JP2018001297A - 穴加工工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴出したバリ除去用の流体の圧力を損なうことなく、効果的なバリの除去を行うことが可能な穴加工工具を提供する。
【解決手段】軸線O回りに回転される工具本体1の先端部外周に切屑排出溝4が形成され、この切屑排出溝4の工具回転方向Tを向く壁面の外周部に切刃6aが設けられるとともに、この切刃6aよりも軸線O方向の後端側において切屑排出溝4と周方向に間隔をあけた工具本体1の外周部には、バリ除去用流体の噴出口10bが設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】軸線O回りに回転される工具本体1の先端部外周に切屑排出溝4が形成され、この切屑排出溝4の工具回転方向Tを向く壁面の外周部に切刃6aが設けられるとともに、この切刃6aよりも軸線O方向の後端側において切屑排出溝4と周方向に間隔をあけた工具本体1の外周部には、バリ除去用流体の噴出口10bが設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、被削材に予め形成された下穴を所定の内径に仕上げ加工したりするのに用いられる穴加工工具に関するものである。
このような穴加工工具として、例えば特許文献1には、軸線方向に高圧流体供給孔部が形成された工具本体と、この工具本体に配設されて高圧流体供給孔部から供給される高圧流体を用いて被削材の下穴の内周面を切削加工する高圧流体噴出口を備えた刃先部と、高圧流体供給孔部に連通して被削材の下穴の内周面にバリ除去用の高圧流体を噴出する複数の噴出孔部とを備えるバリ除去機能を備えた穴加工工具が記載されている。
しかしながら、この特許文献1に記載された穴加工工具では、上記噴出孔部が、工具本体に形成されたすくい溝(切屑排出溝)内に開口しており、噴出孔部とバリが発生する下穴の開口部との間には間隔があくことになる。このため、高圧流体を噴出孔部から噴出させても、バリに達するまでに分散して圧力が減少してしまい、十分にバリを除去することができなくなるおそれがあった。
本発明は、このような背景の下になされたもので、噴出したバリ除去用の流体の圧力を損なうことなく、効果的なバリの除去を行うことが可能な穴加工工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の外周部に切刃が設けられるとともに、この切刃よりも上記軸線方向の後端側において上記切屑排出溝と周方向に間隔をあけた上記工具本体の外周部には、バリ除去用流体の噴出口が設けられていることを特徴とする。
このように構成された穴加工工具では、バリ除去用流体の噴出口が、切刃よりも軸線方向の後端側において切屑排出溝と周方向に間隔をあけた工具本体の外周部に設けられており、この噴出口と被削材の下穴の開口部との間隔を極力小さくすることができて、バリ除去用流体の噴出圧力を維持することができる。このため、切刃の抜け際で被削材が送り方向に押圧されて塑性変形することにより下穴の開口部に発生するバリを、より高圧のバリ除去用流体によって工具本体の外周側に押し付けることにより折り曲げ、除去することができる。
ここで、上記噴出口は、上記工具本体の外周部において、上記軸線に垂直な平面に沿って開口していてもよいが、該工具本体の外周側に向かうに従い上記軸線方向の後端側に向かって傾斜するように開口させることにより、上述のように送り方向に塑性変形したバリを送り方向とは反対側に強く押し付けて折り曲げ、確実に破断して除去することが可能となる。
また、上記工具本体の外周部には、複数の上記噴出口が設けられていてもよい。この場合には、これらの噴出口は、上記工具本体の軸線方向と周方向とのうち少なくとも一方に間隔をあけて設けられることになるので、工具本体の送りと回転の少なくとも一方によって断続的に複数回、バリ除去用流体をバリに吹きかけることができ、1回の噴出では除去しきれなかったバリを確実に除去することができる。
さらに、このように工具本体の外周部に複数の上記噴出口を設けた場合には、このうち一部の噴出口は、上記工具本体の外周部において、外周側に向かうに従い上記軸線方向後端側に向かうように開口させるとともに、残りの噴出口のうち少なくとも一部は、上記工具本体の外周部において、外周側に向かうに従い上記軸線方向先端側に向かうように開口させることにより、これらの噴出口から噴出する噴出方向の異なるバリ除去用流体によってバリを効率的に除去することが可能となる。
