JP2018086775A - 印刷システム、印刷機管理装置、印刷機管理方法 - Google Patents
印刷システム、印刷機管理装置、印刷機管理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数の印刷機が設けられた環境において、印刷機へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担を軽減可能とする。【解決手段】複数の印刷機と、複数の印刷機のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な印刷機管理装置と、を備え、印刷機管理装置は、メンテナンス実行命令の送信を指示する送信指示を受け付けると、印刷機にメンテナンス実行命令を送信し、印刷機は、メンテナンス実行命令を受信するとメンテナンスを実行する。【選択図】図1
Description
この発明は、印刷機にメンテナンスを実行させる技術に関する。
特許文献1の印刷システム(画像形成システム)は複数の印刷機(画像形成装置)を備え、各印刷機が印刷媒体に画像を印刷することができる。また、印刷を良好に実行するためには、複数の印刷機のそれぞれにメンテナンスを適宜実行させる必要がある。かかるメンテナンスとしては例えば、印刷機のファームウェアのアップデート、ノズルからインクを吐出するヘッドのクリーニングあるいはノズルのチェック等が挙げられる。
しかしながら、印刷機にメンテナンスを実行させるための操作をユーザーが各印刷機に個別に実行するとなると、ユーザーの負担が過大となる。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、複数の印刷機が設けられた環境において、印刷機へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担を軽減可能とする技術の提供を目的とする。
本発明に係る印刷システムは、複数の印刷機と、複数の印刷機のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な印刷機管理装置と、を備え、印刷機管理装置は、メンテナンス実行命令の送信を指示する送信指示を受け付けると、印刷機にメンテナンス実行命令を送信し、印刷機は、メンテナンス実行命令を受信するとメンテナンスを実行する。
このように構成された印刷システムでは、複数の印刷機のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な印刷機管理装置が設けられている。したがって、ユーザーは、印刷機にメンテナンスを実行させる操作を各印刷機に個別に実行する必要がない。その結果、印刷機へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、ユーザーにより入力された送信指示を印刷機管理装置に送信する主管理装置をさらに備えるように、印刷システムを構成しても良い。かかる構成では、ユーザーが主管理装置に送信指示を入力すると、主管理装置が印刷機管理装置に送信指示を送信し、印刷機管理装置が印刷機にメンテナンス実行命令を送信する。したがって、複数の印刷機にメンテナンスを実行させるにあたって、ユーザーは主管理装置を操作すれば足りる。こうして、印刷機へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、複数の印刷機と印刷機管理装置とをそれぞれ有する複数のユニットが構成され、印刷機管理装置は、同じユニットに属する複数の印刷機へのメンテナンス実行命令の送信を担当し、主管理装置は、複数のユニットそれぞれの印刷機管理装置に送信指示を送信可能であり、印刷機管理装置は、送信指示を受信すると、担当する複数の印刷機のうち送信指示の実行が必要な印刷機にメンテナンス実行命令を送信するように、印刷システムを構成しても良い。かかる構成では、印刷管理装置がメンテナンス実行命令の送信を担当する印刷機の台数を抑えて印刷管理装置の負荷軽減を図りつつ、より多くの印刷機にメンテナンスを実行させることが可能となる。
また、複数の印刷機と印刷機管理装置とをそれぞれ有する複数のユニットが構成され、印刷機管理装置は、同じユニットに属する複数の印刷機へのメンテナンス実行命令の送信を担当し、複数のユニットのうち少なくとも一のユニットの印刷機管理装置は、ユーザーによる送信指示の入力を受け付ける受付部を有し、受付部により送信指示を受け付けた印刷機管理装置は、担当する複数の印刷機のうち送信指示で指定される印刷機にメンテナンス実行命令を送信するとともに、他の印刷機管理装置に送信指示を転送可能であり、転送された送信指示を受け付けた印刷機管理装置は、担当する複数の印刷機のうち送信指示で指定される印刷機にメンテナンス実行命令を送信するように、印刷システムを構成しても良い。
