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JP2018081527A - 電子カルテシステム - Google Patents

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JP2018081527A JP2016223839A JP2016223839A JP2018081527A JP 2018081527 A JP2018081527 A JP 2018081527A JP 2016223839 A JP2016223839 A JP 2016223839A JP 2016223839 A JP2016223839 A JP 2016223839A JP 2018081527 A JP2018081527 A JP 2018081527A
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Abstract

【課題】過去の電子カルテ情報における診断結果を有効に利用し、医師による診断を補助する機能を備えた電子カルテシステムを提供する。【解決手段】複数の医療機関に配置された複数の電子カルテ端末にネットワークを介して接続する電子カルテサーバを備える電子カルテシステムであって、電子カルテサーバは、診察において患者毎に作成される電子カルテ情報と、電子カルテ情報として入力された症状に関する情報と、病名、処置又は検査とを関連付けた統計情報データベースと、を記憶する記憶手段と、電子カルテ端末に電子カルテ情報入力画面を表示し、電子カルテ情報入力画面に入力された症状に関する情報に基づいて、関連付けられた病名、処置又は検査について統計情報データベースを検索し、検索された病名、処置又は検査を参考情報として、電子カルテ端末に選択可能に表示するように構成された制御手段と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子カルテ情報を作成及び管理する技術に関し、特に、患者の症状に基づいて医師が病名、処置又は検査内容を診断することを補助できる機能を有する電子カルテシステムに関する。
医療機関では、患者の主訴及び医師の所見から、必要な処置、検査を決定し、患者の病名を診断し、処方を決定している。医師は、常に最新の技術及び知識を取得すべく研鑽しているが、各個人が体験できる経験は限られており、取得できる知識にも限界がある。また、従来から患者の診察内容を記録するためにカルテを作成していたが、近年、カルテを電子化した電子カルテシステムが実現されている。しかし、電子カルテを作成する際に、医師が電子カルテ作成画面上で患者に対する検査や投薬等の診療行為を選択または入力しており、カルテに記録すべき内容が多いと、ユーザである医師の負担が大きかった。
この点、特許文献1では、電子カルテシステムの関連システムとして、医療機関で医師が処方した処方薬の情報を管理する処方薬管理システムが提案され、レセプト(診療報酬明細書)や電子カルテなどに記載された診察結果を収集して診察結果データベースを構成し、検索対象の病名に対して他の機関などの処方の情報を取得できる、とされている。具体的には、検索対象の病名のヒット数、かかる病名に対して処方された処方薬のヒット数、処方薬毎のヒット数と占有割合などが特定され、かかる検索結果を処方薬検索画面に表示される。これにより、医師は、他の機関がある病名に対し、どのような処方を行っているかを参考にできる。
特開2010−128718号公報
しかしながら、特許文献1の処方薬管理システムは、患者の主訴及び医師の所見から医師が病名を診断した後に、その病名に基づいて、対応する処方薬を選択する際に参考的な情報が得られるだけであり、他の機関や過去の電子カルテにおける患者の主訴及び医師の所見を利用するものではなかった。特に、症状に関する情報は、患者毎に千差万別であり、患者の主観情報である主訴については、患者からの伝聞を入力するため、口語文で記述されることが多く、画一的なデータとして利用することが難しかった。
本発明は、上記問題を鑑みて、過去の電子カルテ情報における診断結果を有効に利用し、医師による診断を補助する機能を備えた電子カルテシステムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明の電子カルテシステムは、複数の医療機関に配置された複数の電子カルテ端末にネットワークを介して接続する電子カルテサーバを備える電子カルテシステムであって、前記電子カルテサーバは、診察において患者毎に作成される電子カルテ情報と、前記電子カルテ情報として入力された症状に関する情報と、病名、処置又は検査とを関連付けた統計情報データベースと、を記憶する記憶手段と、前記電子カルテ端末に電子カルテ情報入力画面を表示し、前記電子カルテ情報入力画面に入力された症状に関する情報に基づいて、関連付けられた病名、処置又は検査について前記統計情報データベースを検索し、検索された病名、処置又は検査を参考情報として、前記電子カルテ端末に選択可能に表示するように構成された制御手段と、を有することを特徴とする。
