JP2018065769A - 抗糖化用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
クロモジの枝の乾燥粉砕物に10倍量の水を加え、100℃にて3時間加熱抽出を行なった。抽出後に濾過し、得られた溶液を減圧濃縮して減容した後、凍結乾燥を行って、クロモジの熱水抽出物を得た。
調製例1で得られたクロモジ熱水抽出物(以下、「LU−K」ともいう。)を用いて、糖化反応阻害効果を検証した。
クロモジ熱水抽出物(LU−K)の存在下で、(A)ヒト血清アルブミン(以下、「HSA」ともいう。)、(B)1型コラーゲン(以下、「Col」ともいう。)、又は(C)エラスチン(以下、「Ela」ともいう。)の各々と、グルコースを加熱反応させ、生成したAGEs、具体的には、蛍光性AGE類(ペントシジン、クロスリン、ピロピリジンなど)、3デオキシグルコソン(以下、「3DG」ともいう。)、グリオキサール(以下、「GO」ともいう。)、メチルグリオキサール(以下、「MGO」ともいう。)、カルボキシメチルリジン(以下、「CML」ともいう。)、ペントシジンを測定し、LU−Kを添加しないコントロールと比較したAGEs生成阻害効果を検証した。また、陽性対照として、AGEs生成阻害剤であることが知られているアミノグアニジンについても同様の試験を行った。
(1)糖化反応
(A)ヒト血清アルブミン反応系
0.1mol/L NaH2PO4−Na2HPO4リン酸緩衝液(pH7.4)、8mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)、及び0.2mol/Lグルコースからなる糖化反応液を準備した。これに、所定濃度に調製したサンプル溶液を1/10容積濃度となるように添加し、60℃で40時間インキュベートした。また、サンプル溶液の代わりに蒸留水を添加したものをコントロールとした。
0.1mol/L NaH2PO4−Na2HPO4リン酸緩衝液(pH7.4)、1.2mg/mL牛皮由来1型コラーゲン(Col)、 及び0.4mol/Lグルコースからなる糖化反応液中に、これに、所定濃度に調製したサンプル溶液を1/10容積濃度となるように添加し、60℃で10日間インキュベートした。また、サンプル溶液の代わりに蒸留水を添加したものをコントロールとした。
0.1mol/L NaH2PO4−Na2HPO4リン酸緩衝液(pH7.4)、6mg/mL豚由来エラスチン(Ela)、及び0.2mol/Lグルコースからなる糖化反応液中に、これに、所定濃度に調製したサンプル溶液を1/10容積濃度となるように添加し、60℃で10日間インキュベートした。また、サンプル溶液の代わりに蒸留水を添加したものをコントロールとした。
糖化反応終了後、反応液中に生成した蛍光性AGEsをマイクロプレートリーダーで測定した(励起波長370nm/蛍光波長440nm)。
糖化反応終了後、反応液中に生成した3DGを2.3-diaminonaphthalen (DAN) プレラベル化逆相HPLC法により測定した。
糖化反応終了後、反応液中に生成したGOを2.3-diaminonaphthalen (DAN) プレラベル化逆相HPLC法により測定した。
糖化反応終了後、反応液中に生成したMGOを2.3-diaminonaphthalen (DAN) プレラベル化逆相HPLC法により測定した。
糖化反応終了後、反応液中に生成したCMLを「CircuLex CML/Nε-(Carboxymethyl)lysine ELISA Kit」(株式会社医学生物学研究所)を使用してELISA法により測定した。
Scheijenaら(Joumal of Chromatography B,2009;877:610-614)の方法を参考に、糖化反応終了後の反応液を塩酸加水分解後、逆相HPLCで測定した。
各AGEsの生成阻害率は、糖化反応系にサンプル溶液を添加した反応液における測定値をAとし、その反応液においてグルコース水溶液の代わりに蒸留水を添加したものにおける測定値をBとし、その反応液においてサンプル溶液の代わりに蒸留水を添加したコントロールにおける測定値をCとし、そのコントロールにおいてグルコース水溶液の代わりに蒸留水を添加したものにおける測定値をDとして、下記の式に従って算出した。
IC50(50%生成阻害濃度)は、常法に従い、糖化反応系に添加した試験物質の濃度とそのときの生成阻害率の関係性に基づいて算出し、有効数字3桁で表示した。
調製例1で得られたクロモジ熱水抽出物を用いて、AGEs架橋切断効果を検証した。
AGEsが関与する架橋構造を分解する化合物としてN−フェナシルチアゾリウムプロミド(N-phenacyl thiazolium bromide:以下、「PTB」ともいう。)が報告されている。PTBは、αジケトン構造のC−C結合を切断分解することで血管内のAGEsの蓄積を抑制し、糖尿病性血管合併症の治療に寄与する可能性が示唆されている。
(1)架橋切断反応
所定濃度に調製したLU−Kのサンプル溶液(陽性対照であるPTBの場合は濃度10mmol/Lに調製した溶液)と、モデル基質としてPPDを10mmol/Lの濃度で含む溶液と、0.2mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)とを5:1:4の割合(容積換算)で混合し、37℃で8時間反応させた。反応終了後、塩酸を加えて反応停止させた。