かかる構成では、印刷管理装置がメンテナンス実行命令の送信を担当する印刷機の台数を抑えることで印刷管理装置の負荷を抑制しつつ、より多くの印刷機にメンテナンスを実行させることが可能となる。また、ユーザーが印刷機管理装置の受付部に送信指示を入力すると、当該印刷機管理装置が担当する印刷機にメンテナンス実行命令を送信するとともに、他の印刷機管理装置に送信指示を転送する。そして、転送された送信指示を受け付けた印刷機管理装置は、担当する複数の印刷機のうち送信指示で指定される印刷機にメンテナンス実行命令を送信する。したがって、複数の印刷機にメンテナンスを実行させるにあたって、ユーザーは印刷機管理装置の受付部を操作すれば足りる。こうして、印刷機へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
なお、印刷機が実行するメンテナンスの具体的内容は種々考えられる。具体的には、印刷機は、ファームウェアのアップデート、印刷媒体への印刷を実行する印刷処理部へのパラメーターの設定、印刷媒体へノズルからインクを吐出するヘッドのクリーニング、ノズルのチェック、印刷媒体を加熱するヒーターの予熱およびメモリーの記憶内容の出力の少なくとも1つをメンテナンスとして実行するように、印刷システムを構成しても良い。
あるいは、印刷機は、印刷媒体への印刷を実行する印刷処理部が参照するパラメーターを予め複数記憶しているパラメーターテーブルの内容を更新することをメンテナンスとして実行するように、印刷システムを構成しても良い。
本発明に係る印刷機管理装置は、複数の印刷機のうちから送信先を指定しつつメンテナンス実行命令の送信を指示する送信指示を受け付ける受付部と、複数の印刷機のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な送信部と、を備え、受付部が送信指示を受け付けると、送信部が送信指示で指定される印刷機にメンテナンス実行命令を送信する。
本発明に係る印刷機管理方法は、複数の印刷機のうちから送信先を指定しつつメンテナンス実行命令の送信を指示する送信指示を受付部が受け付ける工程と、複数の印刷機のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な送信部が、受付部により受け付けられた送信指示で指定される印刷機にメンテナンス実行命令を送信する工程と、を備える。
このように構成された印刷機管理装置・方法では、複数の印刷機のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な送信部が設けられている。したがって、ユーザーは、印刷機にメンテナンスを実行させる操作を各印刷機に個別に実行する必要がない。その結果、印刷機へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、受付部は、ユーザーにより入力された送信指示を受け付けるように、印刷機管理装置を構成しても良い。かかる構成では、複数の印刷機にメンテナンスを実行させるにあたって、ユーザーは受付部を操作すれば足りる。その結果、印刷機へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、受付部は、ユーザーからの入力に応じて外部装置が出力した送信指示を受け付けるように、印刷機管理装置を構成しても良い。かかる構成では、複数の印刷機にメンテナンスを実行させるにあたって、ユーザーは外部装置を操作すれば足りる。その結果、印刷機へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、送信部は、複数の印刷機に順番にメンテナンス実行命令を送信可能であるように、印刷機管理装置を構成しても良い。あるいは、送信部は、複数の印刷機に一括してメンテナンス実行命令を送信可能であるように、印刷機管理装置を構成しても良い。
図1は本発明に係る印刷システムの一例を示すブロック図である。この印刷システム1は複数(9台)の印刷機3と、これら印刷機3の管理を分担する3台の下位管理コンピューター5と、これら下位管理コンピューター5の管理を統括する上位管理コンピューター7とを備える。各下位管理コンピューター5は、管理を担当する複数(3台)の印刷機3とユニットUを構成しており、図1の例では3個のユニットUが印刷システム1に設けられている。なお、各下位管理コンピューター5が管理を担当する印刷機3の台数は3台に限られず、各下位管理コンピューター5はその管理可能台数の上限以下の台数の印刷機3の管理を担当可能である。また、管理を担当する印刷機3の台数が各下位管理コンピューター5で等しい必要もない。
