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JP2018070135A - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP2018070135A JP2017119615A JP2017119615A JP2018070135A JP 2018070135 A JP2018070135 A JP 2018070135A JP 2017119615 A JP2017119615 A JP 2017119615A JP 2017119615 A JP2017119615 A JP 2017119615A JP 2018070135 A JP2018070135 A JP 2018070135A
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Takemasa Hata
建正 畑
優志 関
Yuji Seki
優志 関
康之 加藤
Yasuyuki Kato
康之 加藤
克哉 岩崎
Katsuya Iwasaki
克哉 岩崎
隆人 遠藤
Takahito Endo
隆人 遠藤
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Takahiro Oshiumi
恭弘 鴛海
駒田 英明
Hideaki Komada
英明 駒田
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Abstract

【課題】運転中に惰性走行条件が成立した場合に蓄電器の充電量の低下を抑える走行が可能な車両の制御装置を提供する。
【解決手段】車両は、エンジン、エンジンと駆動輪との間での動力伝達を断続するクラッチ、エンジンの駆動力により発電する発電機、発電機が発電した電力により充電される蓄電器、および蓄電器に蓄積された電力を利用して動作する各種センサやアクチュエータなどを制御するコントローラにより走行が可能である。コントローラは、所定条件が成立しかつ充電残量が第1所定値以上である場合にエンジンの運転を休止させかつクラッチを解放する第1惰性走行制御と、所定条件が成立しかつ充電残量が第1所定値未満である場合にエンジンを運転させかつクラッチを解放させる第2惰性走行制御とのいずれかの制御を所定条件が成立した場合に実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の自動運転を行う自動運転車両の制御装置に関する。
従来、車両の運転を自動的に行う自動運転車両制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の自動運転車両制御装置は、車両の走行状態、車両の周辺状況、および運転者の状態を取得する検知手段を備え、自動運転を行うための条件を満たしている場合に、例えば出力要求量、制動力、および操舵角などを制御するためのアクチュエータを駆動して車両が自動運転されるように制御する。
車両の走行状態を取得する検知手段は、例えばGPS装置、車速センサ、加速度センサ、および操舵角センサを有する。車両の周辺状況を取得する検知手段は、ミリ波レーダなどの各種レーダ、車外を撮影するカメラ、車車間通信手段などを有する。運転者の状態を取得する検知手段は、例えば心拍等の生体情報を取得する生体情報センサ、および運転者の表情や瞳孔を撮影するカメラを有する。
ところで、内燃機関と駆動輪との間に動力断続部を備えた車両が知られている。この車両では、燃費を改善するために、動力断続部により内燃機関と駆動輪との間での動力伝達を解除し、かつ内燃機関の運転を停止して走行することが考えられている。
特開2014−106854号公報
自動運転車両としては、内燃機関によって駆動される発電機を充電源とする蓄電器を搭載した車両が知られている。この種の自動運転車両では、内燃機関の運転が停止された惰性走行中に蓄電器に充電することができない。このため、自動運転中は、内燃機関の運転が停止された惰性走行中の場合でも、前述した検知手段や各種のアクチュエータ、例えば操舵用のアクチュエータなどに電力を使用するため、蓄電器の充電量が低下するおそれがある。また、内燃機関と駆動輪との間に動力断続部を備えた自動運転車両では、動力断続部の接続を解除し、かつ内燃機関の運転を停止した惰性走行中に、内燃機関で駆動される機械式のオイルポンプによって動力断続部を接続させる作動油圧を確保することができなくなる。そこで、蓄電器から供給される電力を使用して電動オイルポンプを駆動する必要が生じる。このため、蓄電器の充電量がさらに低下するおそれがある。自動運転中に蓄電器の充電量が不足すると、自動運転が制約されることがある。特許文献1に記載の自動運転車両では、惰性走行中にどのような走行制御を選択するかについて考慮されておらず改善の余地があった。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、自動運転中に充電量の不足によって自動運転が制約されることを抑制することが可能な自動運転車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明は、燃料を燃焼して駆動力を出力する内燃機関と、前記内燃機関が出力する駆動力、または駆動輪から前記内燃機関に伝達される駆動力を利用して発電可能な発電機と、前記発電機と電力のやり取りが可能で、かつ充放電可能な蓄電器と、前記内燃機関と前記駆動輪との間の動力伝達を断続する動力断続部と、前記蓄電器の充電残量を取得する充電残量取得部と、車輪に制動トルクを付与する制動部と、操舵輪の操舵角を操作する操舵部とを備え、前記内燃機関、前記動力断続部、前記発電機、前記蓄電器、前記充電残量取得部、前記制動部、および前記操舵部のそれぞれを制御して、人が操作することなく走行する自動運転と前記動力断続部の断続を切り換えて走行する惰性走行とを実行することができる自動運転車両の制御装置において、前記内燃機関、および前記動力断続部を制御するコントローラと、前記車両が走行する走行路の勾配を取得する勾配取得部とを備え、前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断および前記走行路の勾配についての判断を行い、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第1所定値以上の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記動力断続部の接続を解除させる第1惰性走行制御を実行し、また、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第1所定値未満の場合には前記内燃機関を運転させ、かつ前記動力断続部の接続を解除させる第2惰性走行制御を実行するとともに、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第1所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が予め決められた第2所定値以上の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記動力断続部を接続させる第3惰性走行制御を実行することを特徴とするものである。
この発明は、前記車両の燃料の残量を取得する燃料残量取得部と、運転者が前記車両の運転操作を可能な状態である有人か否かを検出する検出部とを備え、前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、および前記充電残量についての判断に加えて、前記燃料の残量についての判断、および前記有人か否かについての判断を行い、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第1所定値未満で、かつ前記燃料の残量が予め決められた第3所定値未満で、かつ前記検出部による検出が前記有人の場合には自動運転を終了するように構成されていてよい。
この発明では、前記車両の燃料の残量を取得する燃料残量取得部と、運転者が前記車両の運転操作を可能な状態である有人か否かを検出する検出部とを備え、前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、および前記充電残量についての判断に加えて、前記燃料の残量についての判断、および前記有人か否かについての判断を行い、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第1所定値未満で、かつ前記燃料の残量が予め決められた第3所定値未満で、かつ前記検出部による検出が前記有人ではない無人の場合には前記車両の目的地を燃料給油スタンドに設定するように構成されてよい。
また、この発明は、燃料を燃焼して駆動力を出力する内燃機関と、発電可能な走行用の電動機と、前記電動機と電力のやり取りが可能で、かつ充放電可能な蓄電器と、前記蓄電器の充電残量を取得する充電残量取得部と、前記内燃機関と前記電動機との間の動力伝達を断続する第1動力断続部と、前記電動機と駆動輪との間の動力伝達を断続する第2動力断続部と、車両が走行する走行路の勾配を取得する勾配取得部と、車輪に制動トルクを付与する制動部と、操舵輪の操舵角を操作する操舵部とを備え、前記内燃機関、前記蓄電器、前記電動機、前記充電残量取得部、前記第1動力断続部、前記第2動力断続部、前記勾配取得部、前記制動部、および前記操舵部のそれぞれを制御して、人が操作することなく走行する自動運転と前記第1動力断続部および第2動力断続部のそれぞれの断続を切り換えて走行する惰性走行とを実行することができる自動運転車両の制御装置において、前記内燃機関、前記第1動力断続部、および第2動力断続部を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、および前記走行路の勾配についての判断を行い、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第4所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が予め決められた第5所定値以上の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部および前記第2動力断続部をそれぞれ接続させる第4惰性走行制御を実行し、また、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第4所定値以上で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部および前記第2動力断続部の接続をそれぞれ解除させる第5惰性走行制御を実行し、さらに、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が第4所定値以上でかつ前記第4所定値よりも大きい第6所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部を解放させ、かつ前記第2動力断続部を係合させる第6惰性走行制御を実行することを特徴とするものである。
この発明は、前記車両の燃料の残量を取得する燃料残量取得部を備え、コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、および前記走行路の勾配についての判断に加えて、前記燃料の残量についての判断を行い、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満でかつ前記第5所定値よりも小さい第7所定値以上の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が予め決められた第8所定値以上の場合に、内燃機関を運転させ、かつ前記第1動力断続部の接続を解除させ、かつ前記第2動力断続部を接続させる第7惰性走行制御を実行し、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記走行路の勾配が前記第7所定値未満の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が前記第8所定値以上の場合に、前記内燃機関を運転させ、かつ前記第1動力断続部を接続させ、かつ前記第2動力断続部の接続を解除させる第8惰性走行制御を実行するように構成されていてよい。
この発明では、前記内燃機関から出力される駆動力により回転して発電する発電機を備えるとともに、前記蓄電器は、前記発電機が発電した電力によって充電され、かつ低電圧で駆動する電気負荷に電力を供給する第1蓄電器と、前記電動機が発電した電力によって充電され、かつ高電圧で駆動する電気負荷に電力を供給する第2蓄電器とを備えるように構成されていてよい。