一方、上記噴出口は、上記工具本体の外周部において長穴状に開口していてもよい。このとき、噴出口を工具本体の軸線方向に延びる長穴状に形成すれば、工具本体の送りが大きい場合でも確実にバリ除去用流体をバリに吹きかけることができ、また噴出口を工具本体の軸線に垂直な平面に沿った長穴状に形成すれば、工具本体の送りが比較的小さい場合に、バリ除去用流体を集中してバリに吹きかけることができる。さらに、工具本体の軸線方向先端側から後端側に向かうに従い、工具回転方向やこれとは反対側に向かうように斜めに延びる長穴状に形成されていてもよい。
また、上記噴出口は工具本体に直接形成されていてもよいが、この噴出口を、上記工具本体の外周部に着脱可能に取り付けられる噴出部材に形成することにより、加工条件や発生するバリの状態等に応じて、開口する向きや数、形状や大きさ等が最適な噴出口が形成された噴出部材に交換することで、さらに効率的で確実なバリの除去を促すことが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、バリ除去用流体が噴出する噴出口とバリが発生する被削材の下穴の開口部との間隔を小さくすることができるので、バリ除去用流体の噴出圧力を維持することができ、より高圧のバリ除去用流体によって確実かつ効率的なバリの除去を行うことが可能となる。
図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態を示すものである。この第1の実施形態を初め、後述する第2ないし第8の実施形態においても、工具本体1は鋼材等により軸線Oを中心とする略多段円柱状に形成され、その外径は最後端部を除いて先端側(図1における左側)に向かうに従い段階的に縮径している。このような穴加工工具は、工具本体1の後端部がホルダ2を介して工作機械の主軸に取り付けられ、軸線O回りに工具回転方向Tに回転されつつ軸線O方向先端側に送り出されることにより、図3ないし図10の各(a)図に示すように被削材Wに形成された下穴Hを、工具本体1の先端部に設けられた切刃部3によって所定の内径に仕上げ加工する。
上記切刃部3においては、この切刃部3の先端外周部を切り欠くようにして、該切刃部3の先端面から軸線Oに平行に後端側に向けて延びる1条の切屑排出溝4が形成されており、この切屑排出溝4の後端部は切刃部3の後端側において外周側に切れ上がっている。また、この切屑排出溝4の工具回転方向Tを向く壁面には、切刃部3の先端面と外周面に開口して工具回転方向Tとは反対側に凹む断面L字の凹溝状のインサート取付座5が形成されている。
さらに、このインサート取付座5には、工具本体1よりも高硬度の超硬合金等の硬質材料によって一体に、あるいはこのような硬質材料製の台金の先端外周部にcBNやダイヤモンド焼結体等の超高硬度焼結体が配設された切削インサート6が、クランプネジやクランプ駒等の公知のクランプ手段によって着脱可能に取り付けられている。こうしてインサート取付座5に取り付けられた切削インサート6において、切刃部3の先端外周側に突出する部分には切刃6aが形成されており、この切刃6aによって上述のような下穴Hの仕上げ加工が行われる。
また、工具本体1には、図示されない上記工作機械の主軸に形成されたクーラント供給路にホルダ2内を介して連通するクーラント供給穴7が、本実施形態では軸線Oに沿って工具本体1の後端から先端側に延び、切刃部3内に穴底を有するように形成されている。このクーラント供給穴7は切刃部3内において3つに分岐していて、そのうち1つはクーラント噴出穴7aとして軸線Oに対する半径方向に切屑排出溝4側に延びた後に、この切屑排出溝4の外周側に切れ上がった部分の工具本体1先端側を向く壁面に開口し、切削インサート6の上記切刃6aに向けて切削油剤等のクーラントを供給するクーラント噴出口7bを形成している。