各下位管理コンピューター5は、制御部51、UI(User Interface)52および通信部53を有する。制御部51は、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)等で構成され、下位管理コンピューター5の演算機能を司る。UI52は、マウスやキーボード等の入力機器と、ディスプレイ等の出力機器とを有する。なお、UI52の具体的構成はこれに限られず、例えばタッチパネルであっても良い。また、通信部53は、印刷機3および上位管理コンピューター7それぞれとの通信を実行する。
上位管理コンピューター7は、制御部71、UI72および通信部73を有する。制御部71は、CPUやRAM等で構成され、上位管理コンピューター7の演算機能を司る。UI72は、上述のUI52と同様の構成を有する。また、通信部73は、ネットワークNを介して、各下位管理コンピューター5の通信部53に接続されており、各通信部53との通信を実行する。
図2は印刷機の一例を示すブロック図である。図2に示すように、印刷機3は、制御部31、通信部32および印刷実行部33を有する。制御部31は、CPUおよびRAM等で構成され、印刷機3の演算機能を司る。通信部32は、下位管理コンピューター5の通信部53に接続され、当該通信部53との通信を実行する。
図3は印刷機の機械的構成である印刷実行部の一例を模式的に示す図である。印刷機3の印刷実行部33はロール・トゥ・ロールで搬送方向Xに印刷媒体Mを搬送する搬送手段331を有する。この搬送手段331は、印刷媒体Mの搬送方向Xに順に並ぶ繰出ローラー312、一対のローラー333、334および巻取ローラー335を有する。繰出ローラー312は、ロール状に巻き付けられた印刷媒体Mを搬送方向Xに繰り出す。一対のローラー333、334は繰出ローラー312により繰り出された印刷媒体Mを挟み込む。ローラー334はローラー333に付勢されており、印刷媒体Mに一定の荷重を与える一方、ローラー333は所定のトルクを印刷媒体Mに加えることで印刷媒体Mに一定のテンションを与えつつ印刷媒体Mを搬送方向Xに搬送する。そして、巻取ローラー335が一対のローラー333、334から印刷媒体Mを巻き取る。
また、印刷機3の印刷実行部33は、繰出ローラー311とローラー312との間で、搬送方向Xに順に並ぶプリヒーター336、プラテンヒーター337およびアフターヒーター338を有し、これらの上面に接する印刷媒体Mを加熱する。さらに、印刷機3は、所定のプラテンギャップgを空けてプラテンヒーター337に対向する印刷ヘッド339を有する。この印刷ヘッド339はプラテンヒーター337に支持される印刷媒体Mに対してノズルからインクジェット方式でインクを吐出する。
かかる印刷機3では、搬送手段331が印刷媒体Mを搬送方向Xへ間欠的に搬送することで、印刷媒体Mの未印刷領域をプラテンヒーター337上に送り出す。そして、印刷ヘッド339は、搬送方向Xに直交する走査方向Yに移動しつつインクをノズルから吐出する主走査を実行する。この際、印刷ヘッド339が主走査を実行する回数(パス数)は適宜設定が可能であり、印刷ヘッド339は設定されたパス数だけ主走査を実行することで、プラテンヒーター337に停止する印刷媒体Mに画像を印刷する。また、複数の主走査の実行間隔を調整することで、先の主走査で印刷媒体Mに着弾したインクのプラテンヒーター337による乾燥時間が制御される。
図1に戻って説明を続ける。同図に示すように印刷システム1では、各下位管理コンピューター5が同じユニットUに属する複数(3台)の印刷機3の管理を担当する。特に下位管理コンピューター5は、印刷媒体Mの媒体種に応じて印刷機3の印刷を制御する。つまり、印刷機3での印刷においては、次に例示列挙するマシンパラメーター
・印刷媒体Mに与えるテンション
・ローラー313の荷重
・プラテンギャップg
・主走査の実行回数(パス数)
・主走査の実行間隔
・プリヒーター32の温度
・プラテンヒーター33の温度
・アフターヒーター34の温度
等が印刷媒体Mの媒体種に応じて異なりうる。
・印刷媒体Mに与えるテンション
・ローラー313の荷重
・プラテンギャップg
・主走査の実行回数(パス数)
・主走査の実行間隔
・プリヒーター32の温度
・プラテンヒーター33の温度
・アフターヒーター34の温度
等が印刷媒体Mの媒体種に応じて異なりうる。
そこで、下位管理コンピューター5は、印刷対象となる印刷媒体Mの媒体種に応じたマシンパラメーターを印刷機3に設定する。具体的には、印刷機3が有する制御部31のRAMには、各マシンパラメーターの値を媒体種毎に記憶するテーブルが格納されている。また、下位管理コンピューター5は、管理対象である印刷機3が有する制御部31のRAMの内容を定期的に取得して、このテーブルの内容を把握している。そして、下位管理コンピューター5は、取得したテーブルの内容を参照しつつ、印刷対象である印刷媒体Mの媒体種に応じた各マシンパラメーターを印刷機3の印刷実行部33に設定する。そして、印刷機3は、印刷実行部33のマシンパラメーターの設定が完了してから印刷を開始する。
