JP2018044145A - 長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを界面活性剤が添加されている水性媒体中に分散させて第1プレ乳化物を得る工程と、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーを界面活性剤が添加されている水性媒体中に分散させて第2プレ乳化物を得る工程と、前記第1プレ乳化物に前記第2プレ乳化物および重合開始剤をそれぞれ添加して乳化重合を行う工程と、を備え、以下の第1〜第3タイミングのいずれかで中和剤を添加して中和を行う、長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
第1タイミング:重合開始剤の添加開始と同時に中和剤の添加を開始する。
第2タイミング:重合開始剤の添加終了と同時に中和剤の添加を開始する。
第3タイミング:乳化重合終了後に中和剤の添加を開始する。
(2)前記中和剤を添加するタイミングが、前記第1タイミングまたは前記第2タイミングである、前記(1)に記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
(3)前記中和剤を添加するタイミングが、前記第2タイミングである、前記(1)に記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
(4)前記中和剤が、アンモニア水である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
(5)pHが4〜6になるように中和を行う、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
(6)前記第1プレ乳化物および前記第2プレ乳化物は、界面活性剤の組成が互いに同一であり、かつ水性媒体の組成が互いに同一である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
図1に示すように、本実施形態では、まず、第1プレ乳化物を得る。第1プレ乳化物は、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを界面活性剤が添加されている水性媒体中に分散させて得る。
図1に示すように、本実施形態では、上述のようにして得た第1プレ乳化物の脱気を行う。脱気は、不活性ガスを使用して行うのがよい。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスなどが挙げられる。不活性ガスの流量は、100〜300mL/分にするのがよい。脱気の他の条件は、液温を50〜70℃、攪拌速度を100〜500rpm、脱気時間を30分〜2時間にするのがよい。
一方、本実施形態では、図1に示すように、第1プレ乳化物とは別に第2プレ乳化物を得る。第2プレ乳化物は、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーを界面活性剤が添加されている水性媒体中に分散させて得る。
図1に示すように、本実施形態では、重合開始剤を準備する。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩類;過塩素酸化合物;過ホウ酸化合物;ベンゾイルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物;4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物類;過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素−アスコルビン酸などの過酸化物と還元性化合物との組み合わせからなるレドックス系開始剤などが挙げられる。
図1に示すように、本実施形態では、第1プレ乳化物に対し、第2プレ乳化物および重合開始剤をそれぞれ添加し、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーの乳化重合を行う。
本実施形態では、図1に示すように、以下の第1〜第3タイミングのいずれかで中和剤を添加して中和を行う。
第1タイミング:重合開始剤の添加開始と同時に中和剤の添加を開始する。
第2タイミング:重合開始剤の添加終了と同時に中和剤の添加を開始する。
第3タイミング:乳化重合終了後に中和剤の添加を開始する。
上述した第1〜第3タイミングのいずれかで中和剤を添加して中和を行うと、粘着テープなどの使用形態において長期にわたり安定した粘着物性を発揮することができる。具体的には、エマルションを粘着テープの形態にして長期間保管しても、180°剥離強度の値が低下するのを抑制することができる。
<エマルションの製造>
エマルションの製造に使用した材料は、以下のとおりである。
界面活性剤:エチレン性不飽和基を有する反応性アニオン系界面活性剤である上述の一般式(I)で表されるADEKA社製の「アデカリアソープSR−10」
水性媒体:イオン交換水
連鎖移動剤:ドデシルメルカプタン
重合開始剤:過硫酸カリウム
重合促進剤:過硫酸カリウム
中和剤:濃度0.25モル/Lのアンモニア水
実施例1:第1タイミング
実施例2:第2タイミング
実施例3:第3タイミング
比較例:中和なし
まず、ベヘニルアクリレートを、界面活性剤、水性媒体および連鎖移動剤と混合して混合液を得た。ベヘニルアクリレートは、モノマー成分中に45重量%の割合で含まれるように使用した。界面活性剤は、その全添加量をモノマー成分100重量部に対して固形分換算で10重量部とし、このうちの4重量部を使用した。水性媒体の添加量は、ベヘニルアクリレート100重量部に対して100重量部とした。連鎖移動剤の添加量は、モノマー成分100重量部に対して0.02重量部とした。
ホモジナイザー:アズワン社製のホモジナイザー(本体:AHG−160D、ローター:HT1025)
回転数:15,000rpm
攪拌時間:1分
得られた第1プレ乳化物を、先端に平板状の攪拌羽根を有するシャフト付きの攪拌機およびガス導入管を備えたセパラブルフラスコに加え、脱気を行った。脱気の条件は、以下のとおりである。