この発明では、運転者が前記車両の運転操作を可能な状態である有人か否かを検出する検出部を備え、前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、前記走行路の勾配についての判断、および前記燃料の残量についての判断に加えて、前記有人の状態か否かについての判断を行い、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第4所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が前記第8所定値未満で、かつ前記検出部による検出が前記有人の場合には自動運転を終了するように構成されていてよい。
この発明では、運転者が前記車両の運転操作を可能な状態である有人か否かを検出する検出部を備え、前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、前記走行路の勾配についての判断、および前記燃料の残量についての判断に加えて、前記有人か否かについての判断を行い、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第4所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が前記第8所定値未満で、かつ前記検出部による検出が前記有人ではない無人の場合には前記車両の目的地を燃料給油スタンドに設定するように構成されていてよい。
この発明によれば、自動運転中に惰性走行を実施する条件が成立した場合に、蓄電器の充電量の低下を抑えることが可能な走行制御を選択することができる。つまり、充電の残量が第1所定値未満の場合に第2惰性走行制御を実行することで、動力断続部の接続を解除し、かつ内燃機関を運転することで、蓄電器を充電しながら惰性走行することができる。その結果、充電量の不足によって自動運転が制約されることを抑制することができる。また、自動運転中に充電残量が第2所定値未満の場合に第3惰性走行制御が実行される。この第3惰性走行制御では、動力断続部が係合され、かつ内燃機関への燃料が断たれてその運転が停止されるため、駆動輪から伝達される被駆動力により内燃機関が被回転される。すなわち内燃機関が被駆動状態となる。このため、発電機が内燃機関とともに回転して発電することにより蓄電器が充電されるので、蓄電器への充電量の低下を抑えることができる。しかも内燃機関が被駆動状態となることによりエンジンブレーキ力(制動力)が作用して、車速が上がることを抑制することができる。
有人の場合に自動運転を終了する発明によれば、充電の残量が第1所定値未満で、かつ燃料の残量が予め決められた第3所定値未満であり、かつ運転者が車両の運転操作を可能な状態である有人の場合に、自動運転が終了して手動運転が実行される。このため、例えば蓄電器の充電の残量および車両の燃料が不足する前に燃料給油スタンドに行くことが可能となる。
無人の場合に目的地を燃料給油スタンドに設定する発明によれば、燃料が不足する前に自動的に燃料給油スタンドに行くことが可能となる。
第4惰性走行制御を実行する発明によれば、充電残量が第4所定値未満の場合に第4惰性走行制御を実行することで、第1動力断続部および第2動力断続部をそれぞれ接続し、かつ内燃機関が運転を停止することで、充電を蓄電器に実施しながら内燃機関が被駆動状態となることによりエンジンブレーキ力が作用して車速が上がることを抑制することができる。
第7惰性走行制御ないし第8惰性走行制御を実行する発明によれば、燃料の残量が十分の場合に実行される惰性走行制御であるため、内燃機関を運転しながら蓄電器の充電量の低下を抑えることが可能となる。
2つの蓄電器を有する発明によれば、低電圧用の蓄電器と高電圧用の蓄電器との充電残量に応じて惰性走行制御を選択可能となる。
この発明の第1実施例における自動運転車両の一例を示す説明図である。 惰性走行制御を決定する手順の一例を示すフローチャートである。 惰性走行制御を決定するための条件を示す説明図である。 この発明の第2実施例における自動運転車両を示す説明図である。 第2実施例における惰性走行制御を決定する手順の一例を示すフローチャートである。 第2実施例での惰性走行制御を決定するための条件を示す説明図である。 この発明の第3実施例における自動運転車両を示す説明図である。 第3実施例での惰性走行制御を決定するための条件を示す説明図である。
以下、この発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明において、同じまたは同様な部材には同じ符号を付与し、重複する説明は省略する。
[第1実施例]
図1は、この発明の第1実施例における自動運転車両(以下、「車両」と称す)10の一例を示す説明図である。車両10は、例えば運転者が搭乗していない環境下(無人)において運転者の操作なしで運転可能な自動運転と、運転者が運転可能な環境下(有人)において自動運転と運転者の操作により運転する手動運転とに切り替えが可能である。例えば車両10は、自動運転中に、運転者による操舵操作、アクセル操作およびブレーキ操作のいずれかの操作量が所定の閾値以上である場合に、自動運転を手動運転に切り替える。また、車両10は、自動運転時に、他車両と隊列を形成せずに単独で自動運転を行う単独走行が可能である。つまり、車両10における自動運転は、特定の環境下に限定されずに自動運転を可能とする完全自動運転となっている。
図1に示すように車両10は、走行のための駆動力を出力する駆動力源の一例としてエンジン11を備えている。エンジン11の出力は、自動変速機12から差動歯車機構13を介して、車両10の後方に配置された左右の駆動輪14,15に伝達される。エンジン11と自動変速機12との間には、エンジン11と駆動輪14,15との間の動力伝達を断続するクラッチ17が設けられている。
エンジン11は、気筒(図示なし)の内部に形成された燃焼室(図示なし)で混合気が燃焼したときに生じる爆発力に応じて気筒の内部で往復運動を生じるピストン(図示なし)を備える。このピストンの往復運動は、コネクティングロッド(図示なし)を介してクランク軸(図示なし)の回転運動に変換され、クランク軸と連結された出力軸11aから取り出される。
なお、エンジン11は、この発明の実施例における内燃機関の一例である。内燃機関としては、燃料種別、気筒配列、気筒数、燃料供給態様、動弁系の構成及び吸排気系の構成などにおいて自由に選択されたものであってよい。また、駆動輪としては、車両10の後輪に限らず、前方に配置された左右の前輪としてよい。
クラッチ17は、出力軸11aと、自動変速機12を介して駆動輪14,15に駆動力を伝達する入力軸12aとが接続されており、出力軸11aおよび入力軸12aを断続する。このクラッチ17は、この発明の実施例における動力断続部の一例である。なお。クラッチ17と自動変速機12との間には、ダンパ装置やトルクコンバータなどの動力伝達機構が設けられてよい。
車両10は、エンジン11の運転を制御するエンジン制御部23を備える。エンジン制御部23は、電子スロットル制御部20、および燃料噴射制御部21などを有する。電子スロットル制御部20は、スロットルバルブの開閉量、つまり吸入空気量を制御する。燃料噴射制御部21は、燃料の供給量を制御する。電子スロットル制御部20は、アクセルペダルの操作量、すなわちアクセル開度などの出力要求量に応じてエンジン11の出力を制御する。燃料噴射制御部21は、燃料供給を停止するフューエルカット((Fuel cut)F/C)制御を実行する。エンジン11は、複数の気筒を有してよい。燃料供給の停止は、気筒の一部に対して実施可能である。
エンジン制御部23は、電子制御部25により統括的に制御される。電子制御部25は、電池制御部28を制御することにより、オルタネータ26でエネルギー回生を実施させるオルタネータ回生制御を実行可能になっている。
オルタネータ26は、エンジン11が出力する駆動力の一部が伝達されることで回転し、その回転力を電気エネルギー(三相交流電力)に変換する交流発電機である。変換された三相交流電力は、ダイオードを用いた整流回路で全波整流して直流電力に変換され、変換された直流電力は、第1スイッチ40を介して蓄電器27に出力される。また、オルタネータ26は、出力される電圧を制御する電圧制御部29、例えばボルテージレギュレータを備える。電圧制御部29は、オルタネータ26の出力電圧を監視しており、必要に応じてオルタネータ26の出力電圧を調整する。なお、オルタネータ26は、この発明の実施例における発電機の一例である。
電圧制御部29には、蓄電器27が接続されるとともに、第1スイッチ40が接続されている。第1スイッチ40は、蓄電器27が満充電状態またはそれに近い状態のときにオフ状態にされるスイッチと、始動開始操作部41、例えばイグニッションスイッチに連動するスイッチとを直列に接続した形態となっている。補助機器30は、切換スイッチ、および始動開始操作部41を介して電圧制御部29に接続されている。補助機器30などは、この発明の実施例における電気負荷の一例である。
蓄電器27は、例えば二次電池または鉛蓄電池を含み、オルタネータ26が発電した電力により充電され、また補助機器30などに電力を供給する。補助機器30は、スタータモータ32、点火プラグ、エアコンプレッサ、ドアガラス用アクチュエータ、灯火器、電動オイルポンプ34、自動運転中に使用する車載センサ(詳しくは後述するレーザー、カメラ、ライダーを含む)、および操舵用アクチュエータ36などを含む。
電池制御部28は、充電残量取得部37を備える。充電残量取得部37は、例えば電流センサ38から得られる蓄電器27の充放電電流値に基づいて、蓄電器27の満充電時の充電量に対する実際の充電量の割合である充電残量(SOC(State of charge))を取得する。
電子制御部25は、オルタネータ回生制御を実施するために、電池制御部28を介してSOCを常に監視している。オルタネータ回生制御では、例えばエンジン11の負荷を減らし、かつ燃費の向上を図るために、SOCが予め決められた第1所定値未満に低下するまでは、エンジン11の運転中に、オルタネータ26による発電が停止されて、蓄電器27に蓄えられた電力が補助機器30に供給される。一方、例えばエンジン11におけるF/C制御中で、かつ車両10の減速走行あるいは惰性走行のときには、駆動輪14,15から入力される駆動力(いわゆる逆入力)によりエンジン11が被回転される。この場合には、エンジン11の被回転によりオルタネータ26をエンジン1とともに回転させて、オルタネータ26から出力される電力により蓄電器27が充電される。電子制御部25は、車両10の走行状況に応じて、オルタネータ26による発電、およびその停止を切り替える制御を実行する。
電池制御部28は、充電残量取得部37から得られたSOCの情報を電子制御部25に送る。電子制御部25は、電池制御部28から得られたSOCに基づいて、蓄電器17のSOCについての判断、例えば「少」や「十分」などの段階的なレベルの判断を実行する。また、電子制御部25は、蓄電器27が満充電状態にならないように、蓄電器27の充電状態を制御する。つまり、電池制御部28は、蓄電器27が満充電状態、またはそれに近い状態の場合に、第1スイッチ40をオフ状態にして蓄電器27への充電を停止する。なお、電池制御部28や電子制御部25などは、この発明の実施例におけるコントローラの一例である。
エンジン11には、エンジン始動要求のときにクランキングさせるスタータモータ32が設けられている。スタータモータ32は、第2スイッチ42がオン状態に変わることに応答して蓄電器27に蓄積された電力を利用して駆動する。第2スイッチ42は、電子制御部25の制御、例えばエンジン11の始動(車両の始動を含む)指令に応答してオン状態に変化する。電子制御部25は、イグニッションスイッチや始動ボタンなどの始動開始操作部41の操作に応答して始動指令を出力する。
油圧制御部24は、機械式のオイルポンプ(MOP)43、および給油路(図示なし)を備える。機械式のオイルポンプ43は、エンジン11のクランク軸の回転によって駆動される。また、車両10は、電動オイルポンプ(EOP)34を備える。電動オイルポンプ34は、蓄電器27に蓄積された電力により駆動する補助機器30の一部である。給油路は、機械式のオイルポンプ43、および電動オイルポンプ34に接続されている。機械式のオイルポンプ43、または電動オイルポンプ34は、例えば昇圧した圧油を油圧制御部24に供給して圧油を予め決められた設定値に維持する定油圧制御を実行するときに駆動される。油圧制御部24は、エンジン11の各部、クラッチ17および自動変速機12などに、例えば潤滑用、冷却用、あるいは作動圧用のオイルとして供給する。
