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JP2018084488A - 三次元測定機の測定方法及び三次元測定機 - Google Patents

三次元測定機の測定方法及び三次元測定機 Download PDF

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JP2018084488A JP2016227643A JP2016227643A JP2018084488A JP 2018084488 A JP2018084488 A JP 2018084488A JP 2016227643 A JP2016227643 A JP 2016227643A JP 2016227643 A JP2016227643 A JP 2016227643A JP 2018084488 A JP2018084488 A JP 2018084488A
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陽一 外川
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Abstract

【課題】加工機による測定要素の加工誤差を高精度に求めることが可能な測定要素の測定結果が得られる三次元測定機の測定方法、及び三次元測定機を提供する。【解決手段】ワークには、ワーク座標系の基準となる第1測定基準点及び第2測定基準点が設けられ、測定要素は第1測定基準点からオフセットされた第1加工基準点と第2測定基準点からオフセットされた第2加工基準点とを基準位置として加工されたものであり、第1測定基準点に対する第1加工基準点の第1相対位置を算出する第1相対位置算出工程と、第2測定基準点に対する第2加工基準点の第2相対位置を算出する第2相対位置算出工程と、第1相対位置算出工程で算出された第1相対位置と第2相対位置算出工程で算出された第2相対位置とに基づいて、ワーク座標系を補正した補正ワーク座標系を設定する補正ワーク座標系設定工程と、を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、ワークの測定点の座標値を測定する三次元測定機の測定方法及び三次元測定機に関する。
従来、プローブの位置姿勢(位置及び姿勢)を変位させる駆動部を有し、このプローブを測定対象物であるワーク内の円穴等の測定要素の測定点に接触させて測定点の座標値を測定し、この測定結果に基づき測定要素の位置、寸法、及び形状等の測定を行う三次元測定機が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
このような三次元測定機では、ワークの測定要素の測定に先立って、ワークを基準とした(ワーク上に定義された)原点及び座標軸を示すワーク座標系の設定が行われる(特許文献3参照)。このワーク座標系の設定工程は、空間補正工程、原点設定工程、及び基準軸設定工程を有する。
図20は、一般的な空間補正工程の説明図である。この図20中の互いに直交するXの3軸は三次元測定機の固有の機械座標系の基準軸であり、符号100は機械座標系の原点である。図20に示すように、空間補正工程では、三次元測定機のプローブによって平面104の任意の3点以上の座標値を測定し、それらの座標値に基づいて、ワーク102の平面104と基準Z軸との交点106、及び平面104の法線ベクトル108を決定する。
次に、三次元測定機は、基準Z軸を平面104の法線ベクトル108と平行にする。これにより、図中の実線で示されたX座標系が、図中の短破線で示されたX座標系に空間補正される。
次に、三次元測定機は、原点100を交点106に平行移動させる。これにより、X座標系が、図中の長破線で示されたX座標系に空間補正される。以上の空間補正工程を経ることにより、ワーク座標系のZ軸の方向、及びワーク座標系のZ軸の原点100が設定される。
図21は、一般的な原点設定工程の説明図である。図21に示すように、原点設定工程では、プローブによって平面104に形成されている第1測定基準穴110を測定する。具体的には、プローブによって、第1測定基準穴110の中心測定に必要な第1測定基準穴110の内周面上の複数の測定点の座標値を測定する。三次元測定機は、各測定点の座標値の測定結果に基づき、第1測定基準穴110の中心112を求める。
次に、三次元測定機は、第1測定基準穴110の中心112にZ軸の原点100を平行移動させる。これにより、図中の実線で示されたX座標系が、図中の破線で示されたX座標系に補正される。以上の原点設定工程を経ることにより、ワーク座標系CS(図22参照)のXY軸の原点がX座標系の原点として設定される。
図22は、一般的な基準軸設定工程の説明図である。図22に示すように、基準軸設定工程では、プローブによって平面104に形成されている第2測定基準穴114を測定する。具体的には、プローブによって、第2測定基準穴114の中心測定に必要な第2測定基準穴114の内周面上の複数の測定点の座標値を測定する。三次元測定機は、各測定点の座標値の測定結果に基づき、第2測定基準穴114の中心116を求める。
次いで、三次元測定機は、ワーク座標系CSのXY軸の原点(第1測定基準穴110の中心112)を支点としてX軸を、第2測定基準穴114の中心116を通る位置まで回転させる。ここで図中の符号αは、X軸を回転させる角度を示している。これにより、図中の実線で示されたX座標系が、図中の破線で示されたX座標系に補正される。以上の基準軸設定工程を経ることにより、ワーク座標系CSのXY軸の方向としてX座標系が設定される。
このように、空間補正工程と原点設定工程と基準軸設定工程とを経ることにより、X軸がワーク座標系CSのX軸とされ、Y軸がワーク座標系CSのY軸とされ、Z軸がワーク座標系CSのZ軸とされる。以上でワーク座標系CSの設定が終了する。このワーク座標系CSを設定した後、ワーク102の測定要素である例えば第1円穴118及び第2円穴120のそれぞれの測定点の座標値を三次元測定機によって測定し、第1円穴118及び第2円穴120の位置、寸法、及び形状等を測定する。
特開2007−33052号公報 特開平7−139936号公報 特開平7−270152号公報
ところで、既述の図20から図22に示したワーク102の測定要素である第1円穴118及び第2円穴120は、加工機によってドリル等でワーク102に加工(形成)される。具体的に、加工機はワーク102を支持するテーブルを有し、このテーブルにはワーク102をテーブルに位置決めするための第1ピン及び第2ピンが突設されている。そして、第1ピンにワーク102の第1測定基準穴110を挿通し、第2ピンにワーク102の第2測定基準穴114を挿通することによりワーク102がテーブルに位置決めされ、この状態で加工機はワーク102に第1円穴118及び第2円穴120等を加工する。
この際に、第1ピンと第1測定基準穴110(第1測定基準点)との間、及び第2ピンと第2測定基準穴114(第2測定基準点)との間には、それぞれの寸法公差に起因してガタ(隙間)が生じる。このため、第1測定基準穴110を第1ピンに対し、且つ第2測定基準穴114を第2ピンに対してそれぞれ一方向側に片寄せ(オフセット)することによりワーク102のガタ付きを防止した状態で、加工機はワーク102に第1円穴118及び第2円穴120を加工する。