また、上記電子カルテシステムにおいて、前記症状に関する情報は、不定型データを含み、前記記憶手段は、症状に関するキーワードを格納した統計マスタを記憶し、前記制御手段は、前記統計マスタに格納されたキーワードを用いて、前記症状に関する情報に含まれる前記不定型データを定型化し、定型化された症状に基づいて前記統計情報データベースを検索してもよい。
また、上記電子カルテシステムにおいて、前記症状に関する情報は、患者の主訴又は医師の所見であり、前記電子カルテ情報入力画面に患者の主訴又は医師の所見を入力すると前記参考情報が自動的に表示されることが好ましい。
また、上記電子カルテシステムにおいて、前記制御手段は、前記検索された病名、処置又は検査のうち、頻度の高いものを参考情報として、前記電子カルテ端末に表示することが好ましい。
また、上記電子カルテシステムにおいて、前記制御手段は、前記複数の電子カルテ端末において入力された電子カルテ情報の少なくとも症状、病名、処置及び検査に関する情報を蓄積して前記統計情報データベースを構築するが、当該電子カルテ情報の患者の個人情報については前記統計情報データベースに格納しないことが好ましい。
本発明によれば、電子カルテ情報として入力された症状に関する情報と、病名、処置又は検査とを関連付けた統計情報データベースを記憶する記憶手段を有し、電子カルテ情報入力画面に入力された症状に関する情報に基づいて、関連付けられた病名、処置又は検査について前記統計情報データベースを検索し、検索された病名、処置又は検査を参考情報として、前記電子カルテ端末に選択可能に表示するため、症状に関する情報から、過去の診断の経験を踏まえて、病名、処置又は検査についての参考情報を得ることができ、より正確に診断することができる。特に統計情報データベースには、複数の医療機関に配置された複数の電子カルテ端末からの電子カルテ情報が網羅的に蓄積されるため、様々な医療機関における診断結果を活用することができる。その他の効果については、発明を実施するための形態において述べる。
本発明の電子カルテシステムの全体構成の一例を示す概略図 記憶手段に格納される各種情報の構成の一例を示す図 電子カルテ情報入力画面の一例を示す図 電子カルテ情報登録処理の一例を示す図 統計情報登録処理の一例を示す図 統計情報テーブルの一例を示す図 統計情報を用いた参考情報提示処理を含む電子カルテ情報登録処理の一例を示す図 参考情報提示処理の一例を示す図 参考情報提示画面が表示された電子カルテ情報入力画面の一例を示す図 病名欄及びオーダー欄入力後の電子カルテ情報入力画面の一例を示す図
[本発明の概要]
図1は、本発明の電子カルテシステム1の全体構成の一例を示す概略図である。本発明の電子カルテシステム1は、医療機関において診療の経過を記録するカルテを電子的に記録、管理するシステムであり、電子カルテ端末5A〜5Cに電子カルテ情報入力画面10を表示し、電子カルテ情報入力画面10を介して電子カルテ情報として患者の主訴、医師の所見、病名、処置及び検査などを入力可能なものである。そして、本発明の電子カルテシステム1では、複数の電子カルテ端末5A〜5Cにおいて入力された患者の主訴や医師の所見などから把握される症状と、病名、処置又は検査とを関連付けた統計情報を作成し、過去の診断結果を有効活用できるようにしたものである。さらに、本発明の電子カルテシステム1は、患者の診察時において、ユーザ(医師)が電子カルテ端末5A〜5Cに入力した患者の主訴や医師の所見に基づいて、統計情報を参酌して、医師による診断の判断材料の一つとして、「疑わしい病名候補」や「必要と思われる処置、検査」を参考情報提示画面20に通知する機能を実現することもできる。医師が診断結果として、かかる通知内容を採用した場合は、そのまま電子カルテに病名、処置又は検査を入力することができ、電子カルテ情報の入力を補助することもできる。
電子カルテシステム1において、患者の主訴や医師の所見は、予め決まった文言を入力する定型入力の場合と、ユーザが自由に文章を入力できる自由入力の場合がある。ここで、定型入力で入力されたデータを定型データと呼び、自由入力で入力されたデータを不定形データと呼ぶ。定型入力の場合は、定型データが決まった文言から構成されるため、決まった文言をコードで管理し、病名、処置又は検査と関連付けて記憶すればよい。自由入力の場合、不定型データをテキストマイニングによって単語やフレーズに分割し、分割された単語やフレーズ(又はその中の一部)を病名、処置又は検査と関連付けて記憶したり、所定のキーワードを予め設定し、キーワードで不定型データをフィルタリングして一致するキーワードのコードで定型化したりすることができる。