自動変速機12は、例えば複数の油圧式摩擦係合装置、例えばクラッチやブレーキを係合する係合状態、またはその係合を解放する解放状態により変速比が異なる複数のギヤ段が成立させられる有段の自動変速機である。油圧制御部24は、電子制御部25から得られる目標ギヤ段の情報に応答して、作動圧を供給する油路を切り換える制御を実行することで、目標ギヤ段を構成するクラッチやブレーキが係合状態または解放状態に制御される。なお、自動変速機12としては、ベルト式などの無段変速機を用いてよい。
クラッチ17は、自動変速機12の入力クラッチとして機能する油圧式摩擦係合装置であり、油圧制御部の制御により係合状態、または解放状態に制御される。電子制御部25は、クラッチ17を係合状態にしてエンジン11と駆動輪14,15とを連結して、エンジン11の動力によって走行する通常走行中に、所定条件が成立することで車両10を惰性走行させる惰性走行制御を実行することができる。
電子制御部25が実行可能な惰性走行制御は、第1惰性走行制御、第2惰性走行制御、および第3惰性走行制御を含む。第1惰性走行制御は、クラッチ17を解放することでエンジン11と駆動輪14,15とを切り離し、かつエンジン11の運転を停止するフリーラン惰性走行を実行する。第2惰性走行制御は、クラッチ17を解放することでエンジン11と駆動輪14,15とを切り離し、かつエンジン11の一部または全部の気筒に燃料を供給して運転させるニュートラル惰性走行を実行する。第3惰性走行制御は、クラッチ17を係合してエンジン11と駆動輪14,15とを連結し、かつF/C惰性走行制御を実施してエンジン11の運転を停止するF/C惰性走行制御を実行することができる。
電子制御部25は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および入出力インターフェースなどを有するマイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用し、ROMに予め記憶されたプログラムに基づいて電池制御部28、およびエンジン制御部23を制御する。電子制御部25には、ブレーキセンサ45からブレーキペダルの踏み込み量に応じた信号が供給されるとともに、アクセルセンサ46からアクセルペダルの踏み込み量に応じた信号が供給される。また、電子制御部25は、燃料タンク内の燃料の残量を、例えばフューエルレベルゲージなどを用いた燃料センサ47から得られる情報に基づいて取得する燃料残量取得部50を備える。
エンジン11のクランク軸には、エンジン回転速度センサ48が設けられている。エンジン回転速度センサ48は、エンジン11の回転速度に対応する信号を電子制御部25に供給する。自動変速機12の出力軸には、車速センサ49が設けられている。車速センサ49は、車速に対応する信号を電子制御部25に供給する。この他、電子制御部25には、各種の制御に必要な種々の情報が供給されるようになっている。
電子制御部25は、運転者の加速意思に対応するアクセル開度、およびブレーキ操作量などに沿ったエンジン11の出力制御、および回転停止制御を実行する。また、電子制御部25は、予め記憶されている変速線図から運転者の加速意思に対応するアクセル開度に基づく要求出力を求め、求めた要求出力に基づいて、またはアクセル開度あるいは車速に基づいて自動変速機12の変速段を制御する変速制御などを実行する。また、自動運転の場合には、走行路の速度規制情報、走行路の勾配、前方車両との車間距離、および操舵部の角度などに基づいて要求出力が決められる。
電子制御部25は、その他に自動運転を制御するために車両位置認識部51、外部状況認識部52、走行状態認識部53、走行計画生成部54、有人無人判定部55、補助機器制御部56、走行制御部57、および惰性走行条件成立判定部62などを備え、各部51〜57,62から得られる情報に基づいて操舵システム58、ブレーキシステム59、および駆動システム60などを制御する。なお、電子制御部25は、図1では単体の制御部として記載しているが、この発明ではこれに限らず、複数の電子制御部で構成されており、各電子制御部がそれぞれ接続されて、協調して1つあるいは複数の機能を実現するように構成された電子制御ユニット(ECU(electronic control unit))であってよい。
駆動システム60は、一例としてスロットルアクチュエータ64、およびアクセルセンサ46を有する。スロットルアクチュエータ64の動作は、電子制御部25などに制御されて、スロットルバルブを開閉する。アクセルセンサ46は、アクセルペダルの踏み込み量を検出して、その情報を、駆動システム60を介して電子制御部25に送る。また、自動運転では、電子制御部25により求められた要求出力量に応じてスロットルアクチュエータ64を制御してよい。スロットルアクチュエータ64、およびアクセルセンサ46などは、蓄電器27に蓄積された電力により動作する。
ブレーキシステム59は、一例としてブレーキアクチュエータ61、およびブレーキセンサ45を有する。ブレーキアクチュエータ61の動作は、電子制御部25などにより電気的に制御されて、例えばブレーキペダルを踏み込む作用と同じまたは同様な作用をして車両10、例えば駆動輪14,15を含む車輪に制動トルク(制動力)を与える。ブレーキセンサ45は、ブレーキペダルの踏み込み量を検出し、その情報を、ブレーキシステム59を介して電子制御部25に送る。また、自動運転では、電子制御部25により求められた要求制動量に応じてブレーキアクチュエータ61の駆動量を制御してよい。ブレーキアクチュエータ61、およびブレーキセンサ45などは、蓄電器27から供給される電力により動作する。なお、ブレーキシステム59などは、この発明の実施例における制動部の一例である。
操舵システム58は、電子制御部25などにより電気的に制御されて操舵用アクチュエータ36を動作させるものであり、例えば電動パワーステアリングシステムやSBW(steer by wire)システムなどを含む。操舵用アクチュエータ36は、複数のアクチュエータで構成されてよい。一例として操舵システム58は、操舵反力アクチュエータにより操舵部にトルクを付加して操舵力を補ったり、転舵アクチュエータにより、操舵輪、例えば前輪を転舵したりする。また、操舵システム58は、トルクセンサ63を有する。トルクセンサ63は、例えば運転者が操舵部に与えるトルクを検出し、検出したトルクを、操舵システム58を介して電子制御部25に送る。また、自動運転では、電子制御部25により求められた要求操舵角に応じて転舵アクチュエータを制御してよい。操舵用アクチュエータ36、およびトルクセンサ63などは、蓄電器27から供給される電力により動作する。なお、操舵システム58は、この発明の実施例における操舵部の一例である。
電子制御部25には、自動運転を制御するために、内部センサ65、外部センサ66、GPS(Global Positioning System)受信部67、地図データベース68、ナビゲーションシステム69、および有人無人センサ70が接続されている。内部センサ65は、車両10の走行状態、およびエンジン11や自動変速機12を含む各部の作動状態や挙動などを検出する複数のセンサを含む。内部センサ65としては、例えば車両10の前後方向における加速度を検出する前後加速度センサ、車両10の横(幅)方向における加速度を検出する横加速度センサ、車両10のヨーレートを検出するヨーレートセンサ、およびシフトレバー(もしくはシフトスイッチ)の位置を検出するシフトセンサなどを有する。また、内部センサ65は、前述したトルクセンサ63、アクセルセンサ46、ブレーキセンサ45、および車速センサ49などを含んでよい。前後加速度センサ、横加速度センサ、ヨーレートセンサ、およびシフトセンサなどは、蓄電器27から供給される電力により動作する。
なお、図1では、アクセルセンサ46、ブレーキセンサ45、トルクセンサ63、および車速センサ49以外のセンサを便宜上、内部センサ65として示している。
電子制御部25は、内部センサ65から入力された信号や、予め記憶されている演算式あるいはマップなどに基づいて、エンジン11の出力や運転状態、クラッチ17の断接状態、制動力、および操舵部の操舵角などを制御するための信号をエンジン制御部23、操舵システム58、ブレーキシステム59、および駆動システム60などに出力するように構成されている。
外部センサ66は、車両10の周辺情報や外部状況を検出する複数のセンサであり、例えば車載カメラ、レーダー(RADAR:Radio Detection and Ranging)、およびライダー(LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)などを含む。外部センサ66は、蓄電器27から供給される電力を利用して動作する。
車載カメラは、例えば車両10のフロントガラスの内側に設置され、車両10の外部状況に関する撮像情報を電子制御部25に送信するように構成されている。車載カメラは、両眼視差を再現するように配置された複数の撮像部を有してよい。車載カメラがステレオカメラを有する場合には、車載カメラから得られる撮像情報に基づいて車両10の前方の奥行き方向の情報(深度情報)を取得することができる。
レーダーは、ミリ波やマイクロ波などの電波を利用して車両10の外部の他車両や障害物等を検出し、その検出データを電子制御部25に送信するように構成されている。電子制御部25は、例えば電波を車両の周囲に放射し、他車両や障害物などに当たって反射された電波を受信して測定・分析することにより、他車両や障害物等を検出する。
ライダーは、レーザー光を利用して車両10の外部の他車両や障害物等を検出し、その検出データを電子制御部25に送信するように構成されている。電子制御部25は、例えばレーザー光を車両10の周囲に放射し、他車両や障害物などに当たって反射されたレーザー光を受光して測定・分析することにより、他車両や障害物などを検出する。
GPS受信部67は、複数のGPS衛星からの電波を受信することにより、車両10の位置、例えば、車両10の緯度および経度を測定し、その位置情報を電子制御部25に送信するように構成されている。地図データベース68は、地図情報を蓄積したデータベースであり、例えば車両10と通信可能な情報処理センタなどの外部施設のコンピュータに記憶されたデータを利用することができる。なお、地図データベース68は、電子制御部25の内部に設けた記憶部に記憶されていてもよい。ナビゲーションシステム69は、GPS受信部67が測定した車両10の位置情報と、地図データベース68の地図情報とに基づいて、車両10の走行ルートを算出するように構成されている。
車両位置認識部51は、GPS受信部67で受信した車両10の絶対位置情報、および地図データベース68の地図情報に基づいて、地図上における車両10の現在位置を認識するように構成されている。なお、ナビゲーションシステム69で用いられる車両10の位置は、そのナビゲーションシステム69から取得してよい。あるいは道路上や道路脇の外部に設置されたサインポストなどから得られる情報に基づいて車両10の現在位置を取得または測定が可能な場合は、そのサインポストなどとの通信によって車両10の現在位置を取得してよい。
外部状況認識部52は、例えば車載カメラの撮像情報やレーダー、もしくはライダーの検出データに基づいて、車両10の外部状況を認識するように構成されている。外部状況としては、例えば、走行車線の位置、道路幅、道路の形状、路面勾配、および車両10の周辺の障害物に関する情報などが取得される。また、外部状況としては、走行環境として車両10の周辺の気象情報や走行路面の摩擦係数などを取得してもよい。
走行状態認識部53は、内部センサ65の各種の検出データに基づいて、車両10の走行状態を認識するように構成されている。車両10の走行状態としては、例えば、車速、前後加速度、横加速度、およびヨーレートなどが取得される。
走行計画生成部54は、例えばナビゲーションシステム69で演算された目標ルート、車両位置認識部51で認識された車両10の位置、および外部状況認識部52で認識された外部状況などに基づいて、車両10の進路を生成するように構成されている。進路は、目標ルートに沿って車両10が進行する軌跡である。また、走行計画生成部54は、目標ルート上で安全に走行すること、法令を順守して走行すること、および効率よく走行することなどの基準に沿って、車両10が適切に走行することができるように進路を生成する。
さらに、走行計画生成部54は、生成した進路に応じた走行計画を生成するように構成されている。例えば走行計画生成部54は、外部状況認識部52で認識された外部状況、および地図データベース68の地図情報に基づいて、予め設定された目標ルートに沿った走行計画が生成される。
走行計画は、車両10における将来的な要求出力を含む車両10の走行状態を予め設定するものであり、例えば現在時刻から数秒先の将来のデータを基に生成される。車両10の外部状況や走行状況によっては、現在時刻から数十秒先の将来のデータを用いることもできる。走行計画は、例えば、目標ルートに沿った進路を車両10が走行するときに、車速、加速度、および操舵トルクなどの推移を示すデータとして走行計画生成部54から出力される。