一方、切刃部3においてクーラント供給穴7から3つに分岐したうちの他の1つは、本実施形態ではこのクーラント供給穴7の穴底付近から軸線Oを含む1つの平面に沿って先端側に向かうに従い軸線Oに対して傾斜しつつ、切屑排出溝4やインサート取付座5とは反対側の切刃部3の外周に向けて延びていて、第1のバリ除去用流体供給路8を形成している。なお、この第1のバリ除去用流体供給路8は断面円形に形成されており、その内径は、同じく断面円形のクーラント供給穴7やクーラント噴出穴7aの内径よりも小さくされている。
ここで、切刃部3の切屑排出溝4とは反対側の外周部には、この切刃部3の外周面から内周側に凹む凹所9が、外周側から見て切刃部3の先端面から後端側に延びる長方形状に形成されており、上記第1のバリ除去用流体供給路8は、この凹所9の外周側を向く底面9aに開口している。また、この底面9aにおける第1のバリ除去用流体供給路8の開口部よりも後端側には、ネジ孔9bが軸線Oに対する径方向に形成されている。
さらに、この凹所9には、長方形板状をなす噴出部材10が嵌め込まれて、この噴出部材10に挿通された取付ネジ11が上記ネジ孔9bにねじ込まれることにより、着脱可能に取り付けられている。なお、こうして凹所9に取り付けられた噴出部材10の外周面は軸線Oを中心とした円筒面上に位置し、ただしその軸線Oからの半径は、切刃6aの外周端が軸線O回りになす円の半径よりも僅かに小さい。
そして、この噴出部材10には、凹所9の底面9aに開口した第1のバリ除去用流体供給路8に連通する噴出穴10aが形成されており、この噴出穴10aが工具本体1の切刃部3の外周部となる噴出部材10の上記外周面に開口することにより、この外周面にバリ除去用流体の噴出口10bが形成される。
より詳しくは、凹所9の底面9aに対向する噴出部材10の内周面には、この内周面に対向する方向から見て長方形状をなす凹部10cが、長方形板状の噴出部材10の上記内外周面の周りに配置される4つの側面との間に間隔をあけて外周側に僅かに凹むように形成されており、この凹部10cは噴出部材10を凹所9に取り付けた状態で周縁部が封止され、凹所9の底面9aに開口した第1のバリ除去用流体供給路8と連通している。さらに、上記噴出穴10aは、この凹部10cに連通して噴出部材10の外周面に開口し、上記噴出口10bを形成している。
この噴出口10bは、図3(a)に示す上記切刃6aの軸線O回りの回転軌跡よりも軸線O方向の後端側に開口しており、本実施形態では工具本体1の外周部において、上記軸線Oに垂直な平面Pに対して傾斜するように開口していて、特に外周側に向かうに従い軸線O方向後端側に向かうように傾斜して開口している。すなわち、上記噴出穴10aが、凹所9の底面9aにおける第1のバリ除去用流体供給路8の開口部よりも軸線O方向先端側において噴出部材10の凹部10cに連通し、外周側に向かうに従い軸線O方向後端側に向けて延びて噴出口10bに達している。
なお、こうして噴出口10bを軸線Oに垂直な平面Pに対して傾斜して開口させる場合には、この平面Pに対して噴出口10bがなす傾斜角αは20°〜40°の範囲とされるのが望ましく、本実施形態では30°とされている。また、噴出穴10aは断面円形に形成されており、その内径は一定で、工具本体1に形成された第1のバリ除去用流体供給路8の内径よりも小さい。さらに、切刃部3の外周部には、切屑排出溝4やインサート取付座5、凹所9を避けた位置に、切刃6aの外周端が軸線O回りになす円の半径と略等しい半径の軸線Oを中心とした円筒面上に外周面が位置するガイドパッド3aが設けられている。
また、本実施形態では、第1のバリ除去用流体供給路8とは別に、上記クーラント供給穴7から3つに分岐したうちの残りの1つとして、この第1のバリ除去用流体供給路8が沿う上記軸線Oを含む1つの平面とは異なる軸線Oを含む別の1つの平面に沿って、第2のバリ除去用流体供給路12が切刃部3に形成されている。この第2のバリ除去用流体供給路12は、上記クーラント供給穴7の先端部から、上記クーラント噴出穴7aとは反対の軸線Oに対する半径方向に切屑排出溝4側とは反対の外周側に延びた後、軸線Oに平行に先端側に延びて切刃部3の先端面に開口するように穿設されており、ただしこの切刃部3の先端面における第2のバリ除去用流体供給路12の開口部は、本第1の実施形態では該開口部を避けた位置にねじ込まれた取付ネジ13によって上記先端面に取り付けられた弧形板状の封止部材14によって封止されている。