なお、印刷媒体Mの媒体種を規定する要素としては、
・印刷媒体Mの長さ
・印刷媒体Mの幅
・印刷媒体Mの厚み
・印刷媒体Mの単位面積当たりの重量
・印刷媒体Mの素材(紙、フィルムあるいはこれらの積層等)
・印刷媒体Mの吸水性
・印刷媒体Mの色
・印刷媒体Mにおける糊の有無
等の物理的構成が挙げられる。つまり、これら印刷媒体Mの物理的構成のいずれかが異なれば、媒体種が異なると取り扱うことができる。
・印刷媒体Mの長さ
・印刷媒体Mの幅
・印刷媒体Mの厚み
・印刷媒体Mの単位面積当たりの重量
・印刷媒体Mの素材(紙、フィルムあるいはこれらの積層等)
・印刷媒体Mの吸水性
・印刷媒体Mの色
・印刷媒体Mにおける糊の有無
等の物理的構成が挙げられる。つまり、これら印刷媒体Mの物理的構成のいずれかが異なれば、媒体種が異なると取り扱うことができる。
ところで、上述の印刷機3はメンテナンスを適当なタイミングで実行する必要がある。このメンテナンスの内容としては、
・制御部31に書き込まれたファームウェアのアップデート
・制御部31のRAMの内容の出力
・印刷実行部33のマシンパラメーターの設定
・印刷ヘッド339のクリーニング
・印刷ヘッド339のノズルのチェック(ノズル詰まり等のチェック)
・ヒーター336、337、338の予熱
等が挙げられる。特に本実施形態では、ユーザーの一回的な操作で複数の印刷機3にメンテナンスを実行させることができる。続いては、この点について説明する。
・制御部31に書き込まれたファームウェアのアップデート
・制御部31のRAMの内容の出力
・印刷実行部33のマシンパラメーターの設定
・印刷ヘッド339のクリーニング
・印刷ヘッド339のノズルのチェック(ノズル詰まり等のチェック)
・ヒーター336、337、338の予熱
等が挙げられる。特に本実施形態では、ユーザーの一回的な操作で複数の印刷機3にメンテナンスを実行させることができる。続いては、この点について説明する。
図4は印刷機のメンテナンスに関して上位管理コンピューターが実行する処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、上位管理コンピューター7の制御部71の制御により実行される。ステップS101では、UI72へメンテナンス指示が入力されたかを、制御部71が監視する。つまり、ユーザーは、UI72に表示される図5の画面を用いて、メンテナンス指示をUI72に入力できる。
ここで、図5はメンテナンス指示画面の一例を示す図である。図5のメンテナンス指示画面では、印刷システム1が備える各印刷機3がその稼動状況(Ready, Printing, Error等)とともにプリンターリストの欄に表示される。また、プリンターリストの欄では、各印刷機3に対してチェックボックスが設けられ、ユーザーはチェックボックスをチェックすることで、所望の印刷機3を選択することができる。また、プリンターリストの欄の下には、メンテナンスの内容(ノズルチェック、ヘッドクリーニング、ヒーター予熱、RAMデータ取得、ファームウェアアップデート)を示すボタンが表示されている。したがって、ユーザーは、所望のボタンを選択することで、当該ボタンが示すメンテナンスをプリンターリストで選択した各印刷機3に対して実行するように指示するメンテナンス指示をUI72に入力できる。
こうしてUI72にメンテナンス指示が入力されると(ステップS101で「YES」)、当該メンテナンス指示が上位管理コンピューター7の通信部73から各下位管理コンピューター5の通信部53に送信される(ステップS102)。このメンテナンス指示は、UI72で選択された印刷機3を送信先に指定しつつ、UI72で選択されたメンテナンスの実行命令を当該送信先に送信せよとの指示(送信指示)を示す。
図6は印刷機のメンテナンスに関して下位管理コンピューターが実行する処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、下位管理コンピューター5の制御部51の制御により実行される。ステップS201では、通信部53がメンテナンス指示を受信したかを、制御部51が監視する。そして、メンテナンス指示が受信されると(ステップS201で「YES」)、制御部51は、メンテナンス指示が示すメンテナンスの具体的内容を解析することで、当該メンテナンスの実行が印刷機3の印刷実行に影響するかを判断する(ステップS202)。例えば、メンテナンスの内容がRAMデータの取得や、ファームウェアのアップデート等、印刷実行に影響しないと判断できる場合(ステップS202で「NO」の場合)には、ステップS203に進んで、このメンテナンスの実行の要否を判断する。