本発明によれば、過去に診断された診断結果を含む電子カルテ情報を電子カルテシステム1を用いて収集し、できるだけ多くの電子カルテ情報を蓄積し、患者の主訴又は医師の所見と病名、処置又は検査とを関連付けて統計情報を作成し、かかる統計情報を利用して医師の診断時に参考情報を提供し、その後、医師によって新たに診断された電子カルテ情報を収集するというサイクルを得ることができる。このサイクルを繰り返すことで統計情報として医師による診断の経験が蓄積され、医師の診断を補助する機能の精度も向上する。ただし、本発明の電子カルテシステム1が提供する情報は、「疑わしい病名候補」や「必要と思われる処置、検査」などの参考情報であり、最終的な患者の診断は医師が決定する。
[電子カルテシステムの構成]
図1に示す本発明の電子カルテシステム1は、電子カルテ情報及び統計情報を作成及び管理するための電子カルテサーバ2と、電子カルテ端末5(図1では、5A、5B及び5Cを例示している)とを備え、必要に応じて、レセプト処理を実行するレセプト処理サーバ(図示省略)、電子カルテサーバ2を管理するための管理端末(図示省略)を含んでもよい。電子カルテサーバ2、電子カルテ端末5、レセプト処理サーバ及び管理端末などは、ネットワーク8などを介して、相互に接続する。
電子カルテサーバ2は、医療機関等に配置された電子カルテ端末5に、電子カルテ情報入力画面10及び参考情報提示画面20を表示し、医師による電子カルテ情報の入力を支援することができる。電子カルテサーバ2は、例えば、各種のサーバ、パーソナルコンピュータ、メインフレーム等の計算機又はこれらの組み合わせによって構成することができる。電子カルテサーバ2は、ハードディスク装置などによって構成される記憶手段3、プロセッサ及びメモリなどによって構成される制御手段4、ネットワーク8に接続するためのネットワークインターフェイス(図示省略)を必要に応じて備える。
記憶手段3は、電子カルテ情報を管理するための電子カルテ情報データベース32、電子カルテ情報及び統計情報の各項目の基本情報を管理するためのマスタデータベース34及び統計情報を管理するための統計情報データベース36などを格納する。各情報の相互の関連及びデータ構造などの詳細は、後述する図2において説明する。
制御手段4は、プロセッサなどによって記憶手段3に格納された各種プログラムをメモリに格納し、メモリに格納された各種プログラムを読み出して実行し、ハードウェアとプログラムとを協働させ、後述する電子カルテ情報登録処理(図4、図7参照)、統計情報登録処理(図5参照)、参考情報提示処理(図8参照)などの処理を実行する。また、制御手段4は、ユーザを認証する機能、外部システム(例えば、レセプト処理サーバ7など)と連携する機能、外部システムに構成された処方マスタなどを参照する機能などを実現してもよい。
電子カルテ端末5は、医療機関(例えば、医院、病院、診療所、クリニックなど)に配置され、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、多機能携帯電話(スマートフォン、i−phone(登録商標))などを採用することができる。電子カルテ端末5は、記憶手段、制御手段及びネットワークインターフェイスを備え、少なくとも、ネットワーク8に接続する機能、電子カルテサーバ2から提供される電子カルテ情報を入力、表示するための電子カルテ画面10及び参考情報提示画面20を表示する機能、及び各種情報を入力する機能を有していればよい。本発明においては、様々な診察結果を収集する観点から、複数の医療機関にそれぞれ配置された複数の電子カルテ端末5A〜5Cが電子カルテサーバ2と接続され、電子カルテシステム1を提供することが好ましい。なお、一つの医療機関内に複数の電子カルテ端末を配置してもよい。図1に示した電子カルテシステム1では、第1の医療機関に配置された電子カルテ端末5Aと、第2の医療機関に配置された電子カルテ端末5Bと、第3の医療機関に配置された電子カルテ端末5Cとがネットワーク8を通じて電子カルテサーバ2と接続されている。
図示しない管理端末は、例えば、パーソナルコンピュータ等を採用することができ、管理GUIプログラムなどを有する。これにより、管理端末は、電子カルテサーバ2の管理者に対し、サーバの構成、各種プログラム、各種情報を設定及び変更するためのインターフェースを提供する。
