果、太陽歯車41と噛み合う遊星歯車42は自転しながら軸体4を中心として公転する。そして、遊星歯車42の公転に伴い、遊星キャリア43が軸体4を中心として回転する。遊星キャリア43は、太陽歯車41の歯数と内歯歯車44の歯数に対応する減速比で減速されて回転する。
(第2遊星歯車機構50)
第2遊星歯車機構50は、第1遊星歯車機構40の遊星キャリア43と一体に回転する
太陽歯車51と、太陽歯車51と噛み合う3個の金属製の遊星歯車52と、3個の遊星歯車52を保持する遊星キャリア53と、3個の遊星歯車52と噛み合う内歯歯車54を備える。太陽歯車51、遊星キャリア53、および内歯歯車54は、軸体4と同軸に配置される。また、3個の遊星歯車52は、軸体4を中心として等角度間隔で配置される。
遊星キャリア53は、軸体4と同軸に配置される円板部531と、円板部531の第2方向L2側に所定寸法離れて位置する環状板部532と、環状板部532から第1方向L1に突出する3本の支軸533を備える。3本の支軸533の先端は、それぞれ、円板部531から第2方向L2に突出する3つの凸部534と嵌合する。3本の支軸533は、周方向に等角度間隔で配置される。3本の支軸533のそれぞれには、遊星歯車52が回転可能に取り付けられる。
上述したように、遊星キャリア53には、出力軸3が一体に形成されている。遊星キャリア53は、円板部531の中央から第1方向L1に突出する円形凸部535を備えており、円形凸部535の中央から第1方向L1に出力軸3が突出する。また、遊星キャリア53は、円板部531の中央から第2方向L2に突出する円形凸部536を備える。上述したように、円形凸部536は第1遊星歯車機構40の構成部材である遊星キャリア43の軸孔435に組み付けられる。遊星キャリア53には、円形凸部536、円板部531、出力軸3の中心を通る軸穴31が形成され、この軸穴31に軸体4の第1方向L1の端部が挿入される。
内歯歯車54は、遊星キャリア53の外周側に配置された円筒部材55の内周面に形成される。太陽歯車51は第2遊星歯車機構50の入力要素であり、内歯歯車54は第2遊星歯車機構50の固定要素であり、遊星キャリア53は第2遊星歯車機構50の出力要素である。第2遊星歯車機構50の前段に設けられた第1遊星歯車機構40の出力要素である遊星キャリア43が回転すると、太陽歯車51が遊星キャリア43と一体に回転する。その結果、太陽歯車51と噛み合う遊星歯車52は自転しながら軸体4を中心として公転する。そして、遊星歯車52の公転に伴い、遊星キャリア53が軸体4を中心として回転する。遊星キャリア53は、太陽歯車51の歯数と内歯歯車54の歯数に対応する減速比で減速されて回転する。出力軸3は、遊星キャリア53と一体に回転する。
(減速機構部8の軸線方向Lの位置決め)
第1遊星歯車機構40の固定要素である固定部材45は、環状板部453がステータ6に対して第2方向L2に当接するように組み付けられる。また、遊星歯車42を保持した遊星キャリア43は、環状板部432が固定部材45の環状板部453に当接するように組み付けられる。
第2遊星歯車機構50の固定要素である円筒部材55は、第1遊星歯車機構40の固定部材45に対して第2方向L2に当接するように組み付けられる。また、遊星歯車52を保持した遊星キャリア53の環状板部532は、遊星キャリア43の円板部431に対して第2方向L2に当接する。すなわち、第1遊星歯車機構40は、固定部材45がステータ6に対して軸線方向Lに当接することによって軸線方向Lに位置決めされる。また、遊星キャリア43が固定部材45と遊星キャリア53によって軸線方向Lに挟まれることによって軸線方向Lに位置決めされる。
遊星キャリア43には、円板部431の第1方向L1の面に、軸体4を中心として環状に延在するリブ437が形成されている。リブ437は、径方向に切断した場合の断面形状が湾曲状である。遊星キャリア53の円板部531は、リブ437の頂点で遊星キャリア43の円板部431に当接する。つまり、遊星キャリア43の軸線方向Lの位置は、リブ437と円板部531が当接することによって定まる。