例えばメンテナンス指示が示すメンテナンスがファームウェアのアップデートである場合、印刷機3のファームウェアのバージョンが既に最新であればこのメンテナンスは不要と判断される(ステップS203で「NO」)。あるいは、メンテナンス指示が示すメンテナンスがRAMデータの取得である場合、前回のデータ取得から時間がほとんど経過していなければこのデータ取得は不要と判断される(ステップS203で「NO」)。そして、ステップS204で、メンテナンス指示を無視すると決定する。
一方、ステップS203で、メンテナンスの実行が必要(YES)と判断すると、下位管理コンピューター5の通信部53は、印刷機3の通信部32にメンテナンス実行命令を送信する(ステップS205)。こうして各下位管理コンピューター5は、管理を担当する複数の印刷機3のうちメンテナンス指示により送信先に指定された印刷機3に対して、メンテナンス指示により示されるメンテナンスを実行するように命令する。
また、ステップS202でメンテナンスの実行が印刷機3の印刷実行に影響する(YES)と判断されると、ステップS206に進んで、各下位管理コンピューター5は、管理を担当する複数の印刷機3のうちメンテナンス指示により送信先に指定された印刷機3が印刷実行中であるかを判断する。そして、印刷実行中であると(ステップS206で「YES」)、メンテナンス指示を保留にして(ステップS207)、ステップS206に戻るループを実行する。
これに対して、ステップS206で印刷実行中でない(NO)と判断すると、前回印刷から所定時間が経過したかを判断する(ステップS208)。例えばヒーターの予熱等は前回印刷からの時間経過が短ければ、実行する必要がない。そこで、前回印刷から所定時間が経過していなければ(ステップS208で「NO」)、メンテナンス指示を無視すると決定し(ステップS209)、前回印刷から所定時間が経過していれば(ステップS208で「YES」)、ステップS205と同様にしてメンテナンス実行命令が送信される(ステップS210)。
図7はメンテナンスに際して印刷機が実行する処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、印刷機3の制御部31の制御により実行される。ステップS301では、通信部32がメンテナンス実行命令を受信したかを、制御部31が監視する。そして、メンテナンス実行命令が受信されると(ステップS301で「YES」)、制御部31は、メンテナンス実行命令が示すメンテナンスの具体的内容を解析することで、当該メンテナンスの実行が印刷中に実行可能かを判断する(ステップS302)。
メンテナンスが印刷中に実行可能である場合(ステップS302で「YES」の場合)、印刷機3はメンテナンス実行命令が示すメンテナンスを実行する(ステップS303)。一方、メンテナンスが印刷中に実行可能でない場合(ステップS302で「NO」の場合)、メンテナンスの実行を保留してから(ステップS304)、メンテナンスの実行が可能かを判断する(ステップS305)。そして、印刷完了等に伴ってメンテナンスの実行が可能となると(ステップS305で「YES」)、印刷機3はメンテナンス実行命令が示すメンテナンスを実行する(ステップS303)。
以上のように構成された印刷システム1では、複数の印刷機3のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な下位管理コンピューター5が設けられている。したがって、ユーザーは、印刷機3にメンテナンスを実行させる操作を各印刷機3に個別に実行する必要がない。その結果、印刷機3へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、ユーザーにより入力されたメンテナンス指示(送信指示)を下位管理コンピューター5に送信する上位管理コンピューター7がさらに設けられている。かかる構成では、ユーザーが上位管理コンピューター7にメンテナンス指示を入力すると、上位管理コンピューター7が下位管理コンピューター5にメンテナンス指示を送信し、下位管理コンピューター5が印刷機3にメンテナンス実行命令を送信する。したがって、複数の印刷機3にメンテナンスを実行させるにあたって、ユーザーは上位管理コンピューター7を操作すれば足りる。こうして、印刷機3へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、複数の印刷機3と下位管理コンピューター5とをそれぞれ有する複数のユニットUが構成され、各下位管理コンピューター5は、同じユニットUに属する複数の印刷機3へのメンテナンス実行命令の送信を担当する。また、上位管理コンピューター7は、複数のユニットUそれぞれの下位管理コンピューター5にメンテナンス指示を送信可能であり、下位管理コンピューター5は、メンテナンス指示を受信すると、担当する複数の印刷機3のうちメンテナンス指示で指定される印刷機3にメンテナンス実行命令を送信する。かかる構成では、複数の下位管理コンピューター5が印刷機3の管理を分担する。そのため、各下位管理コンピューター5が担当する印刷機3の台数を抑えて各下位管理コンピューター5の負荷軽減を図りつつ、より多くの印刷機3にメンテナンスを実行させることが可能となる。