このように構成された穴加工工具においては、上述のように工具本体1を軸線O回りに工具回転方向Tに回転しつつ軸線O方向先端側に送り出して下穴Hを仕上げ加工する際、工作機械の上記クーラント供給路からホルダ2内を介してクーラント供給穴7に切削油剤等のクーラントが供給され、このクーラントが上記クーラント噴出口7bから噴出して切刃6aと被削材Wの下穴Hの被切削部位を潤滑、冷却するとともに、第1のバリ除去用流体供給路8から噴出部材10の凹部10cを介して噴出穴10aを通り、噴出口10bからも噴出させられる。従って、本実施形態におけるバリ除去用流体は、クーラント噴出口7bから噴出されるのと同じ切削油剤のような液体のクーラントである。
ここで、切刃6aが被削材Wの下穴Hを抜け出る際には、切刃6aが被削材Wを完全に削り取れないまま下穴Hの開口部を押し広げて工具本体1の送り方向に塑性変形させることにより、図3ないし図10の各(a)に符号Bで示すようなバリが送り方向に突き出るように発生することがある。そこで、このように発生したバリBを、上記構成の穴加工工具によれば、切刃6aよりも軸線O方向の後端側に設けられた噴出口10bから噴出するバリ除去用流体によって工具本体1の外周側、すなわち下穴Hの外周側に押し付けて折り曲げることにより破断し、除去することができる。
そして、このとき上記構成の穴加工工具においては、このバリ除去用流体の噴出口10bが、工具本体1の先端部における切刃部3の切屑排出溝4と周方向に間隔をあけた円柱状の外周部に開口するように設けられており、噴出口10bとバリBが発生する下穴Hの開口部との間隔をできる限り小さくすることができる。このため、噴出したバリ除去用流体を、その圧力を分散させることなく高圧のままバリBに吹き付けることができ、送り方向に突き出たバリBを強く外周側に押し付けて折り曲げ、確実に破断して除去することが可能となる。
また、本実施形態の穴加工工具では、このバリ除去用流体の噴出口10bが、工具本体1の外周部において、工具本体1の外周側に向かうに従い軸線O方向の後端側に向かうように傾斜して開口しており、従ってバリ除去用流体も同じく工具本体1の外周側に向かうに従い軸線O方向の後端側に向かうように噴出することになる。このため、上述のように送り方向(軸線O方向先端側)に塑性変形して突き出たバリBを、その根元からこの送り方向とは反対側により強く押し付けることができ、一層確実に破断して除去することができる。
ただし、上記第1の実施形態では、このようにバリ除去用流体の噴出口10bが、工具本体1の外周部において、工具本体1の外周側に向かうに従い軸線O方向の後端側に向かうように傾斜して開口しているが、図4に示す本発明の第2の実施形態のようにバリ除去用流体の噴出穴10aが軸線Oに垂直な平面に沿って延びて、噴出口10bが例えば軸線Oに対する直径方向に開口していてもよい。なお、この図4に示す第2の実施形態や、後述する第3ないし第8の実施形態において、図1ないし図3に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配してある。
このような第2の実施形態の穴加工工具においては、バリBを送り方向と反対側に押し付ける向きにはバリ除去用流体は噴出されないものの、噴出穴10aの長さが僅かながら短くなることと、軸線O方向の後端側から工具本体1内を先端側に供給されてきたバリ除去用流体の流れる向きが第1の実施形態よりは大きく変わらないことにより、バリ除去用流体の圧力の損失が少なくなるので、より高い圧力でバリBを外周側に押し曲げて破断することができる。なお、こうしてバリ除去用流体の流れる向きを大きく変えないためであれば、バリ除去用流体の噴出口10bは、工具本体1の外周部において外周側に向かうに従い軸線O方向先端側に向かうように傾斜して開口していてもよい。
また、これら第1、第2の実施形態では、バリ除去用流体の噴出穴10aおよび噴出口10bは1つであるが、図5ないし図7に示す第3ないし第5の実施形態のように、工具本体1の外周部に複数の噴出口10bが開口するように設けられていてもよい。ここで、図5に示す第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に工具本体1の外周側に向かうに従い後端側に向かって傾斜するように開口した噴出口10bが2つ、軸線O方向に間隔をあけて並ぶように設けられており、これらの噴出口10bの軸線Oに垂直な平面Pに対する傾斜角α1、α2は互いに等しく設定されている。ただし、これらの傾斜角α1、α2は異なる角度とされていてもよく、特に先端側の噴出口10bの傾斜角α1と後端側の噴出口10bの傾斜角α2とがα1>α2の場合はクーラントをバリBに集中させることができるので望ましい。