不活性ガス:窒素ガス
不活性ガスの流量:200mL/分
液温:60℃
攪拌速度:200rpm
脱気時間:1時間
一方、メチルアクリレートおよびアクリル酸を、界面活性剤および水性媒体と混合して混合液を得た。メチルアクリレートは、モノマー成分中に50重量%の割合で含まれるように使用した。アクリル酸は、モノマー成分中に5重量%の割合で含まれるように使用した。界面活性剤は、上述した全量のうち残りの6重量部を使用した。水性媒体の添加量は、メチルアクリレートおよびアクリル酸の合計100重量部に対して90重量部とした。
次に、第1プレ乳化物に対し、第2プレ乳化物および重合開始剤をそれぞれ添加して乳化重合を行った。具体的には、第2プレ乳化物は、3時間で添加した。重合開始剤は、1時間で添加した。重合開始剤の添加量は、モノマー成分100重量部に対して0.1重量部とした。重合開始剤は、イオン交換水10gで溶解した溶液としてから添加した。
得られたエマルションについて、粘着テープを作製することによって粘着剤層表面の状態、180°剥離強度および粘着物性の安定性を評価した。各評価方法を以下に示すとともに、その結果を表2に示す。
表面をコロナ放電処理した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートからなる基材の片面にエマルションを塗工し、110℃の乾燥オーブン中で10分間乾燥処理することによって、厚さ40μmの粘着剤層がフィルム状の基材の片面に積層された粘着テープを得た。
◎:粘着剤層表面のザラつきを確認することができない。
○:粘着剤層表面のザラつきを若干確認することができる。
△:実使用上問題のない範囲で粘着剤層表面に部分的なザラつきを確認することができる。
×:粘着剤層表面の全面にザラつきを確認することができる。
得られた粘着テープについて、80℃および23℃の各雰囲気温度における180°剥離強度をJIS Z0237に準拠して測定した。具体的には、80℃の雰囲気温度で粘着テープをステンレス鋼(SUS)製の板に貼着し、この雰囲気温度で20分間静置した後にロードセルを用いて300mm/分の速度で180°剥離し、80℃の雰囲気温度における180°剥離強度を測定した。この測定結果は、後述する粘着物性の安定性において、初期強度にあたる。
得られた粘着テープを雰囲気温度40℃、湿度90%の加速条件下で7日間保管した。そして、保管開始から1日後、3日後および7日後における粘着テープの180°剥離強度をそれぞれ測定した。180°剥離強度は、80℃の雰囲気温度における180°剥離強度を、上述した測定方法に従って測定した。その結果を図2に示す。
○:保持率が80%以上である。
△:保持率が50%以上80%未満である。
×:保持率が50%未満である。
<エマルションの製造>
まず、ベヘニルアクリレートを、界面活性剤、水性媒体および連鎖移動剤と混合するときに、濃度が12.5重量%である保護コロイドの水溶液を添加した以外は、上述した実施例1〜3と同様にして混合液を得た。使用した保護コロイドの組成および添加量は、以下のとおりである。
保護コロイドの組成:ケン化度88%の部分ケン化ポリビニルアルコールであるクラレ社製の「PVA224」
保護コロイドの添加量:モノマー成分100重量部に対して固形分換算で5重量部
得られたエマルションについて、上述した実施例1〜3と同様にして粘着テープを作製した。そして、上述した実施例1〜3と同様にして粘着剤層表面の状態、180°剥離強度および粘着物性の安定性を評価した。その結果を表4に示す。
Claims (6)
- 炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを界面活性剤が添加されている水性媒体中に分散させて第1プレ乳化物を得る工程と、
炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーを界面活性剤が添加されている水性媒体中に分散させて第2プレ乳化物を得る工程と、
前記第1プレ乳化物に前記第2プレ乳化物および重合開始剤をそれぞれ添加して乳化重合を行う工程と、を備え、
以下の第1〜第3タイミングのいずれかで中和剤を添加して中和を行う、長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
第1タイミング:重合開始剤の添加開始と同時に中和剤の添加を開始する。
第2タイミング:重合開始剤の添加終了と同時に中和剤の添加を開始する。
第3タイミング:乳化重合終了後に中和剤の添加を開始する。 - 前記中和剤を添加するタイミングが、前記第1タイミングまたは前記第2タイミングである、請求項1に記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
- 前記中和剤を添加するタイミングが、前記第2タイミングである、請求項1に記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
- 前記中和剤が、アンモニア水である、請求項1〜3のいずれかに記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
- pHが4〜6になるように中和を行う、請求項1〜4のいずれかに記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
- 前記第1プレ乳化物および前記第2プレ乳化物は、界面活性剤の組成が互いに同一であり、かつ水性媒体の組成が互いに同一である、請求項1〜5のいずれかに記載の長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法。
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JP2017084216A Pending JP2018044145A (ja) | 2016-09-12 | 2017-04-21 | 長鎖(メタ)アクリレート系エマルションの製造方法 |
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