また、以上のように構成された下位管理コンピューター5では、複数の印刷機3のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な通信部53が設けられている。したがって、ユーザーは、印刷機3にメンテナンスを実行させる操作を各印刷機3に個別に実行する必要がない。その結果、印刷機3へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、下位管理コンピューター5の通信部53は、ユーザーからの入力に応じて上位管理コンピューター7が出力したメンテナンス指示を受け付ける。かかる構成では、複数の印刷機3にメンテナンスを実行させるにあたって、ユーザーは上位管理コンピューター7を操作すれば足りる。その結果、印刷機3へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
ちなみに、上記の例では、上位管理コンピューター7は、メンテナンス指示を当該メンテナンス指示の送信先を指定しつつ下位管理コンピューター5に送信していた。しかしながら、その送信先を指定することなくメンテナンス指示を、上位管理コンピューター7から下位管理コンピューター5に送信しても構わない。この際、例えば、上位管理コンピューター7は下位管理コンピューター5にメンテナンス指示のみを送信し、下位管理コンピューター5は、メンテナンス指示が示すメンテナンスの実行の要否を判断し、これに基づき印刷機3にメンテナンス指示を送信しても良い。あるいは、下位管理コンピューター5は、かかる判断をすることなくメンテナンス指示を印刷機3に送信し、印刷機3がメンテナンスの実行要否を判断しても良い。
また、メンテナンスの一例として挙げた印刷実行部33のマシンパラメーターの設定の実行態様は種々考えられる。つまり、印刷機3の制御部31においては、印刷実行部33に設定されるマシンパラメーターの各値を例えば媒体種毎に記憶したパラメーターテーブルを有することができる。この場合、下位管理コンピューター5は、パラメーターテーブルの更新指示を上位管理コンピューター7から受け付けると、更新対象となる複数の印刷機3に対してパラメーターテーブルを更新するように指示するように構成しても良い。その結果、特に互いに同一の機種であって、同様のマシンパラメーターが設定されることとなる複数の印刷機3の管理している環境において、1台ずつマシンパラメーターを設定する手間を省くことができる。
以上のように、上記実施形態では、印刷システム1が本発明の「印刷システム」の一例に相当し、各下位管理コンピューター5が管理する3台の印刷機3が本発明の「複数の印刷機」の一例に相当し、下位管理コンピューター5が本発明の「印刷機管理装置」の一例に相当し、メンテナンス実行命令が本発明の「メンテナンス実行命令」の一例に相当し、メンテナンス指示が本発明の「送信指示」の一例に相当し、上位管理コンピューター7が本発明の「主管理装置」の一例に相当し、ユニットUが本発明の「ユニット」の一例に相当し、通信部53が本発明の「受付部」および「送信部」それぞれの一例として機能する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して、例えば以下に示す種々の変更を加えることが可能である。以下では、上記実施形態と異なる点を中心に説明を行い、共通する点については相当符号を付して適宜説明を省略する。ただし、上記実施形態と共通する構成を具備することで、同様の効果を奏することは言うまでもない。
図8は本発明に係る印刷システムの変形例を示すブロック図である。図1の印刷システム1では、ユーザーは上位管理コンピューター7のUI72にメンテナンス指示の入力操作を行う。これに対して図8の変形例では、上位管理コンピューター7が設けられておらず、ユーザーは、複数の下位管理コンピューター5のうちの一の下位管理コンピューター5のUI52にメンテナンス指示を入力する。また、複数の下位管理コンピューター5はネットワークNにより接続されており、相互に通信を実行できる。なお、これら下位管理コンピューター5の接続態様(トポロジー)は、ライン型、リング型あるいはバス型等のいずれであっても良い。