さらに、図6に示す第4の実施形態では、第1の実施形態において封止部材14により封止されていた切刃部3の先端面における第2のバリ除去用流体供給路12の開口部に、この封止部材14に代えて噴出部材15が着脱可能に取り付けられており、第1ないし第3の実施形態において噴出部材10が取り付けられていた凹所9には、噴出穴10aや噴出口10bが形成されていない長方形板状の封止部材16が取付ネジ13によって取り付けられていて、これにより第1のバリ除去用流体供給路8は封止されている。
この噴出部材15は、封止部材14と同じく弧形の板状をなしていて、その板厚方向を軸線Oと平行とし、第2のバリ除去用流体供給路12の開口部を避けるようにねじ込まれた取付ネジ13により切刃部3の先端面に取り付けられている。そして、この切刃部3の先端面と対向する噴出部材15の後端面には、上記第2のバリ除去用流体供給路12の開口部を通るように軸線Oを中心とした弧状をなす溝部15aが形成されるとともに、この溝部15aの両端部は、切刃部3の先端面との間で軸線Oに垂直な平面Pに沿って外周側に延びて、切屑排出溝4やインサート取付座5とは反対側の切刃部3の外周部に周方向に間隔をあけて開口しており、これら両端部の2つの開口部が第4に実施形態におけるバリ除去用流体の噴出口15bとされている。
これら第3、第4の実施形態のように、工具本体1の外周部に複数のバリ除去用流体の噴出口10b、15bを設けると、これらの噴出口10b、15bは自ずと工具本体1の軸線O方向と周方向とのうち少なくとも一方に間隔をあけて配設されることになる。このため、工具本体1の軸線O方向先端側への送りと軸線O回りの回転との少なくとも一方により、これらの噴出口10b、15bから断続的に複数回、バリ除去用流体がバリBに吹きかけられるので、1つの噴出口10b、15bからのバリ除去用流体の噴出では十分に除去しきれなかったバリBを確実に除去することができる。
なお、複数のバリ除去用流体の噴出口を周方向に間隔をあけて設ける場合には、第4の実施形態のように第2のバリ除去用流体供給路12に噴出部材15を取り付けるのに代えて、例えば第1、第2の実施形態の噴出部材10に、凹部10cに噴出穴10aを介して連通する複数の噴出口10bを、周方向に間隔をあけて設けてもよい。この場合には、第2のバリ除去用流体供給路12や封止部材14等は不要とすることができる。さらに、工具本体1の切屑排出溝4と間隔をあけた外周部には、軸線O方向と周方向との双方に間隔をあけた複数のバリ除去用流体の噴出口を設けてもよい。
一方、このように工具本体1の外周部に複数のバリ除去用流体の噴出口10bを設ける場合には、図7に示す第5の実施形態のように、複数の噴出口10bのうち一部の噴出口(図7(a)、(b)において左側の噴出口)10bは、第1の実施形態と同様に工具本体1の外周部において外周側に向かうに従い軸線O方向後端側に向かうように開口させるとともに、残りの噴出口10bのうち少なくとも一部の噴出口(図7(a)、(b)において右側の噴出口)10bは、これとは逆に工具本体1の外周部において、外周側に向かうに従い軸線O方向先端側に向かうように開口させてもよい。このときの噴出口10bの上記平面Pに対する傾斜角α1、α2も、互いに等しく設定されていてもよく、また異なる角度とされていてもよい。
このような第5の実施形態の穴加工工具によれば、これら複数の噴出口10bからのバリ除去用流体の噴出方向を異なるものとすることができる。このため、例えば図7(a)に示すように外周側に向かうに従い軸線O方向後端側に向かうように開口した上記一部の噴出口10bを、外周側に向かうに従い軸線O方向先端側に向かうように開口した上記残りの噴出口10bよりも軸線O方向先端側に配置することにより、上記一部の噴出口10bから噴出したバリ除去用流体によって折り曲げられつつ下穴Hの開口部に残ったバリBの根元に向けて、上記残りの噴出口10bのうち少なくとも一部の噴出口10bからバリ除去用流体を吹きかけることができ、このように残ったバリBも効率的に除去するようなことが可能となる。