また、走行計画は、車両10の速度パターン、加速度パターン、および操舵パターンとして走行計画生成部54から出力してもよい。速度パターンは、例えば進路上に所定間隔で設定された目標制御位置に対して、目標制御位置毎に時間に関連付けられて設定された目標車速からなるデータとしてよい。加速度パターンは、例えば進路上に所定間隔で設定された目標制御位置に対して、目標制御位置毎に時間に関連付けられて設定された目標加速度からなるデータとしてよい。操舵パターンは、例えば、進路上に所定間隔で設定された目標制御位置に対して、目標制御位置毎に時間に関連付けられて設定された目標操舵トルクからなるデータとしてよい。
走行制御部57は、走行計画生成部54で生成された走行計画に基づいて、車両10の走行を自動で制御するように構成されている。具体的には、走行制御部57は、走行計画に応じた制御信号をエンジン制御部23、駆動システム60、ブレーキシステム59、および操舵システム58に出力することでスロットルアクチュエータ64、ブレーキアクチュエータ61、および操舵用アクチュエータ36の駆動を制御する。また、走行制御部57は、惰性走行条件が成立したときに通常走行制御から惰性走行制御に走行制御を切り換える。
有人無人センサ70は、例えば座席に設けられた重量センサや、運転者の状態を取得する運転状態検出部を有する。重量センサは、運転者が着座しているか否かを検出する。運転状態検出部は、例えば心拍等の生体情報を取得する生体情報センサ、および運転者の表情や瞳孔を撮影するカメラを有する。有人無人センサ70により検出された情報は電子制御部25に送られる。有人無人判定部55は、有人無人センサ70から得られる情報に基づいて、運転者が運転操作を可能な状態(以下、「有人」と称す)か否か(以下、「無人」と称す)を判断する。電子制御部25は、自動走行中に「有人」で、かつ燃料の残量が予め決めた閾値未満になると自動運転を終了するなどの制御を実行し、また、自動走行中に「無人」で、かつ燃料の残量が予め決めた閾値未満になるとナビゲーションシステムの目的地を、例えば現在地に一番近い燃料給油スタンドに設定するなどの制御を実行する。なお、有人無人センサ70は、この発明の実施例における検出部の一例である。
補助機器制御部56は、補助機器システム72を介して補助機器30の作動を制御する。なお、図1では、補助機器30を、前述した電動オイルポンプ34、スタータモータ32、操舵用アクチュエータ36、スロットルアクチュエータ64、ブレーキアクチュエータ61および有人無人センサ70とは別に記載しているが、それらは補助機器30に含まれてよい。補助機器30としては、例えばエアコンプレッサ、前照灯、方向指示器、尾灯、室内灯、ワイパー用アクチュエータ、およびパワーウィンドウ用アクチュエータなどを含んでよい。補助機器30は、蓄電器27に蓄積された電力により動作する。
惰性走行条件成立判定部62は、自動運転中に所定の惰性走行条件が成立したか否かを判定する。所定の惰性走行条件は、第1走行条件の成立に加えて、蓄電器27のSOCについての判断、および走行路の勾配についての判断を含む第2走行条件を有する。第1走行条件は、一例として車速が予め定められた所定の車速以上であること、ブレーキアクチュエータ61が作動していないこと、車両10に駆動力が要求されていない状態(アクセル開度がゼロに近い所定値以下)であること、前方車両との車間距離が予め定められた所定の距離以上であること、操舵部、例えばステアリングの操舵角度が予め決められた所定角度以下であることなどを含む。
惰性走行条件成立判定部62は、蓄電器27のSOCが空充電状態以上で予め決められた第1所定値未満となる場合を「少」、SOCが第1所定値以上で満充電状態未満の場合には「十分」と判定する。
走行路の勾配についての判断は、「急な下り坂路」、および「緩やかな下り坂路」または「平坦路」を含む。惰性走行条件成立判定部62は、走行路の勾配を取得する勾配取得部75を備える。勾配取得部75は、例えば駆動力またはスロットル開度と車両の前後方向における加速度とから勾配を推定する手段、またはナビゲーションシステムの地図データに含まれる道路情報から走行路の勾配を推定する手段を備える。さらに、勾配取得部75は、推定した走行路の勾配に基づいて上り勾配または下り勾配を判定する手段を備えている。惰性走行条件成立判定部62は、一例として走行路の勾配が予め決められた第2所定値以上の下り勾配の場合には「急な下り坂」として、また、走行路の勾配が第2所定値未満の下り勾配の場合には「緩やかな下り坂」または「平坦路」としてそれぞれ判定する。
走行制御部57は、惰性走行条件成立判定部62により所定の惰性走行条件が成立した場合に、成立した惰性走行条件の種類に基づいて複数の惰性走行制御から一つの惰性走行制御を選択し、選択された惰性走行制御を実行する。複数の惰性走行制御は、前述した第1惰性走行制御、第2惰性走行制御、および第3惰性走行制御を含む。
図2は、走行制御部57が惰性走行制御を決定する手順の一例を示す。走行制御部57は、所定の惰性走行条件に基づいて第1惰性走行制御から第3惰性走行制御のうちのいずれか一つの惰性走行制御を選択する。所定の惰性走行条件は、第1走行条件、および第2走行条件に基づいて決定される。
図2に示すようにステップS1では、自動運転中か否かを判定する。ステップS1にて自動運転中の場合、つまりYes側の場合にはステップS2に移行し、そうでなければリターンする。ステップS2では、第1走行条件が成立したか否かを判定する。ステップS2にて第1走行条件が成立した場合、つまりYes側の場合には、ステップS3に移行し、そうでなければリターンする。ステップS3では、蓄電器27のSOCが第1所定値以上か否かを判定する。ステップS3にて、蓄電器27のSOCが予め決められた第1所定値以上、つまり蓄電器27のSOCが「十分」の場合(Yes側の場合)には、ステップS4に移行する。ステップS4では、走行路の勾配が予め決められた第2所定値以上の下り勾配か否かを判定する。ステップS4にて、走行路の勾配が第2所定値未満の下り勾配、つまり走行路が「平坦路」または「緩やかな下り坂路」の場合(No側の場合)には、ステップS5に移行する。ステップS5では、第1惰性走行制御を実行する。つまり第1惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件が成立することに加えて、蓄電器27のSOCが「十分」で、かつ走行路が「平坦路」または「緩やかな下り坂路」の場合に実行される。ステップS5を実行した後にはステップS6に移行する。
ステップS6では、第1走行条件の成立が終了したか否かを判定する。第1走行条件の成立が終了した場合、つまりYes側の場合には、ステップS7に移行する。ステップS7では、惰性走行制御を終了し、その後にリターンする。ステップS6にて、第1走行条件の成立が継続されている場合、つまりNo側の場合はリターンする。
ステップS3にて蓄電器27のSOCが第1所定値未満、つまり蓄電器27のSOCが「少」の場合(No側の場合)は、ステップS8に移行する。ステップS8では、走行路の勾配が第2所定値以上の下り勾配か否かを判定する。走行路の勾配が第2所定値以上の下り勾配、つまり走行路が「急な下り坂路」の場合(Yes側の場合)は、ステップS9に移行する。ステップS9では、第3惰性走行制御を実行する。つまり第3惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件が成立することに加えて、蓄電器27のSOCが「少」で、かつ走行路が「急な下り坂路」の場合に実行される。その後に前述したステップS6に移行する。
ステップS8にて走行路の勾配が第2所定値未満の場合の下り勾配、つまり走行路が「緩やかな下り坂路」または「平坦路」の場合(No側の場合)は、ステップS10に移行する。ステップS10では、燃料の残量が予め決められた第3所定値以上か否かを判定する。燃料の残量が第3所定値以上、つまり燃料の残量が「十分」の場合(Yes側の場合)には、ステップS11に移行する。ステップS11では、第2惰性走行制御を実行する。つまり第2惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件が成立することに加えて、蓄電器27のSOCが「少」で、かつ燃料の残量が「十分」で、かつ走行路が「平坦路」または「緩やかな下り坂路」の場合に実行される。その後に前述したステップS6に移行する。
ステップS10にて燃料の残量が第3所定値未満、つまり燃料の残量が「少」である場合(No側の場合)は、ステップS12に移行する。ステップS12では、有人無人判定部55における判定に基づいて無人運転か否かを判定する。ステップS12にて「無人」の場合、つまりYes側の場合には、ステップS13に移行する。ステップS13では、例えば現在地から、例えば現在地から直線距離において一番近い燃料給油スタンドを検索し、検索された燃料給油スタンドをナビゲーションシステムの目的地に設定する。なお、この発明では、距離的に一番近い燃料給油スタンドを検索することに限定されずに、主要道路を通って現在地から時間的に一番近い燃料給油スタンドを検索してもよい。ステップS13を実行した後にはリターンする。なお、上記実施例では、目的地を燃料給油スタンドに設定する条件に、「緩やかな下り坂」または「平坦路」となる走行路の勾配についての判断が含まれているが、この発明では走行路の勾配について判断を省略してもよい。
ステップS12にて「有人」である場合(No側の場合)には、ステップS14に移行する。ステップS14では、自動運転を終了する。なお、自動運転を終了する場合には、キャビンに設けた表示部に自動運転を終了する旨の情報を音声または文字を含む画像によって表示してよい。ステップS14を実行した後はリターンする。なお、上記実施例では、自動運転を終了する条件に、「緩やかな下り坂」または「平坦路」となる走行路の勾配についての判断が含まれているが、この発明では走行路の勾配についての判断を省略してもよい。
図2で説明した第1実施例は、予め複数設定された惰性走行制御のうちのいずれか一つの惰性走行制御を選択するための手順の一例を示す。つまり、この発明では、蓄電器27のSOCについての判断や走行路の勾配についての判断を実行する順番は、上記実施例に限定されない。また、上記実施例では、第1惰性走行制御および第2惰性走行制御を実行する条件に、走行路の勾配についての判断が含まれているが、この発明では走行路の勾配についての判断を省略してもよい。
また、上記実施例では、第1惰性走行制御から第3惰性走行制御の各々を、エンジン11の運転の可否、およびクラッチ17の断続との組み合わせにより、予め決められたパターンで設定しておいてもよい。また、前述したパターンで設定しておくのではなく、エンジン11、およびクラッチ17などを個々に制御して各惰性走行制御を達成するように構成してもよい。
さらに、図2では、第1走行条件成立の判断をステップS1の直後に実施する手順としているが、代わりに第1惰性走行制御から第3惰性走行制御を実行するステップS5、ステップS9、およびステップS11の直前で第1走行条件成立の判断をそれぞれ行ってもよい。
図3は、惰性走行制御を選択するための条件の組み合わせを示す説明図である。なお、図3に記載の「ENG」はエンジン11を、「MOP」は機械式のオイルポンプ43を、「EOP」は電動オイルポンプ34をそれぞれ表す。
図3に示すように第1惰性走行制御は、自動運転中の条件、かつ第1走行条件の成立に加えて、蓄電器27のSOCが「十分」で、かつ「平坦路」または「緩やかな下り坂路」を走行中のときに選択される惰性走行制御である。
第1惰性走行制御では、エンジン11の運転が停止されるため、油圧制御部24への圧油の供給は、電動オイルポンプ34を駆動して行う。この第1惰性走行制御では、オルタネータ回生制御が実施されず、また電動オイルポンプ34などの補助機器30が使用されるため、蓄電器27の電力消費が、第2惰性走行制御および第3惰性走行制御を実行するときよりも大きくなる。
また、第1惰性走行制御では、クラッチ17が解放されるため、燃料を消費しない状態での走行距離を稼いで燃費を向上させることができる。なお、第1惰性走行制御では、SOCが「十分」であるので、電動オイルポンプ34、および自動走行運転に必要な内部センサ65や外部センサ66などの電源を確保することができる。
第2惰性走行制御は、自動運転中の条件、かつ第1走行条件の成立に加えて、蓄電器27のSOCが「少」で、かつ「平坦路」または「緩やかな下り坂路」を走行中のときに選択される制御である。