減速機構部8は、第2ケース22に収容されたモータ部9と第1ケース21との間の空間に配置される。第1ケース21を減速機構部8に被せると、遊星キャリア53の円形凸部535が端板部211に形成された円形の開口213に嵌合する。そして、第2遊星歯車機構50の円筒部材55に第1ケース21の端板部211が当接するとともに、遊星キャリア53の円板部531に端板部211が当接する。すなわち、第2遊星歯車機構50は、円筒部材55が第1ケース21の端板部211と第1遊星歯車機構40の固定部材45によって軸線方向Lに挟まれることによって軸線方向Lに位置決めされる。また、遊星キャリア53が第1ケース21の端板部211と遊星キャリア43によって軸線方向Lに挟まれることによって軸線方向Lに位置決めされる。このように、減速機構部8は、モータ部9と第1ケース21の端板部211との間に挟まれて、軸線方向Lで位置決めされる。また、減速機構部8の外周側は、第1ケース21の円筒部212によって覆われる。
遊星キャリア53には、円板部531の第1方向L1の面に、軸体4を中心として環状に延在するリブ537が形成されている。リブ537は、径方向に切断した場合の断面形状が湾曲状である。円板部531は、リブ537の頂点で端板部211に当接する。つまり、遊星キャリア53の軸線方向Lの位置は、リブ537と端板部211が当接することによって定まる。環状のリブを用いて軸線方向Lの位置決めを行うことによって、遊星キャリア43、53が軸線方向Lに対して傾くことが抑制される。
(トルクリミッター)
減速機構部8の入力段の遊星歯車機構である第1遊星歯車機構40には、トルクリミッター60が組み込まれている。本形態では、トルクリミッター60として、フリクション機構60Aを用いる。本形態の減速機構部8は、第1遊星歯車機構40の固定要素である内歯歯車44を備える固定部材45と、第2遊星歯車機構50の固定要素である内歯歯車54を備える円筒部材55とを互いに別体の部材で構成している。そして、これらの部材を第1ケース21と別体の部材にして第1ケース21の内周側に組み付けている。このような構成にすることで、第1ケース21と第1遊星歯車機構40の間、あるいは第1ケース21と第2遊星歯車機構50との間にフリクション機構を設けることが可能である。
フリクション機構60Aは、固定部材45の外側円筒部452と、外側円筒部452と内側円筒部451の間に設けられた環状の溝部46に配置されたワイヤースプリング47を備える。外側円筒部452には、周方向に等角度間隔の4箇所にスリット48が形成されている。外側円筒部452は、これらのスリット48によって周方向に4分割されている。スリット48は、外側円筒部452の第1方向L1の端縁から環状板部453の外周縁まで延在する。
外側円筒部452の第1方向L1の端縁の内周面には、内周側に突出する爪部49が形成されている。溝部46の開口は第1方向L1側を向いており、この開口の外周側の部分を爪部49が塞いでいる。また、溝部46の開口の内周側の部分は、内側円筒部451の第1方向L1側の端面に当接する円筒部材55によって塞がれている。爪部49および円筒部材55は、ワイヤースプリング47が溝部46から第1方向L1に外れることを防止する抜け止めとして機能する。ワイヤースプリング47は、爪部49および固定部材45と、環状板部453との間に保持される。なお、本形態では、爪部49は全周にわたって形成されているが、周方向の一部にのみ爪部49を設けていてもよい。
ワイヤースプリング47は、1本の環状のコイルバネであり、外側円筒部452を外周側に付勢する。外側円筒部452には上述したスリット48が形成されており、スリット48は環状板部453の外周縁で内周側に切り込んだ形状となっている。このようなスリット48を設けたことにより、ワイヤースプリング47の付勢力によって外側円筒部45