そして、そのUI52にメンテナンス指示が入力された下位管理コンピューター5は、このメンテナンス指示について図6のステップS202〜S210を実行する。併せて、当該下位管理コンピューター5は、他の下位管理コンピューター5に対してメンテナンス指示を送信する。そして、メンテナンス指示を受信した他の下位管理コンピューター5は、当該メンテナンス指示について図6のステップS202〜S210を実行する。
つまり、図8の印刷システム1では、UI52にメンテナンス指示を受け付けた下位管理コンピューター5は、担当する複数の印刷機3のうちメンテナンス指示で指定される印刷機3にメンテナンス実行命令を送信するとともに、他の下位管理コンピューター5にメンテナンス指示を転送する。そして、転送されたメンテナンス指示を受信した下位管理コンピューター5は、担当する複数の印刷機3のうちメンテナンス指示で指定される印刷機3にメンテナンス実行命令を送信する。
かかる構成では、複数の下位管理コンピューター5が印刷機3の管理を分担する。そのため、各下位管理コンピューター5が担当する印刷機3の台数を抑えて各下位管理コンピューター5の負荷軽減を図りつつ、より多くの印刷機3にメンテナンスを実行させることが可能となる。また、複数の印刷機3にメンテナンスを実行させるにあたって、ユーザーは下位管理コンピューター5のUI52を操作すれば足りる。こうして、印刷機3へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、下位管理コンピューター5のUI52(受付部)は、ユーザーにより入力されたメンテナンス指示を受け付ける。かかる構成では、複数の印刷機3にメンテナンスを実行させるにあたって、ユーザーは下位管理コンピューター5のUI52を操作すれば足りる。その結果、印刷機3へメンテナンスを実行させる際のユーザーの負担が軽減可能となっている。
また、UI72あるいはUI52にメンテナンス指示を入力するための画面も図5の例に限られず、適宜変更が可能である。図9はメンテナンス指示画面の変形例を示す図である。図9のメンテナンス指示画面のプリンターリストの欄では、下位管理コンピューター5毎にそれぞれが管理を担当する複数(5台)の印刷機3が表示される。また、各印刷機3に対してはチェックボックスが設けられている。したがって、ユーザーは図5の例と同様に、ユーザーはチェックボックスをチェックすることで、所望の印刷機3を選択できる。さらに、ユーザーは、所望のボタンを選択することで、当該ボタンが示すメンテナンスをプリンターリストで選択した各印刷機3に対して実行するように指示するメンテナンス指示をUI72あるいはUI52に入力できる。
また、上記の説明では詳述しなかったが、下位管理コンピューター5から各印刷機3へメンテナンス実行命令を送信する態様も種々考えられる。したがって、下位管理コンピューター5の通信部53は、管理を担当する複数の印刷機3に順番にメンテナンス実行命令を送信しても良い。あるいは、下位管理コンピューター5の通信部53は、管理を担当する複数の印刷機3に一括してメンテナンス実行命令を送信しても良い。
また、図1あるいは図8の印刷システム1において、複数の下位管理コンピューター5を設ける必要も無く、印刷システム1が備える下位管理コンピューター5の台数は1台でも構わない。
1…印刷システム、3…印刷機、31…制御部、32…通信部、33…印刷実行部、5…下位管理コンピューター(印刷機管理装置)、51…制御部、52…UI、53…通信部(受付部、送信部)、7…上位管理コンピューター(主管理装置)、71…制御部、72…UI、73…通信部、U…ユニット、N…ネットワーク
Claims (12)
- 複数の印刷機と、
前記複数の印刷機のそれぞれにメンテナンス実行命令を送信可能な印刷機管理装置と、
を備え、
前記印刷機管理装置は、前記メンテナンス実行命令の送信を指示する送信指示を受け付けると、前記印刷機に前記メンテナンス実行命令を送信し、
前記印刷機は、前記メンテナンス実行命令を受信するとメンテナンスを実行する印刷システム。 - ユーザーにより入力された前記送信指示を前記印刷機管理装置に送信する主管理装置をさらに備える請求項1に記載の印刷システム。
- 前記複数の印刷機と前記印刷機管理装置とをそれぞれ有する複数のユニットが構成され、
前記印刷機管理装置は、同じ前記ユニットに属する前記複数の印刷機への前記メンテナンス実行命令の送信を担当し、
前記主管理装置は、前記複数のユニットそれぞれの前記印刷機管理装置に前記送信指示を送信可能であり、
前記印刷機管理装置は、前記送信指示を受信すると、担当する前記複数の印刷機のうち前記送信指示の実行が必要な前記印刷機に前記メンテナンス実行命令を送信する請求項2に記載の印刷システム。 - 前記複数の印刷機と前記印刷機管理装置とをそれぞれ有する複数のユニットが構成され、
前記印刷機管理装置は、同じ前記ユニットに属する前記複数の印刷機への前記メンテナンス実行命令の送信を担当し、