このように、加工機による第1円穴118及び第2円穴120の実際の加工は、第1測定基準穴110と第2測定基準穴114のそれぞれ中心112、116を基準にして行われておらず、上述の片寄せの作業によって、第1ピン及び第2ピンのそれぞれの中心軸(第1加工基準点及び第2加工基準点)を基準として行われる。従って、三次元測定機による第1円穴118及び第2円穴120の測定結果には、第1測定基準穴110の中心112と第1ピンの中心との第1相対位置であるズレ量、及び第2測定基準穴114の中心116と第2ピンの中心との第2相対位置であるズレ量、すなわち片寄誤差が含まれる。このため、三次元測定機の測定結果には、加工機による第1円穴118及び第2円穴120の加工誤差(設計値との誤差)と、上述の片寄誤差との双方が反映される(後述の図16及び図17参照)。その結果、三次元測定機の測定結果から加工機の加工誤差(第1加工基準点及び第2加工基準点を基準とする測定結果)を精度良く求めることができず、加工機との互換性を保った測定結果が得られないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、加工機による測定要素の加工誤差を高精度に求めることが可能な測定要素の測定結果が得られる三次元測定機の測定方法、及び三次元測定機を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するための三次元測定機の測定方法は、ワークに加工された測定要素を三次元測定機で測定する三次元測定機の測定方法において、ワークには、ワークを基準とするワーク座標系を設定して三次元測定機による測定を行う場合にワーク座標系の基準となる第1測定基準点及び第2測定基準点が設けられ、測定要素は第1測定基準点からオフセットされた第1加工基準点と第2測定基準点からオフセットされた第2加工基準点とを基準位置として加工されたものであり、第1測定基準点に対する第1加工基準点の第1相対位置を算出する第1相対位置算出工程と、第2測定基準点に対する第2加工基準点の第2相対位置を算出する第2相対位置算出工程と、第1相対位置算出工程で算出された第1相対位置と第2相対位置算出工程で算出された第2相対位置とに基づいて、ワーク座標系を補正した補正ワーク座標系を設定する補正ワーク座標系設定工程と、を有する。
この三次元測定機の測定方法によれば、補正ワーク座標系を設定することで、ワークに測定要素を加工する際にワークをオフセットさせることに起因して生じる誤差を三次元測定機の測定結果から排除することができる。
本発明の他の態様に係る三次元測定機の測定方法において、三次元測定機内でのワークの位置及び姿勢を取得する位置姿勢取得工程と、三次元測定機で測定要素内の測定点を測定して、三次元測定機の機械座標系で表される測定点の座標値を取得する座標値取得工程と、補正ワーク座標系設定工程で設定された補正ワーク座標系と、位置姿勢取得工程で取得されたワークの位置及び姿勢とに基づき、座標値取得工程で取得された測定点の座標値を、補正ワーク座標系で表された座標値に変換する座標値変換工程と、を有する。これにより、加工機によるワーク加工時にワークを片寄せさせることに起因して生じる片寄誤差を補正して、加工機の加工誤差を高精度に反映した測定要素の測定結果、すなわち、加工機と互換性を保った測定結果が得られる。
本発明の他の態様に係る三次元測定機の測定方法において、第1測定基準点に対する第1加工基準点のオフセット方向と、第2測定基準点に対する第2加工基準点のオフセット方向とが同一方向である。加工機によりワークに測定要素を加工する際にワークを片寄せしてワークのガタ付きを防止する場合に、ワークの片寄せに起因する片寄誤差を三次元測定機の測定結果から排除することができる。
本発明の他の態様に係る三次元測定機の測定方法において、ワークに測定要素を加工する加工機は、第1方向に突設され且つワークの位置決めに用いられる第1ピン及び第2ピンを備え、ワークには、第1ピンより大径で第1ピンが挿入される第1測定基準穴と、第2ピンより大径で第2ピンが挿入される第2測定基準穴とが形成され、ワークは、第1測定基準穴に第1ピンが挿入され且つ第2測定基準穴に第2ピンが挿入され、さらに第1方向に対して垂直な第2方向に片寄せされた状態で、加工機により測定要素が加工され、第1測定基準点は第1測定基準穴の中心であり、第2測定基準点は第2測定基準穴の中心であり、第1加工基準点は第1ピンの中心軸であり、第2加工基準点は第2ピンの中心軸である。加工機によりワークに測定要素を加工する際にワークを片寄せした場合でも、ワークの片寄せに起因する片寄誤差を三次元測定機の測定結果から排除することができる。
本発明の他の態様に係る三次元測定機の測定方法において、第1相対位置算出工程は、第1測定基準穴の中心座標と第1ピンの半径値とを取得し、取得した第1測定基準穴の中心座標と第1ピンの半径値とに基づき第1相対位置を算出し、第2相対位置算出工程は、第2測定基準穴の中心座標と第2ピンの半径値とを取得し、取得した第2測定基準穴の中心座標と第2ピンの半径値とに基づき第2相対位置を算出する。これにより、第1相対位置及び第2相対位置を算出することができる。
本発明の他の態様に係る三次元測定機の測定方法において、第1相対位置算出工程は、第1測定基準穴の中心座標を、三次元測定機による実測により取得又は第1測定基準穴の設計情報から取得し、第2相対位置算出工程は、第2測定基準穴の中心座標を、三次元測定機による実測により取得又は第2測定基準穴の設計情報から取得する。これにより、第1測定基準穴の中心座標と第2測定基準穴の中心座標とを実測することなく、第1相対位置及び第2相対位置を算出することができる。
本発明の目的を達成するための三次元測定機は、ワークに加工された測定要素を測定する三次元測定機において、ワークには、ワークを基準とするワーク座標系を設定して三次元測定機による測定を行う場合にワーク座標系の基準となる第1測定基準点及び第2測定基準点が設けられ、測定要素は第1測定基準点からオフセットされた第1加工基準点と第2測定基準点からオフセットされた第2加工基準点とを基準位置として加工されたものであり、第1測定基準点に対する第1加工基準点の第1相対位置を算出する第1相対位置算出部と、第2測定基準点に対する第2加工基準点の第2相対位置を算出する第2相対位置算出部と、第1相対位置算出部が算出した第1相対位置と第2相対位置算出部が算出した第2相対位置とに基づいて、ワーク座標系を補正した補正ワーク座標系を設定する補正ワーク座標系設定部と、を備える。
本発明の他の態様に係る三次元測定機において、三次元測定機内でのワークの位置及び姿勢を取得する位置姿勢取得部と、三次元測定機で測定要素内の測定点を測定して得られた測定点の座標値であって、且つ三次元測定機の機械座標系で表される測定点の座標値を取得する座標値取得部と、補正ワーク座標系設定部が設定した補正ワーク座標系と、位置姿勢取得部が取得したワークの位置及び姿勢とに基づき、座標値取得部が取得した測定点の座標値を、補正ワーク座標系で表された座標値に変換する座標値変換部と、を備える。
本発明の三次元測定機の測定方法及び三次元測定機は、加工機による測定要素の加工誤差を高精度に求めることが可能な測定要素の測定結果が得られる。
三次元測定機の外観斜視図である。 加工機によるワークへの第1円穴及び第2円穴の加工を説明するための説明図である。 ワークを矢印A1方向側[Y軸の(−)方向側]に片寄せした場合の第1ピンに対する第1測定基準穴の第1相対位置と、第2ピンに対する第2測定基準穴の第2相対位置とを示した模式図である。 図3中のY軸方向に沿ったワークの断面図である。 プローブヘッドの外観斜視図である。 コンピュータの機能ブロック図である。 ワーク座標系設定部が補正ワーク座標系の設定を行う補正ワーク座標系設定工程の流れを示すフローチャートである。 図7のステップS2A及びステップS2Bの工程を説明するための説明図である。 図7のステップS2CからステップS2Eの工程を説明するための説明図である。 図7のステップS3Aの工程を説明するための説明図である。 図7のステップS3Bの工程を説明するための説明図である。 図7のステップS3C及びステップ3Dの工程を説明するための説明図である。 図7のステップS3Eの工程の実行前を説明するための説明図である。 図7のステップS3Eの工程の実行後を説明するための説明図である。 三次元測定機によるワークの測定処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の三次元測定機の効果を説明するための説明図である。 図16の下段のワークの上面図である。 他実施形態での加工機による加工を説明するための説明図である。 他実施形態での三次元測定機による測定を説明するための説明図である。 一般的な空間補正工程の説明図である。 一般的な原点設定工程の説明図である。 一般的な基準軸設定工程の説明図である。