2が外周側に倒れ、外側円筒部452の第1方向L1の端部が外周側に拡径する。フリクション機構60Aは、ワイヤースプリング47の付勢力によって外側円筒部452を拡径させ、外側円筒部452の外周面を第1ケース21の円筒部212の内周面に押し付けることによって摩擦力を発生させる。ワイヤースプリング47の付勢力は、円筒部212の内周面と外側円筒部452の外周面との間に予め設定した静止摩擦力を発生させるように設定されている。
すなわち、フリクション機構60Aは、円筒部212の内周面と外側円筒部452の外周面との間に働く静止摩擦力よりも大きいトルクが第1遊星歯車機構40の固定要素である内歯歯車44に作用したとき、内歯歯車44が形成された固定部材45が円筒部212に対して空転するように構成されている。固定部材45が空転しない最大値のトルクがフリクション機構60Aのリミットトルク値である。
ギアードモータ1の出力軸3に意図しない外力が入力されたとき、出力軸3から減速機構部8の最終段の第2遊星歯車機構50に入力されたトルクは、遊星キャリア53、遊星歯車52を介して太陽歯車51および遊星キャリア43に伝達されて第1遊星歯車機構40に入力され、遊星キャリア43、遊星歯車42を介して太陽歯車41もしくは内歯歯車44にトルクが伝達される。
ここで、太陽歯車41は、不思議遊星歯車機構7の出力部材75と一体に形成されている。不思議遊星歯車機構7は出力要素に力を加えて回転させることはできないため、太陽歯車41は、出力軸3側から伝達されるトルクによって回転することはできない。従って、内歯歯車44を介して固定部材45にトルクが伝達される。出力軸3側から伝達されるトルクがフリクション機構60Aのリミットトルク値よりも大きい場合、固定部材45が円筒部212に対して空転する。
(作用効果)
以上のように、本形態のギアードモータ1は、ステータ6と、ステータ6の内周側に配置されるロータ5と、を備えるモータ部9と、モータ部9の回転が入力される減速機構部8と、減速機構部8を介してモータ部9の回転が伝達される出力軸3と、を有し、モータ部9は、ロータ5の内周側に配置される不思議遊星歯車機構7を備え、減速機構部8は、2段の遊星歯車機構(第1遊星歯車機構40、第2遊星歯車機構50)を備える。このように、本形態では、遊星歯車機構を用いた減速機構部8の前段に、遊星歯車機構よりも減速比の大きい不思議遊星歯車機構7を設け、不思議遊星歯車機構7をロータ5の内周側へ組み込んでいる。従って、ギアードモータ1の軸線方向Lの寸法を大きくすることなく、大きな減速比を得ることができる。
本形態の減速機構部8は、モータ部9と出力軸3との間で複数段積み重ねられる遊星歯車機構を備えている。このように、すると、出力軸3の軸線方向Lと交差する方向で、ギアードモータ1の寸法が大型化することを回避できる。
本形態の減速機構部8は、トルクリミッター60を備えている。従って、出力軸3から入力される意図しない外力の伝達を減速機構部8で遮断できる。従って、ギアードモータ1の破損を回避できる。本形態では、トルクリミッターとして、減速機構部8に含まれる第1遊星歯車機構40の固定要素である固定部材45と第1ケース21の円筒部212との間に予め設定した摩擦力を発生させるフリクション機構60Aを用いる。このようなフリクション機構60Aは構造が単純であるため、小型に構成できる。よって、トルクリミッター60を組み込んだことによるギアードモータ1の寸法の増大を抑制できる。
本形態では、第1遊星歯車機構40の内歯歯車44の外周側に外側円筒部452を設け
て、ワイヤースプリング47によって外側円筒部452を第1ケース21の内周面に押し付けることによってフリクション機構60Aを構成する。このように、第1ケース21の内周面を摩擦面として利用し、第1ケース21の内周側に外側円筒部452とワイヤースプリング47を設ける単純な構造であれば、小型であり、組み付けが容易である。また、外側円筒部452にスリット48を設けることによって外側円筒部452を拡径可能としており、特に、スリット48が環状板部453の外周縁まで延在しているので、外側円筒部452が小さな付勢力で容易に拡径する。従って、小型のワイヤースプリング47で必要な摩擦力を発生させることが可能である。