前記複数のユニットのうち少なくとも一のユニットの前記印刷機管理装置は、ユーザーによる前記送信指示の入力を受け付ける受付部を有し、
前記受付部により前記送信指示を受け付けた前記印刷機管理装置は、担当する前記複数の印刷機のうち前記送信指示で指定される前記印刷機に前記メンテナンス実行命令を送信するとともに、他の前記印刷機管理装置に前記送信指示を転送可能であり、
転送された前記送信指示を受け付けた前記印刷機管理装置は、担当する前記複数の印刷機のうち前記送信指示で指定される前記印刷機に前記メンテナンス実行命令を送信する請求項1に記載の印刷システム。 - 前記印刷機は、ファームウェアのアップデート、印刷媒体への印刷を実行する印刷処理部へのパラメーターの設定、前記印刷媒体へノズルからインクを吐出するヘッドのクリーニング、前記ノズルのチェック、前記印刷媒体を加熱するヒーターの予熱およびメモリーの記憶内容の出力の少なくとも1つを前記メンテナンスとして実行する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の印刷システム。
- 前記印刷機は、印刷媒体への印刷を実行する印刷処理部が参照するパラメーターを予め複数記憶しているパラメーターテーブルの内容を更新することを前記メンテナンスとして実行する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の印刷システム。
- 複数の印刷機のうちから送信先を指定しつつメンテナンス実行命令の送信を指示する送信指示を受け付ける受付部と、
前記複数の印刷機のそれぞれに前記メンテナンス実行命令を送信可能な送信部と、
を備え、
前記受付部が前記送信指示を受け付けると、前記送信部が前記送信指示で指定される前記印刷機に前記メンテナンス実行命令を送信する印刷機管理装置。 - 前記受付部は、ユーザーにより入力された前記送信指示を受け付ける請求項7に記載の印刷機管理装置。
- 前記受付部は、ユーザーからの入力に応じて外部装置が出力した前記送信指示を受け付ける請求項7または8に記載の印刷機管理装置。
- 前記送信部は、前記複数の印刷機に順番に前記メンテナンス実行命令を送信可能である請求項7ないし9のいずれか一項に記載の印刷機管理装置。
- 前記送信部は、前記複数の印刷機に一括して前記メンテナンス実行命令を送信可能である請求項7ないし9のいずれか一項に記載の印刷機管理装置。
- 複数の印刷機のうちから送信先を指定しつつメンテナンス実行命令の送信を指示する送信指示を受付部が受け付ける工程と、
前記複数の印刷機のそれぞれに前記メンテナンス実行命令を送信可能な送信部が、前記受付部により受け付けられた前記送信指示で指定される前記印刷機に前記メンテナンス実行命令を送信する工程と、
を備える印刷機管理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016230935A JP2018086775A (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | 印刷システム、印刷機管理装置、印刷機管理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016230935A JP2018086775A (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | 印刷システム、印刷機管理装置、印刷機管理方法 |
Publications (1)
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JP2018086775A true JP2018086775A (ja) | 2018-06-07 |
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ID=62494118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016230935A Pending JP2018086775A (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | 印刷システム、印刷機管理装置、印刷機管理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018086775A (ja) |
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2016
- 2016-11-29 JP JP2016230935A patent/JP2018086775A/ja active Pending
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