図1は、三次元測定機10の外観斜視図である。三次元測定機10は、プローブ12aの位置姿勢を変位させながらワーク102(図2参照)の測定要素の位置、寸法、及び形状等を測定する。本実施形態では、測定要素として、図2に示すワーク102の第1円穴118及び第2円穴120を測定するが、測定対象となるワーク102及びその測定要素の種類(形状)は特に限定はされない。なお、図1中のX軸、Y軸、及びZ軸は、三次元測定機10に固有の機械座標原点に基づいて定められる機械座標系である。
図2は、加工機121によるワーク102への第1円穴118及び第2円穴120の加工(形成)を説明するための説明図である。図2に示すように、ワーク102には、例えばノック穴などの第1測定基準穴110及び第2測定基準穴114が予め加工されている。なお、本実施形態では、第1測定基準穴110及び第2測定基準穴114は貫通穴であるが、非貫通穴であってもよい。
加工機121は、ワーク102がセットされるテーブル122と、ワーク102に第1円穴118及び第2円穴120等を加工する不図示のドリル等の加工部とを有する。テーブル122上には、図1に示したZ軸方向(本発明の第1方向)に第1ピン124及び第2ピン126が突設されている。加工機121でワーク102に加工を行う場合に、第1ピン124が第1測定基準穴110に挿入され、且つ第2ピン126が第2測定基準穴114に挿入されることで、テーブル122上においてワーク102が所定の加工位置に位置決めされる。
この際に、第1測定基準穴110は第1ピン124よりも僅かに大径に形成され、且つ第2測定基準穴114は第2ピン126よりも僅かに大径に形成されている。このため、加工時には、テーブル122上のワーク102が図1に示したY軸の一方向側(矢印A1方向側、本発明の第2方向)に片寄せ(付勢、オフセット)される。これにより、第1測定基準穴110が第1ピン124に対して矢印A1方向側に片寄せされ、且つ第2測定基準穴114も第2ピン126に対して矢印A1方向側に片寄せされ、テーブル122上でワーク102をガタ付きなく位置決めすることができる。そして、この状態で加工機121の加工部(不図示)によってワーク102に第1円穴118及び第2円穴120を加工する。
図3は、ワーク102を矢印A1方向側[Y軸の(−)方向側]に片寄せした場合の第1ピン124に対する第1測定基準穴110の第1相対位置と、第2ピン126に対する第2測定基準穴114の第2相対位置とを示した模式図である。図4は、図3中のY軸方向に沿ったワーク102の断面図である。
図3及び図4に示すように、第1測定基準穴110の中心112(本発明の第1測定基準点に相当)と、第2測定基準穴114の中心116(本発明の第2測定基準点に相当)とは、後述の三次元測定機10での測定基準となる測定基準点である。なお、既述のワーク座標系CS(図22参照)は、これら中心112,116に基づき設定される。
一方、第1ピン124の中心軸128(本発明の第1加工基準点に相当)と、第2ピン126の中心軸130(本発明の第2加工基準点に相当)とは、加工機121での加工を行う場合の基準位置となる加工基準点である。
ワーク102を矢印A1方向側に片寄せした場合、第1測定基準穴110の中心112に対して第1ピン124の中心軸128が矢印A1方向側とは反対側の矢印A2方向側[Y軸の(+)方向側]にオフセットされ、第2測定基準穴114の中心116に対して第2ピン126の中心軸130も矢印A2方向側にオフセットされる。すなわち、中心軸128,130が同一のオフセット方向にオフセットされる。
そして、第1測定基準穴110の中心112に対する第1ピン124の中心軸128の第1相対位置を示すY軸方向のズレ量aが、第1測定基準穴110及び第1ピン124の双方の径の寸法公差によって発生する。また、第2測定基準穴114の中心116に対する第2ピン126の中心軸130の第2相対位置を示すY軸方向のズレ量bが、第2測定基準穴114及び第2ピン126の双方の径の寸法公差によって発生する。このため、既述のワーク座標系CS(図22参照)を設定して、三次元測定機10で第1円穴118及び第2円穴120の測定を行った場合、その測定結果には、加工機121による加工誤差(第1円穴118及び第2円穴120の設計値との誤差)の他に、ワーク102の片寄せによって生じるズレ量a、bが片寄誤差として現れる。
そこで、本実施形態の三次元測定機10では、詳しくは後述するが、ワーク102の片寄せによって生じる片寄誤差であるズレ量a、bを求め、求めたズレ量a、bに基づき、片寄誤差を含まない第1円穴118及び第2円穴120の測定結果、すなわち、加工機121と互換性を保った測定結果を得る。
図1に戻って、三次元測定機10は、架台14と、架台14の上部に設けられた定盤16と、定盤16の両端部に立設された右Yキャリッジ18R及び左Yキャリッジ18Lと、右Yキャリッジ18R及び左Yキャリッジ18Lの上部を連結するXガイド20と、を備える。右Yキャリッジ18Rと左Yキャリッジ18LとXガイド20とにより門型フレーム22が構成される。
定盤16のX軸方向の両端部の上面と側面には、Y軸方向に沿って右Yキャリッジ18R及び左Yキャリッジ18Lが摺動する摺動面が形成されている。また、右Yキャリッジ18R及び左Yキャリッジ18Lには、定盤16の摺動面に対向する位置にエアベアリング(不図示)が設けられている。これにより、右Yキャリッジ18R及び左Yキャリッジ18Lが、Xガイド20とともにY軸方向に移動自在となる。
Xガイド20には、Xキャリッジ24が取り付けられている。Xガイド20には、Xキャリッジ24が摺動する摺動面がX軸方向に沿って形成されている。また、Xキャリッジ24には、Xガイド20の摺動面に対向する位置にエアベアリング(不図示)が設けられている。これにより、Xキャリッジ24がX軸方向に移動自在となる。
Xキャリッジ24には、Zキャリッジ26が取り付けられている。また、Xキャリッジ24には、Zキャリッジ26をZ軸方向に案内するZ軸方向案内用のエアベアリング(不図示)が設けられている。これにより、Zキャリッジ26が、Xキャリッジ24によってZ軸方向に移動可能に保持される。Zキャリッジ26の下端には、プローブヘッド12が取り付けられている。
図5は、プローブヘッド12の外観斜視図である。図5に示すように、プローブヘッド12は、例えば無段階位置決め機構を備えた5軸同時制御プローブヘッドであり、接触式のプローブ12aの基端を保持している。プローブ12aの先端には、スタイラス12bの基端が取り付けられている。このスタイラス12bの先端には、接触子12cが取り付けられている。スタイラス12b及び接触子12cがプローブ12aの測定子を構成する。なお、プローブ12aの種類は特に限定されるものではない。
プローブヘッド12には、プローブ12aを互いに直交する2つの回転軸θ1及び回転軸θ2(図1参照)の軸周りに回転させるモータ等の第1駆動部28(図6参照)が設けられている。これにより、プローブ12aの回転軸θ1の軸周りの回転角φと、プローブ12aの回転軸θ2の軸周りの回転角θとをそれぞれ無段階に調整することができるので、スタイラス12bの姿勢を任意に変位(回転)させることができる。
図1に戻って、三次元測定機10には、図示は省略するが、門型フレーム22をY軸方向に移動させるY軸駆動部と、Xキャリッジ24をX軸方向に移動させるX軸駆動部と、Zキャリッジ26をZ軸方向に移動させるZ軸駆動部と、を含む第2駆動部30(図6参照)が設けられている。これにより、プローブヘッド12及びプローブ12aをXYZの3軸方向に移動させることができる。これらの第1駆動部28及び第2駆動部30によって、プローブ12aの位置姿勢が変位自在となり、プローブ12aを任意に変位(移動及び回転)させることができる。
定盤16の右Yキャリッジ18R側の端部には、Y軸方向位置検出用リニアスケール(図示せず)が設けられている。また、Xガイド20にはX軸方向位置検出用リニアスケール(図示せず)が設けられ、Zキャリッジ26にはZ軸方向位置検出用リニアスケール(図示せず)が設けられている。