さらに、上記バリ除去用流体の噴出口10bは、第1ないし第3の実施形態のように断面円形の噴出穴10aをそのまま延長して噴出部材10の外周面に開口させたものに限らず、例えば図8ないし図10に示す第6ないし第8の実施形態のように、噴出穴10aを断面長円形に形成して、噴出口10bも工具本体1の外周側から見て長穴状に開口するものとしてもよい。
ここで、図8に示す第6の実施形態では、長穴状の噴出口10bが工具本体1の軸線O方向に延びており、図9に示す第7の実施形態では、噴出口10bが工具本体1の軸線Oに垂直な平面Pに沿って延びており、図10に示す第8の実施形態では、噴出口10bが工具本体1の軸線Oに対して斜めに延びている。なお、第6の実施形態では、第1、第3の実施形態と同様に噴出穴10aが工具本体1の外周側に向かうに従い軸線O方向後端側に向かうように形成され、噴出口10bも外周部において外周側に向かうに従い後端側に向かって傾斜するように開口している。
このような第6ないし第8の実施形態によれば、複数の噴出口10bが間隔をあけて形成されてバリ除去用流体が断続的にバリBに吹きかけられる第3ないし第5の実施形態に対し、バリ除去用流体を連続的あるいは集中的にバリBに吹きかけて一層効率的に除去することが可能となる。
すなわち、軸線O方向に延びる長穴状の噴出口10bが形成された第6の実施形態の穴加工工具では、工具本体1の送りが比較的大きい場合でも、この噴出口10bが延びる範囲内でバリ除去用流体を工具本体1の回転により下穴Hの開口部の全周に亙って連続的に吹きかけてバリBを除去することができる。一方、噴出口10bが軸線Oに垂直な平面Pに沿って延びた第7の実施形態では、工具本体1の送りが比較的小さい場合に、やはりこの噴出口10bが延びる範囲内でバリBに向けて集中的にバリ除去用流体を吹きかけ、除去することができる。
また、噴出口10bが工具本体1の軸線Oに対して斜めに延びた第8の実施形態では、例えば噴出口10bを軸線O方向後端側に向かうに従い工具回転方向Tとは反対側に向かうように傾斜させることにより、下穴Hの開口部の1点に発生したバリBに対し、工具本体1の回転と送りに合わせて集中的にバリ除去用流体を吹きかけることができる。なお、これとは反対に、噴出口10bを軸線O方向後端側に向かうに従い工具回転方向T側に向かうように傾斜させれば、下穴Hの仕上げ加工後に工具本体1を下穴Hから引き抜く際にもバリ除去用流体を噴出させることで、同じようにバリBに対して集中的にバリ除去用流体を吹きかけて除去することができる。
さらに、これら第1ないし第8の実施形態では、バリ除去用流体の噴出口10bが、工具本体1に着脱可能に取り付けられた噴出部材10、15に形成されており、工具本体1の送りや回転数等の加工条件、あるいは被削材Wの材質等によるバリBの発生状態などに応じ、第1ないし第3の実施形態や第5ないし第8の実施形態のように噴出部材10を噴出口10bの向きや数、形状の異なるものに交換したり、第4の実施形態でも噴出口15bの数や間隔等を異なるものに交換したりすることにより、最適な状態でバリ除去用流体を吹きかけて効率的なバリBの除去を図ることが可能となる。ただし、例えば同一の加工条件で使用される穴加工工具などにおいては、バリ除去用流体の噴出口は工具本体1に直接形成されていてもよい。
なお、上記第1ないし第8の実施形態では、第1、第2のバリ除去用流体供給路8、12が、切刃6aにクーラントを供給するクーラント噴出穴7aと同じクーラント供給穴7に接続されているが、これら第1、第2のバリ除去用流体供給路8、12は、クーラント供給穴7とは異なる供給穴に接続されていてもよい。このような場合には、供給されるバリ除去用流体はクーラントのような液体の切削油剤ではなく、圧縮空気や高圧ミストなどを用いることもできる。
また、噴出口10b、15bからのバリ除去用流体の噴出圧が低すぎると確実にバリBを除去することができなくなるおそれがあり、逆に噴出圧が高すぎると下穴Hの内周面や開口部が傷つけられてしまうおそれがある。このため、例えば第1ないし第8の実施形態のように液体の切削油剤よりなるクーラントをバリ除去用流体として用いる場合には、その比重や粘度などにもよるが、1.0MPa〜3.0MPa程度の噴出圧が与えられるように設定されるのが望ましい。