第2惰性走行制御では、クラッチ17を解放し、かつエンジン11を運転する制御である。この第2惰性走行制御では、燃料の残量が十分であるため、エンジン11を運転する。このため、機械式のオイルポンプ43の駆動により圧油を油圧制御部24に供給することができる。なお、第2惰性走行制御では、燃費が第1惰性走行制御および第3惰性走行制御を実行するときよりも悪くなることがある。さらに、オルタネータ回生制御が実施されるため、蓄電器27に充電が実施されて、蓄電器27の電力消費を抑制することができる。このため、第2惰性走行制御では、自動運転の制御を制約する機器、例えば内部センサ65や外部センサ66などの電源を確保することが可能となる。なお、第2惰性走行制御を実行する場合には、エンジン11が備える気筒の一部を休止する減筒運転をしてよい。
第3惰性走行制御は、自動運転中の条件、かつ第1走行条件の成立に加えて、蓄電器27のSOCが第1所定値以上、つまりSOCが「少」で、かつ「急な下り坂路」を走行中のときに選択される制御である。
第3惰性走行制御では、クラッチ17を係合し、かつエンジン11の運転が停止される。エンジン11の運転が停止されるため燃費が向上する。また、オルタネータ回生制御により蓄電器27に充電が実施される。このため、自動走行運転に必要な内部センサ65や外部センサ66などの電源を確保することが可能となる。また、機械式のオイルポンプ43の駆動により圧油を油圧制御部24に供給することができる。さらに、クラッチ17を係合してエンジン11とともにオルタネータ26を回転させる。つまり、第3惰性走行制御を「急な下り坂路」で実行すると、充電を蓄電器27に実行可能となり、また、エンジン11が被駆動状態にされること、つまり内燃機関でポンピングロスなどを生じさせることによりエンジンブレーキ力が作用して車速が上がることを抑制することができる。
なお、前述した第1惰性走行制御、および第2惰性走行制御を、蓄電器27のSOCについての判断と走行路の勾配について判断との2つの判断で決定しているが、本発明ではこれに限らず、蓄電器27のSOCについての判断で選択してもよい。また、上記実施例では、第1惰性走行制御から第3惰性走行制御を実行しているが、この発明ではこれに限らず、第3惰性走行制御の実行を省略し、第1惰性走行制御、および第2惰性走行制御を実行する構成としてもよい。さらに、第3惰性走行制御としては、例えばピストンが停止させられる構造を有する場合にはピストンを停止させてよい。この場合には、ポンピング作用によるロスが無い分だけエンジンブレーキ力を低減させた制御が可能となる。
[第2実施例]
図4は、第2実施例の自動運転車両(以下、「車両」と称す)77の一例を示す。図4に示すように車両77は、エンジン11、第1クラッチ78、第2クラッチ79、および駆動用の電動機(MG(Motor Generator))80を有する。この車両77は、エンジン11と電動機80との出力軸が同軸上に配置されており、エンジン11を完全に切り離して、電動機80から出力される駆動力で走行することができる。また、車両77は、発進時や加速時など駆動力要求が必要なときに、電動機80から出力される駆動力によってエンジン11から出力される駆動力をアシストすることが可能である。つまり、車両77は、エンジン11、および電動機80の何れか一方または両方を駆動力源として使用する。
図4に示すように、第1クラッチ78は、エンジン11と電動機80との間で駆動力の伝達を断続する。例えば第1クラッチ78は、エンジン11から出力される駆動力が伝達される出力軸11aと、駆動力を電動機80に入力する入力軸80aとが接続され、出力軸11aと入力軸80aとの間での動力伝達を断続する。第2クラッチ79は、電動機80と自動変速機12との間で駆動力の伝達を断続する。例えば第2クラッチ79は、電動機80から出力される駆動力が伝達される出力軸80bと、駆動力を自動変速機12に入力する入力軸12aとが接続され、出力軸80bと入力軸12aとの間での動力伝達を断続する。第1クラッチ78および第2クラッチ79は、油圧制御部24から供給される圧油により断続が制御される。第1クラッチ78は、この発明の実施例における第1動力断続部の一例であり、また、第2クラッチ79は、この発明の実施例における第2動力断続部の一例である。
電動機80は、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えている。電動機80は、例えば交流同期型の電動発電機となっており、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータ、および回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ(いずれも図示なし)を備える。電動機80は、インバータ82を介して蓄電器27から電力が供給されることにより力行し、また、エンジン11から出力される駆動力、または駆動輪14,15から伝達される被駆動力により被回転するときに発電可能となっている。電動機80により発電された電力は、インバータ82に供給され、インバータ82は、電動機80により発電された電圧を使用して蓄電器27を充電する。このとき、電動機80は、回生電力に応じた大きさの回生トルクを発生する。この回生トルクは、エンジンブレーキ力として作用する。なお、電動機80は、エンジン11をクランキングさせるときにも駆動される。
インバータ82は、電動機制御部83によって制御され、蓄電器27から供給される直流電圧を交流電圧に変換するとともに、電動機80から発電される交流電圧を直流電圧に変換する。電動機制御部83は、電動機80が駆動力を発生する場合に、蓄電器27の直流電圧を交流電圧に変換して、電動機80に電力を供給する駆動制御を実行するようにインバータ82を制御する。また電動機制御部83は、電動機80が発電する場合に、電動機80からの交流電圧を直流電圧に変換する回生制御を実行するようにインバータ82を制御する。すなわち、電動機80が発電する場合にインバータ82は、蓄電器27に直流電圧を供給するための整流器および電圧調整装置として作用をする。
惰性走行条件成立判定部84は、自動運転中に所定の惰性走行条件が成立したか否かを判定する。所定の惰性走行条件は、第1走行条件の成立に加えて、蓄電器27のSOCについての判断、および走行路の勾配についての判断を含む第2走行条件を有する。第1走行条件は、第1実施例で説明したと同じまたは同様に、車速が予め定められた所定の車速以上であること、ブレーキアクチュエータ61が作動していないこと、車両77に駆動力が要求されていない状態(アクセル開度がゼロに近い所定値以下)であること、前方車両との車間距離が予め定められた所定の距離以上であること、操舵部、例えばステアリングの操舵角度が予め決められた所定角度以下であることなどを含む。
惰性走行条件成立判定部84は、蓄電器27のSOCが空充電容量以上で予め決められた第4所定値未満となる場合を「少」、蓄電器27のSOCが第4所定値以上で、かつ予め決められた第6所定値未満となる場合を「中」、蓄電器27のSOCが第6所定値以上で、かつ満充電容量未満の場合には「十分」と判定する。なお、第4所定値および第5所定値の関係は、第4所定値<第6所定値となっている。
走行路の勾配についての判断は、「急な下り坂路」、「緩やかな下り坂路」、および「平坦路」を含む。惰性走行条件成立判定部84は、走行路の勾配を取得する勾配取得部75を備える。惰性走行条件成立判定部84は、勾配取得部75から取得した走行路の下り勾配が予め決められた第5所定値以上の場合に「急な下り坂」として、また走行路の下り勾配が第5所定値未満で、かつ予め決められた第7所定値以上の場合には「緩やかな下り坂」として、さらに走行路の下り勾配が第7所定値未満の場合には「平坦路」としてそれぞれ判定する。なお、第6所定値および第7所定値の関係は、第7所定値<第5所定値となっている。
走行制御部85は、惰性走行条件成立判定部84により所定の惰性走行条件が成立した旨の情報を受けた場合に、第2走行条件に基づいて複数の惰性走行制御から一つの惰性走行制御を選択し、選択された惰性走行制御を実行する。複数の惰性走行制御は、第4惰性走行制御から第8惰性走行制御を含む。
図5は、走行制御部85が惰性走行制御を決定する手順の一例を示す。走行制御部85は、所定の惰性走行条件に基づいて第4惰性走行制御から第8惰性走行制御のうちのいずれか一つの惰性走行制御を選択する。
図5に示すように、ステップS15では、自動運転中か否かを判定する。ステップS15にて自動運転中の場合、つまりYes側の場合にはステップS16に移行し、そうでない場合にはリターンする。ステップS16では、第1走行条件が成立したか否かを判定する。第1走行条件が成立した場合、つまりYes側の場合にはステップS17に移行し、そうでない場合にはリターンする。ステップS17では、蓄電器27のSOCが第4所定値以上か否かを判定する。ステップS17にて蓄電器27のSOCが第4所定値未満の場合(No側の場合)、つまりSOCが「少」の場合にステップS18に移行する。ステップS18では、走行路の勾配が第5所定値以上の下り勾配か否かを判定する。走行路の勾配が第5所定値以上の下り勾配、つまり走行路が「急な下り坂路」の場合(Yes側の場合)には、ステップS19に移行する。ステップS19では、第4惰性走行制御を実行する。つまり、第4惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件が成立することに加えて、蓄電器27のSOCが「少」で、かつ走行路が「急な下り坂路」の場合に実行される。ステップS19を実行した後は、ステップS20に移行する。
ステップS20では、第1走行条件の成立が終了したか否かを判定する。ステップS20にて、第1走行条件の成立が終了した場合、つまりYes側の場合にはステップS21に移行する。ステップS21では、惰性走行制御を終了し、その後にリターンする。なお、ステップS20にて第1走行条件の成立が継続されている場合、つまりNo側の場合にはリターンする。
ステップS17にて、蓄電器27のSOCが第4所定値以上、つまりSOCが「十分」または「中」の場合(Yes側の場合)には、ステップS22に移行する。ステップS22では、蓄電器27のSOCが第6所定値以上か否かを判定する。ステップS22にて蓄電器27のSOCが第6所定値以上、つまりSOCが「十分」の場合(Yes側の場合)には、ステップS23に移行する。ステップS23では、走行路の勾配が第5所定値以上の下り勾配か否かを判定する。ステップS23にて走行路の勾配が第5所定値未満の下り勾配、つまり走行路が「緩やかな下り坂路」または「平坦路」の場合(No側の場合)には、ステップS24に移行する。ステップS24では、第5惰性走行制御を実行する。つまり、第5惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件が成立することに加えて、蓄電器27のSOCが「十分」で、かつ走行路が「緩やかな下り坂路」または「平坦路」の場合に実行される。その後に前述したステップS20に移行する。ステップS23にて走行路の勾配が第5所定値以上の下り勾配、つまり走行路が「急な下り坂路」の場合(Yes側の場合)にはリターンする。なお、ステップS23にてYes側の場合には、走行路が「急な下り坂路」で、かつSOCが「十分」であるので第4惰性走行制御を実行してもよいし、現在実行中の運転状態を維持してもよい。
ステップS22にて、蓄電器27のSOCが第6所定値未満、つまりSOCが「中」である場合(No側の場合)には、ステップS25に移行する。ステップS25では、走行路の勾配が第5所定値以上の下り勾配か否かを判定する。ステップS25にて走行路の勾配が第5所定値未満の下り勾配、つまり走行路が「緩やかな下り坂路」または「平坦路」の場合(No側の場合)には、ステップS26に移行する。ステップS26では、走行路の勾配が第7所定値以上の下り勾配か否かを判定する。ステップS26にて走行路の勾配が第7所定値以上の下り勾配、つまり走行路が「緩やかな下り坂路」の場合(Yes側の場合)には、ステップS27に移行する。ステップS27では、第6惰性走行制御を実行する。つまり、第6惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件が成立することに加えて、蓄電器27のSOCが「中」で、かつ走行路が「緩やかな下り坂」の場合に実行される。その後に前述したステップS20に移行する。
なお、ステップS25にて走行路の勾配が第5所定値以上の下り勾配、つまり走行路が「急な下り坂路」の場合(Yes側の場合)にはリターンする。ステップS25にてYes側の場合には、走行路が「急な下り坂路」で、かつSOCが「中」であるので第4惰性走行制御を実行してもよいし、現在実行中の運転状態を維持してもよい。また、ステップS26にて走行路の勾配が第7所定値未満の下り勾配、つまり走行路が「平坦路」の場合(No側の場合)にはリターンする。ステップS26にてNo側の場合には、走行路が「平坦路」で、かつSOCが「中」であるので第5惰性走行制御、または第8惰性走行制御を実行してもよいし、現在実行中の運転状態を維持してもよい。