右Yキャリッジ18Rには、Y軸方向位置検出用リニアスケールを読み取るY軸方向位置検出ヘッド(図示せず)が設けられている。また、Xキャリッジ24には、X軸方向位置検出用リニアスケールを読み取るX軸方向位置検出ヘッド(図示せず)と、Z軸方向位置検出用リニアスケールを読み取るZ軸方向位置検出ヘッド(図示せず)とが設けられている。さらに、プローブヘッド12には、プローブ12aの回転角θ、φをそれぞれ検出するロータリエンコーダ等の回転角検出部(図示せず)が設けられている。三次元測定機10は、XYZ軸方向検出ヘッドの検出結果と、回転角検出部の検出結果とに基づき、プローブ12aの先端の接触子12cがワーク102の第1円穴118及び第2円穴120のそれぞれの測定点(内周面等)に接触した際の各測定点のXYZ軸方向の座標値を検出する。
三次元測定機10は、第1駆動部28及び第2駆動部30を制御して、プローブヘッド12の動き、すなわち、プローブ12a(スタイラス12b)の位置姿勢の変位を制御する駆動コントローラ32を備えている。ここで三次元測定機10は、測定を自動で行う自動測定モードと、測定を手動で行う手動測定モードとを有している。従って、駆動コントローラ32は、自動測定モード時には後述のコンピュータ34の制御の下、第1駆動部28及び第2駆動部30を制御して、プローブ12aの位置姿勢を変位させる。
また、駆動コントローラ32には、スタイラス12bの位置姿勢の変位を手動操作するためのジョイスティック等のプローブ操作部32aが設けられている。従って、駆動コントローラ32は、手動測定モード時にはプローブ操作部32aに対する操作入力に応じて、第1駆動部28及び第2駆動部30を制御することにより、プローブ12aの位置姿勢を変位させる。
駆動コントローラ32には、プローブ12aの接触検知センサ(図示せず)と、前述の不図示のXYZ軸方向検出ヘッド(図示せず)と、回転角検出部(図示せず)とが接続されている。そして、駆動コントローラ32は、接触検知センサによりプローブ12aの接触子12cがワーク102の第1円穴118及び第2円穴120の測定点に接触したことを検知した瞬間に、XYZ軸方向検出ヘッド及び回転角検出部の各々の検出結果を取得して、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点のXYZ軸方向の座標値を検出する。各測定点の座標値は、駆動コントローラ32からコンピュータ34へ出力される。
コンピュータ34は、LAN(Local Area Network)等の各種の通信インタフェース36(図1参照)により駆動コントローラ32に対してデータ通信可能に接続されている。
コンピュータ34には、ソフトウエアプログラム34aがインストールされている。コンピュータ34は、ソフトウエアプログラム34aを実行することにより、例えば、後述の補正ワーク座標系CSH(図6参照)の設定と、補正マトリクスMH(図6参照)の生成と、定盤16上でのワーク102の位置姿勢の取得と、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値の取得と、を含む各種の測定作業を実行する。
また、コンピュータ34は、三次元測定機10の自動測定モード時においては、駆動コントローラ32を介して第1駆動部28及び第2駆動部30(図6参照)を駆動制御して、プローブ12aにより第1円穴118及び第2円穴120の測定点を自動測定する。
表示部38は、コンピュータ34に接続されている。コンピュータ34は、三次元測定機10における諸情報、例えば、プローブ12aによる測定位置、及び操作指示等を表示部38に表示させる。
[コンピュータの機能]
図6は、コンピュータ34の機能ブロック図である。図6に示すように、コンピュータ34の不図示のCPU(Central Processing Unit)又はFPGA(field-programmable gate array)と、不図示のメモリとを含んで構成される制御部40は、既述のソフトウエアプログラム34aを実行する。これにより、制御部40は、表示制御部42と、記憶部43と、設計情報取得部44と、ワーク座標系設定部45と、位置姿勢取得部46と、座標値取得部47と、座標値変換部48と、測定結果取得部50として機能する。
表示制御部42は、表示部38の表示を制御する。記憶部43には、前述のソフトウエアプログラム34aの他に、詳しくは後述するパートプログラム49及び補正ワーク座標系CSH等の三次元測定機10による測定に必要な各種情報が記憶されている。
設計情報取得部44は、図示しない各種インターフェース(通信インタフェース)を介して、外部から測定対象のワーク102の設計情報51を取得する。この設計情報51は、例えばワーク102のCAD(computer aided design)データであり、第1測定基準穴110及び第2測定基準穴114の設計値を示す情報である。設計情報取得部44は、外部(サーバ等)に測定対象のワーク102の設計情報51が存在している場合、この外部から測定対象のワーク102に対応する設計情報51を取得して、この設計情報51をワーク座標系設定部45へ出力する。
また、設計情報取得部44は、外部から第1ピン124の半径値Pin_R1と、第2ピン126の半径値Pin_R2とを取得し、取得した半径値Pin_R1、Pin_R2をワーク座標系設定部45へ出力する。半径値Pin_R1、Pin_R2は、例えば第1ピン124及び第2ピン126のそれぞれの半径を実測して得られたノミナル値(平均値)である。なお、設計情報取得部44は、半径値Pin_R1、Pin_R2の代わりに、例えば第1ピン124及び第2ピン126の直径値などの半径値Pin_R1、Pin_R2を算出可能な情報を取得してもよい。
<補正ワーク座標系設定工程>
ワーク座標系設定部45は、既述の加工機121によって生じたズレ量a、bを算出し、これらズレ量a、bに基づき、第1測定基準穴110の中心112及び第2測定基準穴114の中心116を基準とするワーク座標系CS(図22参照)を補正した補正ワーク座標系CSHの設定を行う。すなわち、ワーク座標系設定部45は、本発明の補正ワーク座標系設定部に相当する。
図7は、ワーク座標系設定部45が補正ワーク座標系CSHの設定を行う補正ワーク座標系設定工程の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、補正ワーク座標系設定工程では、空間補正設定工程(ステップS1)と、原点設定工程(ステップS2)と、基準軸設定工程(ステップS3)とが順番に実行される。
なお、空間補正工程(ステップS1)の開始前に、三次元測定機10のプローブヘッド12に取り付けられたプローブ12aの校正が行われるが、この校正自体は公知技術であるため具体的な説明は省略する。
空間補正工程(ステップS1)では、既述の図20で説明したように、オペレータがプローブ操作部32aを操作してプローブ12aによりワーク102の平面104(図20参照)の3点以上をプロービングする。これにより、平面104の複数点の座標値が駆動コントローラ32を介してワーク座標系設定部45に入力される。そして、ワーク座標系設定部45が既述の平面104、交点106、及び法線ベクトル108を求めて、機械座標系の原点100を交点106に平行移動することにより、Z軸の原点を設定する。これにより、空間補正工程(ステップS1)が終了し、X座標系(図20参照)がX座標系(図20参照)に空間補正される。
原点設定工程(ステップS2)は、ステップS2AからステップS2Eの計5つの工程(処理)を実行する。
図8は、図7のステップS2A及びステップS2Bの工程を説明するための説明図である。図9は、図7のステップS2CからステップS2Eの工程を説明するための説明図である。
図8に示すように、ステップS2Aにおいて、オペレータがプローブ操作部32aを操作してプローブ12aにより第1測定基準穴110の内周面上の複数の測定点をプロービングする。なお、図中のR1aで示されたサークルは、第1測定基準穴110の設計半径値R1aで描かれた第1測定基準穴110の輪郭である。前述のプロービングにより、第1測定基準穴110の複数の測定点の座標値が駆動コントローラ32を介してワーク座標系設定部45に入力される。これにより、ワーク座標系設定部45は、X軸における第1測定基準穴110の中心112の第1中心座標(x1o、y1o)の実測値を求める。