ネットワーク8は、特に限定されるものではなく、例えば、公衆電話網、ISDN(Integrated Service Digital Networkの略。デジタル総合サービス網とも呼ばれる。)、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、CATV(Community Antenna TeleVision)網、光ファイバー網、無線LAN(Local Area Network)、CS(Communication Satellite)放送、移動電話網等を利用することができる。
なお、図1に示した電子カルテシステム1の構成は単なる例示であり、これに限定されない。例えば、電子カルテ端末5が電子カルテサーバ2の一部の機能を実現するように構成してもよいし、電子カルテサーバ2と電子カルテ端末5が協動して各種の機能を実現するように構成してもよいし、記憶手段3に格納されたデータベース32、34、36の一部が外部の記憶サーバに格納されていてもよい。
図2は、電子カルテサーバ2の記憶手段3に格納される電子カルテ情報データベース32、マスタデータベース34及び統計情報データベース36の構成の一例を示す図である。電子カルテ情報データベース32は、患者毎の診察において作成された電子カルテに登録された各情報を収集し、それぞれのテーブルに情報を蓄積して構成される。電子カルテ情報は、患者の個人情報を含み、医療機関ごとに独立して管理されており、ユーザは、基本的に所属する医療機関の電子カルテ情報にはアクセスできるが、他の医療機関の電子カルテ情報にはアクセスできない。マスタデータベース34は、電子カルテ情報の各テーブルの項目及び統計情報の各テーブルの項目に入力される基本情報が蓄積されている。統計情報データベース36は、少なくとも電子カルテ情報データベース32における症状(主訴又は所見を含む)と病名、処置又は検査との対応関係が蓄積され、複数の医療機関の電子カルテ情報が混在したビッグデータである。ただし、電子カルテ情報には、患者の氏名、住所、電話番号など個人情報も記憶されているところ、統計情報データベース36は統計情報を得るためのものであり、個々の患者の個人情報は不要であり、個人情報保護の観点から、制御手段4は、電子カルテ情報における患者の個人情報については統計情報データベースに登録しないことが好ましい。
電子カルテ情報データベース32は、少なくとも、患者情報テーブル321、カルテ基本テーブル322、症状テーブル323、オーダーテーブル324、カルテ病名テーブル325を含む。マスタデータベース34は、少なくとも、所見マスタ341、選択肢マスタ342、病名マスタ343、統計マスタ344を含む。統計情報データベース36は、少なくとも統計情報テーブル361を含む。
患者情報テーブル321には、患者の基本情報が格納され、例えば、患者ID、氏名、性別、生年月日、身長、体重、年齢、住所、電話番号などが記録される。患者IDは、患者毎に採番される一意な識別番号である。患者情報テーブル321のうち氏名、住所、電話番号などの個人を特定できる情報は個人情報であり、統計情報には含めないことが好ましい。
カルテ基本テーブル322には、カルテの基本となる情報が格納され、例えば、カルテID、医療機関ID、診療科ID、患者ID、受診日などが記録される。カルテIDは、診察ごとに採番される一意な識別番号であり、カルテ基本テーブル322は、原則として、1回の診察で1件作成される。医療機関ID及び診療科IDは、それぞれ受診した医療機関及び診療科を一意に特定する識別番号が記録され、そのカルテがどこの医療機関の診療科のものか特定する。さらに患者IDは、患者情報テーブル321の患者IDと紐付いており、受診した患者を特定する。
症状テーブル323には、患者の症状に関する情報(主訴、所見などを含む。例えば「咳」)が格納され、例えば、症状ID、カルテID、区分、入力内容、入力日時などが記録される。症状IDは、入力内容ごとに採番される一意な識別番号であり、一度の診察で複数回入力する内容があれば、複数の症状IDが生成される。カルテIDは、カルテ基本テーブル322のカルテIDと紐付いており、受診した診察、患者などを特定できる。区分は、入力内容の種類による区分であり、入力する際に入力者によって選択され、例えば、「主訴」や「所見」である。入力内容には、各区分に応じた内容が入力される。入力方法としては、予め決まった文言を入力する定型入力でもよいし、ユーザが自由に文章を入力できる自由入力でもよいし、両方の方法を選択可能であってもよい。症状は、患者毎に千差万別であり、典型的なものについては定型入力で対応できるが、典型的な定型文だけでは対応できないことも多く、症状を詳細かつ正確に入力するため自由入力もできることが好ましい。定型入力の場合には、所見IDを入力し、所見マスタ341の所見IDと紐付け、所見の内容(例えば「咳」)を特定してもよい。自由入力の場合は、入力された不定型データを統計マスタ344のキーワードを用いて定型化して統計情報テーブルに入力する。入力日時には、入力内容を登録した日時が自動的に保存される。