ステップS18にて、走行路の勾配が第5所定値未満の下り勾配、つまり走行路が「緩やかな下り坂路」または「平坦路」の場合(No側の場合)には、ステップS28に移行する。ステップS28では、燃料の残量が予め決められた第8所定値以上か否かを判定する。第8所定値は、第1実施例で説明した第3所定値と同じ値であってよい。ステップS28にて燃料の残量が第8所定値以上、つまり燃料の残量が「十分」の場合(Yes側の場合)には、ステップS29に移行する。ステップS29では、走行路の勾配が第7所定値以上の下り勾配か否かを判定する。ステップS29にて走行路の勾配が第7所定値未満の下り勾配、つまり走行路が「平坦路」の場合(No側の場合)には、ステップS30に移行する。ステップS30では、第8惰性走行制御を実行する。第8惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件が成立することに加えて、蓄電器27のSOCが「少」で、かつ走行路が「平坦路」で、かつ燃料の残量が「十分」の場合に実行される。その後に前述したステップS20に移行する。
ステップS29にて走行路の勾配が第7所定値以上の下り勾配、つまり走行路が「緩やかな下り坂路」の場合(Yes側の場合)には、ステップS31に移行する。ステップS31では、第7惰性走行制御を実行する。つまり、第7惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件が成立することに加えて、蓄電器27のSOCが「少」で、かつ走行路が「緩やかな下り坂路」で、かつ燃料の残量が「十分」の場合に実行される。その後に前述したステップS20に移行する。
ステップS28にて燃料の残量が第8所定値未満、つまり「少」の場合(No側の場合)には、ステップS32に移行する。ステップS32にて、有人無人判定部55の判定に基づいて無人運転か否かを判定する。ステップS32にて「無人」の場合、つまりYes側の場合には、ステップS33に移行する。ステップS33は、例えば第1実施例で説明したと同じまたは同様に現在地から時間的または距離的に一番近い燃料給油スタンドを検索し、検索した燃料給油スタンドをナビゲーションシステムの目的地に設定する。ステップS33を実行した後にはリターンする。なお、第2実施例では、目的地を燃料給油スタンドに設定する条件に、「緩やかな下り坂」または「平坦路」となる走行路の勾配についての判断が含まれているが、この発明では走行路の勾配についての判断を省略してもよい。
ステップS32にて「有人」である場合、つまりNo側の場合には、ステップS34に移行する。ステップS34では、自動運転を終了する。その後にリターンする。なお、第2実施例では、自動運転を終了する条件に、「緩やかな下り坂」または「平坦路」となる走行路の勾配についての判断が含まれているが、この発明では走行路の勾配についての判断を省略してもよい。
なお、図5で説明した第2実施例は、一の惰性走行制御を選択するための手順の一例を示すものであり、この発明では、SOCについての判断や走行路の勾配についての判断を実行する順番は、図5で説明した実施例に限定されない。また、第4惰性走行制御から第8惰性走行制御の各々を、エンジン11の運転の可否、第1クラッチ78の断続、および第2クラッチ79の断続との組み合わせにより、予め決められたパターンで設定しておいてもよい。また、前述したパターンで設定しておくのではなく、エンジン11、第1クラッチ78、および第2クラッチ79などを個々に制御して各惰性走行制御を達成するように構成してもよい。
さらに、図5では、第1走行条件成立の判断をステップS15の後に実施する手順としているが、代わりに第4惰性走行制御から第8惰性走行制御を実行する直前で第1走行条件成立の判断をそれぞれ行ってもよい。また、上記実施例では、第4惰性走行制御から第8惰性走行制御を実行する例としているが、この発明ではこれに限らず、第6惰性走行制御から第8惰性走行制御の実行を省略し、第4惰性走行制御および第5惰性走行制御を実行する構成としてもよい。
図6は、惰性走行制御を選択するための条件の組み合わせを示す説明図である。なお、図6に記載の「ENG」はエンジン11を、「MOP」は機械式のオイルポンプ43を、「EOP」は電動オイルポンプ34をそれぞれ表す。
図6に示すように第4惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、SOCが「少」で、かつ「急な下り坂路」を走行中のときに選択される制御である。この第4惰性走行制御は、惰性走行中に第1クラッチ78、および第2クラッチ79をそれぞれ係合し、かつエンジン11の運転を停止する制御である。この制御では、駆動輪14,15から入力される被駆動力によりエンジン11および電動機80がそれぞれ被回転される。
第4惰性走行制御では、エンジン11の運転が停止されるため、詳しくは後述する第7惰性走行制御および第8惰性走行制御を実行するときよりも燃費が向上する。また、第4惰性走行制御では、エンジン11が被回転されるため、機械式のオイルポンプ43の駆動により圧油を油圧制御部24に供給することができる。また、第4惰性走行制御では、電動機80が被回転にすることで発電して、発電した電力により蓄電器27を充電する。これにより、第4惰性走行制御では、詳しくは後述する第5惰性走行制御および第6惰性走行制御を実施するときよりも、電動オイルポンプ34を駆動しない分、蓄電器27の電力消費を抑制することができる。さらに、第4惰性走行制御では、電動機80で回生トルクを生じさせることにより作用するエンジンブレーキ力に加えて、エンジン11でポンピングロスなどを生じさせることにより作用するエンジンブレーキ力を効かせながら惰性走行が可能となる。このため、急な下り坂路であっても車速が上がることを抑制することができる。このときのエンジンブレーキ力は、第5惰性走行制御から第8惰性走行制御の中で一番大きい力になる。同図では、第4惰性走行制御におけるエンジンブレーキ力を「大」として記載している。
第5惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、蓄電器27のSOCが「十分」で、かつ「平坦路」または「緩やかな下り坂路」を走行中のときに選択される制御である。この第5惰性走行制御は、第1クラッチ78、および第2クラッチ79をそれぞれ解放することでエンジン11および電動機80を有する駆動源と駆動輪14,15とを切り離し、かつエンジン11の運転を停止させる。
第5惰性走行制御では、電動機80によるエネルギー回生が実施されず、また電動オイルポンプ34を駆動して圧油を油圧制御部24に供給する。このように第4惰性走行制御では、惰性走行中に蓄電器27への充電が実施されずに、電動オイルポンプ34などの補助機器30が蓄電器27に蓄積された電力を使用するため、蓄電器27の消費電力が第4惰性走行制御、第7惰性走行制御および第8惰性走行制御を実行するときよりも大きくなることがある。
第6惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、蓄電器27のSOCが「中」で、かつ「緩やかな下り坂路」を走行中のときに選択される制御である。この第6惰性走行制御は、惰性走行中に第1クラッチ78を解放し、かつ第2クラッチ79を係合することで、駆動輪14,15からエンジン11を切り離し、かつエンジン11の運転を停止させる。
第6惰性走行制御では、エンジン11の運転が停止されるため第7惰性走行制御および第8惰性走行制御を実行するときよりも燃費が向上する。また、第6惰性走行制御では、電動機制御部83により回生制御が実施され、かつ電動オイルポンプ34の駆動により圧油が油圧制御部24に供給される。このように第6惰性走行制御では、蓄電器27への充電が実施されるのに対し、電動オイルポンプ34などの補助機器30を駆動させるために蓄電器27に蓄積された電力が使用される。このため、第6惰性走行制御では、第4惰性走行制御、第7惰性走行制御および第8惰性走行制御を実施するときよりも、蓄電器27の消費電力が大きくなることがある。さらに、第6惰性走行制御では、電動機80で回生トルクが生じることにより作用するエンジンブレーキ力を効かせながら惰性走行が可能となる。このときのエンジンブレーキ力は、第5惰性走行制御を実行するときよりも大きくなる。同図では、第6惰性走行制御におけるエンジンブレーキ力を「中」、第5惰性走行制御におけるエンジンブレーキ力を「小」としてそれぞれ記載している。
第7惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、燃料の残量が「十分」で、かつ蓄電器27のSOCが「少」で、かつ「緩やかな下り坂路」を走行中のときに選択される制御である。この第7惰性走行制御は、第1クラッチ78を解放し、かつ第2クラッチ79を係合することでエンジン11を駆動輪14,15から切り離し、かつエンジン11を運転させる制御を実施する。このときのエンジン11の運転は、減筒運転をしてよい。
第7惰性走行制御では、燃料の残量が「十分」であるため、エンジン11が運転される。このため、燃費が第4惰性走行制御から第6惰性走行制御を実行するときよりも悪くなることがあるが、機械式のオイルポンプ43が駆動されるため、電動オイルポンプ34を駆動しないで、圧油を油圧制御部24に供給することができる。また、第2クラッチ79を係合するため、駆動輪14,15から伝達される被駆動力が電動機80に入力される。このため、電動機80が被回転することで発電し、発電した電力により蓄電器27が充電される。このため、第7惰性走行制御では、第5惰性走行制御を実施するときよりも、電動オイルポンプ34を駆動させない分、蓄電器27の電力消費を抑制することができる。さらに、第7惰性走行制御では、電動機80で回生トルクを生じさせることにより作用するエンジンブレーキ力を効かせながら惰性走行が可能となる。このときのエンジンブレーキ力は、第5惰性走行制御を実行するときよりも大きくなる。同図ではエンジンブレーキ力を「中」として記載している。
第8惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、燃料の残量が「十分」で、かつ蓄電器27のSOCが「少」で、かつ「平坦路」を走行中のときに選択される制御である。この第8惰性走行制御は、第1クラッチ78を係合し、かつ第2クラッチ79を解放することで、電動機80およびエンジン11を有する駆動源と駆動輪14,15とを切り離し、かつエンジン11を運転させる制御である。このとき、エンジン11を減筒運転してもよい。
第8惰性走行制御では、燃料の残量が「十分」であるため、エンジン11が運転される。また、第8惰性走行制御では、機械式のオイルポンプ43により圧油を油圧制御部24に供給することができるため、電動オイルポンプ34の駆動を停止可能となる。さらに第8惰性走行制御では、エンジン11の駆動力により電動機80が回転して発電することで蓄電器27が充電される。このため、第8惰性走行制御では、第5惰性走行制御および第6惰性走行制御を実施するときよりも、電動オイルポンプ34を停止させる分、蓄電器27の電力消費を抑制することができる。また、第8惰性走行制御では、第2クラッチ79が開放されるため、電動機80に生じる回生トルクにより作用するエンジンブレーキ力が駆動輪14,15に伝達されない。このため、平坦路での惰性走行距離を延ばして燃費を改善することが可能となる。なお、同図では、第8惰性走行制御におけるエンジンブレーキ力を「小」として記載している。
[第3実施例]
図7は、第3実施例の自動運転車両(以下、「車両」と称す)90を示す。図7に示すように車両90は、図4で説明した第2実施例の車両77と比べてオルタネータ26を備えている。オルタネータ26は、図1で説明したものと同じまたは同様であってよい。また、車両90は、第1蓄電器91および第2蓄電器92を備える。第1蓄電器91は、オルタネータ26が発電した電力により充電されるとともに、低電圧で駆動する補助機器30、つまり内部センサ65や外部センサ66などの低電圧負荷(電気負荷)に電力を供給する低電圧用の電池である。第2蓄電器92は、電動機80が発電した電力により充電されるとともに、高電圧で駆動する補助機器30、一例として操舵用アクチュエータ36などの高電圧負荷(電気負荷)に電力を供給する高電圧用の電池である。電池制御部28は、第1蓄電器91のSOC(以下「第1SOC」と称す)、および第2蓄電器92のSOC(以下「第2SOC」と称す)をそれぞれ検出する充電残量取得部94を備える。オルタネータ26は、この発明の実施例における発電機の一例である。
走行制御部95は、惰性走行条件成立判定部96にて所定の惰性走行条件が成立した場合に、第1SOCについての判断、第2SOCについての判断、および走行路の勾配についての判断を含む第2走行条件に基づいて、複数の惰性走行制御から一つの惰性走行制御を選択し、選択された惰性走行制御を実行する。複数の惰性走行制御は、第9惰性走行制御から第13惰性走行制御を含む。