なお、既述の設計情報取得部44から測定対象のワーク102の設計情報51がワーク座標系設定部45に入力されている場合、ワーク座標系設定部45は、設計情報51から第1測定基準穴110の第1中心座標(x1o、y1o)を取得する。具体的には、詳しくは後述する方法で定盤16上でのワーク102の位置姿勢を取得しておくことで、ワーク座標系設定部45は、ワーク102の位置姿勢の取得結果と設計情報51とに基づき、第1中心座標(x1o、y1o)を取得することができる。
次いで、ステップS2Bにおいて、オペレータがプローブ操作部32aを操作してプローブ12aにより第1測定基準穴110の測定点のうち第1中心座標(x1o、y1o)のY軸の(−)方向側とは反対側の(+)方向側の第1測定点113を複数回プロービングする。これにより、第1測定点113の座標値が駆動コントローラ32を介してワーク座標系設定部45に入力され、ワーク座標系設定部45は第1測定点113の座標値(x1、y1)=(x1o、y1o+R1)[R1:ノミナル値]を取得する。これにより、第1測定基準穴110の半径R1が求められる。
図9に示すように、ステップS2Cにおいて、ワーク座標系設定部45は、既述の設計情報取得部44から第1ピン124の半径値Pin_R1を取得する。次いで、ステップS2Dにおいて、ワーク座標系設定部45は、第1測定点113の座標値(x1、y1)から第1ピン124の半径値Pin_R1をY軸の(−)方向側にずらした第1ピン124の中心軸128の中心座標(x1、y1)=(x1o、y1−Pin_R1)[Pin_R1:ノミナル値]を算出する。これにより、第1測定基準点である第1測定基準穴110の中心112に対する第1加工基準点である第1ピン124の中心軸128の第1相対位置を示すズレ量aが算出される。すなわち、ステップS2Dは、本発明の第1相対位置算出工程に相当する。また、この場合、ワーク座標系設定部45は、本発明の第1相対位置算出部としても機能する。
そして、ステップS2Eにおいて、ワーク座標系設定部45は、前述のステップS1の空間補正工程で設定されたZ軸の原点100(図20参照)を、第1ピン124の中心座標(x1、y1)に平行移動する原点移動を行う。これにより、第1測定基準穴110の中心112と第1ピン124の中心軸128とのズレ量aが補正されて、X座標系(図20参照)がX座標系(図21参照)に補正される。以上で原点設定工程(ステップS2)が完了する。
基準軸設定工程(ステップS3)は、ステップS3AからステップS3Eの計5つの工程(処理)を実行する。
図10は、図7のステップS3Aの工程を説明するための説明図である。図11は、図7のステップS3Bの工程を説明するための説明図である。図12は、図7のステップS3C及びステップ3Dの工程を説明するための説明図である。図13は、図7のステップS3Eの工程の実行前を説明するための説明図である。図14は、図7のステップS3Eの工程の実行後を説明するための説明図である。
図10に示すように、ステップS3Aにおいて、オペレータがプローブ操作部32aを操作してプローブ12aにより第2測定基準穴114の内周面上の複数の測定点(第2測定基準穴114の縁部)をプロービングする。なお、図中のR2aで示されたサークルは、第2測定基準穴114の設計半径値R2aで描かれた第2測定基準穴114の輪郭である。前述のプロービングにより、第2測定基準穴114の複数の測定点の座標値が駆動コントローラ32を介してワーク座標系設定部45に入力される。これにより、ワーク座標系設定部45は、X軸における第2測定基準穴114の中心116の第2中心座標(x2o、y2o)の実測値を求める。
なお、既述の設計情報取得部44から設計情報51がワーク座標系設定部45に入力されている場合、ワーク座標系設定部45は、設計情報51から第2測定基準穴114の第2中心座標(x2o、y2o)を取得する。この場合には、既述のように定盤16上でのワーク102の位置姿勢を取得しておくことで、ワーク座標系設定部45は、ワーク102の位置姿勢の取得結果と設計情報51とに基づき、第2中心座標(x2o、y2o)を取得することができる。
図11に示すように、ステップS3Bにおいて、オペレータがプローブ操作部32aを操作してプローブ12aにより第2測定基準穴114の測定点のうち第2中心座標(x2o、y2o)のY軸の(+)方向側の第2測定点115を複数回プロービングする。これにより、第2測定点115の座標値が駆動コントローラ32を介してワーク座標系設定部45に入力され、ワーク座標系設定部45は第2測定点115の座標値(x2、y2)=(x2o、y2o+R2)[R2:ノミナル値]を取得する。これにより、第2測定基準穴114の半径R2が求められる。
図12に示すように、ステップS3Cにおいて、ワーク座標系設定部45は、既述の設計情報取得部44から第2ピン126の半径値Pin_R2を取得する。次いで、ステップS3Dにおいて、ワーク座標系設定部45は、第2測定点115の座標値(x2、y2)から第2ピン126の半径値Pin_R2をY軸の(−)方向側にずらした第2ピン126の中心軸130の中心座標(x2、y2)=(x2o、y2−Pin_R2)(Pin_R2:ノミナル値)を算出する。これにより、第2測定基準点である第2測定基準穴114の中心116に対する第2加工基準点である第2ピン126の中心軸130の第2相対位置を示すズレ量bが算出される。すなわち、ステップS3Dは、本発明の第2相対位置算出工程に相当する。また、この場合、ワーク座標系設定部45は、本発明の第2相対位置算出部としても機能する。
図13及び図14に示すように、ステップS3Eにおいて、ワーク座標系設定部45は、図13に示したX軸が第2ピン126の中心座標(x2、y2)を通るように、X軸の原点[中心座標(x1、y1)]を支点として、X軸を図14に示すように回転させる軸回転を行って、補正ワーク座標系CSHのXY軸の方向を設定する。これにより、補正ワーク座標系CSHのXY軸の方向が、第2測定基準穴114の中心116と第2ピン126の中心軸130とのズレ量bを補正した方向となり、図13のX座標系が図14のX座標系に補正される。以上で基準軸設定工程(ステップS3)が完了する。
以上の各工程により、ワーク座標系設定部45によって、ワーク座標系CS(図22参照)をズレ量a、bに基づき補正した補正ワーク座標系CSHが設定される(ステップS4)。すなわち、図14のX軸が補正ワーク座標系CSHのX軸に設定され、図14のY軸が補正ワーク座標系CSHのY軸に設定され、図21のZ軸が補正ワーク座標系CSHのZ軸に設定され、図14の中心座標(x1、y1)とZ軸(図21参照)との交点が補正ワーク座標系CSHの原点に設定される。そして、ワーク座標系設定部45は、補正ワーク座標系CSHの設定情報を記憶部43(図6参照)に記憶させる。
なお、ワーク座標系設定部45は、設計情報取得部44から設計情報51と半径値Pin_R1、Pin_R2とを取得した場合、既述のステップS1からステップS3までの処理を全て演算処理で行うことにより、補正ワーク座標系CSHを設定可能である。この場合には、オペレータによるプロービング操作を行うことなく、オフライン状態のコンピュータ34により補正ワーク座標系CSHの設定を行うことができる。
<ワークの位置姿勢の取得>
図6に戻って、位置姿勢取得部46は、三次元測定機10によるワーク102の第1円穴118及び第2円穴120の測定開始前に、定盤16上にセットされたワーク102の位置姿勢を取得する。この位置姿勢取得部46は、最初に表示制御部42を制御して、ワーク102のZ軸と直交する上面であるZ上面(不図示)、ワーク102のY軸と直交する側面であるY側面(不図示)、及びワーク102のX軸と直交する側面であるX側面(不図示)に対するプロービングを促す表示を表示部38に表示させる。
次いで、オペレータは、プローブ操作部32aを操作して、プローブ12aでワーク102のZ上面の任意の3点以上をプロービングする。この際のプローブ12aの姿勢は、測定開始時(初期状態)におけるZ軸に平行な姿勢である。そして、Z上面のプロービング測定の結果は、駆動コントローラ32を介して位置姿勢取得部46に入力される。