本形態では、トルクリミッター60としてのフリクション機構60Aは、減速機構部8における入力段の遊星歯車機構(第1遊星歯車機構40)に設けられている。このようにすると、減速機構部8において最終段から入力段に伝達される際に回転が増速されてトルクは小さくなるため、減速機構部8においてトルクが最も小さい箇所にフリクション機構60Aが設けられることになる。従って、フリクション機構60A(トルクリミッター60)のリミットトルク値を小さく設定できる。よって、フリクション機構60A(トルクリミッター60)を小型化でき、ギアードモータ1を径方向で小型化できる。
本形態では、複数段の遊星歯車機構(第1遊星歯車機構40、第2遊星歯車機構50)のそれぞれが、互いに別体の固定部材(固定部材45、円筒部材55)を備え、これらの固定部材を、第1ケース21の内周側に組み付けている。このように、複数段の遊星歯車機構のそれぞれが固定部材を互いに独立した部材として備えているので、これらの固定部材のうちの1つを利用して、複数段のうちのいずれか1つの遊星歯車機構にフリクション機構を構成することが可能となっている。
本形態では、モータ部9、減速機構部8、および出力軸3は、同軸に配置されている。従って、軸体4を組み付けた第1ケース21にロータ5、ステータ6、および不思議遊星歯車機構7の構成部品を軸体4と同軸に落とし込み、しかる後に減速機構部8の構成部品および出力軸3を同軸に落とし込んでギアードモータ1を組み立てることができる。従って、ギアードモータ1の組立作業が容易である。
本形態では、モータ部9、減速機構部8、および出力軸3の中心を通る軸体4を備え、ロータ5、減速機構部8、および出力軸3は、軸体4の外周面を回転の基準とする。また、モータ部9は、不思議遊星歯車機構7の出力要素と一体に回転する出力部材75を備え、減速機構部8は、第1遊星歯車機構40の入力要素である太陽歯車41を備え、出力部材75および太陽歯車41は、軸体4の外周面を回転の基準として一体に回転する。このように、本形態は、ギアードモータ1の各部を同一の軸体4を基準として組み付け、同一の軸体4の外周面を基準として回転させる構造であるため、軸ずれを抑制でき、モータ部9から減速機構部8への回転の伝達を効率良く行うことができる。
本形態では、遊星キャリア43、53の第1方向L1を向く面に形成された環状のリブ437、537を介して、遊星キャリア43、53が軸線方向Lに位置決めされる。従って、減速機構部8の組み付け精度が高い。
本形態では、ギアードモータ1のケース2が、出力軸3の軸線方向Lの一方側に配置される第1ケース21と、他方側に配置される第2ケース22を備えており、第1ケース21は、出力軸3が突出する開口213が形成された端板部211と、端板部211から第2ケース22側に延びる円筒部212と、を備える。出力軸3は、端板部211の開口213に嵌合して径方向に位置決めされる。また、減速機構部8は、フリクション機構60Aが円筒部212の内周面に当接することによって、円筒部212の内周面を基準として径方向に位置決めされる。さらに、モータ部9を収容する第2ケース22が円筒部212
の内周面を基準として第1ケース21に組み付けられるので、モータ部9は、第2ケース22を介して、第1ケース21の円筒部の内周面を基準として径方向に位置決めされる。
つまり、本形態は、第1ケース21の内周側を基準として、出力軸3、減速機構部8、モータ部9を同軸に組み付けることができる。従って、第2ケース22に軸体4およびモータ部9を組み付け、軸体4を中心として減速機構部8および出力軸3を落とし込んで最後に第1ケース21を組み付けることによって、ギアードモータ1の機構全体を第1ケース21の内周面および軸体4を基準として同軸に組み付けることができる。そして、第1ケース21の組み付けによって、機構全体の軸線方向Lの位置決めも行うことができる。よって、組み付け精度が高く、且つ、組み付け作業が容易である。