図8に示すように第9惰性走行制御は、エンジン11の運転を停止し、かつ第1クラッチ78、および第2クラッチ79をそれぞれ係合する制御である。この第9惰性走行制御は、第2実施例で説明した第4惰性走行制御を実行する条件と略同じ条件が成立したときに、第4惰性走行制御と実質的に同じ内容の制御を実行する制御である。つまり第11惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、第1SOC、および第2SOCがそれぞれ「少」で、かつ「急な下り坂」を走行中のときに選択される。
第9惰性走行制御では、オルタネータ26による充電、および電動機80による充電が実施可能となる。これにより第9惰性走行制御では、第10惰性走行制御を実施するときよりも第1蓄電器91および第2蓄電器92の電力消費を抑制することができる。また、第11惰性走行制御を実施するときよりも第1蓄電器91の電力消費を抑制することができる。さらにまた、第9惰性走行制御では、電動機80で回生トルクを生じさせることにより作用するエンジンブレーキ力に加えて、エンジン11でポンピングロスなどを生じさせることにより作用するエンジンブレーキ力を効かせながら惰性走行が可能となるため、急な下り坂でも車速が上がることを抑制することができる。
第10惰性走行制御は、惰性走行中に第1クラッチ78、および第2クラッチ79をそれぞれ解放することでエンジン11および電動機80を有する駆動源と駆動輪14,15とを切り離し、かつエンジン11の運転を停止する。この第10惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、第1SOC、および第2SOCがそれぞれ「十分」で、かつ「平坦路」または「緩やかな下り坂」を走行中のときに選択される。第10惰性走行制御は、第2実施例で説明した第5惰性走行制御を実行する条件と略同じ条件が成立したときに、第5惰性走行制御と実質的に同じ内容の制御を実行する。このため、ここでは詳しい説明を省略する。
第11惰性走行制御は、第1クラッチ78を解放し、かつ第2クラッチ79を係合するとともに、エンジン11の運転を停止させる制御である。この第11惰性走行制御は、第2実施例で説明した第6惰性走行制御を実行する条件と略同じ条件が成立したときに、第6惰性走行制御と実質的に同じ内容の制御を実行する。つまり第11惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、第1SOCおよび第2SOCがそれぞれ「中」で、かつ「緩やかな下り坂」を走行中のときに選択される。
第11惰性走行制御では、第2蓄電器92への充電が実施されるのに対し、電動オイルポンプ34などの低電圧で駆動する補助機器30を駆動させるために第1蓄電器91に蓄積された電力が使用される。また、第11惰性走行制御では、電動機80で回生トルクを生じさせることにより作用するエンジンブレーキ力を効かせながら惰性走行が可能となる。このときのエンジンブレーキ力は、第10惰性走行制御を実行するときよりも大きくなる。
第12惰性走行制御は、第1クラッチ78を解放し、かつ第2クラッチ79を係合することでエンジン11を駆動輪14,15から切り離し、かつエンジン11を運転させる。第12惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、第1SOC、および第2SOCがそれぞれ「少」で、かつ「緩やかな下り坂」を走行中のときに選択される。つまり、第12惰性走行制御は、第2実施例で説明した第7惰性走行制御を実行する条件と略同じ条件が成立したときに、第7惰性走行制御と実質的に同じ内容の制御を実行する。
第12惰性走行制御では、オルタネータ26および電動機80による発電が実施されるため、第10惰性走行制御および第11惰性走行制御を実施するときよりも第1蓄電器91および第2蓄電器92のいずれかの電力消費を抑制することができる。また、第12惰性走行制御では、電動機80で回生トルクを生じさせることにより作用するエンジンブレーキ力を効かせながら惰性走行が可能となる。このときのエンジンブレーキ力は、第10惰性走行制御を実行するときよりも大きくなる。
第13惰性走行制御は、第1クラッチ78を係合し、かつ第2クラッチ79を解放し、かつエンジン11を運転させる。第13惰性走行制御は、第2実施例で説明した第8惰性走行制御を実行する条件と略同じ条件が成立したときに、第8惰性走行制御と実質的に同じ内容の制御を実行する。つまり第13惰性走行制御は、自動運転中で、かつ第1走行条件の成立に加えて、第1SOC、および第2SOCがそれぞれ「少」で、かつ「平坦路」を走行中のときに選択される。
第13惰性走行制御では、第10惰性走行制御、および第11惰性走行制御を実施するときよりも第1蓄電器91および第2蓄電器92のいずれかの電力消費を抑制することができる。また、第13惰性走行制御では、第2クラッチ79が開放されるため、電動機80で回生トルクを生じさせることにより作用するエンジンブレーキ力が駆動輪14,15に伝達されない。このため、平坦路での惰性による走行距離を延ばして燃費を改善することが可能となる。
この発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形がこの発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
例えば図2で説明した第1実施例では、駆動力源をエンジン11として説明しているが、これに限らず、例えばエンジン11、および発電可能な電動機を有する駆動力源としてよい。この場合には、エンジン11が出力した駆動力を出力軸と電動機とに分割して伝達する、例えば遊星歯車機構を有する動力分割機構を備えてよい。つまりエンジン11と電動機とは、動力分割機構によりエンジン11が出力した駆動力を出力軸と電動機とに分割して伝達できるように接続される。電動機は、エンジン11から出力される駆動力の一部を利用して回転することで発電して蓄電器27を充電させる発電機能と、蓄電器27に蓄積された電力を利用して駆動させて、駆動力をエンジン11から出力される駆動力にアシストする力行機能とを有する。この場合には図1で説明したオルタネータ26を省略してよい。
また図4で説明した第2実施例では、エンジン11および電動機80を駆動力源として備えているが、これに限らず、例えば駆動力源としてエンジン11、発電可能な第1電動機、および発電可能な第2電動機を備えてよい。この場合には、前述したようにエンジン11が出力した駆動力を出力軸と第1電動機とに分割して伝達する動力分割機構を備えてよい。第1電動機は、エンジン11から出力される駆動力の一部を利用して回転することで発電して蓄電器27を充電させる発電機能と、蓄電器27に蓄積された電力を利用して駆動して駆動力をエンジン11から出力される駆動力にアシストする力行機能とを有する。第2電動機は、第2実施例で説明した電動機80と同じまたは同様な作用をする。第1電動機および第2電動機は、一つの蓄電器27に対して電力のやりとりが可能に構成してよい。この例では、第3実施例で説明したと同じまたは同様に第1クラッチ78を介して第2電動機80を出力軸に接続するとともに、第2電動機80と自動変速機12との間に第2クラッチ79を接続することで、第3実施例と同じまたは同様な作用および効果を得ることができる。
10,77,90…自動運転車両、 11…エンジン、 17…クラッチ、 25…電子制御部、 26…オルタネータ、 27…蓄電器、 28…電池制御部、 34…電動オイルポンプ、 37,94…充電残量取得部、 43…機械式のオイルポンプ、 47…燃料センサ、 57,85,95…走行制御部、 62,84,96…惰性走行条件成立判定部、 75…勾配取得部、 78…第1クラッチ、 79…第2クラッチ、 80…電動機、 82…インバータ、 83…電動機制御部、 91…第1蓄電器、 92…第2蓄電器。
本発明は、車両の制御装置に関する。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、運転中に充電量の不足によって運転が制約されることを抑制することが可能な車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明は、燃料を燃焼して駆動力を出力する内燃機関と、前記内燃機関が出力する駆動力、または駆動輪から前記内燃機関に伝達される駆動力を利用して発電可能な発電機と、前記発電機と電力のやり取りが可能で、かつ充放電可能な蓄電器と、前記内燃機関と前記駆動輪との間の動力伝達を断続する動力断続部と、前記蓄電器の充電残量を取得する充電残量取得部と、車輪に制動トルクを付与する制動部とを備え、前記内燃機関、前記動力断続部、前記発電機、前記蓄電器、前記充電残量取得部、および前記制動部のそれぞれを制御して、前記動力断続部の断続を切り換えて走行する惰性走行を実行することができる車両の制御装置において、前記内燃機関、および前記動力断続部を制御するコントローラと、前記車両が走行する走行路の勾配を取得する勾配取得部とを備え、前記コントローラは、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断および前記走行路の勾配についての判断を行い、前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第1所定値以上の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記動力断続部の接続を解除させる第1惰性走行制御を実行し、また、前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第1所定値未満の場合には前記内燃機関を運転させ、かつ前記動力断続部の接続を解除させる第2惰性走行制御を実行するとともに、前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第1所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が予め決められた第2所定値以上の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記動力断続部を接続させる第3惰性走行制御を実行することを特徴とするものである。
また、この発明は、燃料を燃焼して駆動力を出力する内燃機関と、発電可能な走行用の電動機と、前記電動機と電力のやり取りが可能で、かつ充放電可能な蓄電器と、前記蓄電器の充電残量を取得する充電残量取得部と、前記内燃機関と前記電動機との間の動力伝達を断続する第1動力断続部と、前記電動機と駆動輪との間の動力伝達を断続する第2動力断続部と、車両が走行する走行路の勾配を取得する勾配取得部と、車輪に制動トルクを付与する制動部とを備え、前記内燃機関、前記蓄電器、前記電動機、前記充電残量取得部、前記第1動力断続部、前記第2動力断続部、前記勾配取得部、および前記制動部のそれぞれを制御し、前記第1動力断続部および前記第2動力断続部のそれぞれの断続を切り換えて走行する惰性走行を実行することができる車両の制御装置において、前記内燃機関、前記第1動力断続部、および前記第2動力断続部を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、および前記走行路の勾配についての判断を行い、前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第4所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が予め決められた第5所定値以上の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部および前記第2動力断続部をそれぞれ接続させる第4惰性走行制御を実行し、また、前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第4所定値以上で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部および前記第2動力断続部の接続をそれぞれ解除させる第5惰性走行制御を実行し、さらに、前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が第4所定値以上でかつ前記第4所定値よりも大きい第6所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部を解放させ、かつ前記第2動力断続部を係合させる第6惰性走行制御を実行することを特徴とするものである。