症状テーブル323の入力にSOAP区分のカルテ入力書式を使用することもできる。SOAP区分のSは「Subject」の略であり、主観的データを意味し、患者から提供された自覚症状などの主観的情報であり、主訴を含む。SOAP区分のOは「Object」の略であり、客観的データを意味し、医師や看護師など医療従事者が観察した情報や、測定、検査などから得られる情報であり、所見を含む。SOAP区分のAは「Assessment」の略であり、S及びOから患者の症状を診断又は分析した結果である。SOAP区分のPは「Plan」の略であり、診断結果から提案する治療計画である。このように、SOAP区分のSとして主訴が、Oとして所見が対応している。
オーダーテーブル324は、患者に実施する処置又は検査(例えば「胸部レントゲン」)が格納され、例えば、オーダーID、カルテID、選択肢IDなどが記録される。オーダーIDは、処置又は検査ごとに採番される一意な識別番号であり、一度の診察で複数の処置又は検査が実施されれば、複数のオーダーIDが生成される。カルテIDは、カルテ基本テーブル322のカルテIDと紐付いており、受診した診察、患者などを特定できる。選択肢IDは、選択肢マスタ342の選択肢IDと紐付いており、処置・検査の内容(例えば「胸部レントゲン」)を特定する。
カルテ病名テーブル325は、電子カルテ情報入力画面10を介して医師によって登録されたカルテ病名(例えば「急性肺炎」)が格納され、例えば、カルテ病名ID、カルテID、病名IDなどが記録される。カルテ病名IDは、患者ごとに採番される一意な識別番号である。カルテIDは、カルテ基本テーブル322のカルテIDと紐付いており、受診した診察、患者などを特定できる。病名IDは、病名マスタ343の病名IDと紐付いており、病名(例えば「急性肺炎」)を特定する。
マスタデータベース34の所見マスタ341は、所見内容として典型的な症状(咳、発熱など)と、各所見内容を一意に識別する所見IDとが対応付けられて蓄積されており、症状テーブル323の入力内容に紐付いて症状を特定する。選択肢マスタ342は、選択肢内容として具体的な処置(例えば「吸入」)又は検査(例えば「胸部レントゲン」)と、それらを一意に識別する選択肢IDとが対応付けられて蓄積されており、オーダーテーブル324の選択肢IDに紐付いて処置及び検査の内容を特定する。病名マスタ343は、病名(例えば「急性肺炎」)と、病名を一意に識別する病名IDとが対応付けられて蓄積されており、カルテ病名テーブル325の病名IDに紐付いて病名を特定する。統計マスタ344は、症状テーブル323に自由入力で入力された不定型データからなる入力内容(主訴、所見などを含む患者の症状に関する情報)を分析するためのキーワードと、各キーワードを識別する統計IDとが対応付けられて蓄積されており、不定型データである患者の症状に関する情報を統計マスタ344に蓄積されたキーワードでフィルタリングして、不定型データ中に一致するキーワードが存在すれば、かかるキーワードに対応する統計IDを付与することによって、定型化できる。統計マスタ344のキーワードには、典型的な症状が登録されており、1つの統計IDに表現を変えて複数のキーワードが登録されていてもよい。
統計情報データベース36の統計情報テーブル361は、少なくとも、症状と、病名、処置又は検査との対応関係が格納され、症状と、病名、処置又は検査との組合せごとに、統計情報IDが生成され、症状テーブル323の入力内容と、対応付けられる情報の区分(例えば「病名」、「処置」、「検査」など)と、オーダーテーブル324の選択肢ID又はカルテ病名テーブル325の病名IDとを少なくとも取得し、マスタデータベース34の各マスタ情報と紐付いている。症状テーブル323の入力内容について、入力内容が定型データの場合は所見IDが、不定型データの場合は統計マスタ344を介して統計IDが格納される。
以下、本発明の電子カルテシステム1が提供する各種処理について、図1及び図2も参照しながら、まず統計情報を用いずに電子カルテ情報を登録する処理について、図3及び図4を用いて、次に、統計情報を登録する処理について、図5及び図6を用いて、さらに統計情報を用いた参考情報提示処理を含む電子カルテ情報登録処理について、図7乃至図10を用いて説明する。
[電子カルテ情報登録処理]
図3は、電子カルテ情報入力画面の一例を示す図であり、図4は、電子カルテ情報登録処理の一例を示す図である。本発明の電子カルテシステム1では、ユーザ(医師)は、患者の診察において、電子カルテ端末5Aに表示される電子カルテ情報入力画面10を介して所要の事項を入力し、電子カルテ情報を電子カルテ情報データベース32に登録することができる。以下では、主に電子カルテサーバ2の制御手段4が、電子カルテ情報登録処理を実行する場合について説明するが、これに限定されない。電子カルテ端末5の制御手段が、電子カルテ登録処理の一部を実行するように構成してもよいし、電子カルテサーバ2と電子カルテ端末5とが協同して電子カルテ登録処理を実行してもよい。