ここで、モータ部9の構成部材のうち、複数の遊星歯車72は軸体4を中心として等角度間隔で配置された状態で遊星キャリア71に保持されているため、他の構成部材と同様に、軸体4と同軸に組み付ける作業が容易である。また、減速機構部8の構成部材のうち、複数の遊星歯車42、52はそれぞれ、軸体4を中心として等角度間隔で配置された状態で遊星キャリア43、53に保持されているため、他の構成部材と同様に、軸体4に同軸に組み付ける作業が容易である。
本形態では、遊星歯車42、52が金属製であるため、第1遊星歯車機構40と第2遊星歯車機構50の薄型化を図ることができ、減速機構部8の薄型化を図ることができる。従って、ギアードモータ1を軸線方向Lで薄型化できる。
(変形例)
(1)上記形態では、減速機構部8における入力段の遊星歯車機構(第1遊星歯車機構40)にトルクリミッター60としてのフリクション機構60Aを設けていたが、減速機構部8における最終段の遊星歯車機構(第2遊星歯車機構50)にフリクション機構60Aを設けてもよい。このようにすると、減速機構部8における出力軸3に近い箇所にフリクション機構60A(トルクリミッター60)が設けられるので、出力軸3とフリクション機構60A(トルクリミッター60)との間に介在する部品が少ない。よって、部品の寸法誤差などに起因する動作のばらつきや誤動作が少ない。また、フリクション機構60A(トルクリミッター60)を基準としてモータ部9の側に設けられた部材が多いので、多くの部材を意図しない外力から保護できる。
(2)上記形態では、減速機構部8を2段の遊星歯車機構によって構成していたが、1段もしくは、3段以上の複数段の遊星歯車機構によって遊星歯車機構を構成してもよい。
(3)上記形態では、1本の環状のコイルバネからなるワイヤースプリング47の付勢力によって円筒部212の内周面と外側円筒部452の外周面との間に摩擦力を発生させていたが、付勢部材の形状、本数、バネ力は適宜変更可能である。
(4)上記形態では、遊星歯車42、52は金属製であったが、遊星歯車42と遊星歯車52のどちらか一方もしくは両方が樹脂製であってもよい。
(5)上記形態では、外側円筒部452において等角度間隔の4箇所にスリット48を形成していたが、スリット48を設ける位置および数はこれと異なっていても良い。例えば、スリット48は1箇所でもよい。あるいは、180度離れた2箇所にスリット48を設けても良い。
1…ギアードモータ、2…ケース、3…出力軸、4…軸体、5…ロータ、6…ステータ、
7…不思議遊星歯車機構、8…減速機構部、9…モータ部、10A、10B…ステータ組、11A、11B…ボビン、12A、12B…コイル、13A、13B…外ステータコア、14A、14B…内ステータコア、15…端子台、16…カバー、17…円筒部、18…マグネット、21…第1ケース、22…第2ケース、31…軸穴、40…第1遊星歯車機構、41…太陽歯車、42…遊星歯車、43…遊星キャリア、44…内歯歯車、45…固定部材、46…溝部、47…ワイヤースプリング、48…スリット、49…爪部、50…遊星歯車機構、51…太陽歯車、52…遊星歯車、53…遊星キャリア、54…内歯歯車、55…円筒部材、60…トルクリミッター、60A…フリクション機構、71…遊星キャリア、72…遊星歯車、73…内歯歯車、74…内歯歯車、75…出力部材、211…端板部、212…円筒部、213…開口、221…端板部、222…円筒部、223…凹部、224…切り欠き部、225…円筒部、226…環状凹部、431…円板部、432…環状板部、433…支軸、434…凸部、435…軸孔、437…リブ、451…内側円筒部、452…外側円筒部、453…環状板部、531…円板部、532…環状板部、533…支軸、534…凸部、535…円形凸部、536…円形凸部、537…リブ、711…支軸、712…遊星歯車保持部、751…円筒部、752…端板部、L…軸線方向、L1…第1方向、L2…第2方向

Claims (17)

  1. ステータと、前記ステータの内周側に配置されるロータと、を備えるモータ部と、
    前記モータ部の回転が入力される減速機構部と、
    前記減速機構部を介して前記モータ部の回転が伝達される出力軸と、を有し、
    前記モータ部は、前記ロータの内周側に配置される不思議遊星歯車機構を備え、