また、オペレータは、プローブ操作部32aを操作して、プローブ12aの姿勢を回転させることなく、プローブ12aでワーク102のY側面の任意の2点以上をプロービングする。このY側面のプロービング測定の結果は、駆動コントローラ32を介して位置姿勢取得部46に入力される。位置姿勢取得部46は、Z上面及びY側面のプロービング測定の結果に基づき、定盤16上のワーク102のY原点及びX軸の向きを判別する。
そして、オペレータは、プローブ操作部32aを操作して、プローブ12aの姿勢を回転させることなく、プローブ12aでワーク102のX側面の任意の1点以上をプロービングする。このX側面のプロービング測定の結果は、駆動コントローラ32を介して位置姿勢取得部46に入力される。位置姿勢取得部46は、Z上面、Y側面、及びX側面のプロービング測定の結果に基づき、定盤16上のワーク102のX原点と、Y軸及びZ軸の向きを判別する。これにより、位置姿勢取得部46は、定盤16上のワーク102の位置姿勢を取得することができ、このワーク102の位置姿勢の取得結果を座標値取得部47と座標値変換部48とにそれぞれ出力する。
なお、三次元測定機10の定盤16上にセットされたワーク102の位置姿勢を測定する方法は上述の方法に限定されるものではない。例えば、三次元測定機10に設けられたカメラで定盤16上のワーク102を撮像して得られた画像を解析する方法、或いはワーク102に設けられた位置センサ及び姿勢センサの検出結果を取得する方法などの各種方法を用いて、ワーク102の位置姿勢を取得してもよい。
<パートプログラム>
記憶部43に記憶されているパートプログラム49は、プローブ12aの測定経路、すなわち、ワーク102の測定要素である第1円穴118及び第2円穴120の双方の測定点の位置を示す座標値、測定点の測定順番、及び測定点毎のプローブ12aの測定姿勢(向き)等を定めたプログラムであり、後述の座標値取得部47による測定制御に用いられる。なお、プローブ12aの測定経路とは、補正ワーク座標系CSHを基準とした測定経路である。従って、定盤16上でのワーク102の位置姿勢が既知であれば、パートプログラム49に従って、第1円穴118及び第2円穴120の測定を自動で行うことができる。
制御部40は、図示は省略するが、記憶部43に記憶されている補正ワーク座標系CSHに基づき、パートプログラム49を作成するパートプログラム作成部として機能する。このパートプログラム49の具体的な作成方法については公知であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
<測定要素(第1円穴118及び第2円穴120)の測定点の座標値の取得>
座標値取得部47は、三次元測定機10による測定、すなわち、ワーク102の測定要素である第1円穴118及び第2円穴120の測定を制御する。この座標値取得部47は、位置姿勢取得部46から入力されたワーク102の位置姿勢の情報と、記憶部43から読み出したパートプログラム49とに基づき、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の測定を実行する。なお、各測定点の測定開始前には、公知のプローブ12aの校正が行われる。
例えば、座標値取得部47は、自動測定モードが設定されている場合、位置姿勢取得部46から入力されたワーク102の位置姿勢の情報と、パートプログラム49とに基づき、駆動コントローラ32を介して第1駆動部28及び第2駆動部30を駆動する。これにより、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点をパートプログラム49で定められた順番でプローブ12aによりプロービングすることができる。
一方、座標値取得部47は、手動測定モードが設定されている場合、ワーク102の位置姿勢の情報と、パートプログラム49とに基づき、表示制御部42を制御して、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点に関する位置及び測定順番等を示す情報を表示部38に表示させる。オペレータは、表示部38の表示内容に従ってプローブ操作部32aを操作して、プローブ12aにより第1円穴118及び第2円穴120の各測定点をパートプログラム49で定められた順番でプロービングする。
そして、座標値取得部47は、自動測定モード及び手動測定モードのいずれにおいても、駆動コントローラ32を介して、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値を取得し、取得した座標値を座標値変換部48へ出力する。
<座標値変換>
座標値変換部48は、座標値変換部48から入力された第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値、すなわち機械座標系で表される座標値を、補正ワーク座標系CSHで表された座標値に変換する。
具体的に、座標値変換部48は、位置姿勢取得部46から入力されたワーク102の位置姿勢の情報と、記憶部43から読み出した補正ワーク座標系CSHとに基づき、機械座標系で表される座標値を補正ワーク座標系CSHで表される座標値に変換する補正マトリクス55(変換マトリクス或いは変換行列ともいう)を生成する。この補正マトリクス55の各パラメータは、機械座標系の原点と補正ワーク座標系CSHの原点との位置ズレ量、及び機械座標系の基準軸と補正ワーク座標系CSHの基準軸との回転ズレ量に基づき決定される。
従って、座標値変換部48は、座標値変換部48から入力された第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値を、補正マトリクス55を用いて座標値変換することにより、補正ワーク座標系CSHで表される各測定点の座標値を取得する。そして、座標値変換部48は、座標値変換後の各測定点の座標値を測定結果取得部50へ出力する。
<測定結果取得>
測定結果取得部50は、座標値変換部48から入力された座標値変換後の各測定点の座標値に基づき、第1円穴118及び第2円穴120のワーク102内での位置、寸法、及び形状等の測定結果を取得する。この測定結果は、表示制御部42により表示部38に表示されると共に、記憶部43に記憶される。
[三次元測定機の作用]
図15は、上記構成の三次元測定機10によるワーク102の測定処理の流れ(本発明の三次元測定機の測定方法)を示すフローチャートである。図15に示すように、最初にオペレータは、三次元測定機10の定盤16上に測定対象のワーク102をセットする(ステップS10)。
次いで、既述の図7で説明した補正ワーク座標系設定工程が実行されて、ワーク座標系設定部45によりワーク102の補正ワーク座標系CSHが設定されると共に、記憶部43に補正ワーク座標系CSHが記憶される(ステップS11)。
なお、記憶部43に記憶された補正ワーク座標系CSHに基づき、不図示のパートプログラム作成部によって、ワーク102の第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の測定に用いられるパートプログラム49が作成された後、このパートプログラム49が記憶部43に記憶される。
補正ワーク座標系CSHの設定及び記憶後、オペレータがプローブ操作部32aを操作して、定盤16上にセットされたワーク102の既述のZ上面、Y側面、及びX側面に対するプローブ12aによるプロービングを実行する。これにより、位置姿勢取得部46は、定盤16上のワーク102の位置姿勢を取得する(ステップS12、本発明の位置姿勢取得工程に相当)。
そして、位置姿勢取得部46は、ワーク102の位置姿勢の取得結果を座標値取得部47と座標値変換部48とにそれぞれ出力する。これにより、座標値変換部48において、位置姿勢取得部46から入力されたワーク102の位置姿勢の情報と、記憶部43に記憶されている補正ワーク座標系CSHとに基づき、補正マトリクス55が生成される(ステップS13)。
次いで、座標値取得部47による第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の測定制御が開始される。例えば自動測定モードの場合、座標値取得部47は、位置姿勢取得部46からのワーク102の位置姿勢の情報と、記憶部43内のパートプログラム49とに基づき、駆動コントローラ32を介して第1駆動部28及び第2駆動部30を駆動する。これにより、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点がパートプログラム49で定められた順番でプローブ12aによりプロービングされる。