医療機関に設置される電子カルテ端末5Aを介して、ユーザ(医師)が電子カルテシステム1を利用するための認証手続きを完了させると、ユーザに付与された権限の範囲で電子カルテサーバ2と電子カルテ端末5とが連携可能な状態となり、電子カルテ端末5Aに電子カルテ情報入力画面10が表示される(S101)。図3の電子カルテ情報入力画面10には、患者情報欄11、主訴欄12、所見欄13、検査結果欄14、病名欄15、オーダー欄16が表示されている。各欄は、例えば、カーソルでクリックすることで入力可能となり、定型入力の場合は、定型文がポップアップ等に表示され、該当する定型文を選択することで入力され、自由入力の場合は、キーボード等の入力手段で文章を入力する。
患者が初めて来院する場合、初診などである場合には、電子カルテサーバ2の制御手段4(以下、単に制御手段4という。)は、新たに患者IDを生成し、受付時に収集された患者の情報(氏名、性別、生年月日、身長、体重、血液型、症状(問診票の内容)など)が入力され、かかる情報を電子カルテ情報データベース32の患者情報テーブル321に新規に登録するとともに、電子カルテ端末5Aに電子カルテ情報入力画面10を閲覧・入力・編集可能に表示する。再診などであって、電子カルテ情報データベース32に既に該当する患者の電子カルテ情報が登録されている場合には、患者の個人情報(氏名、住所、電話番号など)や患者ID(診察券に記載されたNo)に基づいて患者の電子カルテ情報の少なくとも一部を取得し、電子カルテ端末5Aに一部の項目が入力済みの状態である電子カルテ情報入力画面10を提供してもよい。電子カルテ情報入力画面10の患者情報欄11に患者の情報が表示される。そして、制御手段4は、カルテ基本テーブル322に新たなカルテIDを生成し、その日の診察用の電子カルテを作成する。
ユーザー(医師)は、患者の診察において、電子カルテ端末5Aに表示される電子カルテ情報入力画面10を介して、患者の症状を入力する(S102)。例えば、患者から聞いた主訴(患者が最も強く訴える症状)を主訴欄12に入力し、また、患者を診察した医師の所見を所見欄13に入力する。制御手段4は、症状が入力された場合、電子カルテ情報データベース32の症状テーブル323において症状IDが生成され、区分として「主訴」、「所見」が選択され、入力内容に入力された具体的な症状を登録する。
また、ユーザー(医師)は、症状に応じて必要な処置や検査をオーダー欄16に入力する(S103)。例えば、「咳」の症状に対して「胸部レントゲン」を検査として入力すると、制御手段4は、電子カルテ情報データベース32のオーダーテーブル324にオーダーIDを生成し、「胸部レントゲン」に対応した選択肢IDを登録する。検査の結果は、電子カルテ情報入力画面10の検査結果欄14に登録される。
さらに、ユーザー(医師)は、症状及び検査結果などから病名を診断し、病名欄15に入力する(S104)。例えば、「咳」の症状及び「胸部レントゲン」の観察結果から「急性肺炎」を病名として入力すると、制御手段4は、電子カルテ情報データベース32のカルテ病名テーブル325にカルテ病名IDを生成し、「急性肺炎」に対応した病名IDを登録する。
その後、ユーザー(医師)は、症状及び病名に応じて必要な処方をオーダー欄16に入力する(S105)。例えば、「咳」の症状に対して「クラリス」を診断し、用法用量についても入力する。制御手段4は、電子カルテ情報データベース32の処方テーブル(図示せず)に処方IDを生成し、薬剤マスタ(図示せず)を参照して、「クラリス」に対応した薬剤ID及び用法用量などを登録する。なお、S102〜S105の各情報の入力の順番は、特に限定されるものではなく、診察の過程において順次行われる。
次いで、制御手段4は、所要の電子カルテ情報について未入力の項目がないか判定する(S106)。S106において、未入力の項目があると判定された場合(S106のYes)、制御手段4は、未入力の項目がある旨をユーザに示し、S102乃至S105の処理を実行する。一方、S106において、未入力の項目がないと判定された場合(S106のNo)、電子カルテ情報登録処理を終了する。
なお、図4は、電子カルテ情報登録処理の一例であり、種々の変更が可能である。上述したとおり、S102〜S105の順番は任意であっても、所定の順番が定まっていてもよい。また、図4では、個々の情報を入力する際に情報を登録したが、症状、カルテ病名、処置の内容、処方の内容の全てを入力してから電子カルテ情報データベースに登録するように構成してもよい。また、症状からカルテ病名を入力した後、入力したカルテ病名を病名点検処理した後、電子カルテ情報データベース32のカルテ病名テーブル321にカルテ病名又は対応する保険病名を登録してもよい。