この発明は、前記車両の燃料の残量を取得する燃料残量取得部を備え、コントローラは、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、および前記走行路の勾配についての判断に加えて、前記燃料の残量についての判断を行い、前記所定条件が成立し、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満でかつ前記第5所定値よりも小さい第7所定値以上の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が予め決められた第8所定値以上の場合に、内燃機関を運転させ、かつ前記第1動力断続部の接続を解除させ、かつ前記第2動力断続部を接続させる第7惰性走行制御を実行し、また、前記所定条件が成立し、かつ前記走行路の勾配が前記第7所定値未満の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が前記第8所定値以上の場合に、前記内燃機関を運転させ、かつ前記第1動力断続部を接続させ、かつ前記第2動力断続部の接続を解除させる第8惰性走行制御を実行するように構成されていてよい。
この発明によれば、運転中に惰性走行を実施する条件が成立した場合に、蓄電器の充電量の低下を抑えることが可能な走行制御を選択することができる。つまり、充電の残量が第1所定値未満の場合に第2惰性走行制御を実行することで、動力断続部の接続を解除し、かつ内燃機関を運転することで、蓄電器を充電しながら惰性走行することができる。その結果、充電量の不足によって運転が制約されることを抑制することができる。また、運転中に充電残量が第2所定値未満の場合に第3惰性走行制御が実行される。この第3惰性走行制御では、動力断続部が係合され、かつ内燃機関への燃料が断たれてその運転が停止されるため、駆動輪から伝達される被駆動力により内燃機関が被回転される。すなわち内燃機関が被駆動状態となる。このため、発電機が内燃機関とともに回転して発電することにより蓄電器が充電されるので、蓄電器への充電量の低下を抑えることができる。しかも内燃機関が被駆動状態となることによりエンジンブレーキ力(制動力)が作用して、車速が上がることを抑制することができる。

Claims (8)

  1. 燃料を燃焼して駆動力を出力する内燃機関と、
    前記内燃機関が出力する駆動力、または駆動輪から前記内燃機関に伝達される駆動力を利用して発電可能な発電機と、
    前記発電機と電力のやり取りが可能で、かつ充放電可能な蓄電器と、
    前記内燃機関と前記駆動輪との間の動力伝達を断続する動力断続部と、
    前記蓄電器の充電残量を取得する充電残量取得部と、
    車輪に制動トルクを付与する制動部と、
    操舵輪の操舵角を操作する操舵部とを備え、
    前記内燃機関、前記動力断続部、前記発電機、前記蓄電器、前記充電残量取得部、前記制動部、および前記操舵部のそれぞれを制御して、人が操作することなく走行する自動運転と前記動力断続部の断続を切り換えて走行する惰性走行とを実行することができる自動運転車両の制御装置において、
    前記内燃機関、および前記動力断続部を制御するコントローラと、前記車両が走行する走行路の勾配を取得する勾配取得部とを備え、
    前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断および前記走行路の勾配についての判断を行い、
    前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第1所定値以上の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記動力断続部の接続を解除させる第1惰性走行制御を実行し、
    また、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第1所定値未満の場合には前記内燃機関を運転させ、かつ前記動力断続部の接続を解除させる第2惰性走行制御を実行するとともに、
    前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第1所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が予め決められた第2所定値以上の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記動力断続部を接続させる第3惰性走行制御を実行する
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動運転車両の制御装置において、
    前記車両の燃料の残量を取得する燃料残量取得部と、
    運転者が前記車両の運転操作を可能な状態である有人か否かを検出する検出部とを備え、
    前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、および前記充電残量についての判断に加えて、前記燃料の残量についての判断、および前記有人か否かについての判断を行い、
    前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第1所定値未満で、かつ前記燃料の残量が予め決められた第3所定値未満で、かつ前記検出部の検出が前記有人の場合には自動運転を終了する
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の自動運転車両の制御装置において、
    前記車両の燃料の残量を取得する燃料残量取得部と、
    運転者が前記車両の運転操作を可能な状態である有人か否かを検出する検出部とを備え、
    前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、および前記充電残量についての判断に加えて、前記燃料の残量についての判断、および前記有人か否かについての判断を行い、
    前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第1所定値未満で、かつ前記燃料の残量が予め決められた第3所定値未満で、かつ前記検出部による検出が前記有人ではない無人の場合には前記車両の目的地を燃料給油スタンドに設定する
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  4. 燃料を燃焼して駆動力を出力する内燃機関と、
    発電可能な走行用の電動機と、
    前記電動機と電力のやり取りが可能で、かつ充放電可能な蓄電器と、
    前記蓄電器の充電残量を取得する充電残量取得部と、
    前記内燃機関と前記電動機との間の動力伝達を断続する第1動力断続部と、
    前記電動機と駆動輪との間の動力伝達を断続する第2動力断続部と、
    車両が走行する走行路の勾配を取得する勾配取得部と、
    車輪に制動トルクを付与する制動部と、
    操舵輪の操舵角を操作する操舵部とを備え、
    前記内燃機関、前記蓄電器、前記電動機、前記充電残量取得部、前記第1動力断続部、前記第2動力断続部、前記勾配取得部、前記制動部、および前記操舵部のそれぞれを制御し、人が操作することなく走行する自動運転と前記第1動力断続部および前記第2動力断続部のそれぞれの断続を切り換えて走行する惰性走行とを実行することができる自動運転車両の制御装置において、
    前記内燃機関、前記第1動力断続部、および前記第2動力断続部を制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、および前記走行路の勾配についての判断を行い、
    前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第4所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が予め決められた第5所定値以上の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部および前記第2動力断続部をそれぞれ接続させる第4惰性走行制御を実行し、
    また、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が前記第4所定値以上で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部および前記第2動力断続部の接続をそれぞれ解除させる第5惰性走行制御を実行し、
    さらに、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が第4所定値以上でかつ前記第4所定値よりも大きい第6所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配の場合に、前記内燃機関の運転を停止させ、かつ前記第1動力断続部を解放させ、かつ前記第2動力断続部を係合させる第6惰性走行制御を実行する
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載の自動運転車両の制御装置において、
    前記車両の燃料の残量を取得する燃料残量取得部を備え、
    前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、および前記走行路の勾配についての判断に加えて、前記燃料の残量についての判断を行い、
    前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満でかつ前記第5所定値よりも小さい第7所定値以上の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が予め決められた第8所定値以上の場合に、前記内燃機関を運転させ、かつ前記第1動力断続部の接続を解除させ、かつ前記第2動力断続部を接続させる第7惰性走行制御を実行し、
    また、前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記走行路の勾配が前記第7所定値未満の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が前記第8所定値以上の場合に、前記内燃機関を運転させ、かつ前記第1動力断続部を接続させ、かつ前記第2動力断続部の接続を解除させる第8惰性走行制御を実行する
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  6. 請求項5記載の自動運転車両の制御装置において、
    前記内燃機関から出力される駆動力により回転して発電する発電機を備えるとともに、
    前記蓄電器は、前記発電機が発電した電力によって充電され、かつ低電圧で駆動する電気負荷に電力を供給する第1蓄電器と、前記電動機が発電した電力によって充電され、かつ高電圧で駆動する電気負荷に電力を供給する第2蓄電器とを備える
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の自動運転車両の制御装置において、
    運転者が前記車両の運転操作を可能な状態である有人か否かを検出する検出部を備え、
    前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、前記走行路の勾配についての判断、および前記燃料の残量についての判断に加えて、前記有人か否かについての判断を行い、
    前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第4所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が前記第8所定値未満で、かつ前記検出部による検出が前記有人の場合には自動運転を終了する
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  8. 請求項5または請求項6に記載の自動運転車両の制御装置において、
    運転者が前記車両の運転操作を可能な状態である有人か否かを検出する検出部を備え、
    前記コントローラは、前記自動運転が実行されているか否かの判断、前記惰性走行を行う所定条件が成立しているか否かの判断、前記充電残量についての判断、前記走行路の勾配についての判断、および前記燃料の残量についての判断に加えて、前記有人か否かについての判断を行い、
    前記自動運転中で、かつ前記所定条件が成立し、かつ前記充電残量が予め決められた第4所定値未満で、かつ前記走行路の勾配が前記第5所定値未満の下り勾配で、かつ前記燃料の残量が前記第8所定値未満で、かつ前記検出部による検出が前記有人ではない無人の場合には前記車両の目的地を燃料給油スタンドに設定する
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
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