1 工具本体
2 ホルダ
3 切刃部
4 切屑排出溝
5 インサート取付座
6 切削インサート
6a 切刃
7 クーラント供給穴
8、12 バリ除去流体供給路
9 凹所
10、15 噴出部材
10a バリ除去用流体の噴出穴
10b、15b バリ除去用流体の噴出口
10c 凹部
11、13 取付ネジ
14、16 封止部材
15a 溝部
O 工具本体1の軸線
T 工具回転方向
P 軸線Oに垂直な平面
α(α1、α2) 平面Pに対して噴出口10bがなす傾斜角
2 ホルダ
3 切刃部
4 切屑排出溝
5 インサート取付座
6 切削インサート
6a 切刃
7 クーラント供給穴
8、12 バリ除去流体供給路
9 凹所
10、15 噴出部材
10a バリ除去用流体の噴出穴
10b、15b バリ除去用流体の噴出口
10c 凹部
11、13 取付ネジ
14、16 封止部材
15a 溝部
O 工具本体1の軸線
T 工具回転方向
P 軸線Oに垂直な平面
α(α1、α2) 平面Pに対して噴出口10bがなす傾斜角
Claims (6)
- 軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の外周部に切刃が設けられるとともに、この切刃よりも上記軸線方向の後端側において上記切屑排出溝と周方向に間隔をあけた上記工具本体の外周部には、バリ除去用流体の噴出口が設けられていることを特徴とする穴加工工具。
- 上記噴出口は、上記工具本体の外周部において、該工具本体の外周側に向かうに従い上記軸線方向後端側に向かって傾斜するように開口していることを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。
- 上記工具本体の外周部には、複数の上記噴出口が、上記工具本体の軸線方向と周方向とのうち少なくとも一方に間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の穴加工工具。
- 複数の上記噴出口のうち一部の噴出口は、上記工具本体の外周部において、外周側に向かうに従い上記軸線方向後端側に向かうように開口しているとともに、残りの噴出口のうち少なくとも一部の噴出口は、上記工具本体の外周部において、外周側に向かうに従い上記軸線方向先端側に向かうように開口していることを特徴とする請求項3に記載の穴加工工具。
- 上記噴出口は、上記工具本体の外周部において長穴状に開口していることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の穴加工工具。
- 上記噴出口は、上記工具本体の外周部に着脱可能に取り付けられる噴出部材に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の穴加工工具。
Priority Applications (1)
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JP2016127691A JP2018001297A (ja) | 2016-06-28 | 2016-06-28 | 穴加工工具 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019139051A1 (ja) | 2018-01-09 | 2019-07-18 | 凸版印刷株式会社 | 積層体、証明証、および、積層体の製造方法 |
-
2016
- 2016-06-28 JP JP2016127691A patent/JP2018001297A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019139051A1 (ja) | 2018-01-09 | 2019-07-18 | 凸版印刷株式会社 | 積層体、証明証、および、積層体の製造方法 |
EP3929002A1 (en) | 2018-01-09 | 2021-12-29 | Toppan Printing Co., Ltd. | Laminate, verification, and method of producing laminate |
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