[統計情報登録処理]
図5は、統計情報登録処理の一例を示す図である。まず、制御手段4は、登録された電子カルテ情報について、症状テーブル323の入力内容を取得し(S201)、入力内容が定型データか否かを判定する(S202)。判定の結果、定型データではなく不定型データだった場合(S202のNo)、不定型データを定型化し(S203)、定型化した入力内容と、オーダーテーブル324の選択肢ID又は/及びカルテ病名テーブル325の病名IDとを統計情報テーブル361に登録する(S204)。判定の結果、定型データだった場合(S202のYes)、定型データと、オーダーテーブル324の選択肢ID又は/及びカルテ病名テーブル325の病名IDとを統計情報テーブル361に登録する(S204)。
例えば、電子カルテ情報として、主訴に自由入力で「3日前から咳が出る」、「昨日から38度の発熱と関節痛」が、カルテ病名に「急性肺炎」が、オーダーの検査に「胸部レントゲン」が登録されており、統計マスタ344には、「咳」(統計ID:0001)、「発熱」(統計ID:0002)、「関節痛」(統計ID:0003)が登録されていた場合、主訴の入力内容が定型データではないのでS202はNoとなり、不定型データを定型化する。「3日前から咳が出る」という不定データには、「咳」という文言が含まれるので統計ID:0001が付与され、「昨日から38度の発熱と関節痛」という不定データには、「発熱」及び「関節痛」という文言が含まれるので統計ID:0002及び0003が付与され、統計情報データベース361の入力内容に登録される。そして、対応するカルテ病名IDには「急性肺炎」が登録され、選択肢IDには「胸部レントゲン」が登録される。
図6A〜Dは、統計情報テーブルの一例を示す図である。統計情報テーブル361には、各症状について、病名及び検査を別々に対応付けて、6つの統計情報IDを作成してもよいし(図6A)、各症状について、病名及び検査を併せて対応付けて、3つの統計情報IDを作成してもよいし(図6B)、複数の症状を併せて、病名及び検査を別々に対応付けて、2つの統計情報IDを作成してもよいし(図6C)、複数の症状を併せて、病名及び検査を併せて対応付けて、1つの統計情報IDを作成してもよい(図6D)。なお、図6においては、入力内容、選択肢ID及び病名IDについて、分かりやすくするために、識別番号ではなくマスタ情報を紐付けて具体的な症状等で記載した。
統計情報テーブル361には、他にも患者の性別、年齢なども入力し、性別や年齢別の統計情報を得ることができるようにしてもよいが、患者の個人情報に紐付く情報(例えば、患者IDそれ自体)は登録しないことが好ましい。
[統計情報を用いた参考情報提示処理]
図7は、統計情報を用いた参考情報提示処理を含む電子カルテ情報登録処理の一例を示す図であり、図8は、参考情報提示処理の一例を示す図である。図7に示すように、統計情報を用いた参考情報提示処理を含む電子カルテ情報登録処理では、図4の電子カルテ情報登録処理において、S102において、症状を入力した後に、参考情報を提示する処理(S301)が追加される。
参考情報提示処理S301では、図8に示すように、制御手段4は、入力された症状テーブル323の入力内容を取得し(S302)、入力内容が定型データか否かを判定する(S303)。判定の結果、定型データではなく不定型データだった場合(S303のNo)、図5のS203と同様に、不定型データを定型化し(S304)、定型化したデータ(統計ID)を用いて統計情報データベース36を検索する(S305)。判定の結果、定型データだった場合(S303のYes)、定型データ(所見ID)を用いて統計情報データベースを検索する(S305)。統計情報データベース36の検索は、入力された症状テーブル323の入力内容と同じ症状を含む統計情報テーブル361を選択し、かかる症状に対応付けられた統計情報テーブル361の選択肢ID及び病名IDを抽出する。そして、頻度の高い病名、処置、検査を電子カルテ端末の参考情報提示画面20に選択可能に表示する(S306)。例えば、頻度の一番高いものを表示したり、頻度の高いものから3つ表示したりしてもよい。