架橋切断反応終了後、反応液を20℃、3,000×gで10分間遠心分離し、得られた上清中の安息香酸量を逆相HPLCで分析し、別途測定した架橋切断反応前のサンプル溶液中の安息香酸量を差し引いて、架橋切断反応中にモデル基質PPDから生成した安息香酸量を求めた。
1molのPPDは1molの安息香酸を生成可能であることから、下記の式に従って架橋切断率を算出した。また、陽性対照であるPTBの切断率を100としたときの、試験サンプルであるLU−Kによる切断率の相対値を求めた。
A:反応後の反応液中の安息香酸量、B:反応前のサンプル溶液中の安息香酸量、C:反応に供したPPD量(基質量)
調製例1で得られたクロモジ熱水抽出物を用いて、酸化蛋白質分解酵素の活性増強効果を検証した。
酸化蛋白分解酵素(oxidized protein hydrolase:以下、「OPH」ともいう。)は、蛋白質のN末端アシル化アミノ酸を遊離するセリンプロテアーゼの1種で、アシルアミノ酸遊離酵素(acylamino-acid releasing enzyme:AARE)、あるいはアシル化ペプチド分解酵素(acylpeptide hydrolase:APH)などとも呼ばれている。OPHはブタ肝臓、ラット脳、ヒト血液、角層などの生体組織に広く存在している。OPHは酸化や糖化蛋白を優先的に分解するとともにプロテアソームと協働して老化蛋白質を分解すること、アルツハイマー病の原因であるアミロイドβを減少させることなどが報告されている。また、OPHがAGEsを分解することも確認されている。
(1)酸化蛋白質分解反応
OPHとしてはアシルアミノ酸遊離酵素(タカラバイオ株式会社製)を使用し、OPHの反応基質としてN-acetyl-L-alanine p-nitro-anilide(AAPA)を使用した。96ウェルマイクロプレートの各ウェルに0.2mol/Lトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を加え、最終濃度としてOPHが0.0004U/mL、AAPAが4mmol/L、クロモジ熱水抽出物(LU−K)が200μg/mLとなるようにそれぞれを添加混合し、全量250μLとし、37℃に設定したインキュベーター内で4時間反応させた。
糖化反応終了後、反応液の405nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーで測定することにより、反応液中に分解反応生成物として生成したp−ニトロアニリンを測定した。OPHの酵素活性は1時間当たりの吸光度変化量(反応速度)として求めた。別途、対照としてクロモジ熱水抽出物(LU−K)を添加しないときの反応速度を求め、下記の式に従って、対照の反応速度を100%としたときの活性増強作用を算出した。なお、陰性対照としてエピガロカテキンガレート(以下、「EGCg」ともいう。)を使用し、同様の試験を行った。
クロモジの枝の乾燥粉砕物に5倍量の100%メタノールを加え、室温に1週間静置して抽出を行なった。抽出後に濾過し、得られた溶液を減圧乾固して溶媒を除去し、クロモジの100%メタノール抽出物を得た。その収率は2.88質量%であった。
クロモジの枝の乾燥粉砕物に5倍量の30%エタノール/70%水−混合液を加え、室温に1週間静置して抽出を行なった。抽出後に濾過し、得られた溶液を減圧乾固して溶媒を除去し、クロモジの30%エタノール抽出物を得た。その収率は3.60質量%であった。
クロモジの枝の乾燥粉砕物に5倍量の50%エタノール/50%水−混合液を加え、60℃で3時間抽出を行なった。抽出後に濾過し、得られた溶液を減圧乾固して溶媒を除去し、クロモジの50%エタノール抽出物を得た。その収率は3.96質量%であった。
クロモジの枝の乾燥粉砕物に5倍量の30%エタノール/70%水−混合液を加え、60℃で3時間抽出を行なった。抽出後に濾過し、得られた溶液を減圧乾固して溶媒を除去し、クロモジの30%エタノール抽出物を得た。その収率は3.96質量%であった。
クロモジの枝の乾燥粉砕物に10倍量の水を加え、100℃にて1時間加熱抽出を行なった。抽出後に濾過し、得られた溶液を減圧乾固して溶媒を除去し、クロモジの熱水抽出物を得た。その収率は3.03質量%であった。
調製例2〜6で得られたクロモジの溶媒抽出物を用いて、糖化反応阻害効果を検証した。
Claims (5)
- クロモジ属に属する植物の水又は含水有機溶媒による抽出物を有効成分とし、AGEs生成抑制及びAGEs低減のために用いられることを特徴とする抗糖化用組成物。
- 前記抽出物が、水又は有機溶媒含量50体積%以下の含水有機溶媒による抽出物である、請求項1記載の抗糖化用組成物。
- 前記抽出物が、水又はエタノール含量50体積%以下の含水エタノールによる抽出物である、請求項2記載の抗糖化用組成物。
- AGEs低減のために用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗糖化用組成物。
- 前記AGEs低減が、AGEsのジケトン架橋構造分解、及び/又は、酸化蛋白質分解酵素の活性増強によりなされるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗糖化用組成物。
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