    前記減速機構部は、少なくとも1段の遊星歯車機構を備えることを特徴とするギアードモータ。
  2. 前記モータ部、前記減速機構部、および前記出力軸は、同軸に配置されることを特徴とする請求項1に記載のギアードモータ。
  3. 前記モータ部、前記減速機構部、および前記出力軸の中心を通る軸体を備え、
    前記ロータ、前記減速機構部、および前記出力軸は、前記軸体の外周面を回転の基準とすることを特徴とする請求項2に記載のギアードモータ。
  4. 前記モータ部は、前記不思議遊星歯車機構の出力要素と一体に回転する出力部材を備え、
    前記減速機構部は、前記遊星歯車機構の入力要素である太陽歯車を備え、
    前記出力部材および前記太陽歯車は、前記軸体の外周面を回転の基準とすることを特徴とする請求項3に記載のギアードモータ。
  5. 前記太陽歯車は、前記出力部材と一体に回転することを特徴とする請求項4に記載のギアードモータ。
  6. 前記遊星歯車機構は遊星キャリアを備え、
    前記遊星キャリアに形成されたリブを介して、前記遊星キャリアが前記出力軸の軸線方向に位置決めされることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のギアードモータ。
  7. 前記減速機構部は、トルクリミッターを備えることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のギアードモータ。
  8. 前記減速機構部は、前記モータ部と前記出力軸との間で複数段重なる遊星歯車機構を備えることを特徴とする請求項7に記載のギアードモータ。
  9. 前記トルクリミッターは、前記減速機構部における入力段の遊星歯車機構に設けられることを特徴とする請求項8に記載のギアードモータ。
  10. 前記トルクリミッターは、前記減速機構部における最終段の遊星歯車機構に設けられることを特徴とする請求項8に記載のギアードモータ。
  11. 前記モータ部および前記減速機構部が収容されるケースを有し、
    前記トルクリミッターは、前記遊星歯車機構の固定要素と前記ケースとの間に予め設定した摩擦力を発生させるフリクション機構であることを特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載のギアードモータ。
  12. 前記複数段の遊星歯車機構のそれぞれが、互いに別体の固定部材を備え、
    前記固定部材は内歯歯車を備え、前記ケースの内周側に組み付けられていることを特徴とする請求項11に記載のギアードモータ。
  13. 前記フリクション機構は、前記固定部材の外周面を構成する外側円筒部と、前記内歯歯車が形成された内側円筒部との間に配置されるワイヤースプリングを備え、
    前記ワイヤースプリングは前記外側円筒部を外周側に付勢することを特徴とする請求項12に記載のギアードモータ。
  14. 前記外側円筒部は、前記外側円筒部を周方向に分割するスリットを少なくとも1箇所に備えることを特徴とする請求項13に記載のギアードモータ。
  15. 前記固定部材は、前記外側円筒部の軸線方向の端部に繋がる環状板部を備え、
    前記スリットは、前記環状板部の外周縁まで延在することを特徴とする請求項14に記載のギアードモータ。
  16. 前記外側円筒部は、内周側に突出する爪部を備えることを特徴とする請求項13から15の何れか一項に記載のギアードモータ。
  17. 前記ケースは、前記出力軸の軸線方向の一方側に配置される第1ケースと、他方側に配置される第2ケースを備え、
    前記第1ケースは、前記出力軸が突出する端板部と、前記端板部から前記第2ケース側に延びる円筒部と、を備え、
    前記減速機構部および前記モータ部は、前記円筒部の内周面を基準として前記第1ケースに対して位置決めされていることを特徴とする請求項11から16の何れか一項に記載のギアードモータ。
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