一方、手動測定モードの場合、座標値取得部47は、ワーク102の位置姿勢の情報とパートプログラム49とに基づき、表示制御部42を制御して、第1円穴118の測定点及び第2円穴120の測定点に関する位置及び測定順番等を示す情報を表示部38に表示させる。そして、オペレータは、表示部38の表示内容に従ってプローブ操作部32aを操作して、プローブ12aにより第1円穴118の測定点及び第2円穴120の各測定点をパートプログラム49で定められた順番でプロービングする。
自動測定モード又は手動測定モードでのプロービングが実行されることにより、座標値取得部47は、駆動コントローラ32を介して、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値を取得する(ステップS14、本発明の座標値取得工程に相当)。そして、座標値取得部47は、取得した各測定点の座標値を座標値変換部48へ出力する。
次いで、座標値変換部48は、座標値変換部48から入力された第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の機械座標系で表される座標値を、先に生成した補正マトリクス55を用いて座標値変換して、補正ワーク座標系CSHで表される各測定点の座標値を測定結果取得部50へ出力する(ステップS15、本発明の座標値変換工程に相当)。
そして、測定結果取得部50は、座標値変換部48から入力された補正ワーク座標系CSHで表される各測定点の座標値に基づき、第1円穴118及び第2円穴120のワーク102内での位置、寸法、及び形状等の測定結果を取得する(ステップS16)。この測定結果は、表示制御部42により表示部38に表示されると共に、記憶部43に記憶される。
なお、同一種類のワーク102の各種測定要素の測定を行う場合、或いは過去に補正ワーク座標系CSHの作成及び記憶を行ったワーク102の各種測定要素の測定を行う場合には、ステップS11の工程は省略することができる。
[本実施形態の三次元測定機の効果]
以上のように、本実施形態の三次元測定機10では、既述の第1相対位置を示すズレ量aと、既述の第2相対位置を示すズレ量bとを算出し、この算出結果に基づきワーク座標系CSを補正した補正ワーク座標系CSHを設定して、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値を測定する。これにより、本実施形態の三次元測定機10では、加工機121の加工時に生じた片寄誤差を補正して、加工機121による加工誤差を高精度に反映した第1円穴118及び第2円穴120の測定結果、すなわち、加工機121と互換性を保った測定結果が得られる。
図16は、本実施形態の三次元測定機10の効果を説明するための説明図である。ここで図16の上段は、第1測定基準穴110の中心112と第1ピン124の中心軸128とが一致し、且つ第2測定基準穴114の中心116と第2ピン126の中心軸130とが一致している理想状態において、加工機121により第1円穴118及び第2円穴120を加工した例である。
図16の上段に示す理想状態では、中心112(第1測定基準点)と中心軸128(第1加工基準点)とが一致し、且つ中心116(第2測定基準点)と中心軸130(第2加工基準点)とが一致する。このため、第1円穴118及び第2円穴120は、ワーク座標系CSの基準となる第1測定基準点及び第2測定基準点を基準位置として設計半径値R1a,R2aで規定された位置に加工される。その結果、ワーク座標系CS(図22参照)を設定して第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値を測定した場合であっても、上述の片寄誤差が座標値の測定結果に現れることはない。
一方、図16の下段は、加工機121内でワーク102を矢印A1方向側に片寄せした実際の状態において、加工機121により第1円穴118及び第2円穴120を加工した例である。また、図17は、図16の下段のワーク102の上面図である。
図16の下段及び図17に示す実際の状態では、既述のズレ量a、b(図3参照)が発生する。このため、第1円穴118及び第2円穴120は、第1測定基準点に対してズレ量aだけ位置ズレした第1加工基準点と、第2測定基準点に対してズレ量bだけ位置ズレした第2加工基準点とを基準位置として設計半径値R1a,R2aで規定された位置に加工される。その結果、従来のワーク座標系CSを設定して、第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値を測定した場合、その測定値R1m、R2mにはズレ量a、bに対応する片寄誤差Reが含まれる。
従って、実際の測定で得られる測定値R1m、R2mと、加工機121の第1加工基準点及び第2加工基準点を基準位置とした測定で得られる測定値R1s、R2sとの間にはズレが生じる。すなわち、加工機121の加工時の片寄せによるズレ量a、bが、三次元測定機10の測定値R1m、R2mに片寄誤差Reとして現れる。このため、加工機121の加工誤差(測定値R1s、R2sと設計半径値R1a,R2aとの誤差)、換言すると第1加工基準点及び第2加工基準点を基準とした加工機121内での測定値R1s、R2sを正確に判断することができない。
これに対して、本実施形態のように補正ワーク座標系CSHを設定して第1円穴118及び第2円穴120の各測定点の座標値を測定した場合、片寄誤差Reを含まない上述の測定値R1s、R2sが得られる。このため、三次元測定機10の測定値R1s、R2sから加工機121の加工誤差を高精度に求めることができる。
また、例えば第1円穴118及び第2円穴120の位置度を求める際に、この位置度は中心112(中心116)と中心軸128(中心軸130)との誤差、すなわち、既述のズレ量a、bの2倍となる。このため、三次元測定機10の測定誤差をEとした場合に、従来のワーク座標系CSを設定して測定を行う方法では、位置度への影響が{(R1- Pin_R1)+E}×2={a+E}×2、{(R2-Pin_R2)+E}×2={b+E}×2となる。これに対して、本実施形態のように補正ワーク座標系CSHを設定して測定を行う方法では、ズレ量a、b(片寄誤差)を三次元測定機10の測定結果から排除することができる。このため、測定結果から加工機121の加工誤差を高精度に判断することができる。
[その他]
三次元測定機10で測定対象となるワーク102は、上記各実施形態で説明したワーク102に限定されるものではなく、第1測定基準穴110及び第2測定基準穴114の位置と、測定要素である第1円穴118及び第2円穴120の位置とについても上記各実施形態で示した位置と異ならせてもよい。例えば、下記の図18及び図19に示すように、第1測定基準穴110及び第2測定基準穴114と、第1円穴118及び第2円穴120とがワーク102の互いに異なる面に形成されていてもよい。
図18は、他実施形態での加工機121による加工を説明するための説明図であり、図19は、他実施形態での三次元測定機10による測定を説明するための説明図である。図18及び図19に示すように、例えば、第1測定基準穴110(第2測定基準穴114)と第1円穴118(第2円穴120)とがワーク102の互いに異なる面に形成されている場合には、冶具80を用いて三次元測定機10による測定時のワーク102の姿勢を、加工機121による加工時の姿勢とは異ならせてもよい。すなわち、第1測定基準穴110(第2測定基準穴114)と第1円穴118(第2円穴120)との双方にプローブ12aでプロービングできるような姿勢で、ワーク102を冶具80により定盤16上に支持してもよい。
また、ワーク102の形状(種類)についても適宜変更してもよく、さらに測定要素として円穴以外を測定する場合にも本発明を適用可能である。