図9は、参考情報提示画面20が表示された電子カルテ情報入力画面の一例を示す図であり、図10は、病名欄15及びオーダー欄16を入力後の電子カルテ情報入力画面の一例を示す図である。図9に示すように、主訴欄12に「咳が出る」という不定型データが入力され、所見欄13に「発熱38.2℃」という不定型データが入力された場合、制御手段4は、まず主訴欄12の入力内容について、定型データではないのでS303はNoとなり、統計マスタ344を参照し、「咳」という文言が含まれるので統計ID:0001を付与し、統計情報データベース36を検索する。そして、統計情報データベース36の中で、統計ID:0001を含む統計情報テーブルを抽出し、その選択肢ID及び病名IDの頻度の高いものを参考情報として参考情報提示画面20に選択可能に表示する(S306)。さらに、所見欄13の入力内容についても、定型データではないのでS303はNoとなり、統計マスタ344を参照し、「発熱」という文言が含まれるので統計ID:0002を付与し、統計情報データベース36を検索する。そして、統計情報データベース36の中で、統計ID:0002を含む統計情報テーブルを抽出し、その選択肢ID及び病名IDの頻度の高いものを参考情報として参考情報提示画面20に選択可能に表示する(S306)。この場合、主訴の統計ID:0001で得られた参考情報と、所見の統計ID:0002で得られた参考情報とを両方表示してもよいし、共通する参考情報だけを表示してもよい。
図9では、参考情報として「疑うべき病名」に「急性肺炎」が選択可能に表示され、「必要と思われる検査」に「胸部レントゲン」が選択可能に表示されている。参考情報提示画面20において参考情報を選択すると、その参考情報を入力できる。図10では、検査については参考情報の「胸部レントゲン」を医師が選択したため、オーダー欄16に「胸部レントゲン」が入力され、検査結果14にはレントゲン写真が撮影日時と共に登録されている。しかし、病名については参考情報を選択せず、病名欄15には医師の診断として「急性上気道炎」が入力されている。このように、参考情報を利用するかしないかは医師の判断によるものであり、入力される病名、処置、検査は参考情報に限定されない。なお、参考情報は、別途設けられた参考情報提示画面20に表示するだけではなく、例えば、病名欄15やオーダー欄16に直接参考情報として表示されてもよい。
1 電子カルテシステム
2 電子カルテサーバ
3 記憶手段
4 制御手段
5 電子カルテ端末
8 ネットワーク
10 電子カルテ情報入力画面
20 参考情報提示画面
32 電子カルテ情報データベース
34 マスタデータベース
36 統計情報データベース

Claims (5)

  1. 複数の医療機関に配置された複数の電子カルテ端末にネットワークを介して接続する電子カルテサーバを備える電子カルテシステムであって、
    前記電子カルテサーバは、
    診察において患者毎に作成される電子カルテ情報と、前記電子カルテ情報として入力された症状に関する情報と、病名、処置又は検査とを関連付けた統計情報データベースと、を記憶する記憶手段と、
    前記電子カルテ端末に電子カルテ情報入力画面を表示し、前記電子カルテ情報入力画面に入力された症状に関する情報に基づいて、関連付けられた病名、処置又は検査について前記統計情報データベースを検索し、検索された病名、処置又は検査を参考情報として、前記電子カルテ端末に選択可能に表示するように構成された制御手段と、を有することを特徴とする電子カルテシステム。
  2. 前記症状に関する情報は、不定型データを含み、
    前記記憶手段は、症状に関するキーワードを格納した統計マスタを記憶し、
    前記制御手段は、前記統計マスタに格納されたキーワードを用いて、前記症状に関する情報に含まれる前記不定型データを定型化し、定型化された症状に基づいて前記統計情報データベースを検索することを特徴とする請求項1に記載の電子カルテシステム。
  3. 前記症状に関する情報は、患者の主訴又は医師の所見であり、前記電子カルテ情報入力画面に患者の主訴又は医師の所見を入力すると前記参考情報が自動的に表示されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子カルテシステム。
  4. 前記制御手段は、前記検索された病名、処置又は検査のうち、頻度の高いものを参考情報として、前記電子カルテ端末に表示することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子カルテシステム。
  5. 前記制御手段は、前記複数の電子カルテ端末において入力された電子カルテ情報の少なくとも症状、病名、処置及び検査に関する情報を蓄積して前記統計情報データベースを構築するが、当該電子カルテ情報の患者の個人情報については前記統計情報データベースに格納しないことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子カルテシステム。
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