上記実施形態では、補正ワーク座標系CSHで記述されたパートプログラム49に従って座標値取得部47が各測定点の座標値を取得し、座標値変換部48により機械座標系の座標値を補正ワーク座標系CSHの座標値に変換しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ワーク座標系CSで記述されたパートプログラム49に従って座標値取得部47が各測定点の座標値を取得した後、座標値変換部48により機械座標系の座標値をワーク座標系CSの座標値に変換する第1座標値変換処理と、ワーク座標系CSの座標値を補正ワーク座標系CSHの座標値に変換する第2座標値変換処理とを行ってもよい。
上記実施形態では、本発明の第1測定基準点及び第2測定基準点として第1測定基準穴110及び第2測定基準穴114を例に挙げて説明したが、三次元測定機10による測定基準となり得る他の第1測定基準点及び第2測定基準点をワーク102に設けてもよい。また、上記実施形態では、本発明の第1加工基準点及び第2加工基準点として第1ピン124及び第2ピン126を例に挙げて説明したが、加工機121による加工を行う際の基準位置となり得る他の第1加工基準点及び第2加工基準点を採用してもよい。
上記実施形態では、ワーク102の片寄せによって第1ピン124の中心軸128と第2ピン126の中心軸130とが同一方向にオフセットするが、例えばワーク102をその上面(テーブル122の上面)に対して垂直な回転軸の軸周りに回転させてガタ付きを抑えた場合には、中心軸128,130の互いに異なる方向にオフセットする。この場合であっても、既述のズレ量a、bを算出することで補正ワーク座標系CSHの設定を行うことができる。
上記実施形態では、門移動型の三次元測定機10を例に挙げて説明を行ったが、各種タイプの三次元測定機に本発明を適用可能であり、三次元測定機10で使用するプローブ12aの種類も特に限定はされず、例えば非接触型のプローブを用いてもよい。また、上記実施形態では、三次元測定機10と駆動コントローラ32とコンピュータ34とがそれぞれ別体であるが、三次元測定機10と、駆動コントローラ32及びコンピュータ34の少なくとも一方とが一体化されていてもよい。
また、本発明の三次元測定機には、他の三次元測定機から取得した測定結果(座標値)と、外部から取得した設計情報51及び半径値Pin_R1、Pin_R2に基づき、補正ワーク座標系CSHの設定、ワーク102の位置姿勢の取得、座標値取得、及び座標値変換等を行う構成、すなわちコンピュータ34のみで構成されているものも含まれる。
10…三次元測定機,16…定盤,28…第1駆動部,30…第2駆動部,34…コンピュータ,38…表示部,40…制御部,44…設計情報取得部,45…ワーク座標系設定部,46…位置姿勢取得部,47…座標値取得部,48…座標値変換部,49…パートプログラム,51…設計情報,102…ワーク,110…第1測定基準穴,112、116…中心,114…第2測定基準穴,118…第1円穴,120…第2円穴,124…第1ピン,126…第2ピン,128、130…中心軸

Claims (8)

  1. ワークに加工された測定要素を三次元測定機で測定する三次元測定機の測定方法において、
    前記ワークには、前記ワークを基準とするワーク座標系を設定して前記三次元測定機による測定を行う場合に前記ワーク座標系の基準となる第1測定基準点及び第2測定基準点が設けられ、前記測定要素は前記第1測定基準点からオフセットされた第1加工基準点と前記第2測定基準点からオフセットされた第2加工基準点とを基準位置として加工されたものであり、
    前記第1測定基準点に対する前記第1加工基準点の第1相対位置を算出する第1相対位置算出工程と、
    前記第2測定基準点に対する前記第2加工基準点の第2相対位置を算出する第2相対位置算出工程と、
    前記第1相対位置算出工程で算出された前記第1相対位置と前記第2相対位置算出工程で算出された前記第2相対位置とに基づいて、前記ワーク座標系を補正した補正ワーク座標系を設定する補正ワーク座標系設定工程と、
    を有する三次元測定機の測定方法。
  2. 前記三次元測定機内での前記ワークの位置及び姿勢を取得する位置姿勢取得工程と、
    前記三次元測定機で前記測定要素内の測定点を測定して、前記三次元測定機の機械座標系で表される前記測定点の座標値を取得する座標値取得工程と、
    前記補正ワーク座標系設定工程で設定された前記補正ワーク座標系と、前記位置姿勢取得工程で取得された前記ワークの位置及び姿勢とに基づき、前記座標値取得工程で取得された前記測定点の座標値を、前記補正ワーク座標系で表された座標値に変換する座標値変換工程と、
    を有する請求項1に記載の三次元測定機の測定方法。
  3. 前記第1測定基準点に対する前記第1加工基準点のオフセット方向と、前記第2測定基準点に対する前記第2加工基準点のオフセット方向とが同一方向である請求項1又は2に記載の三次元測定機の測定方法。
  4. 前記ワークに前記測定要素を加工する加工機は、第1方向に突設され且つ前記ワークの位置決めに用いられる第1ピン及び第2ピンを備え、
    前記ワークには、前記第1ピンより大径で前記第1ピンが挿入される第1測定基準穴と、前記第2ピンより大径で前記第2ピンが挿入される第2測定基準穴とが形成され、
    前記ワークは、前記第1測定基準穴に前記第1ピンが挿入され且つ前記第2測定基準穴に前記第2ピンが挿入され、さらに前記第1方向に対して垂直な第2方向に片寄せされた状態で、前記加工機により前記測定要素が加工され、
    前記第1測定基準点は前記第1測定基準穴の中心であり、前記第2測定基準点は前記第2測定基準穴の中心であり、前記第1加工基準点は前記第1ピンの中心軸であり、前記第2加工基準点は前記第2ピンの中心軸である請求項3に記載の三次元測定機の測定方法。
  5. 前記第1相対位置算出工程は、前記第1測定基準穴の中心座標と前記第1ピンの半径値とを取得し、取得した前記第1測定基準穴の中心座標と前記第1ピンの半径値とに基づき前記第1相対位置を算出し、
    前記第2相対位置算出工程は、前記第2測定基準穴の中心座標と前記第2ピンの半径値とを取得し、取得した前記第2測定基準穴の中心座標と前記第2ピンの半径値とに基づき前記第2相対位置を算出する請求項4に記載の三次元測定機の測定方法。
  6. 前記第1相対位置算出工程は、前記第1測定基準穴の中心座標を、前記三次元測定機による実測により取得又は前記第1測定基準穴の設計情報から取得し、
    前記第2相対位置算出工程は、前記第2測定基準穴の中心座標を、前記三次元測定機による実測により取得又は前記第2測定基準穴の設計情報から取得する請求項5に記載の三次元測定機の測定方法。
  7. ワークに加工された測定要素を測定する三次元測定機において、
    前記ワークには、前記ワークを基準とするワーク座標系を設定して前記三次元測定機による測定を行う場合に前記ワーク座標系の基準となる第1測定基準点及び第2測定基準点が設けられ、前記測定要素は前記第1測定基準点からオフセットされた第1加工基準点と前記第2測定基準点からオフセットされた第2加工基準点とを基準位置として加工されたものであり、
    前記第1測定基準点に対する前記第1加工基準点の第1相対位置を算出する第1相対位置算出部と、
    前記第2測定基準点に対する前記第2加工基準点の第2相対位置を算出する第2相対位置算出部と、
    前記第1相対位置算出部が算出した前記第1相対位置と前記第2相対位置算出部が算出した前記第2相対位置とに基づいて、前記ワーク座標系を補正した補正ワーク座標系を設定する補正ワーク座標系設定部と、
    を備える三次元測定機。
  8. 前記三次元測定機内での前記ワークの位置及び姿勢を取得する位置姿勢取得部と、
    前記三次元測定機で前記測定要素内の測定点を測定して得られた前記測定点の座標値であって、且つ前記三次元測定機の機械座標系で表される前記測定点の座標値を取得する座標値取得部と、
    前記補正ワーク座標系設定部が設定した前記補正ワーク座標系と、前記位置姿勢取得部が取得した前記ワークの位置及び姿勢とに基づき、前記座標値取得部が取得した前記測定点の座標値を、前記補正ワーク座標系で表された座標値に変換する座標値変換部と、
    を備える請求項7に記載の三次元測定機。
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